JPH1169710A - スピンドルモータ - Google Patents

スピンドルモータ

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JPH1169710A
JPH1169710A JP22126297A JP22126297A JPH1169710A JP H1169710 A JPH1169710 A JP H1169710A JP 22126297 A JP22126297 A JP 22126297A JP 22126297 A JP22126297 A JP 22126297A JP H1169710 A JPH1169710 A JP H1169710A
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JP
Japan
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fixed shaft
ball bearing
peripheral surface
outer peripheral
spindle motor
Prior art date
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Pending
Application number
JP22126297A
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English (en)
Inventor
Masayuki Ishikawa
政幸 石川
Shinji Ota
真司 太田
Masaaki Sato
正章 佐藤
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Nidec Instruments Corp
Original Assignee
Sankyo Seiki Manufacturing Co Ltd
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Publication date
Application filed by Sankyo Seiki Manufacturing Co Ltd filed Critical Sankyo Seiki Manufacturing Co Ltd
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  • Connection Of Motors, Electrical Generators, Mechanical Devices, And The Like (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 モータ停止時の潤滑油の漏出を防止すること
のできるスピンドルモータを提供すること。 【解決手段】 スピンドルモータ1において、固定軸3
の外周面33のうち、第1のボールベアリング5の内輪
51の取り付け位置とシール部材7の対峙した位置の間
には、切削加工時に付いた螺旋状の切削跡を断ち切る環
状溝8が形成されている。従って、モータ停止時に、潤
滑油が毛細管現象によって固定軸3の外周面33を第1
のボールベアリング5の方から伝ってきても、この潤滑
油を環状溝8に溜めることができるので、潤滑油はそこ
からはい上がっていかない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ハードディスクの
回転駆動装置等として用いられるスピンドルモータに関
するものである。さらに詳しくは、スピンドルモータに
用いられているボールベアリングの潤滑油が外部に漏れ
るのを防止するための構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】スピンドルモータとしては、モータフレ
ームから直立した軸にボールベアリングを介してハブが
回転自在に支持された構造のものがある。ボールベアリ
ング内には防錆と潤滑性能の向上を目的に潤滑油が添加
されている。従って、ハブの回転中には、ボールベアリ
ングの潤滑油が霧状に飛び散る現象が生じる。従って、
