JPH1136097A - 複合軽量化めっき電線 - Google Patents

複合軽量化めっき電線

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JPH1136097A
JPH1136097A JP20724197A JP20724197A JPH1136097A JP H1136097 A JPH1136097 A JP H1136097A JP 20724197 A JP20724197 A JP 20724197A JP 20724197 A JP20724197 A JP 20724197A JP H1136097 A JPH1136097 A JP H1136097A
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metal layer
zinc
conductive metal
plating
wire
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JP20724197A
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Hiroshi Kitazawa
弘 北沢
Tatsuo Yamaguchi
辰男 山口
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Totoku Electric Co Ltd
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Totoku Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アルミ導体上に形成された亜鉛または亜鉛合
金皮膜上に、特定の条件で直接電気めっきし、導電性金
属層を設けることによって、アルミ導体と導電性金属層
との密着を良好に保持し、更には塑性加工が施しやす
く,効率よく細径化ができ、はんだ付け接続の信頼性に
も優れた複合軽量化めっき電線を提供する。 【解決手段】 アルミニウムからなる導体(1) 上に形成
された亜鉛アンカー金属層(2) の外周に、亜鉛と同等以
上の電位を持った銅からなる導電性金属層(3) を、電気
めっきする際の電解パラメータとして、電解質溶液の水
素イオン濃度(pH)を4以上,めっき厚さx(μm)
を0.2<x≦5の条件で形成し、複合軽量化めっき電
線(5) とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子機器に用いられる
コイル等の線材に関し、更に詳しくは、アルミニウムま
たはアルミニウム合金を主導体として用いた複合軽量化
めっき電線に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近時、電子機器あるいは電子部品の軽薄
短小化に伴い、これらに用いられているコイル部品等の
導体においても細径化がなされ、また導体の軽量化要求
に対しては比重が銅の1/3以下であるアルミニウムま
たはアルミニウム合金導体(以下、アルミ導体と略記す
る)が採用されてきている。
【0003】しかし、アルミ導体は電気化学的に卑な電
位を有しており、例えば伸線加工等により形成された新
しい金属面が空気に触れると瞬時に表面が酸化されるた
め、はんだ付けが困難な金属材料である。アルミ導体が
電子機器部品の線材として使用される場合、アルミ導体
を電子機器部品の端子と接続するに際しては、加熱アル
カリ液で表面の酸化皮膜を溶かしてから酸で中和し、湯
洗後、更に超音波洗浄を行ってからアルミはんだで接続
しなければならず、端子接続作業が複雑であった。ま
た、アルミ導体自身の機械的強度不足もあって、接続個
所に対する十分な信頼性を保持させるには特別な接続技
術を必要とした。
【0004】このようにアルミ導体は端子接続の問題が
あるため、アルミ導体より若干比重が大きくなるが、ア
ルミ導体の外周に銅テープを溶接によってパイプとなし
た銅パイプ被覆層を設け、線引き加工を施した銅クラッ
ドアルミ線が製品化され、はんだ付け可能な軽量化電線
として上市されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述したアルミ導体の
外周に銅パイプ被覆によって形成された銅クラッドアル
ミ線を線引き加工によって所定のサイズまで細径化させ
た場合、素地アルミ導体と銅被覆層との境界面の接合不
足によってしばしば断線を引き起こすという問題があっ
た。
【0006】アルミ導体と銅被覆層との境界面を密着良
