JPH1161490A - 太陽熱吸収板 - Google Patents

太陽熱吸収板

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JPH1161490A
JPH1161490A JP23156397A JP23156397A JPH1161490A JP H1161490 A JPH1161490 A JP H1161490A JP 23156397 A JP23156397 A JP 23156397A JP 23156397 A JP23156397 A JP 23156397A JP H1161490 A JPH1161490 A JP H1161490A
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solar heat
oxide film
heat absorbing
anodic oxide
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JP23156397A
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English (en)
Inventor
Seiju Maejima
正受 前嶋
Koichi Saruwatari
光一 猿渡
Ryukichi Usuki
隆吉 臼杵
Yutaka Ito
裕 伊藤
Katsuji Takahara
克二 高原
Noriyasu Baba
規泰 馬場
Hiroshi Okada
宏 岡田
Yasushi Iwaizumi
泰 岩泉
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Fujikura Ltd
Original Assignee
Fujikura Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ソーラーコレクターの低価格化、軽量化を図
り、内部に蓄積した熱を外部に逃がすことなく、太陽光
を有効に利用することができる太陽熱吸収板を提供す
る。 【解決手段】 AlまたはAl合金2の表面に、微細な
凹凸を有する陽極酸化皮膜3が形成され、更に、陽極酸
化皮膜3の表面に透明な有機樹脂4が備えられ、陽極酸
化皮膜3の厚さが0.5〜45μmであり、特に透明有
機樹脂4がアクリル樹脂であり、Al合金2が、Mnを
0.3〜4.3重量%含有し、残部Alおよび不可避不
純物からなることを特徴とする太陽熱吸収板1を採用す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、太陽熱給湯装置な
どのソーラーコレクターに用いられる太陽熱吸収板に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、省エネルギーの観点から、太陽光
の積極的な利用が盛んになっている。太陽光の利用の最
も身近な例としては、ソーラーコレクターを備えた太陽
熱給湯装置が挙げられる。ソーラーコレクターは、太陽
熱を効率よく水に伝導して水温を上げる機能を有するも
のであり、太陽熱給湯装置の最も重要な要素である。一
般に、ソーラーコレクターは、断熱材と、断熱材の上に
配設された水を流通させるための銅管と、銅管の上部に
載置された太陽熱吸収板と、太陽熱吸収板の上に一定の
空間を隔てて備えられた強化ガラスとから構成されてい
る。
【0003】ソーラーコレクターに入射した太陽光は、
強化ガラスを透過して太陽熱吸収板に照射される。太陽
熱吸収板は、照射された太陽光の強さによってそれ自身
の温度が上昇する。このときに太陽熱吸収板に吸収され
た熱が銅管を流れる水に伝導されて水温が上昇する。こ
のようにして、夏の快晴時には水温を65℃程度、冬の
快晴時でも水温を40℃程度までに上昇させることが可
能である。
【0004】ソーラーコレクターに用いられる太陽熱吸
収板は、特に短波長の太陽光(可視光線)を吸収しやす
いもの(吸収係数が大きい)であると共に、黒体放射を
抑制しやすいもの(遠赤外線放射効率が小さい)が最適
とされている。このような特性は、太陽光照射によって
吸収した熱をなるべく外部に逃がさずに迅速に水に伝導
するという太陽熱吸収板の機能を満たすために、要求さ
れているものである。従って、従来の太陽熱吸収板とし
ては、ブラッククロム、ブラックニッケル、酸化銅、酸
化鉄等の選択吸収膜を表面に形成させた金属板が用いら
れてきた。このような選択吸収膜は、可視光線の吸収係
数が0.8〜0.96、遠赤外線放射効率が0.1程度
のものであり、上述の特性を十分に満すものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の太陽熱
吸収板においては、日照時間、日照状態、通風状態等の
