JP4293535B2 - 活性エネルギー線硬化性光学的立体造形用エポキシ樹脂組成物及び光学的立体造形方法 - Google Patents

活性エネルギー線硬化性光学的立体造形用エポキシ樹脂組成物及び光学的立体造形方法 Download PDF

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Description

本発明は、紫外線、電子線などの活性エネルギー線を照射することにより硬化可能な活性エネルギー線硬化性光学的立体造形用エポキシ樹脂組成物及び光学的立体造形方法に関する。さらに詳しくは、耐薬品性、耐水性、耐湿性、接着性に優れ、硬化収縮の少ない硬化物を与える活性エネルギー線硬化性光学的立体造形用エポキシ樹脂組成物及び光学的立体造形方法に関する。
近年、紫外線、電子線などの活性エネルギー線の照射によって硬化する樹脂組成物が塗料、コーティング剤、接着剤、封止剤等として各種の分野で使用されている。このような活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の一つとして光硬化性エポキシ樹脂組成物が知られている。
(例えば特公昭63−113022号公報、特公平3−77210号公報、特開平1−149848号公報、特開平2−114022号公報、特開平4−266985号公報等)。
光硬化性エポキシ樹脂はラジカル重合型の光硬化性樹脂のように、酸素により硬化に影響を受けず、硬化物の物性や接着性が優れているという特徴を有し、その応用範囲も広く期待されているものである。
この光硬化性エポキシ樹脂組成物は、基本的にはエポキシ樹脂に光重合開始剤を添加したものである。光重合開始剤には、オニウム塩が使用されるのは既に知られている。
光重合開始剤で硬化させるエポキシ樹脂としては、3,4−エポキシシクロメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート(ユニオンカーバイド社製サイラキュアUVR−6110,ダイセル化学工業製セロキサイド2021)、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート(ユニオンカーバイド社製サイラキュアUVR−6128)に代表される、いわゆる、脂環式エポキシエステル化合物が反応速度および物性面で好適とされ、樹脂の主成分として用いられている。
また、光学的立体造形とは、特開昭60−247515号公報に記載されているように、光硬化性を有する各種樹脂を容器に入れ、上方からアルゴンレーザ、ヘリウムカドミウムレーザ、半導体レーザ等のビームを該樹脂の任意の部位に照射し、照射を連続的に行うことによって、樹脂の上記ビーム照射部位を硬化させ、これにより目的とする平面を創生して硬化層を形成する。続いて、該硬化層上に前述の光硬化性を有する樹脂をさらに1層分供給して、これを上記と同様にして硬化し、前述の硬化層と連続した硬化層を得る積層操作を行い、この操作を繰り返すことによって目的とする三次元の立体物を得る方法である。
従来、上記光学的立体造形に用いられていた樹脂としては、まずラジカル重合性樹脂組成物があり、例えば特開平2−228312号公報や特開平5−279436号公報には、(メタ)アクリル樹脂を中心とした立体造形用樹脂組成物が開示されている。さらに、特開平2−145616号公報には、変形の低減を目的として、液状樹脂と見かけ上の比重差が0.2未満である微小粒子を含む光学的立体造形用樹脂が開示されている。また、造形物の精度向上のために特開平3−15520号公報には、エチレン系不飽和モノマー、光開始剤及び不溶性潜在放射線偏光物質からなる組成物が、また特開平3−41126号公報には、エチレン系不飽和モノマー、光開始剤及び可溶性潜在放射線偏光物質からなる組成物が、夫々開示されている。さらに、特開平4−85314号公報には、シリコーンウレタンアクリレート、多官能エチレン性不飽和結合を有する化合物及び重合開始剤を含む樹脂組成物が開示されている。
また、他の光学的立体造形用樹脂組成物としては、カチオン重合性樹脂組成物が知られている。例えば、特開平1−213304号公報には、活性エネルギー線硬化型カチオン重合性有機化合物と活性エネルギー線感受性カチオン重合開始剤とを含有することを特徴とするカチオン重合性樹脂組成物が記載されている。特開平2−28261号公報には、活性エネルギー線硬化型カチオン重合性有機化合物に一部活性エネルギー線硬化型ラジカル重合性有機化合物を配合した低収縮率、高解像度の樹脂が開示されている。また、特開平2−80423号公報には、エポキシ樹脂にビニルエーテル樹脂と、活性エネルギー線感受性カチオン重合開始剤と、ラジカル硬化性樹脂と、活性エネルギー線感受性ラジカル重合開始剤とを配合した樹脂組成物が開示されている。更に、特開平2−75618号公報には、活性エネルギー線硬化性カチオン重合性有機化合物、活性エネルギー線感受性カチオン重合開始剤、活性エネルギー線硬化性ラジカル重合性有機化合物、活性エネルギー線感受性ラジカル重合開始剤及び水酸基含有ポリエステルを含有することを特徴とする光学的造形用樹脂組成物が開示されている。
上記、従来の光学的立体造形用樹脂組成物のうち、脂環式エポキシエステル化合物を主成分とする光硬化性エポキシ樹脂組成物の硬化物は、一般的に光沢性、耐熱性、耐薬品性に優れ、硬化収縮が少ないという性能を有し、塗料、コーティング剤、接着剤、封止剤等に用いられているものの、硬化物の耐アルカリ性、耐水性、接着性の面でさらに改良を必要とする面もあり、さらに吸湿による硬化物の寸法変化がある等、未だ十分なものは得られていない。
また、ラジカル重合性樹脂やそれを主成分とした光学的立体造形用樹脂組成物は、ラジカル重合を用いているため、何れの樹脂(組成物)を用いた場合でも酸素による硬化阻害が起こり硬化時の硬化率が低くなってしまうことから、造形時に必ず硬化に関与する光または熱を与える「後硬化処理」をする必要があり、この後硬化処理に際して造形物が変形しやすい欠点を有していた。またこれらの樹脂は硬化時の収縮も大きく、所望の寸法の造形物を得ることが困難であった。
また、特開平1−213304号公報、特開平2−28261号公報、特開平2−75618号公報記載のようなカチオン硬化型光学的立体造形用樹脂は、酸素による硬化阻害が起こらず、樹脂中の活性子により光遮断後も硬化が進行することから、後硬化処理が不要であり、変形が少ないという優れた特徴を有し、また硬化時の収縮も小さく、所望の寸法の造形物を得ることが容易であるが、照射エネルギーに対する感度が十分ではなく、また得られた造形物が吸湿性を有するために、吸湿による変形があるという欠点を有していた。
なお、特開昭58−172387号公報は2,2−ジシクロヘキセニルプロパンジエポキシドの製造法を提供するものであり、特開昭48−29899号公報はメチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサン)とポリカルボン酸無水物とからなる熱硬化によるエポキシ樹脂組成物を開示しているが、これら脂環式エポキシ化合物が光硬化乃至光学造形に適しているかどうかはこれまでまったく知られていないことであった。
特開平1−213304号公報(特許請求の範囲、実施例) 特開平2−28261号公報(特許請求の範囲、実施例) 特開平2−75618号公報(特許請求の範囲、実施例) 特開昭58−172387号公報(特許請求の範囲) 特開昭48−29899号公報 特願2002−260490号明細書(特許請求の範囲、実施例) Neftekhimiya,1972,12,353
