JPH1140426A - インダクタンス素子 - Google Patents

インダクタンス素子

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Publication number
JPH1140426A
JPH1140426A JP9194670A JP19467097A JPH1140426A JP H1140426 A JPH1140426 A JP H1140426A JP 9194670 A JP9194670 A JP 9194670A JP 19467097 A JP19467097 A JP 19467097A JP H1140426 A JPH1140426 A JP H1140426A
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JP
Japan
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magnetic core
magnetic
inductance element
groove
inductance
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Application number
JP9194670A
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English (en)
Inventor
Masaru Wazaki
賢 和崎
Masao Shigeta
政雄 重田
Kazuhiko Shibata
和彦 柴田
Asako Kajita
朝子 梶田
Kazuyuki Ito
一行 伊藤
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TDK Corp
Original Assignee
TDK Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 大電流下において高いインダクタンスを得る
ことができると共に、パターン導体に対する接続抵抗を
低減し得るインダクタンス素子を提供する。 【解決手段】 第1の磁芯1及び第2の磁芯2は、磁気
特性が互いに異なり、少なくとも一面が互いに面接触し
て組み合わされている。第1の磁芯1は、接触面に、少
なくとも1つの溝11を有する。溝11は両端が磁芯側
面で開口している。導体3は、溝11の内部に設置さ
れ、大部分が第1の磁芯1及び第2の磁芯2によって包
囲され、溝11の外部に導出された両端に外部との接続
部分となる端子部301、302を有する。端子部30
1、302は、横幅W2が主要部300の横幅W1より
も広い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インダクタンス素子に
関し、更に詳しくは、高周波動作する電力伝送用回路、
例えばスイッチング電源において、チョークコイルや変
成器等として用いるのに適したインダクタンス素子に関
わる。
【0002】
【従来の技術】情報機器、通信機器、計測機器などの電
子機器、工作機械などの製造装置の電子回路及び機械的
な駆動に用いられる電源装置として、動作周波数の高い
高周波スイッチング電源が用いられるようになってい
る。高周波スイッチング電源では、パルスなどの交流波
形を直流波形に変換し、直流安定化出力を得る。交流を
直流に変換する手段として一般的にLCフィルタが使用
される。LCフィルタを構成するインダクタンス素子の
磁心のための磁性材料としては、フェライト磁性材料、
パーマロイなどの結晶系の金属磁性材料及びアモルファ
ス材料が知られている。このうち、結晶系の金属磁性材
料及びアモルファス材料でなるインダクタンス素子は、
直流重畳特性に優れているが、鉄損特性ではフェライト
に劣る。このため、この種のインダクタンス素子の磁心
材料としては、フェライト磁性材料が主に用いられてい
る。
【0003】ところで、携帯用などのコンピュータなど
では小型・薄型化・軽量化が進んでいるが、一方では高
速化や高機能化に対し市場のニーズが強く、回路規模が
大きくなり大電流化の傾向にある。従って小型・薄型
で、かつ、大電流領域でも使用可能な低損失なインダク
タンス素子が必要になっている。
【0004】従来のこの種のインダクタンス素子は、ギ
ャップのない完全な閉磁路構造の磁心を用いたギャップ
なしタイプと、磁心の一部にギャップを有するギャップ
付きタイプの2つが主に用いられていた。
【0005】しかし、ギャップなしの場合には、直流重
畳がかかる高周波スイッチング電源への適用において、
容易に磁気飽和を起こしてしまうという問題があった。
【0006】ギャップ付きインダクタンス素子の場合
は、磁気飽和を生じる磁界強度が高く、直流重畳を受け
た場合でも、磁心の磁気飽和を回避することができる
が、透磁率μが低くなってしまうため、インダクタンス
が小さくなるという問題点を生じる。
【0007】しかも、ギャップ付きインダクタンス素子
の場合、使用する電流の大きさに応じてギャップの大き
さを調整する必要があるため、多用途に対して標準化が
難しいこと、転用ができないこと、在庫管理が複雑にな
ること、加工コストがかかることなどの生産性低下に結
びつく難点を持つ。
【0008】ギャップ付きインダクタの1つの例とし
て、一対のフェライトカットコアの間に非磁性物を挿入
するスペーサ・ギャップと呼ばれる構造も知られてい
る。このタイプのインダクタンス素子では、フェライト
カットコアを切削する必要はなく、生産性上は好都合で
あるが、非磁性物を挿入したギャップ部分で開磁路にな
り、磁束漏れによるノイズ障害を生じる。
【0009】また、巻線部は、一般に、ウレタン線など