固定軸とハブの間にラビリンスシール構造を形成し、ハ
ブの内側で飛散した潤滑油が当該スピンドルモータの外
部に漏れないようにしている。
【0003】また、特開平7−7880号公報には、軸
とケースの間にラビリンスシール構造を形成すると共
に、ボールベアリングの潤滑油を排出するための管(グ
リース排出管)を形成し、その排出管に空気抜きのため
の孔を形成してケースの内側から排出管の側に空気が流
れるようにしたモータが開示されている。この構造で
は、モータの駆動時に飛散した潤滑油が排出管内に溜ま
るので、ケースの外部には潤滑油が漏れない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ラビリ
ンスシール構造や潤滑油の排出管などを利用した油漏れ
防止構造では、モータ駆動時の油漏れを防止することは
できるが、モータ停止時の油漏れを防止することはでき
ない。すなわち、固定軸の外周面にはその切削加工時の
切削跡が螺旋状に付いているため、モータ停止時には、
この切削跡を潤滑油が毛細管現象で伝わり、ケースの外
部に潤滑油が漏出するのである。このようにして漏出し
た潤滑油がハードディスクに付着すると、情報の記録、
再生に支障をきたす。
【0005】そこで、本発明の課題は、モータ停止時に
固定軸を伝って潤滑油が漏出するのを防止することので
きるスピンドルモータを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明は、モータフレームから直立する固定軸
と、該固定軸にボールベアリングを介して回転可能に支
持されたハブとを有するスピンドルモータにおいて、前
記固定軸の外周面のうち、前記ボールベアリングの内輪
の取り付け位置より軸端側には、当該ボールベアリング
の方から当該固定軸の外周面を伝ってくる潤滑油を保持
する環状溝が形成されていることを特徴とする。
【0007】本発明において、前記固定軸が旋盤による
切削加工品であれば、前記環状溝は、前記固定軸の外周
面に形成された螺旋状の切削跡よりも幅広に形成する。
【0008】本発明に係るスピンドルモータでは、固定
軸の外周面のうち、ボールベアリングの内輪の取り付け
位置より軸端側に環状溝が形成され、この環状溝は、固
定軸の切削加工時にその外周面に付いた螺旋状の切削跡
を断ち切っている。このため、潤滑油がボールベアリン
グの方から固定軸の外周面を伝ってきても、環状溝が形
成されている部分では切削跡が断ち切られているので、
潤滑油は環状溝内に溜まり保持されるだけで、それ以
上、軸端側に伝っていくことはない。それ故、潤滑油
は、モータ停止時にもハブの外部に漏れ出すことがない
ので、ハードディスクなどに潤滑油が付着することはな
い。
【0009】本発明において、前記環状溝の側壁として
構成される環状壁面は、固定軸の軸線方向と直交する環
状壁面になっていることが好ましい。すなわち、前記環
状溝の側壁は溝の底部から垂直に立ち上がっていること
が好ましい。このように溝の底部から垂直に立ち上がっ
ている環状壁面であれば、潤滑油に対する障壁としての
効果が高い。
【0010】本発明において、前記ハブは、前記ボール
ベアリングの内輪の取り付け位置よりも軸端側で前記固
定軸の外周面に対して微少間隔をあけて対峙するシール
部材を備える場合がある。この場合に、前記環状溝は、
前記固定軸の外周面のうち、前記ボールベアリングの内
輪の取り付け位置と前記シール部材の対峙する位置との
間に形成することが好ましい。このように、固定軸の外
周面に対して微少間隔をあけて対峙するシール部材を取
り付けると、シール部材と固定軸との間にラビリンスシ
ール構造が形成される。従って、モータ駆動時にボール
ベアリングの潤滑油が飛散しても、ラビリンスシール構
造によってその潤滑油を遮り、ハブの外部に潤滑油が漏
れることを防止できる。このような構成のときに、シー
ル部材が対峙する位置に環状溝を構成すると、その寸法
などによっては、環状溝がラビリンスシール効果を低下
させるおそれがある。しかるに、本発明のように、固定
軸の外周面のうち、前記ボールベアリングの内輪の取り
付け位置とシール部材の対峙する位置との間に前記環状
溝を形成するのであれば、固定軸の外周面を伝って潤滑
油が漏出するのを防止するという観点からみて最適構造