気象条件によって太陽熱吸収板の温度が変動し、水温を
安定に維持することができないという課題があった。太
陽吸収板の温度変動は、通風状態の影響が特に大きいた
め、実際のソーラーコレクターには風の侵入を防ぐため
の強化ガラスが備えられおり、ソーラーコレクターの低
価格化、軽量化を図れないという課題もあった。
【0006】また、従来の太陽熱吸収板は、遠赤外線放
射効率が低いものであり、これは遠赤外線と熱との変換
効率が低いことを意味する。従って、従来の太陽熱吸収
板では、太陽光に含まれる数〜数10μmの波長範囲の
遠赤外線は利用されず、主として0.1〜数μmの波長
範囲の光のみを利用するために、太陽光を有効利用する
ことができないという課題があった。
【0007】本発明は上述の課題を解決するためになさ
れたものであって、ソーラーコレクターの低価格化、軽
量化を図り、内部に蓄積した熱を外部に逃がすことな
く、太陽光を有効に利用することができる太陽熱吸収板
を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述の課題を
解決するため、以下の構成を採用した。請求項1に記載
の太陽熱吸収板は、AlまたはAl合金の表面に、微細
な凹凸を有する陽極酸化皮膜が形成され、更に、前記陽
極酸化皮膜の表面に透明な有機樹脂が備えられ、前記陽
極酸化皮膜の厚さが0.5〜45μmであることを特徴
とする。
【0009】請求項2に記載の太陽熱吸収板は、請求項
1に記載の太陽熱吸収板であって、前記透明有機樹脂が
アクリル樹脂であることを特徴とする。請求項3に記載
の太陽熱吸収板は、請求項1または請求項2に記載の太
陽熱吸収板であって、前記Al合金が、Mnを0.3〜
4.3重量%含有し、残部Alおよび不可避不純物から
なることを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の太陽熱吸収板につ
いて、詳細に説明する。図1において、太陽熱吸収板1
は、Al-Si系、あるいは、Mnを含有するAl-Mn
系の合金2であって、後述するSi粒子、あるいは、A
l-Mn系金属間化合物が分散析出し、表面に微細な凹
凸を有する陽極酸化皮膜3が形成されたものが用いられ
る。これらの材料からなる板材表面に形成される微細な
凹凸を有する陽極酸化皮膜3は、一例として、その板材
の表面をブラスト処理や液体ホーニング処理などの機械
的粗面化方法で所定範囲の粗さに粗面化した後に、この
板材を陽極酸化処理することにより得られる。
【0011】このような微細な凹凸を有する陽極酸化皮
膜3が形成された太陽熱吸収板1にあっては、純Alの
ような通常のAlを基材として用いた場合でも、実用上
有効とされる3〜30μmの波長領域における遠赤外線
の全放射特性が70%以上と高い特性が得られる。遠赤
外線の放射特性に優れるということは、元来、加熱され
た物体から遠赤外線が多量に放射されることであるが、
言い換えれば、遠赤外線と熱との変換効率が高く、太陽
光に含まれる遠赤外線をより効率よく吸収することが可
能であることを意味する。
【0012】陽極酸化皮膜3を形成したAlまたはAl
合金2が、このような優れた特性を有する理由について
は明らかではないが、表面が微細な凹凸を有するために
見かけ上の表面積が増大することや、粗面化により皮膜
成長が不均一になり、複雑な凹凸と複雑に枝別れしたポ
アとが形成され、入射する太陽光に対する散乱吸収率が
増大することなどが考えられる。また、陽極酸化皮膜3
中にSi粒子やAl-Mn系金属間化合物粒子が分散し
て存在しているために、これらの存在によって入射する
太陽光の散乱吸収率もより一層増大し、遠赤外線をより
効率よく吸収できる。
【0013】更に本発明の太陽熱吸収板1は、陽極酸化
皮膜3の上に、透明有機樹脂4が備えられている。透明
有機樹脂4の具体例としては、アクリル樹脂が好まし
く、ポリメチルメタアクリル酸樹脂(以下、PMMAと
略す)がより好ましい。PMMAは、広い波長範囲にお
ける光透過性が高く、透明度にも優れるので、太陽光の
大部分の波長領域の光を透過させることが可能であり、
更に、太陽光の遠赤外線の照射によって太陽熱吸収板1
に蓄積された熱の放出を防ぐことができる。即ち、表面
に陽極酸化皮膜3を形成したAlまたはAl合金2は、
遠赤外線の放射特性が高いために、内部に蓄積した熱を
遠赤外線の放射によって外部に放出しやすい性質を有す
る。このような陽極酸化皮膜3の上に、PMMA等のア
クリル樹脂を備えることにより、熱の放出を防ぐことが
できる。従って、光透過性が高く、透明度に優れるもの
であれば、PMMAに限られず、ポリカーボネート、C
R−39(ジエチレングリコールビスアリルカーボネー
ト)、ポリスチレン、MS樹脂、AS樹脂、TPX(ポ