く形成させるためにはめっき法を利用するのが好適であ
ることは知られている。その場合、先ずアルミ導体の外
周に密着良くめっき皮膜を形成させる手段としては公知
のジンケート法が利用でき、表面に亜鉛または亜鉛合金
皮膜が密着良く得られる。ところが、該方法によって得
られた亜鉛皮膜上に直接電気めっきを施す際、被めっき
物を通電し、浸漬させても、溶液が酸性側での溶解が顕
著に現れ、素地アルミ導体を露出させ易くすると同時
に、化学的置換反応によって脆弱なめっき皮膜が形成さ
れてしまう。そのため、線引き加工時に断線を引き起こ
す要因となってしまうという問題があった。
【0007】そこで、亜鉛皮膜上にめっきを施す場合、
先ず無電解ニッケルめっきが使用されている。しかしな
がら、得られるニッケル皮膜の物理的性質としては、伸
び2%、ビッカース硬さ500Hv以上を有しているの
で柔軟性に劣り、そのため、線引き加工後の皮膜は横割
れが生じてしまうという問題があった。また、無電解め
っきを施すことで皮膜自体は柔軟性に富み、線引き加工
を施しやすいものの、例えば析出速度3μm/時間と作
業性に劣るという問題があった。
【0008】本発明は上記従来技術が有する各種問題点
を解決するためになされたものであり、アルミ導体上に
形成された亜鉛または亜鉛合金皮膜上に、特定の条件で
直接電気めっきし、導電性金属層を設けることによっ
て、アルミ導体と導電性金属層との密着を良好に保持
し、更には塑性加工が施しやすく,効率よく細径化がで
き、はんだ付け接続の信頼性にも優れた複合軽量化めっ
き電線を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】第一の観点として本発明
は、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる導体
(以下、アルミ導体と略記する)(1) 上に形成された亜
鉛または亜鉛合金によるアンカー金属層(以下、亜鉛ア
ンカー金属層と略記する)(2) の外周に、亜鉛と同等以
上の電位を持った導電性金属層(以下、導電性金属層と
略記する)(3)が、電気めっきする際の電解パラメータ
として、電解質溶液の水素イオン濃度(pH)を4以
上,めっき厚さx(μm)を0.2<x≦5の条件で形
成されている複合軽量化めっき電線にある。
【0010】前記アルミ導体(1) としては、純度が9
9.0%Al以上の工業用途のアルミニウムまたはアル
ミ成分が90%以上の加工用のアルミニウム合金が用い
られる。この時、前記アルミ導体(1) の直径d(mm)
は、φ0.25mm以下が好ましく、更に好ましくは
0.08≦d≦0.20である。この際、前記めっき厚
さx(μm)条件以上の導電性金属層を施した場合は、
軽量化効果が低減してしまう。
【0011】また、前記導電性金属(3) ,(4) として
は、亜鉛、鉄、ニッケル、銅、銀、金またはこれらの合
金によって形成される。
【0012】更に、電解質溶液の水素イオン濃度(p
H)4以上のめっき浴としては、シアン化銅めっき浴
(pH12)、ピロリン酸銅めっき浴(pH8.5)、
硫酸塩ニッケル浴(pH5.5)、ワットニッケル浴
(pH4.5)、スルファミン酸ニッケル浴(pH4.
5)、シアン化亜鉛めっき浴(pH12)、ジンケート
鉛めっき浴(pH13)、シアン化金めっき浴(pH1
2)等を使用できる。
【0013】第二の観点として本発明は、前記導電性金
属層(3) の外周に、更に亜鉛と同等以上の電位を持った
第2の導電性金属層(以下、第2導電性金属層と略記す
る)(4) が、めっき厚さy(μm)を2.0<y≦40
の条件で電気めっきにより形成されている複合軽量化め
っき電線にある。
【0014】この時、前記アルミ導体(1) の直径d(m
m)は、φ1.00mm以下が好ましく、更に好ましく
は0.10≦d≦0.90である。この際、前記めっき
厚さy(μm)条件以上の導電性金属層を施した場合
は、軽量化効果が低減してしまう。更に、直径d(m
m)がφ1.00mmを超えると、伸線加工後のめっき
厚が薄くなるためはんだ付け時の信頼性に乏しいものと
なり、また直径d(mm)がφ0.10未満では軽量化
に不向きとなる。
【0015】第三の観点として本発明は、前記複合軽量
化めっき電線において、亜鉛アンカー金属層(2) が80
%以上保持されている複合軽量化めっき電線にある。
【0016】前記亜鉛アンカー金属層(2) がどの程度保
持されているかを確認する評価方法としては、例えば原
子吸光光度計が使用でき、アルミ導体(1) 上に亜鉛アン