の環状溝を形成することができ、ラビリンスシール効果
の低下を懸念する必要がない。
【0011】本発明において、前記環状溝の底部には少
なくとも1条の環状突条部が形成されていることが好ま
しい。このように構成すると、環状突条部は、環状溝内
に保持されている潤滑油に対する障壁となるので、環状
溝内に溜まった潤滑油が軸端側に伝っていこうとするの
を確実に防止できる。
【0012】本発明において、前記固定軸の外周面のう
ち、前記ボールベアリングの内輪の取り付け位置よりも
軸端側に撥油剤を塗布すれば、切削跡を伝ってきた潤滑
油は撥油剤によってはじかれる。従って、潤滑油が、そ
れ以上、固定軸上を伝っていくことを抑止されるので、
潤滑油が軸端側から漏出するのを防止できる。このよう
な撥油剤の塗布は、前記の環状溝の形成と併用してもよ
いし、環状溝を形成せずに、単独で用いてもよい。
【0013】本発明において、前記ハブが前記ボールベ
アリングの内輪の取り付け位置よりも軸端側で前記固定
軸の外周面に対して微少間隔をあけて対峙するシール部
材を備えているのであれば、前記撥油剤は、前記固定軸
の前記外周面のうち、前記ボールベアリングの内輪の取
り付け位置と前記シール部材の対峙する位置との間に塗
布することが好ましい。
【0014】本発明において、前記撥油剤としては、フ
ッ素系表面改質剤、フッ素系界面活性剤、または非イオ
ン界面活性剤を用いることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下に、図面を参照して、本発明
のスピンドルモータの実施の形態を説明する。
【0016】[全体構成]図1は、本発明を適用したス
ピンドルモータを示す半断面図である。この図におい
て、スピンドルモータ1は、ハードディスクの回転駆動
装置であり、モータフレーム21と、モータフレーム2
1の中央から直立した固定軸3と、固定軸3に対して第
1および第2のボールベアリング5、6を介して回転自
在に支持されたハブ4を有している。モータフレーム2
1の外周縁には、モータ取り付け孔24を備えたフラン
ジ23が形成されている。また、モータフレーム21か
らは、固定軸3を取り巻く円筒状の突部25が突き出し
ている。突部25の外周面26には、ステータコア10
が取り付けられている。ステータコア10にはコイル1
1が巻き回されており、モータフレーム21の外部に引
き出されたリード線12からコイル11に電流を供給で
きるようになっている。
【0017】ハブ4は、厚肉筒状に形成された基部41
とフランジ部47を備えており、フランジ部47の軸方
向端面がハードディスク(図示せず。)の取り付け面と
なっている。フランジ部47の下端部には、ステータコ
ア10の外周面を覆う円筒部42が一体に形成されてい
る。円筒部42の内周面には環状ヨーク13を介して環
状のロータマグネット14がステータコア10と対峙す
るように取り付けられている。従って、コイル11に電
流を供給することにより、ハブ4を回転させ、ハードデ
ィスクを回転させることができる。
【0018】[ボールベアリングの油漏れ防止構造]第
1および第2のボールベアリング5、6の内輪51、6
1は固定軸3の外周面33に接着固定され、外輪52、
62はハブ4の内周面43に接着固定されている。固定
軸3の外周面33のうち、第1および第2のボールベア
リング5、6の内輪51、61との接合部分には接着剤
保持溝60が螺旋状に形成されている。
【0019】第1のボールベアリング5は、第2のボー
ルベアリング6よりも固定軸3の軸端側(矢印Aの側)
に配置されている。第2のボールベアリング6の内輪6
1はモータフレーム21の底部27に載せられている。
モータフレーム21の底部27には、環状の凹部28が
形成されており、第2のボールベアリング6の外輪62
に底部27が接触しないようになっている。ハブ4の内
周面43には固定軸3の側に向けて突き出した張出し部
44が形成されている。この張出し部44の下面46が
第2のボールベアリング6の外輪62の上端面に当接
し、張出し部44の上面45は第1のボールベアリング
5の外輪52の下端面に当接している。このように、第
1のボールベアリング5と第2のボールベアリング6
は、モータフレーム21の底部27とハブ4の張出し部
