JPH1147979A - 異種金属材料の接合方法 - Google Patents

異種金属材料の接合方法

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JPH1147979A
JPH1147979A JP9199547A JP19954797A JPH1147979A JP H1147979 A JPH1147979 A JP H1147979A JP 9199547 A JP9199547 A JP 9199547A JP 19954797 A JP19954797 A JP 19954797A JP H1147979 A JPH1147979 A JP H1147979A
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brazing material
brazing
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dissimilar metal
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JP9199547A
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Nobunao Suzuki
伸尚 鈴木
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Meidensha Corp
Meidensha Electric Manufacturing Co Ltd
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Meidensha Corp
Meidensha Electric Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁性の異なる異種金属材料もしくは磁性が同
一である異種金属材料を、接合強度を高めて一体に接合
することができる接合方法を提供することを目的とす
る。 【解決手段】 磁性の異なる異種金属材料もしくは磁性
が同一である異種金属材料をAg系ろう材を用いて一体
に接合する際に、チタン(Ti),ニッケル(Ni),
パラジウム(Pd),インジウム(In)の何れか1種
もしくは複数種の元素を含有するAg系のろう材を用い
てろう付けを行う。具体的にはAg系のろう材として、
チタン,ニッケルの単独又は両方を各0.5〜20%含
有させ、パラジウムを5〜30%含有させ、もしくはイ
ンジウムを5〜10%含有させて異種金属材料の接合を
実施する。ろう付け時の接合雰囲気は非酸化雰囲気とす
ることが好適である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は回転機に用いられる
部材の中で、磁性の異なる異種金属材料もしくは磁性が
同一である異種金属材料を一体に接合する方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】近年の磁石を用いた回転機として、より
小型化,高速化された性能に対する要求が高くなり、こ
れに伴って磁路の関係から異種金属材料を強固に接合す
る方法の改善が希求されている。
【0003】例えば回転機で用いられる異種金属材料と
して、図10に示したように磁石1を磁性材もしくは非
磁性材でなるシャフト2と接合したり、磁石1を非磁性
材でなる端板3に接合するケース、又は非磁性材でなる
保持リング4と磁石1及び端板3とを接合するケース等
がある。つまり磁性の異なる金属材料の組み合わせだけ
でなく、磁性が同一である金属材料を一体に接合するケ
ースも考えられる。
【0004】これら異種金属の接合方法としては、一般
的には銀ろうなどの金属系ろう材を用いたろう付け方法
が用いられており、特に接合界面で大きな接合強度を得
るためには、焼きばめとかくさびを用いた機械的拘束手
段が併用されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】異種金属の接合方法と
しては、一般的には銀ろうなどの金属系ろう材を用いた
ろう付け方法が用いられているが、通常のAg系ろう材
を用いた高温ろう付け方法では接合界面で充分な強度が
得られず、回転機をより小型化,高速化すると上で要求
