JPH1159462A - 舵角センサ異常検出装置およびこれを備えた車輌 - Google Patents

舵角センサ異常検出装置およびこれを備えた車輌

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JPH1159462A
JPH1159462A JP22645597A JP22645597A JPH1159462A JP H1159462 A JPH1159462 A JP H1159462A JP 22645597 A JP22645597 A JP 22645597A JP 22645597 A JP22645597 A JP 22645597A JP H1159462 A JPH1159462 A JP H1159462A
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sensor
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Abstract

(57)【要約】 【課題】安価な舵角センサ異常検出装置およびそれを搭
載した車輌を提供すること。 【解決手段】舵角値と舵角変化量とを検出して出力する
舵角センサの異常を検出する舵角センサ異常検出装置で
あって、舵角センサが出力する舵角変化量を積算して演
算舵角値を算出する舵角演算手段と、舵角センサが出力
する舵角値と舵角演算手段が算出した演算舵角値との偏
差が所定値を越えたときに舵角センサ異常であると判定
する判定手段とを備えていることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、舵角センサを備え
た車輌に用いられる舵角センサ異常検出装置並びにこの
舵角センサ異常検出装置および後輪転舵装置を備えた車
輌に関するものである。
【0002】
【従来の技術】車輌制御、特に後輪転舵制御では、舵角
センサで得られた舵角値を制御パラメータの一つとして
利用することが多い。このような後輪転舵制御におい
て、舵角センサ出力に異常が生じた場合には、当然に誤
った後輪転舵制御が行われてしまう。そのため、舵角セ
ンサの状態を監視し、異常があれば何らかの対策を講じ
る必要がある。
【0003】このような舵角センサ出力の状態を監視す
る技術が、特開平1−229773号公報に記載されて
いる。同公報には車輌の後輪操舵装置の発明が開示され
ており、その中に、ステアリング系の異なる場所に2つ
の舵角センサを配置し、それぞれのセンサ出力値を比較
することにより舵角センサの異常を検出する技術が示さ
れている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、舵角を検出す
るという観点からいえば単一の舵角センサで十分である
にもかかわらず、この従来技術によれば2つの舵角セン
サを用いることになり、取付位置の確保やコストの点で
問題があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の舵角センサ異常
検出装置はこのような問題を解決するためになされたも
のであり、舵角値と舵角変化量とを検出して出力する舵
角センサの異常を検出する舵角センサ異常検出装置であ
って、舵角センサが出力する舵角変化量を積算して演算
舵角値を算出する舵角演算手段と、舵角センサが出力す
る舵角値と舵角演算手段が算出した演算舵角値との偏差
が所定値を越えたときに舵角センサ異常であると判定す
る判定手段とを備えている。
【0006】舵角センサは、車輌のステアリング系の途
中に配置されており、一般に舵角変化量を検知し、この
変化量を積算して基準点からの変位を求め、これを舵角
値として出力するように構成されている。したがって、
舵角値の他に、その元データである舵角変化量も外部に
取り出すことが可能である。
【0007】舵角演算手段では、このような舵角センサ
から舵角変化量を取り込んで積算することにより演算舵
角値を算出し、判定手段でこの演算舵角値と舵角センサ
