JPH1149992A - 塗料用艶消し剤、および塗料用艶消し剤の製造方法 - Google Patents

塗料用艶消し剤、および塗料用艶消し剤の製造方法

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JPH1149992A
JPH1149992A JP9209229A JP20922997A JPH1149992A JP H1149992 A JPH1149992 A JP H1149992A JP 9209229 A JP9209229 A JP 9209229A JP 20922997 A JP20922997 A JP 20922997A JP H1149992 A JPH1149992 A JP H1149992A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水性塗料中へ添加した場合でも、良好に分散
し、平滑性に優れた塗膜となる艶消し塗料を調製可能な
塗料用艶消し剤と、この塗料用艶消し剤の製造方法を提
供すること。 【解決手段】 シリカを、圧力1〜15kg/cm2
温度100〜197℃の水蒸気雰囲気下で、5〜20時
間にわたってスチーミング処理した後に粉砕処理、また
は、粉砕処理と同時に上記条件でスチーミング処理、ま
たは、粉砕処理後に上記条件でスチーミング処理を行う
ことにより、平均粒子径を1〜20μmの塗料用艶消し
剤を製造する。また、シリカに対する重量比で、0.0
1〜5.0重量%の界面活性剤を添加してもよい。この
ようにして製造された塗料用艶消し剤は、水性塗料に対
する分散性に優れ、艶消し塗料調製後の経時安定性にも
優れ、塗膜表面もブツのない平滑な表面となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、塗料用艶消し剤
と、塗料用艶消し剤の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、艶消し塗料や半光沢塗料等に
は、塗料用艶消し剤として、湿式法や乾式法によって得
られるシリカ微粒子が添加されている。また、この種の
塗料用艶消し剤には、一般に、高い艶消し効果はもちろ
んのこと、塗装前の塗料中あるいは塗装後の塗膜中にお
ける分散性が高いこと、塗料の過剰な粘度上昇を招かな
いこと、塗膜の平滑性を損なわないことなどが要求され
る。そのため、ワックス系有機物、その他の有機物、ま
たは無機物によってシリカ粒子の表面性状を改質するこ
とにより、分散性等を改善した塗料用艶消し剤も提供さ
れていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
塗料用艶消し剤は、いずれも水性塗料に対する親和性が
低かったため、水性塗料に添加した場合には、塗料中へ
分散させにくい、塗膜中での分散性を十分に確保できな
い、表面にブツのある粗い塗膜になる、といった問題を
招きやすい傾向があった。
【0004】本発明は、上記問題を解決するためになさ
れたものであり、その目的は、水性塗料中へ添加した場
合でも、良好に分散し、平滑性に優れた塗膜となる艶消
し塗料を調製可能な塗料用艶消し剤と、この塗料用艶消
し剤の製造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段、および発明の効果】上述
の目的を達成するために、本発明の塗料用艶消し剤は、
請求項1記載の通り、圧力1〜15kg/cm2 、温度
100〜197℃の水蒸気雰囲気下で、5〜20時間に
わたってスチーミング処理されたシリカからなることを
特徴とする。
【0006】本発明において、上記のような処理条件で
のスチーミング処理により、塗料用艶消し剤としての良
好な物性が得られるという事実は、発明者らが多くの実
験を繰り返す中で見いだしたものであり、どのような物
性の改善が有意に寄与しているかについて、現時点では
