JPH1160478A - マグネシウム含有経口組成物 - Google Patents

マグネシウム含有経口組成物

Info

Publication number
JPH1160478A
JPH1160478A JP9237895A JP23789597A JPH1160478A JP H1160478 A JPH1160478 A JP H1160478A JP 9237895 A JP9237895 A JP 9237895A JP 23789597 A JP23789597 A JP 23789597A JP H1160478 A JPH1160478 A JP H1160478A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnesium
organic acid
sweetener
salt
citrate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP9237895A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4070844B2 (ja
Inventor
Satoshi Kudo
聰 工藤
Naomi Mizusawa
直美 水澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yakult Honsha Co Ltd
Original Assignee
Yakult Honsha Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yakult Honsha Co Ltd filed Critical Yakult Honsha Co Ltd
Priority to JP23789597A priority Critical patent/JP4070844B2/ja
Publication of JPH1160478A publication Critical patent/JPH1160478A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4070844B2 publication Critical patent/JP4070844B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Coloring Foods And Improving Nutritive Qualities (AREA)
  • Medicinal Preparation (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 溶解性が高く風味の良好なマグネシウム素材
である有機酸マグネシウム塩、例えばクエン酸マグネシ
ウムやフルーツマグネシウムを摂取する際の灼熱感を抑
制し、飲食品等へ使用しても嗜好的に良好な組成物を提
供すること。 【解決手段】 有機酸マグネシウム塩と吸熱性の甘味
料、例えばエリスリトール、キシリトール、ソルビトー
ル、ラクチトール等の糖アルコールを含有するマグネシ
ウム含有経口組成物および当該組成物を含有するマグネ
シウム強化用食品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マグネシウム含有
経口組成物に関し、更に詳細には、食感が優れ、マグネ
シウム強化用食品等として利用することのできるマグネ
シウム含有経口組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、カルシウムの摂取量が所要量に足
りないとしてその摂取が奨励されている。 しかしなが
ら、カルシウムだけを過剰に摂取することは弊害も多
い。 例えば、高脂血症や高血圧、喫煙、活性酸素等の
危険因子がカルシウムの血管壁への異所性沈着を招き、
粥状動脈硬化症の原因になると考えられている。 ま
た、食事中のカルシウム/マグネシウム比が2以下だと
虚血性心疾患の死亡率が低くなることが報告されており
(Advances in Cardiology, 25, 9, 1978)、カルシウ
ム単独でなくマグネシウムと組み合わせて摂取すること
が望まれる。
【0003】一方、マグネシウムはATP合成、解糖、
核酸合成、体温調節、神経の興奮、筋肉の運動、ホルモ
ン分泌等生体内の物質代謝に重要な関わり合いを持って
おり、高血圧、不整脈、動脈硬化発症、急性心不全にも
大いに関係がある。 また、マグネシウムは骨粗鬆症に
も大きく影響している。
【0004】このマグネシウムの充足率については、先
進諸国では4mg/kg/日程度の摂取量であり、所要
量の2/3にしか達していないのが平均的な状況である
(J.Durluch, et al., Magnesium Research, 6, p379−
394, 1993)。
【0005】ところで、日本では栄養所要量第5次改訂
において、マグネシウムの目標摂取量が盛り込まれた。
具体的には、1日の目標摂取量として、成人男女で3
00mg、6歳までの小児は150mg、7歳以上は成
人と同様、妊婦は400mgである。 また、日本での
マグネシウム摂取量は女子学生で160mg、男子学生
で200mgとの報告もある(糸川、吉田「マグネシウ
ムと循環器系疾患」1986年、メディカルトリビュー
ン社、ISBN4−943946−60−7)。
【0006】いずれにしても、加工食品に頼ることの多
い現代の食生活では食品中のマグネシウム含量は減少す