44によって固定軸3の軸線Lの方向の位置決めが行わ
れている。
【0020】このように構成したスピンドルモータ1
は、第1および第2のボールベアリング5、6内に用い
た潤滑油が当該スピンドルモータ1の外部に漏出しない
ように以下の構成を有する。
【0021】まず、第1および第2のボールベアリング
5、6のそれぞれには、内輪51、61と外輪52、6
2との間の隙間を覆う環状の遮蔽板59、69が取り付
けられており、第1および第2のボールベアリング5、
6からの潤滑油の飛散を防止するように構成されてい
る。
【0022】また、モータフレーム21の底部27に
は、ステータコア10が取り付けられた環状の突部25
が形成されており、その突部25の内周面29は第2の
ボールベアリング6の外輪62の外周面に対して微少隙
間をあけて対峙している。従って、第2のボールベアリ
ング6の外輪62と突起25の間でラビリンスシール構
造が形成されているので、モータ駆動時に、第2のボー
ルベアリング6から潤滑油が飛散しても、潤滑油はモー
タフレーム2の底部27の側から漏れ出ることはない。
【0023】さらに、ハブ4の内周面43には、第1の
ボールベアリング5の内輪51の取り付け位置よりも軸
端側で固定軸3の外周面33に対して内周面71が微少
間隔をあけて対峙するシール部材7が接着剤で取り付け
られている。このシール部材7の下面72は、第1のボ
ールベアリング5の外輪52の上端面に当接し、第1の
ボールベアリング5の内輪51に対しては隙間があいて
いる。従って、第1のボールベアリング5の内輪51の
取り付け位置よりも軸端側には、固定軸3とシール部材
7によってラビリンスシール構造が形成されている。よ
って、モータ駆動時に第1のボールベアリング5から飛
散した潤滑油は、ラビリンスシール構造によって遮ら
れ、固定軸3の軸端側から漏れ出ることを防止できる。
【0024】このように、本形態のスピンドルモータ1
では、モータ駆動時に第1のボールベアリング5および
第2のボールベアリング6から飛散する潤滑油を、ラビ
リンスシール構造などによって遮断している。
【0025】また、スピンドルモータ1において、モー
タ停止時には、第1のボールベアリング5の潤滑油が毛
細管現象によって固定軸3の外周面33を伝って軸端側
に漏れ出すおそれがあるので、本形態では、固定軸3の
外周面33のうち、第1のボールベアリング5の内輪5
1の取付け位置より軸端側には、第1のボールベアリン
グ5の方から固定軸3を伝ってきた潤滑油を保持して、
潤滑油がそれ以上、軸端側にはい上がっていくのを防止
する環状溝8を形成してある。本形態では、環状溝8
は、固定軸3の外周面33のうち、第1のボールベアリ
ング5の内輪51の取り付け位置とシール部材7の対峙
する位置との間に形成されている。
【0026】図2は、固定軸3の軸端部31を拡大して
示す模式図である。固定軸3は、旋盤による切削加工品
であり、固定軸3の外周面33には、バイト15による
螺旋状の切削跡16が付いている。この螺旋状の切削跡
16を伝って潤滑油がはい上がってくる。環状溝8は、
矢印Bにバイト15の動きを示すように、バイト15に
よって外周面33を切削している途中、あるいは外周面
33への切削が終了した後、バイト15の送りを一時停
止して突っ切り(C部)を行うことにより形成したもの
である。従って、環状溝8は、固定軸3の軸端側に位置
する側壁(以下、上壁面81という。)と、固定軸3の
基端側に位置する側壁(以下、下壁面82という。)と
がV字状に組合わさった断面形状をしている。本形態で
は、固定軸33の外径d1が5.0mmに形成されてお
り、環状溝8の形成された部分の外径d2は4.8mm
に設定されている。従って、環状溝8の深さdは0.1
mmとなっている。また、環状溝8の幅wは、0.25
mmに設定されている。これらの環状溝8の深さ寸法d
と幅寸法wは、それぞれ切削跡16の深さ寸法および幅
寸法よりも大きい。
【0027】このように、本形態のスピンドルモータ1
では、固定軸3の外周面33のうち、第1のボールベア
リング5の内輪51の取り付け位置より軸端側に幅広で
深い環状溝8を形成することにより、固定軸3を旋盤加
工することによって形成された螺旋状の切削跡16を固
定軸3の軸線Lの方向で完全に分断している。このた
