JPH1147789A - 油脂含有廃水の処理方法 - Google Patents

油脂含有廃水の処理方法

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JPH1147789A
JPH1147789A JP21219297A JP21219297A JPH1147789A JP H1147789 A JPH1147789 A JP H1147789A JP 21219297 A JP21219297 A JP 21219297A JP 21219297 A JP21219297 A JP 21219297A JP H1147789 A JPH1147789 A JP H1147789A
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JP
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oil
fat
pseudomonas
strain
oils
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JP21219297A
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Mitsunori Maeda
光紀 前田
Yasuaki Hashimoto
恭明 橋本
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Nippon Soda Co Ltd
Original Assignee
Nippon Soda Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 油脂含有廃水を油脂分解能力が高く、かつ取
り扱いが容易な好気性細菌で直接処理することにより、
工程や操作を簡略化すると共に、廃水処理効果を向上せ
しめ、しかも現状の廃水処理施設のままで、安価で特別
な技術を要することのない油脂含有廃水の処理方法を提
供すること。 【解決手段】 油脂分解能を有する新菌株シュードモナ
ス セパシア LM2−1(Pseudomonas
cepacia LM2−1)を用いて、廃水中に含ま
れる油脂を分解処理する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はシュードモナス(P
seudomonas)属に属し、油脂に対して高い分
解能を有する新規な菌株シュードモナス セパシア L
M2−1(Pseudomonas cepacia
LM2−1)株(FERM P−16330)もしくは
油脂分解能を有するその突然変異体、又はそれらの培養
物を用いて、廃水中に含まれる油脂を生物学的に分解除
去する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、廃水中に含まれる動植物性油脂
は、その性状からこれまでは、自然浮上分離法や加圧浮
上分離法、グリーストラップならびに各種の油脂吸着材
を利用した吸着法等、物理化学的方法により除去されて
きた。しかし、従来の処理方法では、エマルジョン状態
の油脂が多い場合、安定に除去することが困難な場合が
多く、廃水中に含まれる全ての油脂を予め取り除く事は
不可能であり、例えば、活性汚泥を用いる廃水の処理方
法の場合、曝気槽中に油脂が流入しているのが現状であ
る。
【0003】通常、食品加工工場あるいは外食産業等か
ら発生する廃水中に含まれる動植物性油脂は、活性汚泥
等の生物学的処理方法により、ある程度まで分解・除去
できるが、油脂分の負荷量が増えた場合、活性汚泥のフ
ロックや生物膜表面に付着して、酸素や基質もしくは栄
養物などの浸透性に悪影響を及ぼし、これにより徐々に
処理効率が低下し、油脂以外の易分解性有機物の処理も
十分に行えなくなるという問題点が指摘されていた。
【0004】このような方法とは別に、例えば特開平5
−146798号公報には、リパーゼを用いて廃水中の
油脂分を予め脂肪酸とグリセリンに加水分解し、微生物
が資化し易い形にした後、活性汚泥により処理する方法
が記載されている。しかし、このリパーゼを用いる方法
は、加水分解により生じた脂肪酸の不溶化を防止するた
め、pHを6.5以上に維持する必要がある上、廃水の
温度によりリパーゼ活性が大きく左右されるという問題
がある。また、リパーゼ自身蛋白質であることから、廃
水等に含まれる微生物由来の蛋白分解酵素により容易に
分解され、油脂の加水分解処理の効果が低下することと
いう問題もある。
【0005】また、例えば特開平8−126890号公
