JPH1164191A - 材料試験機 - Google Patents

材料試験機

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JPH1164191A
JPH1164191A JP21854897A JP21854897A JPH1164191A JP H1164191 A JPH1164191 A JP H1164191A JP 21854897 A JP21854897 A JP 21854897A JP 21854897 A JP21854897 A JP 21854897A JP H1164191 A JPH1164191 A JP H1164191A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 試験中における試料の状態変化に拘わること
なく、常に安定に精度の高い試験を可能とする材料試験
機を提供する。 【解決手段】 油圧サーボ系に対して初期設定した制御
ゲインの下で試料に負荷を加えて実行される試料の試験
期間中において、試料に加えられている荷重と試料に生
じた変位とを所定の周期で検出し、検出された荷重と変
位との関係から試料のバネ定数を逐次推定する。そして
推定したバネ定数に従って油圧サーボ系に対して設定す
る制御ゲインを最適化補正する。特に油圧サーボ系に固
有なバネ定数と最適制御ゲインとの関係を示すテーブル
を準備し、このテーブルを参照してバネ定数に応じた最
適制御ゲインを求める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、油圧サーボ系を介
して試料に加える負荷を、該試料に生じた変位、例えば
荷重や変位または歪みフィードバック制御しながら前記
試料の性質を計測する材料試験機に係り、特に試験中に
おける試料の状態変化に対応した制御を可能とした電気
油圧サーボ型の材料試験機に関する。
【0002】
【関連する背景技術】近時、各種試料に対する適用範囲
が広く、しかも精度の高い制御が可能なことから、図1
に示すように構成された閉ループ式の電気油圧サーボ型
の材料試験機が注目されている。この材料試験機は、概
略的にはロードセル1を介してフレーム2と油圧シリン
ダからなるアクチュエータ3との間に各種試料である試
験片Sを保持し、油圧源4からサーボ弁5を介して与え
られる圧力油(油圧)を用いてアクチュエータ3を駆動
し、これによって前記試験片Sに負荷を加える如く構成
される。
【0003】しかして上記負荷により試験片Sに加えら
れた荷重は前記ロードセル1によって検出され、また上
記負荷の印加によって試験片Sに生じる変位は変位計6
により、更にその歪みは該試験片Sに貼付された歪みゲ
ージ7によりそれぞれ検出される。マイクロコンピュー
タ等によって構成される制御部8は、上記の如く検出さ
れる荷重や変位,歪みをそれぞれ入力し、例えばロード
セル1によって検出される荷重と目標荷重との偏差が零
(0)となるようにサーボアンプ9を介してサーボ弁5
の作動をフィードバック制御する。このようなフィード
バック制御系により、油圧駆動されるアクチュエータ3
がサーボ制御されて前記試験片Sに加えられる負荷(荷
重)が調整される。
【0004】尚、この電気油圧サーボ制御系は、図2に
示すようにフィードバック制御系を構成する閉ループを
なすブロック線図として表現される。即ち、この制御系
は荷重(または変位)に対する制御目標値と、検出アン
プ8aを介して検出される試験片Sの変化(荷重や変
位)との偏差Δを偏差器8bを介して求め、所定の制御
ゲインが設定されたコントローラ8cの下で上記偏差Δ
を零(0)とするようにサーボアンプ9の作動を制御す
ることで前記サーボ弁5を介してアクチュエータ3を油
圧駆動し、これによって前記試験片Sに加える負荷(荷
重や変位)を調整する制御ループとして表現できる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで上述した如く
構成される電気油圧サーボ型の材料試験機においては、
試験片Sの仕様(剛性)に応じて最適設定された制御ゲ
インの下で、その試験を行うことが重要である。ちなみ
に制御ゲインが不足していると制御応答性が悪くなり、
また制御ゲインが過大であるとハンチングが生じたり、
試料に過度な負荷(荷重)を掛けてしまう等の問題が生