から直接得られた舵角値とを比較する。舵角センサが正
常に動作している限り、舵角値と演算舵角値は一致する
はずであるから、逆に、両者の偏差が所定値を越えたと
きには舵角センサ異常であると判定することができる。
なお、この判定手段による舵角センサ異常には、舵角セ
ンサ自身に異常が生じている場合と、操舵速度が大きい
ために一時的に舵角センサ出力に異常が生じた場合とが
ある。
【0008】本発明の車輌は、このような舵角センサ異
常検出装置の出力結果を後輪転舵駆動制御に利用するも
のであり、前輪舵角値および前輪舵角変化量を検出して
出力する舵角センサと、舵角センサが出力する前輪舵角
変化量を積算して演算前輪舵角値を算出する舵角演算手
段および舵角センサが出力する前輪舵角値と舵角演算手
段が算出した演算前輪舵角値との偏差が所定値を越えた
ときに舵角センサ異常であると判定する判定手段を有す
る舵角センサ異常検出装置と、舵角センサの出力を制御
パラメータの一つとして後輪転舵制御を行い、舵角セン
サ異常検出装置が舵角センサ異常であると判定したとき
には舵角センサ出力以外の情報に基づいて後輪転舵制御
を行う後輪転舵装置とを備えたことを特徴とする。
【0009】後輪転舵装置では、一般に舵角センサから
の前輪舵角値とヨーレイトセンサからのヨーレイトに基
づいて後輪目標舵角を算出し、後輪実舵角をこの後輪目
標舵角に一致させるように後輪転舵制御を行う。本発明
の車輌によれば、舵角センサ異常検出装置が舵角センサ
異常と判定したときには、後輪転舵装置は舵角センサが
出力する前輪舵角値を利用せずに後輪転舵制御を行う。
誤った前輪舵角値を後輪転舵制御に利用しないので、舵
角センサが正常のときよりも後輪転舵制御の精度は低下
する可能性はあるが、誤動作をすることがない。
【0010】また、操舵速度が速い場合に舵角センサか
らの舵角値に基づく後輪転舵を行うと挙動が大きくなり
すぎ、運転者にかえって違和感を与えることがあるが、
この車輌では、高速操舵に起因する一時的な舵角センサ
出力値異常の場合にも、舵角センサが出力する前輪舵角
値を利用せずに後輪転舵制御を行うので、そのような違
和感を低減できる。
【0011】
【発明の実施の形態】図1は本発明の一実施形態である
舵角センサ異常検出装置を備えた後輪転舵装置搭載車輌
のシステム図である。この車輌では、舵角センサで検出
された前輪舵角値を後輪転舵制御のパラメータの一つと
して用いており、この舵角センサの異常を検出するため
に舵角センサ異常検出装置が搭載されている。
【0012】はじめに、車輌全体のシステムを説明す
る。この車両2は、ボディ3に取付けられた前輪4,5
及び後輪6,7を備える。前輪4,5は、ナックルアー
ム8,9及びタイロッド10,11をそれぞれ介してフ
ロントステアリングギアボックス12に機械的に接続さ
れている。
【0013】ギアボックス12は、その軸を中心として
回転可能なシャフト13を介してステアリングホイール
14に接続されている。シャフト13がその軸を中心と
して回転すると、シャフト13の回転に応じてギアボッ
クス12内のラックが、モータや油圧機構等による補助
力を受けてその長手方向に沿って移動し、ラックに係合
したタイロッド10,11が長手方向に沿って移動す
る。
【0014】シャフト13は、ステアリングホイール1
4の操舵に応じて回転するので、ステアリングホイール
14を操舵することにより、ナックルアーム8,9にヒ
ンジを介して接続されたタイロッド10,11が、その
長手方向に沿って移動し、前輪4,5が操舵される。
【0015】後輪6,7は、ナックルアーム15,1
6、タイロッド17,18を介して後輪転舵用のアクチ
ュエータ100の後輪駆動シャフト100aの両端に接
続されている。アクチュエータ100(駆動手段)は内
部にモータ本体101に接続された減速機構を有してお
り、この減速機構にリンクした後輪駆動シャフト100
aが、その長手方向(矢印Cで示す)に沿って移動する
ことで、前輪4,5と同様に後輪6,7が矢印θで示す