る傾向にあり、さらに、アルコールの摂取や激しい運
動、過酷な環境、精神的なストレスにより、マグネシウ
ムの損失は加速される。 カルシウムだけを多量に補給
する場合には、天然のカルシウム拮抗剤、ミネラル代謝
調節剤としてのマグネシウムの役割はなおさらのこと重
要である。
【0007】従来、栄養補給物として用いることの出来
るマグネシウム化合物としては、粗製海水塩化マグネシ
ウム(厚生省告示第百六十号:既存添加物名簿)や食品
添加物としての塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム等
が知られている。 しかし、これらは強烈な苦みを呈す
るため、その使用方法や使用量に制約があるものであっ
た。 この点、酸化マグネシウムや炭酸マグネシウム、
水酸化マグネシウムは無味に近いものの、水にほとんど
溶けないため使いにくく、粉っぽい素材であるという欠
点があった。
【0008】一方、有機酸のマグネシウム塩、例えばク
エン酸マグネシウムはマグネシウムの苦みがなくマグネ
シウム素材としては利用価値の高いものである。 クエ
ン酸マグネシウムの0〜9水塩は水への溶解性が高く
(特開平8−73399号公報)、例えば無水クエン酸
マグネシウムは20%以上水に溶け、9水塩は約1.5
%溶解する。 このように溶解性が高いため、クエン酸
マグネシウムは特に低・無胃酸症のヒトにも吸収性がよ
いことも予想される。
【0009】しかし、マグネシウム素材としてのクエン
酸マグネシウム等の有機酸マグネシウム塩にも、固体状
の組成物として摂取する場合には問題点が存在する。
すなわち、クエン酸マグネシウム等の有機酸マグネシウ
ム塩は、粉末形態等の固体状の組成物として経口摂取す
ると、口中で灼熱感を生じ、風味が低下するという問題
があった。
【0010】この問題は、本発明者らが溶解性の高いマ
グネシウム素材であるとして出願しているフルーツマグ
ネシウム(特願平9−179105号)についても生じ
ている。 このフルーツマグネシウムは、果汁に塩基性
マグネシウムや金属マグネシウムを添加して調製される
もので、マグネシウムは有機酸塩の形で存在するとさ
れ、マグネシウムの苦みがなく、溶解性の高いものであ
るが、これを粉末等の形態の組成物として摂取すると、
やはり口中で灼熱感が生じていた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、溶解性が高く風味の良好なマグネシウム素材である
有機酸マグネシウム塩、例えばクエン酸マグネシウムや
フルーツマグネシウムを摂取する際の灼熱感を抑制し、
飲食品等へ使用しても嗜好的に良好な組成物を提供する
ことにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意研究を行った結果、有機酸マグネシウ
ム塩に吸熱性の甘味料を配合することにより、有機酸マ
グネシウム塩摂取時の灼熱感が抑制され、嗜好的に良好
なマグネシウム含有組成物が得られることを見出し、本
発明を完成した。
【0013】すなわち、本発明は有機酸マグネシウム塩
と吸熱性の甘味料を含有するマグネシウム含有経口組成
物を提供するものである。また本発明は上記組成物を含
有するマグネシウム強化用食品を提供するものである。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明のマグネシウム含有経口組
成物は、常法に従って有機酸マグネシウム塩と吸熱性の
甘味料を混合し、適切な固形状の剤型とすることにより
調製される。
【0015】本発明の組成物に配合される有機酸マグネ
シウム塩の例としては、クエン酸マグネシウム、グルコ
ン酸マグネシウム、乳酸マグネシウム、アスコルビン酸
マグネシウム等が挙げられ、これらはその無水塩、水和
物等何れを使用してもよい。有機酸マグネシウム塩のう
ち、クエン酸マグネシウムの溶解度及び溶解熱に関して
は、結晶水が多い程溶解度が低くなり、溶解熱が上がる
ことが特開平8−73399号公報に開示されている。
【0016】また、有機酸マグネシウム塩の別の例とし
ては、特願平9−179105号に開示のフルーツマグ
ネシウムが挙げられる。 このフルーツマグネシウム
は、酸度の高い果実、例えば、レモン、オレンジ、マン
ダリン、グレープフルーツ、柚、梅、リンゴ、パイナッ
プル等の搾汁液に酸化マグネシウム、炭酸マグネシウ
ム、水酸化マグネシウム、金属マグネシウム等のマグネ
シウム素材を添加し、pH8以下に調製することで得ら
れる組成物である。 このものは、溶解性が高く風味も
良好なマグネシウム素材で、その乾燥物は吸湿性が少な
いことも分かっている。 そして、上記果汁中に種々の
有機酸が含まれていることから、フルーツマグネシウム
中でマグネシウムは有機酸塩の形で存在するものとされ
ており、従って、粉末等の形態で摂取すると、クエン酸
マグネシウムと同様口中で灼熱感が生じるものと理解さ
れている。
【0017】一方、他の配合成分である吸熱性の甘味料
は、水性溶媒に溶解した場合に吸熱反応を起こすもので
ある。 これも特に限定されるものではないが、配合物
の嗜好性、吸湿性、結着性等を考慮すると糖アルコール
が好ましく、エリスリトール、キシリトール、ソルビト
ール又はラクチトール等がより好適であり、特に吸湿性
が低く甘味度の高い点でエリスリトール、キシリトー
ル、ソルビトールが好適である。
【0018】本発明のマグネシウム含有経口組成物の調
製に当たって、有機酸マグネシウム塩と吸熱性甘味料と
