JPH1158068A - ろう付け用ペーストおよびろう付け用アルミニウム材 - Google Patents

ろう付け用ペーストおよびろう付け用アルミニウム材

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JPH1158068A
JPH1158068A JP21862697A JP21862697A JPH1158068A JP H1158068 A JPH1158068 A JP H1158068A JP 21862697 A JP21862697 A JP 21862697A JP 21862697 A JP21862697 A JP 21862697A JP H1158068 A JPH1158068 A JP H1158068A
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brazing
paste
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filler metal
butyl
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JP21862697A
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Noboru Soga
昇 曽我
Takenobu Dokou
武宜 土公
Koji Okada
光司 岡田
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Furukawa Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ろう付け後にバインダーの残渣が残らず、ま
た、ろう付け中のバインダーの分解によるろう付け炉の
汚染も発生しないろう材層を形成しうるろう付け用ペー
スト、及びバインダー残査による黒変や耐食性の低下が
なく、かつ高いろう付け性を有するろう付け用アルミニ
ウム材を提供する。 【解決手段】 ろう材粉末を、式(I)で表わされる繰
り返し単位を有するメタクリル樹脂を含む樹脂をバイン
ダーとして媒体中に分散させてなるろう付け用ペースト
及び表面の少なくとも一部に該ろう付け用ペーストを塗
布、乾燥して、ろう材量10〜100g/m2 の皮膜を
形成したろう付け用アルミニウム材。 【化1】 (式中、Rはn−ブチル、i−ブチル又はsec−ブチ
ルを表わす。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルミニウム合金
製熱交換器等を接合組み立てする際のろう付け(ブレー
ジング)に用いるろう付け用ペースト及びそれをあらか
じめ塗布したろう付け用アルミニウム材に関する。
【0002】
【従来の技術】エバポレーター、コンデンサー、ラジエ
ーターなどのアルミニウム合金製熱交換器は、ブレージ
ング工法により組立製造されている。例としてパラレル
フローコンデンサーを図1に模式図で示した。図中、1
は押出多穴偏平チューブ、2はフィン、3はヘッダーパ
イプを示す。例えばフィン2を、ろう材をクラッドした
ブレージングシートフィンとし、ブレージングで接合組
立する。上記はフィン2としてろう材をクラッドしたブ
レージングシートを用いる例であるが、近年は熱交換器
の小型、軽量化が要求されているため、薄肉化に限界が
あるフィン2をベアフィンにして薄肉化し、フィン2で
なくチューブ1の外側にバインダーを含んだ金属粉末を
コーティングにより被覆してろう材層とし、これらをブ
レージングにより接合する方法が提案されている(特開
平9−85483号)。このときのバインダーには主と
してアクリル樹脂、メタクリル樹脂が用いられている
が、従来用いられているアクリル樹脂、メタクリル樹脂
は分解温度が高いために、ろう付け後に残渣が残って黒
変を生じたり、合金の耐食性に悪影響を及ぼすという問
題が生じた。また、これらの樹脂はろう付け前の予熱炉
で十分に分解蒸発させることができず、ろう付け中に生
じる分解成分によってろう付け炉が汚染されるという問
題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】したがって本発明は、
ろう付け後にバインダーの残渣が残らず、また、ろう付
け中のバインダーの分解によるろう付け炉の汚染も発生
しないろう材層を形成しうるろう付け用ペーストを提供
することを目的とする。さらに本発明は、バインダー残
渣による黒変や耐食性の低下がなく、かつ高いろう付け
性を有するろう付け用アルミニウム材を提供することを
