JPH1144014A - 吸音材、吸音用塗料、吸音材の製造方法 - Google Patents

吸音材、吸音用塗料、吸音材の製造方法

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JPH1144014A
JPH1144014A JP9340807A JP34080797A JPH1144014A JP H1144014 A JPH1144014 A JP H1144014A JP 9340807 A JP9340807 A JP 9340807A JP 34080797 A JP34080797 A JP 34080797A JP H1144014 A JPH1144014 A JP H1144014A
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清孝 古森
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晃一 野上
Kenji Onishi
兼司 大西
Seishiro Yamakawa
清志郎 山河
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低周波数域においても良好な吸音特性を示
し、粉体の脱落や偏り等による性能劣化を生じず、さら
に、軽量、薄型で従来の多孔質材料と同等の加工性およ
び施工性を備えた吸音材を提供する。 【解決手段】 粉体100重量部に対してバインダー樹
脂を固形分で0.5〜40重量部含有する粉体層が、そ
の少なくとも一部が多孔質材料の空隙部分に入り込んで
形成された吸音材を作製する。粉体をバインダー樹脂で
保持して粉体の脱落を低減した粉体層を形成することが
できる。しかも粉体に対するバインダー樹脂の比率が小
さいために、粉体の振動や粉体/樹脂界面のずり応力空
気の粘性減衰による低周波数域における吸音特性が高い
粉体層を形成することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、吸音効果を得る粉
体層を形成するための吸音用塗料に関するものであり、
またリスニングルームや楽器練習室等の音響処理や、空
調ダクト内を伝搬する騒音の低減等のためや、壁・天井
等の二重構造の構造壁間に充填して遮音効果を高めるた
めなどに使用される吸音材及びその製造方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】吸音材は、室内の音響特性が問題になる
リスニングルームや楽器練習室等において室内残響特性
や反射特性等を制御する内装材や、遮音性能が要求され
る部屋の二重構造に形成した壁や天井に充填される充填
材や、空調ダクトや吸音ダクトの内側に張って騒音の伝
搬を防ぐ内貼り材や、騒音を発生する機器の防音カバー
の内側に張る内貼り材等として使用されている。
【0003】このような用途に使用される吸音材として
は、グラスウール、ロックウール、発泡ポリウレタン等
の多孔質吸音材が従来から主として使用されている。こ
れらの多孔質吸音材は内部に連通した複雑な形状の空隙
を有するために、空隙内に音波が入射すると、空隙内を
伝播する途中でファイバーの表面やウレタン気泡壁面と
の間で粘性摩擦等が生じ、音波エネルギーが多孔質材料
内に吸収されて吸音がなされるのである。
【0004】しかし、これらの多孔質吸音材は一般に高
周波域では十分な吸音率を有するが、周波数が小さくな
るにつれて吸音率が低くなり、低周波域では十分な吸音
率を得ることができないという問題がある。多孔質吸音
材の厚みを増せば、あるいは多孔質吸音材の音入射面の
背後に十分な厚みの空気層(背後空気層という)を確保
すれば、低周波域の吸音率を高くすることが可能である
が、吸音材自体が非常に嵩高になり、また背後空気層を
合わせた吸音材の厚みが非常に厚くなり、例えば部屋の
内装材として使用する場合には部屋が狭くなる等の問題
が生じ、ダクトの内貼りとして使用する場合には空気の
通路が狭くなる等の問題が生じる。
【0005】一方、厚みが薄くても低周波数域で優れた
吸音性能を有する吸音材として、シリカ粉体等の粉体層
から形成したものが提供されている。この吸音材では、
粉体層に音が入射すると粉体粒子が振動し、音波エネル
ギーがこの振動に吸収されて吸音作用が発現するもので
ある。しかし、この粉体を材料とする吸音材は、例えば
箱状の容器中に粉体を充填して粉体層を形成し、音波透
過性が良好なフィルム等で蓋をすることによって形成す
ることができるが、容器に粉体を均一に充填しても使用
過程で粉体が徐々に移動して粉体が偏り、吸音性能が変
化するおそれがあるという問題がある。
【0006】そこで、グラスウール等の非常に目の粗い
多孔質材料の空隙に粉体を充填して保持させることによ
って吸音材を形成することが提案されている。しかしこ
の場合も、当初は粉体を多孔質材料の空隙に均一に充填
してあっても使用過程で粉体が徐々に移動して偏り、吸
音性能が変化するという問題を解消することはできな
い。またこのものにあって、グラスウール等の多孔質材
料の空隙に粉体を充填する作業は、多孔質材料に粉体を
散布して加振し、繊維間の空隙に粉体を沈めるようにし
て行なわれているが、この方法では粉体が空気中に舞い
上がり、作業環境の悪化や作業効率の低下を招くという
問題がある。さらに、このような多孔質材料の空隙に粉
体を充填した吸音材を加工する場合、例えば所望の寸法
にカットする場合、多孔質材料の切断面から粉体が漏れ
出ることになり、通常の吸音材を切断する方法、例えば
発泡ポリウレタン、グラスウール、ロックウール、不織
布、フェルト等を切断するような、カッターナイフやは
さみ等を用いた簡単な切断を実施することはできないも
のであった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明は、低周
波数域においても良好な吸音特性を示し、粉体の脱落や
偏り等による性能劣化を生じず、さらに、軽量、薄型で
従来の多孔質材料と同等の加工性および施工性を備えた
吸音材及びその製造方法を提供することを目的とし、さ
らに、作業環境の悪化等を引き起こすことなく、吸音特
性を向上させるための粉体層を容易に形成することがで
きる吸音用塗料を提供することを目的とするものであ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係る吸音材は、
粉体100重量部に対してバインダー樹脂を固形分で
0.5〜40重量部含有する粉体層が、その少なくとも
一部が多孔質材料の空隙部分に入り込んで形成されて成
ることを特徴とするものである。また請求項2の発明
は、粉体層は、粉体100重量部に対してバインダー樹
脂を固形分で1〜6重量部含有していることを特徴とす
るものである。
【0009】また請求項3の発明は、粉体層は多孔質材
料の表面に露出するように形成されて成ることを特徴と
するものである。また請求項4の発明は、粉体層は多孔
質材料の表層部内に形成されて成ることを特徴とするも
のである。また請求項5の発明は、粉体層は多孔質材料
の内部に形成されて成ることを特徴とするものである。
【0010】また請求項6の発明は、多孔質材料は連続
気孔を有するものであることを特徴とするものである。
また請求項7の発明は、連続気孔を有する多孔質材料
は、発泡ポリウレタン、グラスウール、不織布から選ば
れるものであることを特徴とするものである。また請求
項8の発明は、粉体層は粉体の単位面積当たりの重量が
0.3〜3kg/m2 であることを特徴とするものであ
る。
【0011】また請求項9の発明は、粉体層は粉体の単
位面積当たりの重量が0.5〜2kg/m2 であること
を特徴とするものである。また請求項10の発明は、粉
体は粒径が0.1〜1000μm、嵩密度が0.1〜
1.5g/cm3 のものであることを特徴とするもので
ある。また請求項11の発明は、粉体はタルクとシラス
バルーンと炭酸カルシウムの少なくとも一つであること
を特徴とするものである。
【0012】また請求項12の発明は、粉体はタルクで
あることを特徴とするものである。また請求項13の発
明は、バインダー樹脂は、フェノール樹脂、アクリル樹
脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリ酢酸ビニルから1
つ以上選ばれるものであることを特徴とするものであ
る。また請求項14の発明は、粉体層が自由端であるこ
とを特徴とするものである。
【0013】本発明に係る吸音用塗料は、粉体を100
重量部、バインダー樹脂を固形分で0.5〜40重量
部、溶媒を20〜300重量部配合して成ることを特徴
とするものである。また請求項16の発明は、粉体は粒
径が0.1〜1000μm、嵩密度が0.1〜1.5g
/cm3 のものであることを特徴とするものである。
【0014】また請求項17の発明は、粉体はタルクと
シラスバルーンと炭酸カルシウムの少なくとも一つであ
ることを特徴とするものである。また請求項18の発明
は、バインダー樹脂は、フェノール樹脂、アクリル樹
脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリ酢酸ビニルから1
つ以上選ばれるものであることを特徴とするものであ
る。
【0015】また請求項19の発明は、溶媒は水である
ことを特徴とするものである。本発明に係る吸音材の製
造方法は、粉体を100重量部、バインダー樹脂を固形
分で0.5〜40重量部、溶媒を20〜300重量部配
合して吸音用塗料を調製し、この吸音用塗料を多孔質材
料の表面に塗布することを特徴とするものである。
【0016】また請求項21の発明は、粉体を100重
量部、バインダー樹脂を固形分で0.5〜40重量部、
溶媒を20〜300重量部配合して吸音用塗料を調製
し、この吸音用塗料を多孔質材料に含浸させることを特
徴とするものである。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、まず本発明の吸音材の実施
の形態を説明する。粉体は無機材料及び/又は有機材料
からなるものであり、例えば金マイカ、シリカ、アクリ
ル樹脂、タルク、珪酸カルシウム、フッ素樹脂、パーラ
イト、シラスバルーン、溶融シリカ、黒鉛、結晶セルロ
ース、炭化ケイ素、珪藻土、ナイロン、ポリエステル、
炭素繊維、二酸化チタン、炭酸カルシウム、ポリ塩化ビ
ニル、ポリメタクリル酸メチル、バリウムフェライト、
シリコーン等の粉体を挙げることができる。
【0018】粉体としてはこれらの中から任意の一つ以