される性能を必ずしも満足する大きな接合強度を得るこ
とができないという課題が存在する。
【0006】このように異種金属間の接合強度が充分に
得られない場合には、回転機としての強度,剛性,靭
性,変形能等の機械的特性が不足する事態が生じてしま
い、電動機等の高速化とか大容量化に伴って回転機に作
用する遠心力が一段と増大した際に磁石の変形とか破断
が生じやすいという問題点が残る。
【0007】そこで本発明は上記に鑑みてなされたもの
であって、磁性の異なる異種金属材料もしくは磁性が同
一である異種金属材料を、接合強度を高めて一体に接合
することができる接合方法を提供することを目的として
いる。
【0008】
【課題を解決するための手段】一般に用いられているろ
う付け方法は、異種金属の接合界面で充分な強度が得ら
れないが、本発明者らは異種金属の表面酸化層を完全に
除去すれば、接合界面でろう材成分が拡散して高強度の
ろう付けが行えるものと考え、更に接合時に圧力を加え
たり、鋼材の表面粗さを制御することによってろう付け
の強度が増大するものとの観点から以下の接合方法を実
施した。
【0009】磁性の異なる異種金属材料もしくは磁性が
同一である異種金属材料をAg系ろう材を用いて一体に
接合する際に、チタン(Ti),ニッケル(Ni),パ
ラジウム(Pd),インジウム(In)の何れか1種も
しくは複数種の元素を含有するAg系のろう材を用いて
ろう付けを行うことが特徴となっている。
【0010】具体的な実施形態としては、Ag系のろう
材として、チタン,ニッケルの単独又は両方を各0.5
〜20%含有させたり、パラジウムを5〜30%含有さ
せ、もしくはインジウムを5〜10%含有させて異種金
属材料の接合を実施する。ろう付け時の接合雰囲気は、
非酸化性雰囲気とすることが好ましい。
【0011】更にチタン,ニッケル,パラジウムとイン
ジウムの何れか1種もしくは複数種が添加されたろう材
を用いて、加圧条件下で異種金属材料の表面粗さを最適
に制御してろう付けを行う異種金属材料の接合方法を提
案する。
【0012】かかる異種金属材料の接合方法によれば、
非酸化雰囲気中でAg系のろう材にチタン,ニッケルを
単独又は両方を各0.5〜20%含有させて接合した場
合と、パラジウムを5〜30%含有させて接合した場合
及びインジウムを5〜10%含有させて接合した場合に
は、これらの金属を含有していないAg系ろう材を用い
た場合の接合強度に対して、約1.5倍の接合強度が得
られ、強固な接合部の一体化構造が実現された。
【0013】これはAg系ろう材と異種金属側の界面
で、ろう材成分中をチタン,ニッケルが拡散して異種金
属側表面の酸化層を除去し、金属間化合物を生成したた
めであり、特にニッケルの場合にはTiNiの金属間化
合物を形成する。このようにAg系ろう材と異種金属表
面の両方の界面に合金層が形成されることにより、異種
金属材料の接合強度を高めることができる。
【0014】更に加圧条件下で異種金属材料の表面粗さ
を最適に制御してろう付けを行うことにより、表面粗さ
を変化させていない従来例に比して接合強度を更に増大
することが可能となる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下本発明にかかる異種金属材料
の接合方法の実施形態例を説明する。一般に磁石を用い
た回転機に課せられている小型化,高速化に対する要求
を満足するためには、異種金属の接合部は高強度に一体
接合されていることが必須の要件である。
【0016】本発明の実施形態例では、鋼材に接合する
金属として軽量で高強度なチタン合金を採用し、このチ
タン合金と鋼材という異種金属でなる供試材の接合方法
として、通常用いられているろう付け方法に着目した。
【0017】前記したように、従来のAg系ろう材を使
用したろう付け方法は、異種金属の接合界面で充分な強
度が得られないため、回転機に課せられている前記要求
を満足する大きな接合強度を得ることができないという
課題があるが、本発明者らは供試材であるチタン合金と
鋼材の各表面酸化層を完全に除去すれば、接合界面でろ
う材成分が拡散して高強度のろう付けが行えるものと考
えた。
【0018】更に接合時に圧力を加えたり、鋼材の表面
粗さを制御することによってろう付けの強度が増大する
ものと思慮し、以下に記す実施形態例1〜8に基づいて
チタン合金と鋼材の一体接合を試みた。