カー金属層(2) を形成後、硝酸によって該アンカー金属
層(2) を剥離し、単位面積当たりの亜鉛アンカー金属の
定量測定を行いこれを100%とした時、前記と同様な
条件によって亜鉛アンカー金属層(2) および導電性金属
層(3) ,(4) を形成後、硝酸によってこれらの金属層
(2) ,(3) ,(4) を剥離し、単位面積当たりの亜鉛アン
カー金属の定量測定を行い、該亜鉛アンカー金属層(2)
がどの程度保持されているかで比較評価できる。
【0017】第四の観点として本発明は、前記複合軽量
化めっき電線において、更に熱間または冷間塑性加工が
施こされ、所定サイズの複合軽量化めっき電線に加工さ
れている複合軽量化めっき電線にある。なお、熱間また
は冷間塑性加工の前に例えば200℃×5分間程度の熱
処理を施して応力歪みを緩和させると更に好適である。
【0018】
【作用】本発明の第1の観点の複合軽量化めっき電線
は、アルミ導体(1) 上に形成された亜鉛アンカー金属層
(2) の外周に、導電性金属層(3) を電気めっきにより形
成させる際の電解パラメータとして、電解質溶液の水素
イオン濃度(pH)を4以上、めっき厚さx(μm)を
0.2<x≦5の条件で導電性金属層(3) を施すことに
よって、亜鉛の溶解と化学的置換反応が抑制でき密着に
優れためっき皮膜が得られる。更に、導電性金属層(3)
を形成させることによって自然酸化反応を抑制でき、複
合軽量化めっき電線のはんだ付けが容易となる。
【0019】なお、前記めっき厚さx(μm)を0.2
<x≦5と限定した理由は、0.2μm以下ではピンホ
ールによるピット(孔)が発生し、表面にざらつき,ブ
ツが発生してしまい好ましくないためである。また5μ
mを超える場合は、陰極電流密度によっても作用される
が、通電時間に10分間以上を要し作業性に劣るためで
ある。
【0020】本発明の第2の観点の複合軽量化めっき電
線は、図1(b)に示すように、前記導電性金属層(第
1導電性金属層)(3) の外周に、第2導電性金属層(4)
のめっき厚さy(μm)を2.0<y≦40の条件で電
気めっきにより施すことによって、複合軽量化めっき電
線はよりはんだ接続時の信頼性に優れたものとなる。な
お、前記めっき厚さy(μm)を2.0<y≦40と限
定した理由は、40μmを超える場合は軽量化効果が低
減するためである。
【0021】本発明の第3の観点の複合軽量化めっき電
線は、亜鉛アンカー金属層(2) が80%以上保持されて
いることによって、アルミ導体(1) と前記導電性金属層
(3)間の密着に優れ、それによって線引き加工時の断線
を抑制できる。
【0022】本発明の第4の観点の複合軽量化めっき電
線は、前記第1から第3の観点の複合軽量化めっき電線
が層間の密着性に優れているため、更に熱間または冷間
塑性加工を施こし、所定サイズの複合軽量化めっき電線
に加工することが容易であるので、より軽量化に好適で
ある。
【0023】
【実施例】以下、図を用い、実施例により本発明を更に
説明する。なお、これにより本発明が限定されるもので
はない。図1は本発明の複合軽量化めっき電線の一例を
示す断面図であり、同図(a)は導電性金属層が1層の
複合軽量化めっき電線、また同図(b)は導電性金属層
が2層の複合軽量化めっき電線である。前記図1におい
て、1はアルミニウムまたはアルミニウム合金導体(ア
ルミ導体)、2は亜鉛または亜鉛合金アンカー金属層
(亜鉛アンカー金属層)、3は亜鉛と同等以上の電位を
持った導電性金属層(導電性金属層、第1導電性金属
層)、4は亜鉛と同等以上の電位を持った第2の導電性
金属層(第2導電性金属層)、5,6は複合軽量化めっ
き電線、また5a,6aは複合軽量化めっき母線であ
る。
【0024】実施例1 アルミ導体(1) として、外径0.10mm,純度99.
0%のアルミニウム線を用い、該アルミ導体(1) の表面
を、脱脂−エッチング−中和−第一亜鉛置換−亜鉛剥離
−第二亜鉛置換からなるジンケートプロセスによって表
面に0.5μm厚さの亜鉛アンカー金属層(2) を形成さ
せた。続いて、ピロリン酸銅100g/l,ピロリン酸
カリウム300g/l,アンモニア水2ml/lからな
るピロリン酸銅めっき浴によって、浴温55℃、陰極電
流密度2A/dm2 ,pH8.5のめっき条件によって
4分間通電し、2μm厚さの銅からなる導電性金属層
(3)を形成させ、外径0.104mmの複合軽量化めっ
き電線(5) を製造した。また、本複合軽量化めっき電線
(5) は複合軽量化めっき母線(5a)としても使用できる。
【0025】実施例2 アルミ導体(1) として、外径0.90mm,純度99.
