JPH11512682A - 自動車用密封装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 窓ガラス（３）は自動車のドアに対して移動可能である。密封装置（４）は窓ガラス（３）の各側で該窓ガラス（３）と摺動接触する区域に熱可塑性プラスチック材料からなる被覆片（１２）を備えている密封縁材（９，１０）から構成されている。被覆片（１２）は少なくとも窓ガラス（３）に対面している側に雑音を低減または阻止する刻み目を備えている。

Description

【発明の詳細な説明】 発明の名称 自動車用密封装置 技術分野 本発明は請求の範囲第１項の前文による自動車用密封装置に関するものである 。 従来の技術 この型式の１つの公知の装置（ヨーロツパ特許第０，１９３，１３３号明細書 ）において、刻み目は例えばサンドブラスト表面処理によつて形成された微小サ イズの粗面部分からなっている。 米国特許第５，２６５，３７７号明細書から、窓密封縁材の基部に熱可塑性材 料の細片を固定すること自体は公知である。この細片は窓に対面する側に交互の ***および溝部分を備え、これらの***および溝部分は互いに平行にかつ細片の 長手方向に対して斜めに延伸している。隣接する***部分間の距離は非常に大き いので、溝部分内の塵または埃粒子が縁材の横方向の溝に沿って案内され得る。 したがつて、とくに、この縁材は自己清掃特性を持たねばならずかつ窓が摩擦傷 を付けられるのを保護している。 ヨーロツパ特許第０，６２７，３４１号明細書から、その密封側にスライド上 層を有するプラスチツク縁材を設けること自体が公知である。スライド上層は縁 材の長手方向に延伸する少なくとも１つの共有押出し成形された密封リブからな っている。各密封リブは縁材のプラスチツク材料より硬い熱可塑性材料からなつ ている。 他の公知の密封装置（ドイツ国連邦共和国特許公開特許第３，４０５，９７３ Ａ１号および第３，５０６，４１０Ａ１）において、被覆片は窓ガラスと密封装 置との間の摩擦を減少する作用なし、したがって相対的な摺動性を増加する作用 をなす。窓ガラスに対面している被覆片の側部は平らで滑らかである。 また、摺動性を増加し、かつそれにより被覆片の溶融した滑らかな、とくに低 摩擦の外面を形成するために密封縁材上にポリアミド粉末を焼結することも知ら れている。 更に、窓ガラスから水分および異物を払い落すために、植毛を有している被覆 片を密封縁材に取り付けることも知られている。 とくに、クーペ型またはコンパチブル型自動車に使用されている窓ガラスのご とき、フレームレスの窓ガラスの場合においては、これらの型式の被覆片は不適 切である。とくに、幾つかの作動条件において、主として湿った窓ガラスにより 、窓ガラスが密封装置に対して動かされる場合にキーキー音またはガラガラ音等 の雑音が発生する。迷惑な雑音はとくに窓ガラスの動力運動の増大によって発生 している。 ガタツキ音またはキーキー音等の騒音はまた、一方で、自動車のドアを閉止す る場合に、ドアと車体との間の運動が生じる場合に、かつ他方で、自動車のルー フ部材、とくに飛び出し式摺動サンルーフまたはルーフライトが開放または閉止 される場合にも発生する。 発明の開示 本発明の目的は、密封装置に対して窓ガラスの移動または車体の関連の開口部 に対する自動車の閉止可能な構成部材の移動によって生じる雑音を低減または完 全に除去する自動車用密封装置を提供することにある。 この目的は請求の範囲第１項の特徴によって達成される。溝は効果的に雑音を 抑制し、そして関連の移動時に、窓ガラスと密封装置との系統または閉止可能な 構成部材と車体の開口部との系統に発生される振動を防止し、これらの振動は雑 音、とくにキーキー音またはガタゴト音等の雑音を発生させる。