JPH1141696A

JPH1141696A - スピーカ装置

Info

Publication number: JPH1141696A
Application number: JP19427397A
Authority: JP
Inventors: Masao Fujihira; 正男藤平; Akira Yamagishi; 亮山岸; Ikuo Shinohara; 幾夫篠原; Akihiro Akiyama; 明広秋山; Naoki Watanabe; 直樹渡辺; Kenji Tokushige; 賢二徳重
Original assignee: Sony Corp
Current assignee: Sony Corp
Priority date: 1997-07-18
Filing date: 1997-07-18
Publication date: 1999-02-12

Abstract

(57)【要約】【課題】小型軽量なキャビネットが揺動せずスピーカ
ユニットの放射力が大きくなるスピーカ装置を得る。【解決手段】スピーカユニットＡの第１の磁気回路２
５と加振器Ｂの第２の磁気回路２７の背面を対向配置し
て、キャビネット２１のバッフルボード２２に取り付
け、第１の磁気回路２５と第２の磁気回路２７間で漏洩
磁束が抑制される様な極性に選択して、加振器Ｂ側の駆
動力をスピーカユニットＡ側の駆動力に比べて大きくな
る様に選択する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は小型スピーカユニッ
ト及び加振器をキャビネット等に内蔵させた小型軽量な
スピーカ装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来からスピーカユニットの取り付けら
れたキャビネットのバッフルボードの振動を抑制するた
めに、振動板により加振されたスピーカの加振方向に対
し、逆方向に加振させる加振器或いは電気振動トランス
デューサを有するスピーカ装置は例えば、特開昭６３−
２１２０００号公報、特開平１−３０７３９８号公報等
に詳記されて公知である。

【０００３】上述の特開昭６２−２１２０００号公報に
は図７に示す様なスピーカ装置が示されている。図７で
１はリング状のマグネットを示し、２および３はこのマ
グネット１を挟むように取付けられ、その一部に磁気空
隙４を形成したプレートおよびヨークを示す。プレート
２にはスピーカユニットＡのフレーム５が取付けられて
おり、このフレーム５の外周部にはエッジ６が設けら
れ、このエッジ６によってコーン型の振動板７の外周部
が保持されている。

【０００４】一方、振動板７の内周部にボイスコイルボ
ビン８が取付られており、このボビン８にはボイスコイ
ル９が巻装され、このボイスコイル９はプレート２およ
びヨーク３によって形成された磁気空隙４内に挿入され
ている。

【０００５】以上符号１〜９で示した構成は周知の動電
型スピーカユニットＡの基本構造である。

【０００６】上記スピーカユニットＡのヨーク３の裏面
側中央にはビス１０の一端がねじ込まれており、このビ
ス１０の他端には上記したスピーカユニットＡにおける
マグネット１、プレート２及びヨーク３と全く同一構成
のマグネット１１、プレート１２およびヨーク１３から
成る磁気回路が取付けられている。

【０００７】そしてプレート１２にはフレーム１４が取
付けられており、さらにこのフレーム１４には２枚のダ
ンパー１５，１６が取付けられていて、このダンパー１
５，１６によって駆動コイルボビン１７が保持されてい
る。

【０００８】この駆動コイルボビン１７の一方端には駆
動コイル１８が巻装され、この駆動コイル１８は上記プ
レート１２およびヨーク１３より形成された磁気空隙１
９内に挿入されている。又上記駆動コイルボビン１７の
他方端にはウエイト２０が取付けられており、このウエ
イト２０を含む振動系は上記スピーカユニットＡにおけ
るコーン型の振動板７等を含む振動系の慣性質量にほぼ
等しいものに成されている。以上符号１１〜２０で示し
た構成は電気・振動トランスデューサＢを示す。

【０００９】以上の構成においてスピーカユニットＡ及
び電気・振動トランスデューサＢはキャビネット２１の
バッフルボード２２に取付けられている。今、スピーカ
ユニットＡのボイスコイル９に電気信号を通電すれば周
知の作用によりボイスコイル９は図中左右方向に振動
し、コーン型の振動板７を駆動して音響再生を行う。

