JPH1161615A - 吸音材及びその製造方法 - Google Patents

吸音材及びその製造方法

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Publication number
JPH1161615A
JPH1161615A JP9231118A JP23111897A JPH1161615A JP H1161615 A JPH1161615 A JP H1161615A JP 9231118 A JP9231118 A JP 9231118A JP 23111897 A JP23111897 A JP 23111897A JP H1161615 A JPH1161615 A JP H1161615A
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JP
Japan
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fiber
softening temperature
absorbing material
sound
temperature
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Withdrawn
Application number
JP9231118A
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English (en)
Inventor
Makio Nagata
万亀男 永田
Katsumi Morohoshi
勝己 諸星
Hiroki Nagayama
啓樹 永山
Koichi Nemoto
好一 根本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kanebo Ltd
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Kanebo Ltd
Nissan Motor Co Ltd
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Publication date
Application filed by Kanebo Ltd, Nissan Motor Co Ltd filed Critical Kanebo Ltd
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Publication of JPH1161615A publication Critical patent/JPH1161615A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 軽量にして耐熱性を有し、優れた音振性能と
良好な沈み込み反発力とを備え且つ高い凝集性と形態安
定性を有する吸音材を、効率よくしかも良好な作業環境
の下に工業的容易且つ経済的有利に提供する。 【構成】 繊度50〜200デニールの高温軟化合成繊
維ステープル(繊維A)10〜40重量%と、繊度1.
5〜20デニールの高温軟化合成繊維ステープル(繊維
B)80〜30重量%と、少なくとも繊維表面において
上記繊維Aと繊維Bの低い方の軟化温度よりも少なくと
も30℃低い軟化温度を有する繊度1.5〜15デニー
ルの合成繊維ステープル(繊維C)10〜30重量%と
をを均一に混合した平均カット長が20〜100mmの
繊維集合体よりなる不織布を、圧縮して繊維Aと繊維B
の低い方の軟化温度と繊維Cの軟化温度の間の温度で加
熱して平均見かけ密度0.01〜0.8g/cm3 に成
形固化して得られる吸音材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、クッション性を
有する吸音材、例えば自動車用フロアインシュレータ
材、自動車用シートクッション材、自動車用トランクカ
ーペットインシュレータ材等に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車の高級化、高性能化に伴い、現在
では遮音性能の高いインシュレータ材の開発が要求され
ている。従来の代表的なものとしては、再生繊維よりな
りそれにフェノール樹脂等の熱硬化型バインダーを使用
したフェルト;バインダー樹脂としてポリエチレン、ポ
リプロピレン等の熱可塑性樹脂を使用した成形フェル
ト;熱可塑性繊維をバインダ繊維として混入した成形フ
ェルト;熱硬化性樹脂若しくは熱可塑性樹脂を含有した
ガラス繊維等の無機繊維を熱間あるいは冷間プレスした
もの;またはポリエステル繊維等の合成繊維を主体と
し、主体繊維より低融点の単一繊維をバインダ繊維とし
て混入し、熱融着した繊維集合体等が知られている。し
かしながらこれらのものは吸音材として以下のような欠
点があった。
【0003】先ず、有機質繊維を用いたフェルトや成形
フェルトに関しては、第1に、バインダ樹脂が繊維系吸
音材の全重量に対して約30重量%程度含有されるた
め、繊維重量が減少し、それに伴って吸音効果が低下
し、重量の割りには有効な吸音効果を得ることは困難で
あった。
【0004】第2に、バインダ繊維を使用した従来のフ
