JPH11507792A - ハイブリッド型ビハインド・ジィ・イア及びコンプリートリィ・イン・チャネル補聴器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 ハイブリッドＢＴＥ及びＣＩＣ補聴器は、患者の耳介の背側に装着されるＢＴＥコンポーネントと、患者の耳介溝の骨部分内に装着されるＣＩＣコンポーネントとを有している。ＢＴＥ及びＣＩＣコンポーネントは、ワイヤケーブルを用いて一緒に接続されている。電気音響的フィードバックは、低減又は除去されて、利得が増大するようになる。患者は、閉塞効果によって妨害されない。

Description

【発明の詳細な説明】 ハイブリッド型ビハインド・ジィ・イア及びコンプリートリィ・イン・チャネル 補聴器 発明の背景 本発明は、補聴器、殊に、高利得補聴器に関する。その一層直接的な意味では 、本発明は、閉塞効果（ｏｃｃｌｕｓｉｏｎ ｅｆｆｅｃｔ）を減衰する高利得 補聴器に関する。 深刻な聴覚障害のある患者は、高利得補聴器を必要とする。その種の補聴器は 、高電力増幅回路を使用する。通常、その種の回路は、比較的大きな電気構成素 子を使用している。このため、高利得補聴器は、通常、ビハインド・ジィ・イア （“ＢＴＥ”）（耳背）タイプである。 しかし、その種の補聴器には、かなり制限条件があるという深刻な問題点があ る。つまり、補聴器の利得が増大すると、電気音響的なフィードバックも増大し てしまう。と言うのは、補聴器のマイクロホンとレシーバとが、同じハウジング に取り付けられていて、相互に機械的に結合されているからである。その結果、 補聴器の利得は、電気音響的フィードバックによって制約されてしまう。 従来、補聴器に使われているマイクロホンとレシー バとを物理的に分離することによって、電気音響的フィードバックを低減する努 力がなされてきている。例えば、Ｔｈｅ Ｖｏｌｔａ Ｒｅｖｉｅｗ １−８０ ｐｐ．４０−４４には、レシーバが補聴器の主要ボディから分離されて、逆に、 患者の耳の中に配設されるように耳の形にモールドされている補聴器が記載され ている。 その種の補聴器は、電気音響的フィードバックを低減するが、商業的には許容 し得ない。と言うのは、その種の装置によって、患者が、例えば、耳の最も外側 部分内にイアモールドを装入することによって生じる塞がれた感覚である閉塞効 果を体験することになるからである。 従って、閉塞効果を低減又は除去するように構成されているにも拘わらず、電 気音響的フィードバック特性を低減する高利得補聴器が提供される有利である。 本発明によると、ハイブリッドＢＴＥ及びコンプリートリィ・イン・チャネル （“ＣＩＣ”）補聴器が提供される。本発明による補聴器は、２つのコンポーネ ント、つまり、ＢＴＥコンポーネントとＣＩＣコンポーネントを有している。こ れらのコンポーネントは、機械的に相互に絶縁されている。耳の背に取り付けら れるＢＴＥコンポーネントは、マイクロホン、バッテリ及び増幅回路を有してい る。耳介溝の骨部分に接触するようにして、患者の耳介溝内に適合する形状にさ れているＣＩＣコンポーネントは、増幅手段に接続されている補聴器レシーバを 有している。 ＢＴＥ及びＣＩＣコンポーネントは、機械的に相互に絶縁されており、電気音 響的フィードバックは、かなり低減される。これにより、補聴器の利得をかなり 増大することができ、それにより、深刻な聴覚障害のある患者に一層適している ようになる。付加的に、ＣＩＣコンポーネントは、骨部分に接触するように患者 の耳介溝内に深く配置されるので、患者が閉塞効果を感じることはなくなる。