JPH115958A - アルカリ剥離性粘着剤組成物及びアルカリ剥離性粘着シート - Google Patents

アルカリ剥離性粘着剤組成物及びアルカリ剥離性粘着シート

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JPH115958A
JPH115958A JP9178994A JP17899497A JPH115958A JP H115958 A JPH115958 A JP H115958A JP 9178994 A JP9178994 A JP 9178994A JP 17899497 A JP17899497 A JP 17899497A JP H115958 A JPH115958 A JP H115958A
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sensitive adhesive
pressure
alkali
sea
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JP9178994A
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English (en)
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Daisuke Kamiya
大介 神谷
Kiyokazu Mizutani
清和 水谷
Youichi Kirito
洋一 桐戸
Akiyoshi Koketsu
明美 纐纈
Makoto Niwa
真 丹羽
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Toagosei Co Ltd
Original Assignee
Toagosei Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アルカリ剥離性が良く、しかも耐水性及び粘
着物性に優れたアルカリ剥離性粘着剤組成物及びこの粘
着剤組成物を用いたアルカリ剥離性粘着シートを提供す
る。 【解決手段】 本発明のアルカリ剥離性粘着剤組成物
は、下記成分A及び下記成分Bからなる水性エマルジョ
ン型の粘着剤組成物であって、該組成物は成分Aが外側
に成分Bが内側に位置した粒子からなり、下記成分Aが
島となり下記成分Bが海となる海島構造を備えた粘着剤
層を形成することを特徴とする。 成分A:酸価1meq/g以上の樹脂が塩基により中和
された水溶性樹脂。 成分B:ラジカル重合性単量体を乳化重合させて得ら
れ、酸価が0.6meq/g以下であり、且つガラス転
移温度が−20℃以下である重合体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルカリ性の水に
より被着体から容易に剥離することができ、しかも耐水
性及び粘着物性に優れたアルカリ剥離性粘着剤組成物及
びアルカリ剥離性粘着シートに関する。
【0002】
【従来の技術】ビール瓶等の飲料物充填用の瓶に貼り付
けられるラベルには、被着体である瓶に対する接着力が
高く、且つ冷水浸漬時における耐水性が良好であり、更
に瓶を洗浄する際のアルカリ水によって瓶から短時間で
剥離する性質(以下、「アルカリ剥離性」という。)が
要求される。従来、このようなラベルの貼り付けには、
でん粉系接着剤、カゼイン系接着剤及びポリビニルアル
コール系接着剤等の接着剤、いわゆる「コールドグル
ー」等が主に使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のような接着剤を
設けたラベルは粘着力を有していないため、瓶等に貼り
付ける際、基材の裏面(瓶等への貼付面)に接着剤を塗
りながら貼り付けを行う。従って、貼付装置自体が複雑
で高価になりがちである。また、基材の裏面に接着剤を
塗布するとラベルにカールが生じ、このため瓶等への貼
り付け後ラベルに皺や浮きが発生してラベル不良となり
美観を損なうという問題を有する。そこで、上記接着剤
に代えて粘着剤によりラベルを貼り付けることが検討さ
れている。
【0004】しかし、瓶ラベル用として従来検討されて
きた粘着剤は、コールドグルー型接着剤に比べて一般に
アルカリ剥離性の低いものであった。また、アルカリ剥
離性を高くしようとすると耐水性や粘着力が低下してし
まい、これらの特性をいずれも良好とすることは困難で
あった。
【0005】本発明の目的は、アルカリ剥離性が良く、
しかも耐水性及び粘着物性に優れたアルカリ剥離性粘着
剤組成物を提供することにある。本発明の他の目的は、
上記アルカリ剥離性粘着剤組成物から形成された粘着剤
層を基材上に設けた、アルカリ剥離性が良く、しかも耐
水性及び粘着物性に優れたアルカリ剥離性粘着シートを
提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、耐水性及
び接着力を付与する連続層と、アルカリに対する溶解性
又は膨潤性が高い不連続層(分散層)と、からなる海島
構造を備えた粘着剤層を基材上に有する粘着シートによ
れば上記課題を解決可能であること、及び、このような
粘着剤層を形成しうる粘着剤組成物を見出して、本発明
を完成した。
【0007】即ち、本発明における第1発明のアルカリ
剥離性粘着剤組成物は、下記成分A及び下記成分Bから
なる水性エマルジョン型の粘着剤組成物であって、該組
成物は成分Aが外側に成分Bが内側に位置した粒子から
なり、下記成分Aが島となり下記成分Bが海となる海島
構造を備えた粘着剤層を形成することを特徴とする。 成分A:酸価1meq/g以上の樹脂が塩基により中和
された水溶性樹脂。 成分B:ラジカル重合性単量体を乳化重合させて得ら
れ、酸価が0.6meq/g以下であり、且つガラス転
移温度が−20℃以下である重合体。
【0008】第1発明のアルカリ剥離性粘着剤組成物
は、耐水性及び粘着性を付与するための成分Bからなる
連続層中に、アルカリ溶解性又はアルカリ膨潤性の高い
成分Aからなる不連続層が分散した構造の粘着剤層を形
成する。本発明の粘着剤組成物によると、この粘着剤層
において、上記構造を有することにより良好な耐水性及
び粘着性と優れたアルカリ剥離性とを両立させることが
できる。また、本発明の粘着剤組成物は、水溶性の成分
Aが外側に位置し、成分Bが内側に位置した粒子からな
るので、成分Aが水不溶性である場合に比べて組成物の
液安定性が良好である。
【0009】この粘着剤組成物は、第2発明のように、
成分A及び成分Bからなり、成分Aが高分子乳化剤であ
って前記成分Bの乳化重合に使用されたものであり、成
分Bが成分Aの存在下においてラジカル重合性単量体を
乳化重合させて得られた重合体であることが好ましい。
【0010】成分Aと成分Bとの好ましい重量比は、第
3発明のように、成分A/成分B=5/95〜50/5
0の範囲である。
【0011】また、成分Aは、第4発明のように、α,
β−エチレン性不飽和カルボン酸単位及び疎水性のラジ
カル重合性単量体単位を主構成単位とする、ガラス転移
温度が20℃以上の共重合体であることが好ましい。
【0012】そして、本発明における第5発明は、第1
発明〜第4発明のアルカリ剥離性粘着剤組成物から形成
された粘着剤層を基材上に有するアルカリ剥離性粘着シ
ートに関する。即ち、第5発明のアルカリ剥離性粘着シ
ートは、上記成分Aが島であり上記成分Bが海である海
島構造を備えた粘着剤層を基材上に有し、JIS Z0
237に規定する180度ひきはがし法による粘着力が
温度25℃において100g/25mm以上であること
を特徴とする。
【0013】この粘着シートは、第6発明のように、第
1発明〜第4発明の粘着剤組成物を基材上に塗布し、こ
れを加熱することにより海島構造を備えた粘着剤層を基
材上に形成させてなるものとすることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