上のものを選択して使用することができるが、中でも、
タルクやシラスバルーンや炭酸カルシウムを用いるのが
好ましい。タルク粉末は特に低周波数域の吸音効果が高
く、シラスバルーン粉末は低周波数域の吸音率は同じ条
件下ではタルク粉末より劣るが、中高音域で広い範囲に
おいて優れた吸音特性を有するものである。炭酸カルシ
ウムの吸音特性はタルクとシラスバルーンの中間的な特
性を示す。タルク粉末やシラスバルーン粉末は比較的安
価であり、炭酸カルシウムはさらに安価であり、コスト
ダウンにも役立つ。タルク粉末とシラスバルーン粉末と
炭酸カルシウム粉末は、こられのうち一つのみを用いる
ようにしても、二つ以上を併用してもいずれでもよい。
これらの中でも低周波域の吸音効果という意味では、特
にタルクが好ましい。
【0019】また、粉体としては、粒径が0.1〜10
00μmの範囲であって、嵩密度が0.1〜1.5g/
cm3 の範囲のものを用いるのが、吸音特性の向上を図
るうえで好ましい。すなわち、粒径が0.1μm未満の
粉体は実用上使用が困難であり、逆に粒径が1000μ
mを超えると、粉体による吸音効果が得難くなる。また
嵩密度が0.1g/cm3 未満のものは、嵩高くなるの
で粉体層や吸音材の薄型化が困難になり、逆に嵩密度が
1.5g/cm3 を超えると、粉体による吸音効果が得
難くなる。
【0020】バインダー樹脂としては、ポリエチレン樹
脂、ポリスチレン樹脂、メタクリル樹脂、ポリウレタン
樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、アクリル樹脂、塩
化ビニル樹脂、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル
等を使用することができるが、水溶性のフェノール樹
脂、アクリル樹脂、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビ
ニルのように水溶性の樹脂が、有機溶媒の排出を抑制す
る、あるいは作業環境等の観点から望ましい。特にフェ
ノール樹脂は熱硬化性樹脂であることから、吸音材の耐
熱性を高める上で効果があり、またフェノール樹脂やア
クリル樹脂は硬化後は水に不溶であるので、耐候性の良
い吸音材を得ることが可能になるものである。またポリ
ビニルアルコールやポリ酢酸ビニルは無機系の粉体との
親和性が高く、無機系粉末の保持の効果を高く得ること
ができるものであり、しかもこのポリビニルアルコール
やポリ酢酸ビニルは比較的安価であり、コストダウンに
も役立つ。これらのバインダー樹脂は、一種を単独で用
いる他、二種以上を併用することもできる。
【0021】本発明で使用する多孔質材料は、気泡や繊
維間の間隙などとして内部に多数の空隙を有するもので
あり、空隙が連続気孔として形成された発泡ポリウレタ
ン、グラスウール、ロックウール、不織布、フェルトか
ら選ばれるものを用いることができる。粉体層2は上記
の粉体4とバインダー樹脂5とからなるものであり、粉
体層2はその少なくとも一部が多孔質材料1の空隙部分
に入り込むようにして形成されているものであり、この
ように多孔質材料1に粉体層2を設けることによって、
吸音材Aを作製することができるものである。多孔質材
料1に粉体層2を形成するにあたっては、多孔質材料1
の表面に露出するように粉体層2を形成するようにして
も(図4(c)参照)、多孔質材料1の表層部内に粉体
層2を形成するようにしても(図4(a)参照)、多孔
質材料1の内部に粉体層2を形成するようにしても(図
4(b)参照)、いずれでもよい。粉体層2を設ける位
置が多孔質材料1の表面に近い程、低い周波数域の吸音
特性を高く得ることができ、また多孔質材料1の内部に
粉体層2を設けることによって高い周波数域の吸音特性
を高く得ることができるものであり、多孔質材料1に設
ける粉体層2の位置の設定によって、要求される吸音特
性に応じることができるものである。また粉体層2は、
多孔質材料1に1層設ける他に、多孔質材料1の両面に
形成して2層設けるようにしてもよく(図4(d)参
照)、さらに多層に設けるようにしてもよい。
【0022】ここで、粉体層2は、粉体4を100重量
部に対してバインダー樹脂5を固形分(すなわち樹脂
分)で0.5〜40重量部含有するものとして形成して
ある。バインダー樹脂5は粉体4の保持のために配合さ
れているものであり、本発明ではバインダー樹脂5の量
を少なくすることによって、粉体4の保持を確実にしな
がら、粉体4の振動や粉体/樹脂界面のずり応力や空気
の粘性減衰による吸音特性を発現させるようにし、特に
低周波数域の吸音特性に優れる粉体層2を形成すること
を可能にしたものである。すなわち、バインダー樹脂5
の量を上記の範囲に設定することによって、粉体4の振
動による吸音特性、特に低周波数域の吸音特性を損なう
ことなく、粉体4を確実に保持し、粉体4が移動したり
流出したりすることを防ぐことができるものであり、さ
らに、吸音材Aを切断しても切断面からの粉体4の脱落
を最小限に止めることが可能になるものである。これら
の点から、バインダー樹脂5の配合量は、粉体4が10
0重量部に対して1〜6重量部の範囲にするのが、より
好ましい。
【0023】ここで、上記のように多孔質材料1に粉体
層2を設けて吸音材Aを作製するにあたって、粉体層2
に含まれる粉体4の単位面積当たりの重量が0.3〜3
kg/m2 となるように粉体層2を形成するのが好まし
い。粉体4の単位面積当たりの重量が0.3kg/m2
未満の粉体層2では、吸音材Aの吸音特性は多孔質材料
1の吸音特性に近くなり、低周波数域の吸音特性を高く
得ることができない。逆に粉体4の単位面積当たりの重
量が3kg/m2 を超える粉体層2を形成すると、吸音
材Aの軽量化を達成することができなくなり、またこれ
以上の粉体層2を形成することは事実上困難である。従
って、吸音材Aの軽量化を維持しつつ低周波数域の吸音
特性を高く得るために、粉体層2に含まれる粉体4の単
位面積当たりの重量が0.3〜3kg/m2 となるよう
に粉体層2を形成するのが好ましい。この点から、粉体
層2に含まれる粉体4の単位面積当たりの重量が0.5
〜2kg/m2 となるように粉体層2を形成するのが、
より好ましい。
【0024】また、吸音材Aは粉体層2を設けた側と反
対側の面で取り付けを行なうようにして、粉体層2が固
定されない自由端になることが好ましい。これは、既述
した粉体4の振動や粉体/樹脂界面のずり応力や空気の
粘性減衰による吸音に加えて、粉体層2による付加重量
や、多孔質材料1をバネとしたバネ振動による吸音効果
も利用できるからである。
【0025】次に、上記の吸音材の粉体層を製造するの
に好ましい吸音用塗料について説明する。粉体やバイン
ダー樹脂の種類や量については、上記に示したとおりで
あるが、吸音用塗料ではそれに加えて溶媒が必要とな
る。溶媒としては、バインダー樹脂として水溶性のもの
を用いる場合には、水を使用することができるが、その
他、トルエン、THF、アセトン、ベンゼン、ヘキサ
ン、クロロホルム、ジクロロメタン、メタノール、エタ
ノール、プロパノールなど、アルコール系、ハロゲン
系、芳香族系や脂肪族炭化水素等の有機溶媒を使用する
こともできる。環境に配慮すれば、水を用いることが好
ましい。
【0026】そして粉体100重量部に、バインダー樹
脂を固形分(すなわち樹脂分)で0.5〜40重量部、
溶媒を20〜300重量部配合し、さらに必要に応じて
湿潤剤、分散剤、増粘剤、防腐剤などの添加剤を配合し
て混合することによって、本発明に係る吸音用塗料を調
製することができる。ここで、通常の塗料ではバインダ
ー樹脂は40重量部を大きく超えて多量に配合される
が、本発明の吸音用塗料ではこのように粉体100重量
部に対して0.5〜40重量部と非常に少なくなってい
る。これは、バインダー樹脂は通常の塗料のように塗膜
を形成することを目的とするものではなく、粉体の保持
のために配合されているものであり、このようにバイン
ダー樹脂量を少なくすることによって既述のように、粉
体の保持を確実にしながら、粉体の振動や粉体/樹脂界
面のずり応力や空気の粘性減衰による吸音特性を発現さ
せるようにし、特に低周波数域の吸音特性に優れる粉体
層を形成することを可能にしたものである。
【0027】また溶媒は、吸音用塗料の流動性を調整し
て吸音用塗料を塗布する際の作業性を高めるために用い
られるものであり、粉体100重量部に対する溶媒の配
合量が20重量部未満であると、吸音用塗料の粘度が高
く塗布が困難になる。逆に粉体100重量部に対する溶
媒の配合量が300重量部を超えると、吸音用塗料の粘
度が低くなり過ぎて粉体の沈降が生じ易く、粉体を均一
に分散させた粉体層を形成することが困難になる。ま
た、溶媒量が多いと、乾燥負荷が大きくなり環境に対し
ても好ましくない。
【0028】本発明の吸音用塗料を調製する手順の一例
を説明すると、例えば、溶媒として水を用い、粉体の分
散性や、溶媒あるいは吸音用塗料を塗布する多孔質材料
との親和性を高めるために、湿潤剤、分散剤を必要量添
加し、また、場合によっては消泡剤を添加して撹拌混合
する。こうして得られた溶液中に、バインダー樹脂を添
加して混合し、さらに粉体を添加して混合することによ
って、吸音用塗料を得ることができる。吸音用塗料を調
製する際に、撹拌方法によっては泡立つこともあるが、
このような場合には消泡剤を添加したり、撹拌混合後に
真空脱泡等して、泡を除去しておくのが望ましい。
【0029】上記のようにして得られた本発明に係る吸
音用塗料を、多孔質材料に塗布や含浸することによっ
て、粉体層を形成することができる。また、バインダー
樹脂の選択や、被塗布面の塗工前処理によって、吸音用
塗料の密着性を上げることができる。次に、吸音材の製
造方法について説明する。その方法の一つとして、多孔
質材料の表面に吸音用塗料を塗布する方法がある。吸音
用塗料の塗布はフローコーターやロールコーターやスプ
レーコート等を用いて行なうことができる。また多孔質
材料の一部、例えば多孔質材料の表層部を吸音用塗料に
漬け込んで、多孔質材料に吸音用塗料を含浸させる方法
もある。このように多孔質材料に吸音用塗料を塗布乃至
含浸させて粉体をバインダー樹脂と共に多孔質材料の空
隙内に入り込ませた後、吸音用塗料を乾燥してバインダ
ー樹脂を固化乃至硬化させることによって、バインダー
樹脂で粉体を保持して形成される粉体層を多孔質材料の
空隙に形成することができる。このように多孔質材料に
粉体層を形成することによって、本発明に係る吸音材を