従 って、本発明の補聴器を使用する、深刻な聴覚障害のある患者は、閉塞効果に悩 まされずに、高利得の恩恵を受けることができるようになる。 図面の簡単な説明 本発明は、以下例示した、これに限定されない各図面を参照して一層良く理解 される。その際： 図１は、本発明の有利な実施例を示し、 図２Ａ，２Ｂ，２Ｃ及び２Ｄは、有利な実施例のコンポーネントを、どのよう にしてＢＴＥ補聴器から製造するのかを示す図である。 有利な実施例の詳細な説明 ＢＴＥコンポーネント１０は、マイクロホン１２、増幅回路１４、バッテリコ ンパートメント１６を有している。この例では、ＢＴＥコンポーネントは、レシ ーバが取り外されたＢＴＥタイプ補聴器である。 ＣＩＣコンポーネント１８は、シェルを有しており、このシェルは、患者の聴 覚溝（図示していない）内に完全に適合するようにモールドされている；つまり 、ＣＩＣコンポーネント１８は、患者の聴覚溝内の骨部分に接触する。レシーバ ２０は、ＣＩＣコンポーネント１８内に配設されており、細いフレキシブルワイ ヤケーブル２２によってＢＴＥコンポーネント１０に接続されている。ユーザが 、患者の聴覚溝内に装入したり、患者の聴覚溝から取り外したりする際に、ＣＩ Ｃコンポーネント１８を容易に把持することができるために、レトリーバルライ ン２４がＣＩＣコンポーネントに取り付けられている。 使用中、ＢＴＥコンポーネント１０は、患者の耳（図示していない）の背側に 配置されており、患者が、レトリーバルライン２４を掴んでＣＩＣコンポーネン ト１８を耳介溝の骨部分のところに装着する。使用中、ＢＩＴコンポーネント１ ０とＣＩＣコンポーネント１８との間は、患者の頭部を介して機械的に連結され ているに過ぎないので、電気音響的なフィードバックは極めて小さい。付加的に 、ＣＩＣコンポーネント１８は、患者の耳介溝内に深く適合するので、患者は、 閉塞効果によって妨害されない。 この例では、ＢＴＥコンポーネント１０は、ＢＴＥタイプ補聴器（例えば、Ｒ ｅｘｔｏｎ Ｉｎｃ．名称ＭＰ＋又はＰＰ−１４２で販売されている）を改良す ることによって製造されるが、この製造方法も、これら特定の補聴器モデルも、 本発明の部分ではない。図２Ａ〜２Ｄを用いて、ＢＴＥコンポーネント１０を制 作するために、イアフック１００が補聴器のケース１１０から取り外され、この ケースが分解されてレシーバと小部品１２０とが見えるようにされている。その 際、レシーバ用のワイヤは、残りの回路部から取り外されており、ワイヤが取り 付けられたレシーバは取り外されている。電気的ワイヤ１３０（例えば、ウレタ ン絶縁部付４／４４リッツ線ワイヤ）は、テフロンチューブ１４０の長さで外装 されてケーブル２２を形成しており、一端で結ばれている（装置が組み立てられ た後、小部品１２０を通って引っぱり出されるのを阻止するため）。その際、ケ ーブル２２は、イアフック１００を貫通されており、ワイヤ１３０は、一端が、 ＢＴＥコンポーネント１０内の回路基板１５０にはんだ付けされており、更に、 他端は、レシーバ２０にはんだ付けされている。イアフック１００及び小部品１ ２０は、ケース１１０に再度取り付けられて、ＢＴＥコンポーネント１０を完成 するようにされている。レシーバ２０は、適切にモールドされたＣＩＣコンポー ネント１８内に埋め込まれている。 増幅器１４は、所望の場合、マルチチャンネルタイプにしてもよく、プログラ ムできるようにしてもよく、信号処理部（例えば、圧縮器、フィルタ、等）を有 するようにしてもよい。増幅器１４の電気特性は、本発明の部分ではない。