JP3340054B2 - 材料試験機 - Google Patents

材料試験機

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JP3340054B2
JP3340054B2 JP21854797A JP21854797A JP3340054B2 JP 3340054 B2 JP3340054 B2 JP 3340054B2 JP 21854797 A JP21854797 A JP 21854797A JP 21854797 A JP21854797 A JP 21854797A JP 3340054 B2 JP3340054 B2 JP 3340054B2
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  • Investigating Strength Of Materials By Application Of Mechanical Stress (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、油圧サーボ系を介
して試料に加える負荷を、該試料に生じた荷重、変位ま
たは歪み等の変化に従ってフィードバック制御しながら
該試料の特性(性質)を計測する材料試験機に係り、特
に前記油圧サーボ系に対する制御ゲインを自動的に最適
化設定する機能を備えた電気油圧サーボ型の材料試験機
に関する。
【0002】
【関連する背景技術】近時、各種試料に対する適用範囲
が広く、しかも精度の高い制御が可能なことから、閉ル
ープ式の電気油圧サーボ型の材料試験機が注目されてい
る。図1はこの種の電気油圧サーボ型の材料試験機の概
略構成を示すもので、ロードセル1を介してフレーム2
と油圧シリンダからなるアクチュエータ3との間に各種
試料である試験片Sを保持し、油圧源4からの圧力油
(油圧)をサーボ弁5を介してアクチュエータ3に与え
ることで該アクチュエータ3を作動させ、これによって
前記試験片Sに負荷を加える如く構成される。
【0003】しかして負荷を加えることによって試験片
Sに生じる荷重は前記ロードセル1によって検出され、
またこの負荷の印加によって試験片Sに生じる変位は変
位計6により、更にその歪みは該試験片Sに貼付された
歪みゲージ7によりそれぞれ検出される。マイクロコン
ピュータ等によって構成される制御部8は、上記の如く
検出される荷重,変位,歪みをそれぞれ入力し、例えば
ロードセル1によって検出される荷重と目標荷重との偏
差が零(0)となるようにサーボアンプ9を介してサー
ボ弁5の作動をフィードバック制御する。このようなフ
ィードバック制御系により、油圧駆動されるアクチュエ
ータ3がサーボ制御されて前記試験片Sに加えられる荷
重(負荷)が調整される。
【0004】尚、この電気油圧サーボ制御系は、図2に
示すようにフィードバック制御系を構成する閉ループを
なすブロック線図として表現される。即ち、この制御系
は負荷(例えば荷重や変位)に対する制御目標値と、検
出アンプ8aを介して検出される試験片Sに生じた変化
(荷重や変位の制御量)との偏差Δを求める偏差器8b
と、この偏差Δに応じてサーボアンプ9の作動を制御す
るコントローラ8cとを備え、上記偏差Δを零(0)と
するようにサーボ弁5の作動を制御してアクチュエータ
3を油圧駆動し、これによって前記試験片Sに加える負
荷(荷重または変位)を調整する制御ループとして表現
できる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで上述した如く
構成される電気油圧サーボ型の材料試験機においては、
試験片Sの仕様(剛性)に応じて制御ループにおける制
御ゲインを最適化設定することが重要である。ちなみに
制御ゲインが不足すると制御応答性が悪くなり、また制
御ゲインが過大であるとハンチング現象が生じる等の問
題が生じる。このような制御ゲインの不適切な設定は、
その試験効率を劣化させることのみならず試験データの
計測自体を不能とする虞があり、ひいては試験片Sの不
本意な破損を招来する虞もある。
【0006】ちなみに従来にあっては、オペレータ(試
験者)の経験に頼って試験片Sの剛性を推定して制御ゲ
インを仮設定し、予備的な荷重・変位制御の下で試行錯
誤的に制御ゲインを補正した上で、その試験を行ってい