作製することができるものである。この吸音材にあっ
て、粉体はバインダー樹脂で多孔質材料に保持されるの
で、粉体が移動したり流出したりして吸音特性が劣化す
ることを防ぐことができ、また吸音材を切断する際に切
断面から粉体が脱落することを防ぐことができるもので
ある。
【0030】さらに、吸音材の製造方法について具体的
な例を説明する。図1は多孔質材料1の表層部内に粉体
層2を形成するようにしたものであり(請求項4)、多
孔質材料1の表面に吸音用塗料3を塗布した後、ヘラ1
0で多孔質材料1の表面に吸音用塗料3をこすり付ける
にあたって、図1(a)のようにヘラ10の先端を多孔
質材料1の表面に沿って移動させることによって、吸音
用塗料3の粉体4をバインダー樹脂5と共に多孔質材料
1の表層部の空隙内に入り込ませ、そしてこれを乾燥す
ることによって、図1(b)のように、粉体4が固化乃
至硬化したバインダー樹脂5で保持されて形成される粉
体層2を、多孔質材料1の表面とほぼ面一になるように
多孔質材料1の表層部に埋入させて設けた吸音材Aを得
ることができるものである。
【0031】図2は多孔質材料1の内部に粉体層2を形
成するようにしたものであり(請求項5)、多孔質材料
1の表面に吸音用塗料3を塗布した後、ヘラ10で多孔
質材料1の表面に吸音用塗料3をこすり付けるにあたっ
て、図2(a)のようにヘラ10の先端を多孔質材料1
に押しつけて多孔質材料1を圧縮させるようにしながら
移動させることによって、吸音用塗料3の粉体4をバイ
ンダー樹脂5と共に多孔質材料1の内部の空隙内に入り
込ませるようにしてある。このようにヘラ10で多孔質
材料1を圧縮させて吸音用塗料3の粉体4をバインダー
樹脂5と共に多孔質材料1の内部の空隙内に入り込ませ
ると、ヘラ10が通過した後に多孔質材料1が弾性復元
する際に、一部のバインダー樹脂5は多孔質材料1に付
着して多孔質材料1の表層部に戻るが、粉体4は多孔質
材料1の内部の空隙内に残されたままになり、多孔質材
料1の表層部には戻らない。従ってこれを乾燥すること
によって、図2(b)のように、粉体4が固化乃至硬化
したバインダー樹脂5で保持されて形成される粉体層2
を、多孔質材料1の内部に埋入させて設けた吸音材Aを
得ることができるものである。
【0032】図3は多孔質材料1の表面に露出させて粉
体層2を形成するようにしたものであり(請求項3)、
多孔質材料1の表面に吸音用塗料3を塗布した後、ヘラ
10で多孔質材料1の表面に吸音用塗料3をこすり付け
るにあたって、図3(a)のようにヘラ10の先端を多
孔質材料1の表面から若干離しながら多孔質材料1の表
面と平行に移動させることによって、吸音用塗料3の粉
体4の一部をバインダー樹脂5とともに多孔質材料1の
表層部の空隙内に入り込ませると共に、粉体4の他の一
部はバインダー樹脂5とともに多孔質材料1の表面に露
出させておき、そしてこれを乾燥することによって、図
3(b)のように、粉体4が固化乃至硬化したバインダ
ー樹脂5で保持されて形成される粉体層2を、一部が多
孔質材料1の表層部に埋入され他の一部が多孔質材料1
の表面から露出するようにして設けた吸音材Aを得るこ
とができるものである。
【0033】上記のようにヘラ10の操作で、図1のよ
うに多孔質材料1の表層部内に粉体層2を形成したり、
図2のように多孔質材料1の内部に粉体層2を形成した
り、図3のように多孔質材料1の表面に露出するように
粉体層2を形成したりすることができるが、図2のよう
に多孔質材料1の内部に粉体層2を形成する場合には、
吸音用塗料3として溶媒の配合量を多くして粘度を低く
調整したものを用いるのが好ましく、図3のように多孔
質材料1の表面に露出するように粉体層2を形成する場
合には、吸音用塗料3として溶媒の配合量を少なくして
粘度を高く調整したものを用いるのが好ましい。図1の
ように多孔質材料1の表層部内に粉体層2を形成する場
合には、この中間の粘度になるように溶媒の配合量を調
整するのがよい。また、多孔質材料1の連続気孔を利用
して、多孔質材料1の吸音用塗料3を塗布した反対側の
面から吸引等することによって、多孔質材料1の内部に
深く吸音用塗料3を浸透させ、粉体層2を多孔質材料1
の内部深く形成することも可能である。
【0034】尚、上記のように多孔質材料1に吸音用塗
料3を塗布乃至含浸させ、そのまま乾燥することによっ
て吸音材Aを作製することができるが、吸音材Aの表面
性状が問題となる場合などには、紙や樹脂フィルム、不
織布等の表面材を多孔質材料1の表面に重ね、吸音用塗
料3に含まれるバインダー樹脂を利用して表面材を多孔
質材料1に接着するようにしてもよい。このときバイン
ダー樹脂として熱硬化性樹脂を用いる場合は、表面材を
多孔質材料1の表面に重ねた後に熱プレス等することに
よって、バインダー樹脂を硬化させると同時に表面材を
多孔質材料1に接着することができる。勿論、多孔質材
料1に吸音用塗料3を塗布乃至含浸させて乾燥すること
によって得られた吸音材Aに、表面材を接着剤で接着す
るようにしてもよい。
【0035】
【実施例】次に、本発明を実施例によって具体的に説明
する。 (実施例1)タルク粉末(嵩密度0.4g/cm3 、平
均粒径20μm)を10重量部、ポリビニルアルコール
とポリ酢酸ビニルを主成分とするバインダー樹脂(ヤマ
ト株式会社製液状糊「アラビックヤマト」:ポリビニル
アルコール固形分11重量%、ポリ酢酸ビニル固形分2
重量%、水82〜84重量%、残りは香料と防腐剤)を
2重量部、及び水を9重量部配合し、これを撹拌混合す
ることによって、タルク−ポリビニルアルコール−ポリ
酢酸ビニル系の吸音用塗料を調製した。
【0036】次に、連続気孔を有する多孔質材料である
発泡ポリウレタン(密度16kg/m3 、厚さ30m
m)の表面に吸音用塗料をタルク粉末の重量換算で1k
g/m2 の塗布量で塗布し、図1(a)に示すようにヘ
ラを操作して吸音用塗料を塗り込んだ後、常温で24時
間乾燥することによって、図4(a)のように多孔質材
料1の表面とほぼ面一になるように粉体層2を多孔質材
料1の表層部に埋入させて設けた吸音材Aを得た。
【0037】(実施例2)実施例1と同じタルク粉末を
10重量部、実施例1と同じバインダー樹脂を2重量
部、水を11重量部配合し、これを撹拌混合することに
よって、タルク−ポリビニルアルコール−ポリ酢酸ビニ
ル系の吸音用塗料を調製した。次に、連続気孔を有する
多孔質材料として実施例1と同じ発泡ポリウレタンを用
い、発泡ポリウレタンの表面に吸音用塗料をタルク粉末
の重量換算で1kg/m2 の塗布量で塗布し、図2
(a)に示すようにヘラを操作して吸音用塗料を塗り込
んだ後、常温で24時間乾燥することによって、図4
(b)のように多孔質材料1の内部に粉体層2を埋入さ
せて設けた吸音材Aを得た。
【0038】(実施例3)実施例1と同じタルク粉末を
10重量部、実施例1と同じバインダー樹脂を2重量
部、水を7重量部配合し、これを撹拌混合することによ
って、タルク−ポリビニルアルコール−ポリ酢酸ビニル
系の吸音用塗料を調製した。次に、連続気孔を有する多
孔質材料として実施例1と同じ発泡ポリウレタンを用
い、発泡ポリウレタンの表面に吸音用塗料をタルク粉末
の重量換算で1kg/m2 の塗布量で塗布し、図3
(a)に示すようにヘラを操作して吸音用塗料を塗り込
んだ後、常温で24時間乾燥することによって、図4
(c)のように一部が多孔質材料1の表層部に埋入され
他の一部が多孔質材料1の表面から露出するように粉体
層2を設けた吸音材Aを得た。
【0039】(実施例4)実施例1と同じタルク粉末を
10重量部、実施例1と同じバインダー樹脂を2重量
部、水を12重量部配合し、これを撹拌混合することに
よって、タルク−ポリビニルアルコール−ポリ酢酸ビニ
ル系の吸音用塗料を調製した。次に、連続気孔を有する
多孔質材料として実施例1と同じ発泡ポリウレタンを用
い、発泡ポリウレタンの一方の片面に吸音用塗料をタル
ク粉末の重量換算で1kg/m2 の塗布量で塗布し、図
2(a)に示すようにヘラを操作して吸音用塗料を塗り
込んだ後、常温で24時間乾燥し、さらに発泡ポリウレ
タンの他方の片面に吸音用塗料をタルク粉末の重量換算
で1kg/m2 の塗布量で塗布し、図2(a)に示すよ
うにヘラを操作して吸音用塗料を塗り込んだ後、常温で
24時間乾燥することによって、図4(d)のように多
孔質材料1の内部に2層の粉体層2を埋入させて設けた
吸音材Aを得た。
【0040】(実施例5)タルク粉末(嵩密度0.4g
/cm3 、平均粒径18μm)を10重量部、ポリビニ
ルアルコールを主成分とするバインダー樹脂溶液(中央
理化工業株式会社製「GH−17」:ポリビニルアルコ
ール固形分10重量%、水90重量%)を3重量部、及
び水を8重量部配合し、さらに湿潤剤(サンノプコ社製
「ノプコウェット50」)を0.1重量部、分散剤(サ
ンノプコ社製「ハイドロパラート1706」)を0.1
重量部、消泡剤(旭電化社製「アデカネートB−94
0」)を0.05重量部配合し、これを撹拌混合するこ
とによって、タルク−ポリビニルアルコール系の吸音用
塗料を調製した。
【0041】次に、連続気孔を有する多孔質材料として
実施例1と同じ発泡ポリウレタンを用い、発泡ポリウレ
タンの表面に吸音用塗料をタルク粉末の重量換算で1k
g/m2 の塗布量で塗布し、図1(a)に示すようにヘ
ラを操作して吸音用塗料を塗り込んだ後、80℃の乾燥
機で1時間乾燥することによって、図4(a)のように
多孔質材料1の表面とほぼ面一になるように粉体層2を
多孔質材料1の表層部に埋入させて設けた吸音材Aを得
た。
【0042】(実施例6)シラスバルーン粉末(嵩密度
0.26g/cm3 、平均粒径220μm)を5重量
部、実施例5と同じバインダー樹脂溶液を3重量部、水
を8重量部、実施例5と同じ湿潤剤と分散剤と消泡剤を
それぞれ0.1重量部と0.1重量部と0.05重量部
配合し、これを撹拌混合することによって、シラスバル
ーン−ポリビニルアルコール系の吸音用塗料を調製し
た。
【0043】次に、連続気孔を有する多孔質材料として
実施例1と同じ発泡ポリウレタンを用い、発泡ポリウレ
タンの表面に吸音用塗料をシラスバルーン粉末の重量換
算で0.5kg/m2 の塗布量になるように塗布し、図
1(a)に示すようにヘラを操作して吸音用塗料を塗り
込んだ後、80℃の乾燥機で1時間乾燥することによっ
て、図4(a)のように多孔質材料1の表面とほぼ面一
になるように粉体層2を多孔質材料1の表層部に埋入さ
せて設けた吸音材Aを得た。
【0044】(実施例7)シリコーン粉末(嵩密度0.