リ4−メチルペンテン−1)等の有機樹脂も使用するこ
とができる。透明有機樹脂4の厚さは、10μm以上1
0mm以下であることが好ましく、10μm以上5mm
以下がより好ましい。透明有機樹脂4の厚さが10μm
以下であると、太陽熱吸収板内に蓄積した熱の外部への
放出を防ぐことができなくなるので好ましくない。ま
た、透明有機樹脂4の厚さが10mm以上であると、透
明有機樹脂4の光路長が長くなり、太陽光の一部が有機
樹脂4に吸収されるおそれがあるので好ましくない。
【0014】透明有機樹脂4は、その板材を陽極酸化皮
膜3上に載置したものでもよい。また、フィルム状の透
明有機樹脂4を、陽極酸化皮膜3上に熱プレスや加熱ロ
ーラ等によってラミネートさせたり、焼付け等によって
陽極酸化皮膜3上に被着させてもよい。この場合、陽極
酸化処理後の表面は粗面なので優れた密着性が得られ
る。このような陽極酸化皮膜3と透明有機樹脂4とによ
り選択吸収膜を形成する。
【0015】陽極酸化皮膜3を形成させる際におけるA
lまたはAl合金2の表面を粗面化する場合の方法の一
例としては、アルミナや炭化けい素、ケイ砂などのよう
に研削作用のある粉末を研削材としたブラスト処理や液
体ホーニング処理、あるいは、コランダムを含有したナ
イロン繊維、あるいは0.1〜1.0mm程度の直径の
ピアノ線を植え込んだ研摩輪を高速回転させて削る方
法、あるいはエメリー紙(布)により削る方法などのよ
うに、機械的に粗面化する方法や、電解エッチングなど
の化学的方法により粗面化する方法などであるが、本発
明の場合においては、機械的な方法を用いてその表面を
平均粗さ0.5〜5.0μm、最大粗さ5〜50μmの
範囲に調整することにより、より優れた特性が得られ
る。
【0016】この機械的方法が優れる理由は定かではな
いが、機械的な粗面化方法では、局部的に大きな力が付
加されることによってアルミ地金の塑性流動や加工硬化
による金属組織の不均質化が起こるとともに、無理矢理
地金が削り取られるための凹凸形状の複雑化が起きるこ
とによるものと推定され、更に、この状態で陽極酸化処
理されると、金属組織の差異により、部分的に陽極酸化
皮膜3の質や成長速度が異なり、また、複雑な凹凸形状
によるランダムな方向への陽極酸化皮膜3の成長などが
原因となって、非常に不均質な凹凸と枝別れした複雑な
ポア構造を有する陽極酸化皮膜3が形成され、これによ
って入射する太陽光の散乱吸収率が増大し、遠赤外線を
より吸収しやすくなるためと思われる。
【0017】また、陽極酸化処理により形成される陽極
酸化皮膜3の厚さとしては、0.5〜45μmの範囲と
することが好ましく、これより薄い場合には充分な遠赤
外線放射率が得られない。陽極酸化処理方法としては、
通常に良く用いられる方法の多種類のものを用いること
ができる。また、電解浴としては、酸性浴のみならず、
アルカリ浴、あるいはホルムアミド系とホウ酸系などの
非水浴をも用いることができる。
【0018】例えば、酸性電化浴としては、硫酸、リン
酸、クロム酸、しゅう酸、スルホサリチル酸、ピロリン
酸、スルファミン酸、リンモリブデン酸、ホウ酸、マロ
ン酸、コハク酸、マレイン酸、クエン酸、酒石酸、フタ
ル酸、イタコン酸、リンゴ酸、グリコール酸などを1種
または2種以上溶解した水溶液を用いることができる。
また、アルカリ性電界浴としては、カセイソーダ、カセ
イカリ、炭酸ナトリウム、リン酸カリウム、アンモニア
水などを1種または2種以上溶解した水溶液を用いるこ
とができる。
【0019】電解時の電流波形については、直流、交
流、交直重畳、交直併用、不完全整流波形、パルス波
形、矩形波などが用いられる。電解方法としては、定電
流、定電圧、定電力法および連続、断続あるいは電流回
復を応用した高速アルマイト法などで行なうことができ
る。以上の中でパルス波形や不完全整流波形を用いて不
均質な陽極酸化皮膜3を生成させたり、断続電解や電流
回復法により多層構造の陽極酸化皮膜3を形成させて、
より高い遠赤外線放射率のものとすることもできる。
【0020】陽極酸化処理により皮膜を形成させた後の
後処理としては、耐食性向上のために、沸騰水浸積や、
金属塩含有熱水浸積法などの通常の方法で封孔処理を行
なっても良い。また、電解着色法により陽極酸化皮膜3
の微細孔中に、Ni、Cu、Co、Sn、Pb、Cdな
どの金属を析出させてから、酸化雰囲気中で析出金属を
酸化させたり、あるいは、ケイ酸塩水溶液やジルコニウ
ム塩水浴などと酸やアルカリと交互に浸積して微細孔中
にケイ酸塩やジルコニウムの水酸化物を沈積させても良
い。これら方法により陽極酸化皮膜3の微細孔に遠赤外
線放射特性の優れた金属酸化物を含有させることによ
り、遠赤外線放射特性に優れる太陽熱吸収板1とするこ
とができる。
【0021】次に太陽熱吸収板1に用いるAl-Mn系
合金について説明する。適当量のMnを含有するAl-
