JP2023146936A - ひよこ豆液状飲食品の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の目的は、ひよこ豆を含む飲食品に対して、嫌味が抑制された呈味を備えさせ得る加工技術を提供することである。【解決手段】ひよこ豆の破砕物を含む液状組成物を、αアミラーゼ、グルコアミラーゼ、セルラーゼ及びペクチナーゼで処理する酵素処理工程を含み、プロテアーゼ処理工程を含まないひよこ豆液状飲食品の製造方法により得られるひよこ豆液状飲食品は、嫌味が抑制された呈味を備える。【選択図】なし

Description

本発明は、ひよこ豆液状飲食品の製造方法に関する。具体的には、本発明は、嫌味が抑制されたひよこ豆液状飲食品の製造方法に関する。
近年、地球温暖化の進行や、感染症拡大に伴う生活スタイルの変化等を背景に、人々の環境意識や健康意識はますます高まっている。このため、動物乳の代替品としての植物性ミルク等、プラントベースの飲食品が注目を集めている。
プラントベースの飲食品の原料となる植物には様々なものが用いられるが、それらの一例としてひよこ豆が挙げられる。ひよこ豆は炭水化物が多いだけでなく、脂質、たんぱく質をバランスよく含み、栄養価だけではなく加工適性もよい食材である。例えば、特許分文献1には、ヒヨコマメを用いたマヨネーズ乳化食品が記載されており、具体的には、糖がマヨネーズ乳化食品は、本質的に、前記マヨネーズ乳化食品の総重量を基準として60重量%~80重量%の油と、前記マヨネーズ乳化食品の総重量を基準として10重量%~30重量%の水と、前記マヨネーズ乳化食品の総重量を基準として1~5重量%のヒヨコマメタンパク質製品と、任意で、酢、塩、レモン濃縮液、または糖のうちの1以上とからなり、ここで、油と水は乳濁液を形成し、ここで、前記ヒヨコマメタンパク質製品は、当該ヒヨコマメタンパク質製品の総重量を基準として少なくとも60重量%のタンパク質を含み、前記ヒヨコマメタンパク質製品は乳化剤であるように構成されている。一方で、ひよこ豆をベースとした液状飲食品は世界的に見ても稀有である。
プラントベースの液状飲食品を商品化するに当たり、滑らかなテクスチャーを付与するなどの目的で、酵素処理等の各種処理がなされることが通常である。一方で、そのような処理により、苦味、雑味、渋味といった嫌味が引き出される場合もある。このため、プラントベースの液状飲食品を、呈味良く製造することは容易なことではない。
例えば、特許文献2には、ライスミルク等の液状食品に汎用的に使用することができる食感が滑らかで雑味がなくすっきりした味を持つ米糖化液として、アミノ酸濃度が0.12~0.45質量%となるように調製することが開示されている。この米糖化液は、例えば、ライスミルクをアミラーゼとエンド型プロテアーゼを用いて処理することによって得られる。
国際公開第WO2018/122607号 特開2014-180249号公報
本発明者は、ひよこ豆をベースとした液状飲食品の製造を試みたところ、特に、苦味、雑味、渋味といった嫌味が生じるという課題に直面した。
そこで本発明は、全粒ひよこ豆を含む飲食品に対して、嫌味が抑制された呈味を備えさせ得る加工技術提供することを目的とする。
本発明者は、鋭意検討の結果、ひよこ豆の破砕物を含む液状組成物を、プロテアーゼを用いず、αアミラーゼ、グルコアミラーゼ、セルラーゼ及びペクチナーゼで処理することで、嫌味の抑制効果に優れたひよこ豆液状飲食品が得られることを見出した。本発明は、この知見に基づいて、更に検討を重ねることにより完成したものである。
即ち、本発明は、下記に掲げる態様の発明を提供する。
項1. ひよこ豆の破砕物を含む液状組成物を、αアミラーゼ、グルコアミラーゼ、セルラーゼ及びペクチナーゼで処理する酵素処理工程を含み、プロテアーゼ処理工程を含まない、ひよこ豆液状飲食品の製造方法。
項2. 前記液状組成物の25℃でのpHが6.3~7.5である、項1に記載の製造方法。