尚、以下において、アクリル及び/又はメタクリルを
「(メタ)アクリル」と、アクリレート及び/又はメタ
クリレートを「(メタ)アクリレート」という。
【0015】また、本明細書中において重合体の「ガラ
ス転移温度」(以下、「Tg」という。)とは、以下の
計算式から求められる値をいう。尚、この計算式中
に用いられるTgのみは絶対温度(K)で表し、明細書
中の他の部分において用いられるTgは摂氏温度(℃)
で表す。
【0016】
【数1】 1/Tg={W(a)/Tg(a)}+{W(b)/Tg(b)}+{W(c)/Tg(c)}+… ・・・ 上記の式中; Tg =重合体のTg(K) W(a)=重合体における単量体(a)からなる構造単位の
重量分率 W(b)=重合体における単量体(b)からなる構造単位の
重量分率 W(c)=重合体における単量体(c)からなる構造単位の
重量分率 Tg(a)=単量体(a)の単独重合体のガラス転移温度
(K) Tg(b)=単量体(b)の単独重合体のガラス転移温度
(K) Tg(c)=単量体(c)の単独重合体のガラス転移温度
(K)
【0017】また、本明細書中において「酸価」とは樹
脂又は重合体の固形分あたりの酸価を指し、常法により
算出された理論酸価をいう。酸価の単位として用いる
「meq/g」は、樹脂又は重合体の固形分1g中の酸
のミリグラム当量数を表す。
【0018】本明細書に記載の「海島構造」はよく知ら
れた概念であり、例えば「新版高分子辞典(高分子学会
・高分子辞典編集委員会編集、朝倉書店発行)」第31
頁の「海島構造」の項に詳しく記載されている。本明細
書において「海島構造を有する」とは、海(連続層)が
完全に連続しており島(不連続層)の全てが海中に独立
して分散している構造に限らず、海が部分的に途切れて
いる状態及び島の一部が互いに融合している状態等をも
含む意味である。
【0019】(1)成分Aについて 本発明における成分Aは、水溶性樹脂であって、酸価1
meq/g以上の樹脂が塩基により中和されたものであ
る。
【0020】(1−1)酸価 上記成分Aの中和前における酸価(以下、単に「成分A
の酸価」という。)は1meq/g以上である必要があ
り、1meq/g〜5meq/gであることが好まし
い。この酸価が1meq/g未満である場合には、上記
成分Aのアルカリ溶解性又は膨潤性が不足するため、粘
着剤層に十分なアルカリ剥離性を付与することができな
い。また、成分Aの水に対する溶解性が不足するため、
この成分Aを含む粘着剤組成物の液安定性が不十分とな
ったり、成分Aの存在下において成分Bの乳化重合を行
う場合に重合が不安定となったりする。一方、成分Aの
酸価が5meq/gを超える場合には、粘着剤層の耐水
性が不足する場合がある。
【0021】(1−2)組成 上記範囲の酸価を有する成分Aとしては、カルボキシル
基又はスルホン酸基を有するラジカル重合性単量体単位
及び他のラジカル重合性単量体単位からなる共重合体、
ロジン誘導体等が挙げられる。
【0022】上記ロジン誘導体としては、ロジン又は水
素添加ロジンを有機酸、具体的には無水マレイン酸、無
水フタル酸等の二塩基酸無水物で変性した樹脂(以下、
「有機酸変性ロジン」という。)の、塩基による中和物
等を使用可能である。有機酸変性ロジンの具体例として
は、ハリマ化成株式会社製の商品名ハリマックT−8
0;理化ハーキュレス株式会社製の商品名ペンタリン2
55及び同261;荒川化学株式会社製の商品名マルキ
ードNO31、同NO32、同NO33及びKE−60
4;等が挙げられる。
【0023】本発明においては、上記成分Aとしてα,
β−エチレン性不飽和カルボン酸単位及び疎水性のラジ
カル重合性単量体単位を主構成単位とする共重合体が好
ましく使用され、上記共重合体のうちガラス転移温度が
20℃以上のものがより好ましく使用される。上記α,
β−エチレン性不飽和カルボン酸としては、例えばアク
リル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマ
ル酸、イタコン酸、シトラコン酸、無水マレイン酸等を
挙げることができ、これら単量体の1種又は2種以上を
用いることができる。上記酸価を与えるα,β−エチレ
ン性不飽和カルボン酸の使用量は、用いる不飽和カルボ
ン酸の種類によって異なるが、成分Aの合成に用いられ
る全単量体の合計重量に基づいて、通常3〜40重量%
程度であることが好ましい。
【0024】上記α,β−エチレン性不飽和カルボン酸
と共に用いるラジカル重合性単量体としては、水100
gに対する溶解度が2g以下である疎水性ラジカル重合
性単量体が好ましく、例えば、メタクリル酸メチル、
(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸イソプ
ロピル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)ア
クリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、
(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸シク
ロヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、
(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸
イソオクチル、(メタ)アクリル酸n−ノニル及び(メ
タ)アクリル酸イソノニル等の(メタ)アクリル酸アル
キル;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン
等のビニル芳香族系単量体等が挙げられる。これらの単
量体の使用量は、成分Aの合成に用いられる全単量体の
合計量を基準にして、30〜80重量%が好ましい。
【0025】また、成分Aを合成するために、上記α,
β−エチレン性不飽和カルボン酸以外の親水性ラジカル
重合性単量体を必要に応じて使用してもよい。このよう
な親水性ラジカル重合性単量体としては、例えば、アク
リル酸メチル、酢酸ビニル、アクリロニトリル、(メ
タ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリ
ル酸2−ヒドロキシプロピル、ポリエチレングリコール
モノ(メタ)アクリレート 、ポリプロピレングリコー
ルモノ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸アミ
ド、N−メチロールアクリルアミド、メタクリル酸グリ
シジル、スチレンスルホン酸及びそのナトリウム塩並び
に2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸
及びそのナトリウム塩等が挙げられる。
【0026】(1−3)製造方法 上記成分Aがラジカル重合性単量体の重合体である場
合、この成分Aを得るための重合法としては種々の重合
法が採用でき、例えば放射線照射による重合法、ラジカ
ル重合開始剤を用いる方法などの公知の方法を使用でき
る。そのうちでも、ラジカル重合開始剤を用いる重合法
が重合操作の容易性、得られる中和前共重合体における
分子量調節の容易性などの点から好ましい。また、重合
法としては、溶液重合法、バルク重合法、懸濁重合法、
乳化重合法、沈殿重合法などがあげられるが、溶液重合
法又は乳化重合法を用いることが好ましい。
【0027】この溶液重合法においては、上記ラジカル
重合性単量体を有機溶媒に溶解し、適当なラジカル重合
性開始剤を用いて重合を行うことによって成分Aを円滑
に得ることができる。この有機溶媒としては、ケトン
系、酢酸エステル系、芳香族炭化水素系、脂肪族炭化水
素系、アルコール系等から選択される1種又は2種以上
の有機溶媒を使用可能であり、このうちメチルエチルケ
トン及び/又はイソプロピルアルコールを用いることが
好ましい。また、上記溶液重合に用いるラジカル重合開