16g/cm3 、平均粒径40μm)を10重量部、実
施例5と同じバインダー樹脂溶液を3重量部、水を8重
量部、実施例5と同じ湿潤剤と分散剤と消泡剤をそれぞ
れ0.1重量部と0.1重量部と0.05重量部配合
し、これを撹拌混合することによって、シリコーン−ポ
リビニルアルコール系の吸音用塗料を調製した。
【0045】次に、連続気孔を有する多孔質材料として
実施例1と同じ発泡ポリウレタンを用い、発泡ポリウレ
タンの表面に吸音用塗料をシリコーン粉末の重量換算で
1kg/m2 の塗布量になるように塗布し、図1(a)
に示すようにヘラを操作して吸音用塗料を塗り込んだ
後、80℃の乾燥機で1時間乾燥することによって、図
4(a)のように多孔質材料1の表面とほぼ面一になる
ように粉体層2を多孔質材料1の表層部に埋入させて設
けた吸音材Aを得た。
【0046】(実施例8)フッ素樹脂粉末(嵩密度0.
4g/cm3 、平均粒径47μm)を10重量部、実施
例5と同じバインダー樹脂溶液を3重量部、水を8重量
部、実施例5と同じ湿潤剤と分散剤と消泡剤をそれぞれ
0.1重量部と0.1重量部と0.05重量部配合し、
これを撹拌混合することによって、フッ素樹脂−ポリビ
ニルアルコール系の吸音用塗料を調製した。
【0047】次に、連続気孔を有する多孔質材料として
実施例1と同じ発泡ポリウレタンを用い、発泡ポリウレ
タンの表面に吸音用塗料をフッ素樹脂粉末の重量換算で
1kg/m2 の塗布量になるように塗布し、図1(a)
に示すようにヘラを操作して吸音用塗料を塗り込んだ
後、80℃の乾燥機で1時間乾燥することによって、図
4(a)のように多孔質材料1の表面とほぼ面一になる
ように粉体層2を多孔質材料1の表層部に埋入させて設
けた吸音材Aを得た。
【0048】(実施例9)実施例5と同様にしてタルク
−ポリビニルアルコール系の吸音用塗料を調製した。次
に、連続気孔を有する多孔質材料であるグラスウール
(密度32kg/m3、厚さ25mm)の表面に吸音用
塗料をタルク粉末の重量換算で1kg/m2 の塗布量と
なるように塗布し、図1(a)に示すようにヘラを操作
して吸音用塗料を塗り込んだ後、80℃の乾燥機で1時
間乾燥することによって、図4(a)のように多孔質材
料1の表面とほぼ面一になるように粉体層2を多孔質材
料1の表層部に埋入させて設けた吸音材Aを得た。
【0049】(実施例10)実施例5と同じタルク粉末
を10重量部、アクリル樹脂を主成分とするバインダー
樹脂溶液(中央理化工業株式会社製「SA−203」:
アクリル樹脂固形分40重量%、水60重量%、分散剤
微量添加)を0.75重量部、及び水を9重量部配合
し、さらに実施例5と同じ湿潤剤と分散剤と消泡剤をそ
れぞれ0.1重量部と0.1重量部と0.05重量部配
合し、これを撹拌混合することによって、タルク−アク
リル樹脂系の吸音用塗料を調製した。
【0050】次に、連続気孔を有する多孔質材料として
実施例1と同じ発泡ポリウレタンを用い、発泡ポリウレ
タンの表面に吸音用塗料をタルク粉末の重量換算で1k
g/m2 の塗布量になるように塗布し、図1(a)に示
すようにヘラを操作して吸音用塗料を塗り込んだ後、8
0℃の乾燥機で1時間乾燥することによって、図4
(a)のように多孔質材料1の表面とほぼ面一になるよ
うに粉体層2を多孔質材料1の表層部に埋入させて設け
た吸音材Aを得た。
【0051】(実施例11)実施例5と同じタルク粉末
を10重量部、水溶性フェノール樹脂を主成分とするバ
インダー樹脂溶液(松下電工株式会社製「CJ220
2」:フェノール樹脂固形分50重量%、水50重量
%)を0.6重量部、及び水を9重量部配合し、これを
撹拌混合することによって、タルク−フェノール樹脂系
の吸音用塗料を調製した。
【0052】次に、連続気孔を有する多孔質材料として
実施例9と同じグラスウールを用い、グラスウールの表
面に吸音用塗料をタルク粉末の重量換算で1kg/m2
の塗布量になるように塗布し、図1(a)に示すように
ヘラを操作して吸音用塗料を塗り込んだ後、200℃の
乾燥機で1時間乾燥することによって、図4(a)のよ
うに多孔質材料1の表面とほぼ面一になるように粉体層
2を多孔質材料1の表層部に埋入させて設けた吸音材A
を得た。
【0053】(実施例12)実施例5と同じタルク粉末
を10重量部、実施例5と同じバインダー樹脂溶液を1
重量部、水を11重量部、実施例5と同じ湿潤剤と分散
剤と消泡剤をそれぞれ0.1重量部と0.1重量部と
0.05重量部配合し、これを撹拌混合することによっ
て、タルク−ポリビニルアルコール系の吸音用塗料を調
製した。
【0054】次に、連続気孔を有する多孔質材料として
実施例1と同じ発泡ポリウレタンを用い、発泡ポリウレ
タンの表面に吸音用塗料をタルク粉末の重量換算で1k
g/m2 の塗布量になるように塗布し、図1(a)に示
すようにヘラを操作して吸音用塗料を塗り込んだ後、8
0℃の乾燥機で1時間乾燥することによって、図4
(a)のように多孔質材料1の表面とほぼ面一になるよ
うに粉体層2を多孔質材料1の表層部に埋入させて設け
た吸音材Aを得た。
【0055】(実施例13)実施例5と同じタルク粉末
を10重量部、実施例10と同じバインダー樹脂溶液を
10.7重量部、水を10重量部、実施例5と同じ湿潤
剤と分散剤と消泡剤をそれぞれ0.1重量部と0.1重
量部と0.05重量部配合し、これを撹拌混合すること
によって、タルク−アクリル樹脂系の吸音用塗料を調製
した。
【0056】次に、連続気孔を有する多孔質材料として
実施例1と同じ発泡ポリウレタンを用い、発泡ポリウレ
タンの表面に吸音用塗料をタルク粉末の重量換算で1k
g/m2 の塗布量になるように塗布し、図1(a)に示
すようにヘラを操作して吸音用塗料を塗り込んだ後、8
0℃の乾燥機で1時間乾燥することによって、図4
(a)のように多孔質材料1の表面とほぼ面一になるよ
うに粉体層2を多孔質材料1の表層部に埋入させて設け
た吸音材Aを得た。
【0057】(実施例14)炭酸カルシウム粉末(嵩密
度0.3g/cm3 、平均粒径7μm)を10重量部、
実施例5と同じバインダー樹脂溶液を3重量部、水を
1.5重量部、実施例5と同じ湿潤剤と分散剤と消泡剤
をそれぞれ0.05重量部と0.1重量部と0.05重
量部配合し、これを撹拌混合することによって、炭酸カ
ルシウム−ポリビニルアルコール系の吸音用塗料を調製
した。
【0058】次に、連続気孔を有する多孔質材料として
実施例1と同じ発泡ポリウレタンを用い、発泡ポリウレ
タンの表面に吸音用塗料を炭酸カルシウム粉末の重量換
算で1kg/m2 の塗布量になるように塗布し、図1
(a)に示すようにヘラを操作して吸音用塗料を塗り込
んだ後、80℃の乾燥機で1時間乾燥することによっ
て、図4(a)のように多孔質材料1の表面とほぼ面一
になるように粉体層2を多孔質材料1の表層部に埋入さ
せて設けた吸音材Aを得た。
【0059】(実施例15)炭酸カルシウム粉末(嵩密
度0.8g/cm3 、平均粒径7μm)を10重量部、
実施例10と同じバインダー樹脂溶液を4重量部、実施
例5と同じ湿潤剤と分散剤と消泡剤をそれぞれ0.05
重量部と0.1重量部と0.05重量部配合し、これを
撹拌混合することによって、炭酸カルシウム−アクリル
樹脂系の吸音用塗料を調製した。
【0060】次に、連続気孔を有する多孔質材料である
発泡ポリウレタン(密度16kg/m3 、厚さ10m
m)の表面に吸音用塗料をタルク粉末の重量換算で1k
g/m2 の塗布量で塗布し、図1(a)に示すようにヘ
ラを操作して吸音用塗料を塗り込んだ後、80℃の乾燥
機で1時間乾燥することによって、図4(a)のように
多孔質材料1の表面とほぼ面一になるように粉体層2を
多孔質材料1の表層部に埋入させて設けた吸音材Aを得
た。
【0061】(実施例16)実施例5と同じタルク粉末
を10重量部、ポリビニルアルコールを主成分とするバ
インダー樹脂溶液(中央理化工業株式会社製「GH−1
7」:ポリビニルアルコール固形分15重量%、水85
重量%)を0.33重量部、及び水を8重量部配合し、
実施例5と同じ湿潤剤と分散剤と消泡剤をそれぞれ0.