0%のアルミニウム線を用い、該アルミ導体(1) の表面
を、実施例1と同様のジンケートプロセスによって表面
に0.5μm厚さの亜鉛アンカー金属層(2) を形成させ
た。続いて、実施例1と同様のピロリン酸銅めっき浴に
よって、浴温55℃、陰極電流密度1A/dm2 ,pH
8.5のめっき条件によって2分間通電し、0.4μm
厚さの銅からなる第1の導電性金属層(3) を形成させ
た。次に、前記第1導電性金属層(3) の外周に、硫酸銅
200g/l,硫酸50g/lからなる硫酸銅めっき浴
によって、浴温30℃、陰極電流密度5A/dm2 ,p
H0.5のめっき条件によって10分間通電し、10μ
m厚さの銅からなる第2の導電性金属層(4) を形成させ
て外径0.922mmの複合軽量化めっき母線(6a)を得
た。続いて、前記めっき母線(6a)を200℃×5分間熱
処理を施して応力歪みを緩和させてから冷間伸線加工を
施し、外径0.10mmの複合軽量化めっき電線(6) を
製造した。
【0026】実施例3 アルミ導体(1) として、外径0.90mm,純度99.
0%のアルミニウム線を用い、該アルミ導体(1) の表面
を、実施例1と同様のジンケートプロセスによって表面
に0.5μm厚さの亜鉛アンカー金属層(2) を形成させ
た。続いて、シアン化第一銅40g/l,シアン化ナト
リウム60g/l,酒石酸カリウムナトリウム20g/
l,炭酸ナトリウム10g/lからなるシアン化銅めっ
き浴によって、浴温50℃、陰極電流密度2A/d
2 ,pH12のめっき条件によって2分間通電し、
0.8μm厚さの銅からなる第1の導電性金属層(3) を
形成させた。次に、前記第1導電性金属層(3) の外周
に、実施例2と同様の硫酸銅めっき浴およびめっき条件
によって10分間通電し、10μm厚さの銅からなる第
2導電性金属層(4) を形成させて外径0.923mmの
複合軽量化めっき母線(6a)を得た。続いて、前記めっき
母線(6a)を200℃×5分間熱処理を施して応力歪みを
緩和させてから冷間伸線加工を施し、外径0.10mm
の複合軽量化めっき電線(6) を製造した。
【0027】実施例4 アルミ導体(1) として、外径0.90mm,純度99.
0%のアルミニウム線を用い、該アルミ導体(1) の表面
を、実施例1と同様のジンケートプロセスによって表面
に0.5μm厚さの亜鉛アンカー金属層(2) を形成させ
た。続いて、硫酸ニッケル80g/l,塩化アンモニウ
ム30g/l,無水硫酸ナトリウム80g/lからなる
硫酸塩ニッケルめっき浴によって、浴温30℃、陰極電
流密度2A/dm2 ,pH5.5のめっき条件によって
2分間通電し、0.4μm厚さのニッケルからなる第1
導電性金属層(3) を形成させた。次に、前記第1導電性
金属層(3) の外周に、実施例2と同様の硫酸銅めっき浴
およびめっき条件によって10分間通電し、10μm厚
さの銅からなる第2導電性金属層(4) を形成させて外径
0.922mmの複合軽量化めっき母線(6a)を得た。続
いて、前記めっき母線(6a)を200℃×5分間熱処理を
施して応力歪みを緩和させてから冷間伸線加工を施し、
外径0.10mmの複合軽量化めっき電線(6) を製造し
た。
【0028】実施例5 アルミ導体(1) として、外径0.90mm,純度99.
0%のアルミニウム線を用い、該アルミ導体(1) の表面
を、実施例1と同様のジンケートプロセスによって表面
に0.5μm厚さの亜鉛アンカー金属層(2) を形成させ
た。続いて、シアン化亜鉛60g/l,シアン化ナトリ
ウム40g/l,水酸化ナトリウム80g/lからなる
シアン化亜鉛めっき浴によって、浴温30℃、陰極電流
密度2A/dm2 ,pH12のめっき条件によって2分
間通電し、1.0μm厚さの亜鉛からなる第1の導電性
金属層(3) を形成させた。次に、前記第1導電性金属層
(3) の外周に、実施例2と同様の硫酸銅めっき浴および
めっき条件によって実施例1と同様の硫酸銅めっき浴に
よって、10μm厚さの銅からなる第2導電性金属層
(4) を形成させて外径0.926mmの複合軽量化めっ
き母線(6a)を得た。続いて、前記めっき母線(6a)を20
0℃×5分間熱処理を施して応力歪みを緩和させてから
冷間伸線加工を施し、外径0.10mmの複合軽量化め
っき電線(6) を製造した。
【0029】実施例6 アルミ導体(1) として、外径0.90mm,純度99.
