JPH1143439A - 血管内皮増殖促進剤 - Google Patents

血管内皮増殖促進剤

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JPH1143439A
JPH1143439A JP20504697A JP20504697A JPH1143439A JP H1143439 A JPH1143439 A JP H1143439A JP 20504697 A JP20504697 A JP 20504697A JP 20504697 A JP20504697 A JP 20504697A JP H1143439 A JPH1143439 A JP H1143439A
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JP
Japan
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vascular endothelial
salt
promoter
alginate
oligosaccharide
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JP20504697A
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Hidenari Takahara
英成 高原
Akira Kawada
暁 川田
Takeshi Okada
剛 岡田
Nozomi Hiura
望 樋浦
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Maruha Corp
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Maruha Corp
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  • Saccharide Compounds (AREA)
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  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 アルギン酸オリゴ糖又はその塩を有効成
分として含む血管内皮増殖促進剤。 【効果】 本発明の血管内皮増殖促進剤は、炎症時の組
織修復剤、動脈硬化などの血管障害の治療剤、及び火傷
や創傷などの治癒促進剤等として有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、医薬として及び血
管内皮研究上、有用であるアルギン酸オリゴ糖又はその
塩を有効成分として含む血管内皮増殖促進剤に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】近年、日本人の死亡率の上位を占める、
脳卒中或いは心臓病等の主原因は、血管の老化、損傷、
機能低下と考えられている。血管内皮細胞は血管の内腔
を覆う単層を形成する細胞であり、血管の老化や損傷を
引き起こす動脈硬化の原因である脂質代謝にも関与して
いることが推察されている。また、創傷の治癒にも血管
新生が必要であり、血管内皮細胞増殖因子(VEGF)
の関与が明らかである。従って、血管内皮細胞を増殖さ
せることができれば、動脈硬化に伴う血管内皮損傷の保
護或いは治療に有用である。また、火傷や創傷等の治療
促進薬となり得ることが期待できる。更には、人工血管
を作成する際の血管内皮形成剤として利用できる。
【0003】このように、血管内皮増殖促進剤の医療上
の存在意義は極めて高く、血管内皮の増殖を促進するも
のとして、VEGF、線維芽細胞増殖因子(FGF)及
び血小板由来内皮細胞増殖因子(PD−ECGF)等、
いくつかの蛋白質が知られている。また、ヘパリンは、
これら成長因子と協同して血管内皮細胞の増殖を高める
物質の一つとして知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の血管内皮増殖促
進剤は、その応用と実用化の研究開発が現在も続けられ
ており、その一方で、更に新規で有用な物質の探索が継
続されている。作用機作の異なる複数の血管内皮増殖促
進物質を併用することにより単独使用よりも更に高い効
果を得ることが期待されていることから、様々な型の血
管内皮増殖促進物質が開発され、それらの活性や作用
点、及びその他の特性等を考慮しながら使用されていく
ことが望まれている。しかしながら、現状では、数種の