方向に転舵される。
【0016】アクチュエータ100はモータ本体101
と、モータ本体101に設けられた3つの磁極センサか
らなりモータ本体101のロータ回転位置に対応した回
転位置信号Θを出力する回転位置センサ102と、後輪
6,7の実舵角δrが中立舵角δr0よりも右側又は左
側にあることを示す判別信号Dを出力する中立センサ1
03とを備えている。
【0017】ここで、アクチュエータ100の内部構造
を図2を用いて説明する。図2は、アクチュエータ10
0をシャフト100aの長手方向に沿って破断した断面
図である。本アクチュエータ100は、金属製の円筒状
ハウジング104と、ハウジング104の内壁に固着し
た樹脂材料105と、樹脂材料105によってハウジン
グ104の内壁に固定されたステータ106及びステー
タ106の内側に配置されたロータ107から構成され
るインナーロータ形のモータ本体101と、ロータ10
7の回転速度を減速して回転駆動力を伝達する減速機構
108と、減速機構108の回転運動を長手方向Cに沿
った直線運動に変換して駆動力を駆動シャフト100a
に伝達する変換機構109とを備えている。
【0018】ロータ107が回転すると、この駆動力は
減速機構108及び変換機構109を介して駆動シャフ
ト100aに伝達され、駆動シャフト100aが長手方
向Cに沿って移動する。駆動シャフト100aの両端に
はタイロッド17,18のアクチュエータ側端部17
a,18aがボールジョイントによって連結されている
ため、ロータ107を回転させると後輪6,7が転舵さ
れる。
【0019】減速機構108は、ロータ107を原動軸
としてロータ107先端部に固定された太陽歯車108
aと、ハウジング104の内面に固着した樹脂によって
形成された固定内歯歯車108bと、太陽歯車108a
と固定内歯歯車108bの間に介在する複数の遊星歯車
108cとからなる第1遊星歯車機構を備える。
【0020】減速機構108は、第1遊星歯車機構と共
通の固定内歯歯車108bと、第1遊星歯車機構の太陽
歯車108aに対して同軸配置された原動軸としての太
陽歯車108eと、太陽歯車108eと固定内歯歯車1
08bの間に介在する複数の遊星歯車108fとからな
る第2遊星歯車機構を更に備える。
【0021】第1遊星歯車機構の遊星歯車108cの回
動軸は、第2遊星歯車機構の原動軸108eに固定され
た腕108dの先端部で回動可能に支えられており、第
2遊星歯車機構の原動軸108eは第1遊星歯車機構の
従動軸を構成する。ロータ107を回転させることによ
って第1遊星歯車機構の太陽歯車108aを回転させる
と、太陽歯車108a及び固定内歯歯車108bに噛合
した遊星歯車108cが太陽歯車108aの周囲を公転
し、遊星歯車108cを軸支する腕108dの基端部に
固定された第2遊星歯車機構の原動軸108eが太陽歯
車108aと同軸で回転する。第2遊星歯車機構の原動
軸108eが回転すると、第1遊星歯車機構と同様にそ
の従動軸となる変換機構109のナット109aが原動
軸108eと同軸で回転する。
【0022】変換機構109は、内面に螺子溝の形成さ
れたナット109aと、この螺子溝に噛合する螺子10
9bとからなる。ハウジング104に固定され連通した
筒状部材104aは、内面に長手方向Cに沿って延びた
凸条104bを有しており、筒状部材104a内に位置
する駆動シャフト100aの一端部には長手方向Cに沿
って延びた溝100bを有している。
【0023】駆動シャフト100aの溝100b及び筒
状部材104aの凸条104bは噛合してスプラインを
構成し、駆動シャフト100aの軸を中心とする回転を
制限している。また、ロータ107及びナット109a
はボールベアリングBによってハウジング104内で支
えられており、ハウジング104に対して回転すること
ができる。なお、駆動シャフト100aは、右端筒状部
材104a、ナット109a、太陽歯車108e,10
8a、ロータ107、左端筒状部材104c内面に固定
