JPH1140832A - 薄膜太陽電池およびその製造方法 - Google Patents

薄膜太陽電池およびその製造方法

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JPH1140832A
JPH1140832A JP9192400A JP19240097A JPH1140832A JP H1140832 A JPH1140832 A JP H1140832A JP 9192400 A JP9192400 A JP 9192400A JP 19240097 A JP19240097 A JP 19240097A JP H1140832 A JPH1140832 A JP H1140832A
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Japan
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layer
crystal semiconductor
solar cell
electrode layer
thin
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JP9192400A
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English (en)
Inventor
Kenji Kajiyama
健二 梶山
Tomoaki Yoneda
知晃 米田
Mitsunori Ketsusako
光紀 蕨迫
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ION KOGAKU KENKYUSHO KK
Hitachi Ltd
Original Assignee
ION KOGAKU KENKYUSHO KK
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い変換効率を確保しつつ低コスト化および
省資源化を図ることができる薄膜太陽電池およびその製
造方法を提供することである。 【解決手段】 p型単結晶シリコン板1の表面に凹凸形
状を形成する。p型単結晶シリコン板1の凹凸形状の表
面から5〜10μmの深さにHを層状にイオン注入す
る。基板4上に絶縁層5を介して下部電極層6を形成す
る。p型単結晶シリコン板1の凹凸形状の表面を下部電
極層6の表面に接着する。熱処理により、p型単結晶シ
リコン板1を層状に分布した空隙の領域3aで切断して
下部電極層6上に接着された凹凸形状のp型単結晶リシ
コン層1aと残りのp型単結晶シリコン板1bとに分離
する。熱処理により下部電極層6からn型不純物をp型
単結晶シリコン層1a中に拡散させることによりn型拡
散層1cを形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、結晶系薄膜太陽電
池およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】単結晶シリコン、多結晶シリコン等の結
晶系シリコンからなる結晶系太陽電池において表面反射
率を低減するために、結晶系シリコンの表面に凹凸形状
を形成することが提案されている。
【0003】このような結晶系太陽電池の製造において
は、引き上げ法や鋳造法により作製された多結晶または
単結晶のシリコンインゴット(塊状結晶)を薄いウエハ
状に切断し、そのウエハの表面に機械的スクライブや化
学的エッチングにより凹凸形状を形成する。そして、こ
のウエハに形成された凹凸形状の表面に拡散法またはイ
オン注入法によりpn接合を形成し、さらに真空蒸着
法、印刷焼成法やメッキ法により電極を形成する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記の結晶系太陽電池
においては、表面に形成された凹凸形状により入射光の
表面反射を小さくすることができる。それにより、変換