【００１０】この時上記電気・振動トランスデューサＢ
における駆動コイル１８にも同一の電気信号を印加する
と、駆動コイル１８も図中左右方向に振動し、ウエイト
２０を同方向に駆動する。ここでスピーカユニットＡに
おける振動板７等を含む振動系と、電気・振動トランス
デューサＢにおけるウエイト２０等を含む振動系の慣性
質量がほぼ等しければ、スピーカユニットＡが振動系に
よって受ける反作用と電気・振動トランスデューサＢに
おける振動系の反作用とがほぼ等しくなる。

【００１１】従ってスピーカユニットＡが振動板７の駆
動によって受ける反作用は上記電気・振動トランスデュ
ーサＢによって打ち消されてキャビネット２１のバッフ
ルボード２２の振動が抑制されることになる。

【００１２】一方、キャビネット２１の容積を小さく
し、小型化を図ることで、廉価なスピーカシステムを得
ようとする要求があるが、一般的にはキャビネット２１
の容積を小さくしてゆくにしたがって、スピーカユニッ
トＡの振幅を増す様にして、低域再生限界の上昇を抑え
る様に成している。

【００１３】然し、小型のスピーカの振幅を増すことで
キャビネット２１内の音圧が上昇し、周波数特性に山谷
が生ずる。この様な問題を解決する方法として、位相反
転型のバスレフレックスキャビネットを用いて振動板の
背面から出る音波を有効に利用して低音域を歪なく放射
させる様に成したスピーカ装置も広く利用されている。

【００１４】

【発明が解決しようとする課題】スピーカユニット及び
スピーカ装置の小型化を図り、キャビネット２１の容積
を小さくし、プラスチック等で軽くなる様に構成させて
行くと、図７の様なスピーカ装置では電気・振動トラン
スデューサＢのダンパ１６とスピーカユニットＡの振動
板７の背面から放射される音圧Ｐによってキャビネット
２１の裏面が揺動する。

【００１５】キャビネット２１内の音圧はキャビネット
２１の容積に反比例して上昇するため、キャビネット２
１内の容積が小さくなり、音圧が大きくなればキャビネ
ット２１の裏面が特定の周波数で振動を生じ、共振周波
数に達すればキャビネット２１全体がゆすられ、揺動
し、キャビネットが移動し、低域での音質が劣化し、低
域の再生音に複雑な山谷を生ずる様な問題があった。

【００１６】本発明は叙上の問題点を解消したスピーカ
装置を提供すくもので、発明が解決しようとする第１の
課題は小型軽量のスピーカ装置に於いて、スピーカユニ
ット振動板の放射力、即ち、音圧を大きくすることが出
来ると共に音質が改善され、小型軽量なキャビネットが
移動しない様にすると共にスピーカユニットＡの駆動力
に比べて加振器の駆動力を大きくして、スピーカユニッ
トＡの駆動時の反作用打消時の加振器Ｂの反作用力をス
ピーカユニットＡに加算し、低音域の放射がより強力な
スピーカ装置を得ようとするものである。

【００１７】本発明が解決しようとする第２の課題はス
ピーカユニットＡと加振器Ｂの磁気回路を用いて、互い
にキャンセルさせ防磁効果の高いスピーカ装置を得よう
とするものであり、本発明が解決しようとする第３の課
題はスピーカユニットＡと加振器Ｂの磁気回路間にキャ
ンセルマグネットを設けてスピーカ装置の防磁効果を高
めると共にこのキャンセルマグネットを用いてスピーカ
ユニットＡ或いは加振器Ｂの駆動力をより高め得るスピ
ーカ装置を得ようとするものである。

【００１８】

【課題を解決するための手段】本発明の第１のスピーカ
装置はスピーカユニットＡの振動板７Ａの加振方向に対
し逆方向に加振を行う様に成された加振器Ｂを有するス
ピーカ装置であって、スピーカユニットＡに比較して加
振器Ｂの駆動力を大きくしてスピーカユニットＡと加振
器Ｂの駆動力の反作用の差の駆動力を加算する様に成し
たものである。

【００１９】本発明の第２のスピーカ装置はスピーカユ
ニットＡの振動板７Ａの加振方向に対して、逆方向に加
振を行う様に成された加振器Ｂを有するスピーカ装置で
あって、スピーカユニットＡの磁気回路と加振器Ｂの磁
気回路の背面を対向させ、対向面で互いに磁気的にキャ
ンセルする様に成したものである。

【００２０】本発明によれば小型軽量なキャビネットで
も、スピーカユニットＡの振動により揺動されずにスピ
ーカユニットＡの音の放射力を大きくし、低音の放射力
を増大させたスピーカ装置が得られ、更に、漏洩磁束が
少なく、強力な駆動力の得られるスピーカ装置が得られ
る。

【００２１】

【発明の実施の形態】以下、本発明のスピーカ装置を図
１乃至図６に基づいて説明する。図１は本発明の１例の
構成図を示すもので、合成樹脂材等の小型軽量なキャビ
ネット２１の前面に固定されたバッフルボード２２の上
側に穿ったスピーカの取付孔２４にはスピーカユニット
Ａが取り付けられ、このスピーカユニットＡを構成する
第１の磁気回路２５のマグネット１の背面にキャンセル
マグネット２６を介して後述する加振器或いは電気・振
動トランスデューサ（以下加振器と記す）Ｂの第２の磁
気回路２７のマグネットが取り付けられ、スピーカユニ
ットＡ及び加振器Ｂはそれらの振動板７Ａ及び７Ｂが互
いに反対方向に向く様に一体化されて、スピーカ装置が
構成される。

【００２２】スピーカユニットＡ及び加振器Ｂの第１及
び第２の磁気回路２５及び２７のマグネット１及び３３
の下側のヨーク３及び３４は接着剤を介してリング状の
キャンセルマグネット２６に固着されている。

【００２３】又、本例のキャビネット２１はバッフルボ
ード２２のスピーカの取付孔２４と同一面にスピーカユ
ニットＡの背面から出た音及び加振器Ｂからの音圧の位
相を反転させてキャビネット２１外に放射させる開口と
ダクト２３が形成されて、位相反転型バスレフレックス
キャビネットと成されている。

【００２４】更に、スピーカユニットＡにはキャビネッ
ト２１の背面板２１ｂに取り付けられた入力端子Ｔ_Aに
音響信号がアンプを介して供給され、加振器Ｂには入力
端子Ｔ_Bから入力端子Ｔ_Aに加える音響信号と同一の電
気信号が位相反転回路及びアンプを介して供給される。
後述するが、本例のスピーカ装置はキャンセルマグネッ
ト２６があるためスピーカユニットＡと加振器Ｂのボイ
スコイルの巻回方向を互いに反対にしたり、マグネット
の着磁方向を逆極性にする様に成されている。

【００２５】上述の図１の構成に於いて、上記入力端子
Ｔ_A及びＴ_Bに互いに逆相の音響信号を供給すればスピ
ーカユニットＡではＦ＝ｍ₀α₀の力が図１の矢印の様
に働く、同様に加振器Ｂには−Ｆ＝ｍ_kα_kの力が働
く、ここで、ｍ₀及びｍ_kはスピーカユニットＡ及び加
振器Ｂの等価質量、α₀及びα_kはスピーカユニットＡ
及び加振器Ｂの振動板７Ａ及び７Ｂの加速度を示す。

【００２６】上述の様にスピーカユニットＡと加振器Ｂ
が駆動された場合スピーカユニットＡのＦ方向の力に対
し、反作用により−Ｆ′の力が働く、同様に加振器Ｂに
於いても−Ｆ方向の力に対し、反作用によりＦ′の力が
働くことになる。

【００２７】今、箱型に形成されたキャビネット２１と
バッフルボード２２とが１体に形成されたものとする
と、スピーカユニットＡのＦ方向の力によってキャビネ
ット２１は図１で左方向に向かう力を受けるが、加振器
Ｂにはスピーカの駆動力と反対の−Ｆの駆動力が与えら
れる為にキャビネット２１は図１で右方向に引っ張られ
る力が働きキャビネット２１の移動しようとする力の大
きさ及び向きはＦと−Ｆの差によって定まり、駆動力Ｆ
と駆動力−Ｆとが等しければ互にキャンセルされキャビ
ネット２１は揺動しない様になるが、本例では加振器Ｂ
側の駆動力をスピーカユニットＡの駆動力に比べて大き
くする様に成す。

【００２８】例えば２個の第１及び第２の磁気回路２５
及び２７の磁気回路の磁気力は同じにして、加振器Ｂ側
のボイスコイルの直径だけを大きくする様に成せば駆動
力は加振器Ｂ側で大きくすることが出来る。

【００２９】例えば、スピーカユニットＡが２Ｆの駆動
力が与えられる様に設計した時に加振器Ｂに−３Ｆの駆
動力が与えられる様に設計したとする。この時のスピー
カユニットＡの反作用力、−２Ｆ′と加振器Ｂの反作用
力＋３Ｆ′は−２Ｆ−（＋３Ｆ′）＝Ｆ′となりベクト
ル的には反作用力Ｆ′がスピーカユニットＡの振動板７
Ａの２Ｆの力に加算され２Ｆ＋Ｆ′＝３Ｆ（ここでＦ＝
Ｆ′）と成すことが出来る。

【００３０】一般にダイナミックスピーカの場合の振動
板７Ａ及び７Ｂに加わる力Ｆ＝ｍ₀α₀は次の式（１）
で定まる。

【００３１】

【数１】

【００３２】ここで、ＷＥはスピーカユニットＡ或いは
加振器Ｂに加わる音声信号入力、Ｂｇは磁気回路のギャ
ップの磁束密度、Ｖｖはボイスコイルの有効体積、δは
ボイスコイルの材料の比抵抗、ＱはスピーカユニットＡ
或いは加振器Ｂの共振鋭度であり、上述のＷＥ，Ｂｇ，
Ｖｖ，δ，Ｑ又はｍ₀，ｍ_kを適宜選択することで互い
にキャンセルするスピーカユニットＡと加振器Ｂの力を
Ｆ＜−Ｆとすることが種々の条件で選択出来る。

【００３３】従って、Ｆ＝ｍ₀α₀＜ｍ_kα_kとするに
はスピーカユニットＡの等価質量ｍ₀と加振器Ｂの等価
質量ｍ_kをｍ₀＜ｍ_kにするか、スピーカユニットＡの
磁気回路のギャップの磁束密度Ｂｇと加振器Ｂの磁気回
路のギャップの磁気密度Ｂｇ′をＢｇ＜Ｂｇ′になる様
に即ち、加振器Ｂの磁気回路をスピーカユニットＡの磁
気回路に比べ強力なものを用いることが最も容易な方法
である。この様な構成にすれば小型軽量なキャビネット
２１を重い材料で構成させなくても揺動せず、作用及び
反作用による力によって音の放射の力が弱まるのを防止
出来ると共に強力な放射力のスピーカ装置が得られ、特
に低音の放射力を高めることが出来る。

【００３４】図１のスピーカユニットＡとしては図７に
用いたと同一の一般的な小型のスピーカユニットＡを利
用することが出来る。又、ヨーク３の背面にマグネット
１の着磁方向と逆着磁されたキャンセルマグネット２６
と必要に応じシールドカバーを設けた防磁型のスピーカ
ユニットＡを用いるを可とする。

【００３５】このスピーカユニットＡの背面に図２及び
図３で後述する加振器ＢをスピーカユニットＡの振動板
７Ａ及び加振器Ｂの振動板７Ａ及び７Ｂが互いに反対方
向を向く様に固定させる。

【００３６】この様な本発明に用いる加振器Ｂの構成の
一例を図２及び図３を用いて説明する。図２で本例の加
振器Ｂは円板状の板材から成り、中心部に植立された円
柱状のセンタポール３４ａとこのセンタポール３４ａを
囲繞する様に同心円状に段部が形成されたマグネットガ
イド３４ｂを一体化した断面逆Ｔ字状と成したヨーク３
４と、このヨーク３４のマグネットガイド３４ｂに内径
を嵌合させ、且つ接合した、リング状で厚み方向に着磁
されたマグネット３３と、このマグネット３３の上面に
接着剤等で接合したリング状のプレート３１と、このプ
レート３１上に固着した鉄製等の漏斗状のフレーム３７
とで金物部分の磁気回路が構成される。