目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題に
鑑み鋭意研究した結果、特定の構造を有するメタクリル
樹脂をバインダー樹脂として用いると、バインダー樹脂
の耐ブロッキング性を維持しつつ分解温度を低くするこ
とができ、上記課題が解決できることを見出し、この知
見に基づき本発明をなすに至った。すなわち本発明は、
(1)ろう材粉末を、式(I)で表わされる繰り返し単
位を有するメタクリル樹脂を含む樹脂をバインダーとし
て媒体中に分散させてなることを特徴とするろう付け用
ペースト、
【0005】
【化2】
【0006】(式中、Rはn−ブチル、i−ブチル又は
sec−ブチルを表わす。) (2)メタクリル樹脂100重量部に対し2〜35重量
部の過酸化物をさらに含んでなることを特徴とする
(1)項記載のろう付け用ペースト、及び(3)表面の
少なくとも一部に(1)又は(2)項記載のろう付け用
ペーストを塗布、乾燥して、ろう材量10〜100g/
2 の皮膜を形成したことを特徴とするろう付け用アル
ミニウム材を提供するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明のろう付け用ペーストは、
ろう材粉末、メタクリル樹脂及び溶媒を含んでなる。本
発明で用いるろう材粉末としては、所定量のSiを含む
アルミニウム合金粉末が好ましく、Siを10〜50w
t%含むアルミニウム合金粉末がさらに好ましい。Si
含有量を通常のろう材合金よりも多くすることで、塗布
するろう材量を低減することができる。また、ろう付け
性に影響を与えない範囲で、Si以外の元素、例えばZ
n、Fe、Cu、Mn、In、Sn等を耐食性向上等の
目的で含んでもよい。さらに、Si単独の粉末を用いる
こともできる。本発明で用いるろう材粉末の粒径は、5
〜100μmが好ましい。粒径は分散安定性の点から小
さければ小さい程よいが、小さすぎると粉末の製造コス
トが高くなるうえ、酸化皮膜を形成しやすくなり、ろう
付け性を阻害することがある。また、粒径が大きすぎる
と、ペーストをアルミニウム合金に塗装し乾燥する工程
においてろう材粉末が合金表面に留まらず、バインダー
と共に落下しやすくなるため、所定のろう材量を達成す
ることが困難になる場合がある。本発明のろう付け用ペ
ーストにおいて、チューブ材などのアルミニウム材上に
塗布、乾燥後のろう材層に、接合に十分な量のろう材が
存在しているためには、該ペースト中に所定濃度でろう
材が存在していることが必要である。該ペースト中のろ
う材の濃度は、通常10〜80重量%、好ましくは20
〜60重量%である。この場合、ろう材粉末の濃度が1
0重量%未満ではろう付け時に十分な接合強度が得られ
ない。ペースト中のろう材粉末の濃度の上限は塗布方法
によっても異なるが、塗布に必要なアルミニウム合金粉
末の分散性、流動性を確保するため、約80重量%以下
とすることが必要であり、60重量%以下が好ましい。
ペースト中のろう材粉末の重量が約80重量%を超える
とろう材としてのアルミニウム合金粉末の分散性、流動
性が不足し、その結果ペーストの塗布性が低下するた
め、アルミニウム合金粉末をアルミニウム合金熱交換器
部材上に均一に塗布することができない。
【0008】本発明において用いるメタクリル樹脂は、
ろう材粉末をアルミニウム合金表面に保持させ、均一な
ろう材層を形成させるよう作用する。本発明で用いるメ
タクリル樹脂は、圧延等によってもはがれない密着性を
有し、ガラス転移点(Tg)が適度な温度であるため高
温多湿でのコイリング時でもろう材面同士がくっつかな
い耐ブロッキング性を有することとできるだけ低温で揮
発分解することが必要である。本発明に用いられる前記
式(I)で表わされる特定の構造の成分からなるメタク
リル樹脂は、この作用を有する。前記式(I)におい
て、Rはn−ブチル、i−ブチルまたはsec−ブチル
を表わす。Rの炭素数が3以下又は5以上の場合、バイ
ンダーの分解温度が上昇し、ろう付け時に分解ガスが発
生する。このような本発明に用いるメタクリル樹脂はT
gが50〜150℃であるものであることが好ましく、
分子量は特に制限はない。
【0009】また、さらに分解温度を下げるために、本
発明のろう付け用ペーストには、メタクリル樹脂ととも
に過酸化物(パーオキサイド)を用いることが好まし
い。本発明においては室温程度で分解せず、アルミニウ
ム合金に悪影響を与えず、かつろう付け予熱時に樹脂の
ラジカル分解効果を有する過酸化物が好ましく用いられ
る。本発明で用いることのできる過酸化物は、下記式
(II)で表わすことができる。 式(II) X−O−O−X’ (式中、X及びX’はアルキル基、アリール基、アシル