効率を向上させることが可能となる。
【0005】従来の製造方法によれば、太陽電池の表面
および裏面の両方に凹凸形状を形成することは困難であ
る。それにより、太陽電池の裏面は平坦になっているた
め、太陽電池の内部に進入した光の閉じ込めが十分であ
るとは言えない。それゆえ、例えばアプライド・フィジ
ックス・レターズ、第70巻、390頁〜392頁(Ap
plied Physics Letters,70(3),(1997)390-392)に記載の
ように、太陽電池の表面裏面に凹凸を形成した構造を実
現することで、太陽電池の内部に進入した光の閉じ込め
を十分に行うことにより、さらに変換効率を向上させる
ことが試みられている。しかしながら、これまで太陽電
池の表面裏面に凹凸を形成した構造は、上記の文献のよ
うに凹凸基板に多結晶薄膜を堆積させることによっての
み実現されており、粒径の大きな結晶薄膜で実現するこ
とは困難であったため、優れた特性のものが得られてい
ない。
【0006】また、従来の結晶系太陽電池の製造方法に
おいては、単結晶シリコンまたは多結晶シリコンのシリ
コンインゴットからウエハを切り出す際に、切り代が発
生する。例えば、15cm径または15cm角のシリコ
ンインゴットから数百μmの厚さのウエハを切り出す場
合には、ウエハと同程度の厚さ、すなわち数百μmの厚
さの切り代が発生する。そのため、実際に使用するシリ
コンウエハと同程度の厚さのシリコンの無駄が生じる。
【0007】また、結晶系太陽電池において光電変換に
寄与する厚さは百μm以下であるが、シリコンインゴッ
トを百μm以下の厚さのウエハに切断することは困難で
ある。そのため、従来の結晶系太陽電池では、必要以上
の厚さのシリコンを用いていることになり、無駄が生じ
ている。
【0008】特に、単結晶シリコンは高価であるため、
単結晶シリコンに比べて特性の劣る多結晶シリコンを用
いた太陽電池が主として製造されている。
【0009】本発明の目的は、高い変換効率を確保しつ
つ低コスト化および省資源化を図ることができる薄膜太
陽電池およびその製造方法を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段および発明の効果】第1の
発明に係る薄膜太陽電池の製造方法は、結晶半導体の表
面に凹凸形状を形成する第1の工程と、結晶半導体の凹
凸形状の表面から所定の深さに所定の元素を層状にイオ
ン注入する第2の工程と、基板上に電極層を形成する第
3の工程と、所定の元素が注入された結晶半導体の凹凸
形状の表面を基板上に形成された電極層の表面に接着す
る第4の工程と、熱処理により、結晶半導体に注入され
た上記所定の元素の領域に層状に分布する空隙を形成
し、結晶半導体を層状に分布した空隙の領域で切断して
電極層上に接着された凹凸形状の結晶半導体層と残りの
結晶半導体とに分離する第5の工程と、電極層上に接着
された凹凸形状の結晶半導体層に発電層を形成する第6
の工程とを備えたものである。
【0011】本発明に係る薄膜太陽電池の製造方法にお
いては、まず第1の工程で、結晶半導体の表面に凹凸形
状を形成し、第2の工程で、結晶半導体の凹凸形状の表
面から所定の深さに所定の元素を層状にイオン注入する
とともに、第3の工程で、基板上に電極層を形成し、第
4の工程で、所定の元素が注入された結晶半導体の凹凸
形状の表面を基板上に形成された電極層の表面に接着す
る。そして、第5の工程で、熱処理により、結晶半導体
にイオン注入により形成された結晶欠陥における構成元
素の不対結合手に上記所定の元素を移動させ、その元素
を不対結合手と結合させて不対結合手を終端させる。そ
れにより、結晶半導体中に層状に分布した空隙を形成
し、その層状に分布した空隙の領域で結晶半導体を分断
する。その結果、電極層上に接着された凹凸形状の結晶
半導体層と残りの結晶半導体とが得られる。
【0012】なお、イオン注入量が不足すると、移動し
た注入元素は空孔を形成し、分断に必要な空隙を形成し
ないので不適当である。また、注入エネルギーが低過ぎ
ると、分断した層が縦方向にも破断し、分断した層が一
体にならないので不適当である。
【0013】さらに、第6の工程で、電極層上に接着さ
れた凹凸形状の結晶半導体層に発電層を形成する。この
ようにして、凹凸形状の発電層を有する太陽電池が製造
される。
【0014】発電層の厚さは上記所定の元素の注入深さ
にほぼ相当するので、注入深さを調整することにより任
意の厚さの結晶半導体からなる発電層を形成することが
できる。したがって、発電層を光電変換に必要な薄い厚
さに容易に形成することができる。
【0015】本発明に係る製造方法により製造された薄
膜太陽電池では、発電層の表面および裏面が凹凸形状に
形成されている。そのため、発電層の表面での入射光の
反射が低減され、発電層の内部に進入する光の量が多く
なる。また、表面の凹凸形状により入射光が発電層の内
部に斜めに屈折される確率が高くなるので、発電層の内
部で光の進む距離が長くなる。それにより、光が光電変
換に有効に利用される。さらに、発電層の内部で進行す
る光が裏面の凹凸形状により全反射される確率が高くな
るので、光の閉じ込めが良好に行われる。これらの結
果、変換効率がさらに向上する。
【0016】また、凹凸形状の結晶半導体層からなる発
電層が薄い厚さに形成されるので、結晶半導体の無駄が
生じない。したがって、高い変換効率を確保しつつ低コ
スト化および省資源化を図ることができる。
【0017】特に、基板上の電極層が接着剤を兼ねても
よい。これにより、第4の工程で結晶半導体の接着が容
易になる。
【0018】結晶半導体として第1導電型結晶半導体を
用い、第6の工程で凹凸形状の結晶半導体層中または凹
凸形状の結晶半導体層上に第2導電型結晶半導体層を形
成してもよい。これにより、発電層が形成される。
【0019】また、結晶半導体として第1導電型結晶半
導体を用い、第3の工程で電極層中に第2導電型不純物
元素(第2導電型ドーパント)を添加し、第6の工程で
熱処理により電極層から凹凸形状の結晶半導体層中に不
純物元素を拡散させてもよい。この場合、発電層の形成
が容易になる。
【0020】また、結晶半導体は結晶シリコンであって
もよい。この場合、結晶シリコンとして単結晶シリコン
を用いることが好ましい。あるいは、結晶シリコンとし
て多結晶シリコンを用いてもよい。
【0021】第1の工程で上記所定の元素を結晶半導体
の凹凸形状の表面から5μm以上10μm以下の深さに
層状にイオン注入することが好ましい。これにより、厚
さ5μm以上10μm以下の凹凸形状の結晶半導体層を
形成することができる。この場合、光電変換に必要な薄
い厚さの発電層が形成される。
【0022】さらに、第5の工程で分離された残りの結
晶半導体を第2の工程で再利用してもよい。これによ
り、結晶半導体の無駄を低減することが可能となる。
【0023】第2の発明に係る薄膜太陽電池は、基板
と、基板上に形成された電極層と、電極層上に形成され
た凹凸形状の結晶半導体層からなる発電層とを備えたも
のである。
【0024】本発明に係る薄膜太陽電池においては、発
電層の表面および裏面が凹凸形状に形成されている。そ
のため、発電層の表面での入射光の反射が低減され、発
電層の内部に進入する光の量が多くなる。また、表面の
凹凸形状により入射光が発電層の内部に斜めに屈折され
る確率が高くなるので、発電層の内部で光の進む距離が
長くなる。それにより、光が光電変換に有効に利用され
る。さらに、発電層の内部で進行する光が裏面の凹凸形
状により全反射される確率が高くなるので、光の閉じ込
めが良好に行われる。これらの結果、変換効率がさらに
向上する。
【0025】
【発明の実施の形態】図1〜図5は本発明の一実施例に
おける薄膜太陽電池の製造方法を示す模式的工程図であ
る。
【0026】図1(a)に示すように、比抵抗10Ω・
cm程度のp型単結晶シリコン板1を用いる。まず、図
1(b)に示すように、p型単結晶シリコン板1の表面
に、機械的スクライブまたは化学的エッチングにより凹
凸形状2を形成する。本実施例では、製造工程を簡略化
するために、機械的スクライブ(切削)により凹凸形状
2として複数のV字溝からなる線状パターンを形成す
る。V字溝の内面の傾斜角度θは例えば60°であり、
V字溝の幅Dは例えば10μm程度である。
【0027】次に、図1(c)に示すように、p型単結
晶シリコン板1にH(水素)をイオン注入する。これに
より、p型単結晶シリコン板1の凹凸形状2の表面から
所定の深さに原子状水素3の注入領域が形成される。イ
オン注入の条件としては、水素イオン(H+ )の加速エ
ネルギーを500keVとし、ドーズ量を5×1016
cm2 〜1×1017/cm2 とする。これにより、原子
状水素3の注入領域の深さは凹凸形状2の表面から約1
0μmとなる。
【0028】次いで、図2(d)に示すように、耐熱性
ガラス板またはステンレス、銅等の金属シートからなる
基板4上に、非晶質SiO2 、Al2 3 等からなる絶
縁層5をスパッタ法、プリント法(印刷法)等により形
成し、さらに絶縁層5上に電極形成用ペースト6aを塗
布する。この電極形成用ペースト6aは、Ag(銀)、
Cu(銅)、Al(アルミニウム)等の金属粒子を有機
溶媒中に分散するとともに、n型不純物(n型ドーパン
ト)であるP(燐)粒子を添加したものである。
【0029】そして、図2(e)に示すように、p型単
結晶シリコン板1の凹凸形状2の表面を電極形成用ペー
スト6aの表面に貼り付け、300〜500℃で熱処理
を行い、電極用ペースト6a中の有機溶媒を蒸発させ
る。これにより、Ag、Cu、Al等の金属からなる下
部電極層6が形成されるとともに、p型単結晶シリコン
板1が下部電極層6に接着される。すなわち、図2
(d)の電極形成用ペースト6aは下部電極層6の材料
および接着剤を兼ねている。
【0030】その後、図3(f)に示すように、500
〜700℃で熱処理を行う。これにより、原子状水素3
がイオン注入により形成された結晶欠陥における構成元
素の不対結合手に移動し、不対結合手と結合することに
より、その不対結合手を終端する。その結果、p型単結
晶シリコン板1の凹凸形状2の表面から約10μmの深
さに層状に分布する多数の空隙が形成され、さらに加熱
に伴う熱歪でp型単結晶シリコン板1が空隙の領域3a
で分断される。
【0031】このようにして、下部電極層6上に接着さ
れた膜厚約10μmのp型単結晶シリコン層1aおよび
残りのp型単結晶シリコン板1bが得られる。この場
合、p型単結晶シリコン層1aの表面および裏面は共に
凹凸形状を有する。p型単結晶シリコン層1aおよびp
型単結晶シリコン板1bの凹凸形状の表面の微細な凹凸
は数十nm以下である。
【0032】次に、図3(g)に示すように、700〜
900℃で熱処理を行う。これにより、下部電極層6と
凹凸形状のp型単結晶シリコン層1aとの接着が強化さ
れるとともに、下部電極層6からp型単結晶シリコン層
1a中にn型不純物が拡散し、n型拡散層1cが形成さ
れる。この結果、p型単結晶シリコン層1aとn型拡散
層1cとのpn接合からなる発電層Aが形成される。
【0033】なお、上記の例では電極層からのn型不純
物の拡散により発電層Aを形成したが、結晶表面に凹凸
形状を形成する第1の工程の後に、表面からイオン注入
や熱拡散等の方法でn型不純物を導入することによって
も発電層Aが形成される。
【0034】さらに、図4(h)に示すように、p型単
結晶シリコン層1aの凹凸形状の表面および分断された
p型単結晶シリコン板1bの凹凸形状の表面の微細な凹
凸(損傷領域)を化学的エッチングにより研磨する。研
磨されたp型単結晶シリコン板1bは図1(c)の工程
で再利用することができる。
【0035】次に、図4(i)に示すように、p型単結
晶シリコン層1a上に、CVD法またはプラズマCVD
法により、Si、N、Oの混合物、あるいはTi、Al
等を含む誘電体を、単層または積層構造で堆積したパッ
シベーション膜7を形成する。このパッシベーション膜
7は保護膜および反射防止膜を兼ねる。
【0036】最後に、図5(j)に示すように、パッシ
ベーション膜7の所定領域をパターンニングにより除去
して電極材料を堆積するか、またはパッシベーション膜
7の所定領域に電極材料を設け、熱処理工程によってp
型基板との接触をとることによって、p型単結晶シリコ
ン層1a上に上部電極8を形成する。上部電極8の形成
方法としては、Ag、Cu、Al等の金属粒子を有機溶
媒中に分散させたペーストを塗布し、400℃程度で焼
成する。また、直接電極材料を設ける場合には、短時間
の700℃での焼成により、パッシベーション膜7を介
して直接電極の形成が可能である。このようにして、単
結晶シリコンからなる太陽電池が製造される。
【0037】図6および図7は本発明の他の実施例にお
ける薄膜太陽電池の製造方法を示す模式的工程断面図で
ある。
【0038】図6(a)は0.5Ω・cmのp型単結晶
シリコン板1である。まず、図6(b)に示すように、
p型単結晶シリコン板1の(100)表面に所望のマス
クパターンを形成し(図示せず)、公知の異方性エッチ
ング法によりエッチングし、一部に平坦部を有する凹凸
形状2を形成する。マスク開口部が正方形の場合、形成
される凹凸形状2の凹部は逆ピラミッド状のピットとな
り、その内面の傾斜角θは約55°である。この角度は
結晶学的に決まるため、シリコン板1の表面の全面で一
様である。凹凸形状2の逆ピラミッド状凹部の辺長Dは
例えば5μmである。また、平坦部の幅は20μmから
50μmである。
【0039】次に、図6(c)に示すように、平坦部の
一部にリン等のn型不純物を熱拡散もしくはイオン注入
等で導入し、n型領域1eを形成する。また、平坦部の
他の一部には硼素等のp型不純物を熱拡散もしくはイオ
ン注入等で導入し、p型領域1dを形成する。この形成
には、公知の酸化膜等のマスク皮膜の形成と開口部の形
成、不純物導入と熱処理が適用される。それぞれの領域
1e,1dの深さは1μm程度である。p型領域1dの
形成は必須ではなく、p型単結晶シリコン板1の比抵抗
が本実施例にように小さい場合には省略してもよい。ま
た、シリコン板1の表面には0.1μm程度の薄い酸化
膜が形成されていることが望ましい。
【0040】次いで、図6(d)に示すように、表面に
不純物領域が形成されたp型単結晶シリコン板1の全面
に水素(H)イオンをイオン注入する。イオン注入の条
件は、水素イオン(H+ )の加速エネルギーを1MeV
とし、ドーズ量を1×1017/cm2 〜2×1017/c
2 とする。これにより、原子状水素3の注入領域の深
さはp型単結晶シリコン板1の表面から約10μmとな
る。原子状水素3の注入領域はシリコン板1の表面形状
を深さ方向に約10μm平行移動させた形状となる。イ
オン注入された水素イオンは表面拡散領域にはほとんど
影響を与えることなくシリコン板1の表面領域を通過
し、静止深さの狭い領域でのみ高濃度の結晶欠陥を形成
する。
【0041】次に、薄膜を剥離して保持するために配線
基板を用意する。図7(e)は耐熱性ガラス板、セラミ
ックス、ステンレス等の金属シートなどの基板4の表面
に、高純度ガラス膜、アルミナ膜などの絶縁層5をCV
D法やスパッタ法、塗布法、印刷法などで形成・焼成し
た配線基板に、さらに電極配線6b,6cを形成したも
のである。電極配線6cはシリコン板1のn型領域1e
とコンタクトを取るため、Agを主成分とする金属ペー
ストであり、電極配線6bはシリコン板1のp型領域1
dとコンタクトを取るため、Alを含むAgペーストで
ある。これらはそれぞれ、コンタクトからの電気出力を
導くための他の配線(図示せず)の所望領域に形成さ
れ、以下に述べる接着工程に適合するよう、シリコン板
1の平坦部分に形成されたn型領域1eおよびp型領域
1dに対向して設けられている。
【0042】上記配線基板と、図6(d)で示した水素
イオン注入済みのシリコン板1とを図7(f)に示すよ
うに対向させ、シリコン板1表面に形成したn型領域1
eと配線基板上に形成した電極配線(Agペースト形成
部分)6cとを、また、シリコン板1表面に形成したp
型領域1dと配線基板上に形成した電極配線(Ag(A
1)ペースト形成部分)6bとをそれぞれ対向させて圧