つま り、また、バッテリコンパートメント１６は、ＢＴＥコンポーネント１０からぐ るっと回して外に出すことができるようなタイプのものであるが、バッテリコン パートメントの構成及び位置は、本発明の部分ではない。 有利な実施例では、ＢＴＥコンポーネント１０とＣＩＣコンポーネント１８と は、それぞれワイヤケーブルによって接続されているが、このことは必要不可欠 なことではない。つまり、これら２つのコンポーネントをハードワイヤ接続しな いで（例えば、磁気的に）接続してもよい。 有利な実施例が上述されているにも拘わらず、発明の範囲は、以下の請求の範 囲にのみ限定される。

【手続補正書】特許法第１８４条の８第１項 【提出日】１９９７年６月２０日 【補正内容】 明細書 ハイブリッド型ビハインド・ジィ・イア及びコンプリートリィ・イン・チャネル 補聴器 発明の背景 本発明は、補聴器、殊に、高利得補聴器に関する。その一層直接的な意味では 、本発明は、閉塞効果（ｏｃｃｌｕｓｉｏｎ ｅｆｆｅｃｔ）を減衰する高利得 補聴器に関する。 深刻な聴覚障害のある患者は、高利得補聴器を必要とする。その種の補聴器は 、高電力増幅回路を使用する。通常、その種の回路は、比較的大きな電気構成素 子を使用している。このため、高利得補聴器は、通常、ビハインド・ジィ・イア （“ＢＴＥ”）（耳背）タイプである。 しかし、その種の補聴器には、かなり制限条件があるという深刻な問題点があ る。つまり、補聴器の利得が増大すると、電気音響的なフィードバックも増大し てしまう。と言うのは、補聴器のマイクロホンとレシーバとが、同じハウジング に取り付けられていて、相互に機械的に結合されているからである。その結果、 補聴器の利得は、電気音響的フィードバックによって制約されてしまう。 従来、補聴器に使われているマイクロホンとレシー バとを物理的に分離することによって、電気音響的フィードバックを低減する努 力がなされてきている。例えば、Ｔｈｅ Ｖｏｌｔａ Ｒｅｖｉｅｗ １−８０ ｐｐ．４０−４４には、レシーバが補聴器の主要ボディから分離されて、逆に、 患者の耳の中に配設されるように耳の形にモールドされている補聴器が記載され ている。同様に、ヨーロッパ特許出願第０１５８３９１号には、ビハインド・ジ ィ・イア・コンポーネントがイン・ジィ・イア・コンポーネントにワイヤ接続さ れている補聴器が開示されている。 その種の補聴器は、電気音響的フィードバックを低減するが、商業的には許容 し得ない。と言うのは、その種の装置によって、患者が、例えば、耳の最も外側 部分内にイアモールドを装入することによって生じる塞がれた感覚である閉塞効 果を体験することになるからである。 従って、閉塞効果を低減又は除去するように構成されているにも拘わらず、電 気音響的フィードバック特性を低減する高利得補聴器が提供される有利である。 本発明によると、ハイブリッドＢＴＥ及びコンプリートリィ・イン・チャネル （“ＣＩＣ”）補聴器が提供される。本発明による補聴器は、２つのコンポーネ ント、つまり、ＢＴＥコンポーネントとＣＩＣコンポーネントを有している。こ れらのコンポーネントは、機械的に相互に絶縁されている。耳の背に取り付けら れるＢＴＥコンポーネントは、マイクロホン、バッテリ及び増幅回路を有してい る。耳介溝の骨部分に接触するようにして、患者の耳介溝内に適合する形状にさ れているＣＩＣコンポーネントは、増幅手段に接続されている補聴器レシーバを 有している。 ＢＴＥ及びＣＩＣコンポーネントは、機械的に相互に絶縁されており、電気音 響的フィードバックは、かなり低減される。これにより、補聴器の利得をかなり 増大することができ、それにより、深刻な聴覚障害のある患者に一層適している ようになる。