JPH1160785A - スチレン系発泡性樹脂粒子及びその製造方法 - Google Patents

スチレン系発泡性樹脂粒子及びその製造方法

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JPH1160785A
JPH1160785A JP23181697A JP23181697A JPH1160785A JP H1160785 A JPH1160785 A JP H1160785A JP 23181697 A JP23181697 A JP 23181697A JP 23181697 A JP23181697 A JP 23181697A JP H1160785 A JPH1160785 A JP H1160785A
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styrene
cell size
fusion
resin particles
expandable resin
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JP23181697A
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Koji Murata
光司 村田
Hiroki Shinozaki
広輝 篠崎
Tomomichi Itou
智道 伊藤
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Mitsubishi Chemical BASF Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Chemical BASF Co Ltd
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  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 比較的高温の条件,即ち工業的に有利な条件
で,水分の乾燥及び粒子表面の過剰な発泡剤の逸散処理
を可能にし, 生産性に優れ,また内部と表面付近のセル
サイズ差が極めて小さく,かつ発泡成形体に“熔け”を
発生させることがない,スチレン系発泡性樹脂粒子及び
その製造方法を提供すること。 【解決手段】 セルサイズ調整剤と発泡剤とを含有して
なるスチレン系発泡性樹脂粒子において,上記セルサイ
ズ調整剤は,75℃〜150℃の温度範囲の積算融解熱
量(B)が0℃〜150℃の温度範囲の積算融解熱量
(A+B)の80%を越えるポリエチレンワックスであ
り,かつ該セルサイズ調整剤は原料であるスチレン系単
量体に対して1重量ppm以上10000重量ppm未
満添加してなること。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は,比較的高温の条件に置かれても
内部のセルサイズが粗大化せず,表面のセルサイズも微
細化しない極めて均一なセルサイズの,予備発泡粒子を
得ることができる発泡性スチレン系樹脂粒子及びその製
造方法に関する。
【0002】
【従来技術】スチレン系樹脂発泡成形体を構成する小気
泡の大きさ(セルサイズ)は, 該成形体の品質特性であ
る表面光沢, 機械的強度特性, 断熱性等を決める重要な
因子である。そして,このような特性は,一般に予備発
泡粒子のセルサイズの良し悪しに左右される。また, 予
備発泡粒子のセルサイズは, 型内成形時の耐熱性及び成
形所要時間,特に冷却時間を決める重要な因子でもあ
る。
【0003】そこで,セルサイズを調整するために,種
々のセルサイズ調整剤が提案されている。例えば,米国
特許第3,389,097号明細書, 特公昭53−29
10号, 特開昭59−168037号, 特開昭59−1
66538号の各公報に記載されているアミド類があ
る。また特開昭57−96029号, 特開昭57−11
9934号, 特開昭57−141533号の各公報に記