基を表わす。) 式(II)においてX及びX’で表わされるアルキル基は
直鎖又は分岐のいずれでもよく、好ましくは炭素数1〜
5である。X及びX’で表わされるアリール基は、好ま
しくは炭素数6〜9であり、アシル基は好ましくは炭素
数2〜7である。本発明で用いる過酸化物として、具体
的には例えばジブチルパーオキサイド、ジプロピルパー
オキサイド、ジフェニルパーオキサイドなどがあげられ
る。過酸化物の使用量は、メタクリル樹脂100重量部
に対し2〜35重量部が好ましく、5〜15重量部がさ
らに好ましい。過酸化物が少なすぎるとラジカル分解の
効果が得られない。また、多すぎるとろう付け用ペース
トの安定性が悪化し、室温でも分解反応が起こってバイ
ンダーが機能しなくなることがあり、耐ブロッキング性
も悪くなる場合がある。本発明におけるバインダーの分
解温度はろう付け予熱炉の炉内温度であり100℃以
上、好ましくは150〜250℃である。
【0010】本発明において用いるろう材粉末の分散媒
体は、ろう材粉末、上記のメタクリル樹脂を分散、溶解
し、塗装に好適なペーストとして適切な物性を与えるも
のであれば特に制限はない。具体的には有機溶媒、例え
ばキシレン、トルエン等があげられ、これらは単独で、
あるいは混合して用いることができる。本発明におい
て、このような媒体とメタクリル樹脂との比は、重量比
で溶媒1に対しメタクリル樹脂0.03〜0.2、好ま
しくは0.05〜0.15とする。このような本発明の
ろう付け用ペーストの粘度は高くしすぎず、かつ低すぎ
ないことが必要であり、好ましくは約10〜103 cp
(25℃での測定値。以下同様)、さらに好ましくは約
10〜102 cpとする。
【0011】本発明のろう付け用ペーストにはさらに、
ペーストの粘度調整のために必要に応じて各種セルロー
ス溶液等の増粘剤を添加することができる。さらに、必
要に応じて適量のろう付け用のフラックスを添加し、フ
ラックス塗布工程を省略可能とすることもできる。この
ときのフラックスとしては、通常ろう付けに使用される
フッ化物系やセシウム系などのフラックスをあげること
ができる。本発明のろう付け用ペーストの性質を損ねな
い範囲であれば、通常、ろう付け用のペースト(スラリ
ー)に用いられる上記した以外の成分を特に制限なく添
加することができる。
【0012】次に本発明のろう材層を有するろう付け用
アルミニウム材について説明する。本発明のろう付け用
アルミニウム材は、アルミニウム合金材上に本発明のろ
う付け用ペーストを用いてろう材層を形成したものであ
る。アルミニウム合金材はブレージングを行えるもので
あれば特に合金組成や形状等に制限はなく、これはろう
付け用アルミニウム材の用途に応じて適宜に定まる。例
えば用途が押出しチューブの場合は押出し性の高い合
金、熱交換器の場合は耐食性等の高い合金を選択するの
が好ましい。また、皮膜の付着性、密着性を良好にし、
塗装後の板厚のばらつきによってろう付け後、局部的に
未着部ができるのを防止するために、アルミニウム合金
の表面に凹凸を有することが好ましく、10〜60μm
の凹凸がさらに好ましい。
【0013】本発明におけるろう材層の形成は、引き上
げ塗装、ロールコータ塗装、スプレー塗装など通常のコ
ーティング方法によって上記のアルミニウム合金上に本
発明のろう付け用ペーストを塗布、乾燥することにより
行うことができる。ろう材層の塗膜は合金表面の少なく
とも一部に形成されていればよく、例えばアルミニウム
合金チューブの外面、アルミニウム合金条の片面又は両
面など、用途、形状に応じて適宜選択できる。上記のよ
うにして形成された皮膜中のろう材量は、10〜100
g/m2 であることが好ましい。皮膜中のろう材量が少
なすぎるとろう付け性が悪く、また、多すぎる場合には
ろう付け性が飽和する一方で皮膜厚が増加してろう付け
後のコアの一部にろう付けされない隙間が生じる場合が
ある。
【0014】
【実施例】次に、本発明を実施例に基づいてさらに詳細
に説明する。 実施例1 アルミニウム合金(JIS A1050)の円筒状のビ
レットを多穴偏平管(高さ1.8mm、幅16mm、1
9孔)に押出した後、表面にブラスト処理を施し、その
後、弱アルカリエッチング処理を施し、チューブ材とし
た。一方、ろう材粉末としてアルミニウム合金粉末(平
均粒径40μm、組成:Si 10wt%、Zn 15
wt%、残部Al)、前記式(I)においてR基がn−
ブチルであるメタクリル樹脂(Tg 90℃)、溶媒と
してトルエンを用い、ろう材粉末:メタクリル樹脂(粉
末):溶媒の重量比が30:7:63となるよう混合し
樹脂を溶解して、粘度50cp(25℃での測定値。以
下同様)のろう付け用ペーストを調製した。上記のチュ