報には、非イオン界面活性剤で安定化された含油廃水の
処理方法としてタンニンを主成分とする処理剤を用いる
方法が記載されているが、この方法も水と分離した油脂
を物理化学的に取り除かなくてはならない。
【0006】特開平5−346036号公報や特開平4
−179745号公報には、油脂を分解する微生物を使
用することが記載されている。しかし、これらの報告に
は、使用する微生物についての詳細な開示はなされてい
ない。
【0007】また、特開平3−275195号公報に
は、油脂分解微生物としてハンゼヌラ属、ピキア属、サ
ッカロミセス属、キャンディダ属、トリコスポロン属等
に属する酵母が例示されており、前処理槽を設け、嫌気
的に油脂を分解する方法が用いられているが、この酵母
を用いる方法は、活性汚泥槽に直接油脂分解酵母を添加
することができないことから前処理槽が必要であり、廃
水処理施設の敷地等に余裕のある所でしか実施できない
という問題がある。
【0008】そしてまた、特開平7−303473号公
報や特開平7−303474号公報には、油脂分解微生
物として土壌の中から分離されたアスペルギルス属に属
する新菌株が開示されている。油脂分解微生物としてア
スペルギルス属等に属する黴を用いる場合、活性汚泥槽
で使用することは困難であり、前処理槽を設け、その中
で油脂を分解する方法を採用せざるを得ないことから、
上記酵母の場合と同様な問題がある上に、油脂分解に使
用した黴が活性汚泥槽に流れ込んだ場合、バルキングを
誘発する恐れが多分にあるという問題もある。
【0009】特開平4−235799号公報や特開平4
−322799号公報には、油脂含有有機性廃水を予め
油脂分と分離水に分離し、油脂分を油脂分解菌であるシ
ュードモナス属、バチルス属、ムコバクテリア、かび
類、酵母類その他公知の油脂分解菌等を用いて処理する
ことが記載されているが、一般的に例示された微生物の
油脂分解能力については詳細に開示されていない。
【0010】特開平6−153922号公報には、シュ
ードモナス属やアシネトバクター属に属する新菌株を脂
質含有排水処理系に加えて培養し、処理系の食用油脂濃
度を減少させることが記載されている。また、特開平8
−197086号公報には、n−ヘキサン抽出物分解能
を有するシュードモナス属に属する新菌株を用いて廃水
中に含まれるn−ヘキサン抽出物を分解処理することが
記載されている。さらに、特開平9−85283号公報
には、ブルクホルデリア属に属し、高温で好気的に油脂
を資化しうる微生物を固定化し、廃水中に含まれる動植
物性の油脂を処理する方法が記載されている。
【0011】
【発明が解決すべき課題】上記のように、シュードモナ
ス属やブルクホルデリア属に属する微生物を用いて廃水
中の油脂を処理することは知られているが、曝気槽で直
接処理することにより、工程や操作を簡略化すると共
に、廃水処理効果を向上せしめ、しかも現状の廃水処理
施設のままで、安価で特別な技術を要することのない油
脂含有廃水の処理方法に適した微生物は知られていなか
った。本発明の課題は、油脂分解能力が高く、曝気槽で
直接処理することにより、工程や操作を簡略化すると共
に、廃水処理効果を向上せしめ、しかも現状の廃水処理
施設のままで、安価で特別な技術を要することのない油
脂含有廃水の処理に適した微生物及びそれを用いた油脂
含有廃水の処理方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を達成するため
に、本発明者らは、油脂分解能力が高く、かつ保存中に
死滅することや油脂分解能力が低下することがない微生
物を自然界より新たに分離することを試み、常法に従い
土壌や活性汚泥を分離源とすることなく、空気に浮遊す
るちりや埃を分離源とするスクリーニングを行った結
果、油脂分解能力が高く、曝気槽で直接処理することに
より、工程や操作を簡略化すると共に、廃水処理効果を
向上せしめ、しかも現状の廃水処理施設のままで、安価
で特別な技術を要することのない油脂含有廃水の処理に
適した細菌菌株を分離し、該細菌菌株を同定し、本発明
を完成するに至った。
【0013】すなわち、本発明は、油脂含有廃水の処理
方法において、処理槽にシュードモナス セパシア L
M2−1(Pseudomonas cepacia
LM2−1)株もしくは油脂分解能を有するその突然変
異体、又はそれらの培養物を添加することを特徴とする
油脂含有廃水の処理方法に関する。
【0014】また本発明は、活性汚泥を用いる廃水の処
理方法において、活性汚泥を構成する微生物群にシュー
ドモナス セパシア LM2−1(Pseudomon