05重量部と0.1重量部と0.05重量部配合し、こ
れを撹拌混合することによって、タルク−ポリビニルア
ルコール系の吸音用塗料を調製した。
【0062】次に、連続気孔を有する多孔質材料である
発泡ポリウレタン(密度16kg/m3 、厚さ10m
m)の表面に吸音用塗料をタルク粉末の重量換算で0.
5kg/m2 の塗布量で塗布し、図1(a)に示すよう
にヘラを操作して吸音用塗料を塗り込んだ後、80℃で
1時間乾燥することによって、図4(a)のように多孔
質材料1の表面とほぼ面一になるように粉体層2を多孔
質材料1の表層部に埋入させて設けた吸音材Aを得た。
【0063】(実施例17)実施例5と同じタルク粉末
を10重量部、実施例16と同じバインダー樹脂溶液を
1.33重量部、及び水を7重量部配合し、実施例5と
同じ湿潤剤と分散剤と消泡剤をそれぞれ0.05重量部
と0.01重量部、0.05重量部配合し、これを撹拌
混合することによって、タルク−ポリビニルアルコール
系の吸音用塗料を調製した。
【0064】次に、連続気孔を有する多孔質材料として
実施例16と同じ発泡ポリウレタンを用い、発泡ポリウ
レタンの表面に吸音用塗料をタルク粉末の重量換算で
0.5kg/m2 の塗布量で塗布し、図1(a)に示す
ようにヘラを操作して吸音用塗料を塗り込んだ後、80
℃で1時間乾燥することによって、図4(a)のように
多孔質材料1の表面とほぼ面一になるように粉体層2を
多孔質材料1の表層部に埋入させて設けた吸音材Aを得
た。
【0065】(実施例18)実施例5と同じタルク粉末
を10重量部、実施例16と同じバインダー樹脂溶液を
2重量部、及び水を6重量部配合し、実施例5と実施例
5と同じ湿潤剤と分散剤と消泡剤をそれぞれ0.05重
量部と0.1重量部と0.05重量部配合し、タルク−
ポリビニルアルコール系の吸音用塗料を調製した。
【0066】次に、連続気孔を有する多孔質材料として
実施例16と同じ発泡ポリウレタンを用い、発泡ポリウ
レタンの表面に吸音用塗料をタルク粉末の重量換算で
0.5kg/m2 の塗布量で塗布し、図1(a)に示す
ようにヘラを操作して吸音用塗料を塗り込んだ後、80
℃で1時間乾燥することによって、図4(a)のように
多孔質材料1の表面とほぼ面一になるように粉体層2を
多孔質材料1の表層部に埋入させて設けた吸音材Aを得
た。
【0067】(実施例19)実施例5と同じタルク粉末
を10重量部、実施例16と同じバインダー樹脂溶液を
4重量部、及び水を5重量部配合し、実施例5と実施例
5と同じ湿潤剤と分散剤と消泡剤をそれぞれ0.1重量
部と0.1重量部、0.05重量部配合し、タルク−ポ
リビニルアルコール系の吸音用塗料を調製した。
【0068】次に、連続気孔を有する多孔質材料として
実施例15と同じ発泡ポリウレタンを用い、発泡ポリウ
レタンの表面に吸音用塗料をタルク粉末の重量換算で
0.5kg/m2 の塗布量で塗布し、図1(a)に示す
ようにヘラを操作して吸音用塗料を塗り込んだ後、80
℃で1時間乾燥することによって、図4(a)のように
多孔質材料1の表面とほぼ面一になるように粉体層2を
多孔質材料1の表層部に埋入させて設けた吸音材Aを得
た。
【0069】(実施例20)実施例5と同じタルク粉末
を10重量部、実施例16と同じバインダー樹脂溶液を
13.3重量部、及び水を5重量部配合し、実施例5と
同じ湿潤剤と分散剤と消泡剤をそれぞれ0.3重量部と
0.1重量部と0.05重量部配合し、タルク−ポリビ
ニルアルコール系の吸音用塗料を調製した。
【0070】次に、連続気孔を有する多孔質材料として
実施例16と同じ発泡ポリウレタンを用い、発泡ポリウ
レタンの表面に吸音用塗料をタルク粉末の重量換算で
0.5kg/m2 の塗布量で塗布し、図1(a)に示す
ようにヘラを操作して吸音用塗料を塗り込んだ後、80
℃で1時間乾燥することによって、図4(a)のように
多孔質材料1の表面とほぼ面一になるように粉体層2を
多孔質材料1の表層部に埋入させて設けた吸音材Aを得
た。
【0071】(実施例21)実施例5と同じタルク粉末
を10重量部、実施例16と同じバインダー樹脂溶液を
26.7重量部、及び水を5重量部配合し、実施例5と
同じ湿潤剤と分散剤と消泡剤をそれぞれ0.1重量部と
0.3重量部と0.05重量部配合し、タルク−ポリビ
ニルアルコール系の吸音用塗料を調製した。
【0072】次に、連続気孔を有する多孔質材料として
実施例16と同じ発泡ポリウレタンを用い、発泡ポリウ
レタンの表面に吸音用塗料をタルク粉末の重量換算で
0.5kg/m2 の塗布量で塗布し、図1(a)に示す
ようにヘラを操作して吸音用塗料を塗り込んだ後、80
℃で1時間乾燥することによって、図4(a)のように
多孔質材料1の表面とほぼ面一になるように粉体層2を
多孔質材料1の表層部に埋入させて設けた吸音材Aを得
た。
【0073】(実施例22)実施例5と同じタルク粉末
を10重量部、実施例16と同じバインダー樹脂溶液を
0.33重量部、及び水を8重量部配合し、実施例5と
同じ湿潤剤と分散剤と消泡剤をそれぞれ0.1重量部と
0.1重量部と0.05重量部配合し、タルク−ポリビ
ニルアルコール系の吸音用塗料を調製した。
【0074】次に、連続気孔を有する多孔質材料として
実施例16と同じ発泡ポリウレタンを用い、発泡ポリウ
レタンの表面に吸音用塗料をタルク粉末の重量換算で1
kg/m2 の塗布量で塗布し、図1(a)に示すように
ヘラを操作して吸音用塗料を塗り込んだ後、80℃で1
時間乾燥することによって、図4(a)のように多孔質
材料1の表面とほぼ面一になるように粉体層2を多孔質
材料1の表層部に埋入させて設けた吸音材Aを得た。
【0075】(実施例23)実施例5と同じタルク粉末
を10重量部、実施例16と同じバインダー樹脂溶液を
2重量部、及び水を6重量部配合し、実施例5と同じ湿
潤剤と分散剤と消泡剤をそれぞれ0.05重量部と0.
2重量部と0.05重量部配合し、これを撹拌混合する
ことによって、タルク−ポリビニルアルコール系の吸音
用塗料を調製した。
【0076】次に、連続気孔を有する多孔質材料として
実施例16と同じ発泡ポリウレタンを用い、発泡ポリウ
レタンの表面に吸音用塗料をタルク粉末の重量換算で1
kg/m2 の塗布量で塗布し、図1(a)に示すように
ヘラを操作して吸音用塗料を塗り込んだ後、80℃で1
時間乾燥することによって、図4(a)のように多孔質
材料1の表面とほぼ面一になるように粉体層2を多孔質
材料1の表層部に埋入させて設けた吸音材Aを得た。
【0077】(実施例24)実施例5と同じタルク粉末
を10重量部、実施例16と同じバインダー樹脂溶液を
26.7重量部、及び水を5重量部配合し、実施例5と
同じ湿潤剤と分散剤と消泡剤をそれぞれ0.15重量部
と0.1重量部と0.05重量部配合し、タルク−ポリ
ビニルアルコール系の吸音用塗料を調製した。
【0078】次に、連続気孔を有する多孔質材料として
実施例16と同じ発泡ポリウレタンを用い、発泡ポリウ
レタンの表面に吸音用塗料をタルク粉末の重量換算で1
kg/m2 の塗布量で塗布し、図1(a)に示すように
ヘラを操作して吸音用塗料を塗り込んだ後、80℃で1
時間乾燥することによって、図4(a)のように多孔質
材料1の表面とほぼ面一になるように粉体層2を多孔質
材料1の表層部に埋入させて設けた吸音材Aを得た。
【0079】(実施例25)実施例5と同じタルク粉末
を10重量部、実施例16と同じバインダー樹脂溶液を
2重量部、及び水を6重量部配合し、実施例5と同じ湿
潤剤と分散剤と消泡剤をそれぞれ0.05重量部と0.