Mn系合金では、Al-Mn系金属間化合物が生成さ
れ、そのAl-Mn系金属間化合物の析出状態が適切で
あれば遠赤外線放射特性に寄与する。このAl−Mn系
金属間化合物としては、Al6Mn、Al6(MnF
e)、αAlMn(Fe)Si、およびそれらにCr、
Ti等が少量固溶されたものなどがあるが、このような
Al-Mn系金属間化合物が分散して析出しているアル
ミニウム合金の表面に陽極酸化処理を施すと、そのAl
-Mn系金属間化合物の粒子は分散された状態で陽極酸
化皮膜3中に含有される。
【0022】このような陽極酸化皮膜3に分散されてい
る金属間化合物粒子によって入射光が散乱吸収されやす
くなり、遠赤外線の放射特性が向上する。また、可視光
線の吸収係数も高いため、目視の色調も黒くなる。更
に、陽極酸化処理時において陽極酸化皮膜3が成長する
過程で、ポアは枝別れした構造となり、このような枝別
れポア構造によって入射光に対する陽極酸化皮膜3内で
の散乱吸収が助長され、遠赤外線放射特性が一層向上す
る。
【0023】ここで、Al-Mn系金属間化合物析出物
の径が0.01μm未満では、前述のようなAl-Mn
系金属間化合物析出物分散による効果が得られず、一
方、3μmを越える粗大なAl-Mn系金属間化合物析
出物は成形性を悪化させるから、粒径が0.01〜3μ
mのものが分散していることが好ましい。また、粒径が
0.01〜3μmのAl-Mn系金属間化合物析出物
は、1×105個/mm3以上の密度で分散していること
が好ましい。
【0024】次に上述のようなAl-Mn系合金におけ
る成分組成の限定理由を述べる。 Mn:Mnは、Al-Mn系金属間化合物析出物を生成
し、前述のように遠赤外線放射特性の向上に寄与する。
ここでMn量が、0.3重量%未満では、良好な遠赤外
線放射特性が得られなくなる。一方、4.3重量%を越
えた場合には、合金から薄板などへの連続鋳造が困難に
なり、実用的でない。即ち、前述のようなAl-Mn系
金属間化合物析出物の析出状態を得るためには、鋳造時
の冷却速度を5℃/秒以上としてMnを充分に固溶させ
ておき、その後、前記金属間化合物析出のための熱処理
を施すことが好ましいが、5℃/秒以上の冷却速度で鋳
造するためには、実用上は薄板連続鋳造法(連続鋳造圧
延)を適用することが最適である。しかしながら、Mn
量が4.3重量%を越えれば薄板連続鋳造が困難になっ
てしまう。従ってMn量は0.3〜4.3重量%の範囲
が好ましい。 Mg:Mgは必ずしも必須の元素ではないが、Al-M
n系金属間化合物析出物の析出を促進し、前述のような
析出状態を達成するに寄与する。特にMn量が比較的少
ない範囲においては、Mgの添加量を多くすることが、
Al-Mn系金属間化合物析出物の析出を促進して遠赤
外線放射特性の向上のために有効である。但し、Mg量
が6.0重量%を越えれば、薄板連続鋳造が困難とな
り、実用的でなくなる。一方、Mn量が0.05重量%
未満ではMg添加による上述の効果が得られない。よっ
てMgの添加量は0.05〜6.0重量%の範囲が好ま
しい。 Fe:FeはAl-Mn系金属間化合物析出物
の析出にある程度の影響を与えるが、遠赤外線放射特性
には本質的には影響はない。鋳造性の点から考慮すると
Fe量は少ないほうが好ましく、0.5重量%を越えれ
ば連続鋳造が困難となるおそれがある。 Si:SiはAl-Mn系金属間化合物析出物の析出に
ある程度の影響を与えるが、遠赤外線放射特性には本質
的に影響はない。鋳造性の点からはSi量は少ないこと
が好ましく、2.0重量%を越えれば連続鋳造が困難と
なるおそれがある。
【0025】更に、通常のAl合金においては、鋳塊の
結晶粒微細化のために、少量のTiを単独であるいは微
量のBと組み合わせて添加することがあるが、Al-M
n系合金にも0.003〜0.15重量%の範囲でTi
を単独で、もしくは1〜100ppmのBと組み合わせ
て添加しても良い。即ち、Tiは鋳塊の結晶粒を微細化
して圧延板のストリークス、キメを防止する効果がある
が、Tiが0.003重量%未満ではその効果が得られ
ず、Tiが0.15重量%を越えればTiAl3系粗大
金属間化合物が生成されてしまう。また、BはTiと共
存して結晶粒微細化を促進する元素であるが、B量が1
ppm未満ではその効果が得られず、一方100ppm
を越えればその効果が飽和し、また粗大TiB2粒子が
生成されて線状欠陥が発生する。このほか、Mgを含有
する系のアルミニウム合金においては、溶湯の酸化を防
止するために微量のBeを添加することが従来から行な
われているが、500ppm程度以下のBeを添加する
ことに特に支障はない。
【0026】Al-Mn系合金においては、Ni、Z
r、V、Cu、Zn等が含まれることがある。これらの
うち、Ni、Zr、Vは遠赤外線放射特性に本質的に影