された支持材104dの中空部を貫いており、ハウジン
グ104に対して長手方向Cに沿って移動することがで
きる。
【0024】ナット109aは、スプラインによる制限
によって駆動シャフト100aに対して相対的に回転で
きるため、ナット109aがロータ107の回転によっ
て駆動シャフト100aの軸を中心として回転すると、
駆動シャフト100aの一部をなす変換機構109の螺
子109bが駆動シャフト100aの長手方向Cに沿っ
て移動し、後輪6,7が転舵される。
【0025】ロータ107は外表面を円周方向に囲む磁
石107aを有しており、ロータ107を取り囲むステ
ータ106は鉄心の積層コア106a及び磁石107a
に対向する位置の積層コア106aに巻かれた巻線10
6bを有している。ECU1から制御信号Pが巻線10
6bに入力されると、ステータ106に対してロータ1
07が回転する。なお、ステータ106はガラス繊維を
含有した樹脂材料105内に少なくとも一部分が埋設さ
れている。
【0026】ロータ107の回転位置はロータの一端部
に固定された磁石102a及びホール素子102bから
構成される回転位置センサ102によって検出される。
すなわち、磁石102a及びホール素子102bはロー
タ107の回転位置に応じて出力信号が異なるように非
接触配置されている。回転位置センサ102によって検
出されたロータ107の回転位置情報に基づいてECU
1はステータ106に制御信号Pを供給し、ロータ10
7を回転させる。すなわち、本アクチュエータ100に
用いられるモータは、ロータ107の回転位置を非接触
で検出してステータ106に制御信号Pを供給する回転
界磁形のDCブラシレスモータである。
【0027】駆動シャフト100aの長手方向Cの大体
の位置は中立センサ103によって検出される。すなわ
ち、中立センサ103は、後輪駆動シャフト100aの
表面の一部を磁化することによって形成されたN極領域
103a及びS極領域103bと、磁化領域103a,
103bに対向する位置に固定されたホール素子103
cとから構成される。N極領域103a及びS極領域1
03bは、後輪駆動シャフト100aの移動方向C、す
なわち、後輪駆動シャフト100aの長手方向Cに沿っ
て整列している。
【0028】このようなアクチュエータ100によって
転舵される後輪6,7は、ボディ3内に配置されたエン
ジン19の駆動力によって回転する駆動輪であり、エン
ジン19からの駆動力はディファレンシャルギア20を
介して後輪6,7に伝達される。なお、エンジン19は
ボディ3内に設けられたイグニションスイッチIGをオ
ン状態とすることによって起動する。
【0029】この車両2は、ステアリングシャフト13
に取り付けられ前輪舵角値を検出して出力する舵角セン
サ21と、前輪4,5の車輪速に対応した車輪速信号v
1,v2をそれぞれ出力する車輪速センサ22,23と、
駆動輪6,7の車輪速に対応した車輪速信号v3を出力
するスピードセンサ24と、車両ヨー方向の角速度に対
応したヨーレイトγを出力するヨーレートセンサ25と
を備える。
【0030】舵角センサ21は、舵角変化量Aを常時検
出しており、内蔵された舵角カウンタのカウンタ値を舵
角変化量Aに応じて増減させる。この舵角カウンタの値
が前輪舵角値θs2である。なお、ECU1は、舵角変
化量Aを取り込んで、これを積算することにより、演算
前輪舵角値θs1を常時算出している。また、この演算
前輪舵角値θs1は、ECU1における後述する中立補
正処理により算出された補正値Δθを用いて、実舵角に
一致するように補正される。
【0031】車両2の車速vは車輪速信号v1,v2,v
3のいずれか1つ、平均値、又は各信号v1,v2, v3
に重みづけを行ったものを車速とする。
【0032】車両2に搭載された電子回路ユニット(E
CU)1には、上述した各センサ21〜25,102,
103の出力及びイグニションスイッチIGのオンオフ
情報を含めた車両状態情報が入力され、ECU1は入力
