JPH11511119A - 3−(メチルチオ)プロパナールと2−ヒドロキシ−4−(メチルチオ)ブタンニトリルの合成方法 - Google Patents

3−(メチルチオ)プロパナールと2−ヒドロキシ−4−(メチルチオ)ブタンニトリルの合成方法

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JPH11511119A JP9501471A JP50147197A JPH11511119A JP H11511119 A JPH11511119 A JP H11511119A JP 9501471 A JP9501471 A JP 9501471A JP 50147197 A JP50147197 A JP 50147197A JP H11511119 A JPH11511119 A JP H11511119A
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Abstract

(57)【要約】 新規な付加触媒を用いて3−(メチルチオ)プロパナールと2−ヒドロキシ−4−(メチルチオ)ブタンニトリルとを製造する触媒方法が開示されている。この新規触媒は、トリイソプロパノールアミン、ニコチンアミド、イミダゾール、ベンゾイミダゾール、2−フルオルピリジン、ポリ−4−ビニルピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、ピコリン、ピラジン、各アルキル置換基が窒素原子に結合しておりその各アルキル置換基中の炭素数が3から18であるトリアルキルアミン、及び式(I)で示される三級アミンを含む。式中、Aはアリールを表し、R1及びR2はそれぞれアルキルを表し、x、a、b及びcはそれぞれ0≦x≦3、1≦a≦3、0≦b≦2及び0≦c≦2であってa+b+c=3を満たす整数を表す。

Description

【発明の詳細な説明】 3−(メチルチオ)プロパナールと 2−ヒドロキシ−4−(メチルチオ)ブタンニトリルの合成方法従来の技術 この発明は、3−(メチルチオ)プロパナール(以後“MMP”という)と2 −ヒドロキシ−4−(メチルチオ)ブタンニトリル(以後“HMBN”という) の合成方法に関する。特にこの発明は新規な付加触媒を用いたMMPとHMBN の合成方法に関する。 MMPとHMBNとはd,1−メチオニンと2−ヒドロキシ−4−(メチルチ オ)ブタン酸(以後“HMBA”という)の双方を製造するための中間体である 。メチオニンは家畜飼料混合物に用いられる穀物に不足している必須アミノ酸で ある。HMBAはメチオニンの原料となり、家畜飼料処方の中のメチオニン補助 品として広く用いられている。 MMPはアクロレインとメチルメルカプタンとの触媒反応により製造される。 従来のMMPの合成方法では液状アクロレインとメチルメルカプタンを、液相M MPとオレフィン/メルカプタン付加反応触媒として働く適当な有機塩基とを含 んだ反応容器に入れる。反応は液相で起こる。アクロレインとメチルメルカプタ ンとの間のこの反応のための従来の有機塩基触媒には、ピリジン、ヘキサメチレ ンテトラミン及びトリエチルアミンなどのアミンが含まれる。このオレフィン/ メルカプタン付加反応触媒は典型的には酢酸のような有機酸と結合し、アクロレ インの重合を阻害して製品の収率を改善する。 HMBNは引き続き適当な付加反応触媒の存在下でMMPとシアン化水素との 付加反応により製造される。この付加反応触媒はアクロレインとメチルメルカプ タンとの間の反応を触媒作用する有機塩基を含んでもよい。メチオニンは、高圧 でHMBNを過剰のアンモニアと反応させて2−アミノ−4−(メチルチオ)ブ タンニトリルを生成させ、引き続いてこの生産物を鉱酸を用いて加水分解しメチ オニンを生成する方法によって製造してもよい。その代わりに、メチオニンはM MPと炭酸アンモニウムと反応させてヒダントインを生成させ、引き続いてこの ヒダントインを塩基を用いて加水分解しメチオニンを生成する方法によって製造 してもよい。HMBAは鉱酸を用いてHMBNを加水分解する方法によって製造 してもよい。 ピリジンはMMP及びHMBNの双方を生成させる場合に用いる効果的な付加 触媒であることが解っている。しかし、これらの価値ある中間体を合成するため の付加反応触媒の効果的な代替品を特定することは高度に有益であろう。発明の概要 アクロレインとメチルメルカプタンと間の触媒反応によりMMPを合成する方 法を提供すること;MMPを高収率で提供するこのような方法を提供すること; MMPの劣化と高分子量の副生物の生成とを受け入れ可能な低いレベルに押さえ るようなこのような方法を提供すること;メチオニン又はHMBAを合成する場 合に更に精製する必要なしに直接使用できる高品質のMMPを製造することが可 能なこのような方法を提供すること;MMP反応生成物とシアン化水素との間の 触媒反応によりHMBNを製造する方法を提供すること;HMBNの高反応収率 をもたらすこのような方法を提供すること;MMP反応生成物に残存する触媒を 、さらにHMBNを生成するためのMMPとシアン化水素との間の反応を触媒作 用するために用いてもよいこのような方法を提供すること;などはこの発明の目 的に含まれる。 そこで、簡潔に言うと、この発明はMMPの製造方法を示す。その方法は、新 規なオレフィン/メルカプタン付加反応触媒の存在下でメチルメルカプタンをア クロレインと反応域で反応させる段階を含む。この新規な触媒はトリイソプロパ ノールアミン、トリプロピルアミン、ニコチンアミド、イミダゾール、ベンゾイ ミダゾール、2−フルオルピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、ピコリン、 ピラジン、各アルキル置換基が窒素原子に結合しておりその各アルキル置換基中 の炭素数が5から18であるトリアルキルアミン、及び式 で示される三級アミンから成る群から選択される少なくとも一つの有機塩基を含 む。ここでAはアリールを表し、R1及びR2はそれぞれアルキルを表し、x、a、 b及びcはそれぞれ0≦x≦3、1≦a≦3、0≦b≦2、0≦c≦2であってa+b+c=3を 満たす整数を表す。 アクロレインとメチルメルカプタンとの間の反応を触媒作用する場合に用いら れる新規なオレフィン/メルカプタン付加反応触媒は、またMMPとシアン化水 素との間の反応を触媒してHMBNを生成するのに有効である。従って、この発 明はさらに付加反応触媒の存在下でMMPをシアン化水素と反応させる段階を含 むHMBNを製造する方法を示す。この付加反応触媒はトリイソプロパノールア ミン、ニコチンアミド、イミダゾール、ベンゾイミダゾール、2−フルオルピリ ジン、ポリ−4−ビニルピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、ピコリン、ピ ラジン、各アルキル置換基が窒素原子に結合しておりその各アルキル置換基中の 炭素数が3から18であるトリアルキルアミン、及び式 で示される三級アミンから成る群から選択される少なくとも一つの有機塩基を含 む。