かかる雑音はこ れまで静止摩擦と摺動摩擦（スリップ−粘着作用）との間の一定の変化から発生 されると考えられている。あらゆる作動条件下において、窓ガラスと密封装置と の間または閉止可能な構成部材と車体の開口部との間に、均一かつ一定の摩擦特 性が溝によって発生される。これは、実際の温度および湿度条件下において相対 的な移動から生じる雑音、とくにキーキー音およびガタゴト音等の雑音の顕著な 低減、および完全な除去を導いている。閉止可能な構成部材としての屋根部材の 場合において、自動車の屋根の屋根部材と関連の開口部との間の望ましくない雑 音の発生程度は屋根部材が特別な設定で開放されているか、又は閉鎖されている ときよりも屋根部材が閉止される時のほうが少ない。屋根部材が閉止される設定 の場合において、密封縁材が密封面とまだ接触している設定段階中である。これ らの場合にも同様に、これらの雑音、とくにキーキー音およびガタゴト音等の雑 音は効果的に低減されるかまたは同様に除去される。屋根部材は、エナメル加工 されたシート金属、ガラス、または端部をプラスチツク材料、例えば、ポリウレ タンにより被覆させたガラスから構成することができる。溝は単にかつ良好に制 御された方法において製造され得る。高分子量のポリエチレンは結果として有効 な雑音抑制を生じる。ポリエチレンは好ましくは、例えば０．２ｍｍの厚さを有 する被覆片として使用することができる。 請求の範囲第２項に記載の溝は例えば数ｍｍから数ｃｍの長さにすることがで きる。請求の範囲第３項ないし第５項の１つに記載の溝の方向および配置はとく にそこで行われている作動条件に最適であるように選定させることができる。 請求の範囲第６項に記載の繊維は例えば溝の製造中に形成させることができ、 溝の溝付け中にその材料を溝から除去することができる。その繊維は例えば数ｍ ｍの長さでかつ非常に細くかつ繊細にすることができる。 本発明の特徴を添付図面に示した実施例について以下に詳細に説明する。 図面の簡単な説明 第１図はクーペ型自動車のドアの概略外面図である。 第２図は第１図のＩＩ−ＩＩ線に沿う拡大断面図である。 第３図は窓ガラスが下降されている状態の第２図による断面図である。 第４図は第１図のＩＶ−ＩＶ線に沿う拡大断面図である。 第５図は第１図のＶ−Ｖ線に沿う拡大断面図である。 第６図、第７図および第８図はそれぞれ異なる方向に向けた溝を有する被覆片 の平面図である。 第９図は車体のドア開口部に沿って取付けられた密封縁材を備えた自動車の側 面図である。 第１０図は第９図にしたがって使用された密封縁材の拡大図である。 第１１図は第１０図のＸＩ−ＸＩ線に沿う拡大断面図である。 第１２図は飛び出し摺動サンルーフの概略図である。 第１３図は他の作動位置を示す第１２図のサンルーフの概略図である。 第１４図は自動車のルーフライトの概略図である。 発明を実施するための最良の形態 第１図にはクーペ型自動車のドアフレーム１およびドア２が示されている。フ レームレス窓ガラス３はドア２の窓スロツト内に配置されかつそれ自体公知の方 法において手動または動力手段によつて昇降され得る。窓スロツトの密封はドア ２の上縁部に取り付けられている密封装置４によって行われる。クーペ型自動車 のＢ−支柱５に沿って、ドア２が閉止されているとき、少なくとも部分的に上昇 された窓ガラス３は密封装置６によつて密封される。ドア２が閉止されていると き、窓ガラス３が完全に上昇されると、第１図のドアフレーム１の上縁部に沿っ て密封装置７が備えられ、該密封装置７はドアミラー用の三角形端縁部８に向っ て左側下方に延伸して、窓ガラス３の必要な密封および保持を行う。 第２図は密封装置４が窓ガラス３の両側の密封縁材９および１０から構成され ていることを明示している。