響しないが、Niを1.0重量%以上、Zrを0.3重
量%以上、Vを0.3重量%以上では薄板連続鋳造が困
難となるから、Niを1.0重量%未満、Zrを0.3
重量%未満、Vを0.3重量%未満に抑制することが望
ましい。また、Cu、Znは陽極酸化皮膜3の色調に若
干の変化を与えるものの、遠赤外線放射特性に本質的な
影響は与えないが、Cuを1.0重量%以上、Znを
2.0重量%以上では薄板連続鋳造が困難となるから、
Cuを1.0重量%未満、Znを2.0重量%未満に抑
えることが好ましい。
【0027】次に上述のようなAl-Mn系合金からな
る圧延板を製造するプロセス条件について説明する。前
述のように、Al-Mn系金属間化合物の適切な析出状
態を得ることで得られる遠赤外線放射特性を達成するた
めには、鋳造速度と、析出のための加熱処理が重要であ
る。鋳造については、鋳造速度を高めてMnを充分に固
溶することにより、その後の析出処理でAl-Mn系金
属間化合物を適切な析出状態で析出させることが可能で
あり、そのためには、5℃/秒以上の鋳造速度が好まし
い。特に大きな板を製造する場合に、5℃/秒以上の冷
却速度を得るためには、直接5〜10mm厚程度の薄板
を得ることが容易にできる薄板連続鋳造法(連続鋳造圧
延法)を適用することが好ましい。
【0028】一方、析出のための加熱は、300℃以
上、600℃以下の温度で0.5時間以上行なうことが
好ましい。温度が300℃未満では析出物が小さ過ぎて
優れた遠赤外線放射特性が得られず、一方600℃を越
えれば、陽極酸化処理後の色調が悪くなり、また結晶粒
の粗大化が生じる。また時間は、昇温過程から保持し、
冷却過程を通じて300℃以上となっている時間が0.
5時間以上あれば良く、300℃以上の温度となってい
る時間が0.5時間未満では陽極酸化処理後に良好な遠
赤外線特性が得られない。
【0029】なお、この析出のための加熱は、鋳塊のま
ま行なっても、また圧延の途中で、更には圧延後に行な
っても良い。従ってこの析出処理は、鋳塊に対する均質
化処理、あるいは熱間圧延のための加熱処理、更には熱
間圧延後もしくは冷間圧延の中途で必要に応じて行なわ
れる中間焼鈍、更には冷間圧延後に必要に応じて施され
る最終焼鈍などと兼ねて行なうことができる。そしてま
た、熱間圧延と圧接のための加熱や焼鈍と兼ねて行なっ
ても良い。このほか、熱間圧延や冷間圧延、更には、必
要に応じて行なわれる中間焼鈍や最終焼鈍は常法に従っ
て行なえば良い。
【0030】次にAl-Si系合金における成分組成の
限定理由について説明する。Si:Siは鋳造時にその
添加量に応じて初晶Si、共晶Siとして晶出し、また
これらの晶出Siは必要に応じて行なわれた熱処理や組
成加工によりその形状が変化する。また、必要に応じて
熱処理された場合、Alのマトリックス中からも金属S
iが析出する。これらの初晶Si、共晶Si、析出Si
は、前述のように陽極酸化処理時に金属Si粒子として
陽極酸化皮膜3中に取り込まれ、入射光に対する散乱、
吸収を通じて遠赤外線放射特性の向上に寄与する。更に
金属Si粒子は前述のように陽極酸化皮膜3内のポアを
枝別れ構造とすることに寄与し、これによっても遠赤外
線放射特性の向上に寄与する。基材アルミニウム合金の
Si量が、3重量%未満では金属Si粒子の数が少な
く、遠赤外線放射率が小さくなる。一方、Si量が15
重量%を越えれば、陽極酸化皮膜3中の金属Si粒子の
体積率が大き過ぎて陽極酸化皮膜3の強度、耐食性が低
下してしまい、また圧延性も低下する。従ってSi量
は、3〜15重量%の範囲が好ましい。
【0031】Al-Si合金としては、上記Siの他
は、基本的にはAlおよび不可避不純物とすれば良い
が、Siの他に、強度向上のために、Fe、Mg、C
u、Mn、Ni、Cr、V、Zn、Zrのうちの1種ま
たは2種以上を含有しても良い。これらの添加量は以下
の通りである。
【0032】Fe:Feは強度向上および結晶粒微細化
のために有効である。Fe量が、0.05重量%未満で
はその効果が得られず、2.0重量%を越えれば陽極酸
化皮膜3の強度と耐食性が低下する。またFe量が、
2.0重量%を越えれば、SiがFeと化合してAl-
Fe-Si系の金属間化合物の量が増加し、遠赤外線放
射特性が低下する。従ってFeを添加する場合のFe量
は、0.05〜2.0重量%の範囲が好ましい。 Mg:Mgも強度向上に寄与する。Mg量が0.05重
量%未満ではその効果が得られず、一方、2.0重量%
を越えればMgとSiが結合してMg2Siの生成量が
増加し、遠赤外線放射特性が低下する。またMg量が
2.0重量%を越えれば、鋳造性、塑性加工性も低下す
る。従ってMgを添加する場合のMg量は0.05〜
2.0重量%の範囲内が好ましい。 Cu:Cuの添加も強度向上に寄与する。Cu量が0.