項3. 前記酵素処理工程を、弱酸と強塩基との塩の存在下で行う、項1又は2に記載の製造方法。
項4. 前記ひよこ豆が、全粒ひよこ豆である、項1~3のいずれかに記載の製造方法。
項5. 前記ひよこ豆の破砕物の粒子径が、レーザー回折散乱法による粒度分布曲線における小粒径側からの体積累計95%の粒径で、30~80μmである、項1~4のいずれかに記載の製造方法。
項6. 30~80MPaで均質化する均質化工程を更に含む、項1~5のいずれかに記載の製造方法。
項7. 項1~6に記載の製造方法により得られる、ひよこ豆液状飲食品。
本発明によれば、ひよこ豆を含む飲食品に対して、嫌味が抑制された呈味を備えさせ得る加工技術が提供される。
試験例で調製された全粒ひよこ豆液状飲食品の、酵素処理中のpH推移を示す。
本発明のひよこ豆液状飲食品の製造方法は、ひよこ豆の破砕物を含む液状組成物を、プロテアーゼを用いず、αアミラーゼ、グルコアミラーゼ、セルラーゼ及びペクチナーゼで処理する酵素処理工程を含むことを特徴とする。以下、本発明のひよこ豆液状飲食品の製造方法について詳述する。
1.酵素処理工程
酵素処理工程では、ひよこ豆の破砕物を含む液状組成物を、αアミラーゼ、グルコアミラーゼ、セルラーゼ及びペクチナーゼで処理する。
1-1.液状組成物
本発明では、ひよこ豆液状飲食品の材料として、ひよこ豆の破砕物を含む所定pHの液状組成物を用いる。
本発明において用いられるひよこ豆の部位としては特に限定されない。具体的には、ひよこ豆を脱皮させて得られる部位(当該部位を、本明細書において「全粒ひよこ豆」とも記載する。)、及びひよこ豆の表面を削る処理をして得られる部位(当該部位は、ひよこ豆の皮と、全粒ひよこ豆の表面部位との両方が除去されている。)が挙げられ、好ましくは全粒ひよこ豆が挙げられる。また、ひよこ豆の破砕物は、通常、独特の青臭み低減のために行われる公知の加熱脱臭処理がなされたものを用いる。
ひよこ豆の破砕物を含む液状組成物は、ひよこ豆の破砕物が水に溶解及び/又は分散した液体であれば特に限定されない。当該液状組成物の具体的な例としては、ひよこ豆の乾燥粉末を水に分散させて得られる液体、及びひよこ豆を水中で破砕及び分散させて得られる液体が挙げられる。
ひよこ豆の破砕物を含む液状組成物の25℃でのpHとしては特に限定されないが、例えば6.3~7.5が挙げられる。ひよこ豆液状飲食品の嫌味抑制効果を一層向上させる観点から、当該pHとしては、好ましくは6.5~7.5、より好ましくは6.6~7、さらに好ましくは6.65~6.9、一層好ましくは6.7~6.8が挙げられる。あるいは、ひよこ豆液状飲食品の滋味を向上させる及び/又は香りを向上させる観点から、当該pHとしては、好ましくは6.6~7.5、より好ましくは6.8~7.5、さらに好ましくは6.9~7.5、一層好ましくは7.0~7.5、7.0~7.3又は7.0~7.2が挙げられる。
上記の好ましいpHに調整するためには、適宜アルカリ剤を添加すればよい。アルカリ剤の好ましい例としては、弱酸と強塩基との塩が挙げられる。つまり、酵素処理工程は、弱酸と強塩基との塩の存在下で行うことができる。弱酸と強塩基との塩としては、例えば、炭酸水素アルカリ金属塩、リン酸アルカリ金属塩、クエン酸アルカリ金属塩等が挙げられ、より具体的には、炭酸水素ナトリウム、リン酸三カリウム、クエン酸三ナトリウム等が挙げられる。これらのアルカリ剤は、1種を単独で用いてもよいし、複数種を組み合わせて用いてもよい。
ひよこ豆の破砕物の粒子径としては特に限定されないが、ひよこ豆液状飲食品の滑らかさを一層向上させる観点から、好ましくは、レーザー回折散乱法による粒度分布曲線における小粒径側からの体積累計95%の粒径で、30~80μmが挙げられる。
ひよこ豆の破砕物を含む液状組成物中の当該破砕物の含量としては特に限定されないが、例えば5~25重量%、好ましくは10~20重量%、より好ましくは11.5~16重量%が挙げられる。
1-2.酵素