された車両状態情報に応じてアクチュエータ100を駆
動し後輪6,7の転舵の制御を行う。
【0033】すなわち、後輪舵角制御装置は、車両状態
情報をECU1に与えるセンサ21〜25,102,1
03と、これらの各センサから入力された情報に応じて
アクチュエータ100を制御するECU1とを有し、E
CU1は入力される車両状態情報に応じて後輪6,7の
転舵されるべき後輪目標舵角δr*を演算し、演算され
た後輪目標舵角δr*に後輪6,7の実舵角δrが一致
するようにアクチュエータ100を制御する。
【0034】後輪目標舵角δr*は、次式に基づいて求
める。
【0035】 δr*=K1・θs1+K2・γ …(1) ここに、K1およびK2は車速(車体速度)に応じて変
化する係数であり、車速との関係をそれぞれ図3および
図4に示す。
【0036】後輪目標舵角δr*はヨーレイトセンサ2
5に異常があったときには次に示す(2)式に基づいて
決定され、前輪舵角センサ21に異常があったときには
(3)式に基づいて決定される。
【0037】δr*=K1´・δf …(2) δr*=K2´・γ …(3) K1´およびK2´もK1およびK2と同様に、車速
(車体速度)に応じて変化する係数であり、車速との関
係をそれぞれ図5および図6に示す。
【0038】つぎに、本実施形態の舵角センサ異常検出
装置について説明する。舵角センサ異常検出装置の機能
はECU1の一機能であり、ECU1が図7に示すフロ
ーチャートを実行することにより達成される。なお、図
7は舵角センサ異常検出のためのフローチャートである
が、前輪舵角値の中立補正処理も含んでいる。
【0039】この図7に示す舵角センサ異常検出処理ル
ーチンは、ECU1において24ms毎に実行される。
【0040】まず、ステップ201において、前輪の演
算舵角値θs1および推定舵角値θsa1を求める。演
算舵角値θs1は舵角センサ21からの舵角変化量Aに
基づいて算出され、推定舵角値θsa1は左右の車輪速
度v1、v2に基づいてつぎの(4)式から算出され
る。
【0041】
【数1】
【0042】つぎに、ステップ202に進み、演算舵角
積算平均値θms1および推定舵角積算平均値θmsa
1を算出する。ここでは、演算舵角値θs1および推定
舵角値θsa1について、それぞれ所定値以上の車速で
走行しているときの過去数百回分のデータを積算してそ
の平均を採る。したがって、イグニッションスイッチを
投入してIG−ONとなってから、最初の演算舵角積算
平均値θms1および推定舵角積算平均値θmsa1が
算出されるまでは、ステップ201および202を繰り
返し実行する。
【0043】演算舵角積算平均値θms1および推定舵
角積算平均値θmsa1が一旦算出されれば、以後は、
演算舵角値θs1および推定舵角値θsa1の最新デー
タを取り込む同時に最も古いデータを捨てることによ
り、このルーチンを実行する毎に最新の演算舵角積算平
均値θms1および推定舵角積算平均値θmsa1を算
出することができる。
【0044】ステップ202で演算舵角積算平均値θm
s1および推定舵角積算平均値θmsa1が得られたら
ステップ203に進み、演算舵角積算平均値θms1か
ら推定舵角積算平均値θmsa1を減算して中立補正値
Δθを算出する。そして、さらにステップ204に進ん
で、演算舵角値θs1から中立補正値Δθを減算したも
のを今回の演算舵角値θs1とする。
【0045】この中立補正処理は、左右の車輪速度に基
づいて算出された推定舵角値θsa1の方が舵角センサ
からの舵角変化量Aに基づいて算出された演算舵角値θ
s1よりも平均的には正確な舵角を示しているという考
え方に基づいている。
【0046】つぎに、舵角センサ異常検出処理を行う。
まず、ステップ205で第1異常判定を行う。舵角セン
サ21からの舵角値θs2と中立補正済みの演算舵角値
θs1の差の絶対値が所定値、ここでは5degより大
きいか否かを判断する。肯定の場合は、異常であるとし
てステップ206に進み第1異常フラグF1を1とし、