そこで、本発明の目的は、諸物性に優れ、且つ吸湿による寸法変化の少ない優れた硬化物を与える活性エネルギー線硬化性光学的立体造形用エポキシ樹脂組成物及び光学的立体造形方法を提供することにある。
本発明者らは、特定の構造を有する脂環式エポキシ化合物を使用することにより、かかる問題点を解決し得ることを見い出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の第1は、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)および(2)活性エネルギー線感受性カチオン重合開始剤を含有することを特徴とする活性エネルギー線硬化性光学的立体造形用エポキシ樹脂組成物を提供する。
本発明の第2は、(1)一般式(I)
[式中でR 1 〜R 18 は、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。これらは、水素原子、ハロゲン原子、あるいは酸素原子もしくは、ハロゲン原子を含んでよい炭化水素基、又は置換基を有してよいアルコキシ基である]で表わされる脂環式エポキシ化合物と、(2)活性エネルギー線感受性カチオン重合開始剤と、(4)ラジカル重合性有機化合物と、(5)活性エネルギー線感受性ラジカル重合開始剤とを含有することを特徴とする活性エネルギー線硬化性光学的立体造形用エポキシ樹脂組成物を提供する。
本発明の第3は、式(I)で表される脂環式エポキシ化合物がビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)である上記発明2に記載の活性エネルギー線硬化性光学的立体造形用エポキシ樹脂組成物を提供する。
本発明の第4は、上記発明1から3のいずれかに記載のエネルギー線硬化性光学的立体造形用エポキシ樹脂組成物にさらに、(3)上記一般式(I)で表わされる脂環式エポキシ化合物以外のカチオン重合性有機化合物を含有することを特徴とする活性エネルギー線硬化性光学的立体造形用エポキシ樹脂組成物を提供する。
本発明の第5は、(2)活性エネルギー線感受性カチオン重合開始剤が芳香族ヨードニウム塩、芳香族スルホニウム塩、または鉄−アレーン錯体のいずれか一つである上記発明1から4のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化性光学的立体造形用エポキシ樹脂組成物を提供する。
本発明の第6は、上記発明2から5のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化性光学的立体造形用エポキシ樹脂組成物において、上記(4)ラジカル重合性有機化合物のうちの50重量%以上が、分子中に(メタ)アクリロイル基を有する化合物である活性エネルギー線硬化性光学的立体造形用エポキシ樹脂組成物を提供する。
本発明の第7は、(5)活性エネルギー線感受性ラジカル重合開始剤がアセトフェノン系化合物、ベンジル系化合物、またはケトン系化合物のいずれか一つである上記発明2から6のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化性光学的立体造形用エポキシ樹脂組成物を提供する。
本発明の第8は、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の任意の部分に活性エネルギー線を照射し、該樹脂組成物のエネルギー照射部分を硬化させて所望の厚さの硬化層を形成し、該硬化層上に前述の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物をさらに供給して、これを同様に硬化させ前述の硬化層と連続した硬化物を得る積層操作を行い、この操作を繰り返すことによって三次元の立体物を得る光学的立体造形法において、上記活性エネルギー線硬化性樹脂組成物が上記発明1〜7のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化性光学的立体造形用エポキシ樹脂組成物であることを特徴とする光学的立体造形方法を提供する。
本発明の第9は、上記発明8に記載の光学的立体造形方法により得られた三次元の立体物を提供する。
本発明においては、耐薬品性、耐水性、耐湿性、接着性等の諸物性に優れ、硬化収縮が少なく、かつ、硬化物における膨張の少ない、すなわち吸湿による寸法変化の少ない優れた硬化物を与える活性エネルギー線硬化性光学的立体造形用エポキシ樹脂組成物、およびこれを利用した光学的立体造形方法が得られる。
本発明に使用する(1)上記一般式(I)で示される脂環式エポキシ化合物において、式(I)中のR1〜R18は、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。これらは、水素原子、ハロゲン原子、あるいは酸素原子もしくは、ハロゲン原子を含んでよい炭化水素基、又は置換基を有してよいアルコキシ基である。
本発明においては、上記一般式(I)で示される脂環式エポキシ化合物の他にカチオン重合性有機化合物を1種またはそれ以上併用することができる。
本発明の活性エネルギー線硬化性光学的立体造形用エポキシ樹脂組成物における必須の樹脂成分である上記式(I)で表される脂環式エポキシ化合物は、公知であり、例えば、特願2002−260490号明細書やロシア文献(Neftekhimiya,1972,12,353)に記載されている方法で製造することができる。特に前者に記載されているように水分含有率の低い過酸を用いて対応するジオレフィン化合物のエポキシ化により製造されたものがジエポキシ化合物の含有率が高く好ましい。上記式(I)で表される脂環式エポキシ化合物の具体的なものとしては、R1〜R18がいずれも水素原子であるビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)があり、特に好ましく用いられる。
本発明に使用する(2)活性エネルギー線感受性カチオン重合開始剤とは、活性エネルギー線照射によりカチオン重合を開始させる物質を放出することが可能な化合物であり、特に好ましいものは、照射によってルイス酸を放出するオニウム塩である複塩またはその誘導体である。かかる化合物の代表的なものとしては、下記の一般式、
[A]m+[B]m-
で表される陽イオンと陰イオンの塩を挙げることができる。
ここで陽イオン[A]m+はオニウムであるのが好ましく、その構造は、例えば、下記の一般式、
[(R19aQ]m+
で表すことができる。
さらにここで、R19は炭素数が1〜60であり、炭素原子以外の原子をいくつ含んでもよい有機の基である。aは1〜5なる整数である。a個のR19は各々独立で、同一でも異なっていてもよい。また、少なくとも1つは、芳香環を有する上記の如き有機の基であることが好ましい。QはS、N、Se、Te、P、As、Sb、Bi、O、I、Br、Cl、F、N=Nからなる群から選ばれる原子あるいは原子団である。また、陽イオン[A]m+中のQの原子価をqとしたとき、m=a−qなる関係が成り立つことが必要である(但し、N=Nは原子価0として扱う)。
また、陰イオン[B]m-は、ハロゲン化物錯体であるのが好ましく、その構造は、例えば、下記一般式、
[LXbm-
で表すことができる。