始剤としては、一般のラジカル重合に用いられているも
ののいずれもが使用可能であり、例えば過硫酸塩系重合
開始剤、アゾ系重合開始剤、レドックス系重合開始剤等
を挙げることができる。重合開始剤の好ましい使用量
は、単量体の合計量を基準にして、0.1〜5重量%で
ある。
【0028】また、上記成分Aを乳化重合法により製造
する場合には、例えば特開平6−271779号公報に
開示されているように、上記ラジカル重合性単量体を乳
化剤とともに水に混合分散して単量体エマルジョンを作
成し、適当なラジカル重合性開始剤を用いて反応器に連
続添加して重合を行うことによって上記成分Aを円滑に
得ることができる。
【0029】成分Aを得るための重合温度は、10〜1
50℃程度であるのが好ましく、60〜100℃である
のがより好ましい。また、重合時間は1〜100時間が
適当であり、より好ましくは3〜10時間である。
【0030】また、成分Aの数平均分子量は、1,000
〜50,000であることが好ましい。数平均分子量が
1,000未満であると粘着剤層の耐水性が不足しやす
くなる。一方、数平均分子量が50,000を超えると
高粘度となって成分Aの製造が困難となるとともに、成
分Aの水に対する溶解性が不十分となって組成物の液安
定性が低下したり、成分Aの存在下において成分Bの乳
化重合を行う場合に重合が不安定となったりする。この
数平均分子量を調節するために、重合系に連鎖移動剤を
適宜添加してもよい。
【0031】成分Aは、上記のようにして合成された成
分Aの酸性基、例えばカルボキシル基、スルホン酸基等
の一部又は全部が塩基で中和されたものである。中和に
用いる塩基としては、アンモニア;アルキルアミン、ア
リルアミン及びアルカノールアミン等のアミン類;水酸
化ナトリウム及び水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸
化物;マグネシウム及びカルシウム等のアルカリ土類金
属塩;等を使用可能である。このうち、アンモニア、メ
チルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、イソプロ
ピルアミン等の沸点110℃以下の塩基を用いることが
好ましく、アンモニアを用いることが特に好ましい。こ
の場合には、塗工後の乾燥工程において粘着剤層から塩
基が除去されやすくなるので、耐水性に優れた粘着剤層
を得ることができる。
【0032】本発明における成分Aは、必ずしも完全に
中和されていなくてもよいが、この成分Aが水溶性とな
る程度には中和されている必要がある。具体的には、成
分Aのもつ酸性基の30モル%以上が中和されているこ
とが好ましく、50モル%以上が中和されていることが
より好ましい。酸性基の中和量が30モル%未満である
場合、成分Aの水に対する溶解性が不足すると、経時に
より液が分離する等、粘着剤組成物が不安定となりやす
い。また、成分Aの界面活性能が低いため、この成分A
の存在下において成分Bを乳化重合させる場合に重合が
不安定となりやすい。
【0033】(2)成分Bについて 本発明における成分Bは、ラジカル重合性単量体を乳化
重合させて得られ、酸価が0.6meq/g以下であ
り、且つTgが−20℃以下の重合体である。
【0034】(2−1)酸価 上記成分Bの酸価は、0.6meq/g以下である必要
があり、0.1meq/g以下であることが好ましく、
0.03meq/g以下であることが更に好ましい。こ
の酸価が0.6meq/gを超えると粘着剤層の耐水性
が不足する。本発明の成分Bとしては、酸価が0meq
/gである重合体が特に好ましく使用される。
【0035】(2−2)ガラス転移温度 上記成分BのTgは、−20℃以下である必要があり、
−50℃以下であることが好ましい。Tgが−20℃を
超えると、粘着剤層の粘着力が不十分となるとともに、
例えば粘着剤層をアルカリ水に浸漬した際にこのアルカ
リ水が成分B中に分散した成分Aにまで浸透しにくくな
るため、粘着剤層のアルカリ剥離性が低下する場合があ
る。
【0036】(2−3)組成 上記成分Bとしては、ラジカル重合性単量体の乳化重合
により得られ、酸価及びTgが上記範囲を満たす種々の
重合体を用いることができる。例えば、(メタ)アクリ
ル酸エステルを主成分とするラジカル重合性単量体(以
下、「アクリル系単量体」という。)の乳化重合物、エ
チレン及びビニルエステルを主成分とするラジカル重合
性単量体(以下、「エチレン−ビニルエステル系単量
体」という。)の乳化重合物、共役ジエン単量体及びこ
の共役ジエン単量体と共重合可能な単量体(以下、「共
役ジエン系単量体」という。)を主成分とするラジカル
重合性単量体の乳化重合物等を使用可能である。上記成
分Bがエチレン−ビニルエステル系単量体又は共役ジエ
ン系単量体の乳化重合物である場合には、ポリオレフィ
ン系樹脂に対する粘着力が良好な粘着剤組成物が得られ
やすいという利点がある。一方、上記成分Bがアクリル
系単量体の乳化重合物である場合には、耐候性や透明性
に優れた粘着剤層が得られやすいという利点がある。
【0037】上記「エチレン−ビニルエステル系単量
体」における「ビニルエステル系単量体」としては、酢
酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ピバリン
酸ビニル、ラウリン酸ビニル、バーサチック酸ビニル等
がある。また、上記「共役ビニル系単量体」における
「共役ビニル単量体」としては、ブタジエン、イソプレ
ン、クロロプレン、イソブチレン等が挙げられる。
【0038】そして、上記「アクリル系単量体」として
は、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分と
し、必要に応じてこれと共重合し得る他のラジカル重合
性単量体(以下、これを「共重合性単量体」ということ
がある。)を少量、好ましくは40重量%以下併用した
ものが好ましく用いられる。上記「(メタ)アクリル酸
アルキルエステル」としては、アルキル基の炭素数が1
〜12である(メタ)アクリル酸アルキルエステルが好
ましく用いられる。具体的には、(メタ)アクリル酸メ
チル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸
イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メ
タ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブ
チル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル
酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキ
シル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アク
リル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸n−ノニル及
び(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸
デシル、(メタ)アクリル酸ラウリル等を挙げることが
でき、これらの(メタ)アクリル酸アルキルエステルの
1種又は2種以上を用いることができる。特に本発明で
は、成分Bの製造に用いるラジカル重合性単量体とし
て、アルキル基の炭素数が4〜9である(メタ)アクリ
ル酸アルキルエステルの1種又は2種以上を主成分とし
て用いることが好ましい。
【0039】また、上記したように、成分Bの製造にあ
たっては(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共に、
少量成分として他の共重合性単量体を用いてもよい。こ
のような「他の共重合性単量体」としては、例えば、ス
チレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等のビニ
ル芳香族系単量体;(メタ)アクリル酸、クロトン酸、
ケイ皮酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸等の不飽
和カルボン酸;イタコン酸モノエチルエステル、フマル
酸モノブチルエステル、マレイン酸モノブチルエステル
等の不飽和ジカルボン酸のモノアルキルエステル;(メ
タ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリ
ル酸2−ヒドロキシプロピル、ポリエチレングリコール
モノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール
モノ(メタ)アクリレート等の水酸基含有ビニル単量
体;(メタ)アクリロニトリル、酢酸ビニル、(メタ)
アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、メタ
クリル酸グリシジル、酢酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビ
ニリデン等を挙げることができ、これらの共重合性単量
体の1種又は2種以上を用いることができる。
【0040】上記「他の共重合性単量体」を用いる場合
は、成分Bの製造に用いるラジカル重合性単量体の合計
重量に基づいて、その使用割合が上記したように40重
量%以下であることが好ましい。使用割合が40重量%
を超えると、粘着剤層において海となる成分Bの粘着性
が低下することから、粘着剤層全体としての粘着力も不
足しやすくなるためである。
【0041】(2−4)製造方法 上記成分Bを得る方法の一例として、従来公知の界面活
性剤を乳化剤とする通常の乳化重合法を挙げることがで
きる。ここで使用する界面活性剤としては、高級アルコ
ール硫酸エステルナトリウム塩、アルキルベンゼンスル
ホンナトリウム酸塩、コハク酸ジアルキルエステルスル
ホン酸ナトリウム塩及びアルキルジフェニルエーテルジ
スルホンナトリウム酸等の陰イオン界面活性剤;ポリオ
キシエチレンアルキルアリルエーテル及びポリオキシエ
チレンポリオキシプロピレンブロック共重合体等の非イ
オン性界面活性剤を挙げることができる。更に、アリル
アルキルスルホン酸ナトリウム、アルキルアリルスルホ
コハク酸塩及びポリオキシエチレンアルキルアリルグリ
セリンエーテルサルフェート等の反応性陰イオン界面活
性剤を使用してもよい。
【0042】また、成分Bを得る他の方法としては、第
2発明のように、成分Bの製造に用いるラジカル重合性
単量体を成分Aの存在下において乳化重合させる方法が
挙げられる。この乳化重合法においては、成分Aが界面
活性剤(乳化剤)として機能するので、乳化重合時に保
護コロイドや他の界面活性剤などの乳化剤の使用量を通
常の乳化重合の場合よりも少量にできる。更に、所望に
より他の乳化剤は一切使用しないことも可能である。そ
の結果、通常の乳化重合によって成分Bを製造した場合
に比べて、粘着剤層の耐水性を向上させることができ
る。尚、このように成分Bの製造に用いるラジカル重合
性単量体を成分Aの存在下において乳化重合させると、
成分A及び成分Bの両方を含むエマルジョンが得られ
る。従ってこの場合には、別途成分Aを加えることなく
このエマルジョンから本発明の粘着剤層を形成すること
ができ、耐水性の面から、該製造方法がもっとも好まし
い。或いは、このようにして得られたエマルジョンに、
成分Aを更に加えてもよい。
【0043】成分Bを得るための乳化重合に使用し得る
重合開始剤としては、乳化重合に一般に用いられている
重合開始剤のいずれもが使用可能であり、例えば成分A
を得るためのラジカル重合開始剤の例として前述したも
のと同様の有機過酸化物、無機過酸化物又はアゾ系化合
物等を使用することができる。重合開始剤の好ましい使
用量は、単量体の合計量を基準にして、0.1〜5重量
%である。
【0044】この成分Bは、酸性基をもたないことが好
ましいが、上記酸価以下となる範囲で酸性基を有しても
良い。また成分Bは、成分Aを加えた際に系内が不安定
となることを防止するために、成分Aの中和に用いられ
る塩基等により中和してそのpHを成分AのpHに近づ
けておくことが好ましい。
【0045】(3)粘着剤組成物について 本発明の粘着剤組成物は、上記成分Aと上記成分Bと
を配合したものであってもよく、また、上記成分Bの
製造に用いられるラジカル重合性単量体を上記成分Aの
存在下において乳化重合させた反応生成物からなるもの
であってもよい。上記の場合には、粘着剤組成物の製
造が簡単であるとともに高固形分の組成物を得やすいと
いう利点がある。一方、上記の場合には、上記成分B
の乳化重合において上記成分Aを乳化剤として利用する
ので、前述のように粘着剤層の耐水性を向上させること
ができ、また、組成物の貯蔵安定性に優れるという利点
がある。即ち、成分Aと成分Bとを配合すると、配合に
よって成分Bからなるエマルジョンのポリマー粒子表面
に吸着していた界面活性剤の一部又は全部が脱離して成
分Aに置き換わる変化によってこの混合液の貯蔵安定性
が損なわれる場合があり、著しい場合には混合液がゲル
化して塗工不能となる恐れがあるが、上記の場合には
このような問題が防止される。更に、本発明の粘着剤組
成物は、上記成分Bの製造に用いられるラジカル重合性
単量体を上記成分Aの存在下において乳化重合させた重
合体に対して、上記成分Aを更に配合したものであって
もよい。
【0046】(3−1)成分Aと成分Bとの重量比 本発明の粘着シートの粘着剤層、及び本発明の粘着剤組
成物において、成分Aと成分Bとの重量比は、成分A/
成分B=5/95〜50/50であることが好ましく、
成分A/成分B=10/90〜40/60であることが
更に好ましい。成分Aと成分Bとの合計重量に対して成
分Aの重量比が5%未満であると、粘着剤層のアルカリ
剥離性が不十分となる場合がある。一方、成分Aの重量
比が50%を超えると、粘着剤層の耐水性が低下すると
ともに粘着力が不足しやすくなるため好ましくない。ま
た、成分Aの重量比が高すぎると、本発明の組成物から
得られる粘着剤層において、成分Aを島とし成分Bを海
とした海島構造を形成しにくくなる。
【0047】(3−2)液性状 本発明の粘着剤組成物は、その固形分濃度が30〜70
重量%であることが好ましく、35〜65重量%である
ことが更に好ましい。固形分濃度が30重量%未満であ
るとこの組成物の乾燥性が不足し、一方70重量%を超
える場合には製造が困難となるとともに組成物の粘度が
過剰に高くなりやすい。
【0048】本発明の組成物は、水溶性樹脂である成分
Aが外側に位置し、成分Bが内側に位置した粒子からな
る。従って、成分Aの存在によって成分Bの水への分散
状態が安定化されるので、組成物の液安定性を補うため
に添加される他の乳化剤の使用量を減らすことができ、
これにより粘着剤層の耐水性が更に向上する。また、本
発明の成分Aは水溶性であるので、成分Aが水不溶性で
ある場合とは異なり、組成物中において成分Aの沈降や
凝集等が生じないので組成物の液安定性が良好である。
【0049】(3−3)その他の成分 本発明の粘着シートの粘着剤層、及び本発明の粘着剤組
成物は、その用途に応じて、一般的な粘着剤に通常使用
される消泡剤、界面活性剤、防カビ剤、香料、中和剤、
粘着付与剤、増粘剤、レベリング調整剤、凍結防止剤、
発泡剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、補強剤、充てん
剤、顔料、蛍光増白剤、帯電防止剤、抗ブロッキング
剤、難燃剤、架橋剤、可塑剤、滑剤、有機溶剤又は着色
剤等の1種又は2種以上を含有してもよい。
【0050】(4)粘着シートについて 本発明のアルカリ剥離性粘着シートは、基材と、この基
材上に形成されており上記成分Aが島となり上記成分B
が海となる海島構造を備えた粘着剤層と、からなる。