明確に特定するには至っていない。
【0007】但し、考え得る理由としては、スチーミン
グ処理を施すと、シリカの一次粒子の均一溶解析出によ
り、比表面積の低下を伴って平均細孔径が揃って増大
し、細孔容積の増大が促されるため、水性塗料中の塗料
組成物、特に水性エマルション塗料の分散質のように比
較的大きな粒径の成分が、細孔内へ侵入しやすい状態と
なり、シリカ粒子表面の塗料組成物に対する濡れ性が改
善され、その結果、分散性が改善される、あるいは、シ
リカ外部表面のシラノール基が増大して水との親和性が
増し、濡れ性が改善され、また同時に、水との親和性が
増すと表面活性が低下し、塗料への添加後における凝集
体の成長が抑制され、その結果、塗膜表面におけるブツ
の発生を抑制できる、といった事項を挙げることがで
き、これらが単独、あるいは複合的に作用している可能
性がある。
【0008】逆に、上記の処理条件が、上記数値範囲か
らはずれると、分散性の低下、あるいは塗膜表面の平滑
性の低下が見受けられるようになり、十分に満足な効果
を得ることができない。これは、所期の効果を得るのに
必要な物性が、十分に改質されないこと、もしくは過剰
な改質によって他の物性に悪影響を及ぼすこと等に原因
があると考えられ、いずれにしても、所期の効果を得る
ことができない。
【0009】また、上記スチーミング処理の処理条件の
範囲内でも、特に圧力については、5kg/cm2 を下
回ると、細孔を広げるために時間がかかって製造効率が
悪くなり、また、均一な物性を得がたくなる傾向が徐々
に強くなり、一方、10kg/cm2 を上回ると、過剰
にエネルギーを使うことになるため、シリカ粒子が壊れ
たり、細孔径が潰れやすくなるので、これらを考慮する
と、圧力条件については5〜10kg/cm2 にすると
好ましい。また、必要な水蒸気雰囲気下において、温度
条件は圧力条件に応じて決まるパラメータであり、上記
好ましい圧力条件(5〜10kg/cm2 )で処理する
場合には、温度条件を151〜179℃にするとよい。
【0010】さらに、本発明において、シリカの粒径
は、最終的には塗料用艶消し剤として好適に用いること
のできるサイズに調製されるが、スチーミング処理を施
す時点でのシリカの粒径は、あらかじめ塗料用艶消し剤
として好適なサイズに調製されているものであっても、
それよりも大きなサイズに調製されていて、スチーミン
グ処理中またはスチーミング処理後に粒度調製すること
により、塗料用艶消し剤として好適なサイズに調製され
るものであってもよい。
【0011】塗料用艶消し剤として好適な粒径は、塗料
の組成や粘度によっても変わるので、一概に特定するこ
とはできないが、一般的な多くの水性塗料で好適に艶消
し剤として使用可能な粒径としては、例えば請求項2記
載のように、シリカの平均粒子径が、1.0〜20μm
に調製されていると望ましい。なお、本発明におけるシ
リカの平均粒子径は、コールターカウンター法によって
計測した値である。
【0012】ちなみに、粒子径が1.0μmを下回る粒
子が多くなると(特に、全体の20%を上回ると)、塗
膜の艶消しに寄与しない粒子が増大し、単位添加量当た
りの艶消し効果が低下するため、同程度の艶消し効果を
得るためには、多量に添加しなければならなくなる。ま
た、塗料中で凝集しやすくなるため、分散が困難にな
り、塗膜表面のブツおよび塗料粘度の上昇を招く。一
方、粒子径が20μmを上回る粒子が多くなると、塗膜
外観が粗くなり、また、塗料中で沈降しやすく、均一な
艶消し塗膜が得られない。
【0013】さらに、シリカの粒径を調製する手段につ
いては、特に限定されず、公知の各種粉砕機、例えば、
ボール・ミル、ロール・ミル、サンド・ミル、スチーム
・ミル、エヤー・ミルなどを適宜利用することができ
る。加えて、上記スチーミング処理が施されるシリカ
は、湿式法または乾式法のいずれで製造されたものであ
ってもよい。
【0014】なお、シリカの細孔径、細孔容積、吸油