さらにここで、Lはハロゲン化物錯体の中心原子である金属または半金属(Metalloid)であり、B、P、As、Sb、Fe、Sn、Bi、Al、Ca、In、Ti、Zn、Sc、V、Cr、Mn、Co等である。Xはハロゲン原子である。bは3〜7なる整数である。また、陰イオン[B]m-中のLの原子価をpとしたとき、m=b−pなる関係が成り立つことが必要である。
上記一般式で表される陰イオン[LXbm-の具体例としては、テトラフルオロボレート(BF4-、ヘキサフルオロフォスフェート(PF6-、ヘキサフルオロアンチモネート(SbF6-、ヘキサフルオロアルセネート(AsF6-、ヘキサクロロアンチモネート(SbCl6-等が挙げられる。
また、陰イオンBm-は、
[LXb-1(OH)]m-
で表される構造のものも好ましく用いることができる。L、X、bは上記と同様である。また、その他用いることができる陰イオンとしては、過塩素酸イオン(ClO4-、トリフルオロメチル亜硫酸イオン(CF3SO3-、フルオロスルホン酸イオン(FSO3-、トルエンスルホン酸陰イオン、トリニトロベンゼンスルホン酸陰イオン等が挙げられる。
本発明では、このようなオニウム塩の中でも、下記の(イ)〜(ハ)の芳香族オニウム塩を使用するのが特に有効である。これらの中から、その1種を単独で、または2種以上を混合して使用することができる。
(イ)フェニルジアゾニウムヘキサフルオロホスフェート、4−メトキシフェニルジアゾニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−メチルフェニルジアゾニウムヘキサフルオロホスフェートなどのアリールジアゾニウム塩
(ロ)ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジ(4−メチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ジ(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフェートなどのジアリールヨードニウム塩
(ハ)トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリス(4−メトキシフェニル)スルホニウムヘキサフルオロホスフェート、ジフェニル−4−チオフェノキシフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジフェニル−4−チオフェノキシフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、4,4’−ビス(ジフェニルスルフォニオ)フェニルスルフィド−ビス−ヘキサフルオロアンチモネート、4,4’−ビス(ジフェニルスルフォニオ)フェニルスルフィド−ビス−ヘキサフルオロホスフェート、4,4’−ビス[ジ(β−ヒドロキシエトキシ)フェニルスルホニオ]フェニルスルフィド−ビス−ヘキサフルオロアンチモネート、4,4’−ビス[ジ(β−ヒドロキシエトキシ)フェニルスルホニオ]フェニルスルフィド−ビス−ヘキサフルオロホスフェート、4−[4’−(ベンゾイル)フェニルチオ]フェニル−ジ−(4−フルオロフェニル)スルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−[4’−(ベンゾイル)フェニルチオ]フェニル−ジ−(4−フルオロフェニル)スルホニウムヘキサフルオロホスフェートなどのトリアリールスルホニウム塩等が好ましい。
また、その他好ましいものとしては、(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)〔(1,2,3,4,5,6,−η)−(1−メチルエチル)ベンゼン〕−アイアン−ヘキサフルオロホスフェート等の鉄−アレーン錯体や、トリス(アセチルアセトナト)アルミニウム、トリス(エチルアセトナトアセタト)アルミニウム、トリス(サリチルアルデヒダト)アルミニウムなどのアルミニウム錯体とトリフェニルシラノールなどのシラノール類との混合物なども挙げられる。
これらの中でも実用面と光感度の観点から、芳香族ヨードニウム塩、芳香族スルホニウム塩、鉄−アレーン錯体を用いることが好ましい。
本発明に使用する(3)上記一般式(I)で表される脂環式エポキシ化合物以外のカチオン重合性有機化合物とは、活性エネルギー線照射により活性化した活性エネルギー線感受性カチオン重合開始剤により高分子量化または架橋反応を起こす化合物で、上記一般式(I)で表される脂環式エポキシ化合物以外の構造を有する化合物をいう。
例えば、上記一般式(I)で表される脂環式エポキシ化合物以外の構造を有するエポキシ化合物、環状エーテル化合物、環状ラクトン化合物、環状アセタール化合物、環状チオエーテル化合物、スピロオルトエステル化合物、ビニル化合物などであり、これらの1種または2種以上使用することができる。中でも入手するのが容易であり、取り扱いに便利なエポキシ化合物が適している。かかるエポキシ化合物としては、芳香族エポキシ化合物、脂環族エポキシ化合物、脂肪族エポキシ化合物などが挙げられる。
上記芳香族エポキシ樹脂の具体例としては、少なくとも1個の芳香族環を有する多価フェノール、またはそのアルキレンオキサイド付加物のポリグリシジルエーテル、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、またはこれらに更にアルキレンオキサイドを付加させた化合物のグリシジルエーテルやエポキシノボラック樹脂などが挙げられる。
また、上記脂環族エポキシ樹脂の具体例としては、少なくとも1個の脂環族環を有する多価アルコールのポリグリシジルエーテルまたはシクロヘキセンやシクロペンテン環含有化合物を酸化剤でエポキシ化することによって得られるシクロヘキサンオキサイドやシクロペンテンオキサイド含有化合物が挙げられる。例えば、水素添加ビスフェノールAジグリシジルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシ−1−メチルシクロヘキシル−3,4−エポキシ−1−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、6−メチル−3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−6−メチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシ−3−メチルシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシ−3−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシ−5−メチルシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシ−5−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5−スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキサン−メタジオキサン、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビニルシクロヘキセンジオキサイド、4−ビニルエポキシシクロヘキサン、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルカルボキシレート、メチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサン)、ジシクロペンタジエンジエポキサイド、エチレングリコールジ(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)エーテル、エチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジオクチル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジ−2−エチルヘキシル等が挙げられる。