【0051】(4−1)基材 本発明の粘着シートにおける基材の種類は特に制限され
ず、この粘着シートの用途等に応じて適当なものを使用
すればよく、例えば、布、紙、皮革、木材、金属、ガラ
ス、各種プラスチックなどからなるフィルムやシート、
板、発泡プラスチックシート等などを挙げることができ
る。前記プラスチックからなる基材としては、ポリエス
テル、ポリアミド、塩化ビニル系重合体、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリウレタンなどからなる基材を
挙げることができる。また、基材の形状は、長尺体、所
定の寸法に切断したもの(例えば方形、円形、楕円形、
その他の形状にあらかじめ切断したもの)などのいずれ
であってもよい。
【0052】(4−2)粘着剤層 本発明の粘着シートにおける粘着剤層は、耐水性及び粘
着性の良好な成分Bからなる連続層(海)中に、アルカ
リ溶解性又はアルカリ膨潤性の高い成分Aからなる不連
続層(島)が分散した海島構造を備える。この粘着剤層
は、本発明における第1発明〜第4発明の粘着剤組成物
を、例えば上記基材に直接塗布した後に乾燥させるか、
或いは離型紙等に塗布して乾燥させた後に上記基材に転
写する等の方法により形成される。粘着剤組成物の塗布
方法は特に制限されず、例えば、ロールコーター塗布、
スプレー塗布、流延塗布、ドクターブレード塗布、ハケ
塗り等の任意の方法を用いて行えばよい。
【0053】塗布された粘着剤組成物は、(1)これを乾
燥させることにより成分Aが島となり成分Bが海となる
海島構造を備えた本発明の粘着剤層を形成するか、或い
は、(2)乾燥によって成分Aが海となり成分Bが島とな
る海島構造を備えた初期粘着剤層を形成し、その後(粘
着シートの貼り付け時等)に改めて熱を加えることによ
り、成分Aが島となり成分Bが海となる海島構造を備え
た本発明の粘着剤層に変化する。
【0054】例えば、第2発明のように成分Aの存在下
における乳化重合により成分Bを製造すると、通常は成
分Bからなる粒子の界面付近に成分Aが存在するエマル
ジョン粒子が得られる。このエマルジョン粒子からなる
粘着剤組成物は、塗布後に所定量以上の熱が加えられた
場合には、成分Aが島となり成分Bが海となる海島構造
を備えた本発明の粘着剤層を形成する。
【0055】また、上記構造のエマルジョン粒子からな
る粘着剤組成物は、乾燥温度等を調節することにより、
エマルジョン粒子の構造を反映して成分Aが海となり成
分Bが島となる海島構造を備えた初期粘着剤層を形成す
る。この初期粘着剤層は、例えば60℃程度以上に加熱
されることにより、成分Aと成分Bとの海島を逆転させ
て本発明の粘着剤層とすることができる。ここで、成分
Aとして常温における粘着力が極めて低いか或いは粘着
力をもたない材料を選択すれば上記初期粘着剤層も低粘
着性又は非粘着性となり、これを加熱することにより高
粘着性の粘着剤層に変化させることができる。この場合
には、本発明の粘着シート及び粘着剤組成物をいわゆる
ディレードタック型として用いることができる。ここ
で、初期粘着剤層を粘着性の粘着剤層に変化させるため
の加熱温度が高すぎると、粘着シートの貼り付け作業性
や熱効率が低下したり、基材が変質又は変形したりする
恐れがある。このため、上記加熱温度は60〜180℃
とすることが好ましく、60〜140℃とすることが更
に好ましい。
【0056】尚、従来のディレードタック型粘着剤とし
て、例えば特公昭62−21835号公報及び特開平6
−10084号公報には、フタル酸ジシクロヘキシル等
の結晶性固体可塑剤又はその表面をコロイドによりコー
ティングしたものを、エチレン−酢酸ビニル共重合体等
の熱可塑性樹脂に混合した粘着剤が開示されている。そ
して、これらの先行文献にはその粘着剤が、常温では非
粘着性であり、加熱により可塑剤が融解し粘着力が発現
すると記載されている。また、特開平8−269420
号公報には、粘着シートの保管時等に粘着性の発現を抑
制する非粘着性の樹脂[成分(A)]と、加熱処理によ
ってこの粘着シートに粘着性を発現させるためのアクリ
ル系樹脂エマルジョン[成分(B)]とからなる粘着剤
組成物が開示されている。上記公報には、この粘着剤組
成物を比較的低温で乾燥させることにより非粘着性の初
期粘着剤層が得られ、これを十分に加熱することにより
粘着剤層の粘着性が発現すると記載されている。
【0057】しかし、この加熱処理後の粘着剤層中にお
いて、成分Aと成分Bとが均一に混じり合うのではな
く、「成分Aが島となり成分Bが海となる海島構造」が
形成されていることは、本発明者らによって初めて見出
されたものである。
【0058】
【実施例】以下、実施例及び比較例により、本発明を更
に具体的に説明する。尚、以下の各例において、特に断
らない限り、「部」及び「%」は、それぞれ「重量部」
及び「重量%」を示す。また、以下において使用する略
号及びその内容を下記表1に示す。更に、本明細書にお
いて重合体のTgを算出するために用いた、各単量体の
単独重合体のTg値を併せて示す。
【0059】
【表1】 略 号 : 内 容 Tg(℃) BMA :メタクリル酸ブチル 20 MMA :メタクリル酸メチル 105 HEMA :メタクリル酸2−ヒドロキシエチル 55 MAA :メタクリル酸 130 ST :スチレン 100 AA :アクリル酸 105 AEH :アクリル酸2−エチルヘキシル − 85 BA :アクリル酸ブチル − 54 EL :エチレン −125 VAC :酢酸ビニル 30 BD :ブタジエン − 83 HEA :アクリル酸2−ヒドロキシエチル − 15 AIBN :2,2’−アゾビスイソブチロニトリル APS :過硫酸アンモニウム
【0060】[1]粘着剤組成物の調整 [1−1]成分A存在下の乳化重合による粘着剤組成物
の合成 [1−1−1]成分Aの合成又は調整 (a)溶液重合法による成分Aの合成 下記合成例1〜5は、本発明の成分Aに相当する成分A
1〜4及び比較例に用いる成分a5を、溶液重合法によ
り合成した例である。
【0061】(合成例1) (1)単量体としてのMMA90部及びAA10部、連
鎖移動剤としてのドデシルメルカプタン1.5部、有機
溶媒としてのメチルエチルケトン100部からなる混合
液に、重合開始剤としてのAIBNを1.5部溶解した
ものを、攪拌機、コンデンサ、温度計及び窒素導入管を
備えたフラスコに仕込み、窒素雰囲気下において80℃
に4時間加熱して重合させた。その後、更に0.5部の
AIBNを投入して同温度に5時間加熱し、固形分含量
50%の共重合体(酸価1.4meq/g)のメチルエ
チルケトン溶液を得た。この共重合体は、上述した成分
Aに相当する。 (2)上記(1)で得られた共重合体のメチルエチルケ
トン溶液200部に、撹拌下においてアンモニア水を徐
々に加えることにより、この共重合体におけるカルボキ
シル基の中和を行って反応液のpHを7〜8程度とし
た。その後、温度50℃の減圧下でメチルエチルケトン
を除去し、カルボキシル基の中和された成分A1の水溶
液A1aqを得た。この水溶液A1aqの固形分含量は50
%であり、そのpHは7.7であった。
【0062】(合成例2〜5)単量体組成、連鎖移動剤
量及び混合液に溶解する開始剤量を下記表2に示すとお
りとした他は上記合成例1と同様の方法により、実施例
に用いる成分A2〜成分A4及び比較例に用いる成分a
5をそれぞれ合成した。尚、表2に示すように、この成
分a5は、中和前における酸価が1meq/gに満たな
い重合体である。
【0063】
【表2】
【0064】(b)乳化重合法による成分Aの合成 下記合成例6〜9は、本発明の成分Aに相当する成分A
6〜9を、乳化重合法により合成した例である。
【0065】(合成例6) (1)単量体としてのMMA90部及びAA10部に、
連鎖移動剤としてのチオグリコール酸オクチル3部を混
合して単量体混合物とした。この単量体混合物100部
に、重合用乳化剤としてのラウリル硫酸ナトリウム0.