密封縁材９，１０は、それ自体公知の適切なエラス トマからなりかつ同様にそれ自体公知の方法においてドア２に固定されている。 ドア２の外側に配置されている密封縁材９（第１図）は頂部にそれ自体公知の 植毛部１１を、備え、この植毛部１１から下方に延伸している被覆片１２を備え ている。この被覆片１２は例えば、厚さが０．２ｍｍだけであり、それゆえ第２ 図には概略的にのみ示されそして誇張された厚さで示されている。被覆片１２は 密封縁材９にしっかり付着しかつその窓ガラス３に面している側に溝３２（第６ 図〜第８図）を備えている。 密封縁材１０は同様に窓ガラス側に被覆片１２を支持しており、この被覆片は その窓ガラス３に面している側に溝３２（第６図ないし第８図）を備えている。 第２図は、窓ガラス３が密封装置４の上方に向かって上昇している状態、すな わち、密封縁材９，１０に対して最大の接触圧力が働いている状態を示す。加え て、第２図において、密封縁材９，１０はそれらが完全に緩められた最初の位置 が破線で示されている。 第３図は窓ガラス３が密封装置４の下側に下降されている密封装置４の作動状 態を示している。この状態において、密封縁材９，１０は一定の応力下で互いに 接触している。応力は窓ガラス３が密封装置４の下側に下降されたときドア２の 窓スロツト（第２図）を密封するのに十分である。第４図は密封装置７の詳細を 示している。密封装置７はここでは、実質上Ｕ形状の断面表面積で形成された熱 可塑性材料の縁材片１５からなる複合縁材１４に関する。縁材片１５は長手方向 に互いに間隔を置いて配置される複数の取付け孔１６を備えており、これらの孔 は各々全周に遊びをもつてシート金属ネジ１７を収容するように配置されている 。したがつて、複合縁材１４は、該複合縁材１４の最適な位置が達成されるまで 、緩くネジ止めされた状態で長手方向と長手方向に垂直な方向にネジ１７に対し て限界内で移動され得る。その後、複合縁材１４はシート金属ネジ１７で締め付 けられる。 縁材片１５の一方の長手方向側には第１継手部材１８が形成されている。マス キング縁材片１９が第１継手部材１８に対向して横たわる他方の長手方向に沿っ て縁材片１５に加硫されている。マスキング縁材片１９は継手材料２１によつて 縁材片１５の底部２２および脚部２３に加硫されている発泡ゴムの別の縁材片２ ０を備えている。マスキング縁材片１９の構成部材は縁材片１５の上方に横たわ っている軟質ゴム製の他の縁材片２４であり、該縁材片２４は一方の長手方向側 に沿って別の縁材片２０に加流されかつ他方の長手方向側で継手縁材片２５に加 硫されている。継手縁材片２５は熱可塑性プラスチツク材料からなりかつ第１継 手部材１８とスナツプ閉止体２６を形成する第２の継手部材２７を構成している 。別の縁材片２０と対向して横たわる第２の継手部材２７の側に、継手材科２１ によって発泡ゴム製の密封縁材片２８が加硫されている。 第４図において、頂部に一点鎖線で車体パネル２９が示され、該車体パネル２ ９には複合縁材１４が取付けられるようになっている。このために、縁材片２０ ，２８の歯付き部分が車体パネル２９に対して密封的に押圧されかつ対応して変 形される。シート金属ネジ１７の完全な締め付けまで、スナツプ閉止体２６は開 放されそして他の緑材片２４はネジ回しの通路から出て下側に屈曲されている。 シート金属ネジ１７の締め付け後、継手縁材片２５とともにさらに他の縁材片２ ４は上方に折り曲げられそしてスナツプ閉止体２６が閉止される。これは第４図 に一点鎖線で示したように、窓ガラス３が上昇されるとき、該窓ガラス３がさら に他の縁材片２４をその中に変形させることができる中空室３０を形成する。 