め、潤滑油が第1のボールベアリング5の方から固定軸
3の外周面33を伝ってきても、環状溝8が形成されて
いる部分では切削跡16が断ち切られているので、潤滑
油は環状溝8内に溜まり保持されるので、それ以上、軸
端側に伝っていくことはない。それ故、潤滑油は、モー
タ停止時にも当該スピンドルモータ1の外部に漏れ出す
ことがないので、ハードディスクなどに付着することが
ない。
【0028】また、環状溝8は、固定軸3の外周面33
のうち、第1のボールベアリング5の内輪51の取り付
け位置とシール部材7の対峙する位置との間に形成さ
れ、シール部材7が対峙する位置からずれている。この
ように、固定軸3の外周面33のうち、第1のボールベ
アリング5の内輪51の取り付け位置とシール部材7の
対峙する位置との間に環状溝8を形成するのであれば、
固定軸3の外周面33を伝って潤滑油が漏出するのを防
止するという観点からみて最適寸法の環状溝8を形成す
ることができ、シール部材7が対峙している部分に環状
溝8を形成する場合と違ってシール部材7が構成してい
るラビリンスシールの効果の低下を懸念する必要がな
い。また、シール部材7が対峙している部分に環状溝8
を形成する場合には、環状溝8に溜まった潤滑油がシー
ル部材7と固定軸3との微少な隙間を伝って漏出するお
それがあるため、それを考慮してシール部材7と固定軸
3との隙間寸法や環状溝8の形成位置などを設定する必
要があるが、本形態では、シール部材7が対峙する位置
の手前で潤滑油をくい止めるので、固定軸3の外周面3
3を伝って潤滑油が漏出するのを防止するという観点か
らみて最適な環状溝8を形成すればよいという利点もあ
る。
【0029】[改良例1]以下の説明においては、上記
形態と共通する部分に同一の符合を付してそれらの詳細
な説明を省略し、特徴的な構成についてのみ説明する。
【0030】図3(a)は、環状溝8の改良例を拡大し
て示す断面図である。この図に示す環状溝8では、下壁
面82は外周面33に対して鈍角を形成しているが、上
壁面81は固定軸3の軸線Lの方向と直交する環状壁面
となっている。すなわち、上壁面81は底面83から垂
直に立ち上がっている。また、上壁面81が垂直壁にな
っている分、上壁面81と下壁面82の間には幅(軸線
Lの方向における寸法)の広い底面83が確保されてい
る。このように上壁面81を垂直に形成すると、潤滑油
が固定軸3の外周面33を伝ってきて環状溝8の内部に
溜まったとき、上壁面81は潤滑油を確実に堰き止め
る。また、環状溝8は、上壁面81が垂直壁である分、
潤滑油の収容容量が大きい。それ故、環状溝8はそこに
入り込んだ潤滑油を確実に保持し、それより軸端側に潤
滑油が漏れ出ようとするのを確実に防止する。
【0031】なお、上記の理由からすれば、図3(b)
に示すように、環状溝8の上壁面81と下壁面82の両
方を固定軸3の軸線Lと直交する環状壁面とし、環状溝
8が潤滑油を収容し得る量を大きくすることが好まし
い。また、環状溝8の形状は上記実施形態に限定される
ことはなく、潤滑油が軸端側に漏れ出るのを防止し得る
形状であれば、種々変形可能である。
【0032】[改良例2]図4に示す環状溝8では、そ
の内部に3条の環状突条部85が堰のように形成されて
いる。このような環状突条部85(堰)を備えた環状溝
8は、狭い間隔で溝加工を複数回連続して行うことによ
り形成できる。
【0033】このように構成すると、環状突条部85に
よって潤滑油の流動が妨げられるので、環状溝8に一旦
溜まった潤滑油は溝の外部に漏出しにくい。それ故、潤
滑油がさらに軸端側に伝っていくのを確実に防止するこ
とができる。
【0034】[改良例3]図5に示す環状溝8には、環
状溝8に撥油剤9が塗布されている。撥油剤9として
は、潤滑油をはじきやすいフッ素系表面改質剤、フッ素
系界面活性剤、または非イオン界面活性剤を用いること
ができる。たとえば、フッ素系の撥油剤9としては、ハ
ーベス社製の商品名「ドライサーフ・OS−90MF
G」を用いることができる。また、非イオン界面活性剤
としては、親水性・疎水性の度合いを示すHLB値とし
て8〜10のもので効果があり、HLB値が10以上の
ものがより効果的である。
【0035】このように構成すると、固定軸3の切削跡
を伝ってきた潤滑油は撥油剤9によってはじかれる。従