さらに、上記脂肪族エポキシ樹脂の具体例としては、脂肪族多価アルコールまたはそのアルキレンオキサイド付加物のポリグリシジルエーテル、脂肪族長鎖多塩基酸のポリグリシジルエステル、グリシジルアクリレートまたはグリシジルメタクリレートのビニル重合により合成したホモポリマー、グリシジルアクリレート、またはグリシジルメタクリレートとその他のビニルモノマーとのビニル重合により合成したコポリマー等が挙げられる。代表的な化合物としては、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリンのトリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンのトリグリシジルエーテル、ソルビトールのテトラグリシジルエーテル、ジペンタエリスリトールのヘキサグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールのジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールのジグリシジルエーテルなどの多価アルコールのグリシジルエーテル、またプロピレングリコール、トリメチロールプロパン、グリセリン等の脂肪族多価アルコールに1種または2種以上のアルキレンオキサイドを付加することによって得られるポリエーテルポリオールのポリグリシジルエーテル、脂肪族長鎖二塩基酸のジグリシジルエステルが挙げられる。さらに、脂肪族高級アルコールのモノグリシジルエーテルやフェノール、クレゾール、ブチルフェノール、また、これらにアルキレンオキサイドを付加することによって得られるポリエーテルアルコールのモノグリシジルエーテル、高級脂肪酸のグリシジルエステル、エポキシ化大豆油、エポキシステアリン酸オクチル、エポキシステアリン酸ブチル、エポキシ化アマニ油、エポキシ化ポリブタジエン等が挙げられる。
本発明で用いることができるカチオン重合性有機化合物のエポキシ化合物以外の具体例としては、トリメチレンオキサイド、3,3−ジメチルオキセタン、3,3−ジクロロメチルオキセタン等のオキセタン化合物、テトラヒドロフラン、2,3−ジメチルテトラヒドロフラン等のトリオキサン、1,3−ジオキソラン、1,3,6−トリオキサシクロオクタン等の環状エーテル化合物、β−プロピオラクトン、γ−ブチロラクトン、ε−カプロラクトン等の環状ラクトン化合物、エチレンスルフィド等のチイラン化合物、トリメチレンスルフィド、3,3−ジメチルチエタン等のチエタン化合物、テトラヒドロチオフェン誘導体等の環状チオエーテル化合物、エポキシ化合物とラクトンとの反応によって得られるスピロオルトエステル化合物、スピロオルトカーボナート化合物、環状カーボナート化合物、エチレングリコールジビニルエーテル、アルキルビニルエーテル、3,4−ジヒドロピラン−2−メチル(3,4−ジヒドロピラン−2−カルボキシレート)、トリエチレングリコールジビニルエーテル等のビニルエーテル化合物、スチレン、ビニルシクロヘキセン、イソブチレン、ポリブタジエン等のエチレン性不飽和化合物及び上記誘導体等が挙げられる。
本発明においては、(3)上記一般式(I)で表される脂環式エポキシ化合物以外のカチオン重合性有機化合物の配合量は、(1)上記一般式(I)で示される脂環式エポキシ化合物100重量部に対して、500重量部以下、好ましくは、300重量部以下、さらに好ましくは、100重量部以下である。
上記一般式(I)で示される脂環式エポキシ化合物以外のカチオン重合性有機化合物の配合量が500重量部を超えると一般式(I)で示される脂環式エポキシ化合物による優れた耐吸湿性が減殺される。
また、(2)活性エネルギー線感受性カチオン重合開始剤の配合量は、(1)上記一般式(I)で示される脂環式エポキシ化合物に対して、または(1)上記一般式(I)で示される脂環式エポキシ化合物と(3)上記一般式(I)で表される脂環式エポキシ化合物以外のカチオン重合性有機物質との総量に対して、0.05〜30重量%であり、好ましくは0.5〜10重量%である。この配合量が0.05重量%未満では感度が悪くなり、一方30重量%を超えると硬化性が悪化するとともに接着性の低下、硬化物の着色等の問題が生じやすい。
本発明に使用する(4)ラジカル重合性有機化合物とは、活性エネルギー線感受性ラジカル重合開始剤の存在下、活性エネルギー線照射により高分子量化または架橋反応するラジカル重合性有機化合物で、好ましくは1分子中に少なくとも1個以上の不飽和二重結合を有する化合物である。
かかる化合物としては、例えばアクリレート化合物、メタクリレート化合物、アリルウレタン化合物、不飽和ポリエステル化合物、スチレン系化合物等が挙げられる。
かかるラジカル重合性有機化合物の中でも(メタ)アクリロイル基を有する化合物は、合成、入手が容易であり、また取り扱いも容易であり、好ましい。例えば、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、アルコール類の(メタ)アクリル酸エステルが挙げられる。
ここで、エポキシ(メタ)アクリレートとは、例えば、従来公知の芳香族エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂などと、(メタ)アクリル酸とを反応させて得られるアクリレートである。これらのエポキシアクリレートのうち、特に好ましいものは、芳香族エポキシ樹脂のアクリレートであり、少なくとも1個の芳香核を有する多価フェノールまたはそのアルキレンオキサイド付加体のポリグリシジルエーテルを、(メタ)アクリル酸と反応させて得られる(メタ)アクリレートである。例えば、ビスフェノールA、またはそのアルキレンオキサイド付加体とエピクロロヒドリンとの反応によって得られるグリシジルエーテルを、(メタ)アクリル酸と反応させて得られる(メタ)アクリレート、エポキシノボラック樹脂と(メタ)アクリル酸を反応して得られる(メタ)アクリレート等が挙げられる。
ウレタン(メタ)アクリレートとして好ましいものは、1種または2種以上の水酸基含有ポリエステルや水酸基含有ポリエーテルに水酸基含有(メタ)アクリル酸エステルとイソシアネート類を反応させて得られる(メタ)アクリレートや、水酸基含有(メタ)アクリル酸エステルとイソシアネート類を反応させて得られる(メタ)アクリレート等である。
ここで使用する水酸基含有ポリエステルとして好ましいものは、1種または2種以上の多価アルコールと、1種または2種以上の多塩基酸或いは1種または2種以上のラクトン類との反応によって得られる水酸基含有ポリエステルであって、多価アルコールとしては、例えば、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトールなどが挙げられる。多塩基酸としては、例えば、アジピン酸、テレフタル酸、無水フタル酸、トリメリット酸などが挙げられる。ラクトン類としては、β−プロピオラクトン、γ−ブチロラクトン、ε−カプロラクトンなどが挙げられる。