の配合比は、有機酸マグネシウム塩の種類、含水量等や
甘味料の種類により決定する必要がある。 すなわち、
有機酸マグネシウム塩もその種類、含水度合いによって
発熱量が異なり、また、配合する甘味料の種類によって
吸熱量や甘味度が異なるため、食品に添加する場合には
有機酸酸マグネシウム塩の溶解時の発熱と甘味料溶解時
の吸熱が同程度となるように調製する必要があり、そう
することによりマウスフィールや甘味特性等に優れた組
成物を得ることができる。
【0019】例えば、クエン酸マグネシウムに対し吸熱
性甘味料を添加する場合の添加量は、用いるクエン酸マ
グネシウムの含水量やそれに依存する発熱量により異な
るが、クエン酸マグネシウムの溶解発熱が吸熱性甘味料
に相殺されて混合物1g当たり40cal以下になるよ
うに、より好ましくは10cal以下になるようにすれ
ばよい。 40cal/g以下の溶解発熱量であれば灼
熱感は少し柔らぎ、10cal/g以下であれば全く不
快感を感じることなく摂取することが可能となる。
【0020】更に、マグネシウム含有経口組成物を錠
剤、錠果等の形態で使用する場合には、このほかに硬
度、吸湿性に留意する必要がある。 このためには、ク
エン酸マグネシウムの結晶水数、甘味料の配合量は用途
に合わせて適宜決めればよい。
【0021】なお、有機酸マグネシウム塩としてフルー
ツマグネシウムを用いる場合、果汁原料である果実の種
類やマグネシウム含量によって、風味、発熱の度合い等
が異なるため、甘味料の配合量は一概に決められるもの
ではないが、配合の際に留意すべき点は上記と同様であ
るので、フルーツマグネシウムと甘味料の種類に合わせ
て適宜配合比率を決定すればよい。
【0022】斯くして得られる本発明のマグネシウム含
有経口組成物は、そのままマグネシウム補給用に摂取す
ることもできるが、各種フレーバーや、果汁粉末、甘味
料、安定剤、増粘剤、穀物粉等と混合して、粉末・顆粒
状や錠剤状のマグネシウム強化用食品やパン、麺類、焼
き菓子等に加工することもできる。さらに、カルシウム
や、各種のビタミン類、薬効成分、賦形剤等を混合し、
錠剤等とすることもできる。
【0023】
【実施例】次に実施例および試験例を挙げ、本発明を更
に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例等に何ら制
約されるものではない。
【0024】試 験 例 1 クエン酸マグネシウムの溶解性の検討:クエン酸マグネ
シウム9水和塩(和光純薬工業株社製)を180℃で加
熱して得られた無水塩および下記方法で調製したクエン
酸マグネシウム3.5水塩を用い、それぞれの溶解度を
下記方法で測定した。 このようにして測定した溶解度
とクエン酸マグネシウムの結晶水数(含水量)の関係を
図1に示す。図1より、溶解度は、含水量が多くなる程
溶解し難くなる傾向があることが判った。
【0025】( クエン酸マグネシウム3.5水塩の調製
法 )クエン酸 378.0gを蒸留水 2250.0gに
溶解後、これに水酸化マグネシウム(Mg(OH)2
167.0gを加え、4℃で、90分間攪拌した。 次い
で、ワットマン濾紙No.541を用いて濾過し、濾液
2686.6gを得た。この濾液を、入口温度300
℃、出口温度100℃の条件で噴霧乾燥し、乾燥粉末物
422.2gを得た。 このものは、クエン酸マグネシ
ウム3.5水塩であることが確認された。
【0026】( 溶 解 度 測 定 法 )各クエン酸マグ
ネシウム10gを蒸留水150ml中に取り、スターラ
ーで30分攪拌後、20分間超音波処理し、更にスター
ラーで1時間攪拌した。ここで、溶液10mlをサンプ
リングした後(pH6.8)、更にクエン酸を追加して
pH4.7とし、30分間超音波処理を行った後、再度
サンプリングした。 pH6.8でのサンプルとpH4.
7でのサンプルを、2000rpmで、10分間遠心分
離し、上清のマグネシウム量を測定用キットを用いて定
量した。
【0027】試 験 例 2 クエン酸マグネシウムの結晶水数による溶解熱の検討お
よび官能評価:クエン酸マグネシウム9水和塩(和光純
薬工業株社製)、7水和塩、5水和塩、無水塩および試
験例1で調製したクエン酸マグネシウム3.5水塩を用
い、それぞれの溶解熱を下記方法で測定した。 また、
これらを経口摂取したときの灼熱感および風味を官能評
価した。 結晶水数と測定した溶解熱の関係および官能
評価結果を表1に示す。表1より、結晶水量(含水量)
が多くなる程溶解熱が低下する傾向があり、灼熱感も低
下することが判った。
【0028】( 溶 解 熱 測 定 法 )まず、蒸留水を
ビーカーに秤り取り、これを発泡スチロール容器中に入
れ、断熱する。 この蒸留水中に温度計を差し込み、温
度を測定した後、熱が逃げないようにサンプルを素早く
添加する。サンプル添加後の最大温度を測定し、次式に
より溶解熱を算出する。
【0029】 溶解熱(cal/g)=( B1−B0 ) X A0 / A10: 蒸留水重量(g) A1: サンプル重量(g) B0: 蒸留水温度(℃) B1: サンプル添加後の最大温度(℃)
【0030】( 結 果 )
【表1】
【0031】 評価基準: 灼熱感; 風 味; 1 … 灼熱感を感じない。 1 … 風味がよい。 2 … 灼熱感を少し感じる。 2 … 風味がややよい。 3 … 灼熱感をかなり感じる。 3 … 風味がやや悪い。 4 … 灼熱感を非常に感じる。 4 … 風味が悪い。
【0032】試 験 例 3 クエン酸マグネシウムとエリスリトールの混合比の検
討:クエン酸マグネシウム(6.2水塩)と、吸熱性の