【0019】先ず供試材としてのチタン合金と鋼材の組
成を表1に示す。
【0020】
【表1】
【0021】表1に示したように、チタン合金として
「Ti−6Al−4V」を採用し、鋼材は合金鋼として
「Ni−Cr−Mo鋼」、及び超高張力鋼として「18
Niマルエージング鋼」を用いた。
【0022】使用するろう材としては、一般的に用いら
れているAg系のろう材を採用し、このAg系のろう材
に添加されている金属として、銅(Cu)の外に供試材
の表面酸化層を除去する目的で活性金属であるチタン
(Ti),強固な接合を目的として両方の供試材に拡散
しやすいニッケル(Ni),供試材への濡れ性を改善す
る目的でパラジウム(Pd)及びインジウム(In)が
添加されているろう材を用いた。ろう材の組成例を表2
に示す。
【0023】
【表2】
【0024】接合温度としては、一般にろう材の接合温
度といわれている液相温度+50℃より高い接合温度を
採用し、接合雰囲気は真空中とすることにより、接合界
面にろう材と供試材との間で強固な合金層を形成させる
ことを試みた。
【0025】その結果、Ag系のろう材にチタン,ニッ
ケルを単独又は両方を各0.5〜20%含有させた例
と、パラジウム5〜30%含有させた例、インジウムを
5〜10%含有させた例は、これらの金属を含有してい
ないAg系ろう材を用いた場合の接合強度に対して、約
1.5倍の接合強度が得られ、これによりAg系ろう材
を使用しての接合部の一体化構造を実現した。
【0026】以下にチタン合金と鋼材との接合について
各種実施形態例を説明する。
【0027】〔第1実施形態例〕接合雰囲気として非酸
化性雰囲気である真空中において、チタン合金と炭素を
0.4%含んでいる合金鋼との接合を、Ag系ろう材に
ニッケルを添加したろう材を用いて行った。
【0028】図1に示したように、ろう材としてAg−
42%Cu−2%Ni(液相893℃)を使用すると、
Ag−28%Cu(液相780℃)のろう材を使用した
場合よりも接合強度が向上した。
【0029】これらは一般に接合温度とされている液相
温度+50℃よりも更に接合温度を上昇させたことによ
り、Ag系ろう材と合金鋼側の界面で、Ag系ろう材成
分中をチタン合金のTiが拡散して合金鋼表面の酸化層
を除去し、TiCの金属間化合物を生成している。
【0030】又、Ag系ろう材とチタン合金側の界面に
は、ろう材成分のNiが拡散してチタン合金表面の酸化
層を除去し、TiNiの金属間化合物を形成している。
【0031】このようにAg系ろう材と合金鋼表面との
界面と、Ag系ろう材とチタン合金側の界面との両方の
界面に合金層を形成することによってチタン合金と合金
鋼の接合強度を高めることができる。
【0032】但し接合温度が高くなると接合強度は低下
する。これは接合部に脆い金属間化合物が増加して接合
強度の向上を阻害するためであるものと考えられる。
【0033】又、以下の各実施形態例と共通する事項と
して、チタン合金と鋼材との接合工程を真空中で実施す
ることにより、強固な酸化皮膜が形成されやすいチタン
合金及び鋼材の表面が洗浄後の清浄な状態を維持してお
り、接合強度を高める要因となっている。
【0034】〔第2実施形態例〕接合雰囲気として非酸
化性雰囲気である真空中においてチタン合金と炭素を
0.4%含んでいる合金鋼との接合を、Ag系ろう材に
チタンを添加したろう材を用いて行った。
【0035】図2に示したように、ろう材としてAg−
27%Cu−4.5%Ti(液相850℃)を使用する
と、Ag−28%Cu(液相780℃)のろう材を使用
した場合よりも接合強度が向上した。
【0036】第1実施形態例と同様に接合温度とされて
いる液相温度+50℃よりも更に接合温度を上昇させた
ことにより、Ag系ろう材成分中のTiが拡散して合金
鋼表面の酸化層を除去し、TiCの金属間化合物を形成
している。又、Ag系ろう材とチタン合金側の界面に
は、ろう材成分中のTiがチタン合金中に拡散してい
る。
【0037】このように両方の界面に合金層を形成する
ことによってチタン合金と合金鋼の接合強度を高めるこ
とができる。但し前記例と同じく接合温度が高くなると
接合強度は低下する。これは接合部に脆い金属間化合物
が増加して接合強度の向上を阻害するためであるものと
考えられる。
【0038】〔第3実施形態例〕接合雰囲気として非酸
化雰囲気である真空中においてチタン合金と炭素を0.