本発明では、ひよこ豆の破砕物を含む液状組成物を、αアミラーゼ、グルコアミラーゼ、セルラーゼ及びペクチナーゼの4種の酵素を用いて処理する。
1-2-1.α-アミラーゼ
α-アミラーゼとしては特に限定されないが、アスペルギルス(Aspergillus)属[例えば、アスペルギルス・アウレウス(Aspergillus aureus)、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)、アスペルギルス・オリゼー(Aspergillus oryzae)等]、アルカリゲネス(Alcaligenes)属[例えば、アルカリゲネス・レータス(Alcaligenes latus)等]、アルスロバクター(Arthrobacter)属、バチルス(Bacillus)属[例えば、バチルス・アミロリクエファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)、バチルス・リケニフォルミス(Bacillus licheniformis)等]、スルホロブス(Slufolobus)属[例えば、スルホロブス・ソルファタリカス(Slufolobus solfataricus)等]、サーモモノスポラ(Thermomonospora)属[例えば、サーモモノスポラ・ビリディス(Thermomonospora viridis)等]に由来のα-アミラーゼが挙げられる。これらのα-アミラーゼは、1種を単独で用いてもよいし、複数種を組み合わせて用いてもよい。これらのα-アミラーゼの中でも、好ましくはバチルス属由来のα-アミラーゼが挙げられ、より好ましくはバチルス・アミロリクエファシエンス由来のα-アミラーゼが挙げられる。
α-アミラーゼの使用量としては、本発明の効果を奏する限りにおいて特に限定されず、求める効果の程度に応じて適宜決定されるが、例えば、ひよこ豆破砕物の乾燥重量100g当たりの使用量で、例えば70KNU以上、好ましくは80KNU以上、より好ましくは90KNU以上、より好ましくは95KNU以上が挙げられる。αアミラーゼの使用量の上限としては特に限定されないが、ひよこ豆破砕物の乾燥重量100g当たりの使用量で、例えば200KNU以下、150KNU以下、又は100KNU以下が挙げられる。
α-アミラーゼの活性については、37℃、0.0003M Ca2+、pH5.6の条件下で、1時間当たり5260mgの可溶性デンプン(例えばMerck Amylum solubile)を分解する酵素の量を1KNUとする。
1-2-2.グルコアミラーゼ
グルコアミラーゼとしては特に限定されないが、真菌、例えば、アスペルギルス(Aspergillus)属、リゾプス(Rhizopus)属等に由来のグルコアミラーゼが挙げられる。これらのグルコアミラーゼは、1種を単独で用いてもよいし、複数種を組み合わせて用いてもよい。
グルコアミラーゼの使用量としては、本発明の効果を奏する限りにおいて特に限定されず、求める効果の程度に応じて適宜決定されるが、例えば、ひよこ豆破砕物の乾燥重量100g当たりの使用量で、例えば30AGU以上、好ましくは40AGU以上、より好ましくは45AGU以上、さらに好ましくは50AGU以上が挙げられる。グルコアミラーゼの使用量の上限としては特に限定されないが、ひよこ豆破砕物の乾燥重量100g当たりの使用量で、例えば80AGU以下、70AGU以下、又は60AGU以下が挙げられる。
グルコアミラーゼの活性については、0.1M酢酸緩衝液中において、37℃、pH4.3、マルトース出発濃度100mM、反応時間6分の条件で、1分当たり1μモルのマルトースを加水分解してα-D-グルコースを生成する酵素の量を1AGUとする。
1-2-3.セルラーゼ