る。この為、制御ゲインの設定自体に時間が掛かり、試
験効率が非常に悪いと言う問題があった。また推定した
試験片Sの剛性が誤っていると、例えば試験片に過度な
荷重を加えてしまい、この結果、試験片の性質自体が変
化する虞があった。
【0007】本発明はこのような事情を考慮してなされ
たもので、その目的は、剛性の不明な試料を試験するに
際して、試料に対して過大な負荷を掛けることなしに、
そのサーボ制御系に対する制御ゲインを簡易にして効率
的に最適化設定することができ、試験効率の向上を図る
ことのできる材料試験機を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上述した目的を達成する
べく本発明は、油圧サーボ系を介して試料に加える負荷
をフィードバック制御し、該試料に生じる荷重や変位ま
たは歪みからその性質を計測する閉ループ式の電気油圧
サーボ型の材料試験機に係り、特に前記試料の試験開始
に先立って、前記試料に対して徐々に負荷を加えながら
試料に生じる変化、例えば荷重や変位または歪みを監視
する第1の手段と、前記試料の変位が検出されたとき、
その時点において試料に加えている負荷を凍結する第2
の手段と、上記負荷を凍結した後、前記変位の安定化を
待って前記試料に加えている荷重と該試料の変位とをそ
れぞれ検出する第3の手段と、これらの検出された荷重
と変位とから前記試料のバネ定数を推定し(第4の手
段)、推定したバネ定数に従って前記油圧サーボ系に対
する制御ゲインを初期設定する第5の手段とを具備した
ことを特徴としている。
【0009】より具体的には請求項2に記載するよう
に、油圧サーボ系に対する制御ゲインを、時間経過と共
にその最小値から徐々に高めることで試料に加える負荷
を漸増させながら前記試料に生じる変化(荷重や変位)
を監視し、この際、変位計の最小分解能を越える程度の
変位が検出された時点で前記試料に加える負荷を凍結す
ることを特徴としている。そして負荷を凍結した状態に
おいて前記負荷に生じる変位の安定化を待ち、試料が安
定した状態における荷重と変位とに従って前記試料のバ
ネ定数を推定した上で、例えば請求項3に記載するよう
に、予め求められているバネ定数と制御ゲインとの関係
を示すテーブルに従って、油圧サーボ系に対して設定す
る制御ゲインを求め、これによって制御ゲインの最適化
設定を自動的に行うことを特徴としている。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の一
実施形態に係る材料試験機について、特に試料(試験
片)に対して負荷を加える油圧サーボ系の作動をフィー
ドバック制御する制御系に対する制御ゲインの自動設定
機能について説明する。この実施形態に係る材料試験機
は、基本的には前述した図1に示すように構成されるも
のであって、特に制御部8が持つ機能の1つとして、試
料(試験片S)をフレーム2とアクチュエータ3との間
に装着(チャッキング)し、アクチュエータ3を駆動し
て疲労試験を開始するに先立って、そのサーボ制御系に
対する制御ゲインを試料(試験片S)の性質(剛性)に
応じて自動的に最適化設定する機能を備えている点を特
徴としている。
【0011】この制御ゲインの自動設定機能は、チャッ
キングされた試料Sに対して徐々に負荷を加えながら該
試料Sに生じる変化、例えば荷重や変位または歪みを監
視する機能、具体的には試料Sに対して徐々に荷重を加
えながら該試料に生じる変位を監視する機能(第1の手
段)、そして試料Sの微小な変位、例えば変位計6の最
小分解能を越える程度の変位が検出されたとき、その時
点において前記試料Sに加えている負荷をそのまま保持
(凍結)する機能(第2の手段)、この状態で前記変位
の安定化を待った後、試料の変位が安定化した状態での
前記試料に生じた荷重と変位をそれぞれ検出する機能
(第3の手段)、検出された荷重と変位との関係から前
記試料Sのバネ定数KLを推定する機能(第4の手
段)、そして推定したバネ定数KLに従ってサーボ制御
系に対する制御ゲインを自動設定する機能(第5の手
段)とからなる。
【0012】即ち、この制御ゲインの自動設定処理は、
図3にその概念を時間的な経緯として示すように、例え
ば制御系に対する制御ゲインを、その最小値から徐々に
高めながらアクチュエータ3の作動を制御し、試料Sに