水酸基含有ポリエーテルとして好ましいものは、多価アルコールに1種または2種以上のアルキレンオキサイドを付加することによって得られる水酸基含有ポリエーテルであって、多価アルコールとしては、前述した化合物と同様のものが例示できる。アルキレンオキサイドとしては、例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドが挙げられる。
水酸基含有(メタ)アクリル酸エステルとして好ましいものは、多価アルコールと(メタ)アクリル酸のエステル化反応によって得られる水酸基含有(メタ)アクリル酸エステルであって、多価アルコールとしては、前述した化合物と同様のものが例示できる。
かかる水酸基含有(メタ)アクリル酸のうち、二価アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル化反応によって得られる水酸基含有(メタ)アクリル酸エステルは特に好ましく、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートが挙げられる。
イソシアネート類としては、分子中に少なくとも1個以上のイソシアネート基を持つ化合物が好ましく、トリレンジイソシアネートや、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなどの2価のイソシアネート化合物が特に好ましい。
ポリエステル(メタ)アクリレートとして好ましいものは、水酸基含有ポリエステルと(メタ)アクリル酸とを反応させて得られるポリエステル(メタ)アクリレートである。ここで使用する水酸基含有ポリエステルとして好ましいものは、1種または2種以上の多価アルコールと、1種または2種以上の1塩基酸、多塩基酸とのエステル化反応によって得られる水酸基含有ポリエステルであって、多価アルコールとしては、前述した化合物と同様のものが例示できる。1塩基酸としては、例えばギ酸、酢酸、酪酸、安息香酸が挙げられる。多塩基酸としては、例えばアジピン酸、テレフタル酸、無水フタル酸、トリメリット酸が挙げられる。
ポリエーテル(メタ)アクリレートとして好ましいものは、水酸基含有ポリエーテルと、メタ(アクリル)酸とを反応させて得られるポリエーテル(メタ)アクリレートである。ここで使用する水酸基含有ポリエーテルとして好ましいものは、多価アルコールに1種または2種以上のアルキレンオキサイドを付加することによって得られる水酸基含有ポリエーテルであって、多価アルコールとしては、前述した化合物と同様のものが例示できる。アルキレンオキサイドとしては、例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドが挙げられる。
アルコール類の(メタ)アクリル酸エステルとして好ましいものは、分子中に少なくとも1個の水酸基を持つ芳香族または脂肪族アルコール、及びそのアルキレンオキサイド付加体と(メタ)アクリル酸とを反応させて得られる(メタ)アクリレートであり、例えば、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ε−カプロラクトン変性、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートが挙げられる。
本発明においては、上記(4)ラジカル重合性有機化合物100重量部のうち50重量部以上が、分子中に(メタ)アクリロイル基を有する化合物であることが好ましい。その理由は、(メタ)アクリロイル基以外の不飽和基を有する化合物の割合が多くなると活性エネルギー線による硬化性が低下する場合があるからである。(メタ)アクリロイル基を有する化合物の中でも、(メタ)アクリロイル基を2個以上有するポリ(メタ)アクリレートを使用することが好ましい。
本発明に使用する(4)ラジカル重合性有機化合物の配合量は、上記一般式(I)で表わされる脂環式エポキシ化合物または脂環式エポキシ化合物とそれ以外のカチオン重合性有機化合物との混合物100重量部に対して200重量部以下であることが好ましく、100重量部以下であることが特に好ましい。ラジカル重合性有機化合物の配合量が200重量部を超えると脂環式エポキシ化合物による優れた耐吸湿性が減殺される。
本発明に使用する(5)活性エネルギー線感受性ラジカル重合開始剤は、活性エネルギー線照射によってラジカル重合を開始させることが可能な化合物であり、アセトフェノン系化合物、ベンジル系化合物、チオキサントン系化合物などのケトン系化合物が好ましい。
アセトフェノン系化合物としては、例えばジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、4’−イソプロピル−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、2−ヒドロキシメチル−2−メチルプロピオフェノン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、p−ジメチルアミノアセトフェノン、p−ターシャリブチルジクロロアセトフェノン、p−ターシャリブチルトリクロロアセトフェノン、p−アジドベンザルアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパノン−1、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン−n−ブチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等が挙げられる。
ベンジル系化合物としては、ベンジル、アニシル等が挙げられる。
ベンゾフェノン系化合物としては、例えばベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、ミヒラーケトン、4,4’−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルスルフィドなどが挙げられる。
チオキサントン系化合物としては、チオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン等が挙げられる。
その他のエネルギー線感受性ラジカル重合開始剤としては、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス(シクロペンタジエニル)−ビス[2,6−ジフルオロ−3−(ピル−1−イル)]チタニウムなどが挙げられる。
これらの(5)活性エネルギー線感受性ラジカル重合開始剤は1種あるいは2種以上のものを所望の性能に応じて配合して使用することができる。
活性エネルギー線感受性ラジカル重合開始剤の配合量はラジカル重合性有機化合物100重量部に対して0.05〜30重量部、好ましくは、0.5〜10重量部である。配合量が0.05重量部未満では硬化不良を生じることがあり、逆に30重量部を超えると硬化物が着色したり、硬化物の機械的物性の低下が生じることがある。
本発明の活性エネルギー線硬化性光学的立体造形用エポキシ樹脂組成物には、必須ではないが本発明の目的の範囲内で所望により、光増感剤を配合することができる。例えば、アントラセン誘導体、ピレン誘導体等の光増感剤を併用することにより、これらを配合しない場合に比べて硬化速度がさらに向上し、活性エネルギー線硬化性エポキシ樹脂組成物として好ましいものになる。光増感剤は、概ね、(2)エネルギー線感受性カチオン重合開始剤に対して20〜300重量%程度であればよい。
