JP3670049B2 - ディレードタック型粘着剤組成物 - Google Patents

ディレードタック型粘着剤組成物 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、エマルジョン型粘着剤組成物に関するものであり、詳細には常温では粘着性を示さないが、一定温度以上に加熱することによって粘着性を発現する、取扱性に優れたディレードタック型粘着剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
従来、粘着剤組成物は、その組成物をシートに塗工した後、乾燥させてシート状粘着剤とされ、その粘着剤を塗工されたシートはロール状にして保管されることが多い。保管の際に、基材の裏面と粘着剤塗工面とを接着させない目的のために剥離紙が使用されているのが現状であるが、剥離紙の使用は、作業が煩雑になり、粘着剤使用後に不要となる剥離紙が高価である等の問題があり、できるだけ剥離紙を使用せずとも基材の裏面と粘着剤塗工面とが接着しないように、種々工夫がなされている。
【0003】
例えば、熱可塑性樹脂及び粘着付与樹脂からなるディレードタック型粘着剤組成物に、常温での粘着性の抑制の目的で結晶性可塑剤を配合することによって、加熱した時にのみ溶融した結晶性可塑剤が熱可塑性樹脂を軟化させ、その結果粘着性が発現されるようにした方法がある。
しかしながら、結晶性可塑剤はその融点以下でも徐々に粘着剤中に拡散して熱可塑性樹脂を軟化させるため、時間の経過と共に粘着性が生じ、依然として保管中に基材の裏面と粘着剤塗工面との接着を引き起こしてしまうという問題が残っていた。
【0004】
一方、上記問題を解決せんとして、結晶性可塑剤にかえてワックスを添加する方法も試みられているが、経時により生じる粘着性の発現を抑制することが不十分であるばかりか、最終的な加熱後の粘着性を損なうという問題が生じた。
また、現在使用又は提案されているディレードタック型粘着剤は、どれも比較的低温で粘着性が発現してしまうため、粘着剤を基材に塗工後に乾燥させる際の乾燥温度を低くする必要があり、生産効率が著しく低いものであった。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記の課題を解決するために種々研究を重ねた結果、以下の構成を採ることにより本発明の目的を達成できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明のディレードタック型粘着剤組成物は、(A)カルボキシル基を有する不飽和単量体(a)3〜60重量%、疎水性単量体(b)40〜97重量%およびその他の単量体(c)0〜50重量%を共重合させて得られるガラス転移温度が20℃以上の樹脂であって、且つその5重量%以上が可溶化されてなる樹脂を含有する樹脂含有溶液、及び、(B)ガラス転移温度が−30℃以下の樹脂からなるアクリル系樹脂水性エマルジョンからなり、前記各成分の不揮発分の重量比(A)/(B)が15/85〜50/50であるディレードタック型粘着剤組成物にある。
【0006】
本発明のディレードタック型粘着剤組成物を構成する樹脂含有溶液(A)を構成する樹脂は、カルボキシル基を有する不飽和単量体(a)3〜60重量%、疎水性単量体(b)40〜97重量%およびその他の単量体(c)0〜50重量%を共重合させて得られる樹脂である。
【0007】
カルボキシル基を有する不飽和単量体(a)としては、アクリル酸(105℃)、メタクリル酸(130℃)、イタコン酸(160℃)等が挙げられる(尚、括弧内の値はその単独重合体のガラス転移温度であり、以下同様。)。この(a)成分は、本発明における樹脂含有溶液(A)を構成する樹脂の3〜60重量%、好ましくは5〜50重量%を占めるように使用される。3重量%未満であると、得られた樹脂を十分に水に可溶化させることが難しく、その結果後述する(B)成分のアクリル系樹脂水性エマルジョンとの混和性が低下するという問題が生じ、逆に60重量%を超えると樹脂含有溶液の粘度が経時と共に高くなるという問題が生じる。
【0008】
また疎水性単量体(b)としては、例えばメチルメタクリレート(105℃)、エチルアクリレート(−22℃)、ブチルアクリレート(−54℃)、2-エチルヘキシルアクリレート(−85℃)、スチレン(100℃)等のビニル芳香族化合物、塩化ビニル(80℃)、塩化ビニリデン(−20℃)等のハロゲン化ビニル、酢酸ビニル(30℃)、プロピオン酸ビニル(10℃)等のビニルエステル、エチレン(−125℃)、ブタジエン(−109℃)等のオレフィン系単量体及びその他アクリロニトリル(130℃)等が挙げられる。
【0009】