載される界面活性剤がある。また, 特開昭59−207
941号公報, 特開平3−192134号公報がある。
また, 特開平6−122781号公報に記載されるポリ
マーがある。
【0004】
【解決しようとする課題】しかしながらこれらのセルサ
イズ調整剤を使用しても, スチレン系発泡性樹脂粒子を
工業的に製造する上では必ずしも十分なセル調整効果を
発揮するものはなかった。一般に,スチレン系発泡樹脂
粒子は,懸濁重合によって製造される為, 水分を分離す
るための乾燥工程,及びスチレン系発泡樹脂粒子表面の
過剰な発泡剤を逸散させるための処理が温風によって実
施される。そして,この温風の温度は通常20℃から5
0℃の範囲にあるが,温風の温度が高いとスチレン系発
泡樹脂粒子の温度も上昇する。
【0005】そのため,従来提案されているセルサイズ
調整剤を使用しても, スチレン系発泡性樹脂粒子におい
ては予備発泡粒子の内部のセルサイズが大きくなってし
まう現象が起こる。そして,このような内部セルが粗大
化した予備発泡粒子を用いて成形体を製造すると, 十分
な強度が得られないという欠点がある。
【0006】また, この現象を防止するために従来のセ
ルサイズ調整剤を大量に使用すると,表面付近のセルサ
イズのみ細かくなってしまう現象が起こる。このような
予備発泡粒子を用いて成形すると,いわゆる“熔け”と
いう表面溶融現象を生じ,得られた発泡成形体に部分的
な陥没を生じる欠点がある。従って,スチレン系発泡性
樹脂粒子の上記の乾燥工程,及び粒子表面の過剰な発泡
剤を逸散させる工程は,できるだけ低温の条件で時間を
かけて実施する必要があった。
【0007】このため, 乾燥, 発泡剤逸散設備は,滞留
時間を長くとるために大がかりなものとならざるを得な
かった。そのため,生産性が低く,コスト高であった。
【0008】本発明は,かかる従来の問題点に鑑み,比
較的高温の条件,即ち工業的に有利な条件で,水分の乾
燥及び粒子表面の過剰な発泡剤の逸散処理を可能にし,
生産性に優れ,また内部と表面付近のセルサイズ差が極
めて小さく,かつ発泡成形体に“熔け”を発生させるこ
とがない,スチレン系発泡性樹脂粒子及びその製造方法
を提供しようとするものである。
【0009】
【課題の解決手段】請求項1に記載の発明は,セルサイ
ズ調整剤と発泡剤とを含有してなるスチレン系発泡性樹
脂粒子において,上記セルサイズ調整剤は,75℃〜1
50℃の温度範囲の積算融解熱量(B)が0℃〜150
℃の温度範囲の積算融解熱量(A+B)の80%を越え
るポリエチレンワックスであり,かつ該セルサイズ調整
剤は原料であるスチレン系単量体に対して1重量ppm
以上10000重量ppm未満添加してなることを特徴
とするスチレン系発泡性樹脂粒子である。
【0010】本発明において最も注目すべき点は,上記
セルサイズ調整剤として,上記特定のポリエチレンワッ
クスを用い,これを上記スチレン系発泡性樹脂粒子の原
料であるスチレン系単量体に対して上記特定範囲におい
て添加している,予備発泡粒子としてのスチレン系発泡
性樹脂粒子である。
【0011】本発明のスチレン系発泡性樹脂粒子は, 水
蒸気や熱風等の加熱手段で加熱されると, 粒子内に多数
の小気泡が生成して, 予備発泡粒子となる。そして, こ
の予備発泡粒子を金型内に充填して再び加熱すると, 上
記予備発泡粒子が二次発泡し, 互いに融着し合って, 金
型に忠実な発泡成形体を成形することができる。
【0012】本発明のスチレン系発泡性樹脂粒子は,4
0℃〜50℃の比較的高温の条件において,懸濁重合時
に付着した水分の乾燥,粒子表面の過剰の発泡剤の逸散
処理を行なうことができる。そして,かかる乾燥,逸散
処理においても,セルサイズの粗大化は生ぜず,機械的
強度も高い。また,このものを用いて発泡成形体を製造
した場合にも,発泡成形体の表面に“熔け”を生ずるこ
とがない。
【0013】それ故,本発明によれば,比較的高温の条
件,即ち工業的に有利な条件で,水分の乾燥及び粒子表
面の過剰な発泡剤の逸散処理を可能にし, 生産性に優
