JPH1150091A - ベタイン型両性界面活性剤を含む洗浄剤 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の洗浄剤組成物では、増粘性と起泡性を
満足する物は得られず、所望の増粘性と起泡性を得よう
とすれば、界面活性剤濃度を上げなくてはならず、それ
によって生じるコストアップの問題や、河川等の環境汚
染という問題が生じてくる。本発明はこのような従来技
術の問題点に鑑み、増粘性と起泡性に優れたベタイン型
両性界面活性剤を含む洗浄剤組成物を提供することを目
的とする。 【構成】 アルキルアミドプロピルベタインを含む洗浄
剤組成物であって、該アルキル基が炭素数１３であるベ
タイン化合物が７０重量％以上を占め、かつ該洗浄剤組
成物の粘度が炭素数１１およびヤシ油脂肪酸残基のベタ
イン化合物に代替した洗浄剤組成物に比べ１．５倍以上
であることを特徴とする洗浄剤組成物。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は増粘性と起泡性に優
れたベタイン型両性界面活性剤を含む洗浄剤組成物に関
する。

【０００２】

【従来の技術】従来、両性界面活性剤はその挙動とタン
パク類似構造のために、皮膚科学的にマイルドな界面活
性剤である。また、このものはアニオン界面活性剤とコ
ンプレックスを形成し、これらの界面活性剤の刺激をマ
イルドにさせる事が出来る。従って、その主用途は香粧
品、化粧品、手洗い・皿洗い用洗剤等のマイルドな界面
活性剤として広く利用されている。また、この両性界面
活性剤はアニオン界面活性剤やアルカノールアミド型非
イオン界面活性剤と組み合わせることによって、起泡性
が良くなることが知られている。最近では、皮膚に対し
てマイルドな界面活性剤との組み合わせによる洗浄剤処
方、例えば、Ｎ−アシルグルタミン酸塩とベタイン型両
性界面活性剤とを併用する方法（特開昭５９−１８９１
９７）や、アルキロイル中性アミノ酸塩と、ベタイン型
両性界面活性剤と、アルカノールアミド型界面活性剤と
を併用する方法（特開昭６３−６０９６）や、α−スル
ホ脂肪酸エステル塩とベタイン型両性界面活性剤と、ア
ルカノールアミド型界面活性剤とを併用する方法（特開
昭５３−２６８０５）が開示されている。しかし、これ
らの洗浄剤組成物では、増粘性と起泡性を満足する物は
得られず、所望の増粘性と起泡性を得ようとすれば、界
面活性剤濃度を上げなくてはならず、それによって生じ
るコストアップの問題や、河川等の環境汚染という問題
が生じてくる。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような従
来技術の問題点に鑑み、増粘性と起泡性に優れたベタイ
ン型両性界面活性剤を含む洗浄剤組成物を提供すること
を目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明者らは上記目的を
達成するため鋭意検討した結果、特定のアルキルアミド
プロピルベタインを組み合わせることによって、前記の
特性をすべて満足する洗浄剤組成物が得られることを見
い出し、本発明を完成するに至った。即ち、本発明は、
アルキルアミドプロピルベタインを含む洗浄剤組成物で
あって、該アルキル基が炭素数１３であるベタイン化合
物が７０重量％以上を占め、かつ該洗浄剤組成物の粘度
が炭素数１１およびヤシ油脂肪酸残基のベタイン化合物
に代替した洗浄剤組成物に比べ１．５倍以上であること
を特徴とする洗浄剤組成物である。

【０００５】本発明では、アルキル基が炭素数１３であ
るアルキルアミドプロピルベタインが７０重量％以上占
めるベタイン化合物を洗浄剤組成物に対して１〜２０重
量％、好ましくは２〜１５重量％配合する。この範囲以
外では、充分な増粘性・起泡性が得られないからであ
る。また、その他の界面活性剤としては、アニオン界面
活性剤、非イオン界面活性剤、カチオン界面活性剤から
任意に選択でき、これらの中から一種または二種以上を
任意に用いることが出来る。

【０００６】本発明においては、上記成分のほかに、洗
浄剤として常用されている成分や添加剤を配合してもよ
い。例えば、高級アルコール、シリコーン誘導体、蛋白
誘導体、スクワラン、ホホバ油、オリーブ油、ラノリ
ン、レシチン等の油性成分、グリセリン、エチレングリ
コール等の保湿剤、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒ
ドロキシエチルセルロース等の水溶性高分子、殺菌剤、
キレート剤、紫外線吸収剤、ｐＨ調整剤、動植物由来の
天然エキス、色素、香料等を含むことが出来る。