量、pHなどの物性は特に限定されないが、細孔径につ
いては、大きいほど細孔内に水が入りやすく、水性塗料
中へ分散させやすくなるので、目安としては、180オ
ングストローム以上の細孔径を確保することが望まれ
る。また、細孔容積も大きい方がよく、目安としては、
1.2ml/g以上とするとよい。また、吸油量につい
ては、大きいものほど艶消し効果が高いが、塗料の粘度
も上昇しやすいので、塗料組成物全体の粘度と期待する
艶消し効果との兼ね合いで調節するとよい。また、pH
については、中性付近、具体的には6.0〜8.5程度
がよいが、これも塗料添加時にpHを調節できれば、上
記数値範囲からはずれていても構わない。
【0015】このように構成された塗料用艶消し剤によ
れば、水性塗料中へきわめて速やかに分散し、且つその
分散状態を長期にわたって安定して維持することができ
る。特に、塗料中へ均一に分散させるに際しては、高粘
度の塗料中へ直接粉体を投入するよりも、溶媒である水
やアルコールに対して粉体をあらかじめ添加混合して、
その液状組成物を他の液状組成物と混合することが望ま
しいが、上記塗料用艶消し剤は、水やアルコールへの初
期分散性がきわめて良好なため、塗料中への均一な混合
が容易である。また、水中に分散させた状態で長時間が
経過しても、きわめて安定した状態で分散しており、水
中における沈降堆積量もきわめて少ない。さらに、この
塗料用艶消し剤を添加した水性塗料を塗布して形成され
た塗膜は、平滑でブツのない表面性状の塗膜となり、十
分な艶消し効果も確保されている。
【0016】なお、艶消し効果は、艶消し剤の添加量に
よって任意に調製可能であり、完全な艶消し塗料はもち
ろんのこと、光沢を抑えた半光沢塗料を調製することも
できる。また、本発明の塗料用艶消し剤は、水を主要な
溶剤として含有している水性塗料はもちろんのこと、使
用時に水で希釈して使用できる塗料用組成物への添加に
も好適である。また、水系の塗料であれば、他の成分に
ついては特に限定されず、例えば、水溶性もしくは水分
散性のアクリル酸樹脂、ウレタン樹脂、シリコン樹脂、
フッ素樹脂、アルキド樹脂、乾性油などを主体として、
必要に応じて各種顔料を添加した塗料であれば、いずれ
も本発明の塗料用艶消し剤を添加して、所期の艶消し効
果を得ることができる。さらに、塗料中での透明性が良
好なため、クリヤー塗料にも使用できる。さらに、有色
塗料に入れた場合、色を調製しやすいといった長所もあ
る。ちなみに、本発明の塗料用艶消し剤は、特に水性塗
料へ添加するのにきわめて好適なものであるが、油性塗
料へ添加しても何ら問題はない。
【0017】ところで、上述の通り、本発明の塗料用艶
消し剤は、水性塗料に対する分散性が良好で、平滑性の
高い塗膜を形成し得る水性塗料を調製可能なものである
が、さらに、請求項3記載の塗料用艶消し剤のように、
前記シリカに対する重量比で、0.01〜5.0重量%
の界面活性剤が添加されていると、長期間にわたって塗
料の粘性が低い状態を維持できるようになる。
【0018】すなわち、この種の塗料用艶消し剤が添加
された塗料は、どうしても時間経過に伴って粘性が高く
なるが、上記のような重量比で界面活性剤が添加されて
いると、初期粘度が低くなるとともに、経時変化による
粘度上昇を抑制することができる。したがって、塗料調
製時の粘度を長期間にわたって維持でき、塗料調製時と
実際の塗装時とで塗膜の風合いに変化をきたすこともな
い。さらに、艶消し塗料の場合、シリカ等が時間経過と
ともに塗料中に沈殿し、再撹拌が困難ないわゆるハード
ケーキを形成してしまうこともあるが、界面活性剤を添
加した場合には、このハードケーキを防止する点でも優
れた効果を発揮する。
【0019】以上説明したような塗料用艶消し剤は、例
えば請求項4記載の製造方法によって製造することがで
きる。すなわち、請求項4記載の塗料用艶消し剤の製造
方法は、シリカを、圧力1〜15kg/cm2 (好まし