の皮膜付き導線をボビンに巻線して構成される。かかる
構成の場合には、構造が複雑なために、実際に巻線に利
用されていないデッドスペースが多くなり、磁路長が長
くなったり、巻線スペースが充分にとれないという問題
を生じる。磁路長が長くなると、インダクタンスが反比
例して減少する。また巻線スペースが充分にとれない場
合には、巻線インピーダンスが充分に下げられないた
め、銅損が増加する。しかも前述のように、ギャップ付
加、磁路長増大により、インダクタンスが低下すると、
より多くの巻線数が必要になり、相乗的に、銅損が増加
し、小型化に対する大きな障害になる。
【0010】上述したように、インダクタンス素子を、
高周波動作をするスイッチング電源の電力伝送用回路に
用いるには、種々の課題を解決する必要があり、従来知
られたインダクタンス素子は、これらの課題解決手段と
しては、充分ではない。特開平7ー288210号公報
は2種類のフェライトコアを用いたインダクタを開示し
ているが、上述した課題解決手段は開示していない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、大電
流下において高いインダクタンスを得ることの可能なイ
ンダクタンス素子を提供することである。
【0012】本発明のもう一つの課題は、小型化及び薄
型化されたインダクタンス素子を提供することである。
【0013】本発明の更にもう一つの課題は、大電流下
において高いインダクタンスを得ることができるインダ
クタンス素子を提供することである。
【0014】本発明の更にもう一つの課題は、小型化さ
れたにも関わらず、小さい抵抗で基板に実装できるイン
ダクタンス素子を提供することである。
【0015】本発明の更にもう一つの課題は、生産性が
高く、コストダウンに寄与し得るインダクタンス素子を
提供することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ため、本発明に係るインダクタンス素子は、第1の磁心
と、第2の磁心と、少なくとも1つの導体とを含む。
【0017】前記第1の磁心及び前記第2の磁心は、磁
気特性が互いに異なり、少なくとも一面が互いに面接触
して組み合わされている。前記第1の磁心及び第2の磁
心の少なくとも一方は、接触面に、少なくとも1つの溝
を有し、前記溝は両端が磁心側面で開口している。
【0018】前記導体は、主要部と、端子部とを含む。
前記主要部は、前記溝の内部に配置され、前記第1の磁
心及び前記第2の磁心によって包囲され、両端が前記溝
の外部に導出されている。前記端子部は、前記主要部の
両端に備えられ、前記主要部の横幅より広い横幅を有す
る。
【0019】上述したように、本発明に係るインダクタ
ンス素子において、第1の磁心及び第2の磁心は、磁気
特性が互いに異なるから、他の磁気特性を互いに補完す
るインダクタンス素子を得ることができる。例えば第1
の磁心に透磁率μが高く、高周波における鉄損が少ない
フェライト磁心を使用し、第2の磁心に直流重畳特性の
優れた金属系の磁心を使用し、透磁率μ、高周波損失及
び直流重畳特性の優れたインダクタンス素子を得ること
ができる。
【0020】第1の磁心及び第2の磁心の少なくとも一
方は、接触面に少なくとも1つの溝を有し、導体が溝の
内部に配置されているから、導体の断面積を溝の断面積
に対応した大きさまで拡大し、導体の銅損を低減するこ
とができる。
【0021】第1の磁心及び第2の磁心は、少なくとも
一面が互いに面接触して組み合わされており、導体の主
要部は、溝の内部に配置され、複合磁心によって包囲さ
れるから、最短の磁路長を構成でき、高いインダクタン
ス値が得られる。
【0022】しかも、第1の磁心及び第2の磁心は、少
なくとも一面が互いに面接触して組み合わされているか
ら、磁気回路が閉磁路構成になり、漏れ磁束によるノイ
ズ障害を回避することができる。また、第1の磁心及び
第2の磁心の間に、実質的な磁気ギャップが生じないか
ら、磁気ギャップによる透磁率μの低下を回避できる。
【0023】導体は、溝の外部に導出された両端に、外
部に接続できる端子部を有するから、端子部を通して、
外部回路に接続できると共に、複数のインダクタンス素
子を用い、その端子部の接続選択により、直列回路、並
列回路またはこれらの組み合わせ回路等、多様な回路構
成を実現することができる。
【0024】さらに、端子部は、主要部の横幅より広い
横幅を有する。この構成によれば、端子部と、パターン
導体の接続部の間の接続面積を拡大できる。このため、
パターン導体の接続部分における抵抗を低減することが
できる。
【0025】しかも、主要部は、端子部とは異なる横幅
を有する。このため、主要部の断面積および断面形状
を、端子部から独立して、主要部に要求されるディメン
ションに設定できる。例えば、主要部において、銅損を
低減するのに必要な断面積を確保しながら、高インダク
タンス値を得るのに適した断面形状を選択することがで
きる。
【0026】更に、本発明では、金型やエッチングによ
って予め形成された導体を、溝にはめ込むだけなので、
巻線を必要とせず、組み立て作業は至って簡単である。
しかもボビンを使用しない上に、ギャップを設ける必要
がないので、切削加工が不要になる。従って製造コスト
が低減でき、標準化も容易になり、生産性が向上する。
また複数のインダクタンス・セルを構成した場合には、
個々のインダクタンス・セルを、独立的に使用できるた
め、任意に直列接続や並列接続が可能になり、応用範囲
が広がる。
【0027】上述した課題を解決するための本発明に係
るもう一つのインダクタンス素子は、第1の磁心と、第
2の磁心と、複数の導体とを含む。
【0028】前記第1の磁心及び前記第2の磁心は、磁
気特性が互いに異なり、少なくとも一面が互いに面接触
して組み合わされている。前記第1の磁心及び第2の磁
心の少なくとも一方は、接触面に、少なくとも1つの溝
を有し、前記溝は両端が磁心側面で開口している。
【0029】前記導体のそれぞれは、主要部と、端子部
とを含む。 前記主要部は、前記溝の内部に間隔を隔て
て配置され、前記第1の磁心及び前記第2の磁心によっ
て包囲され、両端が前記溝の外部に導出されている。前
記端子部は、前記主要部の両端に備えられ、外部に接続
することができ、配置ピッチが、前記主要部間の配置ピ
ッチよりも広い。
【0030】上述したように、本発明に係るインダクタ
ンス素子において、第1の磁心及び第2の磁心は、磁気
特性が互いに異なるから、他の磁気特性を互いに補完す
るインダクタンス素子を得ることができる。
【0031】第1の磁心及び第2の磁心は、少なくとも
一面が互いに面接触して組み合わされており、導体の主
要部は、溝の内部に配置され、複合磁心によって包囲さ
れるから、最短の磁路長を構成でき、高いインダクタン
ス値が得られる。
【0032】しかも、第1の磁心及び第2の磁心は、少
なくとも一面が互いに面接触して組み合わされているか
ら、磁気回路が閉磁路構成になり、漏れ磁束によるノイ
ズ障害を回避することができる。また、第1の磁心及び
第2の磁心の間に、実質的な磁気ギャップが生じないか
ら、磁気ギャップによる透磁率μの低下を回避できる。
【0033】導体は、溝の外部に導出された両端に、外
部に接続できる端子部を有するから、端子部を通して、
外部回路に接続できると共に、複数のインダクタンス素
子を用い、その端子部の接続選択により、直列回路、並
列回路またはこれらの組み合わせ回路等、多様な回路構
成を実現することができる。
【0034】さらに、端子部は、配置ピッチが、主要部
間の配置ピッチよりも広くなっている。この構成によれ
ば、パターン導体部において、端子部と接続される接続
部の面積を拡大できる。このため、パターン導体の接続
部分における抵抗を低減することができる。
【0035】しかも、主要部は、配置ピッチが、端子部
間の配置ピッチとは異なる。このため、主要部の配置ピ
ッチ、さらに、主要部の断面積および断面形状を、端子
部から独立して、主要部に要求されるディメンションに
設定できる。例えば、主要部において、銅損を低減する
のに必要な断面積を確保しながら、高インダクタンス値
を得るのに適した配置ピッチや断面形状を選択すること
ができる。
【0036】また、端子部間の配置ピッチが広いので、
本発明に係るインダクタンス素子を基板に実装する際
に、パターン導体間の配置ピッチの広い基板を利用し、
複数の端子部を接続部に容易に接続できる。
【0037】したがって、本発明に係るインダクタンス
素子は、小さい抵抗で基板に実装できる。
【0038】更に、金型やエッチングによって予め形成
された複数の導体を、溝にはめ込むだけなので、巻線を
必要とせず、組み立て作業は至って簡単である。しかも
ボビンを使用しない上に、またギャップを設ける必要が
ないので切削加工が不要になる。従って制作コストが低
減でき、標準化も容易になり、生産性向上が可能にな
る。また複数のインダクタンス・セルを構成した場合に
は、個々のインダクタンス・セルを、独立的に使用でき
るため、任意に直列接続や並列接続が可能になり、応用
範囲が広がる。
【0039】本発明の他の目的、構成および利点につい
ては、実施例である添付図面を参照して、更に詳しく説
明する。
【0040】
【発明の実施の形態】図1は本発明に係るインダクタン
ス素子の平面図、図2は図1の2ー2線に沿った断面
図、図3は図1及び図2に示したインダクタンス素子の
分解斜視図である。
【0041】図示するように、本発明に係るインダクタ
ンス素子は、第1の磁心1と、第2の磁心2と、少なく
とも1つの導体3とを含む。第1の磁心1及び第2の磁
心2は、磁気特性が互いに異なり、少なくとも一面が互
いに面接触して組み合わされている。第1の磁心及び第
2の磁心2のうち、第1の磁心1は、接触面に、少なく
とも1つの溝11を有する。溝11は両端が磁心側面で
開口している。
【0042】導体3は、主要部300と、端子部30
1、302とを含む。主要部300は、溝11の内部に
配置され、両端が溝11の外部に導出されている。端子
部301、302は、外部に接続することができ、主要
部300の両端に備えられ、主要部300の横幅W1よ
り広い横幅W2を有する。
【0043】第1の磁心1は、透磁率μが高く、高周波
における鉄損の少ない磁性材料、例えばフェライトを使
用する。第2の磁心2は、透磁率μが第1の磁心1のそ
れよりも低いが、飽和磁束密度Bsが第1の磁心1のそ
れよりも高く、直流重畳特性に優れた磁性材料、例えば
金属系の磁性材料を使用する。
【0044】第1の磁心1を、フェライト磁性材料等で
構成した場合、金型成形工程を採用することができるの
で、この際に、溝11を同時に形成することができる。
【0045】導体3は、銅損を小さくするため、銅板な
どの低インピーダンスの金属材料を用いて構成すること
が望ましい。溝11は、導体3を設置するための必要最
小限の大きさに設計されている。導体3は、第1の磁心
1もしくは第2の磁心2と絶縁をとるための電気絶縁手
段を備えることができる。
【0046】図4は図1〜図3に示したインダクタンス
素子の電気的等価回路図であり、導体3の端子部301
と端子部302との間でインダクタンスLが得られる。
【0047】上述したように、本発明に係るインダクタ
ンス素子において、第1の磁心1及び第2の磁心2は、
磁気特性が互いに異なるから、他の磁気特性を互いに補
完するインダクタンス素子を得ることができる。例えば
第1の磁心1に透磁率μが高く、かつ、高周波における
鉄損が少ないフェライト磁性材料を使用し、第2の磁心
2に直流重畳特性の優れた金属系磁性材料を使用し、透
磁率μが高く、高周波損失が小さく、しかも直流重畳特