この(b)成分は、本発明における樹脂含有溶液(A)を構成する樹脂の40〜97重量%、好ましくは50〜95重量%を占めるように使用される。40重量%未満であると、樹脂含有溶液(A)の樹脂とアクリル系樹脂水性エマルジョン(B)の樹脂との親和力が確保できず、貯蔵中に増粘し易く、また加熱後の充分な粘着特性の発現が得られず、逆に97重量%を超えると、相対的に(a)成分の割合が減ることになり、引いては 樹脂含有溶液(A)の樹脂の凝集、沈殿が生じることとなる。
【0010】
尚、ここにいう疎水性とは20℃における水への溶解度が8g/100ml以下であることを意味する。
更にその他の単量体(c)としては、具体的には、アクリルアミド(153℃)、2−ヒドロキシエチルアクリレート(−15℃)、ジアセトンアクリルアミド(65℃)等が挙げられる。
【0011】
この(c)成分は、樹脂の水溶性の確保又は、後述するガラス転移温度の調製のために、本発明における樹脂含有溶液(A)を構成する樹脂の0〜50重量%、好ましくは0〜40重量%を占めるように使用される。50重量%を超えると、相対的に(a)成分及び/又は(b)成分の割合が減ることになり、水性エマルジョン(B)との混和性が低下したり、経時と共に粘度が上昇するという問題が生じる。
【0012】
尚、該樹脂含有溶液(A)は、粘着剤組成物を塗工・乾燥時及び塗工したシートをロール状にして保管する際に、粘着性の発現を抑制させるための成分であり、従って常温で粘着性を示さないように、樹脂のガラス転移温度を20℃以上、好ましくは30℃〜130℃にする必要がある。ガラス転移温度が20℃未満であると、粘着剤組成物の塗工・乾燥時にすでに粘着性が発現してしまうという問題があり、また、ガラス転移温度が高くなりすぎると、粘着性を発現させるための加熱温度が高くなり、高エネルギーの消費につながる。
【0013】
また、本願発明の(A)成分は、5重量%以上、好ましくは10重量%が可溶化されてなる樹脂を含有する樹脂含有溶液である必要がある。本願発明において、可溶化率とは後述する重合法によって重合して得られた樹脂含有溶液を不揮発分が15重量%になるように水で希釈した後に、その希釈液を遠心加速度1.8×105 gで60分間遠心処理し、得られた上澄液中の不揮発分量を測定してw重量部とし、また遠心分離に使用した前記の希釈液中の不揮発分量を測定してW重量部としたときの下記式で表わされる可溶化率をいう。
【0014】
可溶化率=w/W×100(重量%)
【0015】
従って、例えば樹脂含有溶液を製造するための重合前、又は重合中の重合系にアルカリ及び/又は有機溶剤を添加して共重合を行なわせたような場合であって、その重合によって得られた生成共重合体樹脂を含有する重合生成物が、そのままで既に可溶化率が5重量%以上になっているときには、改めて可溶化処理のためのアルカリ及び/又は有機溶剤の添加を行わなくてもよい。
【0016】
その可溶化処理に使用されるアルカリとしては、無機の水溶性アルカリ、たとえば水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなど;又は水に溶解してアルカリ性を示す無機塩類、たとえば炭酸水素ナトリウム、ピロリン酸ナトリウムなど;その他アンモニア水や有機アミンなどが挙げられる。アルカリの添加は、前述のとおり、必ずしも樹脂含有溶液の重合後である必要がなく、場合によっては重合前の単量体にアルカリを添加して中和させてから、共重合を行なわせてもよい。使用されるアルカリの量は、共重合体樹脂中のカルボキシル基を完全に中和する量であってもよいし、部分的に中和する量であってもよい。
【0017】
可溶化処理に使用される有機溶剤は、アルカリ添加のみでは充分に水可溶化できない場合に補助的に添加してもよいし、有機溶剤のみの添加で可溶化させてもよい。
使用される有機溶剤としては、特に限定されないが、テキサノール、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル及びそれらのアセテート、ベンジルアルコール、ブチルカルビトールアセテート、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールなどが挙げられる。
【0018】
また更に、前記(A)成分の樹脂含有溶液を構成する樹脂の重量平均分子量(Mw)が、3000〜30000であるのが、アクリル系水性エマルジョン(B)との混和性に優れ、また加熱時の粘着性に優れるので望ましい。Mwが3000以下であると、低温で乾燥させても粘着性が生じやすく、経時と共にその粘着性が強くなる傾向にある。またMwが30000以上になると(B)成分の樹脂水性エマルジョンと混合する際の安定性が低下し、また加熱時の粘着性が低下したり、粘着性発現までに長時間要するようになる傾向にある。