1部及び脱イオン水50部を加え、攪拌により乳化させ
て単量体乳化物を調整した。 (2)攪拌機、コンデンサ、温度計及び窒素導入管を備
えたフラスコに脱イオン水30部を仕込み、窒素雰囲気
下において反応器内を70℃に保ちながらAPS水溶液
(APS2部及び脱イオン水6部からなる)8部及び上
記単量体乳化物150部を3時間かけて滴下した。滴下
終了から更に2時間同温度を維持した後、反応系を冷却
して重合を終了させ、固形分含量50%の水性重合体エ
マルジョンを得た。これは、上述した成分Aに相当する
重合体A6からなるエマルジョンである。上記重合体A
6の酸価は1.4meq/gであった。 (3)上記エマルジョンを攪拌しながらアンモニア水を
徐々に加えることにより、上記重合体A6におけるカル
ボキシル基の中和を行って反応液のpHを7〜8程度と
し、成分A6の水溶液を得た。この水溶液の固形分含量
は45%であり、そのpHは7.7であった。
【0066】(合成例7〜9)単量体組成、重合用乳化
剤の種類と量、連鎖移動剤量を下記表3に示すとおりと
した他は上記合成例6と同様の方法により、成分A7〜
成分A9をそれぞれ合成した。
【0067】
【表3】
【0068】(c)市販樹脂の中和による成分Aの調整 (合成例10)無水マレイン酸とイソブチレンとのブロ
ック共重合体[(株)クラレ製、商品名「イソバン60
0」、分子量6000、酸価6.5meq/g]をアン
モニア水で中和して、成分A10の水溶液を得た。この
水溶液の固形分含量は30%、pHは9.0であった。
【0069】(合成例11)マレイン酸変性ロジン系合
成樹脂[荒川化学工業(株)製、商品名「マルキード3
2」酸価2.3meq/g]をアンモニア水で中和し
て、成分A11の水溶液を得た。この水溶液の固形分含
量は50%、pHは9.0であった。
【0070】[1−1−2]粘着剤組成物の調整 上記合成例により得られた成分Aの存在下において,成
分Bの製造に用いるラジカル重合性単量体を乳化重合さ
せることにより、以下の水性重合体エマルジョンからな
る粘着剤組成物を合成した。
【0071】(実施例1)BA99部及びHEMA1部
を混合して単量体混合物とした。攪拌機、コンデンサ、
温度計及び窒素導入管を備えたフラスコに、脱イオン水
70部及び合成例1で得た成分A1の水溶液A1aq40
部(有効成分20部)を仕込み、窒素雰囲気下で60℃
に昇温した後、t−ブチルハイドロパーオキサイドの1
0%水溶液5部、ホルムアルデヒドナトリウムスルホキ
シラート二水塩(製鉄化学株式会社製、商品名「ロンガ
リットC」;以下、単に「ロンガリット」という。)の
10%水溶液5部、及び上記単量体混合物80部を3時
間かけて滴下した。滴下終了から更に2時間同温度を維
持した後、反応系を冷却して重合を終了させ、アンモニ
ア水により中和してpHを7〜8とし、固形分含量約5
0%の水性重合体エマルジョンを得た。
【0072】(実施例2)AEH99部及びHEMA1
部を混合して単量体混合物とした。この単量体混合物8
0部に、合成例2で得た成分A2の水溶液A2aq40部
(有効成分20部)及び脱イオン水40部を混合し、攪
拌により乳化させて単量体乳化物を調整した。攪拌機、
コンデンサ、温度計及び窒素導入管を備えたフラスコに
脱イオン水70部を仕込み、窒素雰囲気下で系内を70
℃に昇温した後、攪拌しながらAPSの3%水溶液10
部及び上記単量体乳化物160部を3時間かけて滴下し
た。滴下終了から更に2時間同温度を維持した後、反応
系を冷却して重合を終了させ、アンモニア水により中和
してpHを7〜8とし、固形分含量約50%の水性重合
体エマルジョンを得た。
【0073】(実施例3〜11)上記実施例1において
用いた成分A1に代えて下記表4に示す成分Aを用いた
他は、実施例1と同様の方法により水性重合体エマルジ
ョンを得た。
【0074】(比較例1)上記実施例1において用いた
成分A1に代えて、上記合成例5で得た成分a5を用い
た他は、実施例1と同様の方法により水性重合体エマル
ジョンの製造を試みた。しかし、乳化重合途中において
大量のグリッドが発生するとともに反応液の粘度が著し
く上昇したため実験を中止した。
【0075】
【表4】
【0076】[1−2]成分A及び成分Bの配合による
粘着剤組成物の調整 [1−2−1]通常の乳化重合による成分Bの合成 (合成例10〜12及び合成例15、16)下記の方法
により、実施例に用いる成分B1〜B3及びB6、並び
に比較例に用いる成分b7をそれぞれ合成した。尚、表
5に示すように、この成分b7は、中和前における酸価
が0.6meq/gを超える重合体である。上記実施例
1で用いた成分A1に代えてラウリル硫酸ナトリウム
0.2部を使用し、単量体混合物の組成を下記表5に示
すとおりとした他は、実施例1と同様の方法により水性
重合体エマルジョンを合成した。このエマルジョンは、
本発明における成分Bのエマルジョンに相当する。
【0077】
【表5】
【0078】[1−2−2]成分A存在下の乳化重合に
よる成分Bの合成 (合成例13)この合成例13は、エチレン−ビニルエ
ステル系単量体の乳化重合物である成分Bを、成分Aの
存在下において合成した例である。 (1)攪拌機を備えた温度調節可能な加圧反応器(オー
トクレーブ)の内部を予め窒素置換し、脱イオン水60
部、合成例1で得た成分A1の水溶液A1aq10部(有
効成分5部)、ヒドロキシエチルセルロース0.5部、
酢酸ナトリウム0.06部及びロンガリット0.6部を
仕込んだ。 (2)反応器内を55℃に昇温してELを加え、圧力を
60kg/cm2に調整した後、VAC20部及びAE
H60部からなる単量体混合物と、APSの10%水溶
液40部とを5時間かけて滴下した。滴下終了から更に
2時間同温度を維持した後、反応系を冷却して重合を終
了させ、アンモニア水により中和してpHを7〜8とし
た。これにより、成分A1の存在下において重合された
上記単量体混合物の共重合体B4からなるエマルジョン
を得た。このエマルジョンの固形分含量は50%であ
り、物質収支から計算された共重合体B4の組成は、上
記表5に示すように、EL/VAC/AEH=20/2
0/60であった。また、このエマルジョンにおける成
分A1と共重合体B4との固形分比率は、成分A1/共
重合体B4=40/100であった。
【0079】(合成例14)この合成例14は、共役ジ
エン系単量体の乳化重合物である成分Bを、成分Aの存
在下において合成した例である。攪拌機を備えた温度調
節可能な加圧反応器(オートクレーブ)の内部を予め窒
素置換し、脱イオン水100部、ラウリル硫酸ナトリウ
ム0.2部、合成例1で得た成分A1の水溶液A1aq