セルラーゼとしては特に限定されないが、アスペルギルス(Aspergillus)属[例えば、アスペルギルス・セルロリティカス(Aspergillus cellulolyticus)、アスペルギルス・アキュレータス(Aspergillus aculeatus)、アスペルギルス・アワモリ(Aspergillus awamori)、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)等]、ヒューミコラ(Humicola)属[例えば、ヒューミコラ・インソレンス(Humicola insolens)等]、トリコデルマ(Tricoderma)属[例えば、トリコデルマ・コニンギー(Tricoderma koningii)、トリコデルマ・ロンギブラキアタム(Tricoderma longibrackiatumn)、トリコデルマ・リーゼイ(Tricoderma reesei)、トリコデルマ・ビリデ(Tricoderma viride)等]、コルチシウム(Corticium)属、イルベックス(Irpex)属、ピクノポーラス(Pycnoporus)属[例えば、ピクノポーラス・コッシネウス(Pycnoporus coccineus)等]、バチルス(Bacillus)属[例えば、バチルス・サーキュランス(Bacillus circulans)又はバチルス・サブティリス(Bacillus subtilis)]に由来のセルラーゼが挙げられる。これらのセルラーゼは、1種を単独で用いてもよいし、複数種を組み合わせて用いてもよい。これらのセルラーゼの中でも、好ましくはトリコデルマ属由来のセルラーゼが挙げられ、より好ましくはトリコデルマ・リーゼイ由来のセルラーゼが挙げられる。
セルラーゼの使用量としては、本発明の効果を奏する限りにおいて特に限定されず、求める効果の程度に応じて適宜決定されるが、例えば、ひよこ豆破砕物の乾燥重量100g当たりの使用量で、例えば100EGU以上、好ましくは200EGU以上、より好ましくは250EGU以上、さらに好ましくは300EGU以上が挙げられる。セルラーゼの使用量の上限としては特に限定されないが、ひよこ豆破砕物の乾燥重量100g当たりの使用量で、例えば800EGU以下、700EGU以下、又は650EGU以下が挙げられる。
セルラーゼの活性については、0.1Mのホスフェート緩衝液(pH6.0)中34.0gのカルボキシメチルセルロース(ハーキュレス7LFD)を含む基質液10mlと酵素液0.5mlとを混合し、40℃に温度設定された振動粘度計(例えばSofraser、FranceのMIVI 3000)に移した場合、当該条件下で初期粘度を1/2に減少させる酵素の量を1EGUとする。
1-2-4.ペクチナーゼ
ペクチナーゼとしては特に限定されないが、アスペルギルス(Aspergillus)属[例えば、アスペルギルス・アキュレータス(Aspergillus aculeatus)、アスペルギルス・アリアセウス(Aspergillus alliaceus)、アスペルギルス・アワモリ(Aspergillus awamori)、アスペルギルス・ジャポニカス(Aspergillus japonicus)、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)、アスペルギルス・プルベルレンタス(Aspergillus pulverulentus)、アスペルギルス・ウサミ(Aspergillus usamii)等]、リゾプス(Rhizopus)属[例えば、リゾプス・オリゼー(Rhizopus oryzae)等]、トリコデルマ(Tricoderma)属、バチルス(Bacillus)属[例えば、バチルス・サブティリス(Bacillus subtilis)等]、コルチシウム(Corticium)属、トリコスポロン(Trichosporon)属に由来のペクチナーゼが挙げられる。これらのペクチナーゼは、1種を単独で用いてもよいし、複数種を組み合わせて用いてもよい。これらのペクチナーゼの中でも、好ましくはアスペルギルス属由来のペクチナーゼが挙げられ、より好ましくはアスペルギルス・アキュレータス由来のペクチナーゼが挙げられる。