05重量%未満ではその効果が得られず、6.0重量%
を越えれば鋳造性、塑性加工性、耐食性が低下する。従
ってCuを添加する場合のCu量は0.05〜6.0重
量%の範囲が好ましい。
【0033】Mn:Mnは強度向上に寄与するととも
に、結晶粒微細化、耐熱性向上に寄与する。Mn量が
0.05重量%未満ではこれらの効果が得られず、一
方、2.0重量%を越えればMnがSiと結合してAl
-Mn-Si系の金属間化合物の生成量が増加し、遠赤外
線放射特性が向上する。また、Mn量が2.0重量%を
越えれば、鋳造も困難となる。従ってMnを添加する場
合のMn量は0.05〜2.0重量%の範囲が好まし
い。 Ni:Niも強度向上に寄与するとともに、耐熱性向上
に寄与する。Ni量が0.05重量%未満ではこれらの
効果が得られず、一方、3.0重量%を越えれば鋳造が
困難になる。従ってNiを添加する場合のNi量は0.
05〜3.0重量%の範囲が好ましい。 Cr、Zr、V:これらの元素は、強度向上に寄与する
とともに、結晶粒微細化に寄与する。いずれも0.05
重量%未満ではその効果が得られず、一方0.5重量%
を越えれば粗大な金属間化合物が生成されてかえって強
度を低下させる。従ってCr、Zr、Vの1種または2
種以上を添加する場合の添加量は、いずれも単独量で
0.05〜0.5重量%の範囲が好ましい。なお、スラ
ブ、ビレットなどの圧延や押出、あるいは鋳造を適用す
る場合は、これらの元素の単独添加量が0.3重量%を
越えれば塑性加工性が低下して鋳造が困難となるから、
単独添加量で0.3重量%以下とすることが好ましい。
【0034】Zn:Znは、溶解原材料にスクラップを
使用した場合に必然的に混入する元素であるが、1重量
%を越えて積極的に含有させた場合に強度向上に寄与す
る。Znが1.0重量%以下ではその効果が得られず、
一方7.0重量%を越えれば鋳造性が悪化する。従って
Znを積極的に添加する場合のZn量は1.0重量%を
越え、7.0重量%以下とした。更に、Al-Si系合
金の場合は、組織微細化のためにTiと、P,Na,S
b,Srのうちの1種または2種以上が含有される。こ
れらの成分限定理由は次の通りである。 Ti:Tiは鋳塊結晶粒の微細化を通じて組織の微細化
に寄与する。Tiの添加量が0.005重量%未満では
その効果が得られず、0.2重量%を越えると粗大な金
属間化合物が生成されて好ましくない。従って、Tiを
添加する場合の添加量は、0.005〜0.2重量%が
好ましい。なお、鋳塊結晶粒微細化のためには、Tiと
ともにBを共存させることが効果的である。この場合B
の添加量は1ppm未満ではその効果が得られず、10
0ppmを越えるとその効果が飽和するからTiとあわ
せてBを添加する場合の添加量は、1〜100ppmの
範囲が好ましい。
【0035】P:Pは初晶Siの微細化に寄与する。こ
の為、Pの添加量は初晶Siが初出するような約10重
量%以上のSiを含有する合金の場合に効果的である。
Pの添加量は0.005重量%未満では初晶Siの微細
化の効果が得られず、0.1重量%を越えるとその効果
が飽和する。従って、Pを添加する場合の添加量は、
0.005〜0.1重量%が好ましい。Na、Sb、S
r、Na、Sb、Srの元素は共晶Siの微細化に寄与
する。いずれも0.005重量%未満ではその効果が得
られない。Na、Srは0.1重量%を越えるとその効
果が飽和し、Sbは0.3重量%を越えるとその効果が
飽和する。従って、Naを添加する場合の添加量は0.