ascepacia LM2−1)株もしくは油脂分解
能を有するその突然変異体、又はそれらの培養物を添加
することを特徴とする油脂含有廃水の処理方法や、生物
膜を用いる廃水の処理方法において、生物膜を構成する
微生物群にシュードモナス セパシア LM2−1(P
seudomonas cepacia LM2−1)
株もしくは油脂分解能を有するその突然変異体、又はそ
れらの培養物を添加することを特徴とする油脂含有廃水
の処理方法に関する。
【0015】さらに本発明は、油脂分解能を有するシュ
ードモナス セパシア LM2−1(Pseudomo
nas cepacia LM2−1)株又は油脂分解
能を有するその突然変異体に関する。
【0016】このように、本発明はシュードモナス セ
パシア LM2−1(Pseudomonascepa
cia LM2−1)株又は油脂分解能を有するその突
然変異体を用いて、廃水中に含まれる油脂を分解するこ
とを特徴とするものであり、例えば活性汚泥又は各種生
物膜中にシュードモナス セパシア LM2−1(Ps
eudomonas cepacia LM2−1)株
を接種し、油脂含有廃水の処理を行うものである。
【0017】
【発明の実施の形態】油脂分解能を有する微生物のスク
リーニングによる単離は、分離源となる試料をオリーブ
油を唯一の炭素源とする培地中で培養し、生育してくる
微生物を採取することにより行われた。オリーブ油を唯
一の炭素源とする培地としては、例えば、オリーブ油
0.3%、硝酸アンモニウム0.2%、リン酸二カリウ
ム0.2%、リン酸一ナトリウム0.1%、硫酸マグネ
シウム0.05%、塩化カルシウム0.003%、硫酸
第一鉄0.003%を含む液体培地(pH6.8)や、
これに寒天1.5%を加えた寒天培地を、121℃で1
5分間オートクレーブで滅菌したものを例示することが
できる。
【0018】空気に浮遊するちりや埃から微生物を単離
するには、上記液体培地及び寒天培地の容器の蓋を開
け、実験室、廊下、屋外に一昼夜放置し、その後、30
℃の培養温度で振盪培養及び静置培養をそれぞれ実施し
た。液体培地で振盪培養をした場合には、振盪培養後の
希釈液を上記寒天培地に0.1ml塗布し30℃の培養
温度で静置培養し生育してくるコロニーを採取した。ま
た、寒天培地で静置培養した場合には、直接生育してく
るコロニーを採取した。
【0019】採取した菌株を前記の液体培地に植菌し、
30℃で振盪培養した後、n−ヘキサンで培地中に残存
しているオリーブ油を抽出し、菌株のオリーブ油分解能
力を測定した。その結果、空気に浮遊するちりや埃から
分離した一菌株シュードモナス セパシア LM2−1
(Pseudomonas cepacia LM2−
1)が高いオリーブ油分解率を示した。
【0020】次に本発明のシュードモナス セパシア
LM2−1(Pseudomonas cepacia
LM2−1)株の菌学的性質について説明する。な
お、菌学的性質の試験及び分類方法は、長谷川武ら著、
学会出版センター発行「〈改訂版〉微生物の分類と同
定」(1984)、及びバージイズ マニュアル オブ
システマティック バクテリオロジー(Bergey’
s Manual ofSystematic Bac
teriology)(1984)の各文献の記載に基
づいて行った。
【0021】(1)形態 1.細胞の形及び大きさ:幅約0.8μm、長さ約1.
5μmの桿菌 2.細胞の多形成:なし 3.運動性:有り 4.鞭毛:極鞭毛(1から3本) 5.グラム染色:陰性 6.抗酸性:陰性
【0022】(2)生育状態 1.肉汁寒天平板培養:コロニーの大きさ3.5mm程
度、生育は良好、コロニーの形はほぼ円形で半レンズ状
に***しており、周辺は波状である。コロニーの表面は
しわ状で光沢があるクリーム色を呈し、粘稠である。 2.肉汁寒天斜面培養:生育は良好で、拡布状に生育す
る。培養時間の経過につれ、寒天培地はやや茶色っぽく
変色する。特徴的集落色素の生成は、認められない。 3.肉汁液体培養:生育の程度は良好で、沈殿を生じ
る。また、培地表面に膜状に生育し、培養液は少し混濁
する。 4.肉汁ゼラチン培養:ゼラチンを液化する。 5.リトマスミルク:色の変化は還元脱色による。ペプ
トン化が起こる。
【0023】(3)生理学的性質 1.硝酸塩の還元:陰性 2.脱窒反応:陰性 3.MRテスト:陰性 4.VPテスト:陰性 5.インドールの生成:陰性 6.硫化水素の生成:陰性 7.デンプンの加水分解:陰性 8.クエン酸の利用:陽性(クリステンセンのクエン酸
ナトリウム培地を利用) 9.無機窒素源の利用:陽性 10.色素の生成:Pseudomonas F ag