じる。そこで従来にあっては、一般的にはオペレータ
(試験者)の経験の下で試験片Sの剛性を推定して制御
ゲインを仮設定し、予備的な荷重・変位制御の下で試行
錯誤的に制御ゲインを適正化を図っている。
【0006】しかしながら、上述した如く試行錯誤的に
適性な制御ゲインを設定した上で材料試験を行っても、
その試験中に試験片(試料)Sの状態(剛性)が変化
し、その制御ゲインが最適条件からずれることがある。
特に試験片(試料)Sに加えた荷重に対して該試験片
(試料)Sが弾性域にあるような場合、その制御状態が
徐々に変化するので、結局、精度の高い計測(試験)が
できなくなると言う問題がある。
【0007】本発明はこのような事情を考慮してなされ
たもので、その目的は、試験中に試料の剛性が変化する
ような場合であっても、そのフィードバック制御系に対
して試料の状態変化に応じた制御ゲインを最適設定する
ことができ、常に安定に精度の高い材料試験を実施する
ことのできる材料試験機を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上述した目的を達成する
べく本発明は、油圧サーボ系を介して試料に加える負荷
を該試料に生じた変化、例えば荷重や変位または歪みに
応じてフィードバック制御しながら前記試料の性質を試
験する、所謂電気油圧サーボ式の材料試験機であって、
特に前記油圧サーボ系に対して設定した所定の制御ゲイ
ンの下で前記試料に負荷を加えて該試料を試験している
試験期間中において、前記試料に加わっている荷重と該
試料に生じた変位とを所定の周期で検出する検出し、検
出された荷重と変位との関係から前記試料のバネ定数を
推定する手段を備え、この推定したバネ定数に従って前
記油圧サーボ系に対して設定する制御ゲインを補正する
ことを特徴としている。
【0009】即ち、本発明は試験中に周期的に検出され
る試料の荷重と変位との関係から該試料のバネ定数を推
定し、この推定したバネ定数に基づいて油圧サーボ系に
対する最適な制御ゲインを求め、この最適制御ゲインに
従って前記油圧サーボ系に対して設定している制御ゲイ
ンを補正することで、試料の状態変化に拘わることな
く、常に前記油圧サーボ系に対する制御系の安定化を図
りながら高精度に試験を行うことを特徴としている。
【0010】また本発明は請求項2に記載するように、
試験開始に先立って前記油圧サーボ系に対する制御ゲイ
ンをその最小値から徐々に高めて前記試料に加える負荷
を漸増させ、前記試料の変位が検出された時点における
前記荷重と変位との関係から前記試料のバネ定数を推定
して油圧サーボ系に対する制御ゲインを初期設定した
後、前記試料に対する試験を開始することを特徴として
いる。
【0011】更に本発明は請求項3に記載するように、
油圧サーボ系に対する制御ゲインについては、予め各種
試料について求めたバネ定数と油圧サーボ系に固有な最
適制御ゲインとの関係を示すテーブルを参照すること
で、試料に加えられた荷重とその変位との関係から推定
されるバネ定数に応じて求めることを特徴としている。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の一
実施形態に係る材料試験機について、特に試料(試験
片)Sに対して加える負荷、具体的には荷重やその変位
量を制御する油圧サーボ系に対する制御ゲインの最適設
定機能について説明する。この実施形態に係る材料試験
機は、基本的には前述した図1に示すように、サーボ弁
5を介して油圧駆動されるアクチュエータ3と、サーボ
弁5作動を制御する制御部8を備えて構成される。特に
この材料試験機が特徴とするところは、制御部8が持つ
機能の1つとして、所定の制御ゲインの下で実行される
試料(試験片S)の試験中における該試料Sの状態(剛
性)変化を監視し、この状態変化に応じて前記制御ゲイ
ンを補正することで、その油圧サーボ系に対する制御ゲ
インを最適化設定する機能を備えている点にある。
【0013】この機能は、所定の制御ゲインが設定され
たフィードバック制御系の下でアクチュエータ3を駆動
して試料Sに負荷を加えて疲労試験を行っている際、試
料Sに加えられている荷重と、そのときに試料Sに生じ
ている変位とを所定の周期で計測する手段(検出手
段)、計測された前記試料Sの荷重と変位との関係から
該試料Sのバネ定数を推定する手段(バネ定数推定手
段)、そして推定されたバネ定数に従って油圧サーボ制