って、撥油剤9の塗布は、環状溝8の形成と相乗効果を
発揮し、潤滑油が固定軸3上をこれ以上伝っていくこと
を防止できる。
【0036】このような撥油剤9の塗布は前記の環状溝
8の形成と併用してもよいし、環状溝を形成せずに、撥
油剤9を塗布するだけでも潤滑油がはい上がりを防止で
きる。このようにすると、環状溝8を固定軸3に形成す
る必要がないので、溝加工工程を省略でき、合理化を図
ることができる。また、撥油剤9の塗布と前記の環状溝
8の形成と併用する場合に、撥油剤9は環状溝8内に塗
布しなくても、たとえば、固定軸3の外周面33のう
ち、第1のボールベアリング5の内輪51の取り付け位
置よりも軸端側、たとえば、固定軸の外周面33のう
ち、第1のボールベアリング5の内輪51の取り付け位
置とシール部材7の対峙する位置との間に塗布すればよ
い。いずれの場合でも、第1のボールベアリング5の方
から固定軸3の外周面33を伝って潤滑油が軸端側に漏
出しようとしても、潤滑油は撥油剤9の塗布領域に到達
した時点で撥油剤9によってはじかれ、それ以上、上昇
することができなくなる。従って、潤滑油は、モータ停
止時であっても、固定軸3を伝って当該スピンドルモー
タ1の外部に漏出することがない。
【0037】なお、撥油剤9はフッ素系表面改質剤、フ
ッ素系界面活性剤、および非イオン界面活性剤のうちの
いずれかを用いれば、潤滑油を良くはじくので、潤滑油
の漏出を防止できるが、他の種類の撥油剤を用いてもよ
い。
【0038】[改良例4]また、固定軸3の外周面33
を切削加工した後であれば、環状溝8を形成する前、あ
るいは環状溝8を形成した後に、固定軸3の外周面33
にバレル仕上げを施してもよい。このようにすると、固
定軸3の外周面33に付いた螺旋状の切削跡16を潰す
ことができるので、潤滑油がはい上がる原因である毛細
管現象自体を起こりにくくすることができる。
【0039】[変形例]シール部材7と固定軸3との隙
間寸法や環状溝の形成位置などに配慮すれば、図6に示
すように、シール部材7が対峙している部分に環状溝8
Aを形成してもよい。勿論、シール部材7が対峙してい
る部分に環状溝8Aを形成するとともに、第1のボール
ベアリング5の内輪51の取り付け位置とシール部材7
の対峙する位置との間にも環状溝8を形成してもよい。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のスピンド
ルモータは、固定軸の外周面のうち、ボールベアリング
の内輪の取り付け位置よりも軸端側には固定軸の外周面
に形成された切削跡を断ち切る環状溝を形成してある。
従って、潤滑油がボールベアリングの方から固定軸の外
周面を伝ってきても、環状溝が形成されている部分では
切削跡が断ち切られているので、潤滑油は環状溝内に溜
まり保持されるだけで、それ以上、軸端側に伝っていく
ことはない。それ故、潤滑油は、モータ停止時にも当該
スピンドルモータの外部に漏れ出すことがないので、ハ
ードディスクなどに付着することがない。
【0041】また、本発明では、固定軸の外周面のう
ち、ボールベアリングの内輪の取り付け位置よりも軸端
側に撥油剤を塗布した場合には、潤滑油がボールベアリ
ングの方から固定軸の外周面を伝ってきても、撥油剤が
塗布されている部分では潤滑油がはじかれるので、それ
以上、軸端側に伝っていくことはない。それ故、潤滑油
は、モータ停止時にも当該スピンドルモータの外部に漏
れ出すことがないので、ハードディスクなどに付着する
ことがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のスピンドルモータを示す半断面図であ
る。
【図2】固定軸の軸端側を拡大して示す模式図である。
【図3】(a)、(b)は、改良例1に係る環状溝を拡
大して示す断面図である。
【図4】改良例2に係る環状溝を拡大して示す断面図で
ある。
【図5】改良例3に係る環状溝を拡大して示す模式図で
ある。
【図6】本発明の別のスピンドルモータを示す半断面図
である。
【符号の説明】