【0019】
前記した(A)成分である樹脂含有溶液の製造方法としては、例えば有機溶媒中で常法にしたがって各構成単量体混合物を重合開始剤、たとえば過酸化ベンゾイルやt−ブチルハイドロパーオキシド等の有機過酸化物やアゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系開始剤等を用いて溶液重合する方法が挙げられる。この際分子量調節剤として有機ハロゲン化物やアルキルメルカプタン類といった連鎖移動剤を用いることも可能である。こうして得られた樹脂溶液から減圧によって溶媒を留去後、水を加え又必要に応じてさらにアルカリ及び/又は溶剤を添加して、前記した可溶化率を有する樹脂の樹脂含有溶液(A)とする。
【0020】
また、(A)成分である樹脂含有溶液の他の製造方法としては、常法のエマルジョン重合に従って、即ち乳化剤を用い共重合を構成する単量体混合物を乳化共重合させ、これにアルカリを加えて水溶化する方法もあるが、この方法の場合には、分子量制御のための連鎖移動剤を用いることが必須となる。尚、ここにいうアルカリとは、アンモニア、トリエチルアミン、エタノールアミン等の有機アミン又は水酸化ナトリウム等の無機のアルカリも使用できるがアンモニアを用いるのが最も好ましい。
【0021】
尚、使用される乳化剤としては、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム、アルキルスルホン酸のアルカリ塩、オキシアルキル化されたアルコールまたはアルキルフェノールのアルカリ金属塩、脂肪酸のアルカリ塩などアニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤の各種のものが単独もしくは併用して使用できる。その使用量は、通常樹脂分に対し0.1〜10重量%の割合である。又、目的によっては、カチオン性界面活性剤を単独で、あるいはノニオン性界面活性剤と併用して使用することもできる。
【0022】
乳化重合において用いる重合開始剤は、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素などの無機過酸化物が好ましいが、その他アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスバレロニトリルなどのアゾ系開始剤;ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、tーブチルパーオキサイドなどの有機過酸化物系開始剤も使用できる。また、これらの開始剤に、ロンガリット、Lーアスコルビン酸、有機アミン、金属塩などの還元剤を併用してレドックス開始剤として用いてもよい。
【0023】
また、本発明のディレードタック型粘着剤組成物を構成するアクリル系樹脂水性エマルジョン(B)を構成する樹脂は、ガラス転移温度が−30℃以下、好ましくは−40℃以下であることが必要である。この成分(B)は、粘着性を発現させるためのものである。
【0024】
該ガラス転移温度が−30℃以下の樹脂からなるアクリル系樹脂水性エマルジョンは、例えばブチルアクリレート(−54℃)、2−エチルヘキシルアクリレート(−85℃)、ラウリルアクリレート(−65℃)等の、単独重合体のガラス転移温度が低い単量体から主として構成される。又、ガラス転移温度を調製するために、エチレン(−125℃)やブタジエン(−109℃)を共重合させることも可能である。
【0025】
この(B)の樹脂水性エマルジョンの製造方法としては、エマルジョン重合の常法に従って、即ち乳化剤を用い共重合を構成する単量体混合物を乳化共重合させる方法(詳細は(A)を製造する際のエマルジョン重合の方法と同様。)が挙げられる。
【0026】
保護コロイド剤としては、たとえばヒドロキシエチルセルロースやポリエチレンオキサイドプロピレンオキサイドブロックポリマー、不飽和カルボン酸共重合体のアルカリ可溶物等がある。
前記各成分の不揮発分の重量比(A)/(B)は15/85〜50/50、好ましくは20/80〜50/50である。(A)成分の割合が15未満であると、常温で粘着性を示すこととなり、ディレードタック型粘着剤とは成りえず、また、(A)成分の割合が50を超えると、加熱しても粘着性を有するようにならない。
【0027】
また、前記(A)成分を構成する樹脂のガラス転移温度が20〜60℃である場合は、前記各成分の不揮発分の重量比(A)/(B)が25/75〜50/50であるのが好ましく、前記(A)成分を構成する樹脂のガラス転移温度が60〜110℃である場合は、前記各成分の不揮発分の重量比(A)/(B)が15/85〜25/75であるのが、好ましい。