さらに他の縁材片２４は窓ガラス３と摺動接触するその領域に厚さを誇張して 示した被覆片１２を備えている。この被覆片１２はその窓ガラス３に対面してい る側に溝３２（第６図〜第８図）を備えている。 第５図は密封装置６を示す。これはＢ−支柱５のレールにそれ自体公知の方法 において保持されている軟質ゴムからなる密封縁材体３１からなつている。 密封縁材３１は窓ガラス３と摺動接触する領域に第５図で厚さが誇張されて示 されている被覆片１２を備えている。この被覆片１２はその窓ガラス３に対面す る側に溝３２（第６図〜第８図）を備えている。 第６図〜第８図に示したように、被覆片１２の表面には一定の方向に向けられ た多数または少数の溝３２が設けられ得る。そのような溝３２は種々の方法で形 成することができる。 好ましくは、これらの溝３２は各被覆片１２より短い。第６図による溝３２は 被覆片１２の長手方向３３に対して実質上平行に延伸している。 第７図に示したように、溝３２は長手方向３３に対して垂直方向に配置され得 る。 第８図は長手方向３３に対して９０°より小さい角度３４で延伸する溝３２を 示している。 第６図はまた、被覆片１２がその溝付き側面に固有の材料の繊細な繊維３５を 備えていることを示している。これらの繊維３５は溝３２の製造中に製造するこ とができる。 好ましくは、被覆片１２は上述したすべての実施例において高分子量のポリエ チレンからなつている。 図面のすべての図において、同一の構成部材はそれぞれ同一の番号を符してい る。 第９図は、そのＡ−支柱３９、屋根フレーム４０およびＣ−支柱４１が自動車 の各側で連続する密封装置４（第１０図）を備えている自動車３８を示している 。ドア２，２の窓フレーム４３のエナメル加工のシート金属からなる内面はドア ２が閉止されるとき各密封装置４の外面（第１０図および第１１図）と密封して 協働する。 第１０図は、密封装置４がＡ−支柱３９上の第１部分４４と、屋根フレーム４ ０上の第２部分４５と、Ｃ−支柱４上の第３部分４６とからなっていることを示 す。 第１１図によれば、密封装置４はその外面４２が被覆片１２を支持する密封縁 材４７からなっている。被覆片１２はここでも厚さが誇張して示されかつ上述し たいずれかの方法において形成され得る。第１１図による、密封装置４の１つの 構成部材は、それ自体公知の方法において、Ｕ形状断面を形成しかつ金属補強体 ４９を備えている締付け縁材４８である。密封装置４は、締付け縁材４８によっ てＡ−支柱３９、屋根フレーム４０およびＣ−支柱４１に沿って延伸する車体の フランジに取付けられている。 第１２図は自動車３８の屋根５０の断面を示す。屋根５０にはその端部５２が エナメル加工されたシート金属からなる開口部５１が形成されている。この開口 部５１は、ここでは飛び出し摺動サンルーフとして形成されている閉止部材５３ によつて密封装置４により密封して閉止させることができる。密封装置４は閉止 部材５３の外周に沿って例えば接着剤によつて固定されている密封縁材５４から なっている。端部５２と協働するその外面には、例示のため太い線として第１２ 図に示されている被覆片１２を備えている。 第１２図はいわゆる換気位置の閉止部材５３を示し、この位置において閉止部 材５３の前端部５５は、周辺密封縁材５４の１部分とともに端部５２の対向端部 と接触したままである。この前端部５５は言わば閉止部材５３が二重矢印５６の 方向に閉止位置または換気位置から上方または下方に枢動され得る水平軸を示す 。これらの枢動運動は、従来の装置において、望ましくない雑音、とくにガタガ タまたはキーキーという雑音を導き得る。これは密封縁材と屋根開口部の端部と の間の相対的な運動によつて発生する。