ここでAはアリールを表し、R1及びR2はそれぞれアルキルを表し、x、a、 b及びcはそれぞれ0≦x≦3、1≦a≦3、0≦b≦2、0≦c≦2であってa+b+c=3を 満たす整数を表す。 この発明の他の具体例によると、ここで開示された新規な付加触媒は、まずメ チルメルカプタンとアクロレインとの間の反応を触媒して、MMPとこの新規触 媒とを含む反応生成物混合物の中間体を生成する。そして反応生成物混合物の中 間体の中のMMPからこの触媒を予め分離せずに、反応生成物であるMMPをシ アン化水素と反応させてHMBNを生成する。 この発明の他の目的と特徴は、一部分は明白であって、一部分はこの後で指摘 されるであろう。発明の実施の形態 この発明によると、MMPは新規なオレフィン/メルカプタン付加触媒の存在 下のアクロレインとメチルメルカプタンとの間の反応により製造される。その後 、MMP反応生成物の混合物中に存在するこの新規触媒をシアン化反応における 付加反応触媒として用いて、この反応生成物混合物の中のMMPをシアン化水素 と反応させてHMBNを製造させてもよい。 アクロレインとメチルメルカプタンとの間の触媒反応によりMMPを製造する ことはよく知られており、本発明を実施する際に、採用された種々の工程条件に 限定せずにいかなる適当な方法でこの反応を実施することも可能である。例えば 、アクロレイン蒸気を循環されたMMP生産物を含んだ液状反応媒体に吸収させ てもよい。この液状反応媒体に吸収されたアクロレインを、適当な反応容器の反 応域内においてオレフィン/メルカプタン付加反応触媒の存在下でメチルメルカ プタンと反応させる。少なくともアクロレインと実質的に化学量論的に等モル量 のメチルメルカプタンをその液状反応媒体に加える。わずかに過剰のメチルメル カプタンを用いてもよい。その液状反応媒体中に存在するアクロレイン1モルに 対し約1から約1.02モルのメチルメルカプタンをその反応域に加えるのが好 ましい。このメチルメルカプタンとアクロレインをその反応域に同時又は継続的 に加えることも出来る。オレフィン/メルカプタン付加反応触媒はそのMMP中 に残らず存在してもよいし一部存在してもよく、またオレフィン/メルカプタン 付加反応触媒をメチルメルカプタン及びアクロレインと共に液状反応媒体にすべ て加えてもよいし一部加えてもよい。 その反応温度を約30から約70℃の範囲内に保つのが望ましい。反応圧力は 決定的なものではなく広範囲中で変えてもよい。しかし反応設備を簡単にするた めに、ほぼ大気圧又はほんの少し減圧若しくは加圧の状態でこの反応を行うのが 好ましい。 アクロレインとメチルメルカプタンの反応は連続的又はバッチ式のいずれの方 法で行ってもよい。バッチ式の方法では、実質的に等モル量のアクロレイン蒸気 又は液体アクロレインをメチルメルカプタンに加えてもよい。この代わりに、ア クロレインとメチルメルカプタンとを同時に実質的に化学量論的に同等な添加速 度でMMPを含む液状反応媒体に加えてもよい。その前のバッチで生成したMM Pの残りを反応容器に残置することにより、そのバッチの反応媒体とするのが便 利である。従って、アクロレインとメチルメルカプタンをバッチサイクルの重要 な部分にわたって実質的に一定速度で加えるような半連続モードでこのバッチ反 応容器を作動させてもよく、その反応生成物を定期的に反応容器から取り出し、 次のバッチのために残りを残置する。 完全な連続方法は、例えば、ビオラによる米国特許第4,225,516号、 シューらによる米国特許第5,352,837号及び共有の同時継続米国特許出 願第08/557,699号に記載されており、ここではこれらすべてをまとめ て引用する。シューらの特許に記載されているように、アクロレイン蒸気とメチ ルメルカプタンとを並流又は向流の気体/液体接触領域で流動するMMP反応媒 体に加えてこの連続反応を行ってもよい。この代わりに、その中を反応混合物が 循環されていて外部冷却器を備えた攪拌タンク式反応容器の中でその初期反応を 行ってもよい。初期気体/液体接触領域中で与えられた時間内にその反応が完結 しない場合は、その反応を完結させるために未反応のアクロレインとメチルメル カプタンとを含むMMP反応媒体を二次反応容器(例えば、プラグ流反応容器又 はバッチ保持タンク)へ送る。いかなる反応域においても反応温度は約70℃を 超えないことが好ましい。 MMPを商業生産するためのオレフィン/メルカプタン付加触媒は次のいくつ かの基準を基に評価されることが好ましい。即ちこの基準には、(1)MMPの 転化率及び収率、(2)反応速度、及び(3)MMP反応中及び引き続くMMP 反応生成物の貯蔵中の双方において、好ましくない副反応を触媒作用して高分子 副生成物を生成して製品の純度を下げる傾向、が含まれる。さらにこのような触 媒は、精製工程を介在さずにMMP反応生成物混合物を直接シアン化水素で処理 してHMBNを生成するように、MMPとシアン化水素の反応を触媒作用してH MBNを生成することが好ましい。 従来活性なオレフィン/メルカプタン付加反応触媒であるとは認識されていな かったある種の有機塩基がアクロレインとメチルメルカプタンの反応を触媒作用 してMMPを生成するために有利に用いられうることを発見した。そのために、 本発明の新規な触媒は、ある種のヘテロ環式アミン、トリアルキルアミン、及び その三級アミンの窒素原子に結合する少なくとも一つの非水素置換基がアリール 基を含むその他の三級アミンから成る群から選択される少なくとも一つの有機塩 基から成る。この新規なオレフィン/メルカプタン付加反応触媒は更にトリイソ プロパノールアミンを含んでもよい。 本発明の新規なオレフィン/メルカプタン付加触媒であってもよいヘテロ環式 アミンは、ニコチンアミド、イミダゾール、ベンゾイミダゾール、2−フルオル ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、ピコリン(例えば、2−ピコリン、3 −ピコリン及び4−ピコリン)及びピラジンから成る群から選択される。 本発明の新規なオレフィン/メルカプタン付加触媒であってもよいトリアルキ ルアミンは各アルキル置換基が窒素原子に結合しておりその炭素数が少なくとも 3であるという特徴がある(例えば、トリプロピルアミン、トリブチルアミンな ど)。しかしこのアルキル置換基は、MMP反応混合物に十分溶解可能であるた めには約18以上の炭素原子を含むべきではない。このアルキル置換基は直鎖、 分岐鎖又は環式であってもよい。高分子量のトリアルキルアミンによる一般的な 燃焼性、毒性及び揮発性が低いという利点を有するため、及びMMP反応混合物 の溶解性の問題を避けるために、オレフィン/メルカプタン付加触媒であるこの トリアルキルアミンの各アルキル置換基は5から12の炭素原子を含んでいるこ とが好ましい(例えば、トリペンチルアミン、トリヘキシルアミン、トリヘプチ ルアミン、トリオクチルアミン、トリノニルアミン、トリデシルアミン、トリウ ンデシルアミン、トリドデシルアミンなど)。 