加える荷重(負荷)を徐々に増大させることから開始さ
れる。この荷重の印加は、変位計6によって検出される
試料Sの変位を監視しながら、該変位計6の最小分解能
を僅かに越える程度の微小な変位(判定ポイント)が検
出されるまで行われる(処理期間T1)。この際、試料
Sに加える最大荷重については、推定される試料Sの特
性から求められる目標最大荷重値の30〜50%を目安
として制限しておき、予め試験開始前に試料Sに大きな
荷重が加わらないようにしておくことが好ましい。
【0013】しかして荷重の印加に伴う試料Sの上記微
小な変位が検出されたならば、アクチュエータ3の作動
状態を凍結し、その時点において試料Sに加えている荷
重値(負荷)をそのまま保持する。つまり試料Sに対す
る荷重状態を、そのまま凍結する。そして試料Sの変位
が安定するまで、所定時間に亘って上記荷重状態保持す
る(処理時間T2)。この際、試料Sの剛性が高く、そ
のバネ定数KLが大きい場合には、図3の特性Aに示す
ように比較的短時間のうちに変位が安定する。しかし試
料Sの剛性が低く、そのバネ定数KLが小さい場合に
は、図3の特性Bに示すように或る程度の変位の変動が
生じた後にその変位が安定する。上記状態保持の待ち時
間T2は、このようなバネ定数の異なりによる変位の安
定化に要する時間を見込んで設定される。
【0014】その後、試料Sに加えている荷重値と試料
Sに生じている変位量をそれぞれ複数サンプルに亘って
検出する(処理時間T3)。この荷重と変位の検出は、
その検出誤差等を相殺するべく、例えば100〜200
サンプル程度に亘って繰り返し行われる。しかる後、検
出された荷重値の平均と、変位量の平均とをそれぞれ求
め、[平均荷重値÷平均変位量]なる演算により、試料
Sのバネ定数KLを推定する(処理時間T4)。そして
このようにして推定したバネ定数KLに従い、例えば予
め求められているサーボ制御系におけるバネ定数と最適
制御ゲインとの関係を示すテーブルに従って、該サーボ
制御系に設定すべき最適な制御ゲインを求め、これを初
期設定する。
【0015】尚、上記バネ定数と最適制御ゲインとの関
係については、例えばバネ定数KLが既知である種々の
試料Sについて、予めこの材料試験機におけるサーボ制
御系の最適化制御の下でその最適制御ゲインをそれぞれ
求め、これらのデータを整理することによって上記サー
ボ制御系に固有なテーブルデータとして予め求められ
る。また疲労試験の実行に伴って、そのときのバネ定数
KLと最適制御ゲインが新たに求められる都度、その実
績データを学習することで上記テーブルデータの更新が
行われる。
【0016】ここで試料Sの剛性を示すバネ定数KL
と、この試料Sを試験する材料試験機のサーボ制御系に
対する最適な制御ゲインとの関係について説明すると、
試料Sに荷重を加えるアクチュエータ3を油圧駆動する
サーボ制御系を安定動作させる上でのフィードバック制
御系の制御ゲインは、試料Sの剛性(バネ定数)によっ
て異なり、またその制御系に固有な値をとる。即ち、材
料試験機のサーボ制御系は、図2に示したようにサーボ
アンプ9,サーボ弁5,アクチュエータ3,および試料
S(負荷)を含んで閉ループを構成したブロック線図で
示される伝達系として構成される。従ってサーボ制御系
の安定動作を実現するには、サーボアンプ9等の材料試
験機に固有な伝達系(伝達関数)と、試料Sの性質に依
存した負荷の伝達系(伝達関数)とを考慮して、例えば
コントローラ8cにおいて最適な制御ゲインを設定する
必要がある。
【0017】ちなみに試料Sの変位に着目してアクチュ
エータ3の作動をサーボ制御する変位制御系での、試料
Sのバネ定数KLに対応した最適な制御ゲイン(比例ゲ
インKP,積分ゲインKI)は、例えば図4(a)に示す
ようになる。また試料Sに加える荷重に着目してアクチ
ュエータ3の作動をサーボ制御する荷重制御系での、試
料Sのバネ定数KLに対応した最適な制御ゲインは、例
えば図4(b)に示すようになる。
【0018】そこで本発明ではその前提条件として、材
料試験機における試験範囲をカバーするバネ定数KLの
範囲において、予めバネ定数KLが既知の複数の試料S
を用いて上記変位制御系および荷重制御系での比例ゲイ
ンKPと積分ゲインKIとをそれぞれチューニングして
制御系の最適化を図ることで、各種バネ定数KLに対す