れ,また内部と表面付近のセルサイズ差が極めて小さ
く,かつ発泡成形体に“熔け”を発生させることがな
い,スチレン系発泡性樹脂粒子及びその製造方法を提供
することができる。
【0014】このようにして造られたスチレン系樹脂発
泡成形体は, 食品容器, 緩衝材, 断熱材等として利用す
ることができる。
【0015】次に,上記スチレン系発泡性樹脂粒子の製
造方法としては,請求項3に記載した発明のように,ス
チレン系単量体をセルサイズ調整剤の存在下に懸濁重合
すると共に,該懸濁重合の際又はその後に発泡剤を含有
させてスチレン系発泡性樹脂粒子を製造する方法におい
て,上記セルサイズ調整剤は,75℃〜150℃の温度
範囲の積算融解熱量(B)が0℃〜150℃の温度範囲
の積算融解熱量(A+B)の80%を越えるポリエチレ
ンワックスであり,かつ該セルサイズ調整剤は上記スチ
レン系単量体に対して1重量ppm以上10000重量
ppm未満添加してなることを特徴とするスチレン系発
泡性樹脂粒子の製造方法がある。
【0016】この製造方法によれば,上記のごとき優れ
たスチレン系発泡性樹脂粒子を容易に製造することがで
きる。
【0017】次に,上記スチレン系発泡性樹脂粒子及び
その製造方法に共通する原料成分等に関して,以下に説
明する。
【0018】(1)原料成分 スチレン系単量体 本発明のスチレン系発泡性樹脂粒子は,スチレン系単量
体を懸濁重合し,この重合中に発泡剤を添加するか, 或
いは重合工程終了後に発泡剤を重合体粒子に含浸させて
製造する。上記スチレン系単量体としては, スチレン,
α- メチルスチレン, ビニルトルエン等のスチレン系単
量体を主成分とするものであり, スチレン系単量体の一
部(50重量%以下)をそれ以外のビニル単量体, 例え
ばアクリロニトリル等のシアン化ビニル単量体, ブチル
アクリレート等のアクリレート系単量体, メチルメタク
リレート等のメタクリレート系単量体などのスチレン系
単量体と共重合可能な単量体と置き換えることもでき
る。
【0019】(2)配合剤 スチレン系発泡性樹脂粒子の製造の為に使用する配合剤
としては, セルサイズ調整剤,発泡剤懸濁剤, 重合開始
剤, また必要により分散助剤, 可塑剤等が使用できる。
また, 乾燥及び粒子表面の過剰な発泡剤の逸散処理の際
には,帯電防止剤, ブロッキング防止剤, 融着改良剤等
を,懸濁重合後のスチレン系発泡性樹脂粒子に対して配
合しても良い。
【0020】セルサイズ調整剤;本発明においては,セ
ルサイズ調整剤として,75℃〜150℃の温度範囲の
積算融解熱量(B)が,0℃〜150℃の温度範囲の積
算融解熱量(A+B)の80%を越えるポリエチレンワ
ックスを用い,これをスチレン系発泡性樹脂粒子中に含
有させる。
【0021】上記後者の積算融解熱量(A+B)に対す
る前者の積算融解熱量(B)の比率,即ち積算融解熱量
比B/(A+B)が80%未満であると,セルサイズ調
整効果が弱くなるため,セルサイズ調整剤をスチレン系
発泡性樹脂粒子の製造時に大量に使用しなければならな
くなる。また,スチレン系発泡性樹脂粒子を40℃を越
えるような条件で乾燥したり,粒子表面の過剰な発泡剤
の逸散処理を実施した場合,内部と表面付近のセルサイ
ズ差が大きな予備発泡粒子が生成してしまう。そのた
め,極短時間の乾燥,発泡剤の逸散処理が不可能となり
工業的に不利である。
【0022】次に,請求項2,請求項4に記載の発明の
ように,上記の積算融解熱量比が90%を越えるポリエ
チレンワックスを用いることが好ましい。この場合に
は,セルサイズ調整効果が特に高く,予備発泡粒子にお
ける表面と内部のセルサイズの差も更に少なくなり,セ
ル均一度が大幅に向上する。なお,上記積算融解熱量比
の上限は,100%である。
【0023】セルサイズ調整剤の使用量が,スチレン系
発泡性樹脂粒子の主原料であるスチレン系単量体に対し
1重量ppm未満の場合には,十分なセルサイズ調整効
果が得られない。一方,10000重量ppmを越えて
含有させてもセルサイズを細かくする効果が限界に達す