【００３７】センタポール３４ａとプレート３１との間
の同心円状の磁気空隙部４７にはボイスコイルボビン３
８に巻回したボイスコイル３８ａを挿入するためにボイ
スコイルボビン３８の内周にクラフト紙等のスペーサを
巻いた状態で、ボイスコイルボビン３８をセンタポール
３４ａに上側から挿入し、ボイスコイル３８ａの位置が
磁気空隙部４７内に配設される様にセッティングする。

【００３８】ボイスコイルボビン３８の上端部の外径部
とフレーム３７の底面近傍間に波形の同心円状のダンパ
３９を接着剤等で接合し、更に漏斗状で複数の通気孔４
８を形成した振動板７Ｂの内径部をボイスコイルボビン
３８の上端部の外径に嵌合させて接合し、振動板７Ｂの
最大直径部をフレーム３７の最大直径開口部に矢紙４２
を介して接合する。

【００３９】接着剤の乾燥後にボイスコイルボビン３８
の内径に挿入したスペーサを抜いて、複数の通気孔４８
を形成したキャップ４４をボイスコイルボビン３８の上
面に接合させる。

【００４０】ボイスコイル３８ａからリード線を引き出
し、錦糸線４６を介して入力端子４５に接続し、入力端
子４５を介してボイスコイル３８ａに電気信号を供給す
る。尚、上述では予め着磁したマグネット３３を組立て
た場合を説明したが、無着磁のマグネット３３を最終組
立段階で着磁する様に成してもよい。図１に示す構成の
スピーカ装置では、スピーカユニットＡのマグネットの
着磁方向と反対にするか、ボイスコイル３８ａの巻回方
向をスピーカユニットＡと逆に巻回する様に成す。又、
同一方向に巻回したものでは反転駆動信号を供給する様
に成せばよい。

【００４１】図３は本発明の加振器の他の構成例を示す
ものであり、図２との対応部分には同一符号を付して重
複説明を省略する。

【００４２】図３では磁気回路及び通気性のある下ダン
パ３９ａまでの構成は図２と同一であるがフレーム３７
の最大外径開口部とボイスコイルボビン３８の外径部間
に布等で形成した通気性のよい上ダンパ３９ｂを配設す
る。上ダンパ３９ｂの外径部は矢紙４２を介してフレー
ム３７に固着され、上ダンパ３９ｂと入力端子３７間に
は錦糸線４６を介して接続され、錦糸線４６とボイスコ
イル３８ａは接続されている。この構成では上ダンパ３
９ｂが振動板７Ｂを構成する。又、ボイスコイルボビン
３８の上面に覆せられるキャップ４４も布等の通気性の
よい材料が選択されている。

【００４３】上述の図１のスピーカ装置ではスピーカユ
ニットＡの第１の磁気回路２５を構成するマグネット１
の上側（振動板側）をＮ極とし下側（背面）をＳ極と
し、このマグネット１の下側と同一極性のＳ極とし反対
側をＮ極としたキャンセルマグネット２６をスピーカユ
ニットＡのヨーク３に接合する。

【００４４】又、加振器Ｂの第２の磁気回路２７のマグ
ネット３３の上側（振動板側）をＳ極とし、下側（背
面）をＮ極として加振器Ｂのヨーク３４を上記キャンセ
ルマグネット２６のＮ極同志が反撥する様にして接合さ
せて一体化する。即ちキャンセルマグネット２６はスピ
ーカユニットＡと加振器Ｂ間に配設したので、外部漏洩
磁束がキャンセルマグネット２６で大幅に抑制されて、
スピーカユニットＡの磁気空隙部９の有効磁束を同一マ
グネット１を用いキャンセルマグネット２６を用いない
場合に比べて３０％程度増加させることが出来、小型の
スピーカユニットＡでも駆動力を増加させることが出来
る様になった。

【００４５】図４に示すスピーカ装置は本発明の他の構
成を示すもので、加振器Ｂとしては図２又は図３の構成
の加振器が用いられる。

【００４６】この加振器Ｂのヨーク３４の底面にマグネ
ットガイド３４ｃを形成すると共に加振器Ｂのセンタポ
ール３４ａの植立方向と逆方向に円柱状のセンタポール
３４ｄを植立させる。

