JPH1156276A - 可食性米糠の製造法 - Google Patents

可食性米糠の製造法

Info

Publication number
JPH1156276A
JPH1156276A JP9227402A JP22740297A JPH1156276A JP H1156276 A JPH1156276 A JP H1156276A JP 9227402 A JP9227402 A JP 9227402A JP 22740297 A JP22740297 A JP 22740297A JP H1156276 A JPH1156276 A JP H1156276A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rice bran
water
maintaining
formulation
temperature
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9227402A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroshi Ito
汎 伊藤
Kazuyoshi Toeda
一喜 戸枝
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Individual
Original Assignee
Individual
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Individual filed Critical Individual
Priority to JP9227402A priority Critical patent/JPH1156276A/ja
Publication of JPH1156276A publication Critical patent/JPH1156276A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Cereal-Derived Products (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 有用な成分を新たに含むとともに、味、香
り、舌ざわりのよい食品素材となる米糠粉末の製造法を
提供すること。 【解決手段】 米糠と水を配合し、特定のpHと温度を
調整し、粉砕することを特徴とする可食性米糠の製造
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は可食性米糠の製造法
に関する。更に詳しくはγ−アミノ酪酸を含有し、味、
香り、舌ざわりのよい食品素材となる米糠粉末の製造法
に関する。
【0002】
【従来の技術】玄米の10%程度を占める赤糠(米糠)
の中には各種のアミノ酸、ビタミン類、ミネラル、不飽
和脂肪酸、ワックス、食物繊維、酵素など多くの身体に
よい成分を多量に含んでいる。この様な有用な成分を含
む米糠はその味、香り、舌ざわりの悪さから、現在では
食用とされることはなく、一部が漬物用床として使用さ
れているに過ぎない。
【0003】また、食用以外には油脂原料や飼料、肥料
に使用されているが、油脂原料とする場合には米糠の酵
素リパーゼの作用により米糠の油脂が酸化分解を起こし
品質の劣化が起こりやすいために迅速な集荷が必要とな
る。また最近では、産地精米が進み精米所が各地に分散
したために、生産される米糠の量が分散されて集荷コス
トがかかるようになり、精油所から離れた米糠生産地で
は集荷に問題が生じている。また飼料原料としては、集
荷コストの面および品質の経時劣化の問題から生米糠の
使用はなくなっている。このように最近では米糠がこれ
らの用途に使われることが少なくなり、場所によっては
産業廃棄物として処分されている。しかし、米糠の中に
は前記のように、現在の飽食の時代に起きている生活習
慣病にとって非常に有用な成分を含んでおり、産業廃棄
物とするにはあまりにも多くの問題を含んでいる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は好まし
い食味を持つとともにγ−アミノ酪酸のごとき有用な成
分を新たに含んだ食用となる米糠の製造法を提供するこ
とである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は鋭意検討を続
け、米糠をこれまで行われていない水を含ませた状態
で、温度、pH調整、粉砕等の処理をすることにより、
米糠に含まれている酵素の働きによって本来的に米糠に
含まれている有用成分の他に、γ−アミノ酪酸のごとき
有用な成分を新たに含ませた好ましい食味を持った食用
となる米糠粉末を得ることができることを見出し本発明
に到達した。即ち、本発明は米糠と水を配合し、pHを
3〜8に調整し、5〜50℃に維持しつつ、または維持
した後に粉砕することを特徴とする、食味が改善されか
つγ−アミノ酪酸を含有する可食性米糠の製造法であ
る。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明に使用する米糠は特に制限
はないが、時間の経過とともに米糠に含まれる酵素の活
性が低下してくるので新鮮なものが好ましい。とう精後
時間の経過した米糠を使用する場合は、後述の麹等の微
生物菌体を含む培地や酵素を添加することが好ましい。
米糠と水の配合割合は特に制限はなく、酵素反応が生起
する程度の水の量があればよい。水は例えば米糠が湿る
程度でもよく、米糠がスラリーとなる程度でもよい。更
に多くてもよい。通常、米糠100重量部に対して水を
30〜400重量部配合するが、粉砕等の容易性を考慮
して更に水を多くてしも何等差し支えない。使用する水
は特に制限はなく、飲用に適したものであればよい。
【0007】米糠と水を配合するに当たり、麹等の微生
物菌体を含む培地を配合してもよく、このようにするこ
とでγ−アミノ酪酸の生成と米糠の微粉砕化を促進する
ことができる。また、セルラーゼ、ヘミセルラーゼ、ペ
クチナーゼ、キシラナーゼ、プロテアーゼ等の酵素を配