御系に対して設定している制御ゲインを補正して最適化
する手段(制御ゲイン補正手段)を具備して実現され
る。
【0014】特にこの実施形態における材料試験機で
は、その油圧サーボ制御系に固有な特性として、各種試
料のバネ定数と最適制御ゲインとの関係を予め求めてテ
ーブル化して求めておき、前述した如く求めた荷重と変
位との関係から推定される試料のバネ定数に従って前記
テーブルを参照することでその制御系に最適な制御ゲイ
ンを求め、これを設定することを特徴としている。
【0015】次にこの材料試験機の油圧サーボ制御系に
対して、試料(試験片S)の剛性に応じて設定した制御
ゲインの下での該試料(試験片S)の試験と、その試験
中における前記試料(試験片S)の状態(剛性)変化に
伴う制御ゲインの補正について説明する。油圧サーボ制
御系に対する制御ゲインの初期設定は、図3にその処理
概念を時間的な経緯として示すように、例えばフレーム
2とアクチュエータ3との間に試料Sをチャッキングし
た後、先ず油圧サーボ制御系に対する制御ゲインを、そ
の最小値から徐々に高めながらアクチュエータ3の作動
を制御し、試料Sに加える負荷(荷重)を徐々に増大さ
せることから開始される。この際、負荷(荷重)の印加
によって試料Sに生じる変位を変位計6を介して監視し
ながら、該試料Sの微小な変位、例えば変位計6の最小
分解能を越える程度の僅かな変位が検出されるまで、上
記負荷(荷重)を徐々に増大させる。尚、この初期設定
時に試料Sに加える最大荷重については、例えば疲労試
験において試料Sに加えようとする目標最大荷重値の3
0〜50%を目安として制限しておき、試験開始前に試
料Sに過大な負荷(荷重)が加わらないようにしておく
ことが好ましい。
【0016】そして試料Sの微小な変位が検出されたな
らば、アクチュエータ3の作動状態を凍結し、その時点
において試料Sに加えている負荷状態(荷重値)をその
まま保持する。つまり試料Sに対する荷重状態をそのま
ま凍結する。そして試料Sの変位が安定するまで、所定
時間(時間T2)に亘って上記荷重状態をそのまま保持
(凍結)する。この際、試料Sの剛性が高く、そのバネ
定数KLが大きい場合には、図3の特性Aに示すように
比較的短時間のうちに変位が安定する。しかし試料Sの
剛性が低く、そのバネ定数KLが小さい場合には、図3
の特性Bに示すように或る程度の変位の変動が生じた後
にその変位が安定する。上記状態保持の待ち時間T2
は、このようなバネ定数の異なりによる変位の安定化に
要する時間を見込んで設定される。
【0017】このようにして前記変位の安定化を待った
後、試料Sが安定化した状態での荷重と変位をそれぞれ
複数サンプルに亘って検出する。即ち、荷重および変位
の検出は、その検出誤差等を相殺するべく、例えば10
0〜200サンプル程度に亘って繰り返し行われる。し
かる後、検出された荷重値の平均と、変位量の平均とを
それぞれ求め、[平均荷重値÷平均変位量]なる演算に
より、試料Sのバネ定数KLを推定する。そして推定し
たバネ定数KLに従い、例えば予め求められている各種
試料のバネ定数と油圧サーボ制御系に固有な最適制御ゲ
インとの関係を示すテーブルに従って、該油圧サーボ制
御系に設定すべき最適な制御ゲインを求め、これを初期
設定する。
【0018】尚、上記バネ定数と最適制御ゲインとの関
係については、例えばバネ定数が既知である種々の試料
Sについて、予めこの材料試験機における油圧サーボ制
御系の最適化制御の下でその最適制御ゲインをそれぞれ
求め、これらのデータを整理することによって上記油圧
サーボ制御系に固有なテーブルデータとして予め求めら
れる。また疲労試験の実行に伴って、そのときのバネ定
数と最適制御ゲインが新たに求められる都度、その実績
データを学習することで上記テーブルデータの更新が行
われる。
【0019】ここで試料Sの剛性を示すバネ定数KL
と、上記試料Sを試験する材料試験機の油圧サーボ制御
系における最適制御ゲインとの関係について簡単に説明
する。試料Sに荷重を加えるアクチュエータ3を駆動す
る油圧サーボ制御系は、前述したようにフィードバック
制御系をなす。そしてこのフィードバック制御系を安定
動作させる上での最適な制御ゲインは、試料Sの剛性
(バネ定数KL)によって変化し、またその制御系に固
有な値をとる。
【0020】即ち、材料試験機の油圧サーボ制御系は、