4%含んでいる合金鋼との接合を、Ag系ろう材にパラ
ジウムを添加したろう材を用いて行った。
【0039】図3に示したようにろう材としてAg−2
1%Cu−25%Pd(液相950℃)を使用すると、
Ag−28%Cu(液相780℃)のろう材を使用した
場合よりも接合強度が向上した。
【0040】第1,第2実施形態例と同様に接合温度と
されている液相温度+50℃よりも更に接合温度を上昇
させたことにより、Ag系ろう材と合金鋼側の界面には
Ag系ろう材成分中のPdが合金側に拡散して、界面に
合金層を形成している。
【0041】このように両方の界面に合金層を形成する
ことによってチタン合金と合金鋼の接合強度を高めるこ
とができる。但し前記各例と同じく接合温度が高くなる
と接合強度は低下する。これは接合部に脆い金属間化合
物が増加して接合強度の向上を阻害するためであるもの
と考えられる。
【0042】〔第4実施形態例〕接合雰囲気として非酸
化性雰囲気である真空中においてチタン合金と炭素を
0.4%含んでいる合金鋼との接合を、Ag系ろう材に
インジウムを添加したろう材を用いて行った。
【0043】図4に示したようにろう材としてAg−2
7%Cu−10%In(液相730℃)を使用すると、
Ag−28%Cu(液相780℃)のろう材を使用した
場合よりも接合強度が向上した。
【0044】これは接合温度とされている液相温度+5
0℃よりも更に接合温度を上昇させたことにより、Ag
系ろう材成分中のInが拡散して合金鋼表面の酸化層を
除去し、合金層を形成している。又、Ag系ろう材とチ
タン合金側の界面には、ろう材成分中のInがチタン合
金中に拡散している。
【0045】このように両方の界面に合金層を形成する
ことによってチタン合金と合金鋼の接合強度を高めるこ
とができる。但し前記例と同じく接合温度が高くなると
接合強度は低下する。これは接合部に脆い金属間化合物
が増加して接合強度の向上を阻害するためであるものと
考えられる。
【0046】〔第5実施形態例〕接合雰囲気として非酸
化性雰囲気である真空中において、チタン合金と炭素含
有量が≦0.03%である超高張力鋼である「18Ni
マルエージング鋼」との接合を、Ag系ろう材にニッケ
ルを添加したろう材を用いて行った。
【0047】図5に示したようにろう材としてAg−4
2%Cu−2%Ni(液相893℃)を使用すると、A
g−28%Cu(液相780℃)のろう材を使用した場
合よりも接合強度が向上した。
【0048】これは一般に接合温度とされている液相温
度+50℃よりも更に接合温度を上昇させたことによ
り、Ag系ろう材と超高張力鋼側の界面にはAg系ろう
材成分中をチタン合金のTiが拡散して合金鋼表面の酸
化層を除去し、超高張力鋼「18Ni」のNiとTiN
iの金属間化合物を形成している。
【0049】又、Ag系ろう材とチタン合金側の界面に
は、Ag系ろう材成分中のNiが拡散してチタン合金表
面の酸化層を除去し、TiNiの金属間化合物を形成し
ている。
【0050】このように両方の界面に合金層を形成する
ことによってチタン合金と超高張力鋼の接合強度を高め
ることができる。
【0051】但し前記各例と同じく接合温度が高くなる
と接合強度は低下する。これは接合部に脆い金属間化合
物が増加して接合強度の向上を阻害するためであるもの
と考えられる。
【0052】〔第6実施形態例〕接合雰囲気として非酸
化性雰囲気である真空中においてチタン合金と炭素含有
量が≦0.03%である超高張力鋼である「18Niマ
ルエージング鋼」との接合を、Ag系ろう材にパラジウ
ムを添加したろう材を用いて行った。
【0053】図6に示したようにろう材としてAg−2
1%Cu−25%Pd(液相950℃)を使用すると、
Ag−28%Cu(液相780℃)のろう材を使用した
場合よりも接合強度が向上した。
【0054】これは一般に接合温度とされている液相温
度+50℃よりも更に接合温度を上昇させたことによ
り、Ag系ろう材と超高張力鋼側の界面にはAg系ろう
材成分中のPdが合金鋼に拡散して界面に合金層を形成
し、Ag系ろう材とチタン合金側の界面にはAg系ろう
材成分中のPdが拡散してチタン合金界面で合金層を形
成している。
【0055】このように両方の界面に合金層を形成する
ことによってチタン合金と超高張力鋼の接合強度を高め
ることができる。但し前記各例と同じく接合温度が高く
なると接合強度は低下する。これは接合部に脆い金属間
化合物が増加して接合強度の向上を阻害するためである
ものと考えられる。
【0056】次に接合時に圧力を加え、鋼材の表面粗さ