甘味料であるエリスリトールと組み合わせた粉末を水に
溶解させた時に発生する溶解熱を、試験例2に記載の方
法で測定した。 測定は、溶解後の最大値と、平衡に達
した後の最終値で示した。この結果を表2に示す。
【0033】
【表2】
【0034】クエン酸マグネシウム(6.2水塩)とエ
リスリトールを混合したものにおいては、最大と最終の
溶解熱が異なるが、これは混合物を水に溶かすと一方
(通常エリスリトール)が先に溶け、その影響が強く出
た場合の値(最大)と、両者が共に溶解し、平衡に達し
た後の値(最終)をそれぞれ示すものである。この結果
より、溶解の速い吸熱性のある糖は、クエン酸マグネシ
ウムの灼熱感を好都合にも感じにくくする性質があると
解される。
【0035】試 験 例 4 クエン酸マグネシウムと甘味料との組み合わせの検討:
クエン酸マグネシウム(3.5水塩)100重量部に各
種の甘味料を配合した組成物を調製し、試験例2と同様
にして混合組成物の溶解熱および灼熱感、風味等に与え
る影響を調べた。 この結果を表3に示す。
【0036】( 結 果 )
【表3】 注) 表中、配合量はクエン酸マグネシウム100重量
部に対する重量部で示す。 また、灼熱感および風味の
評価基準は試験例2と同じである。
【0037】表3に示すとおり、砂糖の添加では灼熱感
および風味とも改善されないが、糖アルコールであるエ
リスリトール、キシリトール、ソルビトールの配合によ
り、灼熱感および風味とも改善された。 また、溶解熱
が40cal/g以内にあると灼熱感が柔らいで風味の
良好な混合物が得られ、特に溶解熱10cal/gの範
囲内でこれは顕著であった。
【0038】試 験 例 5 フルーツマグネシウムと甘味料との組み合わせの検討:
下記方法に従い、レモン果汁で調製したフルーツマグネ
シウム粉末に各種甘味料を配合し、灼熱感、風味等に与
える影響を調べた。 その結果を表4に示す。
【0039】( フルーツマグネシウムの調製方法 )ま
ず、6リットルの100%レモン果汁に水酸化マグネシ
ウム170gを添加した後、濾紙(ワットマンNo.5
41)で濾過した。これにレモン果汁0.1リットルを
追加してpH5.5に調整し、マグネシウム強化レモン
果汁を得た。 これらの操作はいずれも4℃の低温室で
行った。 次に、得られたマグネシウム強化レモン果汁
を凍結乾燥し、615gのフルーツマグネシウム(マグ
ネシウム強化レモン粉末)を得た。
【0040】( 結 果 )
【表4】 注) 表中、配合量はフルーツマグネシウム100重量
部に対する重量部で示す。 また、灼熱感および風味の
評価基準は試験例2と同じである。
【0041】表4に示すとおり、やはり溶解熱40ca
l/gの範囲内で、特に溶解熱10cal/gの範囲内
で灼熱感のない、風味の良好な混合物が得られた。
【0042】実 施 例 1 クエン酸マグネシウム/エリスリトール錠菓の作製:下
に示す処方により、エリスリトールを配合したクエン酸
マグネシウムの錠菓を作製した。 クエン酸マグネシウ
ム中、無水塩および9水塩は造粒してあったので乳鉢で
破砕し、80メッシュのふるいを通したものを使用し
た。得られた錠菓について、その硬度を測定し、また、
味、口に入れたときの状態を官能評価した。 使用した
クエン酸マグネシウムと、硬度測定および官能評価の結
果を表5に示す。 なお、比較品として、分解アルギン
酸マグネシウムを用いた錠菓を用いた。
【0043】 錠 菓 処 方 : (重量部) 粉末セルロース 30 (アビセルFD−101;賦形剤) クエン酸マグネシウム〔 表 5 〕 29 エリスリトール 29 アスコルビン酸(酸味料) 5 ショ糖脂肪酸エステル 5 (DKエステル20W;滑沢剤) シトラスフレーバー(香料) 2
【0044】 比較錠菓処方 : (重量部) 分解アルギン酸マグネシウム 65 ラクトース 30 ショ糖脂肪酸エステル 5 (DKエステル20W;滑沢剤)
【0045】
【表5】 * コラーゲンの酵素分解物を混合し、調製したもの。
【0046】クエン酸マグネシウム3.5水塩およびペ
プチド含有クエン酸マグネシウムで作製した錠菓は、同
様の条件で打錠した無水塩および9水塩の錠菓よりも硬
度が低い傾向があったものの、取り扱い中に型崩れする
こともなく錠菓としては充分な硬度であった。
【0047】また、嗜好性については粉末状態と同様、
9水塩で粉末が舌に残る感じがあったものの、各錠菓と
もマグネシウムの苦味は感じなかった。 更に、クエン
酸マグネシウムとエリスリトールの配合は、3.5水塩
でちょうど溶解熱がなくなるように計算されているの
で、無水塩の錠菓では灼熱感が、9水塩では冷感があっ
たが、これらの熱はそれぞれ適当なエリスリトール量を
計算して配合すれば消失する。
【0048】一方、比較錠菓は、比較的糊っぽさが少な
い分解アルギン酸マグネシウムを用いて製造したが、マ
グネシウム含量が低いため一度に口に入るアルギン酸量
も多くなるため、かなり口の中でべた付き、食感は不快
であった。
【0049】
【発明の効果】本発明組成物は、有機酸マグネシウム塩
の経口摂取時に生じる灼熱感を防ぎ、優れた風味を有す
るものであるので、十分な量のマグネシウムを取るため
に利用する食品や医薬品等として有利に利用できるもの
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】クエン酸マグネシウムについて、結晶水数(含
水量)と溶解度との関係を示す図面。 図中、直線はp
H4.7の場合の回帰直線を示す。 以 上