1重量部、0.05重量部配合し、タルク−ポリビニル
アルコール系の吸音用塗料を調製した。
【0080】次に、連続気孔を有する多孔質材料として
実施例16と同じ発泡ポリウレタンを用い、発泡ポリウ
レタンの表面に吸音用塗料をタルク粉末の重量換算で
0.3kg/m2 の塗布量で塗布し、図1(a)に示す
ようにヘラを操作して吸音用塗料を塗り込んだ後、80
℃で1時間乾燥することによって、図4(a)のように
多孔質材料1の表面とほぼ面一になるように粉体層2を
多孔質材料1の表層部に埋入させて設けた吸音材Aを得
た。
【0081】(実施例26)実施例5と同じタルク粉末
を10重量部、実施例16と同じバインダー樹脂溶液を
2重量部、及び水を6重量部配合し、実施例5と同じ湿
潤剤と分散剤と消泡剤をそれぞれ0.1重量部と0.0
1重量部と0.05重量部配合し、タルク−ポリビニル
アルコール系の吸音用塗料を調製した。
【0082】次に、連続気孔を有する多孔質材料として
実施例16と同じ発泡ポリウレタンを用い、発泡ポリウ
レタンの表面に吸音用塗料をタルク粉末の重量換算で
0.8kg/m2 の塗布量で塗布し、図1(a)に示す
ようにヘラを操作して吸音用塗料を塗り込んだ後、80
℃で1時間乾燥することによって、図4(a)のように
多孔質材料1の表面とほぼ面一になるように粉体層2を
多孔質材料1の表層部に埋入させて設けた吸音材Aを得
た。
【0083】(実施例27)実施例5と同じタルク粉末
を10重量部、実施例16と同じバインダー樹脂溶液を
2重量部、及び水を6重量部配合し、実施例5と同じ湿
潤剤と分散剤と消泡剤をそれぞれ0.1重量部と0.1
重量部と0.05重量部配合し、タルク−ポリビニルア
ルコール系の吸音用塗料を調製した。
【0084】次に、連続気孔を有する多孔質材料として
実施例16と同じ発泡ポリウレタンを用い、発泡ポリウ
レタンの表面に吸音用塗料をタルク粉末の重量換算で
1.5kg/m2 の塗布量で塗布し、図1(a)に示す
ようにヘラを操作して吸音用塗料を塗り込んだ後、80
℃で1時間乾燥することによって、図4(a)のように
多孔質材料1の表面とほぼ面一になるように粉体層2を
多孔質材料1の表層部に埋入させて設けた吸音材Aを得
た。
【0085】(実施例28)実施例5と同じタルク粉末
を10重量部、実施例16と同じバインダー樹脂溶液を
2重量部、及び水を6重量部配合し、実施例5と同じ湿
潤剤と分散剤と消泡剤をそれぞれ0.01重量部と0.
1重量部、0.05重量部配合し、タルク−ポリビニル
アルコール系の吸音用塗料を調製した。
【0086】次に、連続気孔を有する多孔質材料として
実施例16と同じ発泡ポリウレタンを用い、発泡ポリウ
レタンの表面に吸音用塗料をタルク粉末の重量換算で
1.7kg/m2 の塗布量で塗布し、図1(a)に示す
ようにヘラを操作して吸音用塗料を塗り込んだ後、80
℃で1時間乾燥することによって、図4(a)のように
多孔質材料1の表面とほぼ面一になるように粉体層2を
多孔質材料1の表層部に埋入させて設けた吸音材Aを得
た。
【0087】(比較例1)連続気孔を有する多孔質材料
の発泡ポリウレタン(密度16kg/m3 、厚さ30m
m)を吸音材として使用した。 (比較例2)タルク粉末(嵩密度0.4g/cm3 、平
均粒径20μm)を上面が開口した容器に30mmの厚
さで充填することによって、吸音材を得た。
【0088】(比較例3)連続気孔を有する多孔質材料
の発泡ポリウレタン(密度14kg/m3 、厚さ30m
m)の上に、タルク粉末(嵩密度0.4g/cm3 、平
均粒径20μm)を1kg/m2 の散布量で均一に散布
して、厚み3mmの粉体層を形成させることによって、
吸音材を得た。
【0089】(比較例4)多孔質材料のグラスウール
(密度32kg/m3 、厚さ25mm)を吸音材として
使用した。 (比較例5)連続気孔を有する多孔質材料の発泡ポリウ
レタン(密度16kg/m3 、厚さ10mm)を吸音材
として使用した。
【0090】上記の実施例1〜28及び比較例1〜5で
得た吸音材について、吸音率をJIS A 1405
「管内法による建築材料の垂直入射吸音率測定方法」に
基づいて測定した。粉体を塗布した吸音材については、
粉体層が自由端になるように、粉体層の塗布面を音源側
(端板で固定されない側)にして測定した。それらの結
果を図5〜図32に示す。
【0091】また実施例1と比較例1で得た吸音材を、
厚さ2.5mmの2枚の合板を30mmの間隔で配置し
た二重構造パネル内に挿入し、1/3オクターブバンド
中心周波数での音響透過損失をJIS A 1416
「実験室における音響透過損失測定方法」に基づいて測
定した。ただし、開口部面積は1.58m2 で測定。結
果を図33に示す。
【0092】さらに、実施例1と同じ配合で調製した吸
音用塗料を、実施例1と同じ発泡ポリウレタンに実施例
1と同様にしてタルク粉末の重量換算で0.5kg/m
2、1.0kg/m2 、2.0kg/m2 の塗布量で塗
布して得られた吸音材を用い、面重量1.5kg/m2
の2枚の合板を30mmの間隔で配置した二重構造パネ
ル内にこの吸音材を挿入し、音響透過損失を上記と同様
にして測定した。尚、比較のために、上記の二重構造パ
ネル内に発泡ポリウレタン(密度16kg/m3 、厚さ
30mm)を挿入した場合、及び上記の二重構造パネル
内が空洞のままのもの(空気層)についても同様に音響
透過損失を同様にして測定した。結果を図34に示す。
【0093】ここで図4にみられるように、実施例1の
ものでは、多孔質材料1の内部に粉体層2の全部を保持
しながら、多孔質材料1の上面と粉体層2の上面がほぼ
一致するようになっている。また実施例2のものでは、
多孔質材料1の内部に粉体層2の全部が保持され、しか
も多孔質材料1の表面よりも粉体層2の上面が下方に位
置している。さらに実施例3のものでは、多孔質材料1
の表面で粉体層2を形成すると共にその一部が多孔質材
料1内に保持されるようになっている。また実施例4の
ものでは、多孔質材料1内に2層の粉体層2が存在し、
その位置は、多孔質材料1の上下面のやや内側にある。
そして実施例1〜4の水の量と多孔質材料1に設けられ
る粉体層2の位置の関係をみると、へらによる操作の他
に、吸音用塗料の水(溶媒)の量で粉体層2を設ける位
置を操作できることがわかる。
【0094】また、図5、図6、図7はそれぞれ実施例
1、実施例2、実施例3の吸音特性の結果を示している
が、多孔質材料1の内部に粉体層2の全部を保持しなが
ら、多孔質材料1の上面と粉体層2の上面がほぼ一致す
るようになっている実施例1のものが最も低い周波数に
吸音のピークを示しており、低周波数域の吸音特性を重
視する場合には、特に望ましい構成であることがわか
る。また、いずれの実施例のものも垂直入射法で吸音率
を計測するために、φ84mmにカットしているが、継
続的な粉体の漏れは認められない。
【0095】次に、図5〜図32の吸音特性ならびに粉
体の保持状態を比較例と比べると、本発明の実施例1〜
28ではいずれも、比較例1、比較例4、比較例5の従
来の多孔質吸音材である発泡ポりウレタンあるいはグラ
スウールよりも低周波数域で優れた吸音特性を示してい
る。比較例2では、粉体のみで吸音材を構成している
が、吸音特性が特定の周波数で鋭いピークを示すものと
なっており、吸音する周波数の幅が狭い。これに対し
て、実施例1〜5、実施例9〜13および実施例16〜
28の吸音材では、比較例2と同様のタルク粉末を用い
ているが、吸音ピーク周波数は若干高くなるものの、吸
音特性が広い周波数範囲に及んでいる。
【0096】また、比較例2は粉体を容器に充填しただ
けであるので、傾けたり、揺すったりすると粉体が偏っ
たり、飛び散ったりするが、実施例1〜26の吸音材で
は内部での粉体の偏り、飛散は認められず、安定した吸
音特性が得られた。さらに前述のとおり、切断面からの
継続的な粉体の流出も認められていない。比較例3で
は、ウレタンの上にタルク粉体層を積層して吸音材を形
成することで、吸音ピーク周波数の低い吸音材ができて
いるが、粉体のみの比較例2の場合より、吸音の幅が広
い周波数域に及んでいる。しかしながら、この粉体層は
散布された状態のままであり、振動などが与えられる
と、粉体が容易に飛散してしまう。
【0097】実施例6では、粉体にシラスバルーンを用
いているが、比較例1に比べると全体に高い吸音率を示
し、タルクを用いた場合の様に400〜500Hzでの
ピークは認められないが、非常に幅の広い吸音特性とな
っている。このことは、実施例8の、粉体にふっ素樹脂
粉末を用いた場合も同様である。実施例7では、粉体に
シリコーン粉末を使用しているが、タルクの場合と同
様、500Hz付近で吸音のピークを示しており、低周
波数域で高い吸音率が得られている。
【0098】実施例14及び15では、粉体に炭酸カル
シウムを用いているが、700Hz付近で吸音のピーク
を示しており、シラスバルーンとタルクの中間的な吸音
特性が得られている。実施例9および11では、多孔質
材料としてグラスウールを使用しているが、発泡ポリウ
レタンを用いた場合と同様に、低周波数域で吸音のピー
クを示す特性が得られている。
【0099】実施例10および13では、バインダー樹
脂にアクリル樹脂を使用しているが、低周波数域で卓越
した吸音率を示す。しかも比較例1のものと同様の厚み
でありながら、中高音域で高い吸音率を広い周波数域で
維持している。また、より低周波数域での吸音特性を重
視する場合は、バインダー樹脂量は、少ない方が望まし