ペクチナーゼの使用量としては、本発明の効果を奏する限りにおいて特に限定されず、求める効果の程度に応じて適宜決定されるが、例えば、ひよこ豆破砕物の乾燥重量100g当たりの使用量で、例えば900PGNU以上、好ましくは1100PGNU以上、より好ましくは1300PGNU以上が挙げられる。ペクチナーゼの使用量の上限としては特に限定されないが、ひよこ豆破砕物の乾燥重量100g当たりの使用量で、例えば2500PGNU以下、2000PGNU以下、又は1500PGNU以下が挙げられる。
ペクチナーゼの活性については、酢酸緩衝液中、pH4.5、40℃でポリガラクツロン酸から1分間当たり1マイクロモルのガラクツロン酸を放出するのに必要とされる酵素の量を1PGNUとする。
1-3.反応条件等
酵素処理工程では、ひよこ豆の破砕物を含む所定pHの液状組成物と、αアミラーゼ、グルコアミラーゼ、セルラーゼ及びペクチナーゼと、必要に応じて添加されるプロテアーゼ及び/又はアルカリ剤とを含む反応混合物を、所定の処理温度で所定の処理時間に供することで、ひよこ豆の破砕物を含む液状組成物に、嫌味を抑制しながら、ひよこ豆液状飲食品に所望の特性(滋味、滑らかさ、香り、及び/又はミルクらしさ等)を付与する反応を進行させる。
反応混合物は、通常、酵素等を含む水溶液に、ひよこ豆破砕物又はひよこ豆破砕を含む液状組成物を添加して調製することができる。
各酵素の添加順については特に限定されず、各酵素を任意の順番で順次作用させてもよいし、全ての酵素を同時に作用させてもよいが、好ましくは全ての酵素を同時に作用させることができる。
処理温度としては特に限定されず、使用酵素の至適温度及び/又はひよこ豆の破砕物を含む液状組成物の熱特性等に応じて当業者が適宜決定することができるが、例えば40~60℃、好ましくは45~55℃、より好ましくは48~52℃が挙げられる。
処理時間としても特に限定されず、ひよこ豆の破砕物を含む液状組成物の仕込みスケール等に応じて適宜決定すればよいが、例えば30分以上、好ましくは1時間以上、より好ましくは2時間以上、さらに好ましくは2.5時間以上が挙げられる。処理時間の範囲の上限としては特に限定されないが、例えば12時間以下、6時間以下、又は3.5時間以下が挙げられる。
反応後は、適宜、酵素の高温失活処理を行えばよい。高温失活処理の条件としては、酵素活性を失わせる限りにおいて特に限定されないが、例えば95~100℃で3~10分が挙げられる。
2.均質化工程
本発明の製造方法は、ひよこ豆液状飲食品の滑らかさを一層向上させる観点から、さらに、均質化工程を含むことができる。均質化工程は、上記の酵素処理工程後の反応混合物に所定の均質圧を付与すればよい。均質圧としては特に限定されないが、例えば30~80MPa、好ましくは40~75MPa、より好ましくは50~70MPaが挙げられる。
3.他の工程
本発明の製造方法はプロテアーゼ処理工程を含まないが、ひよこ豆液状飲食品の最終形態をもたらすために、上記の酵素処理工程及び均質化工程に加え、プロテアーゼ処理工程以外の任意の工程を適宜含むことができる。他の工程としては、pH調整工程、冷却工程、調味工程、着色工程、調香工程、乾燥工程(例えば、凍結乾燥、真空乾燥、噴霧乾燥等)等が挙げられる。pH調整工程では、上記酵素処理工程でアルカリ剤によって調整したpHを下げる調整が挙げられ、具体的には、クエン酸(結晶クエン酸、無水クエン酸)、酢酸等の弱酸を用いた調整が挙げられる。
なお、本発明の製造方法は、通常、濾過及び固液分離等の、ひよこ豆の固形成分を除去する工程を含まない。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定して解釈されるものではない。
[使用酵素]
試験例の酵素処理工程で用いた各成分の詳細を以下に示す。
Figure 2023146936000001
(1)全粒ひよこ豆液状飲食品の調製
50℃の温水に、表2に示す酵素、又は酵素及びアルカリ剤を添加し、さらに全粒ひよこ豆パウダー(加熱脱臭処理済みのもの)を添加し、反応混合物を調製した。反応混合物中の各成分の量は、表2に示す通りである。反応混合物の25℃でのpHを、(株)堀場製作所製pHメーターD-51にて測定した。反応混合物を、50℃で3時間保持し、酵素処理を行った。その後、99℃に昇温し6分間維持して酵素失活させた。その後、GAULIN社製高圧ホモゲナイザー(LAB40)を用い、約60MPaの均質圧で均質化処理した。これにより、全粒ひよこ豆液状飲食品(全粒ひよこ豆ミルク)を得た。なお、実施例2については、酵素失活の後、均質化処理の前に、無水クエン酸を加えることでpHを7.01に調整した。
(2)pH推移
酵素処理中、30分、60分120分及び180分経過時のpHを、(株)堀場製作所製pHメーターD-51にて測定した。結果を図1に示す。
(3)物性試験
酵素失活させた直後(均質化処理前)の反応混合物について、以下の物性試験を行った。結果を表2に示す。
(3-1)ブリックス値(Brix値)
京都電子工業株式会社製屈折率計 RA-620 を用い、Brix値を測定した。具体的には、ショ糖15重量%水溶液のブリックス値を15(基準)として、試料中の水溶性固形分の含量を相対的に表した。
(3-2)グルコース値
上記の反応混合物を適宜水で希釈して測定検体を調製した。株式会社共立理化学研究所のパックテスト「グルコース」(型式 WAK-GLU)を使用し、同社デジタルパックテスト(酵素を用いた4-アミノアンチピリン吸光光度法)にて測定された数値から換算された値をグルコース値(mg/L)とした。
(4)官能試験
得られた全粒ひよこ豆液状飲食品(全粒ひよこ豆ミルク)について、年齢25~55歳の訓練された男女各5名をパネラーとして、嫌味(苦味、渋味及び/又は雑味)抑制、滋味(味の複雑さに伴う味わい深さ)、滑らかさ、香り(原料の香り)、ミルクらしさ(動物乳との近似性)の発現程度について、以下の基準に基づいて採点させ、平均値(小数点以下第2位を四捨五入)を算出した。さらに、各々の平均値の総和を総合評価として導出した。結果を表2に示す。
5: 非常に良い
4: 良い
3: どちらでもない
2: 悪い
1: 非常に悪い
Figure 2023146936000002
表2に示されるとおり、プロテアーゼを用いず、α-アミラーゼ、グルコアミラーゼ、セルラーゼ及びペクチナーゼを用いて処理した場合に、嫌味抑制効果の顕著な向上をはじめ、滋味の顕著な向上、滑らかさ、香り、及びミルクらしさの向上が認められ、総合的に優れた官能特性が備わっていた(実施例1,2)。さらに、実施例2の場合には、嫌味抑制効果や滑らかさは実施例1にやや劣ったものの、代わりに滋味及び香りがさらに顕著に向上することで、総合的には実施例1と同等の優れた官能特性が備わっていた。

Claims (7)

  1. ひよこ豆の破砕物を含む液状組成物を、αアミラーゼ、グルコアミラーゼ、セルラーゼ及びペクチナーゼで処理する酵素処理工程を含み、プロテアーゼ処理工程を含まない、ひよこ豆液状飲食品の製造方法。
  2. 前記液状組成物の25℃でのpHが6.3~7.5である、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記酵素処理工程を、弱酸と強塩基との塩の存在下で行う、請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 前記ひよこ豆が、全粒ひよこ豆である、請求項1~3のいずれかに記載の製造方法。
  5. 前記ひよこ豆の破砕物の粒子径が、レーザー回折散乱法による粒度分布曲線における小粒径側からの体積累計95%の粒径で、30~80μmである、請求項1~4のいずれかに記載の製造方法。
  6. 30~80MPaで均質化する均質化工程を更に含む、請求項1~5のいずれかに記載の製造方法。
  7. 請求項1~6に記載の製造方法により得られる、ひよこ豆液状飲食品。
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