ーブ材をこのろう付け用ペースト中に浸漬した後、15
0℃で30秒の焼付乾燥を行い、チューブ材の表面にろ
う材粉末を含む皮膜を形成して、ろう付け用チューブ材
とした。皮膜中のろう材量は30g/m2 であった。
【0015】実施例2 有機バインダー樹脂として前記式(I)においてR基が
i−ブチルであるメタクリル樹脂(Tg 80℃)を用
いた以外は実施例1と全く同様にして、粘度50cpの
ろう付け用ペーストを調製した。これを実施例1と同様
にしてチューブ材上に塗布してろう付け用チューブ材を
得た。皮膜中のろう材量は30g/m2であった。
【0016】実施例3 実施例1で調製したろう付け用ペーストにさらに過酸化
物((CH3)3 C−O−O−C(CH3)3 )を加えた以
外は実施例1と全く同様にして、粘度60cpのろう付
け用ペーストを調製した。これを実施例1と同様にして
チューブ材上に塗布してろう付け用チューブ材を得た。
なお、ろう材粉末:メタクリル樹脂:過酸化物:溶媒の
重量比は30:7:1:62となるようにした。皮膜中
のろう材量は40g/m2 であった。 実施例4 ろう材粉末:メタクリル樹脂:過酸化物:溶媒の重量比
は30:7:2:61となるようにした以外は実施例3
と全く同様にして、粘度60cpのろう付け用ペースト
を調製した。これを実施例1と同様にしてチューブ材上
に塗布してろう付け用チューブ材を得た。皮膜中のろう
材量は40g/m2 であった。
【0017】実施例5 実施例2で調製したろう付け用ペーストにさらに過酸化
物((CH3)3 C−O−O−C(CH3)3 )を加えた以
外は実施例2と全く同様にして、粘度60cpのろう付
け用ペーストを調製した。これを実施例1と同様にして
チューブ材上に塗布してろう付け用チューブ材を得た。
なお、ろう材粉末:メタクリル樹脂:過酸化物:溶媒の
重量比は30:7:1:62となるようにした。皮膜中
のろう材量は40g/m2 であった。 実施例6 ろう材粉末:メタクリル樹脂:過酸化物:溶媒の重量比
は30:7:2:61となるようにした以外は実施例5
と全く同様にして、粘度60cpのろう付け用ペースト
を調製した。これを実施例1と同様にしてチューブ材上
に塗布してろう付け用チューブ材を得た。皮膜中のろう
材量は40g/m2 であった。
【0018】比較例1 ろう材粉末:メタクリル樹脂:過酸化物:溶媒の重量比
は30:7:3:60となるようにした以外は実施例3
と全く同様にして、粘度65cpのろう付け用ペースト
を調製した。これを実施例1と同様にしてチューブ材上
に塗布してろう付け用チューブ材を得た。皮膜中のろう
材量は45g/m2 であった。 比較例2 ろう材粉末:メタクリル樹脂:過酸化物:溶媒の重量比
は30:7:3:60となるようにした以外は実施例5
と全く同様にして、粘度65cpのろう付け用ペースト
を調製した。これを実施例1と同様にしてチューブ材上
に塗布してろう付け用チューブ材を得た。皮膜中のろう
材量は45g/m2 であった。
【0019】比較例3 前記式(I)においてR基をn−プロピルとしたメタク
リル樹脂を用いた以外は実施例1と全く同様にして、粘
度55cpのろう付け用ペーストを調製した。これを実
施例1と同様にしてチューブ材上に塗布してろう付け用
チューブ材を得た。皮膜中のろう材量は40g/m2
あった。 比較例4 前記式(I)においてR基をn−オクチルとしたメタク
リル樹脂を用いた以外は実施例1と全く同様にして、粘
度65cpのろう付け用ペーストを調製した。これを実
施例1と同様にしてチューブ材上に塗布してろう付け用
チューブ材を得た。皮膜中のろう材量は45g/m2
あった。
【0020】比較例5、6 メタクリル樹脂に代えて側鎖に−COOC37 (n)
を有するアクリル樹脂(分子量約10万)又はポリエチ
レングリコール(分子量約6000)を用いた以外は実
施例1と全く同様にして、それぞれ粘度50cp、15
cpのろう付け用ペーストを調製した。これを実施例1
と同様にしてチューブ材上に塗布してろう付け用チュー
ブ材を得た。皮膜中のろう材量はそれぞれ30g/m
2 、15g/m2 であった。
【0021】試験例 上記実施例1〜6及び比較例1〜6で得たろう付け用チ
ューブのろう付け性、揮発分解性、耐ブロッキング性を
以下の方法で試験し、評価した。結果を表1に示した。 (ろう付け性)実施例及び比較例で得た各チューブ材を
60mm切り出し、コルゲート加工したベアフィン(板
厚0.07mmのAl合金、組成:Si 0.5wt
%、Fe1wt%、Ni 0.5wt%、Zn 2wt
%)と20山組み合わせてミニコアを作成した。そのコ
アにあらかじめフッ化物系のフラックスを塗布し、窒素
雰囲気中で590℃、3.5分のろう付け加熱を行っ