ェルトは、使用済みの繊維構造物を解繊した再生繊維を
用いているために繊度のばらつきが非常に大きく、吸音
性の不均一を招き、性能を一定に保持することが困難で
あるという欠点があった。
【0005】第3に、上記再生繊維には非常に短い繊維
が含有され、フェルト生産時及び/又は、カーペットと
の接着時に繊維フライ、綿埃等として空気中に舞い上が
るため作業環境を著しく悪化させるという欠点があっ
た。
【0006】一方、無機質繊維材料は、第1にフェルト
や成形フェルトと同様に、繊維の相対重量が減少し、こ
れに伴い吸音効果が低下し、重量の割に有効的な吸音効
果を得ることが困難であるという欠点があった。
【0007】第2に無機質繊維はポリエチレン等の有機
質繊維に比べ繊維が折れやすく、インシュレータ生産時
及び/又は、カーペットとの接着時に繊維フライ、綿埃
等として空気中に舞い上がるため作業環境を著しく悪化
させるという欠点があった。
【0008】第3に無機質材料は、密度が高いため、イ
ンシュレータ自体の重量が上昇し、重量の割に有効な吸
音効果を得ることが困難であるという欠点があった。
【0009】このような状況の下に、従来の吸音材で
は、ポリエステル繊維等の合成繊維を主たる構成繊維と
なし、主たる構成繊維より低融点の単一成分繊維をバイ
ンダ繊維として混入する方法を採用することによって吸
音性能の向上を図っていた。しかしながら、耐熱性を確
保する目的で軟化点の比較的高いバインダ繊維を使用す
れば、バインダ繊維による結合点が減少し、これに伴
い、沈み込み反発力が低下するため、フロアインシュレ
ータとして良好な性能を具えた吸音材を得られなかっ
た。また、沈み込み反発力を高くするために、繊維量を
増やせば、重量増及び動バネ定数の上昇に伴う音振性能
の低下が生じるという欠点があり、一方、主たる繊維の
繊度を大きくすれば吸音性能が低下し、必ずしも有利で
はなかった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は上記従来の諸問題を解決し、ポリエステル等によって
代表される合成繊維よりなるフェルト、不織布等の繊維
集合体を用い、軽量にして耐熱性を有し、優れた音振性
能と良好な沈み込み反発力とを具えた吸音材を、効率よ
くしかも良好な作業環境の下に工業的容易且つ経済的有
利に提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、繊維集合
体の構成繊維の特性や繊維配合等による繊維集合体の構
造と沈み込み反発力及び音振性能との関連を解明すると
共に、従来の問題点を解決し、優れた音振性能と耐熱性
を有し、且つ高い沈み込み反発力を有する吸音材の構成
並びに製造法を特定することに成功して本発明に到達し
た。
【0012】本発明の吸音材は、繊度50〜200デニ
ールの高軟化温度X℃を有する合成繊維ステープル(繊
維A)10〜40重量%と、繊度1.5〜20デニール
の高軟化温度Y℃を有する合成繊維ステープル(繊維
B)80〜30重量%と、繊度1.5〜15デニールで
且つ少なくとも繊維表面においてX℃およびY℃の何れ
か低い方の温度よりも少なくとも30℃低い軟化温度Z
℃を有する合成繊維ステープル(繊維C)10〜30重
量%とを主たる構成繊維として含んでなる繊維集合体で
あて、構成繊維の平均カット長が20〜100mmであ
り且つ該繊維集合体の平均見かけ密度が0.01〜0.
8g/cm3 であることを特徴とするものである。
【0013】また、本発明の吸音材の製造方法は、繊度
50〜200デニールの高軟化温度X℃を有する合成繊
維ステープル(繊維A)10〜40重量%と、繊度1.
5〜20デニールの高軟化温度Y℃を有する合成繊維ス
テープル(繊維B)80〜30重量%と、繊度1.5〜
15デニールで且つ少なくとも繊維表面において温度X
℃およびY℃の何れか低い方の温度よりも少なくとも3
0℃低い軟化温度Z℃を有する合成繊維ステープル(繊
維C)10〜30重量%とを主たる構成繊維として含ん
でなり、構成繊維の平均カット長が20〜100mmで
ある繊維集合体を、カードレイヤー若しくはエアレイヤ
ー法によって捕集堆積してウェブを形成し、更に該ウェ
ブを圧縮し、温度X℃およびY℃の何れか低い方の温度
とZ℃の間の温度で加熱して厚み2〜80mm、平均見
かけ密度0.01〜0.8g/cm3 に成形固化するこ
とを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】成形された繊維集合体は、繊維C
の融着による構成繊維相互間の接着点が成形体中に実質
的に均一に分散している。本書中において「軟化温度」
とは、繊維を構成する重合体が加熱により軟化して接着
性を発現し始める温度を意味するものとし、明細書記載
の軟化温度はJIS K7202「熱可塑性プラスチッ
クのビカット軟化温度試験方法」に基づいて、試験荷重
5Kgf 、昇温速度50℃/Hrで測定したものである。
【0015】上記繊維Aは、繊度50〜200デニール
の範囲内にあり、高軟化温度(230〜240℃)を有
する合成繊維ステープル2種類以上の混合物であっても
よく、また、繊維Bについては繊度1.5〜20デニー
ルの範囲内にある高軟化温度(230〜240℃)を有