る最適な制御ゲインKP,KIがそれぞれ求められる。
そしてこれらの各種バネ定数KLに対する最適な制御ゲ
インKP,KIの関係を、例えば図4(c)に示すような
テーブル構造のデータとして表現して、予め準備され
る。このようなテーブルデータによって材料試験機に固
有な、例えば図4(a)(b)に示されるような最適制御ゲ
インKP,KIが、後述するように試料Sのバネ定数K
Lに応じて与えるものとなっている。
【0019】一方、試料Sのバネ定数KLを推定するべ
く、試料Sの試験開始に先立って前述したように試料S
の微小な変位が検出されるまで、試料Sに対して徐々に
荷重を加えられる。この試料Sに対して加える荷重の制
御は、図5(a)に示すような荷重制御系におけるステッ
プ応答時のバネ定数KLと比例ゲインKPとの関係を利
用し、例えば図5(b)に示すように、時間経過に伴って
比例ゲインKPを徐々に増大させることにより実現され
る。具体的には、例えば図3に示すように最大荷重を制
限したランプ・ホールド波形を想定してなる目標荷重パ
ターンの下で、制御系において用意される最大剛性での
比例ゲインKP(比例ゲイン値が最小)から、そのゲイ
ン値を徐々に増大させながら荷重制御を実施することに
よってなされる。この際、積分ゲインKIは、例えば零
(0)に設定される。
【0020】尚、変位制御系におけるステップ応答時の
バネ定数KLと比例ゲインKPとの関係は図6(a)の如
く示されるので、この関係を利用して変位制御の下で、
例えば図6(b)に示すように時間経過に伴って比例ゲイ
ンKPを徐々に増大させながら試料Sに変位を加えるよ
うにしても良い。このような変位制御系での制御の下で
試料Sに変位を加える場合であっても、試料Sの微小な
変位が検出された時点でその負荷状態を凍結することは
勿論のことである。
【0021】さて上述した如くして試料Sに負荷(荷
重)を加えることにより、変位計6での最小分解能を越
える程度の試料Sの変位が検出されると、その時点で、
例えばそのときの比例ゲイン値と目標値とが一定に保た
れる。これによって試料Sに対して必要以上の荷重を掛
けることなく、その負荷(荷重)が凍結される。そして
この状態で前述したように試料Sに生じる変位の安定化
を待つ。この変位の安定化に要する時間は、概略的には
図7にステップ応答時の変位安定化時間を示すように、
試料Sのバネ定数KLによって異なるので、前述したよ
うに材料試験機における試験範囲をカバーするバネ定数
KLの範囲において、そのバネ定数KLが最も小さいと
きの変位の安定化に要する時間を見込んで設定する。
【0022】以上のようにして試料Sの変位の安定化を
待った後、その変位量と荷重値を複数サンプルに亘って
定期的に収集し、その平均を求める。この複数サンプル
の平均化によって外乱、その他の要因によるバラツキが
吸収される。その後、[平均荷重値÷平均変位量]なる
演算を実行することにより、試料Sのバネ定数KLを推
定する。つまり試料Sにとって負担を生じることのない
程度の軽い負荷(荷重)を加えることで試料Sに微小な
変位を生じさせ、そのときの荷重と変位との関係から該
試料Sのバネ定数KLを推定する。
【0023】このようにして試料Sのバネ定数KLを推
定したならば、次に前述したテーブルに従って上記推定
バネ定数KLに対応する制御ゲインを逆算する。これに
よって制御系に設定すべき最適な制御ゲインKP,KI
を求めることが可能となり、バネ定数KLが不明な試料
Sを試験するに際しての最適化制御ゲインの自動設定が
実現できる。
【0024】図8は上述した如く制御ゲインの自動設定
処理を実行する制御部8における処理手順の一例を示し
ている。この処理手順について簡単に説明すると、例え
ば先ずその制御系を荷重制御モードに設定し[ステップ
S1]、オートゲイン調整用のゲイン特性を前述した図
5(a)または図6(a)に示すように設定する[ステップ
S2]。また調整用目標荷重パターンをランプ・ホール
ド波形となるように設定する[ステップS3]。しかる
後、その制御系に対して初期ゲイン(最小値)をセット
した後[ステップS4]、上記ゲイン特性および目標荷
重パターンの下で荷重/変位制御を開始する[ステップ
S5]。
【0025】この状態で変位計6により検出される試料
Sの変位から、変位計6で検出可能な最小変位が検出さ