0部(有効成分10部)、エチレンジアミン四酢酸ナト
リウム塩0.08部、過硫酸ナトリウム1.2部、水酸
化ナトリウム0.3部、BD50部、BA15部、ST
30部、HEA5部を仕込んで15時間重合させた。重
合終了後、反応液のpHを水酸化ナトリウムにより7に
調整し、スチームストリッピングにより残留モノマーを
除去して共重合体B5からなるエマルジョンを得た。
【0080】[1−2−3]粘着剤組成物の調整 (実施例12〜19及び比較例2〜4)上記合成例によ
り得られた成分Aと成分Bとを下記表6に示す固形分比
で混合して、水性エマルジョン型の粘着剤組成物を合成
した。尚、比較例3及び4は、成分Aを含まない粘着剤
組成物である。
【0081】
【表6】
【0082】[2]粘着剤組成物の評価 上記実施例1〜19及び比較例1〜4により得られた粘
着剤組成物を用いて形成された粘着剤層又は粘着シート
につき、下記(1)〜(4)の測定又は評価を行った。
尚、フタル酸ジシクロヘキシル等の結晶性固体可塑剤を
用いた従来品のディレードタック型粘着ラベル(比較例
5)、及び従来のコールドグルーが塗布されたラベル二
種(比較例6、7)についても同時に測定又は評価を行
った。その結果を下記表7に示す。
【0083】(1)粘着剤層の構造 厚さ50μmのポリエステルフィルム上に、乾燥後の塗
膜の厚みが20μm〜30μmとなるように実施例2の
粘着剤組成物を塗布し、40℃で5分間乾燥させて粘着
剤層を形成した。この粘着剤層(以下、「低温乾燥粘着
剤層」という。)をルテニウム酸水溶液の存在下におい
て蒸気染色し、更にエポキシ樹脂包理したものを、超薄
切片法により透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて観察
した。一方、上記と同様に実施例2の粘着剤組成物を塗
布し、140℃にて2分間乾燥させて得られた粘着剤層
(以下、「高温乾燥粘着剤層」という。)を、同様に処
理して透過型電子顕微鏡により観察した。尚、ルテニウ
ム酸蒸気により染色する上記方法によると、ポリスチレ
ン等は強く染色される一方、ポリメタクリル酸メチル等
はあまり染色されないことが知られている(Macromolecu
les,Vol.16,No.4,1983,P.589〜598)。
【0084】得られたTEM写真を図1(A)及び図1
(B)に示す。図1(A)は、低温乾燥粘着剤層を倍率
100,000で観察したものであり、ルテニウム酸に
より染色されやすい部分(成分A;染色されやすいSt
が共重合されている)が海となり染色されにくい部分
(成分B)が島となった海島構造が形成されていること
が判る。また図1(B)は、高温乾燥粘着剤層を倍率1
00,000で観察したものであり、図1(A)とは逆
にルテニウム酸により染色されにくい部分(成分B)が
海となり染色されやすい部分(成分A)が島となった海
島構造が形成されている。即ち、加熱により成分Aと成
分Bとの海島が逆転して、本発明の粘着剤層となったこ
とが判る。
【0085】実施例1、3〜19及び比較例2〜7につ
いても上記と同様に高温乾燥粘着剤層のTEM観察を行
い、成分Aを島、成分Bを海とする海島構造が形成され
ているかどうかを調べた。
【0086】(2)粘着シートの粘着力 ラベル用コート紙を基材として、これに乾燥後の塗膜の
厚みが20μm〜30μmとなるように粘着剤組成物を
塗布し、140℃で2分間乾燥して粘着シートを作成し
た。この粘着シートを、幅25mm長さ約250mmに
裁断したものを試験片として、JIS Z 0237に
規定する180度ひきはがし法に準じて粘着力を測定し
た。即ち、温度23℃、湿度65%の条件下において、
試験板である研磨したステンレス板に上記試験片を貼
り、2Kgのゴムローラーを一往復して圧着した。圧着
から30分後に、300mm/minの引張速度で、試
験板に対する180度ひきはがし粘着力を測定した。測
定結果は以下の3段階で示した。 〇;500g/25mm以上 △;100g/25mm以上、500g/25mm未満 ×;100g/25mm未満
【0087】更に、合成例10〜16により作成した成
分B単独の粘着力を、実施例1〜19及び比較例2〜7
と同様に測定した。その結果を、上記と同様の表記方法
により表5に示す。
【0088】(3)耐水性 上記粘着力試験と同様に作成した粘着シートを、幅80
mm長さ約100mmに裁断したものを試験片とした。
この試験片をビール瓶の側面に貼り、2Kgのゴムロー
ラーを一往復して圧着した。圧着から2日後に10℃の
水中に浸漬し、試験片の剥離状態を観察した。測定結果
は下記の3段階で示した。尚、この試験において「剥が
れ」とは、試験片の少なくとも一部がビール瓶から剥離
した状態をいう。 〇;40時間後においても剥がれなし △;10時間以上40時間未満で剥がれ発生 ×;10時間未満で剥がれ発生
【0089】(4)アルカリ剥離性 上記粘着力試験と同様に作成した粘着シートを、幅80
mm長さ約100mmに裁断したものを試験片とした。
この試験片をビール瓶の側面に貼り、2Kgのゴムロー
ラーを一往復して圧着した。圧着から2日後に、70℃
の3wt%水酸化ナトリウム水溶液に浸漬し、試験片の
剥離状態を観察した。測定結果は下記の3段階で示し
た。 〇;2分未満で試験片が剥落 △;2分以上4分未満で試験片が剥落 ×;6分後においても試験片が剥落せず
【0090】
【表7】
【0091】表7から判るように、成分Aと成分Bとの
ルテニウム酸染色程度の差が少ない組成では観察が困難
なものもあったが、実施例1〜19はいずれも成分Aを
島とし成分Bを海とする海島構造を備えた粘着剤層を形
成した。また、実施例1〜19の粘着シートはいずれ
も、従来のディレードタック型粘着ラベル(比較例5)
に比べてアルカリ剥離性が明らかに良好であり、従来の
コールドグルーを用いたラベル(比較例6、7)と比較
しても同等以上のアルカリ剥離性を有していた。更に、
実施例1〜19の粘着シートは、粘着力及び耐水性にお
いても十分な性能を有するものであった。
【0092】得られたTEM写真の一部を図2及び図3
に示す。図2(A)及び図2(B)は、それぞれ実施例
6の粘着剤組成物から形成された低温乾燥粘着剤層及び
高温乾燥粘着剤層を倍率40,000で観察したTEM
写真である。図2(A)に示す低温乾燥粘着剤層は、成
分Bからなる島が部分的に融合しているものの、成分A
が海、成分Bが島である海島構造を有している。また、
図2(B)に示す高温乾燥粘着剤層では、実施例2と同
様に海島が逆転して成分Aが島、成分Bが海である海島
構造となっている。尚、図2(A)上部の二か所に見ら
れる空白部は、観察用の超薄切片を作成する際に切片の