図2にそのブロック線図を示すように、サーボアンプ
9,サーボ弁5,アクチュエータ3,および試料S(負
荷)を含む閉ループの伝達系として表される。従ってサ
ーボ制御系の安定動作を実現するには、サーボアンプ9
等の材料試験機に固有な伝達系(伝達関数)と、試料S
の性質に依存した負荷の伝達系(伝達関数)とを考慮し
て、例えばコントローラ8cにおいて最適な制御ゲイン
を設定する必要がある。
【0021】ちなみに試料Sの変位に着目してアクチュ
エータ3の作動をサーボ制御する、所謂変位制御系での
前記試料Sのバネ定数KLに対応した最適な制御ゲイン
(比例ゲインKP,積分ゲインKI)は、例えば図4
(a)に示すようになる。また試料Sに加える荷重に着目
してアクチュエータ3の作動をサーボ制御する、所謂荷
重制御系での前記試料Sのバネ定数KLに対応した最適
な制御ゲインは、例えば図4(b)に示すようになる。
【0022】そこで本発明ではその準備処理として、材
料試験機における試験範囲をカバーするバネ定数KLの
範囲において、予めバネ定数KLが既知の複数の試料S
を用いて上記変位制御系および荷重制御系での比例ゲイ
ンKPと積分ゲインKIとをそれぞれチューニングして
制御系の最適化を図り、各種バネ定数KLに対する最適
な制御ゲインKP,KIを求めている。そしてこれらの
各種バネ定数KLに対する最適な制御ゲインKP,KI
の関係を、図4(c)に示すようなテーブル構造のデータ
として表現し、これをこの材料試験機に固有な特性とし
て予め準備している。このようなテーブルデータを参照
することによって、図4(a)(b)に示す材料試験機に固
有な最適制御ゲインKP,KIが、後述するように試料
Sのバネ定数KLに応じて求められるようになってい
る。
【0023】一方、試料Sのバネ定数KLを推定するべ
く、試料Sの試験開始に先立って前述したように試料S
の微小な変位が検出されるまで、試料Sに対して徐々に
負荷(荷重)を加える。この試料Sに対して加える負荷
(荷重)の制御は、例えば図5(a)に示すような荷重制
御系におけるステップ応答時のバネ定数KLと比例ゲイ
ンKPとの関係を利用して、図5(b)に例示するよう
に、時間経過に伴って比例ゲインKPを徐々に増大させ
ることにより実現される。具体的には、例えば図3に示
すように最大荷重を制限したランプ・ホールド波形を想
定した目標荷重パターンの下で、制御系において用意さ
れる最大剛性での比例ゲインKP(比例ゲイン値が最
小)から、そのゲイン値を徐々に増大させながら荷重制
御を実施することによってなされる。この際、積分ゲイ
ンKIについては、例えば零(0)に設定される。
【0024】尚、変位制御系におけるステップ応答時の
バネ定数KLと比例ゲインKPとの関係は図6(a)の如
く示される。従ってこの関係を利用して変位制御の下
で、例えば図6(b)に示すように時間経過に伴って比例
ゲインKPを徐々に増大させながら試料Sに負荷(変
位)を加えるようにしても良い。このような変位制御系
での制御の下で試料Sに負荷(変位)を加える場合であ
っても、試料Sの微小な変位が検出された時点でその負
荷状態を凍結することは勿論のことである。
【0025】以上のようにして試料Sに徐々に負荷を加
え、試料Sの微小な変位が検出された時点で、例えばそ
のときの比例ゲイン値と目標値とを一定に保てば、試料
Sに対して必要以上の負荷(荷重)を掛けることなく、
その負荷を凍結して前述したように変位の安定化を待つ
ことができる。この変位の安定化に要する時間は、概略
的には図7にステップ応答時の変位安定化時間を示すよ
うにバネ定数KLによって異なる。従って負荷状態の凍
結時間については、前述したように材料試験機における
試験範囲をカバーするバネ定数KLの範囲において、特
にそのバネ定数KLが最も小さい条件において、その変
位が安定化に要する時間を見込んで設定するようにすれ
ば良い。
【0026】このような時間経過を待って試料Sの変位
が安定した後、その変位量と荷重値を複数サンプルに亘
って定期的に収集し、例えばその平均を求めることで、
外乱やその他の要因による検出値のバラツキを吸収す
る。その後、[平均荷重値÷平均変位量]なる演算を実
行することにより、試料Sのバネ定数KLを推定する。
つまり試料Sにとって負担を生じることのない程度の軽
い負荷(荷重)を加えることで試料Sに微小な変位を生
じさせ、そのときに試料Sに生じている荷重と変位との