付加的に、ＣＩＣコンポーネントは、骨部分に接触するように患者 の耳介溝内に深く配置されるので、患者が閉塞効果を感じることはなくなる。従 って、本発明の補聴器を使用する、深刻な聴覚障害のある患者は、閉塞効果に悩 まされずに、高利得の恩恵を受けることができるようになる。 図面の簡単な説明 本発明は、以下例示した、これに限定されない各図面を参照して一層良く理解 される。その際： 図１は、本発明の有利な実施例を示し、 図２Ａ，２Ｂ，２Ｃ及び２Ｄは、有利な実施例のコンポーネントを、どのよう にしてＢＴＥ補聴器から製造するのかを示す図である。 有利な実施例の詳細な説明 ＢＴＥコンポーネント１０は、マイクロホン１２、 増幅回路１４、バッテリコンパートメント１６を有している。この例では、ＢＴ Ｅコンポーネントは、レシーバが取り外されたＢＴＥタイプ補聴器である。 ＣＩＣコンポーネント１８は、シェルを有しており、このシェルは、患者の聴 覚溝（図示していない）内に完全に適合するようにモールドされている；つまり 、ＣＩＣコンポーネント１８は、患者の聴覚溝内の骨部分に接触する。レシーバ ２０は、ＣＩＣコンポーネント１８内に配設されており、細いフレキシブルワイ ヤケーブル２２によってＢＴＥコンポーネント１０に接続されている。ユーザが 、患者の聴覚溝内に装入したり、患者の聴覚溝から取り外したりする際に、ＣＩ Ｃコンポーネント１８を容易に把持することができるために、レトリーバルライ ン２４がＣＩＣコンポーネントに取り付けられている。 使用中、ＢＴＥコンポーネント１０は、患者の耳（図示していない）の背側に 配置されており、患者が、レトリーバルライン２４を掴んでＣＩＣコンポーネン ト１８を耳介溝の骨部分のところに装着する。使用中、ＢＩＴコンポーネント１ ０とＣＩＣコンポーネント１８との間は、患者の頭部を介して機械的に連結され ているに過ぎないので、電気音響的なフィードバックは極めて小さい。付加的に 、ＣＩＣコンポーネント１８は、患者の耳介溝内に深く適合するので、患者は、 閉塞効果によって妨害されない。 この例では、ＢＴＥコンポーネント１０は、ＢＴＥタイプ補聴器（例えば、Ｒ ｅｘｔｏｎ Ｉｎｃ．名称ＭＰ＋又はＰＰ−１４２で販売されている）を改良す ることによって製造されるが、この製造方法も、これら特定の補聴器モデルも、 本発明の部分ではない。図２Ａ〜２Ｄを用いて、ＢＴＥコンポーネント１０を制 作するために、イアフック１００が補聴器のケース１１０から取り外され、この ケースが分解されてレシーバと小部品１２０とが見えるようにされている。その 際、レシーバ用のワイヤは、残りの回路部から取り外されており、ワイヤが取り 付けられたレシーバは取り外されている。電気的ワイヤ１３０（例えば、ウレタ ン絶縁部付４／４４リッツ線ワイヤ）は、テフロンチューブ１４０の長さで外装 されてケーブル２２を形成しており、一端で結ばれている（装置が組み立てられ た後、小部品１２０を通って引っぱり出されるのを阻止するため）。その際、ケ ーブル２２は、イアフック１００を貫通されており、ワイヤ１３０は、一端が、 ＢＴＥコンポーネント１０内の回路基板１５０にはんだ付けされており、更に、 他端は、レシーバ２０にはんだ付けされている。イアフック１００及び小部品１ ２０は、ケース１１０に再度取り付けられて、ＢＴＥコンポーネント１０を完成 するようにされている。レシーバ２０は、適切にモールドされたＣＩＣコンポー ネント１８内に埋め込まれている。 増幅器１４は、所望の場合、マルチチャンネルタイプにしてもよく、プログラ ムできるようにしてもよく、信号処理部（例えば、圧縮器、フィルタ、等）を有 するようにしてもよい。