くは、5〜10kg/cm2 )、温度100〜197℃
(好ましくは、151〜179℃)の水蒸気雰囲気下
で、5〜20時間にわたってスチーミング処理し、該ス
チーミング処理がなされたシリカを粒度調製処理して、
平均粒子径を1〜20μmに調製することを特徴とす
る。
【0020】このような塗料用艶消し剤の製造方法によ
れば、水性塗料に対する分散性が良好で、平滑性の高い
塗膜を形成し得る水性塗料を調製可能な塗料用艶消し剤
を製造、提供することができる。特に、スチーミング処
理の後に粒度調製処理を行っているので、先に粒度調製
処理を行う場合に比べ、粒子が細かくなった後の製造工
程が少なくなり、製造上のハンドリング性がよくなる。
【0021】なお、粒度調製処理の後にスチーミング処
理を行っても、艶消し剤としての性能に悪影響がないこ
とはもちろんであり、場合によっては、スチーミング処
理の後に、粒度調製処理を行い、さらに物性調製のため
に再度スチーミング処理を行うこともできる。
【0022】また、上記のように、界面活性剤が添加さ
れた塗料用艶消し剤を製造するには、請求項5記載のよ
うに、前記シリカに対する重量比で、0.01〜5.0
重量%の界面活性剤を添加しながら、前記粒度調製処理
を行うとよい。このような塗料用艶消し剤の製造方法に
よれば、経時変化による粘度上昇が抑制された水性塗料
を調製可能な塗料用艶消し剤を製造、提供することがで
きる。特に、粒度調製処理と同時に界面活性剤の添加を
行っているので、別工程で界面活性剤を添加する場合に
比べ、工程数を削減して生産ラインをコンパクトにする
ことができ、また、シリカ表面への界面活性剤の付着が
均一になり、製品の収率低下を抑制できる。
【0023】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施形態について
具体的な例を挙げて説明する。 (1)塗料用艶消し剤の調製 [実施例1]25%に希釈したケイ酸ナトリウムと10
N硫酸を反応させ、ゲル化後緩やかに解砕して得られた
破砕状シリカヒドロゲルをオートクレーブ中に設置し、
圧力5.0kg/cm2 、温度151℃の水蒸気雰囲気
下で、12時間にわたってスチーミング処理を行った。
スチーミング処理後、スチーム・ミルによって同時に乾
燥・粒度調製処理を行い、コールターカウンター法で平
均粒子径1.80μmの粉体を得た。粒度分布を測定す
ると、7μm以上の粒子が存在せず、1μm以下の粒子
が全体の10〜20%であった。
【0024】[実施例2]25%に希釈したケイ酸ナト
リウムと10N硫酸を反応させ、ゲル化後緩やかに解砕
して得られた破砕状シリカヒドロゲルをオートクレーブ
中に設置し、圧力5.0kg/cm2 、温度151℃の
水蒸気雰囲気下で、12時間にわたってスチーミング処
理を行った。スチーミング処理後、オートクレーブから
取り出したシリカキセロゲル100重量部に対して、水
で5%に希釈した有機共重合物の高分子界面活性剤(商
品名:フローレンG−700,共栄社化学(株)製)3
0重量部の割合で添加しながら、スチーム・ミルによっ
て同時に混合・粒度調製処理を行い、コールターカウン
ター法で平均粒子径1.92μmの粉体を得た。
【0025】[比較例1]乾式法により得られた市販の
シリカ(商品名:TS−100,DEGUSSA製)
を、そのまま使用した。[比較例2]ワックス系の有機
物で表面処理された市販の表面処理シリカ(商品名:O
K−412,DEGUSSA製)を、そのまま使用し
た。
【0026】[比較例3]有機物で表面処理された市販
の表面処理シリカ(商品名:ED−30,GRACE
Davison製)を、そのまま使用した。[比較例
4]湿式法により得られた市販のシリカ(商品名:サイ
リシア350,富士シリシア化学製)を、そのまま使用
した。
【0027】なお、上記各試料の物性を、表1にまとめ
て示す。
【0028】
【表1】
【0029】(2)試験方法 上記実施例1,2、および比較例1〜4の試料を使って