関係から該試料Sのバネ定数KLを推定する。
【0027】このようにして試料Sのバネ定数KLを推
定したならば、次に前述したテーブルに従って上記推定
バネ定数KLに対応する制御ゲインを逆算する。これに
よって制御系に設定すべき最適な制御ゲインKP,KI
を求めることが可能となり、バネ定数KLの不明な試料
Sを試験するに際しての最適化制御ゲインの初期設定が
実現できる。
【0028】さて上述した如くして油圧サーボ制御系に
対する制御ゲインを初期設定したならば、この制御ゲイ
ンの下で試料Sの試験が開始される。具体的には制御系
に対して与える目標値を信号発生器の下で可変制御する
ことで、前記試料Sに対する疲労試験、クリープ試験,
リクラゼーション試験、引っ張り試験、圧縮試験が選択
的に実行される。
【0029】例えば図8に示すように、信号発生器にて
正弦波,三角波,矩形波,ランプ波等の連続的に繰り返
し変化する試験波形を生成する。そしてこの試験波形を
油圧サーボ制御系に対する制御目標値として入力するこ
とで、試料Sに加える負荷を繰り返し変化させ、これに
よって該試料Sの疲労試験を実行する。尚、引っ張り・
圧縮試験の場合には、ランプ波形を目標値として与える
ことでその試験が実行され、更にクリープ・リクラゼー
ション試験の場合には、ランプ・ホールド波形を目標値
として与えることで、その試験が実行される。
【0030】さてこのようにして試料Sに対する試験を
実行するに際して、特に周期的に繰り返し変化する試験
波形を目標値として与え、試料Sに加える荷重を周期的
に変化させて疲労試験を実行する動的試験の場合には、
試験の進行に伴う試料Sの状態(剛性)変化により、油
圧サーボ制御系に設定されている制御ゲインがその最適
値からずれることがある。このような制御ゲインの最適
値からのずれは、試料に対して実際に加えられる負荷の
変動要因となり、その試験精度が低下することが否めな
い。
【0031】即ち、或る変化幅(振幅)で負荷(荷重)
を繰り返し変化させながら疲労試験を行う場合、実際に
試料Sに加わる負荷(荷重)の変化幅が変化したり、そ
の荷重のレベル(平均荷重)自体が変化することがあ
る。このような試料Sに対する負荷条件(試験条件)の
変化は、当然のことながらその試験結果の誤差要因とな
る。そしてこの誤差は、試験精度の低下、ひいては疲労
試験に対する信頼性低下の原因となる。
【0032】そこで本発明に係る材料試験機において
は、例えば前述した如く油圧サーボ制御系に対して所定
の制御ゲインを設定して試料Sの疲労試験を実施してい
る過程において、所定の周期で試料Sに加えられている
荷重と、そのときに該試料Sに生じている変位とを計測
し、これらの計測された荷重と変位との関係から前記試
料Sのバネ定数KLを定常的に推定し、そのバネ定数K
Lの変動を監視するものとなっている。そして試料Sの
バネ定数KLの変化が検出されたとき、例えば前述した
テーブルを参照することで、試料Sの状態変化に伴う新
たなバネ定数KLに応じた最適制御ゲインを求め、先に
油圧サーボ制御系に設定している制御ゲインを補正する
ことで、その最適化を図るものとなっている。
【0033】具体的には、図9にその概略的な処理手順
を示すように、試料Sに加えている荷重の変化周期より
も十分に高速な周期で、例えば制御部8での演算処理の
周期(例えば100μ秒)毎に該試料Sに加えられてい
る荷重と、その荷重によって生じている変位とを計測す
る(ステップS1)。そして所定サンプル数のデータ
(荷重と変位)が収集されたか否かを判定し(ステップ
S2)、バネ定数KLの推定に十分なサンプル数のデー
タが得られているならば、荷重および変位の平均値をそ
れぞれ求め、これらの各平均値に基づいて試料Sのバネ
定数KLを推定する(ステップS3)。
【0034】しかる後、推定したバネ定数KLと、現時
点において油圧サーボ制御系に設定されている制御ゲイ
ンに対応するバネ定数との差ΔKL、つまり試料Sの状
態変化に伴うバネ定数の変化分を求める(ステップS
4)。そしてその変化分(差)ΔKLが制御ゲインを補
正する上で、予め設定された所定の判定閾値を越えてい
るか否かを判定する(ステップS5)。尚、この判定閾
値は、バネ定数の僅かな変化による制御ゲインの過敏な
修正を防ぐためのものである。その上で上記バネ定数の
変化分ΔKLが上記判定閾値を越えているとき、その新
たなバネ定数KLに対応した最適制御ゲインを求める