【0028】
本ディレードタック型粘着剤組成物は、特に接着力を向上させる目的で、粘着付与性樹脂、たとえば、ロジン誘導体、テルペン樹脂、石油樹脂などを添加したり、或は、粘着物性を損なわない程度で、パラフィンや長鎖脂肪酸やそのアミド等のワックス類、酸化チタンやタルク等の無機フィラーを添加することも可能である。
【0029】
尚、本ディレードタック型粘着剤組成物は、紙などの支持体に塗布、乾燥させておき、接着時に加熱により粘着性を発現させ、ラベル、テープ、包装物のシール等に用いられる。
【0030】
本ディレードタック型粘着剤組成物の基材への塗布後の乾燥温度及び粘着性を発現させる加熱温度は、本発明の(A)成分の樹脂含有溶液を構成する樹脂のガラス転移温度に強く依存する。即ち、乾燥温度は(A)成分中の樹脂のガラス転移温度の+30℃以下が好ましく、その温度を超えると乾燥時にすでに粘着性を有することとなり易い。また、粘着性を発現させる加熱温度は、乾燥温度以上の温度が必要であり、好ましくは(A)成分中の樹脂のガラス転移温度の+30℃以上である。
【0031】
【実施例】
次に本発明を実施例および比較例を挙げて詳細に説明する。例中の部および%は特に記載しない限り重量部および重量%である。
製造例1
温度調節器、撹拌機、還流冷却器、供給容器および窒素導入管の付いた反応器にメチルセロソルブ150部を仕込み窒素置換した。
反応器を80℃に加熱後、表1に記載したモノマー混合溶液100部とt−ドデシルメルカプタン0.1部の混合物を供給容器Iから、またアゾビスイソブチロニトリル2部をメチルセロソルブ50部に溶解したものを供給容器IIから各各4時間かけて均一に添加した。
【0032】
添加終了後、反応器を80℃に保ってさらに2時間熟成し、均一な重合体溶液を得た。次いで、ロータリーエバポレーターを使って減圧により、メチルセロソルブをほぼ完全に留去した後、脱イオン水を加え、更にアンモニアを加えて中和し、pH8、不揮発分25%の樹脂含有溶液を得た。
【0033】
尚、この樹脂樹脂含有溶液の樹脂の可溶化率は100%であり、重量平均分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定したところ約5000であった。
【0034】
【表1】
Figure 0003670049
【0035】
製造例2〜8
製造例1と同一の装置を用い、モノマー組成、溶媒、開始剤などを表1に示すように変更して、各々均一な重合体溶液を得た後、溶媒を留去水置換及び中和によって各々表1に示すような樹脂含有溶液を得た。
製造例9
製造例1と同一装置を用い反応器内に水40部及び過硫酸ナトリウム0.06部を装入した。別に供給物Iとして下記のものを用意した。
【0036】
Figure 0003670049
また別に、供給物IIとして、水10部に過硫酸ナトリウム0.7部を溶解した開始剤溶液を調製した。
【0037】
上記の予め開始剤溶液を装入した反応器内を窒素ガス置換した後、同反応器内に上記供給物Iの10%を加え、その混合物を90℃に加熱した。次いで、供給物IIの10%を同反応器内に投入してから、供給物Iと供給物IIの残りを3〜3.5時間かけて均一に同反応器に供給した。その供給終了後なお1.5時間90℃に保持して乳化重合させ、樹脂水性エマルジョンを得た。この樹脂水性エマルジョンの不揮発分は約52%であった。
【0038】
単量体の組成及び生成したエマルジョンの不揮発分及び樹脂のガラス転移温度(計算値)を表2に示した。
【0039】
【表2】
Figure 0003670049
【0040】
製造例10及び11
製造例9と同一装置を用い、単量体組成を表2に示すようにそれぞれ変更したほかは、製造例9にしたがって樹脂水性エマルジョンを得た。その結果を表2に示した。
【0041】
製造例12
製造例9と同一装置を用い、反応器内に製造例1で製造した樹脂含有溶液100部装入した。別に供給物Iとして下記のものを用意した。
【0042】
供給物I
アクリル酸ブチル 90部
メタクリル酸メチル 9.5部
イタコン酸 0.5部
また別に、供給物IIとして、水20部に過硫酸ナトリウム0.6部及び水酸化ナトリウム0.15部を溶解した開始剤溶液を調製した。
【0043】
上記の反応容器内を窒素ガス置換した後、同反応容器内に上記供給物I及びII各々の10%を加え、その混合物を90℃に加熱した。次いで、供給物I及びIIの残りを3時間かけて均一に同反応容器に供給した。その供給終了後なお1.5時間90℃に保持して乳化重合させ、樹脂水性エマルジョンを得た。この樹脂水性エマルジョンの不揮発分は約45%であった。結果を表2に示した。