れるか否かを監視する[ステップS6]。そして試料S
の最小変位が検出されたとき、そのときの比例ゲインと
制御目標値とを凍結して、それ以後に試料Sに加える負
荷(荷重)を一定に保つ[ステップS7]。そして前述
した変位安定化の為の一定時間T2の経過を待つ[ステ
ップS8]。この際、上記制御系における負荷(荷重)
の一定化制御を継続的に実行する[ステップS9]。
【0026】しかして試料Sの変位が安定したならば
[ステップS10]、そのときの荷重値と変位量とを定
期的に複数サンプルに亘って繰り返し求め、その平均を
求める[ステップS11]。そして平均荷重と平均変位
との関係から試料Sのバネ定数KLを計算し[ステップ
S12]、この計算により推定された試料Sのバネ定数
KLに従って前述した図1(c)に示す如きテーブルデー
タから、試料Sのバネ定数KLに適合した最適な制御ゲ
イン、即ち、比例ゲインKPと積分ゲインKIとをそれ
ぞれ求め、これを制御系にセットする[ステップS1
3]。これらの制御ゲインについては、荷重系および変
位系の各制御系についてそれぞれ求める。
【0027】以上のようにして各制御系について求めら
れる制御ゲインKP,KIを、推定した試料Sのバネ定
数KLに応じてセットしたならば、例えばそのステップ
応答性を調べる等して、制御ゲインが最適化されている
か否かを確認し、一連の制御ゲイン設定処理を終える
[ステップS14]。その後、自動設定された制御ゲイ
ンの下で試料Sの試験、具体的には疲労試験、クリープ
試験,リクラゼーション試験、引っ張り試験、圧縮試験
が実行される。
【0028】かくして上述した如く機能してサーボ制御
系に対する制御ゲインを自動的に最適化設定する材料試
験機によれば、試験対象である試料Sの剛性(バネ定
数)が全く不明な場合であっても、非常に簡単に、且つ
短時間に効率的に試料Sの性質に応じた最適な制御ゲイ
ンを設定することができる。しかも簡単な制御アルゴリ
ズムの下で、試料Sに対して過大な負荷(荷重)を加え
ることなしにそのバネ定数KLを推定し、最適な制御ゲ
イン設定を行い得る。特に試料Sに僅かな荷重を加えた
状態でその変位の安定化を待ち、安定状態において試料
Sに加わっている荷重値と変位量とを複数サンプルに亘
ってサンプリングした上で、これらのデータに基づいて
バネ定数KLを推定するので、その推定精度を十分高く
することができる。そして推定したバネ定数から、制御
系に最適な制御ゲインを逆算し、これを制御系にセット
するので、試料Sに余分な負担を掛けることなしに、効
率的に制御ゲインの自動設定を行い得ると言う利点があ
る。
【0029】尚、本発明は上述した実施形態に限定され
るものではない。例えば試料Sの試験条件によって試料
Sに対して加える荷重や変位の条件が異なるので、試料
Sのバネ定数を推定するに際して設定するゲイン特性や
目標パターンを、特に最大荷重値等をその試験条件に応
じて設定するようにしても良い。具体的には疲労試験を
行う場合には、試料Sに加える荷重を図9(a)に示すよ
うに三角波的に変化させて実行され、またクリープ/リ
クラゼーション試験を行う場合には図9(b)に示すよう
に荷重をランプ波形状に増大させた後、その荷重を一定
にホールドすることによって実行される。更には引っ張
り/圧縮試験を実行する場合には図9(c)に示すよう
に、荷重または変位を一定の勾配で増大させることによ
って実行される。従ってこのような試験条件の違いに応
じて、例えば本試験において試料Sに加える目標最大荷
重値の30〜50%程度において試料Sが安定した状態
における変位と荷重との関係を求め、これによってその
バネ定数を推定するようにすれば良い。
【0030】また変位計6の最小分解能を越える程度の
微小な変位を検出した時点で、その荷重を一定化するに
際しては、その検出変位量自体がノイズに埋もれやすい
状態にある。従って所定周期毎に変位量を読み込みなが
ら、例えばその変位データを移動平均等の手法を用いて
フィルタリングした上でその検出値(変位)を判定し、
更には所定量の変位が複数回連続して検出された時点
を、負荷(荷重)により変位が生じたポイントであると
判定するようにすれば良い。
【0031】更には図4に示すバネ定数と制御ゲインと
の関係を示すテーブルデータ量が少ないような場合に
は、そのデータに基づいて決定される近似式の下で、平