【０００７】ところで、本発明は、アルキル基が炭素数
１１およびヤシ油脂肪酸残基のアルキルアミドプロピル
ベタイン、さらに詳しく言えば、ラウリン酸アミドプロ
ピルベタインおよびヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイ
ンに代替した洗浄剤組成物に比べてミリスチン酸アミド
プロピルベタインの方が粘度において１．５倍以上、
（好ましくは１．８倍以上）更に好ましくは起泡性にお
いて１．３倍以上優れていることを特徴としている。例
えば、特開昭６３−６０９６のように起泡力に優れた洗
浄剤組成物が開示されているが、ラウリン酸アミドプロ
ピルベタインやヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタインと
ミリスチン酸アミドプロピルベタイン同等の起泡力とう
たわれているなど、この特許に限らず起泡力に関しては
疑問な点が多々あった。また、増粘効果についてはこの
ような洗浄剤組成物で述べられているものはほとんど無
く、よしんば開示されているとしても具体的な差は示さ
れていなかった。ゆえに、これらの疑問な点を明確にす
ることによって、本発明のごとく増粘性と起泡性に優れ
た洗浄剤組成物を提示することが出来たのである。

【０００８】

【実施例】次に実施例によって本発明をさらに詳細に説
明する。本発明はこれにより限定されるものではない。

【０００９】実施例１〜８ 表１〜３に示す配合組成により、下記化学式で示される
ミリスチン酸アミドプロピルベタインを配合した８種の
洗浄剤組成物を調製した。

【化１】

【表１】

【表２】

【表３】

【００１０】比較例１〜１６ 表４〜６に示す配合組成により１６種の洗浄剤組成物を
調製した。

【表４】

【表５】

【表６】

【００１１】上記実施例１〜８及び比較例１〜１６の各
洗浄剤組成物について以下の要領により経時安定性、増
粘性と起泡性を評価した。結果を表７に示す。

【００１２】（１）経時安定性 試料（洗浄剤組成物）を、−５℃、４０℃で１週間保存
し、その外観を観察して次の３段階で評価した。 ○ ： 安定性良好 （透明液体で外観の変化なし） △ ： 安定性やや不良（やや濁り、着色を生じる） × ： 安定性不良 （沈澱が認められるかまたは固
化する）

【００１３】（２）起泡性 試料濃度０．１重量％の水溶液を調整してロスマイルス
法により、４０℃で試料投入直後（気泡力）と５分後
（安定度）の泡の高さを測定した（ＪＩＳ Ｋ３３６２
−１９７０参照）。

【００１４】（３）粘度と増粘性 試料作成後２５℃の恒温槽に２４時間静置した後、ブル
ックフィールド式回転粘度計でローターＮｏ．３の３０
回転で粘度を測定し、試料に含まれるアルキル（炭素数
１３）アミドプロピルベタインを炭素１１およびヤシ油
脂肪酸残基のベタイン化合物に代替した洗浄剤の粘度に
対する比（増粘性）で評価した。

【表７】

【００１５】結果１〜１６ 表８にラウリン酸アミドプロピルベタインとミリスチン
酸アミドプロピルベタインとを対比し、また、表９にヤ
シ油脂肪酸アミドプロピルベタインとミリスチン酸アミ
ドプロピルベタインとの対比を示す。以上の評価結果か
ら明らかなように、実施例１〜８の本発明の洗浄剤組成
物は、いずれも、経時安定性に優れ、かつ、増粘性で
１．５倍以上の値を示し、かつ、起泡性で１．３倍以上
の値を示していた。

【表８】

【表９】

【００１６】

【発明の効果】以上のように、本発明によれば、増粘性
・起泡性に優れたベタイン型両性界面活性剤を含む洗浄
剤組成物を提供することが出来る。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 アルキルアミドプロピルベタインを含む
   洗浄剤組成物であって、該アルキル基が炭素数１３であ
   るベタイン化合物が７０重量％以上を占め、かつ該洗浄
   剤組成物の粘度が炭素数１１およびヤシ油脂肪酸残基の
   ベタイン化合物に代替した洗浄剤組成物に比べ１．５倍
   以上であることを特徴とする洗浄剤組成物。
2. 【請求項２】 請求項１記載の洗浄剤組成物であって、
   該洗浄剤組成物の起泡性が炭素数１１およびヤシ油脂肪
   酸残基のベタイン化合物に代替した洗浄剤組成物に比べ
   １．３倍以上であることを特徴とする洗浄剤組成物。