性に優れたインダクタンス素子を得ることができる。
【0048】本発明の上述した利点について、従来の磁
心構造と対比して、更に詳しく説明する。図30はカッ
トコアと呼ばれるフェライト磁心を用いた従来のインダ
クタンス素子の断面図である。図30において、ほぼ同
じ断面E形状の2個のフェライト磁心40、41を上下
方向から組み合わせ、中央脚部にコイル42を巻いてあ
る。コイル42は、通常、絶縁樹脂で構成したボビン4
3に巻かれている。図30に示す従来例では、フェライ
ト磁心40、41が密着して組み合わされ、ギャップの
ない磁気回路が構成されている。
【0049】図31はインダクタンス素子の別の従来例
を示す図である。この従来例では、中脚部にギャップを
構成する空隙44が設けられている。
【0050】図32はインダクタンス素子の更に別の従
来例を示す図である。フェライト磁心40および41の
間にギャップを構成する非磁性絶縁物44を挿入してあ
る。このような構造は、スペーサ・ギャップと呼ばれ
る。図30〜図32の何れの従来例においても、コイル
42には、一般に、ウレタン線などの皮膜付導線が使用
される。
【0051】図33は横軸に磁界の強さH、縦軸に磁束
密度Bをとった折線近似のBH曲線を示しており、B=
μHの関係から曲線の傾斜が透磁率μを表す。インダク
タンス素子のインダクタンスLは透磁率μに比例する。
またBsは飽和磁束密度であり、この値を越えると透磁
率μが激減し、飽和状態に達する。
【0052】横軸の磁界の強さは H=N・I/Le で表される。ここでNは巻線数、Iは電流、Leは磁路
長を表す。すなわち磁界の強さは、流れる電流に比例す
る。
【0053】図33の曲線aは図30に示した「ギャッ
プなし」のインダクタンス素子の一般的特性傾向を示す
BH曲線である。曲線aに示すように、ギャップなしの
場合、磁界の強さが磁界強度H1以下のときに透磁率μ
が大きく、高いインダクタンスを得ることができる。し
かし、磁気飽和を生じる磁界強度H1が小さいため、わ
ずかな直流重畳がかかるだけで、磁界強度H1を越えて
飽和領域に至ってしまう。従って、このタイプのインダ
クタンス素子は、直流重畳がかかる用途、例えばスイッ
チング電源のLCフィルタには適さない。
【0054】図33の曲線bは図30または図31に示
された「ギャップあり」のインダクタンス素子の一般的
特性傾向を示すBH曲線である。フェライト磁心40、
41にギャップを設けると、図33の曲線bのように、
磁気飽和を起こす磁界強度が、曲線aの場合の磁界強度
H1よりも大きな磁界強度H2の点まで改善される。し
かし、BH曲線の傾きが緩やかになって、透磁率μが下
がり、インダクタンスが低下する。このように、ギャッ
プを設けて磁気飽和を生じる磁界強度を高くし、直流重
畳特性を改善しようとすると、インダクタンスが低下し
てしまうため、従来の一般的な磁心構造では、直流重畳
特性を改善しながら、大きなインダクタンスを得ること
が、非常に困難であった。
【0055】これに対して、本発明においては、異なっ
た磁気特性を有する第1の磁心1と第2の磁心2を併用
することにより、相互補完に適した特性の組み合わせを
実現し、直流重畳特性に優れ、かつ、インダクタンスの
大きなインダクタンス素子を得ることができる。
【0056】更に、本発明において、導体3を、第1の
磁心1と第2の磁心2で囲むことによって最短の磁路長
を構成でき、高いインダクタンス特性が得られる。図3
0〜図32に示した従来構造の場合、ボビン43に皮膜
付導線でなるコイル42を巻線する構造を有するので、
実際に巻線に利用されていないデッドスペースが多くな
り、磁路長が長くなったり、巻線スペースが充分にとれ
ないという問題を生じる。インダクタンス素子のインダ
クタンスLは L=N2・μ・S/Le で表される。ここでNは巻数、Sは磁心の断面積、Le
は磁心の磁路長である。この式に示す通り、磁路長Le
が長くなると、インダクタンスLが反比例して減少する
ことになってしまう。
【0057】また巻線スペースが充分にとれない場合に
は、巻線のインピーダンスが充分に下げられないため、
銅損が増加する。しかも、ギャップ付加、磁路長増大に
より、インダクタンスが低下すると、より多くの巻線数
が必要になり、相乗的に銅損が増加し、小型化に対する
大きな障害になる。
【0058】これに対して、本発明の場合、前述したよ
うに、最短の磁路長を構成でき、高いインダクタンス特
性が得られる。このため、本発明に係るインダクタンス
素子を、高周波スイッチング電源のLCフィルタ等に用
いた場合、リップル電圧を低減させることができる。
【0059】更に、本発明において、第1の磁心1は接
触面に溝11を有し、導体3が溝11内部に配置されて
いるから、導体3の断面積を溝11の断面積に対応した
大きさまで拡大し、導体3の銅損を低減することができ
る。
【0060】しかも、第1の磁心1及び第2の磁心2
は、少なくとも一面が互いに面接触して組み合わされて
いるから、磁気回路が閉磁路構成になり、漏れ磁束によ
るノイズ障害を確実に回避することができる。また、第
1の磁心1及び第2の磁心2には、実質的な磁気ギャッ
プが生じないから、磁気ギャップによる透磁率μの低下
を回避できる。
【0061】導体3を囲む磁心は、第1の磁心1及び第
2の磁心2の2種類に限る必要はなく、更に多くの磁心
で構成し、高性能化することもできる。
【0062】本発明において、導体3は、外部に接続す
ることができる端子部301、302を有するから、端
子部301、302を通して、外部回路に接続できると
共に、複数のインダクタンス素子を用い、その端子部3
01、302の接続選択により、直列回路、並列回路ま
たはこれらの組み合わせ回路等、多様な回路構成を実現
することができる。
【0063】さらに、端子部301、302は、主要部