本発明の新規なオレフィン/メルカプタン付加反応触媒は、更にその窒素原子 に結合する少なくとも一つの非水素置換基がアリール基(例えば、フェニル基、 ナフチル基)を含んだその他の三級アミンを含んでもよい。特にアクロレインと メチルメルカプタンの反応を触媒作用するために用いられてもよいアリール基を 含んだ三級アミンは下式で表される: ここでAはアリールを表し、R1及びR2はそれぞれアルキルを表し、x、a、b 及びcはそれぞれ0≦x≦3、1≦a≦3、0≦b≦2、0≦c≦2であってa+b+c=3を満 たす整数を表す。本発明に用いられるアリール基を含んだ適当な三級アミンには トリフェニルアミン、トリベンジルアミン及びN−メチルジフェネチルアミンが 含まれる。ここで、アリール基を窒素原子から分離する少なくとも一つの−CH2 −基を有するように、x≧1であることが好ましい。この発明の特に好ましい具 体例によれば、x≧1であってa=2である(例えば、N−メチルジフェネチルア ミン及びN−エチル−3、3´−ジフェニルジプロピルアミン)。 上記の各アミンはMMPの商業生産においてオレフィン/メルカプタン付加触 媒として使用するのに適当である。しかしここで同定された触媒評価基準を参照 すると、これらの有機塩基のうちのいくつかは、他の有機塩基よりも全体的性能 と効果が大きいことが例証された。本発明のより好ましい具体例によれば、オレ フィン/メルカプタン付加触媒はトリイソプロパノールアミン、イミダゾール、 ベンゾイミダゾール、ピコリン、N−メチルジフェネチルアミン、N−エチル− 3、3´−ジフェニルジプロピルアミン、及び各アルキル置換基が窒素原子に結 合しておりその各アルキル置換基中の炭素数が5から12であるトリアルキルア ミンから成る群から選択される少なくとも一つの有機塩基を含む。 その他の有機塩基をMMPを合成するために使用するオレフィン/メルカプタ ン付加反応触媒として用いてもよく、これにはポリ−4−ビニルピリジン、t− オクチルアミン、ナトリウムニコチンアミド及び3−フルオルピリジンが含まれ る。これらの有機塩基触媒に加えて、ある種の塩をアクロレインとメチルメルカ プタンの反応を触媒作用するために使用してもよく、これには単独又はクラウン エーテル若しくは第四アンモニウム塩と結合してその塩アニオンのMMP反応混 合物への溶解性を促進するアルカリ金属の酢酸塩、モリブデン酸塩及びギ酸塩、 及びエチレンジアミン四酢酸の塩が含まれる。更に、我々はその他の化合物を使 用することも検討した。即ち、MMPを生成するための触媒としての、酢酸亜鉛 、炭酸亜鉛、p−トルエンスルホン酸、4−アミノ酪酸及び塩化パラジウムであ る。しかしこれらの化合物はアクロレインとメチルメルカプタンの反応を触媒作 用するのに特に有効ではなく、p−トルエンスルホン酸及び塩化パラジウムの場 合にはMMPの反応を促進する効果において本質的に不活性であった。 オレフィン/メルカプタン付加反応触媒はアクロレインとメチルメルカプタン の反応を有効に触媒作用するのに十分な量が液状反応媒体中に存在するべきであ る。例えば、バッチ方式では、反応域に投入されるメルカプタンに対するこの触 媒のモル比は約0.001から約0.02であり、好ましくは約0.001から 約0.01であり、約0.001から約0.005が特に良い。 ここで開示される新規なオレフィン/メルカプタン付加反応触媒のうちのいく つか(例えば、ニコチンアミド、イミダゾール、ベンゾイミダゾール及びポリ− 4−ビニルピリジン)は典型的なMMP反応温度において固体であることは注意 しておくべくきである。溶解性が十分であるならば、このような固体触媒を液状 MMP反応混合物に溶解して用いるのに適当である。もしその触媒の溶解性が不 十分ならば、触媒溶解補助剤として適当な溶媒(例えば、水、有機酸又は無機酸 )を最小量その反応混合物に添加するか、又はその触媒をその反応混合物の中に 単純に懸濁してもよい。しかし水性分離相が生成してメチルメルカプタンとアク ロレインとの反応に可能性として逆効果を有することを避けるためにMMP反応 混合物の水分含量を約6重量%以上に、好ましくは約3重量%以上に、特に約1 .5重量%以上に、ならないように管理することが好ましい。更に、固体触媒を 採用する場合には、その触媒を反応域に添加することを容易にするために、まず その触媒を適当な溶剤に溶解させて液状触媒プレミックスを作ることが有利であ る。 ここに記載された新規なオレフィン/メルカプタン付加反応触媒を反応域で有 機酸又は無機酸と結合することが好ましい。酸の存在は液状有機反応媒体の塩基 性を和らげて、塩基で触媒作用されてMMPの品質を低下させる望ましくない副 反応を抑制すると考えられている。さらにこの酸は固体触媒の液状MMP反応混 合物への溶解性を促進するかもしれない。酢酸、ギ酸、クエン酸、短鎖脂肪酸及 び有機スルホン酸(例えば、トリフルオルメタンスルホン酸)などの様々な有機 酸を用いてもよい。適当な無機酸には硫酸やリン酸などの鉱酸が含まれる。商業 的な入手可能性や比較的低価格なために、酢酸が好ましい。反応域に加えられる 酢酸に対する有機塩基のモル比は典型的には約0.5から約2.0である。塩基 で触媒作用される副反応が十分に抑制されることを確実にするために、反応域に 加えられる酢酸に対する有機塩基のモル比は約0.5から約1.0であることが 好ましい。反応域において一つ又はそれ以上の前述の塩基を鉱酸と結合させる場 合には、好ましい鉱酸は硫酸又はリン酸である。反応域に加えられる鉱酸に対す る有機塩基のモル比は約1から約50である。反応域においてここで開示された 塩基のうちの一つを有機酸又は無機酸と結合させる場合には、その液状反応媒体 が約0.2重量%から0.75重量%の有機塩基/酸の結合物を含むことが好ま しい。有機塩基/酸の結合物の反応域への添加を容易にするために、まずその触 媒を有機酸又は無機酸と結合させて液状触媒プレミックスを作り、次にこれを反 応域に添加してもよい。 高沸点又は低沸点の不純物を除去するために事前に蒸留せずに、MMP反応生 成物を直接HMBNを合成するために用いてもよい。このことは蒸留のための資 本及び操業費用を省くだけでなく、MMP蒸留塔に追加の高いボイラーを設ける ことにより不可避的に生じる収率の損失を避ける。適当な付加反応触媒の存在下 でMMP反応生成物をシアン化水素と反応させてHMBNを製造してもよい。好 都合なことに、トリイソプロパノールアミン、ニコチンアミド、イミダゾール、 ベンゾイミダゾール、2−フルオルピリジン、ポリ−4−ビニルピリジン、4− ジメチルアミノピリジン、ピコリン及びピラジンがHMBNを生成する場合の付 加反応触媒となりうることを発見した。更に各アルキル置換基が窒素原子に結合 しておりその各アルキル置換基中の炭素数が3から18であるトリアルキルアミ ン及び上述の窒素原子に結合する少なくとも一つの非水素置換基がアリール基を 一つ含んだ三級アミンもまたMMPとシアン化水素との反応を触媒作用してHM BNを生成させるために用いられうる。 