一部に穴があいたものである。図3は、実施例13の粘
着剤組成物から形成された高温乾燥粘着剤層を倍率2
0,000で観察したTEM写真であり、成分Aが島、
成分Bが海である海島構造を有している。
【0093】これに対して、成分Aの酸価が本発明範囲
未満、即ち1meq/g未満である比較例2では、海島
構造は形成されたものの、島(成分A)のアルカリ溶解
性が不十分であるためアルカリ剥離性が低かった。ま
た、成分Aを含まない比較例3及び比較例4では海島構
造は形成されていない。このうち、成分Bの酸価が本発
明範囲(0.6meq/g以下)である比較例3では、
成分Aを含有しないためアルカリ剥離性が不十分であっ
た、一方、成分Bが本発明範囲を超える酸価を有する比
較例4では、耐水性が劣っていた。
【0094】尚、本発明においては、前記具体的実施例
に示すものに限られず、目的、用途に応じて本発明の範
囲内で種々変更した実施例とすることができる。
【0095】また、本発明においては成分Aとして水溶
性樹脂を用いたが、成分Aとして酸価1meq/g以上
の樹脂又は塩基による該樹脂の中和物からなる水分散性
樹脂を用いた場合にも、本発明の組成物に比べて液安定
性はやや低いものの、粘着物性及びアルカリ剥離性等の
点においては本発明とほぼ同等の性能を示す粘着剤層を
形成する粘着剤組成物を得ることが可能である。例え
ば、合成例7において重合体A7の中和を行わなかった
ところ、得られた重合体a7は水分散性であったが、こ
の重合体a7を用いて実施例17と同様に調整した粘着
剤組成物を評価したところ、実用上十分な粘着力、耐水
性及びアルカリ剥離性を示した。
【0096】
【発明の効果】本発明のアルカリ剥離性粘着剤組成物に
よると、耐水性及び粘着性の良好な連続層中に、アルカ
リ溶解性又はアルカリ膨潤性の高い不連続層が分散した
構造の粘着剤層が形成される。このような構造を有する
ことにより、アルカリ剥離性に優れ且つ耐水性及び粘着
性が良好な粘着剤層を形成することができる。また、本
発明のアルカリ剥離性粘着シートは、上記アルカリ剥離
性粘着シートから形成された粘着剤層を基材上に有する
のでアルカリ剥離性に優れ且つ耐水性及び粘着性が良好
であり、このため例えば瓶ラベル用粘着シートとして有
用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は実施例2の粘着剤組成物を40℃で乾
燥させて得られた粘着剤層の構造を示すTEM写真、
(B)は実施例2の粘着剤組成物を140℃で乾燥させ
て得られた粘着剤層の構造を示すTEM写真である。
【図2】(A)は実施例6の粘着剤組成物を40℃で乾
燥させて得られた粘着剤層の構造を示すTEM写真、
(B)は実施例6の粘着剤組成物を140℃で乾燥させ
て得られた粘着剤層の構造を示すTEM写真である。
【図3】実施例13の粘着剤組成物を140℃で乾燥さ
せて得られた粘着剤層の構造を示すTEM写真である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 纐纈 明美 愛知県名古屋市港区船見町1番地の1 東 亞合成株式会社名古屋総合研究所内 (72)発明者 丹羽 真 愛知県名古屋市港区船見町1番地の1 東 亞合成株式会社名古屋総合研究所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記成分A及び下記成分Bからなる水性
    エマルジョン型の粘着剤組成物であって、該組成物は成
    分Aが外側に成分Bが内側に位置した粒子からなり、下
    記成分Aが島となり下記成分Bが海となる海島構造を備
    えた粘着剤層を形成することを特徴とするアルカリ剥離
    性粘着剤組成物。 成分A:酸価1meq/g以上の樹脂が塩基により中和
    された水溶性樹脂。 成分B:ラジカル重合性単量体を乳化重合させて得ら
    れ、酸価が0.6meq/g以下であり、且つガラス転
    移温度が−20℃以下である重合体。
  2. 【請求項2】 成分A及び成分Bからなり、成分Aが高
    分子乳化剤であって前記成分Bの乳化重合に使用された
    ものであり、成分Bが成分Aの存在下においてラジカル
    重合性単量体を乳化重合させて得られた重合体である請
    求項1記載のアルカリ剥離性粘着剤組成物。
  3. 【請求項3】 成分Aと成分Bとの重量比が5/95〜
    50/50である請求項1又は2記載のアルカリ剥離性
    粘着剤組成物。
  4. 【請求項4】 成分Aが、α,β−エチレン性不飽和カ
    ルボン酸単位及び疎水性のラジカル重合性単量体単位を
    主構成単位とする、ガラス転移温度が20℃以上の共重
    合体である請求項1、2又は3記載のアルカリ剥離性粘
    着剤組成物。
  5. 【請求項5】 請求項1〜請求項4のいずれか一項に記
    載の粘着剤組成物から形成された、成分Aが島であり成
    分Bが海である海島構造を備えた粘着剤層を基材上に有
    し、JIS Z 0237に規定する180度ひきはが
    し法による粘着力が温度25℃において100g/25
    mm以上であることを特徴とするアルカリ剥離性粘着シ
    ート。
  6. 【請求項6】 請求項1〜請求項4のいずれか一項に記
    載の粘着剤組成物を基材上に塗布し、これを加熱するこ
    とにより海島構造を備えた粘着剤層を基材上に形成させ
    てなる請求項5記載のアルカリ剥離性粘着シート。
JP9178994A 1997-06-18 1997-06-18 アルカリ剥離性粘着剤組成物及びアルカリ剥離性粘着シート Pending JPH115958A (ja)

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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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US4786939A (en) * 1985-08-23 1988-11-22 Konishiroku Photo Industry Co., Ltd. Image forming apparatus
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JPWO2022259834A1 (ja) * 2021-06-09 2022-12-15

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