以下の試験を行った。 [試験1:塗膜外観]水系アクリルエマルション樹脂塗
料(商品名:075ライン ユニロック艶有り,ロック
ペイント(株)製)100重量部に対して、上記実施例
1,2、および比較例1〜4の試料を、3重量部、およ
び6重量部添加し、T.K.オートホモミクサー(特殊
機化工業(株)製,直径40mmクローバー型可変羽根
使用)により、4000rpmで5分間にわたって撹拌
・分散する。
【0030】分散後、フィルムアプリケータ4MILに
より隠ぺい紙に塗布し、クリーンベンチ内で室温乾燥し
た後、塗膜の表面状態を目視にて観察した。表面にブツ
等がごく僅かで良好な状態であれば◎、ブツ等が数個程
度であれば○、表面が粗くブツ等が多く見られる場合を
△、それ以上ブツ等が見られた場合を×として、結果を
表2に示した。
【0031】
【表2】
【0032】上記試験1の結果、実施例1,2の試料を
添加した場合、比較例3の試料を添加した塗料よりも優
れた外観の塗膜が得られることがわかった。但し、比較
例1,2および比較例4については、顕著な差異は認め
られなかった。 [試験2:塗膜内分散度]上記試験1と同様の手順で各
試料を塗料中に分散後、その塗料をJIS−K−540
0のつぶ試験方法に準じて、グラインドゲージを使用し
て測定し、結果を表3に示した。
【0033】
【表3】
【0034】上記試験2の結果、実施例1,2の試料
は、比較例1,2の試料よりも分散性に優れていること
がわかった。また、比較例3,4の試料については、ほ
ぼ同等の分散性が確認されたが、添加量の増大に伴って
分散性が低下することも判明した。実施例1,2の試料
は、添加量の増大による分散性への影響が認められなか
った。
【0035】[試験3:塗膜光沢度]上記試験1と同様
の手順で各試料を塗料中に分散後、フィルムアプリケー
タ4MILによりガラス板に塗布し、クリーンボックス
内で5分間静置後、室温乾燥して得た塗膜に対して、塗
膜表面との間でなす角度が20度、60度、85度とな
る方向から光を照射し、その反射光を塗膜表面の放線方
向から目視にて観察した。反射光が弱い十分な艶消し塗
膜となっていれば○、反射光がやや強い半光沢の塗膜と
なっている場合を△、反射光がきわめて強い光沢のある
塗膜となっている場合を×として、結果を表4に示し
た。
【0036】
【表4】
【0037】上記試験3の結果、実施例1,2および比
較例1〜4の試料は、いずれも十分な艶消し効果を有す
ることが確認された。 [試験4:塗料粘度]水系アクリルエマルション樹脂塗
料(商品名:075ライン ユニロック艶有り,ロック
ペイント(株)製)100重量部に対して、上記実施例
1,2、および比較例1〜4の試料を、6重量部添加
し、T.K.オートホモミクサー(特殊機化工業(株)
製,直径40mmクローバー型可変羽根使用)により、
4000rpmで5分間にわたって撹拌・分散する。
【0038】分散後、B型粘度計(東京計器(株)製)
により、温度約20℃、ローターNo.4で60rpm
の条件で、経時的に測定した。測定時刻は、分散直後を
0時間として、168時間後、336時間後、504時
間後、672時間後、および1344時間後とし、結果
を表5に示した。
【0039】
【表5】
【0040】上記試験4の結果、実施例1,2の試料
は、比較例1,4の試料よりも経時変化による粘性の増
大を招かないことがわかった。特に、実施例2の試料
は、比較例2,3の試料よりも長期にわたって安定した
粘性を示しており、艶消し塗料の調製後の状態を、長期
間にわたって維持できるものと期待される。なお、比較
例1の試料の欄にある表記「>10000」は、測定上
限値以上であったことを示している。
【0041】[試験5:初期分散性]300mlのビー
カーにイオン交換水およびエタノールをそれぞれ200
ml取り、この中に上記実施例1,2、および比較例
1,4の試料5gを素早く投入し、試料が分散媒に完全