合してもよく、このようにすることで、湿式粉砕の際の
米糠の微粉砕化を促進することができる。添加するこれ
らの酵素は各々の酵素を単独で使用してもよいが、混合
して同時に添加してもよい。コスト的な面から好ましく
はこれらの酵素を含む粗酵素を使用するのがよい。ここ
で使用する粗酵素は細菌、カビ等の微生物酵素の他動植
物酵素でもよく、特に限定されない。
【0008】米糠と水、好ましくは更に培地、酵素およ
びまたはグルタミン酸(ナトリウム)を配合したもの
は、pH3.5〜8、好ましくは5〜7に、温度5〜5
0℃、好ましくは15〜60℃に、好ましくは2〜6時
間、更に好ましくは3〜4時間維持し、酵素反応を行わ
せる。pHを上記の値に維持するためには必要に応じて
公知の緩衝液を使用すればよい。好ましくはグルタミン
酸(ナトリウム)を添加するとよい。グルタミン酸(ナ
トリウム)を添加することで、pHの調整と同時にγ−
アミノ酪酸の生成量を増加することができる。
【0009】上記配合物の粉砕は上記の条件に維持して
いる間に行うか、または維持した後に行う。時間を節約
するためには維持している間に行うのがよい。また、こ
の条件に維持している間に攪拌を行ってもよい。粉砕機
としては石臼式粉砕機等の通常の湿式粉砕機で差し支え
ない。粉砕は1回だけでなく反復繰り返して行ってもよ
い。粉砕は通常米糠が約50〜100μmあるいはそれ
以下になる程度で、米糠は細かければ細かいほどよい。
【0010】通常、湿式粉砕後に乾燥して粉末とする。
乾燥は凍結乾燥、真空乾燥、噴霧乾燥等の方法があり、
どの方法でも適用可能である。好ましくは、ドラムドラ
イヤー等の殺菌を同時に行うことができる加熱を伴う乾
燥法がよい。加熱温度としては80〜130℃が好まし
い。ただし加熱時間が長くなると生成したγ−アミノ等
酪酸の分解が起こるので、短時間、例えば5〜60秒で
乾燥するようにするのが好ましい。
【0011】なお、米糠には油脂分が含まれており、こ
れが食品としての風味を損なう。油脂分を減少させるた
めには、水の配合量を米糠が懸濁する程度とし、懸濁後
直ちに5℃以下に冷却し、遠心分離を行って油脂分を多
く含む上澄層を除いてから前記条件で処理することによ
り、米糠の酵素活性を損なうことなく米糠粉末製品中の
油脂分を減少させ、風味を向上させることができる。
【0012】
【実施例】以下に実施例で本発明を説明するが、本発明
はこれらのよって限定されるものではない。
【0013】実施例1 米糠5gに水15mlを加え、pH6.3、30℃で4
時間攪拌した。反応後、米糠懸濁液を石臼式粉砕機で湿
式粉砕した。粉砕後、ドラムドライヤーで120℃で約
5秒乾燥し、0.2%のγ−アミノ酪酸を含むフレーク
状の、口溶けのよい好ましい風味を持った米糠微粉末を
得た。
【0014】実施例2 米糠5gに水20mlを加え、pH6.5、30℃に保
持しながら石臼式粉砕機で湿式粉砕を反復した。約4時
間後、粉砕液をドラムドライヤーで120℃で約5秒乾
燥し、0.28%のγ−アミノ酪酸を含む風味のよいフ
レーク状の粉末を得た。
【0015】実施例3 米糠5gに水15mlを加え、4℃に冷却した後、遠心
分離器にかけ液上層部の油脂分を含む懸濁物を除いた。
水層を20℃まで加熱し、pH6.1で4時間保持した
後、石臼式粉砕機で湿式粉砕した。粉砕後、ドラムドラ
イヤーで105℃で10秒乾燥し、風味のよいフレーク
状の米糠粉末を得た。
【0016】実施例4 米糠5gにpH5.6の緩衝液20mlを加え、20℃
で4時間攪拌しながらグルタミン酸ナトリウム2gを添
加した。4時間反応させ、湿式粉砕してドラムドライヤ
ーで100℃で約10秒乾燥し、フレーク状の米糠粉末
を得た。γ−アミノ酪酸の生成量は5.6%であった。
残存したグルタミン酸ナトリウムにより好ましい味を有
していた。
【0017】実施例5 米糠5gに水15mlを加え、緩衝液を加えることなく
グルタミン酸2gを添加した。pHは6.3であった。
以後、実施例3と同様に処理した。γ−アミノ酪酸の生
成量は6.3%であった。
【0018】
【発明の効果】以上か明らかなように、本発明によりγ
−アミノ酪酸を含む風味のよい米糠粉末を得ることがで
きる。これまで肥料や飼料に使用され、食用としての用
途が殆どなかった米糠を本発明の方法により、健康によ
い機能をもった食品素材とすることが可能となる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 米糠と水を配合し、pHを3〜8に調整
    し、5〜50℃に維持しつつ、または維持した後に粉砕
    することを特徴とする、食味が改善されかつγ−アミノ
    酪酸を含有する可食性米糠の製造法。
  2. 【請求項2】 米糠と水とさらに微生物菌体を含む培地
    または酵素を配合することを特徴とする請求項1の製造
    法。
  3. 【請求項3】 米糠と水とさらにグルタミン酸またはグ
    ルタミン酸ナトリウムを配合することを特徴とする請求
    項1または2の製造法。
  4. 【請求項4】 米糠と水を配合し、5℃以下に冷却して
    遠心分離することにより油分を多く含む上澄液を除去
    し、ついでpHを3〜8に調整し、5〜50℃に維持し
    つつ、または維持した後に粉砕することを特徴とする請
    求項1、2または3の製造法。
JP9227402A 1997-08-09 1997-08-09 可食性米糠の製造法 Pending JPH1156276A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9227402A JPH1156276A (ja) 1997-08-09 1997-08-09 可食性米糠の製造法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9227402A JPH1156276A (ja) 1997-08-09 1997-08-09 可食性米糠の製造法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1156276A true JPH1156276A (ja) 1999-03-02