均荷重値と平均変位量とから推定されたバネ定数KLに
従って制御ゲインを近似演算により算出するようにして
も良い。更には試料Sにおける歪み制御系のバネ定数と
ゲイン特性に従って、その制御を同様にして行うことも
可能である。その他、本発明はその要旨を逸脱しない範
囲で種々変形して実施することができる。
【0032】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、試
料の剛性が不明な場合であっても、その試料を試験にす
るに際しての制御系の最適な制御ゲインを効率的に設定
することができる。しかも試料に不本意な負荷(荷重)
を加えることなしに、短時間に精度良くそのバネ定数を
推定し、実績として収集されているバネ定数と最適制御
ゲインとの関係の下で、その試験を実行するに適した制
御ゲインを自動設定することができる。従って試験効率
の向上を図り得ることは勿論のこと、種々多様な試料に
ついての知識を持ち合わせなくても、その試料に対する
試験を簡単に実行することができる等の実用上多大なる
効果が奏せられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る材料試験機の概略的
な構成を示す図。
【図2】本発明に係る電気油圧サーボ型の材料試験機に
おける制御系の構成を示すブロック線図。
【図3】本発明における制御ゲインの自動設定処理の概
念を、時間的な経緯として示す示す図。
【図4】制御系に固有な試料のバネ定数と最適な制御ゲ
インとの関係を示す図。
【図5】荷重制御系におけるステップ応答時のバネ定数
と比例ゲインとの関係、および比例ゲインの時間的増大
特性を示す図。
【図6】変位制御系におけるステップ応答時のバネ定数
と比例ゲインとの関係、および比例ゲインの時間的増大
特性を示す図。
【図7】ステップ応答時における変位安定化に要する時
間のバネ定数に対する変化を示す図。
【図8】本発明の一実施形態に係る材料試験機の制御部
において実行される制御ゲインの自動設定処理手順の例
を示す図。
【図9】試験条件に応じて試料に加えられる荷重または
変位の制御特性を示す図。
【符号の説明】
S 試料(試験片) 1 ロードセル 2 フレーム 3 アクチュエータ 4 油圧源 5 サーボ弁 6 変位計 7 歪みゲージ 8 制御部 9 サーボアンプ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 3/02 G01N 3/08

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 油圧サーボ系を介して試料に加える負荷
    をフィードバック制御して前記試料に生じる荷重、変位
    または歪みを計測する材料試験機において、 前記試料の試験開始に先立って前記試料に徐々に負荷を
    加えて該試料に生じる変化を監視する第1の手段と、徐
    々に負荷が加えられた前記試料の変位が検出されたとき
    前記試料に加えている負荷を凍結する第2の手段と、上
    記負荷を凍結させた後、前記変位の安定化を待って前記
    試料に加えている荷重と該試料の変位とをそれぞれ検出
    する第3の手段と、検出された荷重と変位とから前記試
    料のバネ定数を推定する第4の手段と、推定されたバネ
    定数に従って前記油圧サーボ系に対する制御ゲインを初
    期設定する第5の手段とを具備したことを特徴とする材
    料試験機。
  2. 【請求項2】 前記第1の手段は、前記油圧サーボ系に
    対する制御ゲインを、時間経過と共にその最小値から徐
    々に高めることで試料に加える負荷を漸増させながら該
    試料に生じる変化を監視するものであって、 前記第2の手段は、変位計の最小分解能を越える変位が
    検出された時点で前記試料に加える負荷を凍結すること
    を特徴とする請求項1に記載の材料試験機。
  3. 【請求項3】 前記第5の手段は、予め求められたバネ
    定数と制御ゲインとの関係を示すテーブルに従って油圧
    サーボ系に対して設定する制御ゲインを求めることを特
    徴とする請求項1に記載の材料試験機。
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