雑音の発生に対するこの傾向は溝３２（ 第６図または第８図）を備えた被覆片１２を設けることによつて強力に低減され るかまたは完全に除去される。 第１３図は他の作動位置における第１２図の閉止部材５３を示す。ここで、閉 止部材５３は、第１２図に示した換気設定位置からまたは開口部５１が完全に閉 止される閉止設定位置から、前端部５５を中心に二重矢印５７の１方向に下方に 向かって枢動された状態を示す。この枢動運動によつてまたは二重矢印５７の他 の方向に対応する反対方向の枢動運動によつて、かかる運動は上述した型の望ま しくない雑音を導き得るが、このような雑音は、しかしながら、被覆片１２によ つて抑制される。 第１３図に実線で示した閉止部材５３の下方枢動位置から、閉止部材５３は屋 根５０のカセット５８の設定位置に移動せさることができ、この位置は鎖線で示 されかつ開口部５１を完全に自由にしている。 第１４図はルーフライトとして形成された閉止部材５９を示している。閉止部 材５９は、二重矢印５６の方向にその前端部５５を中心に移動させることによっ て、開口部５１が閉止されている水平設定位置から第１４図に示した換気設定位 置にかつその反対に枢動することができる。閉止部材５９の２つの実施例が第１ ４図に同時に示されている。第１４図の左側で、閉止部材５９は丸みを付けた端 部６０を有するガラス窓として示されている。第１４図の右側で、端部６０はポ リウレタンの端部スカート６１を被覆させたガラス窓として示されている。 端部６０または端部スカート６１は密封装置４の密封縁材５４と密封して協働 する。密封縁材５４はこの場合に、例えば、接着剤によつて、開口部５１の端部 ５２に固定されている。端部６０または端部スカート６１と協働するその内面に 、密封縁材５４は溝３２（第６図〜第８図）を備えた上述した被覆片１２を支持 している。ここでもまた、被覆片は閉止部材５９の枢動運動中に、雑音を非常に 低減させるかまたは、もはや発生させないという作用を有している。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １）自動車のドア（２）に対して移動できる窓ガラス（３）に使用するか、ま たは閉止部材が開口部（５１）の端部（５２）に対して移動できる自動車の車体 の開口部（５１）用の閉止部材（２；５３；５９）に使用する密封装置（４；６ ；７）であって、 該密封装置を、窓ガラス（３）と、または開口部（５１）の密封面または閉止 部材（２；５３；５９）の密封面と接触するように配置される区域に備えた被覆 片（１２）を有する少なくとも１つの密封縁材（９，１０；２４；３１；４７； ５４）から構成し、 該被覆片（１２）を熱可塑性プラスチツク材料にしかつ窓ガラス（３）または 密封面に対面する側に刻み目を有する外面（１３）を備え、 該刻み目を一方向に互いに平行に延伸する溝（３２）の形状にし、そして 前記被覆片（１２）を高分子量のポリエチレンから形成したことを特徴とする 密封装置。 ２）溝（３２）をそれらの整列方向に互いに一定間隔に配置させたことを特徴 とする請求の範囲第１項に記載の密封装置。 ３）溝（３２）を被覆片（１２）の長手方向（３３）に対して平行に延伸させ たことを特徴とする請求の範囲第１項または第２項に記載の密封装置。 ４）溝（３２）を被覆片（１２）の長手方向（３３）に対して垂直に延伸させ たことを特徴とする請求の範囲第１項または第２項に記載の密封装置。 ５）溝（３２）を被覆片（１２）の長手方向（３３）に対して９０°より小さ い角度（３４）で延伸させたことを特徴とする請求の範囲第１項または第２項に 記載の密封装置。 ６）被覆片（１２）にはその刻み目を有する外面（１３）に固有の材料の繊細 な繊維（３５）を備えたことを特徴とする請求の範囲第１項ないし第５項のいず れか１項に記載の密封装置。