【0044】
実施例1〜7及び比較例1〜7
上記製造例で製造した樹脂含有溶液と樹脂水性エマルジョンを表3及び表4に記載の割合で混合し、撹拌してディレードタック型粘着剤組成物を調製した。
そして得られた組成物をポリエステルフィルムの表面にアプリケーターを用いて乾燥塗布膜が25±1g/m2 となるように塗布し、50℃で10分間乾燥させて試験片Aを作成した。
また、これとは別に、同様な塗布条件で塗布し、80℃で5分間乾燥させて試験片Bを作成した。
【0045】
上記試験片A及びBについて、以下に示す試験方法及び評価基準で評価を行ない、結果を表3及び表4に示した。
尚、比較例3は、混合安定性が悪く一日静置後に水層とエマルジョン層の2層に分離してしまった。また、比較例6は、均一に混合するのが難しく、乾燥塗布膜は不均一であった。
【0046】
接着力試験;上記の試験片(2.5×10cm)を140℃で30秒間加熱した後、表面を研磨したステンレス板(SUS)に接着させ、引っ張り試験機(インストロン社製)を用いて180°の引っ張り強度(引っ張り速度: 300mm/分)を測定し、以下の基準で評価した。
【0047】
◎・・・1000g/25mm超
○・・・750〜1000g/25mm
△・・・500〜750g/25mm
×・・・500g/25mm未満
【0048】
保持力試験;上記の試験片(2.0×2.0cm)を140℃で30秒間加熱した後、表面研磨したステンレス板(SUS)に接着させ、1Kgの荷重をかけ、20℃、湿度65%の条件下で保持力(剥離するまでの時間)を測定し、以下の基準で評価した。
【0049】
◎・・・60分超
○・・・30〜60分
△・・・10〜30分
× ・・10分未満
【0050】
ブロッキング試験;上記の試験片A及びBの粘着剤組成物塗布面を重ね、その上から0.5kg/cm2 の荷重で40℃1日放置後剥離させた時の状態を、以下の基準で評価した。
【0051】
◎・・・全く抵抗なく引き剥がせる
○・・・10g/25mm未満の強度で引き剥がせる
△・・・10〜20g/25mmの強度で引き剥がせる
×・・・20g/25mm以上の引き剥がし強度が必要である
【0052】
【表3】
Figure 0003670049
【0053】
【表4】
Figure 0003670049
【0054】
【発明の効果】
本発明のディレードタック型粘着剤組成物は、常温では粘着性を示さず、一定温度以上に加熱することによって粘着性を発現するので、取扱性に優れ、また加熱後の粘着特性即ち接着力、保持力とも優れていると共に、本粘着剤組成物を塗工したシートは耐ブロッキング性に優れているので、ディレードタック型粘着剤として有用であり、また剥離紙の不要な粘着シートを提供することが可能である。剥離紙の不要は省資源化の面からも極めて有益である。

Claims (6)

  1. (A)カルボキシル基を有する不飽和単量体(a)3〜20重量%、疎水性単量体(b)80〜97重量%およびその他の単量体(c)0〜50重量%を共重合させて得られるガラス転移温度が20℃以上の樹脂であって、且つその5重量%以上が可溶化されてなる樹脂を含有する樹脂含有溶液、及び、(B)ガラス転移温度が−30℃以下の樹脂からなるアクリル系樹脂水性エマルジョンからあり、前記各成分の不揮発分の重量比(A)/(B)が20/80〜50/50であるディレードタック型粘着剤組成物(但し、共重合体(B)のモノマーを共重合体(A)の存在下に重合して製造したディレードタック型粘着剤組成物を除く)
  2. 前記(A)成分を構成する樹脂のガラス転移温度が20〜60℃であって、且つ、前記各成分の不揮発分の重量比(A)/(B)が25/75〜50/50である、請求項1に記載のディレードタック型粘着剤組成物。
  3. 前記(A)成分を構成する樹脂のガラス転移温度が60℃以上であって、且つ、前記各成分の不揮発分の重量比(A)/(B)が20/80〜25/75である、請求項1に記載のディレードタック型粘着剤組成物。
  4. 前記(A)成分を構成する樹脂の重量平均分子量(Mw)が3000〜30000である、請求項1から3までのいずれか1項に記載のディレードタック型粘着剤組成物。
  5. 前記(B)成分のエマルジョンが前記(A)成分の樹脂含有溶液の存在下で乳化重合して得られたものである、請求項1から4までのいずれか1項に記載のディレードタック型粘着剤組成物。
  6. 請求項1から5までのいずれか1項に記載のディレードタック型粘着剤組成物を塗工したシート。
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