300の横幅W1より広い横幅W2を有する。通常、パ
ターン導体は、標準的な厚みが35μmと非常に薄い。
そのため、パターン導体の接続部は、端子部が接続され
ると抵抗が大きくなりがちである。本発明において、端
子部301、302は、主要部300の横幅W1より広
い横幅W2を有するから、端子部301、302と、パ
ターン導体の接続部の間の接続面積を拡大できる。この
ため、パターン導体の接続部分における抵抗を低減する
ことができる。この点について、図5を参照して更に説
明する。
【0064】図5は、図1〜図3に示したインダクタン
ス素子を回路基板に実装した状態を示す平面図である。
図5に示した実施例では、回路基板7上に形成されたパ
タ−ン導体81、82に端子部301、302を半田等
の手段によって接続固定してある。本発明において、端
子部301、302は、主要部300の横幅W1より広
い横幅W2を有するから、端子部301、302と、パ
ターン導体81、82との接続部の接続面積を拡大でき
る。このため、パターン導体81、82の接続部分にお
ける抵抗を低減することができる。
【0065】端子部301、302の横幅W2は、図5
のように、インダクタンス素子の横幅W0内で拡大する
ことができる。図5のように、端子部301、302の
横幅W2をインダクタンス素子の横幅W0以内に収めれ
ば、回路基板7における実装密度の低下を招くことはな
い。
【0066】しかも、主要部300は端子部301、3
02とは異なる横幅W1を有する。このため、主要部3
00の断面積および断面形状を、端子部301、302
から独立して、主要部300に要求されるディメンショ
ンに設定できる。例えば、主要部300において、銅損
を低減するのに必要な断面積を確保しながら、高インダ
クタンス値を得るのに適した断面形状を選択することが
できる。
【0067】本発明では、金型やエッチングによって予
め形成された導体3を、溝11にはめ込むだけなので、
巻線を必要とせず、組み立て作業は至って簡単である。
しかもボビンを使用しない上に、またギャップを設ける
必要がないので切削加工が不要になる。従って制作コス
トが低減でき、標準化も容易になり生産上の問題が解決
可能になる。また複数のインダクタンス・セルを構成し
た場合には個々のインダクタンス・セルは独立的に使用
できるため任意に直列接続や並列接続が可能になり、応
用範囲が広がる。
【0068】図6は図1〜図4に示した本発明に係るイ
ンダクタンス素子を用いたLCフィルタ回路、図7は図
6においてパルス電圧Einを入力として、直流出力電
圧Eoを得る場合の波形を示す図である。△Eoは直流
出力電圧Eoに含まれるリップル電圧を示し、Tは周
期、τはパルス電圧のオン時間である。コンデンサC1
のインピーダンスをZcとし、インダクタンス素子のイ
ンダクタンスをLとすると、リップル電圧△Eoは、 ΔEo=Eo・(T−τ)・Zc/L で表される。この式によれば、リップル電圧△Eoはイ
ンダクタンスLに反比例するから、リップル電圧△Eo
を低減するには、インダクタンスLを大きくしなければ
ならない。本発明によれば、上述したように、高いイン
ダクタンスが得られるから、リップル電圧△Eoを低減
することができる。インダクタンスLが小さい場合に
は、リップル電圧△Eoを低減するために、動作周波数
を上げる必要を生じ、効率の低下、ノイズの増加及び部
品コスト増加などを伴う。
【0069】図8は本発明に係るインダクタンス素子の
別の実施例を示す平面図、図9は図7の9ー9線に沿っ
た断面図である。この実施例では、第1の磁心1及び第
2の磁心2を、テープ10によって結合した構造となっ
ている。このほか、金属バンド等を用いて締めつけても
よい。
【0070】図10は複数個nのインダクタンス素子6
1〜6nを回路基板7上で並列接続した例を示し、図1
1はその電気的等価回路図を示している。図10に示し
た実施例では、任意の複数個nのインダクタンス素子6
1〜6nを、回路基板7上に配置し、回路基板7上に形
成されたパターン導体81、82にインダクタンス素子
の端子部301、302を半田等の手段によって接続固
定してある。これにより、図11に示すように、インダ
クタンス素子61〜6nを並列接続した回路構成が得ら
れる。
【0071】図12は複数個n=3のインダクタンス素
子61、62、63を回路基板7上で直列接続した例を
示し、図13はその電気的等価回路図を示している。図
12に示した実施例では、回路基板7上に形成されたパ
ターン導体81〜84に、インダクタンス素子61〜6
nの端子部301、302を半田等の手段によって接続
固定してある。これにより、図13に示すように、イン
ダクタンス素子61〜6nを直列接続した回路構成が得
られる。図示は省略するが、直並列接続であっても、容
易に実現できる。
【0072】図14は本発明に係るインダクタンス素子
の別の実施例を示す平面図、図15は図14に示したイ
ンダクタンス素子の一部拡大斜視図、図16は図14及
び図15に示したインダクタンス素子の電気的等価回路
図である。この実施例では、第1の磁心1に設けられた
溝11に複数の導体31、32、33を設置してある。
溝11内の導体31〜33の周りには絶縁樹脂9が充填
されている(図15参照)。導体31〜33の個数は用
途に応じて任意に設定できる。
【0073】導体31〜33のそれぞれは、主要部30
0と、端子部301、302とを含む。主要部は、溝1
1の内部に配置ピッチP11、P12を有して配置さ
れ、第1の磁心1及び第2の磁心2によって包囲され、
両端が溝11の外部に導出されている。端子部301、
302は、主要部300の両端に備えられ、外部に接続
することができる。端子部301、302は、配置ピッ
チP21、P22が、主要部300ー300間の配置ピ
ッチP11、P12よりも広い。
【0074】図14〜図16に示したインダクタンス素
子において、第1の磁心1及び第2の磁心2は、磁気特
性が互いに異なるから、他の磁気特性を互いに補完する
インダクタンス素子を得ることができる。例えば第1の
磁心1に透磁率μが高く、高周波における鉄損が少ない
フェライト磁心を使用し、第2の磁心2に直流重畳特性
の優れた金属系の磁心を使用し、透磁率μ、高周波損失
及び直流重畳特性の優れたインダクタンス素子を得るこ
とができる。
【0075】第1の磁心1及び第2の磁心2は、少なく
とも一面が互いに面接触して組み合わされており、導体
31〜33の主要部は、溝11の内部に配置され、複合
磁心によって包囲されるから、最短の磁路長を構成で
き、高いインダクタンス値が得られる。
【0076】しかも、第1の磁心1及び第2の磁心2
は、少なくとも一面が互いに面接触して組み合わされて
いるから、磁気回路が閉磁路構成になり、漏れ磁束によ
るノイズ障害を回避することができる。また、第1の磁
心1及び第2の磁心2の間に、実質的な磁気ギャップが
生じないから、磁気ギャップによる透磁率μの低下を回
避できる。
【0077】導体31〜33は、溝11の外部に導出さ
れた両端に、外部に接続できる端子部301、302を
有するから、端子部301、302を通して、外部回路
に接続できると共に、複数のインダクタンス素子を用
い、その端子部301、302の接続選択により、直列
回路、並列回路またはこれらの組み合わせ回路等、多様
な回路構成を実現することができる。
【0078】さらに、端子部301、302は、配置ピ
ッチP21、P22が、主要部300ー300間の配置
ピッチP11、P12よりも広い。通常、パターン導体
31〜33は、標準的な厚みが35μmと非常に薄い。
そのため、パターン導体31〜33の接続部は、端子部
301、302が接続されたときの抵抗が大きくなりが
ちである。本発明において、端子部301、302は、
配置ピッチP21、P22が、主要部300ー300間
の配置ピッチP11、P12よりも広いので、パターン
導体31〜33部において、端子部301、302と接
続される接続部の面積を拡大できる。このため、パター
ン導体31〜33の接続部分における抵抗を低減するこ
とができる。
【0079】また、端子部301ー301間、および、
端子部302ー302間の配置ピッチP21、P22が
広いので、本発明に係るインダクタンス素子を基板に実
装する際に、パターン導体31〜33間の配置ピッチの
広い基板を利用し、複数の端子部301、302を接続
部に容易に接続できる。
【0080】したがって、本発明に係るインダクタンス
素子は、小さい抵抗で基板に実装できる。
【0081】しかも、主要部300は、配置ピッチP1
1、P12が、端子部301ー301、302ー302
間の配置ピッチP21、P22とは異なる。このため、
主要部300の配置ピッチP11、P12、さらに、主
要部300の断面積および断面形状を、端子部301、
302から独立して、主要部300に要求されるディメ
ンションに設定できる。例えば、主要部300におい
て、銅損を低減するのに必要な断面積を確保しながら、
高インダクタンス値を得るのに適した配置ピッチや断面
形状を選択することができる。
【0082】更に、金型やエッチングによって予め形成
された複数の導体31〜33を、溝11にはめ込むだけ
なので、巻線を必要とせず、組み立て作業は至って簡単
である。しかもボビンを使用しない上に、またギャップ
を設ける必要がないので切削加工が不要になる。従って
制作コストが低減でき、標準化も容易になり、生産性向
上が可能になる。また複数のインダクタンス・セルを構
成した場合には、個々のインダクタンス・セルを、独立
的に使用できるため、任意に直列接続や並列接続が可能
になり、応用範囲が広がる。
【0083】図17は図14〜図16に示したインダク
タンス素子を回路基板7の上に実装した状態を示す平面
図、図18は図17の電気的等価回路図である。導体3
1〜33は、パターン導体83及び84により、同一方
向の電流Ioが流れるように接続されている。パターン
導体83及び84はインダクタンス素子の下側を通って
導かれている。
【0084】導体31〜33によるターン数をN(=
3)とし、磁心1、2の断面積をSとし、磁心1、2に
よる磁路長をLeとすると、インダクタンスLは、前述
したようにL=N2・μ・S/Leで表されるから、図
14〜16に示したインダクタンス素子を、図17及び
図18に示すように結線することにより、大きなインダ
クタンスを得ることができる。また、導体31〜33は
互いに絶縁された構造になっているので、インダクタだ
けでなく、変成器としても使用可能である。
【0085】図19は本発明に係るインダクタンス素子
の別の実施例を示す正面図である。この実施例では、第
1の磁心1に、互いにほぼ平行となる複数の溝11、1
2、13を備え、溝11、12、13のそれぞれに導体
31、32、33を配置してある。溝11、12、13
の内部には絶縁樹脂91〜93が充填されている。この
実施例によれば、溝11、12、13に設置された導体
31、32、33により、最短の平均磁路長でなるイン
ダクタンス・セルL1、L2、L3を構成できる。図1
9に示したインダクタンス素子は図20に示した電気的
等価回路によって表現できる。
【0086】図21は図19および図20に示したイン
ダクタンス素子を回路基板7上に実装した平面図、図2
2は図21の回路接続を示す電気回路図である。導体3
1〜33は、回路基板7上に形成されたパターン導体8
3、84によって直列に接続されており、導体31〜3
3によるインダクタンスL1、L2、L3を直列接続し
たインダクタンス回路が形成されている。この接続によ
って、インダクタンスL1、L2、L3を加算したイン
ダクタンス(L1+L2+L3)を持つインダクタンス
素子が構成できる。
【0087】図23は図19および図20に示したイン
ダクタンス素子をプリント基板7上に実装した別の例に
おける平面図、図24は図23の回路接続を示す電気回
路図である。導体31〜33は、回路基板7上に形成さ
れたパターン導体81、82によって並列に接続されて
いる。このようにインダクタンス・セルを単独・直列・
並列など、自由に使用できるので多くの用途に対応でき
る。
【0088】図25は本発明に係るインダクタンス素子
の別の実施例を示す分解斜視図、図26は図25に示し
たインダクタンス素子の部分組立を示す斜視図である。
この実施例では、第1の磁心1は一面に複数の溝11〜
15を有しており、導体3は、溝11〜15のそれぞれ
に挿入される導体片31〜35の両端を、横枠36、3
7によって結合した連続体となっている。横枠36、3
7には端子部301、302が設けられている。端子部
301、302は、横幅W2が、主要部を構成する導体
片31〜35の横幅W1よりも広くなっている。この実
施例によれば、端子部301、302の横幅W2を広げ
たことによる前記作用効果を得ることができる。この実
施例に示すインダクタンス素子は、図24に示すような
等価回路を構成する。
【0089】図27は本発明に係るインダクタンス素子
の別の実施例を示す分解斜視図である。この実施例で
は、第1の磁心1は一面に複数の溝11〜15を有して
おり、導体3は、溝11〜15のそれぞれに挿入される
導体片31〜35を、順次に直列に接続した連続体とな
っている。端子部301、302は、連続体の両端に備
えられている。端子部301、302は、横幅W2が、
主要部を構成する導体片31〜35の横幅W1よりも広
くなっている。この実施例に示すインダクタンス素子
は、図22に示すような等価回路を構成する。
【0090】図28は本発明に係るインダクタンス素子
の別の実施例を示す平面図、図29は図28に示したイ
ンダクタンス素子の一部拡大斜視図である。実施例にお
いて、溝11内の導体31〜33の周りには絶縁樹脂9
が充填されている(図15参照)。導体31〜33の個
数は用途に応じて任意に設定できる。導体31〜33の
それぞれは、主要部300と、端子部301、302と
を含む。主要部300は、溝11の内部に配置ピッチP
11、P12を有して配置され、第1の磁心1及び第2
の磁心2によって包囲され、両端が溝11の外部に導出
されている。端子部301、302は、主要部300の
両端に備えられ、外部に接続することができる。端子部
301、302は、配置ピッチP21、P22が、主要
部を構成する導体片31〜35は位置ピッチP11、P
12よりも大きい(図29参照)。しかも、端子部30
1、302は、横幅W2が、主要部を構成する導体片3
1〜35の横幅W1よりも広くなっている(図28参
照)。この実施例に示すインダクタンス素子は、図16
に示すような等価回路を構成する。
【0091】図25〜図29に示した実施例の何れの場
合も、端子部301、302の横幅W2を広げたことに
よる前記作用効果を得ることができる。また、予め、金
型やエッチングなどで構成した導体3を、第1の磁心1
にはめ込むだけで、磁気回路が簡単、かつ、安価に構成
できるという利点を生じる。
【0092】図示は省略するけれども、実施例の組み合
わせが多数存在することはいうまでもない。
【0093】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、次
のような効果を得ることができる。 (a)大電流下において高いインダクタンスを得ること
の可能なインダクタンス素子を提供することができる。 (b)小型化及び薄型化されたインダクタンス素子を提
供することができる。 (c)大電流下において高いインダクタンスを得ること
の可能なインダクタンス素子を提供することができる。 (d)小型化されたにも関わらず、小さい抵抗で基板に
実装し得るインダクタンス素子を提供することができ
る。 (e)生産性が高く、コストダウンに寄与し得るインダ
クタンス素子を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明に係るインダクタンス素子の平面
図である。
【図2】図1の2ー2線に沿った断面図である。
【図3】図1及び図2に示したインダクタンス素子の分
解斜視図である。
【図4】図1〜図3に示したインダクタンス素子の電気
的等価回路図である。
【図5】図1〜図3に示したインダクタンス素子を回路
基板に実装した状態を示す平面図である。
【図6】図1〜図4に示した本発明に係るインダクタン
ス素子を用いたLCフィルタ回路図である。
【図7】図6においてパルス電圧を入力として、直流出
力電圧を得る場合の波形を示す図である。
【図8】本発明に係るインダクタンス素子の別の実施例
を示す平面図である。
【図9】図8の9ー9線に沿った断面図である。
【図10】複数個のインダクタンス素子を回路基板上で
並列接続した実施例を示す図である。
【図11】図10に示した実施例の電気的等価回路図で
ある。
【図12】複数のインダクタンス素子を回路基板上で接
続した実施例を示す図である。
【図13】図12に示した実施例の電気的等価回路図を
示している。
【図14】本発明に係るインダクタンス素子の別の実施
例を示す平面図である。
【図15】図13に示したインダクタンス素子の部分拡
大斜視図である。
【図16】図14及び図15に示したインダクタンス素
子の電気的等価回路図である。
【図17】図14及び図15に示したインダクタンス素
子をプリント基板上に実装した状態を示す平面図であ
る。
【図18】図17の電気的等価回路図である。
【図19】本発明に係るインダクタンス素子の別の実施
例を示す部分拡大斜視図である。
【図20】図19に示したインダクタンス素子の電気的
等価回路図である。
【図21】図19および図20に示したインダクタンス
タンス素子を回路基板上に実装した状態を示す図であ
る。
【図22】図21に示した実施例の電気的等価回路図で
ある。
【図23】本発明に係るインダクタンス素子の別の実施
例を示す平面図である。
【図24】図23に示したインダクタンス素子の電気的
等価回路図である。
【図25】本発明に係るインダクタンス素子の別の実施
例を示す分解斜視図である。
【図26】図25に示したインダクタンス素子の部分組
立を示す斜視図である。
【図27】本発明に係るインダクタンス素子の別の実施
例を示す分解斜視図である。
【図28】本発明に係るインダクタンス素子の別の実施
例を示す平面図である。
【図29】図28に示したインダクタンス素子の一部拡
大斜視図である。
【図30】従来のインダクタンス素子の断面図である。
【図31】インダクタンス素子の別の従来例を示す図で
ある。
【図32】インダクタンス素子の更に別の従来例を示す
図である
【図33】折線近似のBH曲線を示す図である。
【符号の説明】
1 第1の磁心 2 第2の磁心 3 導体 11 溝 300 主要部 301、302 端子部 7 回路基板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 梶田 朝子 東京都中央区日本橋1丁目13番1号 ティ ーディーケイ株式会社内 (72)発明者 伊藤 一行 東京都中央区日本橋1丁目13番1号 ティ ーディーケイ株式会社内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の磁心と、第2の磁心と、少なくと
    も1つの導体とを含むインダクタ素子であって、 前記第1の磁心及び前記第2の磁心は、磁気特性が互い
    に異なり、少なくとも一面が互いに面接触して組み合わ
    されており、 前記第1の磁心及び第2の磁心の少なくとも一方は、接
    触面に、少なくとも1つの溝を有し、前記溝は両端が磁
    心側面で開口しており、 前記導体は、主要部と、端子部とを含み、 前記主要部は、前記溝の内部に配置され、前記第1の磁
    心及び前記第2の磁心によって包囲され、両端が前記溝
    の外部に導出されており、 前記端子部は、外部に接続することができ、前記主要部
    の両端に備えられ、前記主要部の横幅より広い横幅を有
    するインダクタンス素子。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載されたインダクタンス素
    子であって、 前記導体は、前記溝の一つに対して、複数本備えられて
    いるインダクタンス素子。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載されたインダクタンス素
    子であって、 前記溝は、複数本備えられており、 前記導体は、前記溝のそれぞれに対して、少なくとも1
    本備えられているインダクタンス素子。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載されたインダクタンス素
    子であって、 前記導体は、直列回路、並列回路またはこれらの組み合
    わせ回路を構成するように接続されているインダクタン
    ス素子。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載されたインダクタンス素
    子であって、 前記導体は、連続体でなるインダクタンス素子。
  6. 【請求項6】 第1の磁心と、第2の磁心と、複数の導
    体とを含むインダクタ素子であって、 前記第1の磁心及び前記第2の磁心は、磁気特性が互い
    に異なり、少なくとも一面が互いに面接触して組み合わ
    されており、 前記第1の磁心及び第2の磁心の少なくとも一方は、接
    触面に、少なくとも1つの溝を有し、前記溝は両端が磁
    心側面で開口しており、 前記導体のそれぞれは、主要部と、端子部とを含み、 前記主要部は、前記溝の内部に間隔を隔てて配置され、
    前記第1の磁心及び前記第2の磁心によって包囲され、
    両端が前記溝の外部に導出されており、 前記端子部は、外部に接続することができ、前記主要部
    の両端に備えられ、配置ピッチが、前記主要部間の配置
    ピッチよりも広いインダクタンス素子。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載されたインダクタンス素
    子であって、 前記端子部は、外部に接続することができ、前記主要部
    の両端に備えられ、前記主要部の横幅より広い横幅を有
    するインダクタンス素子。
  8. 【請求項8】 請求項6に記載されたインダクタンス素
    子であって、 前記導体は、前記溝の一つに対して、複数本備えられて
    いるインダクタンス素子。
  9. 【請求項9】 請求項6に記載されたインダクタンス素
    子であって、 前記溝は、複数本備えられており、 前記導体は、前記溝のそれぞれに対して、少なくとも1
    本備えられているインダクタンス素子。
  10. 【請求項10】 請求項6に記載されたインダクタンス
    素子であって、 前記導体は、直列回路、並列回路またはこれらの組み合
    わせ回路を構成するように接続されているインダクタン
    ス素子。
  11. 【請求項11】 請求項6に記載されたインダクタンス
    素子であって、 前記導体は、連続体でなるインダクタンス素子。
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