従って本発明の好ましい具体例によれば、まずここで開示されたオレフィン/ メルカプタン付加反応触媒の中の一つを単独又は適当な有機酸若しくは無機酸と 結合させて存在させ、メチルメルカプタンをアクロレインと反応域で反応させM MPを合成して、MMPとこの触媒を含んだ反応生成物混合物の中間体を生成さ せることができる。その後、予め反応生成物混合物の中間体の中のMMPから触 媒を分離せずに、そのMMPをシアン化水素と反応させてそのMMPを直接HM BNに転化させることが出来る。オレフィン/メルカプタン付加反応触媒が各ア ルキル置換基が窒素原子に結合しておりその各アルキル置換基中の炭素数が3か ら18であるトリアルキルアミン又は窒素原子に結合する少なくとも一つの非水 素置換基がアリール基を有する三級アミンから成る場合には、高品質のHMBN を高収率で製造するために反応生成物混合物の中間体の中のMMPを本質的に直 ちにHMBNに転化させることが好ましい。 HMBNを製造するためのMMPとシアン化水素との間の触媒反応は良く知ら れており、この発明の実施においては、採用された種々の工程条件に特に限定す ることなくこの反応を行うことが出来る。MMP生産物をシアン化水素と連続的 又はバッチ式のいずれの反応方法で反応させてもよい。シアン化水素をMMPに 対して約2%過剰のモル数で存在させることが好ましい。シアン化反応の温度を 約30から約70℃、好ましくは約50から約70℃、の範囲内に保つことが望 ましい。MMPの反応の場合のように、シアン化反応の間保たれる圧力は決定的 なものではなく広範囲中で変えてもよいが、大気圧に近い圧力が好ましい。 オレフィン/メルカプタン付加反応及びMMPとシアン化水素との間の反応の 双方に用いるための触媒としての全体効率の理由により、この方法でHMBNを 合成するために用いる付加触媒はトリイソ0プロパノールアミン、イミダゾール 、ベンゾイミダゾール、ピコリン、ポリ−4−ビニルピリジン、N−メチルジフ ェネチルアミン、N−エチル−3、3´−ジフェニルジプロピルアミン及び各ア ルキル置換基が窒素原子に結合しておりその各アルキル置換基中の炭素数が5か ら12であるトリアルキルアミンから成る群から選択される少なくとも一つのア ミンから成るのが好ましい。 付加触媒をこのシアン化反応を促進するために十分な量で存在させて、MMP とシアン化水素とを反応させなければならない。ある触媒系ではこのシアン化反 応においては、アクロレインとメチルメルカプタンの間の反応時に存在する量よ りも多量の付加触媒を用いてもよい。従ってMMPとシアン化水素との反応を有 効に触媒作用するのに十分な量が反応生成物混合物の中間体の中に確実に存在さ せるために、MMP生成反応の間に始めに過剰の付加触媒を用いてもよい。しか し後で最適なシアン化水素の付加を達成するためにアクロレインとメチルメルカ プタンの間の反応に過剰の付加触媒を用いると、MMP反応生成物の過剰な劣化 をもたらすかもしれない。このような場合には、シアン化水素を加える直前に、 更にシアン化反応を促進するために反応生成物混合物の中間体の中に有機塩基触 媒の追加量を加えることが好ましい。反応生成物混合物の中間体に加えられる触 媒はここで開示されたいかなる付加触媒の中から選択されてもよく、実際にアク ロレインとメチルメルカプタンの間の反応を触媒作用するために用いられた触媒 と同じ触媒であってもよい。その代わりに、この付加触媒が従来の有機塩基触媒 (例えば、ピリジン、トリエチルアミン、ヘキサエチレンテトラミンなど)から 成っていてもよい。付加触媒を加える前の反応生成物混合物の中間体の中の付加 反応触媒の濃度は約0.01重量%と約1重量%との間、より好ましくは約0. 05重量%と約0.25重量%との間、であることが好ましく、反応生成物混合 物の中間体の中に更に付加触媒を加えた後では反応生成物混合物の中間体は約0 .05重量%と約1重量%との間、より好ましくは約0.1重量%と約0.5重 量%との間、の付加反応触媒を含むことが好ましい。 本発明の方法によって製造されたHMBNを、ルエストらによる米国特許第4 ,524,077号に記載された方法又はヘルナンデスによる米国特許第4,9 12,257号に記載された方法のいずれかによって、精製せずに直接HMBA に転化してもよい。ルエストの特許の方法では、HMBNを硫酸で加水分解して 、水に混和しない溶剤を用いてこの水解物からNMBA生成物を抽出し、この抽 出物を水蒸気蒸留して85重量%から90重量%のHMBAの水溶液を作る。ヘ ルナンデスの特許の方法では、水解物をアンモニアで中和すると二相に分離する ので、この有機相を蒸発させ、ろ過して、85重量%から90重量%のHMBA の水溶液を作る。 この発明は以下の実施例で例証されるが、これら実施例はもっぱら例証の目的 のためであって、発明の範囲や実施されてもよい方法を限定するものとみなされ るべきではない。実施例1 この実施例において、MMPを製造するためのアクロレインとメチルメルカプ タンとの間の反応のために提案されたオレフィン/メルカプタン触媒の性能の評 価をするために以下の方法を用いた。 試験すべき触媒をアクロレインと混合し、この混合物の一定量を隔壁蓋のつい た2mlのガラスびんの中の過剰量のメチルメルカプタンと結合させた。メチル メルカプタンは共にドライアイスで冷却したメルカプタン用ガラスびん及び反応 用ガラスびんを用いて移送した。アクロレインを基準にして約5重量%から約1 5重量%過剰のメチルメルカプタンを用いた。反応用ガラスびん中の触媒量はア クロレイン又はMMP生産物の1モルあたりの触媒が約0.0033モルになる ように選ばれた。いくつかの試験において、まず触媒を有機酸又は無機酸と約0 .7の比率(酸に対する触媒)で結合させ、この触媒/酸の結合物をアクロレイ ンに加えた。また、触媒の溶解性を良くするために時々反応用ガラスびん中の混 合物に水を加えた。塩の触媒を用いた場合には、触媒の溶解性を良くするために しばしばこの触媒をクラウンエーテル又は第四アンモニウム塩と本質的に同モル 割合で結合させた。 この混合物を含んだ反応用ガラスびんを約50℃に保たれたオーブンに入れた 。約30分後反応用ガラスびんを取り出し、加熱時の重量損失を測定するために 再計量した(通常約0.002g以下である)。この反応用ガラスびんに含まれ る反応混合物のサンプルを定量のためにガスクロマトグラフィーで分析して、こ の混合物中に存在する高分子量のオリゴマーの量を求めた。 表1は上述の方法で評価された代替アルデヒド反応触媒の性能を示す。比較の ためにピリジン及び酢酸と結合したピリジンを用いた対照試験も含まれている。 触媒の性能を評価する基準には、アクロレインの転換率、高分子量のオリゴマー の量及び適当なクロマトグラムの外観の定性的評価が含まれている。そのガラス びんに含まれるMMP反応混合物が低アクロレイン濃度(これはMMPへの高転 化率を示す)、少量の高分子量のオリゴマー(副反応が少ないことを示す)及び 一般的に平らなガスクロマトグラフィー基線(他のポリマーがないことを示す) を示すのが理想的である。