する合成繊維ステープル2種類以上の混合物であっても
よい。
【0016】上述した繊維集合体中における各繊維A、
繊維Bおよび繊維Cの含有量、それぞれ10〜40重量
%、80〜30重量%および10〜30重量%は、繊維
A、繊維B及び繊維Cの合計重量を基準とした百分率で
ある。繊維Aの含有量が10重量%未満となると、繊維
集合体内に耐沈み込み性を担う高繊度で剛直な繊維比率
が低下するため十分な反発力が得られなくなり好ましく
なく、また、繊維Aの含有量が40重量%を超えると繊
維集合体における平均繊度が上昇し、吸音率の低下が起
こり好ましくない。
【0017】繊維Cの含有量が10重量%未満となる
と、構成繊維間の接着点が少なくなり繊維集合体のまと
まり性(凝集性)および成形性が低下し、更に吸音材製
造時等に、綿埃等が発生し、作業環境を著しく悪化する
ので好ましくない。また、繊維集合体の凝集性が低下す
ることによって、耐へたり性(圧潰抵抗)も低下し、吸
音材の使用範囲を著しく限定することになり望ましくな
い。繊維Cの含有量が30重量%を超えると、繊維Cに
よる結合点が著しく増加するため、動バネ定数の過度上
昇による性能劣化が生じ好ましくない他、ウェブ形成時
に繊維Cが装置に融着してウェブ形成が困難となる場合
があるため好ましくない。
【0018】繊維Bの含有量は、繊維Aおよび繊維Cの
上記含有量から必然的に前記の比率即ち、80〜30重
量%の範囲に限定される。
【0019】本発明において使用される繊維A、繊維B
および繊維Cとしては、ポリエステル、共重合ポリエス
テル、ポリアミド、共重合ポリアミド、ポリアクリロニ
トリル、共重合ポリアクリロニトリル、ポリオレフィ
ン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリクラー
ル等の繊維形成性熱可塑性重合体を単独、混合、若しく
は複合紡糸して得られる繊維が挙げられる。上記繊維種
は特に限定されないが、高軟化温度(230〜240
℃)を有する繊維Aおよび繊維Bと、低軟化温度(20
0℃以下)を有する繊維Cの低軟化温度成分とは加熱に
より融着して接着点を形成するため、接着点の接着強度
を確保するためには、これらは同種の互いに親和性を有
するポリマーとすることが好ましい。即ち、例えば、繊
維Aをポリアミドとした場合には繊維Bもポリアミドと
し、更に繊維Cを適宜に低い軟化温度(200℃以下)
を有する共重合ポリアミドすることがよい。繊維A、繊
維Bおよび繊維C共に、結晶融点(Tm)、強度、モジ
ュラスが高いこと、比較的安価であり供給が安定してい
ること等を考慮して、ポリエステル系繊維が最適であ
る。
【0020】特に、繊維Aと繊維Bとは高軟化温度(2
30〜240℃)を有するポリエステルより構成される
ことが好ましい。高軟化温度を有するポリエステルと
は、ポリエチレンテレフタレートを基本骨格とする熱可
塑性線状ポリエステルであり、ポリエチレンテレフタレ
ートに対してエチレングリコールと異なるグリコール成
分および/またはテレフタル酸と異なる二塩基酸成分お
よび/またはオキシカルボン酸を若干量共重合させた、
軟化温度が少なくとも160℃の共重合ポリエステルも
使用可能であるが、共重合成分の増加は繊維の強度やモ
ジュラスの低下を伴うので、最も好ましくはポリエチレ
ンテレフタレートのホモポリマーである。
【0021】上記のエチレングリコールと異なるグリコ
ールとしては、例えばトリメチレングリコール、テトラ
メチレングリコール、ジエチレングリコール、ペンタエ
リスリトール、ビスフェノールA等が挙げられ、上記二
塩基酸成分としては、例えば、イソフタル酸、ナフタレ
ンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、及び例えば、
グルタル酸、アジピン酸、シクロヘキサンジカルボン酸
等の脂肪族ジカルボン酸、および例えば、パラオキシ安
息香酸等のオキシカルボン酸等が挙げられる。これらの
共重合成分は得られるポリエチレンテレフタレート共重
合体の軟化温度が少なくとも160℃、好ましくは少な
くとも200℃を維持する程度の量を添加する。
【0022】また、上記繊維Cの少なくとも表面部分を
構成し低軟化温度を有する変性ポリエステルとは、好ま
しくはポリエチレンテレフタレートにエチレングリコー
ルと異なるグリコール成分および/またはテレフタル酸
と異なる二塩基酸成分および/またはオキシカルボン酸
を適量共重合させてなる好ましくは130〜200℃の
軟化温度を有する共重合体、およびポリエチレンテレフ
タレートとそれと異なるポリエステルとのポリマーブレ
ンドをも含む。軟化温度が130℃未満となると同繊維
の選択の幅が著しく制限される他、エアレイ方式による
ウェブ形成時に繊維Cが装置に融着してウェブ形成が困
難となる危険性が大きくなる。また、繊維Cを構成する
変性ポリエテルの軟化温度が低すぎるため、車室内等、
使用環境の温度上昇により、使用中に著しい再軟化溶融
が生じ成形体の形状保持が困難となる惧れがある。一
方、変性ポリエテルの軟化温度が200℃を超えると繊
維Aおよび/または繊維Bの選択の幅が著しく制限され
る。
【0023】繊維Cは好ましくは上記高軟化温度を有す
るポリエステルを芯成分とし、繊維Aおよび繊維Bのポ
リエステルの何れか低い方の軟化温度より少なくとも3
0℃、特に30〜100℃低い低軟化温度(100〜2
00℃)を有する変性ポリエステル成分を鞘成分として
なる芯鞘型複合繊維、若しくは、上記ポリエステルを片
側成分とし変性ポリエステルを他方成分としてなるサイ
ドバイサイド型複合繊維であることが望ましい。また、
上記繊維Cは、高軟化温度の繊維Aおよび繊維Bの何れ
か低い方の軟化温度よりも、少なくとも30℃、特に3
0〜100℃低い軟化温度(100〜200℃)を有す
る変性ポリエステルから構成された単一成分繊維であっ
てもよい。この温度差が30℃未満となると加熱により
繊維Cを軟化させて接着点を形成する成形工程におい
て、繊維Cのみならず繊維Aおよび繊維Bも軟化溶融す
る危険が生じる。また、温度差が100℃を超えると、
変性ポリエステルの軟化温度が低くなるため常温におい
ても膠着性を示し始めるためエアレイ方式によるウェブ
形成時に繊維Cが装置に融着してウェブ形成が困難とな
る危険性が大きくなる。また、前記同様に、車室内等、
使用環境の温度上昇により、使用中に再軟化溶融が生じ
成形体の形状保持が困難となる惧れがある。
【0024】本発明において、繊維Aの繊度は50〜2
00デニールの範囲にあることを要する。繊維Aの繊度
が50デニール未満となると、繊維A自体が繊維集合体
の骨格となり形態を安定に保持するために十分な剛性が
得られなくなり、また、十分な反発力も得られない。一
方、200デニールを超えると、繊維集合体単位重量当
たりの繊維Aの本数が減少し、局所的な沈み込み反発力
が低下する傾向が現れる。
【0025】繊維Bの繊度は1.5〜20デニールの範
囲にあることが必要である。繊維Bの繊維が1.5デニ
ール未満となると、繊維自体の重量が小さいために、エ
アレイ方式によるウェブ製造時にエアジェットにより軽
量の繊維フライが舞い上がって収率が低下すると共に綿
埃による環境汚染が甚だしくなり、また、繊維相互の交
絡が大きくなるためウェブ形成時のカーディング工程の
収量低下を招き、或いは解繊が不十分で集合体の密度分
布が過大となり、厚みが一定にならない等の問題を生じ
る虞れがある。一方、繊維Bの繊度が20デニールを超
えると、繊維の表面積/断面積の値が小さくなるため音
のエネルギーの吸収効率が低下し、また、繊維径が太く
なる程、集合体単位体積当たりの繊維本数が少なくなる
ため構成繊維相互の交絡による繊維集合体の凝集性が減
少するので好ましくない。
【0026】繊維Cの繊度は1.5〜15デニールの範
囲にあることがよい。繊維Cの繊度が1.5デニール未
満となると、繊維C自体は剛性が小さいため繊維集合体
の十分な凝集性を得ることが困難となり、また、繊維B
の場合と同様に、繊維自体の重量が小さいために、エア
レイ方式によるウェブ製造時にエアジェットにより軽量
の繊維フライが舞い上がって収率が低下すると共に、綿
埃による作業環境汚染が甚だしくなり、また、繊維径が
細すぎて繊維の解繊が不十分となりカーディング収量が
低下し、更に繊維相互の交絡が大きくなるため集合体の
密度分布が過大となり、厚みが一定にならず均一なウェ
ブが得られない等の問題を生じる虞れがある。また繊維
Cの繊度が15デニールを超えると、繊維集合体中に繊
維Cの占める本数割合が減少するため、バインダー機能
による繊維Aおよび/またはBとの構成繊維相互間の接
着点を十分に確保することが困難となり、繊維集合体の
凝集性および成形性が減少するので好ましくない。
【0027】繊維A、繊維Bおよび繊維Cを含み、繊維
集合体を形成する繊維の平均繊度を6.5〜15デニー
ルとすると、更に吸音性能が向上し、吸音効率を向上さ
せることができるので望ましい。
【0028】本発明において、上記繊維A、繊維Bおよ
び繊維Cの平均カット長は20〜100mmの範囲にあ
る。20mm未満の場合、繊維相互の交絡が少なくな
り、そのため、繊維Cの軟化融着による構成繊維の接点
減少によって凝集性が悪化し、更に、成形時の形状保持
が困難になる。また、車両、建築物等に取り付け時、輸
送時等に短い繊維がフライとなって繊維集合体から抜け
落ち、吸音性を低下させる可能性がある。一方、100
mmを超えると繊維相互の交絡が大きくなるため、ウェ
ブ形成時に解繊不十分により繊維集合体の密度分布が過
大となり、厚みが一定にならない等の問題を生じる惧れ
がある。
【0029】本発明において、上記繊維集合体の成形加
工後の平均厚みは2〜80mmの範囲にあることが好ま
しい。2mm未満の場合、所望の通気抵抗が得難く、満
足な吸音性能を得ることが困難となってしまう。また、
80mmを超えると、繊維集合体の密度が小さくなって
しまい、同様に所望の吸音性能を得ることが困難となっ
てしまう。
【0030】本発明により成形加工された繊維集合体の
平均見かけ密度は0.01〜0.8g/cm3 の範囲に
ある。平均見かけ密度が0.01g/cm3 未満である
と、同一体積内における繊維の割合が少なくなるため、
繊維集合体として十分な凝集性を具えることが困難であ
ると共に通気抵抗が小さくなり、十分な吸音性能が得ら
れない。一方、平均見かけ密度が0.8g/cm3 を超
えると、繊維集合体が固く、通気抵抗が大きすぎ、満足
な吸音性能を期待し得ない。
【0031】通常、繊維集合体に凝集性と形態安定性を
付与する手段としては、熱融着性樹脂粉末を施与する方
法、或いは溶液型樹脂を付与または含浸させる方法等が
一般に用いられる。しかしながら、樹脂粉末を使用した
場合には樹脂粉末が局所的に凝集し易く、また溶液型樹
脂を使用した場合にはマトリックス樹脂を繊維表面に均
一に付着させることにより繊維径の増大を招き吸音性能
を低下させる惧れがある。
【0032】これに対し、主体繊維にバインダー繊維C
を混入した繊維集合体では、バインダー繊維Cを繊維集
合体中に均一に混合することが容易となり、繊維Aと繊
維Bの軟化温度の何れか低い方の温度と繊維Cの軟化温
度の間の温度で加熱処理することにより、耐熱性を考慮
しなければ、繊維Cの融着による構成繊維相互間の接着
点が繊維集合体中に実質的に均一に分散し、繊度の増加
を来すことなく凝集性および形態安定性を付与すること
ができる。しかしながら、繊維同士の交絡点における耐
熱性を高めるために、バインダ繊維Cの軟化温度を高く
すれば、交絡点の数は減少し、高い形態安定性、特に足
による踏み込み時等、荷重を掛けた場合に十分な圧潰抵
抗は得られず、耐熱性と耐沈み込み性を両立することは
できなかった。
【0033】ところが、繊維Cに対して著しく繊度の高
い繊維Aを混入することによって、成形された繊維集合
体は、繊維Aによる剛直な骨格を形成し、更にこの繊維
Aで作られている骨格の中に繊維Bおよび繊維Cによる
繊維集合体が格納された構造を構成する。このため、耐
沈み込みは繊維Aの反発力が担い、音振性能は繊維Bお
よび/または繊維Cが担うという機能分担が行われる。
本発明においては、繊維集合体総重量基準で、繊維Aを
10〜40重量%、繊維Bを80〜30重量%および繊
維Cを10〜30重量%という繊維配合となすことによ
って、これらの機能を効率よく発現させることが可能で
ある。即ち、上記のように特定した各構成繊維の繊度、
カット長、配合量を組み合わせ、これらの有機的相互作
用によって、高い沈み込み反発力と音振効果を両立する
ことができる。また、繊維Cの軟化温度を更に低下させ
ることなく沈み込み反発力を確保し得るため、耐熱性と
優れた耐沈み込み性とを兼備するものである。
【0034】本発明による製造方法は、更に具体的に
は、所定カット長、所定繊度の繊維A、繊維Bおよび繊
維Cのステープル綿、フリース、ラップ等を解繊し、適
宜の混合比率で調合した後、カードレイヤー方式で積層
するか若しくはエアレイヤー方式にてエアジェットによ
りコンベア上に噴送し、必要に応じて吸引してコンベア
上にウェブを形成し、更にこのウェブを所定の見かけ密
度および厚みに圧縮し、所定温度の熱風もしくは加熱蒸
気により成形固化する。または、コンベア上のウェブを
ニードルパンチングにより規定の厚みおよび規定の見か
け密度に仕上げ、同様に熱処理を行う。
【0035】本発明の吸音材は、上記繊維集合体の少な
くとも片面に、例えばトリコット、不織布、織布等の表
皮を積層することができる。表皮の材料は特に限定され
ない。また、上記カードレイヤー方式若しくはエアレイ
ヤー方式は、ウェブ形成方法に用いるもので、その後の
後処理工程に関しては特に限定されない。
【0036】
【発明の効果】本発明により、軽量にして高性能の吸音
性能を有し、且つ優れた耐沈み込み性を有する吸音材を
提供することが可能である。また、この吸音材は、効率
のよいカードレイヤー方式若しくはエアレイヤー方式を
利用し、しかも尚、適度な繊度およびカット長の繊維を
用いた為、良好な作業環境の下に工業的容易且つ経済的
有利に、成形フェルト、キュアフェルト等、従来型不織
布等の吸音材に代わる新しい吸音材をリサイクル性を損
なわずに提供するものである。
【0037】
【実施例】以下に本発明の効果を更に実施例、参考例、
比較例に基づいて示す。これらの例において得られた吸
音材についての特性値は以下の測定によった。「垂直入
射吸音率」の測定は、JIS A 1405「管内法に
よる建築材料の垂直入射吸音率測定法」に基づいて、サ
ンプルサイズ:φ100mm、測定領域:125〜16
00Hzについて測定した。「踏み込み沈み込み量」
は、吸音材の面の中央部に底面形状φ150mmで10
kgの圧子を載せたときの沈み込み量を測定したもので
ある。「耐熱性」は、吸音材の下面をホットプレートで
加熱し、加熱前後の厚み変化量について測定した。「動
バネ定数」は、吸音材について、強制加振法により得ら
れた共振周波数から、下式によって動的バネ定数を算出
した。 k=4π2 ・f2 ・m 但し、f:共振周波数、 m:吸音材の質量
【0038】実施例1 平均カット長が51mmである150デニールのポリエ
チレンテレフタレート(以下「PET」と略称する)よ
りなる繊維A30重量%と2デニールのPETよりなる
繊維B50重量%と2デニールの繊維C[芯成分:PE
T、鞘成分:共重合ポリエステル(非晶性ポリエステ
ル)軟化点:170℃)20重量%から構成されるステ
ープル混合原料からカードレイヤー方式にてウェブを形
成し、規定厚みに圧縮した後200℃に加熱することに
より、平均見かけ密度0.025g/cm3 、厚さ35
mmのポリエステル繊維集合体よりなる吸音材を得た。
【0039】実施例2 平均カット長を20mmとした他は、実施例1と全く同