る。また,このポリエチレンワックスは,懸濁重合を開
始する前にスチレン系単量体へ分散させるか,懸濁重合
の水相中に添加することにより,スチレン系発泡性樹脂
粒子へ含有させることができる。
【0024】懸濁重合中に該ポリエチレンワックスを添
加することも可能であるが,該ポリエチレンワックスが
スチレン系発泡性樹脂粒子中に不均一に存在する場合が
あり,セルむら等の要因となりやすいので好ましくな
い。尚,セルサイズ調整剤は必要に応じ,従来公知のセ
ルサイズ調整剤と併用することも何ら差し支えない。
【0025】発泡剤;発泡剤としては,プロパン, ブタ
ン, ペンタン, ヘキサン等の脂肪族炭化水素及びシクロ
ペンタン, シクロヘキサン等の脂環族炭化水素等,沸点
が100℃以下の揮発性発泡剤が使用できる。
【0026】懸濁剤;スチレン系発泡性樹脂粒子を製造
する懸濁重合に用いる懸濁剤としては, ポリビニルアル
コール, ポリビニルピロリドン, ポリアクリルアミド等
の高分子分散剤(保護コロイド剤)及び水に難溶な無機
塩, 例えば燐酸カルシウム, ハイドロキシアバタイト,
ピロ燐酸マグネシウム等と,界面活性剤, 例えばドデシ
ルベンゼンスルフォン酸ナトリウムの組み合わせを挙げ
ることができる。
【0027】また, 必要に応じ重合開始時点または重合
中に電解質, 例えば塩化リチウム,塩化カリウム, 塩化
ナトリウム, 塩化マグネシウム, 塩化カルシウム, 硫酸
ナトリウム, 硝酸ナトリウム, 炭酸ナトリウム, 重炭酸
ナトリウム等の無機塩類, 酢酸ナトリウム, 琥珀酸二ナ
トリウム, ベヘミン酸ナトリウム, 安息香酸ナトリウム
等の有機酸塩等を加えることもできる。
【0028】重合開始剤;重合開始剤としては, 一般に
スチレン系単量体のラジカル重合に用いられている重合
開始剤, 例えば過酸化ベンゾイル, 過安息香酸ブチル,
ターシャリーブチルパーオキシ2エチルヘキサノエー
ト, ターシャリブチルパーオキシ2エチルヘキシルカー
ボネート, ターシャリブチルパーオキシイソプロピルカ
ーボネート,アゾビスイソブチロニトリル等の油溶性の
重合開始剤が使用できる。また,必要に応じ過硫酸のア
ルカリ金属塩, 重亜硫酸のアルカリ金属塩等の水溶性の
重合開始剤及び還元剤を併用しても良い。
【0029】可塑剤;可塑剤としてはトルエン, キシレ
ン, エチルベンゼン, ジオクチルアジペート, ジオクチ
ルフタレート等を挙げることができる。
【0030】(3)重合及び後処理 本発明における懸濁重合,該懸濁重合により得られたス
チレン系発泡性樹脂粒子の脱水処理,水分の乾燥及び過
剰な発泡剤の逸散処理については,周知のスチレン系発
泡性樹脂粒子の製造技術が適用できる。
【0031】
【発明の実施の形態】以下,本発明にかかる実施形態例
及び比較例を挙げる。
【0032】実施形態例1 〔ポリエチレンワックスの積算融解熱量の測定〕まず,
以下の各例に示す(表1),各種ポリエチレンワックス
について,TAインスツルメンツ社製2010型DSC
測定器を用い,常法に従い,空気中で−50℃から15
0℃まで10℃/分の速度で加熱し,融解熱量(ジュー
ル/g)を測定した(図1参照)。
【0033】積算融解熱量は,図1におけるプロットの
0℃〜150℃まで直線状のベースラインを引き,0℃
〜75℃の積算融解熱量(A),75℃〜150℃の積
算融解熱量(B)の範囲に分割して計算値を求めた。ま
た,これらの値より積算融解熱量比〔B/(A+B)〕
を求めた。
【0034】〔スチレン系発泡性樹脂粒子の製造〕50
Lの回転攪拌機付きオートクレーブ内に, 蒸留水16k
g,懸濁剤としての第三燐酸カルシウム40g及び懸濁
助剤としてのドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム
0.64gを仕込んだ。
【0035】次いで,スチレン系単量体としてのスチレ
ン17kgに,セルサイズ調整剤としての上記共重合体
1.7g, 開始剤としてのターシャリーブチルパーオキ
シ2−エチルヘキサノエート50g及びターシャリブチ