低品質の材料はアルデヒドのピークの数分後にブロー ドなピークを示し、これはオリゴマーの量とは常に相関するわけではない。ガス クロマトグラフィー・マススペクトロスコピーによる測定により、このブロード なピークがアルデヒドであって、その他の成分が分析中に分解されてこのピーク を形成していることが解った。この方法において過剰量のメチルメルカプタンを 使用したので、アルデヒドの収率が意味のある評価基準になるとは考えられなか った。 表1において、このガスクロマトグラフィー基線の番号(S)、(M)及び(U)は それぞれ“満足できるもの(Satisfactory)”、“下限ぎりぎりのもの(Margina l)”及び“満足できないもの(Unsatisfactory)”を示す。ND及びtrはそれ ぞれ“検知されなかったもの(not detected)”及び“微量(trace)”示す。報告 値はすべて重量%である。 実施例2 この実施例において、MMPを製造するためのアクロレインとメチルメルカプ タンとの間の反応に用いるオレフィン/メルカプタン触媒としてのトリイソプロ ピルアミン、ある種のトリアルキルアミン及びフェニル基を含んだ三級アミンの 性能の評価をするために以下の方法を用いた。 すべての試験において、最初に試験すべき触媒を約0.7のモル比で酢酸と結 合させた。しかしトリアルキルアミンの場合には単一の液相にするために追加の 酢酸を加えた(酢酸に対する触媒のモル比を0.54とした)。触媒/酢酸の結 合物をアクロレインと混合し、この混合物の一定量を隔壁蓋のついた2mlのガ ラスびんの中の過剰量のメチルメルカプタンと結合させた。メチルメルカプタン は共にドライアイスで冷却したメルカプタン用ガラスびん及び反応用ガラスびん を用いて移送した。アクロレインを基準にして約0.4重量%から約9重量%過 剰のメチルメルカプタンを用いた。反応用ガラスびん中の触媒量はアクロレイン 又はMMP生産物の1モルあたりの触媒が約0.0033モルになるように選ば れた。 この混合物を含んだ反応用ガラスびんを約50℃に保たれたオーブンに入れた 。約30分後反応用ガラスびんを取り出し、加熱時の重量損失を再計量した(通 常約0.002g以下である)。この反応用ガラスびんに含まれる反応混合物の サンプルを定量のためにガスクロマトグラフィーで分析して、この混合物中に存 在する高分子量のオリゴマーの量を求めた。 表2は上述の方法で評価されたこの群の代替アルデヒド反応触媒の性能を示す 。触媒の性能を評価するために、この実施例では実施例1で述べたのと同じ基準 を用いた。 表2において、このガスクロマトグラフィー基線の番号(S)、(M)及び(U)は それぞれ“満足できるもの(Satisfactory)”、“下限ぎりぎりのもの(Margina l)”及び“満足できないもの(Unsatisfactory)”を示す。ND及びtrはそれ ぞれ“検知されなかったもの(not detected)”及び“微量(trace)”示す。報告 値はすべて重量%である。 実施例3 この実施例において、酢酸と結合させたトリプロピルアミンをアルデヒド反応 を触媒作用させるために用いて製造したMMPが代表する混合物を、シアン化水 素と反応させてHMBNに転化した。 水(0.091g)、蒸留したMMP(6.91g)及び酢酸1モルあたり0.54モルのト リプロピルアミンを含むトリプロピルアミン/酢酸触媒水溶液(0.008g)を混合し てMMP混合物を作った。シアン化水素(40μl,99.5%)を反応用ガラスびんの中 の70μlのこのアルデヒド/水/触媒/酢酸の混合液に加え、移送の間は湿氷 で冷却した。次にこの反応用ガラスびんを約50℃のオーブンに30分間入れた 。シアン化反応を触媒作用するために、MMP混合物の中に存在するトリプロピ ル アミン触媒を用いた。次にこのガラスびんをオーブンから取り出し、冷却した。 このガラスびんに含まれる冷却されたニトリル反応生成物のサンプルを定量のた めにガスクロマトグラフィーで分析して、この混合物中に存在する高分子量のオ リゴマーの量を求めた。このサンプルは、ニトリルを98.2重量%、高分子量 のオリゴマーを0.1重量%及びMMPを0.03重量%含んでいた。実施例4 この実施例において、アクロレインとメチルメルカプタンとの間の反応に用い るオレフィン/メルカプタン付加触媒としての性能を更に評価するために、以下 に記載する方法を用いてニコチンアミド、イミダゾール、ベンゾイミダゾール、 2−フルオルピリジン、ピラジン及び4−ピコリンを試験した。 約97.3重量%から97.5重量%のアクロレイン及び約2.5重量%の水 分という典型的な分析値を有する蒸留したアクロレインをヒドロキノンと混合し て、約0.10重量%から0.12重量%の濃度のヒドロキノンを含んだ混合物 を作った。蒸留したアクロレインとヒドロキノンとのこの混合物を0から5℃で 貯蔵した。約99.3重量%から99.5重量%のメチルメルカプタンという典 型的な分析値を有する蒸留したメチルメルカプタンを用いた。 温度調節用内部冷却コイルと攪拌器とを有する1000mlのステンレス反応 容器の中でアルデヒド反応を行った。まず特定のアルデヒド触媒の存在下でアク ロレインとメチルメルカプタンとを反応させて一定量のMMPを作る。次に同じ 触媒を用いて引き続きMMPのバッチを作る時の“残り”としてこのMMPを用 いた。典型的には、定常な条件に近づけるために、同じ触媒と前のバッチからの MMPの残りとを用いていくつかのMMPのバッチを作った。 このMMPの残りを作るために、反応容器にメチルメルカプタンを投入し、引 き続いて水面下供給チューブを用いて触媒を投入する。この反応容器とその内容 物を外気温まで温めて、その時にアクロレインを約25分間に渡って約50℃の 反応温度にある反応容器に供給する。アクロレイン1モルに対して約1.005 モルのメチルメルカプタンと約0.0033モルの触媒とを反応容器に投入する 。ニコチンアミドの場合を除いて、反応容器中の触媒を酢酸と約0.7のモル比 (酢酸に対する触媒)で結合させた。工程温度を約50℃に保持して反応容器中の 内 容物を約60分間攪拌することによってこのアルデヒド反応は完結した。一旦ア ルデヒド反応が完結したら、反応容器とその内容物を約10分間に渡って連続し て攪拌しながら20から25℃まで冷却した。 触媒(アクロレイン1モルに対して0.0033モル)と、ニコチンアミドの 場合を除いて、酢酸(酢酸に対する触媒のモル比が0.7)とをMMPの残りと 混合し、追加のアルデヒドを作るために反応容器に投入する。次にメチルメルカ プタンとアクロレインとを同時に約60℃の反応温度で約30分間に渡って攪拌 しながら反応容器に供給する。アクロレイン1モルに対して約1.005モルの メチルメルカプタンを反応容器に投入する。工程温度を約60℃に保持して約2 3分間攪拌することによってこのアルデヒド反応は完結した。一旦アルデヒド反 応が完結したら、反応容器とその内容物を約10分間に渡って20から25℃ま で冷却した。