に浸るまでの時間を測定して、結果を表6に示した。
【0042】
【表6】
【0043】上記試験5の結果、実施例1,2の試料
は、比較例1,4の試料よりもきわめて速やかに水また
はエタノール中に分散可能であることがわかった。した
がって、水性塗料への混合に当たって、事前に水または
アルコール中に懸濁させ、それを塗料に対して混合する
といった作業を、きわめて容易に実施することができ
る。
【0044】[試験6:水中における経時安定性]50
0mlのビーカーにイオン交換水を200ml取り、こ
の中に上記実施例1,2、および比較例1〜4の試料1
2gを投入し、T.K.オートホモミクサー(特殊機化
工業(株)製,直径40mmクローバー型可変羽根使
用)により、4000rpmで5分間にわたって撹拌・
分散する。これを100mlの比色管に100ml採取
し、室温下(約20℃)で静置させ、上澄みと濁った部
分との境界の目盛りを経時的に読み取った。測定時刻
は、静置後72時間および168時間とした。結果を表
7に示す。
【0045】
【表7】
【0046】上記試験6の結果、実施例1,2の試料
は、比較例1〜4のいずれの試料と比較しても、水中で
の分散安定性に優れていることが確認された。したがっ
て、水性塗料中での沈降を招きにくいと考えられる。さ
らに、エタノール中でも試験6と同様の試験を試みた
が、実施例1,2については良好な結果が得られ、エタ
ノール中での沈降も招きにくいと考えられる。
【0047】以上、本発明の実施形態について説明した
が、本発明の実施形態については上記のもの以外にも種
々の具体的形態が考えられ、例えば、シリカの具体的な
製造方法、スチーミング処理の具体的な処理条件、粉砕
などの粒度調製方法等は、先に説明した範囲内において
適宜調製することができる。
フロントページの続き (72)発明者 鈴木 正和 愛知県春日井市高蔵寺町2丁目1846番地 富士シリシア化学株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧力1〜15kg/cm2 、温度100
    〜197℃の水蒸気雰囲気下で、5〜20時間にわたっ
    てスチーミング処理されたシリカからなることを特徴と
    する塗料用艶消し剤。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の塗料用艶消し剤におい
    て、 前記シリカの平均粒子径が、1〜20μmに調製されて
    いることを特徴とする塗料用艶消し剤。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2記載の塗料用艶
    消し剤において、 前記シリカに対する重量比で、0.01〜5.0重量%
    の界面活性剤が添加されていることを特徴とする塗料用
    艶消し剤。
  4. 【請求項4】 シリカを、圧力1〜15kg/cm2
    温度100〜197℃の水蒸気雰囲気下で、5〜20時
    間にわたってスチーミング処理し、 該スチーミング処理がなされたシリカを粒度調製処理し
    て、平均粒子径を0.1〜20μmに調製することを特
    徴とする塗料用艶消し剤の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の塗料用艶消し剤の製造方
    法において、 前記シリカに対する重量比で、0.01〜5.0重量%
    の界面活性剤を添加しながら、前記粒度調製処理を行う
    ことを特徴とする塗料用艶消し剤の製造方法。
JP20922997A 1997-08-04 1997-08-04 塗料用艶消し剤、および塗料用艶消し剤の製造方法 Expired - Fee Related JP3935563B2 (ja)

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