様にして吸音材を得た。
【0040】実施例3 平均カット長を100mmとした他は、実施例1と全く
同様にして吸音材を得た。
【0041】実施例4 平均見かけ密度を0.01g/cm3 とし、厚さを44
mmとした他は、実施例1と全く同様にして吸音材を得
た。
【0042】実施例5 平均見かけ密度を0.8g/cm3 とした他は、実施例
1と全く同様にして吸音材を得た。
【0043】実施例6 平均見かけ密度を0.22g/cm3 とし、厚さを2m
mとした他は、実施例1と全く同様にして吸音材を得
た。
【0044】実施例7 厚さを80mmとした他は、実施例1と全く同様にして
吸音材を得た。
【0045】実施例8 繊維Cの軟化温度を130℃とした他は、実施例1と全
く同様にして吸音材を得た。
【0046】実施例9 繊維Cの軟化温度を200℃とした他は、実施例1と全
く同様にして吸音材を得た。
【0047】実施例10 1.5デニールの繊維Cを用いた他は、実施例1と全く
同様にして吸音材を得た。
【0048】実施例11 15デニールの繊維Cを用いた他は、実施例1と全く同
様にして吸音材を得た。
【0049】実施例12 繊維Cの含有量を10重量%とし、繊維Bの含有量を6
0重量%とした他は、実施例1と全く同様にして吸音材
を得た。
【0050】実施例13 繊維Cの含有量を30重量%とし、繊維Bの含有量を6
0重量%とし、繊維Aの含有量を10重量%とした他
は、実施例1と全く同様にして吸音材を得た。
【0051】実施例14 1.5デニールの繊維Bを用いた他は、実施例1と全く
同様にして吸音材を得た。
【0052】実施例15 15デニールの繊維Bを用いた他は、実施例1と全く同
様にして吸音材を得た。
【0053】実施例16 繊維Bの含有量を30重量%とし、繊維Aの含有量を4
0重量%とし、繊維Cの含有量を30重量%とした他
は、実施例1と全く同様にして吸音材を得た。
【0054】実施例17 繊維Bの含有量を80重量%とし、繊維Aの含有量を1
0重量%とし、繊維Cの含有量を10重量%とした他
は、実施例1と全く同様にして吸音材を得た。
【0055】実施例18 50デニールの繊維Aを用いた他は、実施例1と全く同
様にして吸音材を得た。
【0056】実施例19 200デニールの繊維Aを用いた他は、実施例1と全く
同様にして吸音材を得た。
【0057】実施例20 200デニールおよび100デニールの繊維Aの含有量
を10重量%および20重量%とした他は、実施例1と
全く同様にして吸音材を得た。
【0058】実施例21 ウェブの形成方法をエアレイヤー方式とした他は、実施
例1と全く同様にして吸音材を得た。
【0059】参考例 従来自動車用フロア吸音材に用いていた平均見かけ密度
0.06/cm3 、厚さ35mmの再生繊維を原料と
し、バインダ樹脂にフェノール樹脂を用いたフェルト。
【0060】比較例1 平均カット長を15mmとした他は、実施例1と全く同
様にして吸音材の作製を試みたが、繊維のカット長が短
いため凝集性が低く、また綿埃の発生も多く吸音材にな
り得ないものであった。
【0061】比較例2 平均カット長を120mmとした他は、実施例1と全く
同様にして吸音材の作製を試みたが、繊維のカット長が
長すぎるため繊維同士の絡み付きが強く、解繊ができず
作製不能であった。
【0062】比較例3 平均見かけ密度を0.008g/cm3 とし、厚さ55
mmとした他は、実施例1と全く同様にして吸音材の作
製を試みたが、密度が低すぎるため凝集性が低く吸音材
になり得ないものであった。
【0063】比較例4 平均見かけ密度を0.9g/cm3 とし、厚さ5mmと
した他は、実施例1と全く同様にして吸音材の作製を試
みたが、密度が高すぎるため、動バネ定数が著しく高
く、吸音材になり得なかった。
【0064】比較例5 平均見かけ密度を0.44g/cm3 とし、厚さ1mm
とした他は、実施例1と全く同様にして吸音材の作製を
試みたが、厚みが小さいため動バネ定数が著しく高く、
また、吸音率も著しく低く、吸音材として不適なもので
あった。
【0065】比較例6 平均見かけ密度を0.01g/cm3 とし、厚さ100
mmとした他は、実施例1と全く同様にして吸音材の作
製を試みたが、厚みが大きすぎるため密度が小さくなり
凝集性が低く、吸音材になり得なかった。
【0066】比較例7 繊維Cの軟化温度を110℃とした他は、実施例1と全
く同様にして吸音材の作製を試みたが、繊維Cの軟化温
度が低すぎるため、耐熱性が低く、吸音材になり得なか
った。
【0067】比較例8 繊維Cの軟化温度を220℃とし、220℃で加熱成形
した他は、実施例1と全く同様にして吸音材の作製を試
みたが、繊維Cの軟化温度が高すぎるため、繊維同士の
融着が進まず満足な踏み込み反発力が得られず、吸音材
になり得なかった。
【0068】比較例9 1デニールの繊維Cを用いた他は、実施例1と全く同様
にして吸音材の作製を試みたが、繊維Cの繊度が小さす
ぎるため接着箇所の強度が低く、沈み込み反発力が小さ
く、また製造工程中の綿埃発生も多く、吸音材に不向き
な仕様であった。
【0069】比較例10 20デニールの繊維Cを用いた他は、実施例1と全く同
様にして吸音材の作製を試みたが、繊維Cの繊度が大き
すぎるため繊維同士の融着箇所が少なく、沈み込み反発
力および耐熱性が低く、吸音材になり得なかった。
【0070】比較例11 20デニールの繊維Cを用いた他は、実施例1と全く同
様にして吸音材の作製を試みたが、繊維Cの繊度が大き
すぎるため繊維同士の融着箇所が少なく、沈み込み反発
力および耐熱性が低く、吸音材になり得なかった。
【0071】比較例12 繊維Bの含有量を30重量%とし、繊維Cの含有量を4
0重量%とした他は、実施例1と全く同様にして吸音材
の作製を試みたが、繊維Cの含有量が高すぎるため、動
バネ定数が著しく高く、吸音材になり得なかった。
【0072】比較例13 1デニールの繊維Bを用いた他は、実施例1と全く同様
にして吸音材の作製を試みたが、繊維Bの繊維が低すぎ
るため融着箇所の強度が低くなり、耐熱性が低く、吸音
材になり得なかった。
【0073】比較例14 20デニールの繊維Bを用いた他は、実施例1と全く同
様にして吸音材の作製を試みたが、繊維Bの繊度が高す
ぎるため、繊維Bの本数が減少し、このため融着箇所の
減少に基づく耐熱性低下が起こり、吸音材に不向きな仕
様であった。
【0074】比較例15 繊維Aの含有量を50重量%とし、繊維Bの含有量を2
0重量%とし、繊維Cの含有量を30重量%とした他
は、実施例1と全く同様にして吸音材の作製を試みた
が、繊維Aの比率が高く、吸音材中の平均繊度が高くな
りすぎ、吸音率の低下を招き、吸音材に不向きな仕様で
あった。
【0075】比較例16 繊維Aの含有量を5重量%とし、繊維Bの含有量を90
重量%とし、繊維Cの含有量を5重量%とした他は、実
施例1と全く同様にして吸音材の作製を試みたが、繊維
Aの比率が低すぎ、十分な沈み込み反発力が得られず、
吸音材になり得なかった。
【0076】比較例17 30デニールの繊維Aを用いた他は、実施例1と全く同
様にして吸音材の作製を試みたが、繊維Aの繊度が小さ
すぎ、十分な沈み込み反発力が得られず、吸音材になり
得なかった。
【0077】比較例18 250デニールの繊維Aを用いた他は、実施例1と全く
同様にして吸音材の作製を試みたが、繊維Aの繊度が大
きすぎるため、動バネ定数が高くなり吸音材になり得な
かった。
【0078】上記各実施例、参考例および比較例で得ら
れた吸音材につき垂直入射吸音率、踏み込み沈み込み
量、耐熱性および動バネ定数を測定し、また、吸音材の
凝集性および綿埃発生状況を評価し、それぞれ得た結果
を吸音材の構成と共に表1および表2に示す。表1およ
び表2に記した記号は参考例の値を基準とし、これより
著しく優れたもの、優れたもの、同程度のもの、および
劣ったものについて、それぞれ◎、〇、△、および×で
相対的に評価した。また、綿埃については、吸音材製造
工程中に著しく作業環境を悪化させる量の綿埃を発生さ
せるものにのみ、「有」と付した。
【0079】
【表1】
【0080】
【表2】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI E04H 15/20 E04H 15/20 Z (72)発明者 永山 啓樹 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (72)発明者 根本 好一 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊度50〜200デニールの高軟化温度
    (X℃)を有する合成繊維ステープル(繊維A)10〜
    40重量%と、繊度1.5〜20デニールの高軟化温度
    (Y℃)を有する合成繊維ステープル(繊維B)80〜
    30重量%と、繊度1.5〜15デニールで且つ少なく
    とも繊維表面において上記X℃とY℃の低い方の温度よ
    りも少なくとも30℃低い軟化温度(Z℃)を有する合
    成繊維ステープル(繊維C)10〜30重量%とを主た
    る構成繊維として含んでなる繊維集合体であって、該構
    成繊維の平均カット長が20〜100mmであり且つ該
    繊維集合体の平均見かけ密度が0.01〜0.8g/c
    3 であることを特徴とする吸音材。
  2. 【請求項2】 上記繊維A及び繊維Bが高軟化温度(x
    ℃)および(y℃)を有する繊維形成性ポリエステル成
    分(a)および(b)よりそれぞれ構成され、上記繊維
    Cが高軟化温度を有する繊維形成性ポリエステル成分の
    芯部と上記x℃およびy℃の何れか低い方の温度より少
    なくとも30℃低い軟化温度(z℃)を有する繊維形成
    性変性ポリエステル成分(c)の鞘部とよりなる芯鞘型
    複合繊維である請求項1の吸音材。
  3. 【請求項3】 上記繊維A及び繊維Bが軟化温度x℃お
    よびy℃を有する繊維形成性ポリエステル成分aおよび
    bよりそれぞれ構成され、上記繊維Cが高軟化温度を有
    する繊維形成性ポリエステル成分と上記x℃およびy℃
    の何れか低い方の温度より少なくとも30℃低い軟化温
    度(z℃)を有する繊維形成性変性ポリエステル成分
    (c)とよりなるサイドバイサイド型複合繊維である請
    求項1の吸音材。
  4. 【請求項4】 上記繊維A及び繊維Bが軟化温度x℃お