必要に応じて、定常な条件に近づくまで特定の触媒と前のバッチか らのMMPの残りとを用いてこのバッチ反応の順序を繰り返した。 最終バッチからの反応混合物のサンプルを定量のためにガスクロマトグラフィ ーに注入した。またこの反応混合物のサンプルをガスクロマトグラフィーで分析 して、この混合物中に存在する高分子量のオリゴマーの量を求めた。いくつかの 場合において、貯蔵安定性を試験するために、このMMP反応生成物の制限付き 老化試験を行った。 表3は上述の方法で評価された代替アルデヒド反応触媒の性能をまとめたもの である。表3の結果には、最終バッチの反応混合物の中のメチルメルカプタン、 アクロレイン、MMP及び高分子量オリゴマーの重量割合が含まれている。この 表には比較のために、酢酸と結合させたピリジン触媒を用いた対照標準試験の結 果が含まれている。 この実施例で評価された触媒の中のニコチンアミド、ピラジン及び2−フルオ ルピリジンを使うと高分子量オリゴマーの重量割合が高いMMPが生成した。 触媒としてイミダゾール、ベンゾイミダゾール及び4−ピコリンを用いて作っ たMMPの45℃での貯蔵安定性を試験した。比較のために、酢酸と結合させた ピリジン触媒を用いて作ったMMPもまた45℃で劣化させた。典型的な劣化試 験では、40gのアルデヒド生成物をガラス容器に入れ、その後45℃に保たれ たオーブンに移送した。定期的にその容器からその生成物のサンプルを取出して 定量のためにガスクロマトグラフィーで分析した。このMMP劣化試験の結果を 表4にまとめた。 45℃でオレフィン/メルカプタン付加触媒としてイミダゾール、ベンゾイミ ダゾール及び4−ピコリンを用いて作ったMMPはピリジン用いて作ったアルデ ヒドに比べて早い劣化を示した。 オレフィン/メルカプタン付加触媒として酢酸と結合させたイミダゾール、ベ ンゾイミダゾール及び4−ピコリンを用いて作ったMMPを、更にシアン化反応 を触媒作用するためにMMP反応生成物混合物の中に残存する有機塩基触媒を用 いて、HMBNに転化させた。比較のために、ピリジン/酢酸を触媒として用い て作ったMMPもまたHMBNに転化させた。 温度調節用内部冷却コイルと攪拌器とを有する1000mlの同じステンレス 反応容器の中でニトリル反応を行った。まず有機塩基触媒を含んだMMPの投入 量を測って反応容器に入れる。次にシアン化水素(99.5%)を約60℃で26分 間に渡って攪拌しながら反応容器に入れる。1モルのMMPに対して約1.02 モルのシアン化水素を反応容器に入れる。このバッチを攪拌も冷却もせずに約2 0分間保持することによりこのニトリル反応は完結した。一旦ニトリル反応が完 結したら、反応容器とその内容物を約10分間に渡って20から25℃まで冷却 した。この反応混合物のサンプルを定量のためにガスクロマトグラフィーで分析 し、HMBN、MMP及び高分子量のオリゴマーを定量した。このニトリル転化 の結果を表5にまとめる。 実施例5 実施例4の方法に従って、蒸留したアクロレインとメチルメルカプタンとを用 いてMMPの残り及びバッチを合成した。リーライ製のポリ−4−ビニルピリジ ン(Reillex425)をオレフィン/メルカプタン付加反応触媒として用いた。 ポリ−4−ビニルピリジン(2.7g)を空の反応容器に投入した。次にメチルメルカ プタン(88.4g)を反応容器に投入した。この反応容器とその内容物を外気温まで 温めて、その時に約50分間に渡って約50℃の反応温度にあるアクロレイン(1 00.9g)を反応容器に供給した。実施例4に記載されているようにアルデヒド反応 は完結した。次に更に触媒を加えずにメチルメルカプタン(196.1g)とアクロレイ ン(235.9g)とを同時に約50℃の反応温度で約50分間に渡って攪拌しながら反 応容器に供給した。約50℃の工程温度で約30分間保持することによってこの アルデヒド反応は完結した。このバッチから採った反応混合物のサンプルをガス クロマトグラフィーで分析した。その分析の結果は、MMPが89.9重量%、 アクロレインが0.4重量%、メチルメルカプタンが0.8重量%及びピリジン が0.02重量%であった。 ポリ−4−ビニルピリジン触媒を含むMMP生成物は、実施例4の方法に従っ て同じ反応容器の中でニトリルに転化された。シアン化水素(155.4g)を約50℃ で約50分間に渡って攪拌しながらMMP(600.0g)を含んだ反応容器に供給した 。 攪拌も冷却もせずに約30分間このバッチを保持することによってこのニトリル 反応は完結した。一旦ニトリル反応が完結したら、反応容器とその内容物を約1 0分間に渡って20から25℃まで冷却した。このニトリル反応混合物のサンプ ルをガスクロマトグラフィーで分析した。この分析の結果、HMBNは72.9 重量%であり、MMPは2.6重量%であった。 上記によりこの発明のいくつかの目的が達成されたことが解る。この発明の範 囲内でこれまでに記載した方法に種々の変更をなすことは可能であるので、これ までの記載に含まれるすべての事項は例証として解釈されるべきであって制限す る意味に解釈されるべきではないことが意図されている。
【手続補正書】特許法第184条の8第1項 【提出日】1997年5月30日 【補正内容】 請求の範囲 1.オレフィン/メルカプタン付加反応触媒の存在下でメチルメルカプタンをア クロレインと反応域で反応させる段階を含む3−(メチルチオ)プロパナールの 製造方法であって、前記触媒がトリイソプロパノールアミン、トリプロピルアミ ン、ニコチンアミド、イミダゾール、ベンゾイミダゾール、2−フルオルピリジ ン、4−ジメチルアミノピリジン、ピコリン、ピラジン、各アルキル置換基が窒 素原子に結合しておりその各アルキル置換基中の炭素数が5から18であるトリ アルキルアミン、及び式 (式中、Aはアリールを表し、R1及びR2はそれぞれアルキルを表し、x、a、 b及びcはそれぞれ1≦x≦3、1≦a≦3、0≦b≦2及び0≦c≦2であってa+b+c=3 を満たす整数を表す)で示される三級アミンから成る群から選択される少なくと も一つの有機塩基を含む3−(メチルチオ)プロパナールの製造方法。 2.aが2である請求項1に記載の方法。 3.前記オレフィン/メルカプタン付加反応触媒がトリイソプロパノールアミン 、ピコリン、N−メチルジフェネチルアミン、N−エチル−3、3´−ジフェニ ルジプロピルアミン及び各アルキル置換基が窒素原子に結合しておりその各アル キル置換基中の炭素数が5から12であるトリアルキルアミンから成る群から選 択される少なくとも一つの有機塩基を含む請求項2に記載の方法。 4.前記オレフィン/メルカプタン付加反応触媒がN−メチルジフェネチルアミ ンを含む請求項3に記載の方法。 5.前記反応域において前記オレフィン/メルカプタン付加反応触媒が有機酸と 結合している請求項4に記載の方法。 6.前記オレフィン/メルカプタン付加反応触媒がN−エチル−3、3´−ジフ ェニルジプロピルアミンを含む請求項3に記載の方法。 7.前記反応域において前記オレフィン/メルカプタン付加反応触媒が有機酸と 結合している請求項6に記載の方法。 