物質が候補として見出されつつあるところであり、更な
る候補物質の探索と実用化のための研究開発が課題とし
て残されている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
に基づいて鋭意研究を行った結果、アルギン酸オリゴ糖
又はその塩が血管内皮増殖促進剤として期待されるほど
の効果を有することを見出し、本発明を完成するに至っ
た。即ち、本発明は、アルギン酸オリゴ糖又はその塩を
有効成分として含む血管内皮増殖促進剤である。本発明
において、オリゴ糖とは、2糖〜10糖をいい、好まし
くは2糖〜4糖が挙げられる。
【0006】アルギン酸オリゴ糖又はその塩としては、
アルギン酸又はその塩をアルテロモナス属に属する微生
物の培養物(例えば培養液)、菌体又は菌体処理物(例
えば菌体破砕物、菌体抽出物、粗酵素、精製酵素)で処
理したものが挙げられる。また、アルギン酸オリゴ糖又
はその塩は、単独で又は2種以上を任意に組み合わせて
用いることができる。アルギン酸オリゴ糖又はその塩と
しては、好ましくは、非還元末端が4,5−不飽和ウロ
ン酸であり、D−マンニュロン酸及びL−グルロン酸を
構成糖とするオリゴ糖が挙げられ、更に好ましくは、次
式(I):
【0007】
【化4】 [式中、Rは水素原子又は金属イオンを表し、R’は
G、M、G−G、M−G、M−M、G−G−G、G−G
−M、G−M−G、G−M−M、M−G−G、M−M−
G、M−M−M又はM−G−M(Mは次式(II):
【0008】
【化5】 (Rは前記と同様である。)で示されるD−マンニュロ
ン酸を表し、Gは次式(III) :
【0009】
【化6】 (Rは前記と同様である。)で示されるL−グルロン酸
を表し、各単糖間の結合はα−又はβ−1,4結合であ
る。)を表す。]で示される化合物のうちの少なくとも
1つが挙げられる。前記式(I)においてRで表される
金属イオンとしては、例えば、ナトリウム、カリウム等
のアルカリ金属イオン、カルシウム、マグネシウム等の
アルカリ土類金属イオン、Zn2+、Fe2+、Fe3+が挙げられ
る。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施形態
の一例を示す。本発明に用いるアルギン酸オリゴ糖又は
その塩は、アルギン酸又はその塩に、アルテロモナス属
に属する微生物が生産するアルギン酸又はその塩の分解
酵素、即ちアルギン酸リアーゼを作用させて得ることが
できる。アルギン酸とは、D−マンニュロン酸とL−グ
ルロン酸を構成糖とする多糖類の一つであり、その塩と
しては、例えばアルギン酸ナトリウム、アルギン酸カリ
ウム又はその混合物が挙げられる。また、アルギン酸オ
リゴ糖の塩としては、例えばアルギン酸ナトリウムオリ
ゴ糖、アルギン酸カリウムオリゴ糖、アルギン酸カルシ
ウムオリゴ糖又はその混合物が挙げられる。
【0011】前記アルギン酸リアーゼを生産する微生物
としては、アルテロモナス属に属する微生物が挙げら
れ、アルテロモナス・エスピー(Alteromonas sp.) No.1
786 を例示することができる。アルテロモナス・エスピ
ーNo.1786 は、魚介類の腸及びその内容物よりアルギン
酸ナトリウムを唯一の炭素源としてスクリーニングを実
施した結果、カブトガニの腸より分離されたものであ
り、その形態学的性質及び生理学的性質は下記の通りで
ある。
【0012】形態学的性質: グラム染色性・・・・・・・陰性 細胞の形状・・・・・・・・桿菌 コロニーの色調・・・・・・乳白色 運動性の有無・・・・・・・有り 鞭毛の有無・・・・・・・・極鞭毛 生理学的性質 O−Fテスト・・・・・・・酸化 オキシダーゼテスト・・・・陽性 ゼラチンの分解・・・・・・陽性 DNAの分解・・・・・・・陽性 好塩性・・・・・・・・・・陽性 GC含量: GC含量・・・・・・・・・49.1 mol%
【0013】前記の菌株の性質に基づいて清水らの方法
[海洋微生物研究法、学会出版センター、p.228 〜239
(1985) 参照]に従って同定を試みた結果、前記微生物
(本菌株)は、アルテロモナス属に属することが判明し
た。尚、本菌株は、通商産業省工業技術院生命工学工業
技術研究所に、FERM BP-5201(原寄託日:平成2年8月
28日)として寄託されている。前記の性質を有する菌株
を培養し、得られた培養物から通常の精製手法によって
アルギン酸リアーゼを分離精製する。本菌株の培養に用
いる培地としては、例えば、アルギン酸ナトリウム(1.
00%)、硫酸ナトリウム(1.00%)、塩化カリウム(0.