ar、肉汁寒天培地、標準寒天培地で極薄い茶色っぽい
色素を生成 11.ウレアーゼ:陰性 12.オキシダーゼ:陽性 13.カタラーゼ:陽性 14.生育の範囲: pH;pH4からpH9で生育、pH5からpH7が最
適 温度;15℃から41℃で生育、25℃から37℃が最
適 15.酸素に対する態度:好気性 16.O−Fテスト:好気的に糖を酸化分解する 17.糖類から酸及びガスの生成の有無:D−アラビノ
ース、D−キシロース、D−グルコース、D−マンノー
ス、D−フラクトース、D−ガラクトース、しょ糖、ト
レハロース、D−ソルビット、D−マンニット、イノシ
ット、グリセロールを利用し、酸を生成するが、ガスの
発生は認められない。マルトース、ラクトース、デンプ
ン、ラムノースは利用できない。 18.ポリ−β−ヒドロキシ酪酸の蓄積の有無:陽性 19.Tweenの分解:Tween40、60、80
共に分解する。 20.アミノ酸の脱炭酸: L−リジン;陰性 L−アルギニン;陰性 21.DNAの分解:陰性
【0024】上記の菌学的性質から前記文献の分類方法
に基づいて検索した結果、シュードモナス(Pseud
omonas)属に属する微生物であると決定した。シ
ュードモナス(Pseudomonas)属の公知の菌
種と比較すると、本発明の菌株はシュードモナス セパ
シア(Pseudomonas cepacia)と酷
似している。しかし、硝酸塩の還元力がない点や、L−
リジンの脱炭酸反応が認められないという点で、本発明
の菌株とシュードモナス セパシア(Pseudomo
nas cepacia)とは異なっている。
【0025】以上の通り、本発明の菌株は公知の菌株と
は区別されるため、シュードモナスセパシア(Pseu
domonas cepacia)に属する新菌株と判
断し、シュードモナス セパシア LM2−1(Pse
udomonas cepacia LM2−1)株と
命名し、平成9年7月10日に通商産業省工業技術院生
命工学工業技術研究所に、微生物受託番号FERM P
−16330として寄託した。
【0026】本発明のシュードモナス セパシア LM
2−1(Pseudomonascepacia LM
2−1)株を培養するために用いられる培地の栄養源と
しては、炭素源、窒素源、無機塩等微生物の生育に必要
であって、この菌株が資化可能な栄養源であれば、いか
なるものでも使用でき、通常の培養方法により培養する
ことができる。好ましくは、炭素源及び有機窒素源とし
て、ペプトンや肉エキス、酵母エキス等、無機窒素源と
して、硝酸アンモニウムや硝酸ナトリウム等、無機塩と
しては、リン酸二カリウム、リン酸一ナトリウム、硫酸
マグネシウム、塩化カルシウム、硫酸第一鉄等を用い
て、培地のpHを4から9、好ましくは5から7、培養
温度を15℃から41℃、好ましくは25℃から37℃
の条件下で好気的に培養するのが望ましい。また、炭素
源として、オリーブ油等動植物性油脂を用いて継代培養
を続けていくことが、この菌株の優れた油脂分解能を維
持していく上で望ましい。
【0027】本発明のシュードモナス セパシア LM
2−1(Pseudomonascepacia LM
2−1)株は、油脂を分解する能力があるので、菌自体
やその培養物を活性汚泥と混合して増殖させることによ
り、活性汚泥のフロックや生物膜表面に付着した油脂を
分解し、活性汚泥や生物膜の持つ本来の能力を引き出
し、廃水中の有機物の分解能力を向上させることができ
る。また、その後、活性汚泥槽や生物膜槽に流入してく
る油脂も効率よく分解し、活性汚泥のフロックや生物膜
表面に油脂が付着することも防止できる。なお、生物膜
を用いる排水処理法としては、散水濾床法、回転板式生
物酸化法、接触曝気法等を例示することができる。
【0028】本発明のシュードモナス セパシア LM
2−1(Pseudomonascepacia LM
2−1)株は、油脂分解能や生存力に優れており、例え
ばこの菌の培養物とふすま等とを混合した微生物含有剤
を予め調製しておき、かかる微生物含有剤を廃水処理施
設まで輸送し、直接曝気槽に投入することにより、既存
の施設のままで簡便に油脂含有廃水の優れた処理効果を
達成することができる。
【0029】本発明においては、シュードモナス セパ
シア LM2−1(Pseudomonascepac
ia LM2−1)株の他に、このシュードモナス セ
パシア LM2−1株と同等もしくはそれ以上の油脂分
解能を有する限り、このシュードモナス セパシア L
M2−1株を紫外線等を用いて変異させた突然変異体も
使用することができる。
【0030】