ルパーオキシイソプロピルカーボネート15g, 発泡剤
としてのシクロヘキサン300gを溶解した溶液を投入
した。次いで90℃まで昇温し100℃まで連続的に5
時間かけて昇温した。
【0036】次いで,発泡剤としての混合ブタン120
0gを,上記溶液中に圧入し110℃まで1時間かけて
昇温し同温度で1時間保持した後, 4時間かけて30℃
まで冷却した。得られたスラリーにpHが2になるまで
塩酸を加えて,スチレン系発泡性樹脂粒子表面の第三燐
酸カルシウム成分を除去した。
【0037】その後,遠心分離器にて水洗しつつ大部分
の水分を除去した。次いで,帯電防止剤としてジエタノ
ールアルキルアミンを,上記スチレン系発泡性樹脂粒子
に対し0.01重量%の割合で噴霧した後,50℃の温
風で10分間処理し完全に乾燥した。
【0038】次いで,粒子径が0.8mmから1.2m
mのスチレン系発泡性樹脂粒子を篩い出し,該スチレン
系発泡性樹脂粒子100重量%に対して,ブロッキング
防止剤としてのステアリン酸亜鉛0.1重量%, 融着改
良剤としてのグリセリンモノステアレート0.05重量
%を,その表面にコーティングした。更に,スチレン系
発泡性樹脂粒子の表面付近に付着している過剰な発泡剤
を逸散させる目的で,50℃の温風で2時間処理した。
【0039】〔予備発泡粒子の製造〕上記のようにして
得られた,温風処理スチレン系発泡性樹脂粒子を,直ち
にバッチ式発泡機で嵩倍率60倍まで予備発泡した。こ
の予備発泡粒子のセルは,ほぼ均一で,表面近傍の平均
セルサイズ(直径)は90μmであり,内部の平均セル
サイズは100μmであった。
【0040】〔予備発泡粒子の性状測定〕即ち,上記予
備発泡粒子のセル数及びセル均一度は,下記の方法で評
価した。 セルサイズ;嵩倍率を60倍とした予備発泡粒子をカミ
ソリで真半分に切り,光学顕微鏡で予備発泡粒子のセル
数(樹脂部の壁と壁の間で区切られた部分を1単位とし
た)を任意の3ケ所で計測して平均した。
【0041】(1)表面セルサイズ;図2,図3に示す
ごとく,表面Aから中心部に向かって0.2mmの範囲
中にある,セル壁A1〜An+1までの距離L1(μ
m)にあるセル数nで,距離L1を割った値を,小数点
以下第1位を四捨五入して,セルサイズを求めた。な
お,図2に示した例では,L1=120μm,この間の
セル数nは2個である。それ故,平均のセルサイズは1
20μm/2(個)=60μmとなる。
【0042】(2)内部セルサイズ;表面から中心部に
向かって1.0mmの点A’から予備発泡粒子中心部O
までの範囲中にある,セル壁A’1〜A’n’+1まで
の距離L2(μm)にあるセル数n’で,距離L2を割
った値の小数点以下第1位を四捨五入して,セルサイズ
を求めた。図2の例では,900(μm)/9(個)=
100μmとなる。なお,図3のA−a,B−b,C−
cは,任意の3ケ所の計測位置を示す。上記(1),
(2)の方法で,A−a,B−b,C−cの各軸に沿っ
て計測した表面サイズ,内部セルサイズの値をそれぞれ
平均して測定値とした。
【0043】〔発泡成形体の製造〕次に, この予備発泡
粒子を室温で1日熟成した後, 内寸が300mm×75
mm×25mmの金型のキャビティ内に充填し, 80k
Paの水蒸気で20秒間加熱して発泡成形体を得た。得
られた発泡成形体の表面には,いわゆる“熔け”は認め
られなかった。また,室温1日後にJIS−A9511
に準じた曲げ試験を実施したところ, 最大強度は282
kPaであった。
【0044】セル均一度;得られた発泡成形体を,スラ
イサーで切り,切断面にて観察されるセル数の分布状態
を目視にて判定した。上記セルサイズ調整剤としてのポ
リエチレンワックスの物性,即ち積算融解熱量(A),
(B),積算融解熱量比〔B/(A+B)%〕,分子
量,及び予備発泡粒子の表面及び内部のセルサイズ,セ
ル均一度につき,表1に示した。
【0045】実施形態例2〜4 ポリエチレンワックスを,表1に示すごとく種々に変え
た以外は,実施形態例1と同様に行った。