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機酸マグネシウム塩と吸熱性の甘味料
    を含有するマグネシウム含有経口組成物。
  2. 【請求項2】 有機酸マグネシウム塩が、クエン酸マグ
    ネシウム、グルコン酸マグネシウム、乳酸マグネシウ
    ム、アスコルビン酸マグネシウムまたはフルーツマグネ
    シウム粉末に含まれる有機酸マグネシウム塩である請求
    項第1項記載のマグネシウム含有経口組成物。
  3. 【請求項3】 吸熱性の甘味料が、糖アルコールである
    請求項第1項記載のマグネシウム含有経口組成物。
  4. 【請求項4】 糖アルコールがエリスリトール、キシリ
    トール又はソルビトールである請求項第3項記載のマグ
    ネシウム含有経口組成物。
  5. 【請求項5】 請求項第1項ないし第4項記載のマグネ
    シウム含有経口組成物を含有することを特徴とするマグ
    ネシウム強化用食品。
JP23789597A 1997-08-20 1997-08-20 マグネシウム含有経口組成物 Expired - Fee Related JP4070844B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23789597A JP4070844B2 (ja) 1997-08-20 1997-08-20 マグネシウム含有経口組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23789597A JP4070844B2 (ja) 1997-08-20 1997-08-20 マグネシウム含有経口組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH1160478A true JPH1160478A (ja) 1999-03-02
JP4070844B2 JP4070844B2 (ja) 2008-04-02