08%)、硫酸マグネシウム(7水和物)(1.24%)、リ
ン酸水素二カリウム(3水和物)(0.01%)、塩化アン
モニウム(0.10%)、クエン酸アンモニウム鉄(III)
(緑色)(0.01%)及び塩化カルシウム(0.15%)を含
む培地が挙げられる。
【0014】培養は、例えば、凍結乾燥菌体アルテロモ
ナス・エスピーNo.1786 を2回前培養(各々25℃、2
日)後、本培養(25℃、1日)することにより行うこと
ができる。このようにして前記微生物を培養することに
よって、アルギン酸リアーゼが蓄積された培養上清又は
微生物を含む培養物が得られる。次に、該培養物を材料
にして、通常、蛋白質の分離、精製に用いられる方法に
よりアルギン酸リアーゼを得ることができる。例えば、
前記培養液から分画分子量500,000 の限外濾過膜(ロミ
コン社製)により菌体及びその他夾雑物を取り除いて、
粗アルギン酸リアーゼ溶液とするほか、更に、該アルギ
ン酸リアーゼ溶液について、塩析法、遠心分離法、各種
クロマトグラフィー、電気泳動法等を適当に組み合わせ
て精製を行ってもよい。クロマトグラフィーとしては、
疎水、ゲル濾過、イオン交換、逆相、アフィニティーク
ロマトグラフィー等が挙げられる。また、精製品の純度
及びその分子量の確認のため、SDS (ラウリル硫酸ナト
リウム)ポリアクリルアミド電気泳動法やゲル濾過法等
を用いることもできる。このようにして得られたアルギ
ン酸リアーゼの酵素的性質は、次の通りである。
【0015】作用: アルギン酸又はその塩を基質とし
て前記微生物の生産するアルギン酸リアーゼを反応させ
た時、反応生成物であるアルギン酸オリゴ糖又はその塩
の二重結合に特異的な吸収波長である230nm における吸
光度の増加、及び生じるオリゴ糖による還元力の増加が
確認される。 至適pH: 前記微生物の生産するアルギン酸リアーゼ
は、pH7.0 〜7.5 の範囲で相対活性量が高く、相対活性
量が最大になるpH7.0 が至適pHである。 至適温度及び熱安定性: 前記微生物の生産するアルギ
ン酸リアーゼは、45〜55℃の範囲で活性が高く、相対活
性量が最大になる50℃が至適温度である。また、室温で
の濃縮を行っても失活しない。 酵素活性: 反応液(0.45mlの0.5 %アルギン酸ナトリ
ウム(和光純薬製)を含む0.05Mリン酸ナトリウム緩衝
液(pH7.0 )及び0.05mlの酵素液)を用い、アルギン酸
ナトリウムとアルギン酸リアーゼを50℃にて10分間反応
させ、生成したオリゴ糖量をネルソン・ソモギー法によ
り測定することにより、アルギン酸リアーゼの酵素活性
を測定できる。この酵素活性は、1μmoleのマンニュロ
ン酸に相当するアルギン酸ナトリウムオリゴ糖を生成す
る酵素量を1単位として示す。酵素活性測定には、アル
ギン酸カリウムを用いてもよい。
【0016】尚、アルギン酸オリゴ糖又はその塩を製造
するためには、前記菌株を通常の変異手段を適用して得
られる変異株であってアルギン酸リアーゼ産生能を有す
る菌株を培養して得られるアルギン酸リアーゼも使用す
ることができる。次に、原料のアルギン酸又はその塩
に、前記アルギン酸リアーゼを反応させてアルギン酸オ
リゴ糖又はその塩を得る。尚、この場合、アルギン酸又
はその塩とアルギン酸リアーゼとの反応温度は45〜55
℃、反応時のpHが7.0 〜7.5 の条件が好ましく、50℃、
pH7.0 の条件で行うのが更に好ましい。以上のようにし
て得られるアルギン酸オリゴ糖又はその塩の活性成分
は、そのまま本発明の血管内皮増殖促進剤として用いる
ことができ、更に通常用いられる方法による除蛋白及び
脱塩後、凍結乾燥、噴霧乾燥、熱風乾燥等の方法で乾燥
して保存することもできる。
【0017】本発明の血管内皮増殖促進剤の投与する方
法は、経口又は非経口により行い、その投与形態として
は、経口投与の場合、錠剤、丸剤、散剤、カプセル剤、
顆粒剤、シロップ剤、乳剤、懸濁剤などが挙げられる。
かかる製剤は自体公知の方法によって製造され、製剤分
野において通常用いられる担体又は賦形剤を含有するも
のである。また、非経口投与のための剤形としては、例
えば、軟膏剤、注射剤、湿布剤、塗布剤、吸入剤、坐
剤、経皮吸入剤などが挙げられる。本発明の血管内皮増
殖促進剤を非経口投与する場合、安定剤、緩衝剤、保存
剤、等張化剤等の添加剤を含有させることもできる。
【0018】その有効成分としてアルギン酸オリゴ糖又
はその塩の作用濃度範囲は、1ng/mlから1mg/mlであり、
好ましくは1 μg/mlから100 μg/mlである。本発明の血
管内皮増殖促進剤の有効投与量及び有効投与回数は、投
与形態、患者の年齢、体重、治療すべき症状の性質又は
重篤度によっても異なるが、一般には、成人の患者に対
して、有効成分であるアルギン酸オリゴ糖又はその塩と
して 0.1mg/日〜10g/日を1回又は数回に分けて経口
又は非経口投与する。
【0019】
【実施例】以下、本発明を調製例、参考例、実施例によ
り更に具体的に説明する。但し、本発明は、これらによ
り限定されるものではない。 (調製例1)アルギン酸オリゴ糖の調製 アルギン酸ナトリウム(1.00%)、硫酸ナトリウム(1.