8.前記反応域に加えられるメチルメルカプタンに対する前記有機塩基のモル比 が0.001から0.02である請求項3に記載の方法。 9.前記反応域において前記オレフィン/メルカプタン付加反応触媒が有機酸と 結合している請求項8に記載の方法。 10.前記有機酸が酢酸であって、前記反応域に加えられる酢酸に対する前記有 機塩基のモル比が0.5から2.0である請求項9に記載の方法。 11.前記反応域が3−(メチルチオ)プロパナールと前記触媒とを含む液状反 応媒体を含み、前記液状反応媒体が前記触媒/有機酸の結合物を0.2重量%か ら0.75重量%含む請求項10に記載の方法。 12.前記反応域において前記オレフィン/メルカプタン付加反応触媒が鉱酸と 結合している請求項8に記載の方法。 13.前記鉱酸が硫酸とリン酸とから成る群から選択され、前記反応域に加えら れる前記鉱酸に対する前記オレフィン/メルカプタン付加反応触媒のモル比が1 から50である請求項12に記載の方法。 14.前記反応域が3−(メチルチオ)プロパナールと前記触媒とを含む液状反 応媒体を含み、前記液状反応媒体が前記触媒/鉱酸の結合物を0.2重量%から 0.75重量%含む請求項13に記載の方法。 15.トリイソプロパノールアミン、トリプロピルアミン、ニコチンアミド、イ ミダゾール、ベンゾイミダゾール、2−フルオルピリジン、4−ジメチルアミノ ピリジン、ピコリン、ピラジン、各アルキル置換基が窒素原子に結合しておりそ の各アルキル置換基中の炭素数が5から18であるトリアルキルアミン、及び式 (式中、Aはアリールを表し、R1及びR2はそれぞれアルキルを表し、x、a、 b及びcはそれぞれ1≦x≦3、1≦a≦3、0≦b≦2及び0≦c≦2であってa+b+c=3 を満たす整数を表す)で示される三級アミンから成る群から選択される少なくと も一つの有機塩基を含むオレフィン/メルカプタン付加反応触媒の存在下でメチ ルメルカプタンをアクロレインと反応域で反応させ、それによって3−(メチ ルチオ)プロパナールと前記触媒とを含む反応生成物混合物の中間体を生成する 段階と、前記反応生成物混合物の中間体中の3−(メチルチオ)プロパナールか ら前記触媒を予め分離せずに、3−(メチルチオ)プロパナールをシアン化水素 と反応させて2−ヒドロキシ−4−(メチルチオ)ブタンニトリルを生成する段 階とから成る2−ヒドロキシ−4−(メチルチオ)ブタンニトリルの製造方法。 16.aが2である請求項15に記載の方法。 17.前記オレフィン/メルカプタン付加反応触媒がトリイソプロパノールアミ ン、ピコリン、N−メチルジフェネチルアミン、N−エチル−3、3´−ジフェ ニルジプロピルアミン及び各アルキル置換基が窒素原子に結合しておりその各ア ルキル置換基中の炭素数が5から12であるトリアルキルアミンから成る群から 選択される少なくとも一つの有機塩基を含む請求項16に記載の方法。 18.前記オレフィン/メルカプタン付加反応触媒がN−メチルジフェネチルア ミンを含む請求項17に記載の方法。 19.前記反応域において前記オレフィン/メルカプタン付加反応触媒が有機酸 と結合している請求項18に記載の方法。 20.前記オレフィン/メルカプタン付加反応触媒がN−エチル-3、3´−ジ フェニルジプロピルアミンを含む請求項17に記載の方法。 21.前記反応域において前記オレフィン/メルカプタン付加反応触媒が有機酸 と結合している請求項20に記載の方法。 22.前記反応域において前記オレフィン/メルカプタン付加反応触媒が酢酸と 結合している請求項17に記載の方法。 23.3−(メチルチオ)プロパナールとシアン化水素との反応を促進するため に前記反応生成物混合物の中間体に追加量の有機塩基を加える請求項17に記載 の方法。 24.前記反応生成物混合物の中間体に加えられる有機塩基がトリイソプロパノ ールアミン、ピコリン、N−メチルジフェネチルアミン、N−エチル−3、3´ −ジフェニルジプロピルアミン及び各アルキル置換基が窒素原子に結合しており その各アルキル置換基中の炭素数が5から12であるトリアルキルアミンから成 る群から選択される少なくとも一つの有機塩基を含む請求項23に記載の方法。 25.前記反応生成物混合物の中間体に加えられる有機塩基が前記メチルメルカ プタンを前記アクロレインと反応させる場合に用いた前記オレフィン/メルカプ タン付加反応触媒を含む有機塩基と同じである請求項23に記載の方法。 26.前記反応生成物混合物の中間体に加えられる有機塩基がピリジンである請 求項23に記載の方法。 27.前記追加量の有機塩基を加える前に前記反応生成物混合物の中間体が0. 01重量%と1重量%との間の前記有機塩基を含み、前記追加量の有機塩基を前 記反応生成物混合物の中間体に加えた後に前記反応生成物混合物の中間体が0. 05重量%と1重量%との間の前記有機塩基を含む請求項23に記載の方法。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,S Z,UG),UA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD ,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CZ, DE,DK,EE,ES,FI,GB,GE,HU,I S,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LK,LR ,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,MN, MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,S D,SE,SG,SI,SK,TJ,TM,TR,TT ,UA,UG,UZ,VN (72)発明者 ペレグリン,ポール エフ. アメリカ合衆国 63141 ミズーリ,セン トルイス,マリービル センター ドライ ブ 530 (72)発明者 クランツ,アレン エイチ. アメリカ合衆国 63141 ミズーリ,セン トルイス,マリービル センター ドライ ブ 530