【００４７】ヨーク３４の円盤状に形成したマグネット
ガイド３４ｃにリング状に形成したキャンセルマグネッ
ト２６の内径を嵌合させる。このキャンセルマグネット
２６の下側は図４に示す加振器Ｂのマグネット３３では
上側（背面側）と同極のＮ極に着磁され、上側はＳ極に
なる様に厚み方向に着磁されてヨーク３４上に接着剤等
で固着される。

【００４８】キャンセルマグネット２６の上側にはリン
グ状の第２のプレート５１ａが接着剤で固着される。

【００４９】更に、第２のプレート５１ａ上にキャンセ
ルマグネット２６と同径で、逆に上側がＮ極、下側がＳ
極となるように厚み方向に着磁したスピーカユニットＡ
を駆動するための第２のマグネット５０を接合し、更に
第２のマグネット５０上に第３のリング状のプレート５
１ｂを接合する。

【００５０】ヨーク３４の中心位置から植立させたセン
タポール３４ｄの外径と第２のプレート５１ａの内径間
に第２の磁気空隙部５２を形成する。植立させたセンタ
ポール３４ｄの外径部に対し、このセンタポール３４ｄ
の上側に第３のプレート５１ｂの内径とセンタポール３
４ｄの外径間に第３の磁気空隙部を形成する。

【００５１】更にセンタポール３４ｄに所定間隔で挿入
され、ローリングを防止する為に２枚の上下ダンパー５
３ａ及び５３ｂで揺動自在に保持された比較的、長さの
長いボイスコイルボビン５５には第２の磁気空隙部５２
の対応位置にボイスコイル５４を巻回する。

【００５２】ダブルダンパを構成する上下ダンパ５３ａ
及び５３ｂの外径部は漏斗状の金属性のフレーム５６の
底面外径近傍にて保持され、コーン状の振動板７Ａの内
径部はボイスコイルボビン５５の外径に接合され、外径
部はエッジ５８を介して、フレーム５６の最大外周位置
に矢紙５９で保持される。又、キャップ６２は振動板７
Ａ又はボイスコイルボビン５５上に接合保持されてい
る。尚、６０は錦糸線、６１は入力端子を示す。

【００５３】上述の構成によればスピーカユニットＡは
キャンセル用のマグネット２６と駆動用のマグネット５
０が第２の磁気空隙部５２内で磁束φ₁及びφ₂が加算
され、更にキャンセルマグネット２６によって漏洩磁束
の抑制が出来ると共に第２の磁気空隙部５２を通過する
磁束量を漏洩磁束の抑制効果により大幅に増加させるこ
とが出来る。

【００５４】図５及び図６は本発明の他の構成を示すも
のであり、図５は図７で説明したと同様の動電型のスピ
ーカユニットＡの底面に図３で説明した加振器Ｂの円盤
状のヨーク３４部分を除去したものを用いヨーク３の底
面に接着剤或いはビス等を介してポールピース３４ａを
植立させ、且つリング状マグネット３３をヨーク３の底
面に接合し、加振器Ｂの下ダンパ３９ａの内径近傍に等
価質量を増すためのリング状のワイヤから成る重錘６３
を付加させ、スピーカユニットＡの実効質量と加振器Ｂ
の実効質量のバランス調整を行う様に成されている。

【００５５】図６に示されたものは図７で説明したと同
様の一般的なスピーカユニットＡの底面に図２で説明し
た加振器Ｂの円盤状のヨーク３４を除去し、スピーカユ
ニットＡのヨーク３の底面にセンタポール３４ａを植立
させて、接着剤或いはビス等で接合させ、且つマグネッ
ト３３をヨーク３の底面に接合したものである。

【００５６】図５及び図６で、スピーカユニットＡを構
成する第１の磁気回路２５のマグネット１は厚み方向に
ＮＳと着磁された場合は加振器Ｂを構成する第２の磁気
回路２７のマグネット３３は厚み方向にＳＮとマグネッ
ト１と逆に着磁し、互いにヨーク３を挟んで起磁力が反
撥する様に成し、漏洩磁束をキャンセルさせる様に成す
と共にスピーカユニットＡの磁気空隙部での磁束密度を
高めて高出力化すると共に低音放射力を高める。