0%のアルミニウム線を用い、該アルミ導体(1) の表面
を、実施例1と同様のジンケートプロセスによって表面
に0.5μm厚さの亜鉛アンカー金属層(2) を形成させ
た。続いて、シアン化銀2g/l,シアン化カリウム1
00g/lからなるシアン化銀めっき浴によって、浴温
25℃、陰極電流密度1A/dm2 ,pH12のめっき
条件によって1分間通電し、0.6μm厚さの銀からな
る第1の導電性金属層(3) を形成させた。次に、前記第
1導電性金属層(3) の外周に、実施例2と同様の硫酸銅
めっき浴およびめっき条件によって10分間通電し、1
0μm厚さの銅からなる第2導電性金属層(4) を形成さ
せて外径0.922mmの複合軽量化めっき母線(6a)を
得た。続いて、前記めっき母線(6a)を200℃×5分間
熱処理を施して応力歪みを緩和させてから冷間伸線加工
を施し、外径0.10mmの複合軽量化めっき電線(6)
を製造した。
【0030】実施例7 アルミ導体(1) として、外径0.90mm,純度93%
のアルミニウム−マグメシウム合金線を用い、該アルミ
導体(1) の表面を、実施例1と同様のジンケートプロセ
スによって表面に0.5μm厚さの亜鉛アンカー金属層
(2) を形成させた。続いて、シアン化金カリウム8g/
l,シアン化カリウム30g/l,リン酸水素カリウム
30g/lからなるシアン化金めっき浴によって、浴温
60℃,陰極電流密度0.5A/dm2 ,pH12のめ
っき条件によって1分間通電し、0.2μm厚さの金か
らなる第1の導電性金属層(3) を形成させた。次に、前
記第1導電性金属層(3) の外周に、実施例2と同様の硫
酸銅めっき浴およびめっき条件によって10分間通電
し、10μm厚さの銅からなる第2導電性金属層(4)を
形成させて外径0.921mmの複合軽量化めっき母線
(6a)を得た。続いて、前記めっき母線(6a)を200℃×
5分間熱処理を施して応力歪みを緩和させてから冷間伸
線加工を施し、外径0.10mmの複合軽量化めっき電
線(6) を製造した。
【0031】実施例8 実施例2と同様にして、外径0.10mm,純度99.
0%のアルミニウム線の外周に0.4μm厚さの銅から
なる第1の導電性金属層(3) を形成させた。次に、前記
第1導電性金属層(3) の外周に、実施例2と同様の硫酸
銅めっき浴によって、浴温30℃、陰極電流密度5A/
dm2 ,pH0.5のめっき条件によって2分間通電
し、2μm厚さの銅からなる第2導電性金属層(4) を形
成させて外径0.906mmの複合軽量化めっき母線(6
a)を得た。続いて、前記めっき母線(6a)を200℃×5
分間熱処理を施して応力歪みを緩和させてから冷間伸線
加工を施し、外径0.10mmの複合軽量化めっき電線
(6) を製造した。
【0032】実施例9 実施例2と同様にして、外径0.10mm,純度99.
0%のアルミニウム線の外周に0.4μm厚さの銅から
なる第1の導電性金属層(3) を形成させた。次に、前記
第1導電性金属層(3) の外周に、実施例2と同様の硫酸
銅めっき浴によって、浴温30℃、陰極電流密度5A/
dm2 ,pH0.5のめっき条件によって40分間通電
し、40μm厚さの銅からなる第2導電性金属層(4) を
形成させて外径0.982mmの複合軽量化めっき母線
(6a)を得た。続いて、前記めっき母線(6a)を200℃×
5分間熱処理を施して応力歪みを緩和させてから冷間伸
線加工を施し、外径0.10mmの複合軽量化めっき電
線(6) を製造した。
【0033】比較例 比較例1 アルミ導体(1) として、外径0.90mm,純度99.