いことが確認される。
【0100】実施例16〜21及び実施例22〜24で
は、バインダー樹脂であるポリビニルアルコール樹脂の
配合比を変化させた。それらの結果を図20〜図25及
び図26〜図28に示す。これらの図から、低周波の吸
音特性を高くするためには、バインダー量は少ない方が
良いことがわかる。実施例19、実施例23及び実施例
25〜28では、粉体層の重量を変化させた。その結果
を図23、図27及び図29〜図32に示す。この図か
ら、低周波の吸音特性を高めるためには、粉体量を多く
した方が良いことがわかる。
【0101】次に、実施例1と比較例1の吸音材を充填
材として使用したパネルの音響透過損失計測結果を比べ
ると、図33にみられるように、800Hz以上では両
者ともほぼ同じ性能であるが、125〜800Hzの間
では、実施例1の方が最大5dB程度向上しており、実
施例1のものは低周波数域での遮音性向上に役立つこと
が分かる。同様に図34に見られるように、粉体層を設
けた吸音材を用いたものは、発泡ポリウレタンを用いた
ものと比べて、630Hzまでの低周波数域で最大5d
B程度の音響透過損失の改善が認められる。
【0102】上記実施例1〜28の吸音材の吸音特性の
結果にみられるように、本発明の吸音材の吸音率−周波
数の関係は、粉体の種類および量、バインダー樹脂の種
類および量、多孔質材料の種類および密度、多孔質材料
内で粉体層が形成される位置等によって変化することか
ら、特に吸音したい音の周波数特性に合わせてチューニ
ングすることが可能であることが確認される。また、特
に低周波数城で高い吸音効果を示す様にした本発明の吸
音材は、特定の周波数でピークを持つ、膜振動が支配的
な吸音特性を示しているが、粉体そのものの吸音効果
と、粉体層が形成する膜としての性質がもつ吸音効果と
の相乗効果によって得られているものであり、同じ単位
面積当りの重量を持つ通常のシートや板等で得られる膜
や板振動による吸音効果より低い周波数城での吸音が可
能となっている。またブロードな吸音特性を示すもの
は、粉体そのものの吸音効果と、粉体層が形成する膜と
しての性質、および、粉体層が形成する多孔質層として
の性質がもつ吸音効果との相乗効果によって得られてい
るものである。
【0103】実施例23の吸音材の吸音率を、粉体の塗
布面を端板側(固定端となる側)にして、JIS A
1405「管内法による建築材料の垂直入射吸音率測定
方法」に基づいて測定した。その結果を比較例6とし
て、図35に示す。この図から、粉体の塗布面を音源側
にし、粉体層を自由端となって膜振動できることが吸音
にとって必要であることがわかる。
【0104】また、実施例1〜28の各サンプルを吸音
率測定後に、カッターナイフで切断したところ、切断面
からの粉落ちは殆ど無く、切断方法も、発泡ポリウレタ
ンを切断する場合と同要領で実施することができた。以
上のように各実施例の吸音材は、従来の吸音材に対し
て、厚さや容量を増すことなく、低周波数域においても
良好な吸音特性を示し、あるいは、中高音域での高い吸
音率を維持する吸音特性が得られており、また、粉体の
こぼれ、偏り等による性能劣化を生じず、さらに、ベー
スの多孔質材料と同等の加工性を持つものであった。
【0105】
【発明の効果】上記のように本発明に係る吸音材は、粉
体100重量部に対してバインダー樹脂を固形分で0.
5〜40重量部含有する粉体層が、その少なくとも一部
が多孔質材料の空隙部分に入り込んで形成されて成るの
で、粉体をバインダー樹脂で保持して粉体の脱落を低減
した粉体層を形成しているものであり、しかも粉体に対
するバインダー樹脂の比率が小さいために、粉体の振動
や粉体/樹脂界面のずり応力空気の粘性減衰による低周
波数域における吸音特性が高い粉体層を形成することが
できるものである。従って、粉体の脱落や偏り等による
性能劣化を生じず、さらに、軽量、薄型で従来の多孔質
材料と同等の加工性および施工性を備えた吸音材を得る
ことができるものである。
【0106】また請求項2の発明は、粉体を100重量
部に対し、バインダー樹脂を固形分量で1〜6重量部含
有するようにしたので、さらに粉体による吸音特性を高
く得ることのできる粉体層が形成することができ、かつ
粉体の脱落を低減した粉体層を形成することができるも
のである。また請求項3の発明は、粉体層が多孔質材料
の表面に露出するように形成されているので、低周波域
の音を吸音することができるものである。
【0107】また請求項4の発明は、粉体層が多孔質材
料の表層部内に形成されているので、より低周波域の音
を吸音することができるものである。また請求項5の発
明は、粉体層が多孔質材料の内部に形成されているの
で、高い周波数の音も吸音できるものである。また請求
項6の発明は、上記の多孔質材料は連続気孔を有するも
のであるので、連続気孔の空隙部分に粉体層を設けた吸
音材を得ることができるものである。
【0108】また請求項7の発明は、上記の連続気孔を
有する多孔質材料として、発泡ポリウレタン、グラスウ
ール、不織布から選ばれるものを用いるようにしたの
で、吸音材の軽量化、不燃性、低コスト化を図ることが
可能となるものである。また請求項8の発明は、上記の
粉体層を、粉体の単位面積当たりの重量が0.3〜3k
g/m2 になるように形成したので、粉体を密に保持し
た粉体層を形成して、より低周波数域の吸音特性を良好
にすることが可能になるものである。
【0109】また請求項9の発明は、粉体の単位面積当
たりの重量が0.5〜2kg/m2になるように形成し
たので、より軽量かつ低周波数域の吸音特性を良好にす
ることが可能になるものである。また請求項10の発明
は、上記の粉体として、粒径が0.1〜1000μm、
嵩密度が0.1〜1.5g/cm3 のものを用いるよう
にしたので、粉体による吸音特性を高く得ることのでき
る粉体層を得ることができるものである。
【0110】また請求項11の発明は、上記の粉体とし
て、タルクとシラスバルーンと炭酸カルシウムの少なく
とも一つを用いるようにしたので、タルクを用いること
によって低い周波数域での良好な吸音特性を有する粉体
層を得ることができ、シラスバルーンを用いることによ
って中高周波数域で良好な吸音特性を有する粉体層を得
ることができ、炭酸カルシウムを用いることによってそ
の中間的な周波数域での良好な吸音特性を有する粉体層
を得ることができるものである。
【0111】また、請求項12の発明は、上記粉体とし
て、タルクを用いるようにしたので、低い周波数域での
良好な吸音特性を有する粉体層を得ることができるもの
である。また請求項13の発明は、上記のバインダー樹
脂として、フェノール樹脂、アクリル樹脂、ポリビニル
アルコール樹脂、ポリ酢酸ビニルから1つ以上選ばれる
ものを用いるようにしたので、フェノール樹脂を用いる
ことによって耐熱性の良好な粉体層を得ることができ、
フェノール樹脂あるいはアクリル樹脂を用いることによ
って、耐水性の高い粉体層を得ることができ、ポリビニ
ルアルコールやポリ酢酸ビニルを用いることによって、
より低コストに粉体層を形成することができるものであ
る。
【0112】また請求項14の発明は、粉体層は自由端
であるので、吸音材のバネ振動により良好な吸音特性を
示すものである。本発明に係る吸音用塗料は、粉体を1
00重量部、バインダー樹脂を固形分で0.5〜40重
量部、溶媒を20〜300重量部配合してなるので、粉
体をバインダー樹脂で保持して粉体の脱落を低減した粉
体層を形成することができるものであり、しかも粉体に
対するバインダー樹脂の比率が小さいために、粉体の振
動や粉体/樹脂界面のずり応力空気の粘性減衰による低
周波数域における吸音特性が高い粉体層を形成すること
ができるものである。従って、作業環境の悪化等を引き
起こすことなく、吸音特性を向上させるための粉体層を
容易に形成することができる吸音用塗料を得ることがで
きるものである。
【0113】また請求項16の発明は、上記の粉体とし
て、粒径が0.1〜1000μm、嵩密度が0.1〜
1.5g/cm3 のものを用いるようにしたので、粉体
による吸音特性を高く得ることのできる粉体層の形成が
可能となるものである。また請求項17の発明は、上記
の粉体として、タルクとシラスバルーンと炭酸カルシウ
ムの少なくとも一つを用いるようにしたので、タルクを
用いることによって低い周波数域での良好な吸音特性を
有する粉体層の形成が可能となり、シラスバルーンを用
いることによって中高周波数域で良好な吸音特性を有す
る粉体層の形成が可能となり、炭酸カルシウムを用いる
ことによってその中間的な周波数域での良好な吸音特性
を有する粉体層の形成が可能となるものである。
【0114】また請求項18の発明は上記のバインダー
樹脂として、フェノール樹脂、アクリル樹脂、ポリビニ
ルアルコール樹脂、ポリ酢酸ビニルから1つ以上選ばれ
るものを用いるようにしたので、フェノール樹脂を用い
ることによって耐熱性の良好な粉体層を形成することが
可能になり、フェノール樹脂あるいはアクリル樹脂を用
いることによって、耐水性の高い粉体層を形成すること
が可能となり、ポリビニルアルコールやポリ酢酸ビニル
を用いることによって、より低コストに粉体層を形成す
ることが可能になるものである。
【0115】また、請求項19の発明は、溶媒として水
を用いるので、環境に優しい塗料となるものである。本
発明に係る吸音材の製造方法は、粉体を100重量部、
バインダー樹脂を固形分で0.5〜40重量部、溶媒を