を制御することによってろう付けの強度が増大するもの
との観点から、以下に記す実施形態例7〜8に基づいて
チタン合金と鋼材の一体接合を試みた結果を説明する。
【0057】先ず供試材として用いたチタン合金中の
「Ti−4.5Al−3V−2Mo−2Fe」の組成を
表3に示す。
【0058】
【表3】
【0059】尚、チタン合金として表1に示した「Ti
−6Al−4V」をも使用し、鋼材としての合金鋼は表
1に記載した「Ni−Cr−Mo鋼」を用いた。
【0060】〔第7実施形態例〕接合雰囲気として非酸
化雰囲気である真空中において、チタン合金「Ti−6
Al−4V」と炭素を0.4%含んでいる合金鋼との接
合を、Ag系ろう材にニッケルを添加したろう材を用
い、更に加圧条件下で合金鋼の表面粗さを変化させて行
った。
【0061】図7に示したように、ろう材としてAg−
42%Cu−2%Ni(液相893℃)を使用し、接合
温度が980℃の時、表面粗さを変化させていない前回
例のデータ(表面粗さRa=6.3a,加圧なし,図7
中に×で示す)と較べて、本例(図7中に△で示す)の
ように表面粗さRaが1.6a〜6.3aの範囲にあるよ
うにし、10MPaの加圧条件下で接合することによ
り、接合強度が向上していることが確認された。
【0062】更に他のAg系ろう材であるAg−27%
Cu−4.5%Ti(液相850℃,第2実施形態例で
採用)、Ag−21%Cu−25%Pd(液相950
℃,第3実施形態例で採用)、Ag−27%Cu−10
%In(液相730℃,第4実施形態例で採用)を用い
た場合でも略同様な結果が得られた。
【0063】〔第8実施形態例〕接合雰囲気として非酸
化雰囲気である真空中において、チタン合金「Ti−
4.5Al−3V−2Mo−2Fe」と炭素を0.4%含
んでいる合金鋼との接合を、Ag系ろう材にニッケル
(Ni)を添加したろう材を用い、更に加圧条件下で低
合金鋼の表面粗さを変化させて行った。
【0064】図8に示したように、ろう材としてAg−
42%Cu−2%Ni(液相893℃)を使用し、接合
温度が980℃の時、表面粗さを変化させていない前回
例のデータ(表面粗さRa=6.3a,加圧なし,図8
中に×で示す)と較べて、本例(図8中に△で示す)の
ように表面粗さRaが0.2a〜6.3aの範囲にあるよ
うにし、10MPaの加圧条件下で接合することによ
り、接合強度が向上していることが確認された。
【0065】更に第2実施形態例、第3実施形態例、第
4実施形態例で採用したAg系ろう材を用いた場合でも
略同様な結果が得られた。
【0066】このように接合時に加圧力を加え、且つ鋼
材の表面粗さを変化させることによってろう付けの強度
が増大する理由は、図9に示したようにチタン合金がと
もにろう付け温度付近で大きな塑性伸びを生じ、このよ
うな温度域での流動応力が約50MPa以下という小さ
い値であるため、小さな加圧力でも接合する相手材の接
合面の形状になじみやすくなるためである。
【0067】又、チタン合金「Ti−4.5Al−3V
−2Mo−2Fe」は、チタン合金「Ti−6Al−4
V」よりもAg系ろう材のろう付け温度付近で大きな塑
性伸びを生じており、上記の理由によりろう付けの強度
がより一層増大することが確認された。
【0068】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明にか
かる異種金属材料の接合方法によれば、磁性の異なる異
種金属材料もしくは磁性が同一である異種金属材料を接
合するに際して、非酸化雰囲気中でAg系のろう材にチ
タン,ニッケルを単独又は両方を適量含有させ、更にパ
ラジウム又はインジウムを適量含有させて接合すること
により、Ag系ろう材と異種金属側の界面でろう材成分
中をTi,Niが拡散して異種金属側表面の酸化層を除
去し、金属間化合物を生成することによってこれらの金
属を含有していないAg系ろう材を用いた場合の接合強
度よりも強度が大きい一体化構造を実現することができ
る。
【0069】更にAg系ろう材と異種金属表面の両方の
界面に合金層が形成されることによって異種金属材料の
接合強度を高め、且つろう付け時に加圧条件下で異種金
属材料の表面粗さを最適に制御してろう付けを行うこと
により、表面粗さを変化させていない従来例に比して接
合強度を増大することが可能となる。
【0070】従って本発明によれば、銀ろうなどの通常
の金属系ろう材を用いた従来のろう付け方法で接合界面
で充分な強度が得られず、回転機をより小型化,高速化
する上で要求される性能を満足できないという課題を解