否定の場合は、正常であるとしてステップ207に進ん
で第1異常フラグF1を0にする。
【0047】なお、ステップ205の判定は、通常走行
中であることを前提としており、本実施形態では車速が
30km/h以上であることを付加条件としている。
【0048】ステップ205で異常判定された場合に
は、さらにステップ208に進んで、高度の異常である
か否かを判定する第2異常判定を行う。ここでは、舵角
値θs2と演算舵角値θs1との差の絶対値が10de
gより大きいか否かを判断する。肯定であればステップ
209に進み、高度異常であるとして第2異常フラグF
2を1とし、否定であればステップ210に進み、高度
異常ではないとして第2異常フラグF2を0とする。
【0049】第1および第2異常判定が終了すると、ま
ず、ステップ211で第1異常フラグF1が0であるか
否かを判断し、F1=1の場合にはステップ212に進
んでフェイルカウンタCNTの値をその最大値である1
0に設定し、さらに、ステップ215に進んで後輪転舵
駆動制御について上記(3)式に従う代替制御を実行す
る。
【0050】ステップ211でF1が0であれば、ステ
ップ213に移行してフェイルカウンタCNTの値を前
回値から1を減算した値に置き換える。ただし、フェイ
ルカウンタCNTのとり得る値は0〜10であり、前回
値が0の場合には0が維持されるだけである。
【0051】ステップ213の処理結果が0でなければ
ステップ214からステップ215に進み、後輪転舵駆
動制御について(3)式に従う代替制御を実行し、0で
あれば、ステップ216に移行して上記(1)式に従う
通常制御を実行する。
【0052】後輪転舵駆動制御について通常制御が選択
された場合には、ステップ217において第2異常フラ
グF2が1であるか否か、すなわち、第2異常状態から
正常状態に移行したものであるか否かが判断される。F
2が1であれば、ステップ218に移行して、中立補正
値Δθを算出するための演算舵角積算平均値θms1お
よび推定舵角積算平均値θmsa1の基礎データである
数百回分の演算舵角値θs1および推定舵角値θsa1
をすべてクリアし、その後、ステップ219に移行して
第2異常フラグF2を0に置き換える。
【0053】判断ステップ217でF2=0であれば、
演算舵角値θs1および推定舵角値θsa1をクリアす
ることなく、再びこのルーチンのスタートに戻る。
【0054】以上の説明で判るように、本実施形態では
舵角センサが第1の異常であると判定されると、フェイ
ルカウンタCNTの値が最大値である10にセットされ
て後輪転舵制御について代替制御を行い、異常判定後
は、舵角センサの正常判定が連続して10回続いた場合
に限り通常制御に復帰する。
【0055】異常判定がなされる場合としては、舵角セ
ンサ自身に異常が生じている場合と、操舵速度が大きい
ために一時的に舵角センサ出力に異常が生じた場合の2
つがある。そこで、後者の場合には、異常判定後に正常
判定が行われれば、通常制御に復帰するようになってい
る。ただし、通常制御と代替制御を短時間に何度も切り
替えることは、制御の安定性の面で好ましくないので、
異常判定後に正常判定がなされても直ちに通常制御に復
帰させず、正常判定がある程度連続した場合にのみ復帰
させている。
【0056】また、舵角センサの異常の程度が大きい第
2異常状態である場合には、中立補正値Δθを算出する
ための演算舵角積算平均値θms1および推定舵角積算
平均値θmsa1の基礎データをすべてクリアして、基
礎データの取り込みを最初からやり直す。この場合、中
立補正値Δθの算出が完了するまで、舵角センサ出力に
基づく後輪転舵制御は、一時的に中止され代替制御とな
る。
【0057】図8は、本実施形態の舵角センサ異常検出
装置を実施した場合のフェイルカウンタCNTの動作お
よびそれに伴う後輪転舵制御の制御状態を示す図であ
る。
【0058】各種センサに異常ななく、後輪転舵制御に
ついて通常制御が行われている状態から、時刻t1にお