【００５７】上述の図５及び図６の構成ではスピーカユ
ニットＡと加振器Ｂの駆動方向、即ち駆動力Ｆが同一電
気信号を加えた時、同一方向となるのでボイスコイル３
８ａ及び５４の巻回方向或いはアンプを介してスピーカ
ユニットＡの入力端子Ｔ_Aに供給される電気信号に対
し、加振器Ｂの入力端子Ｔ_Bに供給される電気信号を反
転回路を介して反転して、スピーカユニットＡの駆動力
Ｆに対し、加振器の駆動力を−Ｆにする様に成されてい
る。

【００５８】又、スピーカユニットＡのアンプ系路に可
変抵抗器等を設けて電気信号を加振器Ｂの電気入力に比
較して小レベルとする様に成して加振器Ｂ側の駆動力を
大とする様にしてもよい。

【００５９】

【発明の効果】本発明のスピーカ装置によればスピーカ
ユニットＡに対し、加振器Ｂの磁気回路２５及び２７間
にキャンセルマグネット２６を付加したので、漏洩磁束
を抑制出来ると共に磁気空隙部を通る磁束密度を高めて
高出力化が出来ると共に加振器Ｂ側の駆動力をスピーカ
ユニットＡ側より大きくすることで、スピーカユニット
Ａの駆動力にスピーカユニットＡと加振器Ｂの反作用の
駆動力差の駆動力が加算出来るため、特に低音の放射力
を大きくすることが出来るものが得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のスピーカ装置の側断面図である。

【図２】本発明のスピーカ装置に用いる加振器の断面図
である。

【図３】本発明のスピーカ装置に用いる他の加振器の断
面図である。

【図４】本発明のスピーカ装置の他の側断面図である。

【図５】本発明のスピーカ装置の更に他の側断面図
（Ｉ）である。

【図６】本発明のスピーカ装置等の他の側断面図（II）
である。

【図７】従来のスピーカ装置の１部断面図である。

【符号の説明】

Ａ‥‥スピーカユニット、Ｂ‥‥加振器、７Ａ，７Ｂ‥
‥振動板、２１‥‥キャビネット、２２‥‥パッフルボ
ード、２５，２７‥‥第１及び第２の磁気回路

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者秋山明広東京都品川区北品川６丁目７番35号ソニー株式会社内 (72)発明者渡辺直樹東京都品川区北品川６丁目７番35号ソニー株式会社内 (72)発明者徳重賢二東京都品川区北品川６丁目７番35号ソニー株式会社内

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】スピーカユニットの振動板の加振方向に
対して、逆方向に加振を行う様に成された加振器を有す
るスピーカ装置であって、上記加振器の駆動力を上記スピーカユニットの駆動力に
比較して大と成し、該スピーカユニットと該加振器の駆
動力差を該スピーカユニットに付与する様に成したこと
を特徴とするスピーカ装置。
【請求項２】前記加振器側のボイスコイル径を大きく
して成ることを特徴とする請求項１記載のスピーカ装
置。
【請求項３】前記加振器の振動板の振動系に質量を付
加して成ることを特徴とする請求項１記載のスピーカ装
置。
【請求項４】前記加振器の振動板に透孔を設けて成る
ことを特徴とする請求項１記載のスピーカ装置。
【請求項５】前記加振器の振動板が通気性部材で構成
されていることを特徴とする請求項１記載のスピーカ装
置。
【請求項６】スピーカユニットの振動板の加振方向に
対して、逆方向に加振を行う様に成された加振器を有す
るスピーカ装置であって、上記スピーカユニットの磁気回路と上記加振器の磁気回
路の背面を対向させ、該対向面で互いに磁気的にキャン
セルする様に成したことを特徴とするスピーカ装置。
【請求項７】前記スピーカユニットの磁気回路の背面
と前記加振器の磁気回路の背面間にキャンセルマグネッ
トを配設して成ることを特徴とする請求項６記載のスピ
ーカ装置。
【請求項８】前記スピーカユニットの磁気回路に設け
たマグネットの背面の着磁方向と前記加振器の磁気回路
に設けたマグネットの背面の着磁方向とを同極性と成る
様に成したことを特徴とする請求項６記載のスピーカ装
置。
【請求項９】前記キャンセルマグネットを前記スピー
カユニットの磁気力を増加させる様に配設させて成るこ
とを特徴とする請求項６又は請求項７記載のスピーカ装
置。