1 スピンドルモータ 3 固定軸 4 ハブ 5 第1のボールベアリング 6 第2のボールベアリング 7 シール部材 8、8A 環状溝 9 撥油剤 10 ステータコア 11 コイル 14 ロータマグネット 16 切削跡 21 モータフレーム 31 固定軸の軸端部 33 固定軸の外周面 41 基部 51 第1のボールベアリングの内輪 52 第1のボールベアリングの外輪 61 第2のボールベアリングの内輪 62 第2のボールベアリングの外輪 71 シール部材の内周面 81 環状溝の上壁面 82 環状溝の下壁面 83 環状溝の底面 85 環状突部 L 固定軸の軸線

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 モータフレームから直立する固定軸と、
    該固定軸にボールベアリングを介して回転可能に支持さ
    れたハブとを有するスピンドルモータにおいて、 前記固定軸の外周面のうち、前記ボールベアリングの内
    輪の取り付け位置より軸端側には、当該ボールベアリン
    グの方から当該固定軸の外周面を伝ってくる潤滑油を保
    持する環状溝が形成されていることを特徴とするスピン
    ドルモータ。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記固定軸は旋盤に
    よる切削加工品であり、前記環状溝は、前記固定軸の外
    周面に螺旋状に形成された切削跡よりも幅広であること
    を特徴とするスピンドルモータ。
  3. 【請求項3】 請求項1または2において、前記環状溝
    は、前記固定軸の軸線方向と直交する環状壁面を備えて
    いることを特徴とするスピンドルモータ。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれかにおいて、
    前記ハブは、前記ボールベアリングの内輪の取り付け位
    置よりも軸端側で前記固定軸の外周面に対して微少間隔
    をあけて対峙するシール部材を備え、 前記環状溝は、前記固定軸の外周面のうち、前記ボール
    ベアリングの内輪の取り付け位置と前記シール部材が対
    峙する位置との間に形成されていることを特徴とするス
    ピンドルモータ。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれかにおいて、
    前記環状溝の底部には少なくとも1条の環状突条部が形
    成されていることを特徴とするスピンドルモータ。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし5のいずれかにおいて、
    前記固定軸の外周面のうち、前記ボールベアリングの内
    輪の取り付け位置よりも軸端側には、撥油剤が塗布され
    ていることを特徴とするスピンドルモータ。
  7. 【請求項7】 モータフレームから直立する固定軸と、
    該固定軸にボールベアリングを介して回転可能に支持さ
    れたハブとを有するスピンドルモータにおいて、 前記固定軸の外周面のうち、前記ボールベアリングの内
    輪の取り付け位置よりも軸端側には撥油剤が塗布されて
    いることを特徴とするスピンドルモータ。
  8. 【請求項8】 請求項7において、前記ハブは、前記ボ
    ールベアリングの内輪の取り付け位置よりも軸端側で前
    記固定軸の外周面に対して微少間隔をあけて対峙するシ
    ール部材を備え、前記撥油剤は、前記固定軸の前記外周
    面のうち、前記ボールベアリングの内輪の取り付け位置
    と前記シール部材の対峙する位置との間に塗布されてい
    ることを特徴とするスピンドルモータ。
  9. 【請求項9】 請求項6ないし8のいずれかにおいて、
    前記撥油剤はフッ素系表面改質剤、フッ素系界面活性
    剤、および非イオン界面活性剤のうちのいずれかである
    ことを特徴とするスピンドルモータ。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE19923282C2 (de) * 1998-05-25 2003-01-23 Exedy Corp Keilnabe und Verfahren zur Herstellung einer Keilnabe

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