【実施例】次に本発明を実施例により更に具体的に説明
するが、本発明は、以下の実施例に何ら限定されるもの
ではない。 (実施例1)オリーブ油0.3%、硝酸アンモニウム
0.2%、リン酸二カリウム0.2%、リン酸一ナトリ
ウム0.1%、硫酸マグネシウム0.05%、塩化カル
シウム0.003%、硫酸第一鉄0.003%を含む滅
菌された液体培地(pH6.8)100mlを300m
lのコルベンに入れ、本発明のシュードモナス セパシ
ア LM2−1(Pseudomonas cepac
ia LM2−1)菌(FERM P−16330)を
接種し、ロータリーシェイカーにて30℃で7日間培養
した。サンプリングは 、培養1日後、3日後、5日
後、7日後に行い、各サンプルにつき「油脂量」及び
「菌体量」を測定した。
【0031】油脂量の測定は、培養液100mlを分液
ロートに移し、n−ヘキサン50mlで2回抽出し、抽
出液をロータリーエバポレーターで減圧乾固後、50℃
で真空ポンプにより揮散物を更に除去することにより行
い、また、菌体量の測定は、遠心分離で得られた沈殿物
を600nmにおける吸光度が0.5以下となるように
精製水で希釈し、分光光度計U−100(株式会社日立
製作所)を用いて濁度を測定することにより行った。
【0032】油脂量の測定結果を図1に、菌体量の測定
結果を図2にそれぞれ示す。図1からもわかるように、
本発明のシュードモナス セパシア LM2−1(Ps
eudomonas cepacia LM2−1)株
は、培養7日間で約80%のオリーブ油を分解した。ま
た図2からもわかるように、培養日数が進むにつれ、本
発明のシュードモナス セパシア LM2−1(Pse
udomonas cepacia LM2−1)株は
増殖した。したがって、図1に示す上記の試験結果は、
本発明のシュードモナス セパシア LM2−1(Ps
eudomonas cepacia LM2−1)株
による効果であると判断される。
【0033】(実施例2)食品製造業の活性汚泥水を該
施設の原水で置換したn−ヘキサン抽出物質を186p
pm含有する活性汚泥水100mlを300mlのコル
ベンに入れ、本発明のシュードモナス セパシア LM
2−1(Pseudomonas cepacia L
M2−1)株を接種し、ロータリーシェイカーにて30
℃で3日間培養した。サンプリングは、培養1日後、2
日後、3日後に行い、各サンプルについて「n−ヘキサ
ン抽出物質量」及び「水溶性有機炭素濃度」について測
定した。なお、対照試験区には、本発明のシュードモナ
ス セパシア LM2−1(Pseudomonas
cepacia LM2−1)株の接種を行わない他は
実施例2と同様の操作を行った。
【0034】n−ヘキサン抽出物質量の測定は、活性汚
泥水100mlのpHを塩酸にて4.0以下に調整した
後、分液ロートに移し、n−ヘキサン50mlで2回抽
出し、抽出液をロータリーエバポレーターで減圧乾固す
ることにより行い、また、水溶性有機炭素濃度の測定
は、活性汚泥水2mlをマイクロチューブに採取し、微
量小型遠心機で12,000rpm.15分間遠心分離
し、上清中の水溶性有機物(TOC)を全有機炭素計T
OC−500(株式会社島津製作所)で測定することに
より行った。
【0035】n−ヘキサン抽出物質量の測定結果を図3
に、水溶性有機炭素濃度の測定結果を図4にそれぞれ示
す。図3からわかるように、本発明のシュードモナス
セパシア LM2−1(Pseudomonas ce
pacia LM2−1)株添加試験区は、対照試験区
に比べ、n−ヘキサン抽出物質分解率は上回っていた。
特に、培養1日目のn−ヘキサン抽出物質分解率は対照
試験区に比べ約15倍高く、本発明のシュードモナス
セパシア LM2−1(Pseudomonas ce
pacia LM2−1)株の添加効果、特に短期間に
おける油脂分解能が顕著に優れていることが明らかとな
った。
【0036】次に、図4からもわかるように、本発明の
シュードモナス セパシア LM2−1(Pseudo
monas cepacia LM2−1)株添加試験
区は、対照試験区に比べ、TOC濃度は低く推移した。
これは、本発明のシュードモナス セパシア LM2−
1(Pseudomonas cepacia LM2
−1)株により、廃水中の有機物の分解が促進されたた
めであると考えられる。
【0037】(実施例3)食品製造業の実廃水を用い、
実廃水(原水)の流入量1l/日、MLSS5,000
ppm、室温25℃で、曝気槽(容量2l)と沈澱槽
(容量0.5l)が分離している培養装置に本発明のシ
ュードモナス セパシア LM2−1(Pseudom