0%のアルミニウム線を用い、該アルミ導体(1) の表面
を、実施例1と同様のジンケートプロセスによって表面
に0.5μm厚さの亜鉛アンカー金属層(2) を形成させ
た。続いて、硫酸銅100g/l,硫酸50g/lから
なる酸性硫酸銅めっき浴によって、浴温30℃、陰極電
流密度2A/dm2 ,pH0.5のめっき条件によって
2分間通電し、0.4μm厚さの銅からなる第1の導電
性金属層(3) を形成させた。次に、前記第1導電性金属
層(3) の外周に、実施例2と同様の硫酸銅めっき浴およ
びめっき条件によって10分間通電し、10μm厚さの
銅からなる第2導電性金属層(4) を形成させて外径0.
922mmの複合軽量化めっき母線(6a)を得た。続い
て、前記めっき母線(6a)を200℃×5分間熱処理を施
して応力歪みを緩和させてから冷間伸線加工を施し、外
径0.10mmの複合軽量化めっき電線(6) を製造し
た。
【0034】比較例2 アルミ導体(1) として、外径0.90mm,純度99.
0%のアルミニウム線を用い、該アルミ導体(1) の表面
を、実施例1と同様のジンケートプロセスによって表面
に0.5μm厚さの亜鉛アンカー金属層(2) を形成させ
た。続いて、硫酸ニッケル100g/l,塩化ニッケル
60g/l,ほう酸45g/l,硫酸第一鉄10g/l
からなるニッケル−鉄合金めっき浴によって、浴温60
℃、陰極電流密度2A/dm2 ,pH3.5のめっき条
件によって2分間通電し、0.4μm厚さのニッケル−
鉄合金からなる第1の導電性金属層(3) を形成させた。
次に、前記第1導電性金属層(3) の外周に、実施例2と
同様の硫酸銅めっき浴およびめっき条件によって10分
間通電し、10μm厚さの銅からなる第2導電性金属層
(4) を形成させて外径0.922mmの複合軽量化めっ
き母線(6a)を得た。続いて、前記めっき母線(6a)を20
0℃×5分間熱処理を施して応力歪みを緩和させてから
冷間伸線加工を施し、外径0.10mmの複合軽量化め
っき電線(6)を製造した。
【0035】特性試験 前記実施例1〜9および比較例1,2により得られた複
合軽量化めっき電線について各種特性を試験した。その
結果を以下に示す。 (1) 線引き加工性試験 前記実施例2〜9および比較例1,2に於いて、外径
0.10mmの複合軽量化めっき電線をそれぞれ5kg製
造したときの線引き加工時の断線回数を調査した。その
結果を下記表1に示す。
【0036】
【表1】
【0037】上記表1より明らかなように、実施例2〜
9の亜鉛アンカー金属層上に電気めっきする際の電解質
溶液として、pH4以上のめっき浴を使用することによ
って、得られた複合軽量化めっき電線は、線引き加工時
の断線を抑制できることが確認された。
【0038】(2) 亜鉛溶解度比較試験(亜鉛アンカー金
属層保持確認試験) 前記実施例1〜9および比較例1,2の複合軽量化めっ
き電線について、めっき後(線引き加工前)の線を、前
記アンカー金属層保持確認評価方法に従い、アンカー金
属層(2) および導電性金属層(3) ,(4) を硝酸によって
剥離し、原子吸光光度計により単位面積当たりの亜鉛ア
ンカー金属の溶解量を測定し、計算によって溶解度
(%)を調べた。その結果を下記表2に示す。なお、溶
解度(%)と亜鉛アンカー金属層保持量の関係は溶解度
(%)=100−亜鉛アンカー金属層保持量(%)であ
る。
【0039】
【表2】
【0040】上記表2より明らかなように、本発明の複
合軽量化めっき電線は亜鉛溶解度が20%未満,即ち亜
鉛アンカー金属層保持量が80%以上あることが分か
る。そして亜鉛アンカー金属層上に電気めっきする際の
電解質溶液として、pHが低いほど亜鉛溶解度は大き
く、即ち亜鉛アンカー金属層の保持量が少ないことが分
かる。この亜鉛溶解度は線引き加工時の断線要因と密接
な関係にあり、特に亜鉛溶解度20%未満の条件によっ
て電気めっきを施したものは、表1の結果と照らし合わ
せてみると断線が激減していることが分かる。
【0041】(3) 複合軽量化めっき電線の表面観察試験 前記実施例2,3および比較例1の複合軽量化めっき電
線について、表面のめっき皮膜を電子顕微鏡(SEM)
によって観察した。そのSEM写真を図2に示す。な
お、同図(a)は実施例2の複合軽量化めっき電線、同