(ステップS6)。この新たなバネ定数KLに対応した
最適制御ゲインの算出は、例えば前述したバネ定数と最
適制御ゲインとの関係を示すテーブルを参照することに
よってなされる。
【0035】以上のようにして試料Sの状態変化に伴っ
て変化した新たなバネ定数KLに対応した最適制御ゲイ
ンが、前記テーブルの参照によって求められたならば、
この最適制御ゲインを油圧サーボ制御系に設定すること
により、油圧サーボ制御系に設定されている制御ゲイン
を補正する(ステップS7)。この制御ゲインの補正
は、例えば前述した如く油圧サーボ制御系に与える目標
値(荷重)の変化周期に同期したタイミングで行われ
る。
【0036】かくして本発明に係る材料試験機によれ
ば、上述した如くして試料Sの試験中に、該試料Sに実
際に加えられている負荷によって生じている試料Sの荷
重と変位とを所定の周期で検出し、これらの荷重と変位
とに従って試料Sのバネ定数KLを逐次推定している。
そして試験の進行に伴って試料Sの状態、即ち、そのバ
ネ定数KLが変化した場合には、変化したバネ定数KL
に応じた最適制御ゲインを求め、これを油圧サーボ制御
系に再設定することで、該サーボ制御系の制御ゲインを
最適化補正するものとなっている。
【0037】従ってこのような油圧サーボ制御系に対す
る制御ゲインの最適化設定機能を備えた材料試験機によ
れば、試料Sのバネ定数に応じて設定すべき油圧サーボ
制御系の制御ゲインに対して、試行錯誤的に初期設定し
た制御ゲインの誤差が大きい場合であっても、該試料S
の試験過程において推定される試料Sのバネ定数に従っ
て油圧サーボ制御系の制御ゲインを最適化設定すること
が可能となる。また油圧サーボ制御系に対する制御ゲイ
ンが最適化設定された状態で試験が開始されたと雖も、
その試験の進行に伴って試料Sの状態(バネ定数KL)
が変化し、これによって油圧サーボ制御系の制御ゲイン
が、その最適化条件から外れるような場合には、該試料
Sの試験過程において推定される試料Sのバネ定数に従
って油圧サーボ制御系の制御ゲインが最適化補正される
ことになる。
【0038】従ってこのような制御ゲインの最適化機能
によれば、油圧サーボ制御系の制御ゲインを常に最適化
し、その制御系を安定に保ちながら試料Sの試験を実行
することができるので、その試験精度を十分に高めるこ
とができる。しかも前述したように試料Sのバネ定数K
Lが、前述した判定閾値を越えて変化したときにだけ、
つまり制御ゲインの誤差が無視できないような場合にだ
け、その制御ゲインを最適化補正するので、試料Sの僅
かな状態変化に伴うバネ定数の変化に過敏に反応して制
御ゲインが修正されることがない。従って制御系の安定
状態を維持しながら、その制御ゲインを最適設定して高
精度に疲労試験を実行することが可能となる。
【0039】尚、本発明は上述した実施形態に限定され
るものではない。実施の形態においては、予め各種試料
のバネ定数KLに対する最適な制御ゲインをテーブルと
して求めておき、このテーブルを参照することで、推定
したバネ定数に対応する最適制御ゲインを求めるように
したが、バネ定数と最適制御ゲインとの関係を数次の近
似式の形で与えておき、この近似式に従ってバネ定数K
Lに応じた最適制御ゲインを近似計算処理によって求め
るようにしても良い。
【0040】また油圧サーボ制御系に対して初期設定す
る制御ゲインについては、経験的に推定されるバネ定数
の下で、制御ゲインを試行錯誤的に可変しながら定める
ようにしても良く、更には試料Sについての既知データ
(バネ定数等)に基づいて設定するようにしても良い。
また制御ゲインの最適化補正に伴って、例えば荷重に対
する制御目標値として与える信号波形のレベルや、その
振幅を修正することも可能である。その他、本発明はそ
の要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することが
できる。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、油
圧サーボ系に対して初期設定した所定の制御ゲインの下
で試料に負荷を加えて該試料を試験している試験期間中
において、前記試料に加えている荷重と該試料に生じた
変位とを所定の周期で検出し、これらの検出した荷重と
変位との関係から前記試料のバネ定数を推定して前記油
圧サーボ系に対して設定する制御ゲインを補正するもの