Family

ID=16860277

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9227402A Pending JPH1156276A (ja) 1997-08-09 1997-08-09 可食性米糠の製造法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1156276A (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002281922A (ja) * 2001-03-29 2002-10-02 Hayashibara Biochem Lab Inc γ−アミノ酪酸含量を高めた食品素材の製造方法
JP2004330078A (ja) * 2003-05-07 2004-11-25 Morinaga Milk Ind Co Ltd 食品の微粉砕方法および飲食物
WO2006022524A1 (en) * 2004-08-25 2006-03-02 Cj Corporation A method for untrafinely pulverizing oat bran and a beverage composition comprising an extract extracted from an ultrafine oat bran powder obtained by the method
WO2006038359A1 (ja) * 2004-10-05 2006-04-13 Ishikawajima-Harima Heavy Industries Co., Ltd. 高脂質食材の製造方法及び高脂質食材並びに高脂質食材製造装置
KR100893661B1 (ko) 2008-03-06 2009-04-17 최성훈 효소분해와 진공건조를 이용한 기능성 미강의 제조방법
JP2012055211A (ja) * 2010-09-07 2012-03-22 Maeda:Kk ギャバを含有するギャバ大麦の製造方法及びその製品
WO2016001694A1 (en) 2014-07-03 2016-01-07 Szántó Emil Nutritional supplementary composition with curative effect containing rice bran
CN110769700A (zh) * 2017-06-30 2020-02-07 洋马株式会社 米胶的制造方法