いて異常判定が為されると、フェイルカウンタCNTの
カウンタ値は直ちに10となり、後輪転舵制御は(3)
式に従う代替制御に切り替わる。その後、時刻t2の直
前まで正常判定が続くとフェイルカウンタCNTのカウ
ント値は正常判定される毎に1づつ減少するが、カウン
ト値が0には至らないので、代替制御は維持される。
【0059】時刻t2では再び異常判定され、フェイル
カウンタCNTのカウント値が10に戻る。その後、時
刻t3の直前まで正常判定が連続するためフェイルカウ
ンタCNTの値は減少する。時刻t3からt4までは連
続して異常判定が行われたために、フェイルカウンタC
NTは10が維持される。時刻t4以後は正常判定が連
続し、フェイルカウンタCNTのカウント値は時刻t5
で0になる。フェイルカウンタCNTが0になると、制
御状態は通常制御に復帰する。
【0060】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の舵角セン
サ異常検出装置によれば、舵角センサの異常を検出する
ために別の舵角センサを設ける必要がないので、低コス
トで舵角センサ異常を検出できる。
【0061】また、本発明の車輌によれば、舵角センサ
自身の異常が生じたり、操舵速度が大きいために一時的
に舵角センサ出力異常が生じたりしたときには、舵角セ
ンサ出力に基づく後輪転舵制御が中止される。そのた
め、誤った後輪転舵や運転者に違和感を与えるような後
輪転舵を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態である舵角センサ異常検出
装置を備えた車輌のシステム構成図。
【図2】後輪舵角制御に用いられる後輪転舵駆動手段1
00の構造を示す断面図。
【図3】後輪舵角制御に用いられる目標舵角算出式の中
の定数K1を表すグラフ。
【図4】後輪舵角制御に用いられる目標舵角算出式の中
の定数K2を表すグラフ。
【図5】後輪舵角制御に用いられる目標舵角算出式の中
の定数K1´を表すグラフ。
【図6】後輪舵角制御に用いられる目標舵角算出式の中
の定数K2´を表すグラフ。
【図7】ECU1による舵角センサ異常検出処理を示す
フローチャート。
【図8】本実施形態の舵角センサ異常検出装置を実施し
た場合のフェイルカウンタCNTの動作およびそれに伴
う後輪転舵制御の制御状態を示す図。
【符号の説明】
1…ECU、2…車輌、6,7…後輪、21…舵角セン
サ、22,23…車輪速センサ、25…ヨーレイトセン
サ、100…後輪転舵駆動手段。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 舵角値と舵角変化量とを検出して出力す
    る舵角センサの異常を検出する舵角センサ異常検出装置
    において、 前記舵角センサが出力する舵角変化量を積算して演算舵
    角値を算出する舵角演算手段と、 前記舵角センサが出力する舵角値と前記舵角演算手段が
    算出した演算舵角値との偏差が所定値を越えたときに舵
    角センサ異常であると判定する判定手段とを備えたこと
    を特徴とする舵角センサ異常検出装置。
  2. 【請求項2】 前輪舵角値および前輪舵角変化量を検出
    して出力する舵角センサと、 前記舵角センサが出力する前輪舵角変化量を積算して演
    算前輪舵角値を算出する舵角演算手段および前記舵角セ
    ンサが出力する前輪舵角値と前記舵角演算手段が算出し
    た演算前輪舵角値との偏差が所定値を越えたときに舵角
    センサ異常であると判定する判定手段を有する舵角セン
    サ異常検出装置と、 前記舵角センサの出力を制御パラメータの一つとして後
    輪転舵制御を行い、前記舵角センサ異常検出装置が舵角
    センサ異常であると判定したときには前記舵角センサ出
    力以外の情報に基づいて後輪転舵制御を行う後輪転舵装
    置とを備えたことを特徴とする車輌。
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