005〜0.1重量%、Sbを添加する場合の添加量は
0.005〜0.3重量%、Srを添加する場合の添加
量は0.005から0.1重量%が好ましい。なお、N
b、Sb、SrがPと共存する場合には、Pによる初晶
Siの微細化効果が失われてしまうから、Pとは共存さ
せないことが望ましい。
【0036】以上の各元素の他、溶解時の酸化防止のた
めにBeを1〜100ppm程度添加することに特に支
障はない。またその他の元素も、合計で1重量%以下程
度の微量であれば、特に遠赤外線放射特性に悪影響を及
ぼすことはない。
【0037】次に、前述のようなAl-Mn系あるいは
Al-Si系のAl合金2の基材の表面に陽極酸化処理
を施せば、その陽極酸化皮膜3は優れた遠赤外線特性を
示す。即ち、陽極酸化処理時には、Al-Mn系Al合
金の基材の場合はAl-Mn系金属間化合物の析出粒子
が、また、Al-Si系Al合金の場合は金属Si粒子
がいずれも皮膜中にそのまま残存した状態で陽極酸化皮
膜3が成長する。そのため、皮膜中のポアの成長がAl
-Mn系金属間化合物粒子もしくは金属Si粒子に妨げ
られ、枝別れした微細なポアを有する多孔質の皮膜が生
成される。更に、陽極酸化皮膜3中にそのまま残存して
分散している微細なポアが入射光を散乱吸収し、遠赤外
線の放射特性も良好となる。
【0038】ところで、前述したAlあるいはAl合金
2からなる基材に機械的粗面化処理を施した後に陽極酸
化処理を施すと、基材表面の表面粗さの値がそのまま陽
極酸化皮膜3の表面粗さに表われることとなる。よっ
て、基材表面を平均粗さ0.5〜5μm、最大粗さ5〜
50μmに粗面化することにより、得られた陽極酸化皮
膜3の表面粗さも平均粗さ0.5〜5μm、最大粗さ5
〜50μmに粗面化されることになる。
【0039】上述の太陽熱吸収板1によれば、Alまた
はAl合金2の表面に、微細な凹凸を有する陽極酸化皮
膜3が形成されており、この陽極酸化皮膜3は、3〜3
0μmの波長領域における遠赤外線の全放射特性が70
%以上と高い特性を有し、遠赤外線と熱との変換効率が
高いので、太陽光に含まれる遠赤外線をより効率よく吸
収することができる。また、この陽極酸化皮膜3は、可
視光線の吸収係数も高く、上述の遠赤外線吸収能と併せ
て、太陽光の大部分の波長の光を吸収することが可能と
なるので、太陽光照射により発生する熱量を大幅に増大
させることが可能となり、太陽光を有効に利用できる。
また、陽極酸化皮膜3の表面には、微細な凹凸が形成さ
れているために、見かけ上の表面積が増大され、また、
複雑な凹凸と複雑に枝別れしたポアとが形成され、入射
する太陽光に対する散乱吸収率を増大させることができ
る。更に、陽極酸化皮膜3の厚さが0.5μm以上であ
るので、充分な遠赤外線放射率が得られる。
【0040】上述の太陽熱吸収板1は、陽極酸化皮膜3
の上に透明有機樹脂4が備えられており、この透明有機
樹脂4は、広い波長範囲における光透過性が高く、透明
度にも優れるものであるので、太陽光の大部分の波長領
域の光を透過させることが可能であり、更に、太陽光の
遠赤外線の照射によって太陽熱吸収板1に蓄積された熱
の放出を防ぐことができる。特に、透明有機樹脂4とし
て、ポリメチルメタアクリル酸樹脂等のアクリル樹脂
は、優れた光透過性を有し、熱の放出を防ぐことが可能
である。透明有機樹脂4は、その板材を陽極酸化皮膜3
上に載置したり、フィルム状の透明有機樹脂4をラミネ
ート若しくは焼付け等によって陽極酸化皮膜3上に被着
させることにより、選択吸収膜を備えた太陽熱吸収板1
を簡単に製造できる。
【0041】上述の太陽熱吸収板1のAl合金は、Mn
を0.3〜4.3重量%含有したものであり、Al-M
n系金属間化合物が生成され、このAl-Mn系金属間
化合物の粒子が分散された状態で陽極酸化皮膜3中に含
有されているので、入射光が散乱吸収されやすくなり、
遠赤外線の放射特性を向上させることができる。
【0042】
【実施例】大きさ10cm×15cm、厚さ0.4mm
のAl板(JIS1100品)の一面に2μmの陽極酸
化皮膜を形成し、ブラックニッケルを陽極酸化皮膜に均
一に充填して下地材を得た。また、大きさ10cm×1
5cm、厚さ0.5mmのAl6Mnの微小な金属間化
合物が析出したAl合金板(Mnを2重量%含有するA
l合金)の一面に、多孔質酸化皮膜である厚さ10μm
の陽極酸化皮膜を形成して別の下地材を得た。 更に、
Al6Mnの微小な金属間化合物が析出した大きさ10
cm×15cm、厚さ0.5mmのAl板の一面に、多
孔質酸化皮膜である厚さ25μmの陽極酸化皮膜を形成
して別の下地材を得た。陽極酸化皮膜は、アルミニウム
板の表面にアルミナ粒子を吹き付けてブラスト処理を行
い、その後20重量%の硫酸浴中において陽極酸化処理
することにより形成した。上述のそれぞれの下地材に、
上地材として2mmの板ガラス、2mmの透明なPMM
Aの板、2mmの透明なポリ塩化ビニル樹脂(PVC)
の板、12μmの透明なPMMAのフィルム、20μm
の透明なPMMAのフィルムを重ね合わせることによ
り、実施例1〜6及び比較例1〜12の太陽熱吸収板を
作製した。12μm及び20μmのPMMAのフィルム