Family

ID=17022024

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP23789597A Expired - Fee Related JP4070844B2 (ja) 1997-08-20 1997-08-20 マグネシウム含有経口組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4070844B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1289532A2 (en) * 2000-06-02 2003-03-12 The Procter & Gamble Company Low carbohydrate compositions, kits thereof, and methods of use

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1289532A2 (en) * 2000-06-02 2003-03-12 The Procter & Gamble Company Low carbohydrate compositions, kits thereof, and methods of use

Also Published As

Publication number Publication date
JP4070844B2 (ja) 2008-04-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4702745B2 (ja) ミネラル吸収促進剤及びその用途
RU2509477C1 (ru) Новые композиции подсластителей
De Cock Erythritol
JPS63502558A (ja) 甘味菓子製品とその製法
WO2018077277A1 (zh) 一种含维生素c钠的咀嚼片及其制备方法
JP2983503B2 (ja) 高い生物学的利用能をもつ鉄‐カルシウムミネラル補給物
JP4352354B2 (ja) 固形状インスタントゼリーミックス
JP2010178683A (ja) 生体機能改善作用を持つd−ソルボース含有機能性甘味料およびそれを使用して得られた飲食品等
CZ2000589A3 (cs) Pevný nebo polopevný prostředek pro orální použití k omezení erose zubů
JPH07252156A (ja) 骨粗鬆症予防治療材
KR20170007303A (ko) 전해질 대체를 제공하기 위한 식품, 시스템, 방법 및 키트
JP3859988B2 (ja) 高血圧症予防・改善・治療剤
JP3501237B2 (ja) ミネラル吸収促進剤
JP2920434B2 (ja) カルシウム及び食物繊維含有飲食物とその製造方法
JPS6094912A (ja) 体内中性脂肪低減剤
JP4070844B2 (ja) マグネシウム含有経口組成物
JPH1189541A (ja) 塩基性ミネラル含有経口摂取用組成物
JP7217089B2 (ja) 血糖値上昇抑制剤及びこれを含んでなる経口組成物
EP3294074B1 (en) Fast-dissolving co-crystalline lactose
JPH09121811A (ja) 易吸収性カルシウム組成物
CN113747922A (zh) Glp-1分泌促进用组合物
JP2007185187A (ja) 低カロリーゼリーの調製方法
JP3342971B2 (ja) カルシウム補給強化食品、食材または菓子
JP6904472B1 (ja) 固形物
JP3194672B2 (ja) カルシウムおよびマグネシウム経口補給剤、およびそれを配合してなる食品

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20071016

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20071128

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20071128

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20071225

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080116

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110125

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees