JPH11513777A - 自走式管内マニピュレータの配管内への挿入方法及び装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 自走式管内マニピュレータ（２）を配管（１４０）内に挿入するための方法において、管内マニピュレータ（２）を収容し少なくとも一方の端面が開いている中空体（１５０）が配管（１４０）の開口に位置づけられ、その開口から管内マニピュレータ（２）が自動的に配管（１４０）内に入り込み得る。

Description

【発明の詳細な説明】 自走式管内マニピュレータの配管内への挿入方法及び装置 本発明は、自走式管内マニピュレータを配管内へ挿入するための方法及び装置 に関する。 安全技術上重要な設備例えば原子力発電所の一次回路における配管は定期的に 検査又は保守作業をしなければならない。特にそのような配管の溶接継ぎ目を定 期的に内側から点検する必要がある。その点検あるいは加工にとって必要な機器 は一般に自走式走行車で点検位置ないし作業位置に置かれる。 そのような自走式の管内マニピュレータは例えばドイツ特許第３４１２５１９ Ｃ２号明細書で知られている。そこで開示されている管内マニピュレータの場合 、二つの支持フランジ間に半径方向に調整可能な検査システムサポートが配置さ れ、この検査システムサポートは管内マニピュレータの長手軸線を中心として回 転でき、従ってこれによって管の内面を全周にわたって検査することができる。 ヨーロッパ特許第０２０４６９４号明細書において、加工装置が車輪で走行で きる車台上において旋回Ｕ形リンクに支持され、この旋回Ｕ形リンクが走行車の 正面に回転可能に配置された断面Ｌ形の軸受に設けられているような管内マニピ ュレータが知られている。 配管を検査あるいは加工する際に、管内マニピュレータをそれを通して管の中 に挿入しなければならない開口のすぐ後ろに検査すべきあるいは加工すべき溶接 継ぎ目がある場合に問題が生ずる。例えばドイツ特許第３４１２５１９Ｃ２号明 細書で知られている管内マニピュレータでは、これはその両側の支持フランジが 完全に管内に位置されたときにはじめて使用準備を完了するので、そのような管 開口の直ぐそばにある溶接継ぎ目は原理的にとらえることができない。ヨーロッ パ特許第０２０４６９４号明細書で知られている実施形態の場合、原理的には管 の縁部範囲における検査あるいは加工はできるが、事情によっては、管の始端範 囲および終端範囲における検査位置あるいは加工位置をとるべき場合、管内マニ ピュレータを置き換えて、逆方向にあらためて管内に挿入する必要がある。 本発明の課題は、管の開口範囲、接合範囲あるいは人口範囲の直ぐそばにある 位置においても検査あるいは加工ができるように自走式管内マニピュレータを配 管内に挿入する方法を提供することにある。更に本発明はこの方法を実施するた めの装置を提供することにある。 この本発明の前者の課題は請求の範囲の請求項１に記載の手段によって解決さ れ、後者の課題は請求の範囲の請求項５に記載の手段によって解決される。 自走式管内マニピュレータを配管内に挿入するための本発明に基づく方法の場 合、管内マニピュレータを収容し少なくとも一方の端面が開いている中空体が配 管の開口に位置づけられ、その開口から管内マニピュレータが自動的に配管内に 入り込むことができる。 このようにして検査マニピュレータは、その中空体が管の一種の延長部を形成 し、管内マニピュレータがまだ配管内に挿入されていないか部分的にしか挿入さ れていないときでも既に管内マニピュレータを固定できるので、管開口の直ぐそ ばの検査位置あるいは加工位置に到達することができる。このようにして管内マ ニピュレータは管の始端範囲あるいは終端範囲にある検査位置および加工位置を とることができる。従って使用される中空体の機能は、例えば英国特許第２２４ ７５０５Ａ号明細書で知られているような外から自動的に押し進められない管内 マニピュレータに対する挿入補助機能を超えている。その英国特許明細書には、 可撓性のプラスチック棒上を移動できるカメラを管接続部に対して横に延びる配 管内に通せる滑路しか開示されていない。 中空体として中空シリンダが利用され、これが配管の開口に対して中心に位置 づけられることが有利である。 自走式管内マニピュレータを原子炉の蒸気発生器から分岐している配管に挿入 するために適用される本発明に基づく形態において、中空体はジンポール（一本 クレーン）に揺動可能に取り付けられ、この中空体はジンポールによって蒸気発 生器のマンホールを通って蒸気発生器中に挿入され、そこでジンポールの移動お よび揺動によって配管の開口上に、中空体の中心軸線および配管の中心軸線がこ の開口の範囲でほぼ互いに一致するように位置づけられる。 本発明に基づく管内マニピュレータを配管内に挿入するための装置は、管内マ ニピュレータを収容する中空体を有し、この中空体が少なくとも一方の端面にお いて開き、位置決め装置に配置され、この位置決め装置によって配管の開口に、 管内マニピュレータが自動的に配管内に入り込み得るように位置決めされる。 本発明の有利な実施態様において、位置決め装置は中空体が揺動可能に配置さ れている移動可能なジンポールを有している。 以下図に示した実施例を参照して本発明を詳細に説明する。図には管内マニピ ュレータを原子力発電所の一次回路の配管内に挿入する方式が概略的に示されて いる。 図において配管１４０は蒸気発生器１４４の球欠状底に存在する接続短管１４ ２から図示されていないポンプに通じている。蒸気発生器１４４の比較的狭いマ ンホール１４６を通してしか到達できない接続短管１４２で形成されている開口 を通して、自走式の管内マニピュレータ２を挿入しなければならない。そのため に管内マニピュレータ２は両端面が開いている管状の中空シリンダ状の中空体１ ５０の中に入れられ、この中空体１５０と一緒に、マンホール１４６を通って蒸 気発生器１４４中に突出するジンポール（一本クレーン）１５２によって接続短 管１４２上に位置づけられる。このために中空体１５０は殻状の支持枠１５４を 備え、この支持枠１５４は揺動軸受１５６においてジンポール１５２にこれに対 して垂直に延びる回転軸線を中心として揺動可能に支持されている。この揺動運 動は中空体１５０とジンポール１５２との間に支持されている液圧シリンダ１５ ８で実施される。 ジンポール１５２は蒸気発生器１４４の外に位置づけできる支持架台１６０上 に据え付けられ、その揺動軸受１５６の回転軸線が接続短管１４２およびマンホ ール１４６の中心軸線で形成される平面に対して垂直に向けられるように設置さ れている。図において矢印１６２で示されているジンポール１５２の線形移動に よって、揺動軸受１５６はほぼこれらの中心軸線間の２等分線上に位置づけられ ている。これによって矢印１６４で示されている単純な揺動運動によって、中空 体１５０を接続短管１４２の中心軸線に対して同軸的に充分精確に位置づけるこ とができる。 更に支持枠１５４に管内マニピュレータ２への給電のために必要とされるケー ブル並びに救出ザイルに対する案内ローラ１６６が配置されている。管内マニピ ュレータは故障した際にその救出ザイルによって配管から引き出すことができる 。 図に例示された管内マニピュレータ２はその正面側に配置された揺動アーム２ ００を有している。この揺動アーム２００は二つの揺動可能な中間リンク２８２ 、２８４並びに揺動可能な終端リンク３２０を備え、これはほぼ完全に車台の内 部に引き込むことができる。更に管内マニピュレータ２は複数の例えば６個ある いは８個の車輪２０６を備えている。これらの車輪２０６は管内マニピュレータ ２の本体に繰り出し可能に支持されている。このような管内マニピュレータ２に よれば、空間的に狭い状態で接近し難い配管１４０の中にも、この管内マニピュ レータ２が出発状態において非常に小さな寸法を有しているので到達できる。更 に比較的大きく繰り出せる車輪２０６によって、管内マニピュレータ２がその中 心軸線および開口の中心軸線が互いに精確に一致していない場合でも配管１４０ 内に入り込めるので、開口上への中空体１５０の位置決め精度についての要求は 低くされる。 図には管内マニピュレータ２が種々の作業位置で示されている。その場合、中 空体１５０は管内マニピュレータ２を配管１４０内に挿入するために適した場所 に位置づける機能を満足するだけでなく、管内マニピュレータ２によって配管の 始端の直ぐそばに存在する溶接継ぎ目例えば蒸気発生器１４４の接続短管１４２ における溶接継ぎ目１６８、１６９を、管内マニピュレータ２を配管１４０内の 深い位置に存在する溶接継ぎ目を検査した後でもう一度逆向きに配管１４０内に 引き戻す必要なしに、検査することができることが認められる。管内マニピュレ ータ２は、車台がまだ完全に中空体１５０の内部に存在しているかあるいは図に 説明的に示されているように部分的に中空体１５０の内部に存在しているときで も、揺動アーム２００を繰り出して検査を開始できる。これは、管内マニピュレ ータ２を置き換える必要なしに、配管１４０のすべての溶接継ぎ目を検査するこ とを可能にする。 しかし原理的には例えば上述した文献で知られているような別の管内マニピュ レータも本発明に基づく装置によって管内に挿入でき、その場合、個々の場合に おいて管内マニピュレータの構造的形状に応じて、配管の開口の寸法に合わせて 寸法づけられ、比較的精確に配管と一直線に並べて位置づけねばならない中空体 を利用する必要があり得る。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．管内マニピュレータ（２）を収容し少なくとも一方の端面が開いている中 空体（１５０）が配管（１４０）の開口に位置づけられ、その開口から管内マニ ピュレータ（２）が自力で配管（１４０）の中に入り込むことを特徴とする自走 式管内マニピュレータの配管内への挿入方法。 ２．中空体（１５０）として中空シリンダが利用されていることを特徴とする 請求項１記載の方法。 ３．中空体（１５０）が配管（１４０）の開口に対して中心に位置づけられる ことを特徴とする請求項１又は２記載の方法。 ４．自走式管内マニピュレータ（２）を原子炉の蒸気発生器（１４０）から分 岐している配管（１４０）内に挿入する方法において、中空体（１５０）がジン ポール（１５２）に揺動可能に取り付けられ、このジンポール（１５２）によっ て蒸気発生器（１４４）のマンホール（１４６）を通って蒸気発生器（１４４） 内に挿入され、そこでジンポール（１５２）の移動および揺動によって配管（１ ４０）の開口の上に、中空体（１５０）の中心軸線および配管（１４０）の中心 軸線がこの開口の範囲でほぼ互いに一致するように位置づけられることを特徴と する請求項１ないし３のいずれか１つに記載の方法。 ５．管内マニピュレータ（２）を収容する中空体（１５０）を有し、この中空 体（１５０）が少なくとも一方の端面において開き位置決め装置に配置され、こ の位置決め装置によって配管（１４０）の開口に、管内マニピュレータ（２）が 自動的に配管（１４０）内に入り込み得るように位置決めされていることを特徴 とする管内マニピュレータの配管内への挿入装置。 ６．中空体（１５０）として中空シリンダが設けられていることを特徴とする 請求項５記載の装置。 ７．位置決め装置が、中空体（１５０）が揺動可能に配置されている移動可能 なジンポール（１５２）を有していることを特徴とする請求項４又は５記載の装 置。