00%)、塩化カリウム(0.08%)、硫酸マグネシウム
(7水和物)(1.24%)、リン酸水素二カリウム(3水
和物)(0.01%)、塩化アンモニウム(0.10%)、クエ
ン酸アンモニウム鉄(III) (緑色)(0.01%)及び塩化
カルシウム(0.15%)を含む培地を用い、凍結乾燥菌体
アルテロモナス・エスピーNo.1786 を2回前培養(25
℃、2日)後、本培養(25℃、1日)を行った。その結
果、酵素活性が培養液1ml当たり、0.90単位であるアル
ギン酸リアーゼ培養液が生産された。前記培養液から分
画分子量500,000 限外濾過膜(ロミコン社製)により菌
体を取り除いて粗アルギン酸リアーゼ溶液とした。
【0020】アルギン酸ナトリウム(10.0Kg)を90Lの
脱塩水に溶解後、得られた粗アルギン酸リアーゼ溶液
(50,000U )を加え、40℃で6時間撹拌しながら反応さ
せた。反応液を除蛋白、脱塩後、凍結乾燥してアルギン
酸ナトリウムオリゴ糖粉末を4.2Kg 得た。また、同様に
してアルギン酸カリウム、又はアルギン酸カリウムとア
ルギン酸ナトリウムとの混合物を用いたところ、アルギ
ン酸カリウムオリゴ糖、又はアルギン酸カリウムオリゴ
糖とアルギン酸ナトリウムオリゴ糖との混合物がそれぞ
れ得られた。更に得られたアルギン酸ナトリウムオリゴ
糖及びアルギン酸カリウムオリゴ糖を酢酸カルシウムを
はじめとする各種の水溶性のカルシウム塩と一緒に電気
透析装置(旭化成工業(株)製、商品名、マイクロアシ
ライザー)で処理することによりアルギン酸カルシウム
オリゴ糖が得られた。
【0021】(参考例1)本参考例は、本発明に用いる
アルギン酸ナトリウムオリゴ糖の重合度の分析例を示す
ものである。重合度の決定は、マス分析及びNMR分析
により行った。マス分析には、ジャスコインターナショ
ナル(株)製の液体クロマトグラフ質量分析装置を用
い、NMR分析には、日本電子(株)製を用いた。
【0022】調製例1で得られたアルギン酸ナトリウム
オリゴ糖をDEAE GLASS(ナカライテスク社製)を用いた
0 から0.25M NaClのグラジェエント溶出による高速液体
クロマトグラフィー(HPLC) に供し、分画した。この溶
出パターンを図1に示す。230nm に吸収のある画分であ
る1〜8(以下、それぞれ「P−1」「P−2」・・・
・・・「P−8」とする。)を回収し、それぞれの画分
を電気透析装置(旭化成工業(株)製、商品名、マイク
ロアシライザー)を用いて脱塩した。更に、それぞれの
画分について、同様の条件で再びクロマトグラフィーに
供し、アルギン酸ナトリウムオリゴ糖を精製した。
【0023】得られた精製アルギン酸ナトリウムオリゴ
糖をそれぞれマス分析に供したところ、表1に示すよう
なm/z 値が得られ、当該表に示すように重合度を推定し
た。更に、NMR分析を行い、図2に示すように当該ア
ルギン酸ナトリウムオリゴ糖の構造を決定した。図2
中、△は4,5−不飽和ウロン酸を表し、M及びGは、
それぞれ前記式(II)で示されるD−マンニュロン酸、及
び前記式(III) で示されるL−グルロン酸を表す。ま
た、同様な手法で構造解析を行った結果、アルギン酸カ
リウムオリゴ糖及びアルギン酸カルシウムオリゴ糖の構
造も金属イオンを除いて同様な構造であった。
【0024】
【表1】
【0025】(実施例1)正常ヒト血管内皮細胞(HUVE
C 、クラボウ製)を1.0 ×104cell/mlになるように、35
mmの培養プレートに移し、2 %ウシ胎児血清、10ng/ml
上皮増殖因子、3ng/ml塩基性線維芽細胞増殖因子及び10
μg/mlヘパリンを含む200S培地(カスケード社製)で5
日間培養した。更に培養した細胞を20%ウシ胎児血清、
0 又は10ng/ml VEGF、0 又は100 μg/mlヘパリンを
含むM-199 培地(ギブコ社製)に適量の調製例1で得ら
れたアルギン酸ナトリウムオリゴ糖を加えて、24時間毎