【0046】比較例1,2 ポリエチレンワックスを,表1に示すごとく種々に変え
た以外は,実施形態例1と同様に行った。
【0047】比較例3 ポリエチレンワックスを添加しなかった以外は,実施形
態例1と同様に行った。
【0048】表1より知られるごとく,本発明にかかる
実施形態例1〜4は,いずれも予備発泡粒子のセルサイ
ズが表面,内部ともほぼ同じで,セル均一度が高い。こ
れに対して比較例1,2は積算融解熱量比が80%以下
であるため,また比較例3はセルサイズ調整剤としての
ポリエチレンワックスを用いていないため,セル均一度
が低い。
【0049】
【表1】
【0050】
【発明の効果】本発明によれば,比較的高温の条件,即
ち工業的に有利な条件で,水分の乾燥及び粒子表面の過
剰な発泡剤の逸散処理を可能にし, 生産性に優れ,また
内部と表面付近のセルサイズ差が極めて小さいスチレン
系発泡性樹脂粒子及びその製造方法を提供することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態例1における,温度とポリエチレンワ
ックスの融解熱量との関係を示す線図。
【図2】予備発泡粒子の性状測定の説明図。
【図3】図2の全体説明図。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セルサイズ調整剤と発泡剤とを含有して
    なるスチレン系発泡性樹脂粒子において,上記セルサイ
    ズ調整剤は,75℃〜150℃の温度範囲の積算融解熱
    量(B)が0℃〜150℃の温度範囲の積算融解熱量
    (A+B)の80%を越えるポリエチレンワックスであ
    り,かつ該セルサイズ調整剤は原料であるスチレン系単
    量体に対して1重量ppm以上10000重量ppm未
    満添加してなることを特徴とするスチレン系発泡性樹脂
    粒子。
  2. 【請求項2】 請求項1において,上記75℃〜150
    ℃の温度範囲の積算融解熱量(B)が,0℃〜150℃
    の温度範囲の積算融解熱量(A+B)の90%を越える
    ことを特徴とするスチレン系発泡性樹脂粒子。
  3. 【請求項3】 スチレン系単量体をセルサイズ調整剤の
    存在下に懸濁重合すると共に,該懸濁重合の際又はその
    後に発泡剤を含有させてスチレン系発泡性樹脂粒子を製
    造する方法において,上記セルサイズ調整剤は,75℃
    〜150℃の温度範囲の積算融解熱量(B)が0℃〜1
    50℃の温度範囲の積算融解熱量(A+B)の80%を
    越えるポリエチレンワックスであり,かつ該セルサイズ
    調整剤は上記スチレン系単量体に対して1重量ppm以
    上10000重量ppm未満添加してなることを特徴と
    するスチレン系発泡性樹脂粒子の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項3において,上記75℃〜150
    ℃の温度範囲の積算融解熱量(B)が,0℃〜150℃
    の温度範囲の積算融解熱量(A+B)の90%を越える
    ことを特徴とするスチレン系発泡性樹脂粒子の製造方
    法。
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WO2006038751A1 (en) * 2004-10-05 2006-04-13 Lg Chem, Ltd. Process for preparing expandable polystyrene resin and expandaable polystyrene resin composition
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JP2018158981A (ja) * 2017-03-22 2018-10-11 株式会社カネカ 発泡性熱可塑性樹脂粒子の製造方法

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