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.オレフィン/メルカプタン付加反応触媒の存在下でメチルメルカプタンをア クロレインと反応域で反応させる段階を含む3−(メチルチオ)プロパナールの 製造方法であって、前記触媒がトリイソプロパノールアミン、トリプロピルアミ ン、ニコチンアミド、イミダゾール、ベンゾイミダゾール、2−フルオルピリジ ン、4−ジメチルアミノピリジン、ピコリン、ピラジン、各アルキル置換基が窒 素原子に結合しておりその各アルキル置換基中の炭素数が5から18であるトリ アルキルアミン、及び式 (式中、Aはアリールを表し、R1及びR2はそれぞれアルキルを表し、x、a、 b及びcはそれぞれ0≦x≦3、1≦a≦3、0≦b≦2及び0≦c≦2であってa+b+c=3 を満たす整数を表す)で示される三級アミンから成る群から選択される少なくと も一つの有機塩基を含む3−(メチルチオ)プロパナールの製造方法。 2.前記オレフィン/メルカプタン付加反応触媒がトリイソプロパノールアミン 、イミダゾール、ベンゾイミダゾール、ピコリン、N−メチルジフェネチルアミ ン、N−エチル−3、3´−ジフェニルジプロピルアミン及び各アルキル置換基 が窒素原子に結合しておりその各アルキル置換基中の炭素数が5から12である トリアルキルアミンから成る群から選択される少なくとも一つの有機塩基を含む 請求項1に記載の方法。 3.前記反応域に加えられるメチルメルカプタンに対する前記有機塩基のモル比 が0.001から0.02である請求項1に記載の方法。 4.前記反応域において前記オレフィン/メルカプタン付加反応触媒が有機酸と 結合している請求項3に記載の方法。 5.前記有機酸が酢酸であって、前記反応域に加えられる酢酸に対する前記有機 塩基のモル比が0.5から2.0である請求項4に記載の方法。 6.前記反応域が3−(メチルチオ)プロパナールと前記触媒とを含む液状反応 媒体を含み、前記液状反応媒体が前記触媒/有機酸の結合物を0.2重量%から 0.75重量%含む請求項5に記載の方法。 7.前記反応域において前記オレフィン/メルカプタン付加反応触媒が鉱酸と結 合している請求項3に記載の方法。 8.前記鉱酸が硫酸とリン酸とから成る群から選択され、前記反応域に加えられ る前記鉱酸に対する前記オレフィン/メルカプタン付加反応触媒のモル比が1か ら50である請求項7に記載の方法。 9.前記反応域が3−(メチルチオ)プロパナールと前記触媒とを含む液状反応 媒体を含み、前記液状反応媒体が前記触媒/鉱酸の結合物を0.2重量%から0 .75重量%含む請求項5に記載の方法。 10.トリイソプロパノールアミン、ニコチンアミド、イミダゾール、ベンゾイ ミダゾール、2−フルオルピリジン、ポリ−4−ビニルピリジン、4−ジメチル アミノピリジン、ピコリン、ピラジン、各アルキル置換基が窒素原子に結合して おりその各アルキル置換基中の炭素数が3から18であるトリアルキルアミン、 及び式 (式中、Aはアリールを表し、R1及びR2はそれぞれアルキルを表し、x、a、b 及びcはそれぞれ0≦x≦3、1≦a≦3、0≦b≦2及び0≦c≦2であってa+b+c=3を 満たす整数を表す)で示される三級アミンから成る群から選択される少なくとも 一つの有機塩基から成る付加反応触媒の存在下で3−(メチルチオ)プロパナー ルをシアン化水素と反応させる段階を含む2−ヒドロキシ−4−(メチルチオ) ブタンニトリルの製造方法。 11.前記付加反応触媒がトリイソプロパノールアミン、イミダゾール、ベンゾ イミダゾール、ピコリン、ポリ−4−ビニルピリジン、N−メチルジフェネチル アミン、N−エチル−3、3´−ジフェニルジプロピルアミン及び各アルキル置 換基が窒素原子に結合しておりその各アルキル置換基中の炭素数が5から12で あるトリアルキルアミンから成る群から選択される少なくとも一つの有機塩基か ら成る請求項10に記載の方法。 12.シアン化水素を前記有機塩基を含むオレフィン/メルカプタン付加反応触 媒の存在下でメチルメルカプタンをアクロレインと反応域で反応させて得た3− (メチルチオ)プロパナールと反応させ、前記有機塩基が更に3−(メチルチオ )プロパナールとシアン化水素との反応を触媒作用するに有効な割合で3−(メ チルチオ)プロパナールの反応生成物に残存する請求項10に記載の方法。 13.トリイソプロパノールアミン、ニコチンアミド、イミダゾール、ベンゾイ ミダゾール、2−フルオルピリジン、ポリ−4−ビニルピリジン、4−ジメチル アミノピリジン、ピコリン、ピラジン、各アルキル置換基が窒素原子に結合して おりその各アルキル置換基中の炭素数が3から18であるトリアルキルアミン、 及び式 (式中、Aはアリールを表し、R1及びR2はそれぞれアルキルを表し、x、a、b 及びcはそれぞれ0≦x≦3、1≦a≦3、0≦b≦2及び0≦c≦2であってa+b+c=3を 満たす整数を表す)で示される三級アミンから成る群から選択される少なくとも 一つの有機塩基を含むオレフィン/メルカプタン付加反応触媒の存在下でメチル メルカプタンをアクロレインと反応域で反応させ、それによって3−(メチルチ オ)プロパナールと前記触媒とを含む反応生成物混合物の中間体を生成する段階 と、前記反応生成物混合物の中間体中の3−(メチルチオ)プロパナールから前 記触媒を予め分離せずに、3−(メチルチオ)プロパナールをシアン化水素と反 応させて2−ヒドロキシ−4−(メチルチオ)ブタンニトリルを生成する段階と から成る2−ヒドロキシ−4−(メチルチオ)ブタンニトリルの製造方法。 14.前記反応域において前記オレフィン/メルカプタン付加反応触媒が酢酸と 結合している請求項13に記載の方法。 15.前記オレフィン/メルカプタン付加反応触媒がトリイソプロパノールアミ ン、イミダゾール、ベンゾイミダゾール、ピコリン、N−メチルジフェネチルア ミン、N−エチル−3、3´−ジフェニルジプロピルアミン及び各アルキル置換 基が窒素原子に結合しておりその各アルキル置換基中の炭素数が5から12であ るトリアルキルアミンから成る群から選択される少なくとも一つの有機塩基から 成る請求項13に記載の方法。 16.3−(メチルチオ)プロパナールとシアン化水素との反応を促進するため に前記反応生成物混合物の中間体に追加量の有機塩基を加える請求項13に記載 の方法。 17.前記反応生成物混合物の中間体に加えられる有機塩基がトリイソプロパノ ールアミン、ニコチンアミド、イミダゾール、ベンゾイミダゾール、2−フルオ ルピリジン、ポリ−4−ビニルピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、ピコリ ン、ピラジン、各アルキル置換基が窒素原子に結合しておりその各アルキル置換 基中の炭素数が3から18であるトリアルキルアミン、及び式 (式中、Aはアリールを表し、R1及びR2はそれぞれアルキルを表し、x、a、 b及びcはそれぞれ0≦x≦3、1≦a≦3、0≦b≦2及び0≦c≦2であってa+b+c=3 を満たす整数を表す)で示される三級アミンから成る群から選択される少なくと も一つの有機塩基を含む請求項16に記載の方法。 18.前記反応生成物混合物の中間体に加えられる有機塩基が前記メチルメルカ プタンを前記アクロレインと反応させる場合に用いた前記オレフィン/メルカプ タン付加反応触媒を含む有機塩基と同じである請求項16に記載の方法。 19.前記反応生成物混合物の中間体に加えられる有機塩基がピリジンである請 求項16に記載の方法。 20.前記追加量の有機塩基を加える前に反応生成物混合物の中間体が0.01 重量%と1重量%との間の前記有機塩基を含み、前記追加量の有機塩基を前記反 応生成物混合物の中間体に加えた後に前記反応生成物混合物の中間体が0.05 重量%と1重量%との間の前記有機塩基を含む請求項16に記載の方法。
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