増幅器１４の電気特性は、本発明の部分ではない。つま り、また、バッテリコンパートメント１６は、ＢＴＥコンポーネント１０からぐ るっと回して外に出すことができるようなタイプのものであるが、バッテリコン パートメントの構成及び位置は、本発明の部分ではない。 有利な実施例では、ＢＴＥコンポーネント１０とＣＩＣコンポーネント１８と は、それぞれワイヤケーブルによって接続されているが、このことは必要不可欠 なことではない。つまり、これら２つのコンポーネントをハードワイヤ接続しな いで（例えば、磁気的に）接続してもよい。 有利な実施例が上述されているにも拘わらず、発明の範囲は、以下の請求の範 囲にのみ限定される。 請求の範囲 １． ビハインド・ジィ・イアコンポーネント（１０）を有するタイプの補聴器 であって、前記ビハインド・ジィ・イアコンポーネントは、患者の耳の背側に適 合する形状であって、且つ、マイクロホン（１２）、バッテリ受容手段（１６） 及び増幅手段（１４）を有しており、前記増幅手段（１４）は、操作により、前 記マイクロホン（１２）と前記バッテリ受容手段（１６）内に受容された前記バ ッテリとに接続されていて、前記マイクロホン（１２）での音声に応答して増幅 された電気信号を発生するようにされた補聴器において、 補聴器は、また、コンプリートリィ・イン・チャネルコンポーネント（１８） を有しており、前記コンプリートリィ・イン・チャネルコンポーネント（１８） は、前記ビハインド・ジィ・イアコンポーネント（１０）から機械的に絶縁され ており、耳介溝の骨部に接触するように前記患者の前記耳介溝内に適合する形状 であり、前記コンプリートリィ・イン・チャネルコンポーネント（１０）は、補 聴レシーバ（２０）を有しており、操作により、前記増幅手段（１４）に接続さ れるように構成されていることを特徴とする補聴器。 ２． ビハインド・ジィ・イアコンポーネント（１０ ）とコンプリートリィ・イン・チャネルコンポーネント（１８）とは、ワイヤケ ーブル（２２）によって一緒に接続されている請求項１記載の補聴器。 ３． レトリーバルライン（２４）がコンプリートリィ・イン・チャネルコンポ ーネント（１８）に取り付けられている請求項１記載の補聴器。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １． 補聴器において、 ビハインド・ジィ・イアコンポーネントとコンプリートリィ・イン・チャネル コンポーネントとを有しており、 前記ビハインド・ジィ・イアコンポーネントは、患者の耳の背側に適合する形 状であって、且つ、マイクロホン、バッテリ受容手段及び増幅手段を有しており 、前記増幅手段は、操作により、前記マイクロホンと前記バッテリ受容手段内に 受容された前記バッテリとに接続されていて、前記マイクロホンでの音声に応答 して増幅された電気信号を発生し、 前記コンプリートリィ・イン・チャネルコンポーネントは、前記ビハインド・ ジィ・イアコンポーネントから機械的に絶縁されており、耳介溝の骨部に接触す るように前記患者の前記耳介溝内に適合する形状であり、前記コンプリートリィ ・イン・チャネルコンポーネントは、補聴レシーバを有しており、操作により、 前記増幅手段に接続されるように構成されていることを特徴とする補聴器。 ２． ビハインド・ジィ・イアコンポーネントとコンプリートリィ・イン・チャ ネルコンポーネントとは、ワイヤケーブルによって一緒に接続されている請求項 １記載の補聴器。 ３． レトリーバルラインがコンプリートリィ・イン・チャネルコンポーネント に取り付けられている請求項１記載の補聴器。