また、本発明の活性エネルギー線硬化性光学的立体造形用エポキシ樹脂組成物には、必須ではないが本発明の目的の範囲内で所望により、1分子中に2個以上の水酸基を有する有機化合物を配合することができる。例えば、多価アルコール、水酸基含有ポリエーテル、水酸基含有ポリエステル、多価フェノールなどの1分子中に2個以上の水酸基を有する有機化合物を配合することによって、柔軟な硬化物を得ることができる。
多価アルコールの例としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスルトール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなどが挙げられる。
また、水酸基含有ポリエーテルとは、1種または2種以上の多価アルコールまたは多価フェノールに1種または2種以上のアルキレンオキサイドを付加して得られる化合物である。これに用いられる多価アルコールの例としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスルトール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなどが挙げられる。多価フェノールの例としてはビスフェノールA、ビスフェノールF、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂などが挙げられる。またアルキレンオキサイドの例としては、ブチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、エチレンオキサイド等が挙げられる。
さらに、水酸基含有ポリエステルとは、1種または2種以上の多価アルコールや多価フェノールと1種または2種以上の1塩基酸や多塩基酸とのエステル化反応によって得られる水酸基含有ポリエステル、及び1種または2種以上の多価アルコールや多価フェノールと1種または2種以上のラクトン類とのエステル化反応によって得られる水酸基含有ポリエステルである。多価アルコールや多価フェノールの例としては前述のものと同様のものが挙げられる。1塩基酸としては、例えばギ酸、酢酸、酪酸、安息香酸などが挙げられる。多塩基酸としては、例えば、アジピン酸、テレフタル酸、トリメリット酸などが挙げられる。ラクトン類としてはβ−プロピオラクトン、γ−ブチロラクトン、ε−カプロラクトンなどが挙げられる。
多価フェノールとは、芳香環に直接結合した水酸基を1分子中に2個以上含有する化合物であり、前述のものと同様のものが挙げられる。
1分子中に2個以上の水酸基を有する有機化合物は、概ね、(1)上記一般式(I)で示される脂環式エポキシ化合物に対して、または(1)上記一般式(I)で示される脂環式エポキシ化合物と(3)上記一般式(I)で表される脂環式エポキシ化合物以外のカチオン重合性有機化合物との総量に対して、1〜50重量%程度であればよい。
また、本発明の活性エネルギー線硬化性光学的立体造形用エポキシ樹脂組成物には、必須ではないが本発明の目的の範囲内で所望により、熱可塑性高分子化合物を配合することができる。熱可塑性高分子化合物は、室温において液体または固体であり、室温において樹脂組成物と均一に混和する高分子化合物である。
かかる熱可塑性高分子化合物の代表的なものとしては、ポリエステル、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリブタジエン、ポリカーボナート、ポリスチレン、ポリビニルエーテル、ポリビニルブチラール、ポリアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリブテン、スチレンブタジエンブロックコポリマー水添物などが挙げられる。また、これらの熱可塑性高分子化合物に水酸基、カルボキシル基、ビニル基、エポキシ基などの官能基を導入した物を用いることもできる。かかる熱可塑性高分子化合物について本発明に対して望ましい数平均分子量は1000〜500000であり、さらに好ましい数平均分子量は5000〜100000である。
熱可塑性高分子化合物を配合した本発明の活性エネルギー線硬化性光学的立体造形用エポキシ樹脂組成物は、これらを配合しない場合に比べて、硬化物の機械物性が更に上昇し、好ましいものとなる。熱可塑性高分子化合物は、概ね、(1)上記一般式(I)で示される脂環式エポキシ化合物に対して、または(1)上記一般式(I)で示される脂環式エポキシ化合物と(3)上記一般式(I)で表される脂環式エポキシ化合物以外のカチオン重合性有機化合物との総量に対して、あるいは(1)上記一般式(I)で示される脂環式エポキシ化合物と(3)上記一般式(I)で表される脂環式エポキシ化合物以外のカチオン重合性有機化合物と(4)ラジカル重合性有機化合物との総量に対して、3〜100重量%程度であればよい。
また、本発明の活性エネルギー線硬化性光学的立体造形用エポキシ樹脂組成物には、必須ではないが本発明の目的の範囲内で所望により、充填剤を配合することができる。充填剤は無機および有機の粉末状、フレーク状、繊維状物質のことである。
無機の充填剤の例としては、ガラス粉末、マイカ粉末、シリカまたは石英粉末、炭素粉末、炭酸カルシウム粉末、アルミナ粉末、水酸化アルミニウム粉末、ケイ酸アルミニウム粉末、ケイ酸ジルコニウム粉末、酸化鉄粉末、硫酸バリウム粉末、カオリン、ドロマイト、金属粉末、ガラス繊維、炭素繊維、アスベスト、金属ホイスカー、炭酸カルシウムホイスカー、中空ガラスバルーンあるいはこれらの表面をカップリング剤で処理し、表面に有機基をつけたものなどが挙げられる。
有機の充填剤の例としては、パルプ粉末、ナイロン粉末、ポリエチレン粉末、架橋ポリスチレン粉末、架橋アクリル樹脂粉末、架橋フェノール樹脂粉末、架橋尿素樹脂粉末、架橋メラミン樹脂粉末、架橋エポキシ樹脂粉末、ゴム粉末あるいはこれらの表面にエポキシ基、アクリル基、水酸基などの反応性の基をつけたものなどが挙げられる。充填剤は、概ね、(1)上記一般式(I)で示される脂環式エポキシ化合物に対して、または(1)上記一般式(I)で示される脂環式エポキシ化合物と(3)上記一般式(I)で表される脂環式エポキシ化合物以外のカチオン重合性有機物質との総量に対して、あるいは(1)上記一般式(I)で示される脂環式エポキシ化合物と(3)上記一般式(I)で表される脂環式エポキシ化合物以外のカチオン重合性有機物質と(4)ラジカル重合性有機化合物との総量に対して、0.5〜30重量%程度、好ましくは1〜20重量%程度であればよい。充填剤の配合量が30重量%を超えると活性エネルギー線による硬化性が低下する場合がある。
また、本発明の効果を損なわない範囲で所望により、熱感応性カチオン重合開始剤、顔料、染料などの着色剤、レベリング剤、消泡剤、増粘剤、難燃剤、酸化防止剤、安定剤等の各種樹脂添加物等を通常の使用量の範囲で添加することができる。上記熱感応性カチオン重合開始剤としては、例えば、特開昭57−49613号公報や特開昭58−37004号公報に記載の2−ブチニルテトラメチレンスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、3−メチル−2−ブチニルテトラメチレンスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート等のオニウム塩類が挙げられる。