onas cepacia LM2−1)株を接種し、
「n−ヘキサン抽出物質量」及び「水溶性有機炭素濃
度」について測定した。なお、対照試験区には、本発明
のシュードモナス セパシア LM2−1(Pseud
omonas cepacia LM2−1)株の接種
を行わない他は実施例3と同様の操作を行い、原水とし
てはpH6.5から6.9に調整したものを用いた。
【0038】n−ヘキサン抽出物質濃度の測定結果を図
5に示す。図5からわかるように、本発明のシュードモ
ナス セパシア LM2−1(Pseudomonas
cepacia LM2−1)株添加試験区は、対照
試験区に比べ、n−ヘキサン抽出物質濃度は常に下回っ
ていた。また、図6からもわかるように、本発明のシュ
ードモナス セパシア LM2−1(Pseudomo
nas cepacia LM2−1)株添加試験区
は、対照試験区に比べ、TOC濃度は低く推移した。こ
れは、本発明のシュードモナス セパシア LM2−1
(Pseudomonascepacia LM2−
1)株により、廃水中の有機物の分解が促進されたため
であると考えられる。以上の結果から考察すると、本発
明のシュードモナス セパシア LM2−1(Pseu
domonas cepacia LM2−1)株は、
活性汚泥中で増殖し、原水中のn−ヘキサン抽出物質
や、水溶性有機炭素化合物の分解に寄与していることが
明らかである。
【0039】
【発明の効果】本発明のシュードモナス セパシア L
M2−1(Pseudomonascepacia L
M2−1)株(FERM P−)を生物学的廃水処理施
設に添加することにより、安価で特別な技術を要するこ
となく、現状の廃水処理施設のままで、廃水中に含まれ
る油脂を効率よく、速やかに分解・除去することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明(実施例1)におけるシュードモナス
セパシア LM2−1(Pseudomonas ce
pacia LM2−1)株によるオリーブ油分解率の
経日変化を示す図である。
【図2】本発明(実施例1)におけるシュードモナス
セパシア LM2−1株の菌体濃度の経日変化を示す図
である。
【図3】本発明(実施例2)におけるシュードモナス
セパシア LM2−1株によるn−ヘキサン抽出物質分
解率の経日変化を示す図である。
【図4】本発明(実施例2)におけるシュードモナス
セパシア LM2−1株による水溶性有機炭素濃度の経
日変化を示す図である。
【図5】本発明(実施例3)におけるシュードモナス
セパシア LM2−1株投与によるn−ヘキサン抽出物
質濃度の経日変化を示す図である。
【図6】本発明(実施例3)におけるシュードモナス
セパシア LM2−1株投与による水溶性有機炭素濃度
の経日変化を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI //(C12N 1/20 C12R 1:38)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 油脂含有廃水の処理方法において、処理
    槽にシュードモナスセパシア LM2−1(Pseud
    omonas cepacia LM2−1)株もしく
    は油脂分解能を有するその突然変異体、又はそれらの培
    養物を添加することを特徴とする油脂含有廃水の処理方
    法。
  2. 【請求項2】 油脂含有廃水の処理方法が、活性汚泥を
    用いる処理方法において、活性汚泥を構成する微生物群
    にシュードモナス セパシア LM2−1(Pseud
    omonas cepacia LM2−1)株もしく
    は油脂分解能を有するその突然変異体、又はそれらの培
    養物を添加することを特徴とする油脂含有廃水の処理方
    法。
  3. 【請求項3】 生物膜を用いる廃水の処理方法におい
    て、生物膜を構成する微生物群にシュードモナス セパ
    シア LM2−1(Pseudomonascepac
    ia LM2−1)株もしくは油脂分解能を有するその
    突然変異体、又はそれらの培養物を添加することを特徴
    とする油脂含有廃水の処理方法。
  4. 【請求項4】 油脂分解能を有するシュードモナス セ
    パシア LM2−1(Pseudomonas cep
    acia LM2−1)株又は油脂分解能を有するその
    突然変異体。
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