接し、この状態で700℃、5分間の熱処理を加える。
それぞれの電極配線6c,6dは、薄い酸化皮膜があっ
ても、これを介してそれぞれn型領域1eおよびp型領
域1dと良好なオーミック接触を形成する。接着するシ
リコン板1が大きな場合には、予めシリコン板1のn型
領域1eおよびp型領域1dの上にそれぞれコンタクト
を形成しておくことは防げない。この工程は水素イオン
注入の前後、どちらでもよい。
【0043】上記熱処理の工程で、図7(g)に示すよ
うに、コンタクト部分における接着と、原子状水素3の
注入領域で発生する空隙の成長による剥離が同時に達成
され、p型単結晶シリコン層1aが配線基板に接着した
状態で剥離し、p型単結晶シリコン板1bが残る。p型
単結晶シリコン層1aが除去されたシリコン板1bは、
図6(b)に示すエッチング後のシリコン板1とほぼ同
じ表面形状であり、表面の微細な凹凸をエッチング除去
して図6(c)に示す工程以下に再利用される。
【0044】剥離されたp型単結晶シリコン層1aの剥
離面の微細な凹凸は軽くエッチングし、さらにその表面
には図7(h)に示すように反射防止膜7をCVD法、
プラズマCVD法などにより形成する。反射防止膜7に
はシリコンの酸化膜や窒化膜、Tiの酸化膜などが好適
で、その厚さは素材の屈折率により、反射防止条件を満
たすよう、0.06μm〜0.11μmの適当な厚さに
選ぶ。こうしてp型単結晶シリコン層1aとn型領域1
eとのpn接合からなる発電層Aが形成され、さらに、
集電電極が裏面に集約された構造の太陽電池が完成す
る。
【0045】これらの実施例の太陽電池においては、p
型単結晶シリコン層1aおよびn型拡散層1c(または
n型領域1e)からなる発電層Aの表面および裏面が共
に凹凸形状に形成されている。それにより、発電層Aの
表面での入射光の反射が低減され、発電層Aの内部に進
入する光の量が多くなる。また、表面の凹凸形状により
入射光が発電層Aの内部に斜めに屈折される確率が高く
なるので、発電層Aの内部で光の進む距離が長くなる。
それにより、光が光電変換に有効に利用される。さら
に、発電層Aの内部で進行する光が裏面の凹凸形状によ
り全反射される確率が高くなるので、光の閉じ込めが良
好に行われる。これらの結果、変換効率がさらに向上す
る。
【0046】また、本実施例の製造方法によると、発電
層Aの厚さを約5μm〜10μm程度と薄く形成するこ
とができるので、高い変換効率を確保しつつ単結晶シリ
コンの使用量を低減することが可能となり、省資源化お
よび低コスト化が図られる。
【0047】なお、上記実施例では、結晶半導体として
単結晶シリコン板を用いているが、単結晶シリコン板の
代わりに単結晶シリコンインゴット、多結晶シリコン
板、多結晶シリコンインゴットまたはその他の結晶半導
体を用いてもよい。
【0048】また、上記実施例では、図3(f)の工程
で単結晶シリコン板1を分断するために、図1(c)の
工程で単結晶シリコン板1にHをイオン注入している
が、Hの代わりに弗素、塩素、臭素、沃素等のハロゲン
元素を用いることもできる。
【0049】さらに、上記実施例では、図1(b)の工
程で凹凸形状2として複数のV字溝からなる線状パター
ンを形成しているが、凹凸形状2としてU字溝からなる
線状パターンを形成してもよく、あるいはアルカリ水溶
液を用いた化学的エッチングにより微細なピラミッド状
の交差パターンを形成してもよい。
【0050】なお、上記実施例の太陽電池において、各
層の導電型を逆にしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例における薄膜太陽電池の製造
方法を示す模式的工程断面図である。
【図2】本発明の一実施例における薄膜太陽電池の製造
方法を示す模式的工程断面図である。
【図3】本発明の一実施例における薄膜太陽電池の製造
方法を示す模式的工程断面図である。
【図4】本発明の一実施例における薄膜太陽電池の製造
方法を示す模式的工程断面図である。
【図5】本発明の一実施例における薄膜太陽電池の製造