    よびy℃を有する繊維形成性ポリエステルよりそれぞれ
    構成され、上記繊維Cがx℃およびy℃の何れか低い方
    の温度より少なくとも30℃低い軟化温度z℃を有する
    繊維形成性変性ポリエステル成分(c)から構成された
    単一成分繊維である請求項1記載の吸音材。
  5. 【請求項5】 上記軟化温度z℃がx℃およびy℃の何
    れか低い方の温度より30〜100℃低い請求項2乃至
    4の何れか1項に記載の吸音材。
  6. 【請求項6】 上記繊維形成性ポリエステルがポリエチ
    レンテレフタレートである請求項2乃至4の何れか1項
    記載の吸音材。
  7. 【請求項7】 上記繊維形成性変性ポリエステルがポリ
    エチレンテレフタレートにエチレングリコールと異なる
    グリコール成分および/またはテレフタル酸と異なる二
    塩基酸成分および/またはオキシカルボン酸を共重合さ
    せてなる130〜200℃の軟化点を有する共重合体で
    ある請求項2乃至6の何れか1項に記載の吸音材。
  8. 【請求項8】 上記繊維集合体が2〜80mmの厚みを
    有する請求項1乃至7の何れか1項に記載の吸音材。
  9. 【請求項9】 繊維集合体を形成する繊維の平均繊度が
    6.5〜15デニールである請求項1乃至8の何れか1
    項に記載の吸音材。
  10. 【請求項10】 繊度50〜200デニールの高軟化温
    度(X℃)を有する合成繊維ステープル(繊維A)10
    〜40重量%と、繊度1.5〜20デニールの高軟化温
    度(Y℃)を有する合成繊維ステープル(繊維B)80
    〜30重量%と、繊度1.5〜15デニールで且つ少な
    くとも繊維表面において上記高軟化温度X℃およびY℃
    の何れか低い方の温度よりも少なくとも30℃低い軟化
    温度Z℃を有する合成繊維ステープル(繊維C)10〜
    30重量%とを主たる構成繊維として含んでなり、構成
    繊維の平均カット長が20〜100mmである繊維集合
    体を、カードレイヤー若しくはエアレイヤー法によって
    捕集堆積してウェブを形成し、更に該ウェブを圧縮し、
    X℃およびY℃の何れか低い方の温度とZ℃との間の温
    度で加熱して厚み2〜80mm、平均見かけ密度0.0
    1〜0.8g/cm3 に成形固化することを特徴とする
    吸音材の製造方法。
  11. 【請求項11】 上記繊維Aおよび繊維Bが高軟化温度
    x℃およびy℃を有するポリエステル成分aおよびbよ
    りそれぞれ構成され、上記繊維Cが高軟化温度を有する
    繊維形成性ポリエステル成分の芯部とその軟化温度より
    少なくとも30℃低い軟化温度(z℃)を有する繊維形
    成性変性ポリエステル成分(c)の鞘部とよりなる芯鞘
    型複合繊維である請求項10の製造方法。
  12. 【請求項12】 上記繊維Aおよび繊維Bが高軟化温度
    x℃およびy℃を有するポリエステルaおよびbよりそ
    れぞれ構成され、上記繊維Cが高軟化温度を有する繊維
    形成性ポリエステル成分とその軟化温度より少なくとも
    30℃低い軟化温度z℃を有する繊維形成性変性ポリエ
    ステル成分(c)とよりなるサイドバイサイド型複合繊
    維である請求項10の製造方法。
  13. 【請求項13】 上記繊維Aおよび繊維Bが高軟化温度
    x℃およびy℃を有するポリエステル成分aおよびbよ
    りそれぞれ構成され、上記繊維Cがx℃およびy℃の何
    れか低い方の温度より少なくとも30℃低い軟化温度z
    ℃を有する繊維形成性変性ポリエステル成分(c)から
    構成された単一成分繊維である請求項10の製造方法。
  14. 【請求項14】 上記軟化温度z℃がx℃およびy℃の
    何れか低い方の温度より30〜100℃低い請求項11
    乃至13の何れか1項に記載の製造方法。
  15. 【請求項15】 上記高軟化温度を有する繊維形成性ポ
    リエステル成分がポリエチレンテレフタレートよりなる
    請求項11乃至14の何れか1項記載の製造方法。
  16. 【請求項16】 上記繊維Cの繊維形成性変性ポリエス
    テル成分がポリエチレンテレフタレートにエチレングリ
    コールと異なるグリコール成分および/またはテレフタ
    ル酸と異なる二塩基酸成分および/またはオキシカルボ
    ン酸を共重合させてなる130〜200℃の軟化点を有
    する共重合体よりなる請求項11〜15の何れか1項に
    記載の製造方法。
  17. 【請求項17】 繊維集合体を形成する繊維の平均繊度
    が6.5〜15デニールである請求項10〜16の何れ
    か1項に記載の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2012053037A1 (ja) * 2010-10-21 2012-04-26 Shikinami Yasuo 相補的に強化された強化複合体及びその製造方法

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