に同様の培養液に交換し、7 日間培養した。培養終了
後、細胞をトリプシンで剥がし、トリパンブルーで染色
して細胞数を計測した。この結果を図3に示す。図3か
らも明らかなように、培養液中へのアルギン酸ナトリウ
ムオリゴ糖の添加に伴って、正常ヒト血管内皮細胞の増
殖促進が認められた。
【0026】(試験例1)毒性試験 ICR系マウスの雌雄にアルギン酸ナトリウムオリゴ糖
を 0、1,390 、1,670又は2,000mg/kg単回経口投与し
た。結果を表2に示す。表2に示したように、試験動物
に異常及び死亡例は認められず、マウスにおける単回経
口投与による致死量は、雌雄とも2,000mg/kg以上である
ものと認められた。
【0027】
【表2】
【0028】
【発明の効果】本発明の血管内皮増殖促進剤は、炎症時
の組織修復剤、動脈硬化などの血管障害の治療剤、及び
火傷や創傷などの治癒促進剤等として有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】アルギン酸ナトリウムオリゴ糖の高速液体クロ
マトグラフィーの結果を示す図である。
【図2】図1に示す高速液体クロマトグラフィーの各ピ
ークより単離されたアルギン酸ナトリウムオリゴ糖の構
造を示す図である。
【図3】アルギン酸ナトリウムオリゴ糖の血管内皮細胞
増殖促進作用を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // C07D 309/30 C07D 309/30 Z C07H 7/033 C07H 7/033 C12P 19/00 C12P 19/00 19/12 19/12

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルギン酸オリゴ糖又はその塩を有効成
    分として含む血管内皮増殖促進剤。
  2. 【請求項2】 アルギン酸オリゴ糖又はその塩が、アル
    ギン酸又はその塩をアルテロモナス属に属する微生物の
    培養物、菌体又は菌体処理物で処理したものである請求
    項1記載の血管内皮増殖促進剤。
  3. 【請求項3】 アルテロモナス属に属する微生物がアル
    テロモナス・エスピーNo.1786 である請求項2記載の血
    管内皮増殖促進剤。
  4. 【請求項4】 アルギン酸オリゴ糖又はその塩が、単独
    又は2種以上の混合物である請求項1〜3のいずれか1
    項に記載の血管内皮増殖促進剤。
  5. 【請求項5】 アルギン酸オリゴ糖又はその塩が、次式
    (I): 【化1】 [式中、Rは水素原子又は金属イオンを表し、R’は
    G、M、G−G、M−G、M−M、G−G−G、G−G
    −M、G−M−G、G−M−M、M−G−G、M−M−
    G、M−M−M又はM−G−M(Mは次式(II): 【化2】 (Rは前記と同様である。)で示されるD−マンニュロ
    ン酸を表し、Gは次式(III) : 【化3】 (Rは前記と同様である。)で示されるL−グルロン酸
    を表し、各単糖間の結合はα−又はβ−1,4結合であ
    る。)を表す。]で示される化合物のうちの少なくとも
    1つである請求項1〜3のいずれか1項に記載の血管内
    皮増殖促進剤。
  6. 【請求項6】 炎症時の組織修復剤である請求項1〜5
    のいずれか1項に記載の血管内皮増殖促進剤。
  7. 【請求項7】 血管障害の治療剤である請求項1〜5の
    いずれか1項に記載の血管内皮増殖促進剤。
  8. 【請求項8】 血管障害が動脈硬化である請求項7記載
    の血管内皮増殖促進剤。
  9. 【請求項9】 火傷又は創傷の治癒促進剤である請求項
    1〜5のいずれか1項に記載の血管内皮増殖促進剤。
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