20〜300重量部配合して吸音用塗料を調製し、この
吸音用塗料を多孔質材料の表面に塗布するようにしたの
で、粉体をバインダー樹脂で保持して粉体の脱落を低減
した粉体層を形成することができるものであり、しかも
粉体に対するバインダー樹脂の比率が小さいために、粉
体の振動や粉体/樹脂界面のずり応力空気の粘性減衰に
よる低周波数域における吸音特性が高い粉体層を形成す
ることができるものである。
【0116】また本発明に係る吸音材の製造方法は、粉
体を100重量部、バインダー樹脂を固形分で0.5〜
40重量部、溶媒を20〜300重量部配合して吸音用
塗料を調製し、この吸音用塗料を多孔質材料に含浸させ
るようにしたので、粉体をバインダー樹脂で保持して粉
体の脱落を低減した粉体層を形成することができるもの
であり、しかも粉体に対するバインダー樹脂の比率が小
さいために、粉体の振動や粉体/樹脂界面のずり応力空
気の粘性減衰による低周波数域における吸音特性が高い
粉体層を形成することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の吸音材の実施の形態の一例を示すもの
であり、(a)は多孔質材料に吸音用塗料を擦り込む操
作を示す概略図、(b)は吸音材の概略図である。
【図2】本発明の吸音材の実施の形態の他例を示すもの
であり、(a)は多孔質材料に吸音用塗料を擦り込む操
作を示す概略図、(b)は吸音材の概略図である。
【図3】本発明の吸音材の実施の形態のさらに他例を示
すものであり、(a)は多孔質材料に吸音用塗料を擦り
込む操作を示す概略図、(b)は吸音材の概略図であ
る。
【図4】本発明の吸音材の実施例を示すものであり、
(a)は実施例1の吸音材の概略図、(b)は実施例2
の吸音材の概略図、(c)は実施例3の吸音材の概略
図、(d)は実施例4の吸音材の概略図である。
【図5】実施例1と比較例1〜3の垂直入射吸音特性を
示すグラフである。
【図6】実施例2と比較例1〜3の垂直入射吸音特性を
示すグラフである。
【図7】実施例3と比較例1〜3の垂直入射吸音特性を
示すグラフである。
【図8】実施例4と比較例1〜3の垂直入射吸音特性を
示すグラフである。
【図9】実施例5と比較例1の垂直入射吸音特性を示す
グラフである。
【図10】実施例6と比較例1の垂直入射吸音特性を示
すグラフである。
【図11】実施例7と比較例1の垂直入射吸音特性を示
すグラフである。
【図12】実施例8と比較例1の垂直入射吸音特性を示
すグラフである。
【図13】実施例9と比較例1の垂直入射吸音特性を示
すグラフである。
【図14】実施例10と比較例1の垂直入射吸音特性を
示すグラフである。
【図15】実施例11と比較例1の垂直入射吸音特性を
示すグラフである。
【図16】実施例12と比較例1の垂直入射吸音特性を
示すグラフである。
【図17】実施例13と比較例1の垂直入射吸音特性を
示すグラフである。
【図18】実施例14と比較例5の垂直入射吸音特性を
示すグラフである。
【図19】実施例15と比較例1の垂直入射吸音特性を
示すグラフである。
【図20】実施例16と比較例1の垂直入射吸音特性を
示すグラフである。
【図21】実施例17と比較例1の垂直入射吸音特性を
示すグラフである。
【図22】実施例18と比較例1の垂直入射吸音特性を
示すグラフである。
【図23】実施例19と比較例5の垂直入射吸音特性を
示すグラフである。
【図24】実施例20と比較例5の垂直入射吸音特性を
示すグラフである。
【図25】実施例21と比較例5の垂直入射吸音特性を
示すグラフである。
【図26】実施例22と比較例1の垂直入射吸音特性を
示すグラフである。
【図27】実施例23と比較例1の垂直入射吸音特性を
示すグラフである。
【図28】実施例24と比較例1の垂直入射吸音特性を
示すグラフである。
【図29】実施例25と比較例5の垂直入射吸音特性を
示すグラフである。
【図30】実施例26と比較例5の垂直入射吸音特性を
示すグラフである。
【図31】実施例27と比較例5の垂直入射吸音特性を
示すグラフである。
【図32】実施例28と比較例5の垂直入射吸音特性を
示すグラフである。
【図33】実施例1と比較例1の音響透過損失の測定結
果を示すグラフである。
【図34】粉体層のタルク粉末重量を変えて測定したと
きの音響透過損失の測定結果を示すグラフである。
【図35】実施例23と比較例6の垂直入射吸音特性を
示すグラフである。
【符号の説明】
1 多孔質材料 2 粉体層 3 吸音用塗料 4 粉体 5 バインダー樹脂
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大西 兼司 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内 (72)発明者 山河 清志郎 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粉体100重量部に対してバインダー樹
    脂を固形分で0.5〜40重量部含有する粉体層が、そ
    の少なくとも一部が多孔質材料の空隙部分に入り込んで
    形成されて成ることを特徴とする吸音材。
  2. 【請求項2】 粉体層は、粉体100重量部に対してバ
    インダー樹脂を固形分で1〜6重量部含有していること
    を特徴とする請求項1記載の吸音材。
  3. 【請求項3】 粉体層は多孔質材料の表面に露出するよ
    うに形成されて成ることを特徴とする請求項1又は2に
    記載の吸音材。
  4. 【請求項4】 粉体層は多孔質材料の表層部内に形成さ
    れて成ることを特徴とする請求項1又は2に記載の吸音
    材。
  5. 【請求項5】 粉体層は多孔質材料の内部に形成されて
    成ることを特徴とする請求項1又は2に記載の吸音材。
  6. 【請求項6】 多孔質材料は連続気孔を有するものであ
    ることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の
    吸音材。
  7. 【請求項7】 連続気孔を有する多孔質材料は、発泡ポ
    リウレタン、グラスウール、不織布から選ばれるもので
    あることを特徴とする請求項6に記載の吸音材。
  8. 【請求項8】 粉体層は粉体の単位面積当たりの重量が
    0.3〜3kg/m2 であることを特徴とする請求項1
    乃至7のいずれかに記載の吸音材。
  9. 【請求項9】 粉体層は粉体の単位面積当たりの重量が
    0.5〜2kg/m2 であることを特徴とする請求項8
    に記載の吸音材。
  10. 【請求項10】 粉体は粒径が0.1〜1000μm、
    嵩密度が0.1〜1.5g/cm3 のものであることを
    特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の吸音材。
  11. 【請求項11】 粉体はタルクとシラスバルーンと炭酸
    カルシウムの少なくとも一つであることを特徴とする請
    求項1乃至10のいずれかに記載の吸音材。
  12. 【請求項12】 粉体はタルクであることを特徴とする
    請求項11に記載の吸音材。
  13. 【請求項13】 バインダー樹脂は、フェノール樹脂、
    アクリル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリ酢酸ビ
    ニルから1つ以上選ばれるものであることを特徴とする
    請求項1乃至12のいずれかに記載の吸音材。
  14. 【請求項14】 粉体層が自由端であることを特徴とす
    る請求項1乃至13のいずれかに記載の吸音材。
  15. 【請求項15】 粉体を100重量部、バインダー樹脂
    を固形分で0.5〜40重量部、溶媒を20〜300重
    量部配合して成ることを特徴とする吸音用塗料。
  16. 【請求項16】 粉体は粒径が0.1〜1000μm、
    嵩密度が0.1〜1.5g/cm3 のものであることを
    特徴とする請求項15に記載の吸音用塗料。
  17. 【請求項17】 粉体はタルクとシラスバルーンと炭酸
    カルシウムの少なくとも一つであることを特徴とする請
    求項15又は16に記載の吸音用塗料。
  18. 【請求項18】 バインダー樹脂は、フェノール樹脂、
    アクリル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリ酢酸ビ
    ニルから1つ以上選ばれるものであることを特徴とする
    請求項15乃至17のいずれかに記載の吸音用塗料。
  19. 【請求項19】 溶媒は水であることを特徴とする請求
    項15乃至18のいずれかに記載の吸音用塗料。
  20. 【請求項20】 粉体を100重量部、バインダー樹脂
    を固形分で0.5〜40重量部、溶媒を20〜300重
    量部配合して吸音用塗料を調製し、この吸音用塗料を多
    孔質材料の表面に塗布することを特徴とする吸音材の製
    造方法。
  21. 【請求項21】 粉体を100重量部、バインダー樹脂
    を固形分で0.5〜40重量部、溶媒を20〜300重
    量部配合して吸音用塗料を調製し、この吸音用塗料多孔
    質材料に含浸させることを特徴とする吸音材の製造方
    法。
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