た。ろう付け後のフィンの接着率が100%のものを
○、100%でないものを×として評価した。ただし、
接着率は上記の20山分のミニコアのチューブからフィ
ンを剥がし、(接着されている部分の長さ)/(接着さ
れている部分の長さ+未接着部の長さ)を100倍して
得られた値である。
【0022】(揮発分解性)熱分析装置を用い、得られ
たチューブ材の80%重量減温度を測定した。この温度
が250℃以下を○、250℃を越え350℃以下を
△、350℃を越えるものを×として評価した。 (耐ブロッキング性)得られたチューブ材のろう材面を
互いに2枚重ね合わせ、1N/cm2 の圧力をかけた。
このサンプルを50℃、RH 98%の雰囲気中に24
時間放置し、ろう材面がべたつかず互いにくっつかない
ものを○、ろう材面にべたつきが生じたがろう材面同士
はくっつかないものを△、ろう材面同士がくっついて離
れないものを×とした。
【0023】
【表1】
【0024】表1の結果よりわかるとおり、実施例1〜
6で得たろう付け用ペーストを用いた各ろう付け用チュ
ーブ材はろう付け性に優れ、揮発分解温度が低く、ろう
材層は高温多湿の環境下でのコイリングにおいてもろう
材面同士がくっついてしまうことのない耐ブロッキング
性を有する。比較例1及び2のチューブ材は過酸化物が
多すぎ、ろう付け性に影響が生じ、Tgが低下したため
耐ブロッキング性が悪化した。式(I)におけるR基を
n−プロピル又はn−オクチルとした比較例3、4で
は、各実施例に比べ揮発分解性が悪化し、チューブ材の
80%重量減温度は350℃以上であった。また、従来
用いられているアクリル樹脂又はポリエチレングリコー
ルを用いた比較例5、6のチューブ材の場合には、実施
例で得たチューブ材と比較してろう付け性が悪く、揮発
分解温度も高かった。
【0025】
【発明の効果】本発明のろう付け用ペーストによれば、
ろう付け前の予熱炉でバインダー樹脂が十分に分解、蒸
発し、かつ高温多湿の環境下でもべたつきを生じず、し
かも高いろう付け性を有するろう材層を形成することが
できる。したがって本発明のろう付け用ペーストを用い
たろう付け用アルミニウム材は、ろう付け炉を汚染せ
ず、バインダー樹脂の残渣による黒ずみや耐食性の悪化
なども少ないうえ、コイリング時にろう材面のべたつき
が少なく、高温多湿下でもろう材面同士がくっつくこと
がない。しかも、ろう付け性が高く、ろう付けの信頼性
及びろう付け工程の効率を高め、高品質のアルミニウム
合金製熱交換器の組立てを可能にするという優れた効果
を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】パラレルフローコンデンサーを示す模式図であ
る。
【符号の説明】
1 押出多穴偏平チューブ 2 フィン 3 ヘッダーパイプ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ろう材粉末を、式(I)で表わされる繰
    り返し単位を有するメタクリル樹脂を含む樹脂をバイン
    ダーとして媒体中に分散させてなることを特徴とするろ
    う付け用ペースト。 【化1】 (式中、Rはn−ブチル、i−ブチル又はsec−ブチ
    ルを表わす。)
  2. 【請求項2】 メタクリル樹脂100重量部に対し2〜
    35重量部の過酸化物をさらに含んでなることを特徴と
    する請求項1記載のろう付け用ペースト。
  3. 【請求項3】 表面の少なくとも一部に請求項1又は2
    記載のろう付け用ペーストを塗布、乾燥して、ろう材量
    10〜100g/m2 の皮膜を形成したことを特徴とす
    るろう付け用アルミニウム材。
JP21862697A 1997-08-13 1997-08-13 ろう付け用ペーストおよびろう付け用アルミニウム材 Pending JPH1158068A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005153020A (ja) * 2003-11-07 2005-06-16 Shinko Alcoa Yuso Kizai Kk アルミニウム合金ろう材、その製造方法及びアルミニウム合金製熱交換器の製造方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005153020A (ja) * 2003-11-07 2005-06-16 Shinko Alcoa Yuso Kizai Kk アルミニウム合金ろう材、その製造方法及びアルミニウム合金製熱交換器の製造方法

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