は、焼付けにより下地材上に被着した。それ以外の上地
材は単に下地材に重ね合わせた。また、下地材のみのも
のも太陽熱吸収板とした。
【0043】これらの太陽熱吸収板の日照面の裏側にテ
ープ型熱電対を貼り付けた後に、日照面(陽極酸化皮膜
を形成させた面)を太陽の日射方向に向けて、45゜の
角度に傾けて太陽光を照射させつつ、太陽熱吸収板の温
度を測定した。測定は、晴天日の屋外にて8時から16
時までの間(8時間)に、15分間隔で太陽熱吸収板の
温度を記録した。表1に記録した全ての温度値の平均値
を示す。また、10時30分〜12時15分の間の実施
例3(陽極酸化皮膜(25μm)+ポリメチルメタアク
リル酸樹脂板(2mm))と比較例11(ブラックニッ
ケル付陽極酸化皮膜(2μm))の太陽熱吸収板の温度
変化を図2に示す。
【0044】
【表1】
【0045】表1において、実施例1〜実施例6の太陽
熱吸収板は、比較例1〜11の太陽熱吸収板よりも、温
度が高くなっていることがわかる。また、表1において
は、比較例12の太陽光吸収板は、実施例1〜4の太陽
光吸収板とほぼ同等の温度を示す。しかし、図2におい
て、実施例4の太陽熱吸収板は、温度の変動が小さく、
比較的安定しているのに対して、比較例12の太陽熱吸
収板は、温度の変動が大きく、日照時間、日照状態、通
風状態等の気象条件に大きく影響されることがわかる。
【0046】
【発明の効果】本発明の太陽熱吸収板は、AlまたはA
l合金の表面に、微細な凹凸を有する厚さが0.5μm
以上の陽極酸化皮膜が形成されており、太陽光に含まれ
る遠赤外線をより効率よく吸収すると共に、可視光線の
吸収効率が高く、太陽光の大部分の波長の光を吸収する
ことが可能となるので、太陽光照射により発生する熱量
を大幅に増大させることが可能となり、太陽光を有効に
利用することができる。また、微細な凹凸によって見か
け上の表面積が増大され、また、複雑な凹凸と複雑に枝
別れしたポアとが形成されているので、入射する太陽光
に対する散乱吸収率を増大させ、遠赤外線の吸収を更に
増大させることができる。
【0047】上述の太陽熱吸収板は、陽極酸化皮膜の上
に、光透過性が高く、透明度にも優れる透明有機樹脂が
備えられており、太陽光の大部分の波長領域の光を透過
させ、更に、太陽光の遠赤外線の照射によって太陽熱吸
収板に蓄積された熱の放出を防ぐことにより、気象条件
の変化による太陽熱吸収板の温度の変動を防ぐことがで
きる。従って、本発明に係る太陽光吸収板をソーラーコ
レクター等に使用した場合は、強化ガラスを設置しなく
とも気象条件によらずに水温を安定に維持させることが
できるので、強化ガラスを備える必要がなく、ソーラー
コレクターの低価格化と軽量化を図ることができる。
【0048】また、本発明の上述の太陽熱吸収板のAl
合金は、Mnを0.3〜4.3重量%含有し、Al-M
n系金属間化合物が生成され、このAl-Mn系金属間
化合物の粒子が分散された状態で陽極酸化皮膜中に含有
されているので、入射光が散乱吸収されやすくなり、遠
赤外線の吸収を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態である太陽熱吸収板を示
す断面図である。
【図2】 太陽熱吸収板の温度の経時変化を示すグラフ
である。
【符号の説明】
1 太陽熱吸収板 2 AlまたはAl合金 3 陽極酸化皮膜 4 透明有機樹脂
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊藤 裕 東京都江東区木場1丁目5番1号 株式会 社フジクラ内 (72)発明者 高原 克二 東京都江東区木場1丁目5番1号 株式会 社フジクラ内 (72)発明者 馬場 規泰 東京都江東区木場1丁目5番1号 株式会 社フジクラ内 (72)発明者 岡田 宏 東京都江東区木場1丁目5番1号 株式会 社フジクラ内 (72)発明者 岩泉 泰 東京都江東区木場1丁目5番1号 株式会 社フジクラ内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 AlまたはAl合金の表面に、微細な凹
    凸を有する陽極酸化皮膜が形成され、更に、前記陽極酸
    化皮膜の表面に透明な有機樹脂が備えられ、前記陽極酸
    化皮膜の厚さが0.5〜45μmであることを特徴とす
    る太陽熱吸収板。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の太陽熱吸収板であっ
    て、前記透明有機樹脂がアクリル樹脂であることを特徴
    とする太陽熱吸収板。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載の太陽熱
    吸収板であって、前記Al合金が、Mnを0.3〜4.
    3重量%含有し、残部Alおよび不可避不純物からなる
    ことを特徴とする太陽熱吸収板。
JP23156397A 1997-08-27 1997-08-27 太陽熱吸収板 Withdrawn JPH1161490A (ja)

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