本発明の活性エネルギー線硬化性光学的立体造形用エポキシ樹脂組成物を硬化させる活性エネルギー線としては、紫外線、電子線、X線、放射線、高周波等があり、紫外線が経済的に最も好ましい。紫外線の光源としては、紫外線レーザ、水銀ランプ、キセノンランプ、ナトリウムランプ、アルカリ金属ランプ等がある。
本発明の活性エネルギー線硬化性光学的立体造形用エポキシ樹脂組成物は、金属、ゴム、プラスチック、造形品、フィルム、紙、木材、ガラス、コンクリート、セラミック製品等に対して使用することができる。
また、本発明の活性エネルギー線硬化性光学的立体造形用エポキシ樹脂組成物の具体的な用途としては、光学的立体造形用樹脂組成物以外では、塗料、コーティング剤、インク、レジスト、接着剤、成形材料、注型材料、パテ、含浸剤等が挙げられる。
次に、本発明の活性エネルギー線硬化性光学的立体造形用エポキシ樹脂組成物及び光学的立体造形方法について詳述する。
本発明の光学的立体造形法を行うには、まず、活性エネルギー線硬化性光学的立体造形用エポキシ樹脂組成物を調製する必要がある。
この調製工程は周知の工程によるのがよく、例えば、構成材料を十分混合する。具体的な混合方法としては、例えばプロペラの回転に伴う撹拌力を利用する撹拌法やロール練込み法などが挙げられる。活性エネルギー線硬化性光学的立体造形用エポキシ樹脂組成物に必要な上記構成成分(1)と(2)、(1)と(2)と(3)、または(1)と(2)と(3)と(4)と(5)の好ましい配合比、また必要に応じて配合される添加剤の種類及びその配合比は上述した通りである。このようにして得られた活性エネルギー線硬化性光学的立体造形用エポキシ樹脂組成物は概ね常温で液状である。
次に、上記活性エネルギー線硬化性光学的立体造形用エポキシ樹脂組成物の任意の表面に、エネルギー線を照射し、該樹脂組成物の活性エネルギー線照射表面を硬化させて所望の厚さの硬化層を形成し、該硬化層上に前述の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物をさらに供給して、これを同様に硬化させて前述の硬化層と連続した硬化層を得る積層操作を行い、この操作を繰り返すことによって三次元の立体成形物を得る。
以下に本発明の光学的立体造形法を実施するための作業手順を具体的に示す。まず、例えば特開昭60−2475l5号公報に記載されているように、一方(上部)が開口している容器にその高さの半分程度まで上記樹脂組成物を充填し、次いで、この中に活性エネルギー線に対して透明な材料で作られた底部を有する箱体をその内部に当該樹脂組成物が流れ込まないように沈め、箱体の上部に導光体(集光用のレンズを有し、下方向に活性エネルギー線を照射できる構造を有する)を配置し、上記箱体または容器と当該導光体とを相対的に移動しつつ、該導光体から箱体の活性エネルギー線に対して透明な材料で作られた底部を介して当該樹脂組成物内部の所定部分に硬化に必要な活性エネルギー線を選択的に照射することによって所望形状の固体を形成する、といった方法である。なお、前記箱体を使用せず、導光体から容器内部に充填された当該樹脂組成物内部の所定部分に対して直接活性エネルギー線を照射する方法でもよい。
本発明の光学的立体造形法に使用する活性エネルギー線の種類は、前述の本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を硬化させる活性エネルギー線と同じである。すなわち、紫外線、電子線、X線、放射線、高周波等があり、1800〜5000Å程度の波長を有する紫外線が経済的に最も好ましい。紫外線の光源としては、紫外線レーザ、水銀ランプ、キセノンランプ、ナトリウムランプ、アルカリ金属ランプ等があるが、集光性が良好なことからレーザ光線が特に好ましい。本発明の活性エネルギー線硬化性光学的立体造形用エポキシ樹脂組成物は、三次元立体モデルを層状形成物の積み重ねによって作成するために非常に優れたものであり、金型を用いないでモデルの創作加工ができ、しかも、CAD/CAMと組みあわせることにより、自由局面など種々の形状が高精度に創作することができ、工業的価値が極めて大きい。例えば、本発明の活性エネルギー線硬化性光学的立体造形用エポキシ樹脂組成物の応用分野としては、設計の途中で外観デザインを審査するためのモデル、部品相互の組み合わせの不都合をチェックするためのモデル、鋳型を製作するための木型、金型を製作するための倣い加工用モデル等幅広い用途に利用することができる。
(実施例)
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
〔実施例1〜12、比較例1〜10〕
下記の表1および表2に示す配合組成(数値は重量部である。)に従って活性エネルギー線硬化組成物を配合し、均一混合した。
なお、各表中の実施例および比較例で用いたカチオン重合性有機物質としてのエポキシ樹脂およびエネルギー線感受性カチオン重合開始剤は夫々下記の通りである。
エポキシ樹脂A:下記合成例1で合成されたビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)
エポキシ樹脂B:3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート
エポキシ樹脂C:ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート
エポキシ樹脂D:1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル
開始剤1:ジ−(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート
開始剤2:ジフェニル−4−チオフェノキシフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート
開始剤3:4−[4’−(ベンゾイル)フェニルチオ]フェニル−ジ−(4−フルオロフェニル)スルホニウムヘキサフルオロアンチモネート
開始剤4:4,4’ビス−(ジフェニルスルホニオ)フェニルスルフィド−ビス−ヘキサフルオロアンチモネート
開始剤5:4,4’−ビス−[ジ(β−ヒドロキシエトキシ)フェニルスルホニオ]フェニルスルフィド−ビス−ヘキサフルオロアンチモネート
エポキシ樹脂Aは下記の合成例1で合成された。
(合成例1)
出発原料の脂環式オレフィン化合物であるビシクロヘキシル−3,3’−ジエン406g、酢酸エチル1217gを仕込み、窒素を気相部に吹き込みながら、かつ、反応系内の温度を37.5℃になるようにコントロールしながら約3時間かけて30重量%過酢酸の酢酸エチル溶液(水分率0.41重量%)457gを滴下した。過酢酸溶液滴下終了後、40℃で1時間熟成し反応を終了した。さらに30℃で反応終了時の粗液を水洗し、70℃/20mmHgで低沸点化合物の除去を行い、エポキシ化合物415gを得た。このときの収率は85%であった。
得られたエポキシ化合物のオキシラン酸素濃度は14.7重量%(理論値:16.5重量%)であった。
また1HNMRの測定では、δ4.5〜5ppm付近の内部二重結合に由来するピークが消失し、δ2.9〜3.1ppm付近にエポキシ基に由来するプロトンのピークの生成が確認され、前記一般式(I)で表される脂環式エポキシ化合物(エポキシ化合物Aとする)であることが確認された。
また、表1および表2における各性能の評価は、次のような方法により測定した。
[透明性]
組成物の透明性を目視判定した。○:完全に透明である、△:わずかに濁りあり、×:白濁している。