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002281922A (ja) * 2001-03-29 2002-10-02 Hayashibara Biochem Lab Inc γ−アミノ酪酸含量を高めた食品素材の製造方法
JP2004330078A (ja) * 2003-05-07 2004-11-25 Morinaga Milk Ind Co Ltd 食品の微粉砕方法および飲食物
WO2006022524A1 (en) * 2004-08-25 2006-03-02 Cj Corporation A method for untrafinely pulverizing oat bran and a beverage composition comprising an extract extracted from an ultrafine oat bran powder obtained by the method
WO2006038359A1 (ja) * 2004-10-05 2006-04-13 Ishikawajima-Harima Heavy Industries Co., Ltd. 高脂質食材の製造方法及び高脂質食材並びに高脂質食材製造装置
KR100893661B1 (ko) 2008-03-06 2009-04-17 최성훈 효소분해와 진공건조를 이용한 기능성 미강의 제조방법
JP2012055211A (ja) * 2010-09-07 2012-03-22 Maeda:Kk ギャバを含有するギャバ大麦の製造方法及びその製品
WO2016001694A1 (en) 2014-07-03 2016-01-07 Szántó Emil Nutritional supplementary composition with curative effect containing rice bran
CN110769700A (zh) * 2017-06-30 2020-02-07 洋马株式会社 米胶的制造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0671883B1 (en) Method for stabilizing rice bran and rice bran products
BG64034B1 (bg) Ензимен предгранулат за фуражен гранулат
JP2001523477A (ja) 予備消化した種子食品組成物
JPH1156276A (ja) 可食性米糠の製造法
WO2001010242A1 (fr) Procede de traitement de soja utilisant une enzyme, soja traite ainsi obtenu et aliment contenant le soja ainsi traite
CN101999625B (zh) 一种固体调味料及其制备工艺
JP4160262B2 (ja) フィチン酸塩を無機リン酸塩に変換する方法
JP4759349B2 (ja) 液体麹を用いた醤油の製造方法
US4544568A (en) Cheese flavoring product
JP2801376B2 (ja) チーズ風味組成物の製造方法
CN106722446B (zh) 一种胭脂萝卜复配蔬菜粉及其制备方法
JPS61115458A (ja) おから利用粉末蛋白質食品の製造法
CN108991128A (zh) 速溶豆奶粉的制备方法
JP2003000155A (ja) 酵素処理魚粉の製造方法及び酵素処理魚粉を配合した飼料
WO2018155628A1 (ja) カカオ酵素処理物の製造方法
DE2756739A1 (de) Verfahren zum aufarbeiten von tierkoerper-, knochen- und fleischabfaellen
CN116326647A (zh) 芝麻油及其制备方法
JPH09271373A (ja) ルウの製造方法及びこれに用いる風味原料組成物
JPH01199565A (ja) 水不溶性タンパク質を含有する飲料およびその製法
KR20240106063A (ko) 초음파 처리로 안정성을 향상시킨 식물성 쌀 우유 및 이의 제조방법
JP2023146936A (ja) ひよこ豆液状飲食品の製造方法
JPH04190765A (ja) 食物繊維及びその製造方法
JPS63126461A (ja) 発酵大豆▲あん▼
CN115720937A (zh) 一种植物蛋白饮料原料的前处理方法以及应用
JP2023009318A (ja) 小麦ふすま微粒子の分散液