となっている。
【0042】従って本発明によれば、初期設定した制御
ゲインに誤差がある場合や、試験中に試料の状態が変化
し、バネ定数の変化に伴って制御系の制御ゲインがその
最適値からずれた場合であっても、そのときの試料の状
態(剛性)に応じて制御ゲインを最適化補正するので、
常に安定な制御系の下で試料に適切な負荷を加えなが
ら、その試料の性質・特性を高精度に試験することがで
きる。
【0043】また請求項2に示すように、試料の試験開
始に先立って前記油圧サーボ系に対する制御ゲインをそ
の最小値から徐々に高めることで前記試料に加える負荷
を漸増させ、試料の微小な変位が検出された時点におけ
る前記荷重と変位との関係から前記試料のバネ定数を推
定し、推定したバネ定数に従って前記油圧サーボ系に対
する制御ゲインを初期設定するので、試料に対して過剰
な負荷を不本意に加えることなしに、その特性を安定
に、しかも精度良く計測することができる。
【0044】更には請求項3に示すように、油圧サーボ
系に固有なバネ定数と最適制御ゲインとの関係を示すテ
ーブルを準備しておき、このテーブルを参照することで
油圧サーボ系に対する最適な制御ゲインを求め、これを
設定するので、簡易にして効果的に制御系の安定化を図
りながら、その試験を進めることができる等の効果が奏
せられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る材料試験機の概略的
な構成を示す図。
【図2】本発明に係る電気油圧サーボ型の材料試験機に
おける制御系の構成を示すブロック線図。
【図3】本発明における制御ゲインの自動設定処理の概
念を、時間的な経緯として示す示す図。
【図4】制御系に固有な試料のバネ定数と最適な制御ゲ
インとの関係を示す図。
【図5】荷重制御系におけるステップ応答時のバネ定数
と比例ゲインとの関係、および比例ゲインの時間的増大
特性を示す図。
【図6】変位制御系におけるステップ応答時のバネ定数
と比例ゲインとの関係、および比例ゲインの時間的増大
特性を示す図。
【図7】ステップ応答時における変位安定化に要する時
間のバネ定数に対する変化を示す図。
【図8】試験条件に応じて試料に加える荷重の変化特性
を規定する信号波形の例を示す図。
【図9】本発明の一実施形態に係る材料試験機の制御部
において実行される制御ゲインの補正処理手順の例を示
す図。
【符号の説明】 S 試料(試験片) 1 ロードセル 2 フレーム 3 アクチュエータ 4 油圧源 5 サーボ弁 6 変位計 7 歪みゲージ 8 制御部 9 サーボアンプ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 油圧サーボ系を介して試料に加える負荷
    をフィードバック制御して前記試料に生じる荷重、変位
    または歪みを計測する材料試験機において、 前記油圧サーボ系に対して設定した所定の制御ゲインの
    下で前記試料に負荷を加えて該試料を試験する試験手段
    と、この試験手段による前記試料の試験期間中において
    前記試料に加わる荷重と該試料に生じた変位とを所定の
    周期で検出する検出手段と、検出された荷重と変位との
    関係から前記試料のバネ定数を推定するバネ定数推定手
    段と、推定したバネ定数に従って前記油圧サーボ系に対
    して設定する制御ゲインを補正する制御ゲイン補正手段
    とを具備したことを特徴とする材料試験機。
  2. 【請求項2】 前記試験手段は、試験開始に先立って前
    記油圧サーボ系に対する制御ゲインをその最小値から徐
    々に高めて前記試料に加える負荷を漸増させ、前記試料
    の変位が検出された時点における前記荷重と変位との関
    係から前記試料のバネ定数を推定し、推定したバネ定数
    に従って前記油圧サーボ系に対する制御ゲインを初期設
    定した後、前記試料に対する試験を開始することを特徴
    とする請求項1に記載の材料試験機。
  3. 【請求項3】 前記油圧サーボ系に対する制御ゲイン
    は、該油圧サーボ系に固有なバネ定数と最適制御ゲイン
    との関係を示すテーブルを参照して求められることを特
    徴とする請求項1に記載の材料試験機。
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