[指触乾燥性]
供試組成物をアルミテストパネル上に5ミクロンに塗布し、80W/cmの高圧水銀灯で10cmの距離から紫外線を照射し、硬化させたときの塗膜表面が指触乾燥するまでの照射量(mJ/cm2)を測定した。
○:50mJ/cm2未満、△:50mJ/cm2以上100mJ/cm2未満、×:100mJ/cm2以上
[光沢]
指触乾燥するまで紫外線を照射した後、硬化塗膜の表面を目視判定した。
○:光沢が良好である、△:ややくもりがある、×:光沢が全くない
[耐アルカリ性]
ボンデ処理鋼板に組成物を20μmの厚さで塗布し、80W/cmの高圧水銀灯で100mJ/cm2照射して得られた硬化塗膜を作り、1規定NaOH溶液を数滴垂らし、液が膜上を移動しないように水平に固定し、水分の蒸発防止のためにシャーレでふたをして24時間放置後、流水で洗浄し、硬化膜の変化を目視で判定した。
○:変化なし、△:塗膜白化、×:塗膜消失
[吸水率]
厚さ3mmのスペーサーを挟むんだ2枚のガラス板の間に供試組成物を注入し、紫外線を照射して30mm×30mm×3mmの大きさの試験片を作製し、JIS−K6911に従い測定した。紫外線は80W/cmの高圧水銀灯下で2000mJ/cm2照射した。
〔実施例13〜15〕
以下では光学的立体造形を行った。
下記の表3に示す配合組成(数値は重量部である。)に従って、各部材を充分に混合して活性エネルギー線硬化性光学的立体造形用エポキシ樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物は淡黄色透明の液体であった。
[比較例11、12]
下記の表3に示す配合組成(数値は重量部である。)に従って、各種樹脂組成物を調製し、実施例13〜15と同様の操作にて試験を行った。各試験結果を実施例13〜15と併せて表3に示す。なお、上記以外の、試験に用いた化合物は以下の通りである。
ラジカル重合性有機物質(以下「ラジカル樹脂」と略す)としては、下記のラジカル樹脂1〜3を用いた。
ラジカル樹脂1:ビスフェノールAジグリシジルエーテルジアクリレート
ラジカル樹脂2:トリメチロールプロパントリアクリレート
ラジカル樹脂3:ジペンタエリスルトールヘキサアクリレート
エネルギー線感受性ラジカル重合開始剤(以下「ラジカル開始剤」と略す)としては下記のラジカル開始剤1、2を用いた。
ラジカル開始剤1:1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン
ラジカル開始剤2:2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルメタン−1−オン
次に、樹脂組成物を入れる容器を載せた3次元NC(数値制御)テーブル、紫外Arイオンレーザ(波長333、351、364nmのマルチライン、出力100mW)、光学系及び制御用コンピュータを中心とした制御部からなる立体造形実験システムを用いて、実施例13〜15および比較例11、12で得られた樹脂組成物からCADデータを元に、0.1mmピッチで積層して高さ9cm、直径5cmの中空の円柱状のモデルを作製した。このモデルを作製するのに要した時間は55分であった。設計寸法に対する精度は高さ方向で0.05%、半径方向で0.03%であった。また、樹脂の吸水による変化を調べるために、3mm×10mm×50mmの大きさの中空の試験片を作製し、これをデシケータに5日間放置して完全に乾燥させた。この試験片を温度30℃、湿度90%RHの恒温恒湿槽中に5日間放置して、加湿の前後での50mmの辺の長さから水分による膨張率を測定した。その結果、膨張率は0.01%であった。

Claims (9)

  1. ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)および(2)活性エネルギー線感受性カチオン重合開始剤を含有することを特徴とする活性エネルギー線硬化性光学的立体造形用エポキシ樹脂組成物。
  2. (1)一般式(I)
    [式中でR1〜R18は、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。これらは、水素原子、ハロゲン原子、あるいは酸素原子もしくは、ハロゲン原子を含んでよい炭化水素基、又は置換基を有してよいアルコキシ基である]
    で表わされる脂環式エポキシ化合物と、(2)活性エネルギー線感受性カチオン重合開始剤と、(4)ラジカル重合性有機化合物と、(5)活性エネルギー線感受性ラジカル重合開始剤とを含有することを特徴とする活性エネルギー線硬化性光学的立体造形用エポキシ樹脂組成物。
  3. 式()で表される脂環式エポキシ化合物がビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)である請求項2に記載の活性エネルギー線硬化性光学的立体造形用エポキシ樹脂組成物。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載のエネルギー線硬化性光学的立体造形用エポキシ樹脂組成物にさらに、(3)上記一般式(I)で表わされる脂環式エポキシ化合物以外のカチオン重合性有機化合物を含有することを特徴とする活性エネルギー線硬化性光学的立体造形用エポキシ樹脂組成物。
  5. (2)活性エネルギー線感受性カチオン重合開始剤が芳香族ヨードニウム塩、芳香族スルホニウム塩、または鉄−アレーン錯体のいずれか一つである請求項1から4のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化性光学的立体造形用エポキシ樹脂組成物。
  6. 請求項2から5のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化性光学的立体造形用エポキシ樹脂組成物において、上記(4)ラジカル重合性有機化合物のうちの50重量%以上が、分子中に(メタ)アクリロイル基を有する化合物である活性エネルギー線硬化性光学的立体造形用エポキシ樹脂組成物。
  7. )活性エネルギー線感受性ラジカル重合開始剤がアセトフェノン系化合物、ベンジル系化合物、またはケトン系化合物のいずれか一つである請求項2から6のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化性光学的立体造形用エポキシ樹脂組成物。
  8. 活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の任意の部分に活性エネルギー線を照射し、該樹脂組成物のエネルギー照射部分を硬化させて所望の厚さの硬化層を形成し、該硬化層上に前述の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物をさらに供給して、これを同様に硬化させ前述の硬化層と連続した硬化物を得る積層操作を行い、この操作を繰り返すことによって三次元の立体物を得る光学的立体造形法において、上記活性エネルギー線硬化性樹脂組成物が請求項1〜7のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化性光学的立体造形用エポキシ樹脂組成物であることを特徴とする光学的立体造形方法。
  9. 請求項8に記載の光学的立体造形方法により得られた三次元の立体物。
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