方法を示す模式的工程断面図である。
【図6】本発明の他の実施例における薄膜太陽電池の製
造方法を示す模式的工程断面図である。
【図7】本発明の他の実施例における薄膜太陽電池の製
造方法を示す模式的工程断面図である。
【符号の説明】
1,1b p型単結晶シリコン板 1c n型拡散層 1e n型領域 2 凹凸形状 3 原子状水素 3a 空隙の領域 4 基板 5 絶縁層 6 下部電極層 6b 電極配線 6c 電極配線 8 上部電極層 A 発電層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 蕨迫 光紀 東京都国分寺市東恋ヶ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 結晶半導体の表面に凹凸形状を形成する
    第1の工程と、 前記結晶半導体の前記凹凸形状の表面から所定の深さに
    所定の元素を層状にイオン注入する第2の工程と、 基板上に電極層を形成する第3の工程と、 前記所定の元素が注入された前記結晶半導体の前記凹凸
    形状の表面を前記基板上に形成された前記電極層の表面
    に接着する第4の工程と、 熱処理により、前記結晶半導体に注入された前記所定の
    元素の領域に層状に分布する空隙を形成し、前記結晶半
    導体を前記層状に分布した空隙の領域で切断して前記電
    極層上に接着された凹凸形状の結晶半導体層と残りの結
    晶半導体とに分離する第5の工程と、 前記電極層上に接着された前記凹凸形状の結晶半導体層
    に発電層を形成する第6の工程とを備えたことを特徴と
    する薄膜太陽電池の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記基板上の電極層が接着剤を兼ねるこ
    とを特徴とする請求項1記載の薄膜太陽電池の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 前記結晶半導体として第1導電型結晶半
    導体を用い、前記第6の工程で前記凹凸形状の結晶半導
    体層中または前記凹凸形状の結晶半導体層上に第2導電
    型結晶半導体層を形成することを特徴とする請求項1ま
    たは2記載の薄膜太陽電池の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記結晶半導体として第1導電型結晶半
    導体を用い、前記第3の工程で前記電極層中に第2導電
    型不純物元素を添加し、前記第6の工程で熱処理により
    前記電極層から前記凹凸形状の結晶半導体層中に前記不
    純物元素を拡散させることを特徴とする請求項1、2ま
    たは3記載の薄膜太陽電池の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記結晶半導体は結晶シリコンであるこ
    とを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の薄膜太
    陽電池の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記第1の工程で前記所定の元素を前記
    結晶半導体の前記凹凸形状の表面から5μm以上10μ
    m以下の深さに層状にイオン注入することを特徴とする
    請求項1〜5のいずれかに記載の薄膜太陽電池の製造方
    法。
  7. 【請求項7】 前記第5の工程で分離された前記残りの
    結晶半導体を前記第2の工程で再利用することを特徴と
    する請求項1〜6のいずれかに記載の薄膜太陽電池の製
    造方法。
  8. 【請求項8】 基板と、 前記基板上に形成された電極層と、 前記電極層上に形成された凹凸形状の結晶半導体層から
    なる発電層とを備えたことを特徴とする薄膜太陽電池。
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