図(b)は実施例3の複合軽量化めっき電線、また同図
(c)は比較例1の複合軽量化めっき電線である。
【0042】図2のSEM写真より明らかなように、比
較例1の複合軽量化めっき電線〔図(c)〕は表面に無
数の孔があることが分かる。前記表1および表2の結果
と相互比較すると、孔は亜鉛の溶解と化学的置換反応で
あり、それによって、めっき皮膜が脆弱となり密着に乏
しく、線引き加工等の塑性加工時の断線に大きく影響を
及ぼすことを裏付けることができた。
【0043】また、はんだ付け接続の信頼性について
は、特に表には示さないが、はんだ濡れ試験により本発
明の複合軽量化めっき電線ははんだ付け接続の信頼性が
良好であることを確認している。
【0044】
【発明の効果】本発明の複合軽量化めっき電線は、アル
ミ導体上に形成された亜鉛アンカー金属層の外周に、導
電性金属層を電気めっきにより形成させる際の電解パラ
メータとして、電解質溶液の水素イオン濃度(pH)を
4以上、めっき厚さx(μm)を0.2<x≦5の条件
で導電性金属層を施すことによって、亜鉛の溶解と化学
的置換反応が抑制でき密着に優れためっき皮膜が得ら
れ、線引き加工時の断線が抑制でき、細径化・軽量化が
容易になる。更に、導電性金属層を形成させることによ
って自然酸化反応を抑制でき、はんだ付け作業時の信頼
性が向上される。従って、電子機器、電子部品の性能向
上と小型・軽量化に大きく寄与するので産業に寄与する
効果は極めて大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の複合軽量化めっき電線の一例を示す断
面図である。(a)は導電性金属層が1層の複合軽量化
めっき電線である。(b)は導電性金属層が2層の複合
軽量化めっき電線である。
【図2】本発明および比較例の複合軽量化めっき電線の
めっき表面のSEM写真を示す写真図である。(a)は
実施例2の複合軽量化めっき電線である。(b)は実施
例3の複合軽量化めっき電線である。(c)は比較例1
の複合軽量化めっき電線である。
【符号の説明】
1 アルミニウムまたはアルミニウム合金導体 2 亜鉛または亜鉛合金アンカー金属層 3 亜鉛と同等以上の電位を持った導電性金属層(第1
導電性金属層) 4 亜鉛と同等以上の電位を持った第2の導電性金属層
(第2導電性金属層) 5,6 複合軽量化めっき電線 5a,6a 複合軽量化めっき母線

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウムまたはアルミニウム合金か
    らなる導体(1) 上に形成された亜鉛または亜鉛合金によ
    るアンカー金属層(2) の外周に、亜鉛と同等以上の電位
    を持った導電性金属層(3) が、電気めっきする際の電解
    パラメータとして、電解質溶液の水素イオン濃度(p
    H)を4以上,めっき厚さx(μm)を0.2<x≦5
    の条件で形成されていることを特徴とする複合軽量化め
    っき電線。
  2. 【請求項2】 前記請求項1記載の導電性金属層(3) の
    外周に、更に亜鉛と同等以上の電位を持った第2の導電
    性金属層(4) が、めっき厚さy(μm)を2.0<y≦
    40の条件で電気めっきにより形成されていることを特
    徴とする複合軽量化めっき電線。
  3. 【請求項3】 前記請求項1または2の複合軽量化めっ
    き電線において、亜鉛または亜鉛合金によるアンカー金
    属層(2) が80%以上保持されていることを特徴とする
    複合軽量化めっき電線。
  4. 【請求項4】 前記請求項1から請求項3のいずれかに
    記載の複合軽量化めっき電線において、更に熱間または
    冷間塑性加工が施こされ、所定サイズの複合軽量化めっ
    き電線に加工されていることを特徴とする複合軽量化め
    っき電線。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009280917A (ja) * 2004-02-06 2009-12-03 Kansai Engineering:Kk 線材

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