消して、回転機としての強度,剛性,靭性,変形能等の
機械的特性を高めて電動機等の高速化とか大容量化に伴
って回転機に作用する遠心力が増大しても磁石の変形と
か破断が生じることがない磁性の異なる金属部材の高強
度な一体化接合方法を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ろう材としてAg−42%Cu−2%Ni及び
Ag−28%Cuを使用した場合の温度と接合強度の関
係をプロットしたグラフ。
【図2】ろう材としてAg−27%Cu−4.5%Ti
及びAg−28%Cuを使用した場合の温度と接合強度
の関係をプロットしたグラフ。
【図3】ろう材としてAg−21%Cu−25%Pd及
びAg−28%Cuを使用した場合の温度と接合強度の
関係をプロットしたグラフ。
【図4】ろう材としてAg−27%Cu−10%In及
びAg−28%Cuを使用した場合の温度と接合強度の
関係をプロットしたグラフ。
【図5】ろう材としてAg−42%Cu−2%Ni及び
Ag−28%Cuを使用した場合の温度と接合強度の関
係をプロットしたグラフ。
【図6】ろう材としてAg−21%Cu−25%Pd及
びAg−28%Cuを使用した場合の温度と接合強度の
関係をプロットしたグラフ。
【図7】ろう材としてAg−42%Cu−2%Niを使
用し、加圧条件下でチタン合金「Ti−6Al−4V」
の表面粗さを変化させた際の表面粗さと接合強度の関係
をプロットしたグラフ。
【図8】ろう材としてAg−42%Cu−2%Niを使
用し、加圧条件下でチタン合金「Ti−4.5Al−3
V−2Mo−2Fe」の表面粗さを変化させた際の表面
粗さと接合強度の関係をプロットしたグラフ。
【図9】チタン合金のろう付け温度付近での塑性伸び及
び流動応力と温度の関係を示すグラフ。
【図10】回転機で用いられる異種金属材料の接合例を
示す要部断面図。
【符号の説明】
1…磁石 2…シャフト 3…端板 4…保持リング
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // H02K 1/27 501 H02K 1/27 501G 1/28 1/28 A B23K 103:24

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁性の異なる異種金属材料もしくは磁性
    が同一である異種金属材料をAg系ろう材を用いて一体
    に接合する方法において、 チタン(Ti),ニッケル(Ni),パラジウム(P
    d),インジウム(In)の何れか1種もしくは複数種
    の元素を含有するAg系のろう材を用いてろう付けを行
    うことを特徴とする異種金属材料の接合方法。
  2. 【請求項2】 Ag系のろう材に、チタン,ニッケルの
    単独又は両方を、各0.5〜20%含有させたことを特
    徴とする請求項1記載の異種金属材料の接合方法。
  3. 【請求項3】 Ag系のろう材に、パラジウムを5〜3
    0%含有させたことを特徴とする請求項1記載の異種金
    属材料の接合方法。
  4. 【請求項4】 Ag系のろう材に、インジウムを5〜1
    0%含有させたことを特徴とする請求項1記載の異種金
    属材料の接合方法。
  5. 【請求項5】 ろう付け時の接合雰囲気を、非酸化性雰
    囲気としたことを特徴とする請求項1,2,3項又は4
    項の何れか1項に記載の異種金属材料の接合方法。
  6. 【請求項6】 磁性の異なる異種金属材料もしくは磁性
    が同一である異種金属材料をAg系ろう材を用いて一体
    に接合する方法において、 Ag系のろう材に添加されている金属として、チタン
    (Ti),ニッケル(Ni),パラジウム(Pd),の
    何れか1種もしくは複数種の元素が添加されたろう材を
    採用し、加圧条件下で異種金属材料の表面粗さを最適に
    制御してろう付けを行うことを特徴とする異種金属材料
    の接合方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2004207170A (ja) * 2002-12-26 2004-07-22 Ngk Spark Plug Co Ltd 積層体及び固体電解質型燃料電池
JP2009060103A (ja) * 2007-08-30 2009-03-19 Ngk Insulators Ltd 接合構造体及びその製造方法
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