JPH1135575A - 3−アルキル−3−クロロフラバノン誘導体及びその製造方法、並びにこれを用いる3−アルキルフラバノノール誘導体の製造方法 - Google Patents

3−アルキル−3−クロロフラバノン誘導体及びその製造方法、並びにこれを用いる3−アルキルフラバノノール誘導体の製造方法

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JPH1135575A
JPH1135575A JP19690097A JP19690097A JPH1135575A JP H1135575 A JPH1135575 A JP H1135575A JP 19690097 A JP19690097 A JP 19690097A JP 19690097 A JP19690097 A JP 19690097A JP H1135575 A JPH1135575 A JP H1135575A
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alkyl
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chloroflavanone
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JP19690097A
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English (en)
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Yukihiro Ohashi
幸浩 大橋
Susumu Ichinose
進 一ノ瀬
Yoshinori Nishizawa
義則 西澤
Yoshiaki Fujikura
芳明 藤倉
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Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 次の一般式(1) 【化1】 〔式中、R1 は炭素数1〜12のアルキル基を示し、R
2 及びR3 は、ハロゲン原子若しくは炭素数1〜12の
アルコキシル基が置換していてもよい炭素数1〜12の
アルキル基、炭素数1〜12のアルコキシル基が置換し
ていてもよい炭素数1〜12のアルコキシル基、水素原
子、水酸基、シアノ基又はハロゲン原子を示す。〕で表
わされる3−アルキル−3−クロロフラバノン誘導体及
びその製造方法、並びに該3−アルキル−3−クロロフ
ラバノン誘導体を用いた3−アルキルフラバノノール誘
導体の製造方法。 【効果】 工業的に有利な製造方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、養毛・育毛剤とし
て有用な次の一般式(3)
【0002】
【化6】
【0003】〔式中、R1 は炭素数1〜12のアルキル
基を示し、R2 及びR3 は、ハロゲン原子若しくは炭素
数1〜12のアルコキシル基が置換していてもよい炭素
数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ
ル基が置換していてもよい炭素数1〜12のアルコキシ
ル基、水素原子、水酸基、シアノ基又はハロゲン原子を
示す。〕で表わされる3−アルキルフラバノノール誘導
体の製造中間体として有用な3−アルキル−3−クロロ
フラバノン誘導体及びその製造方法に関する。更に本発
明は、該3−アルキル−3−クロロフラバノン誘導体を
用いた3−アルキルフラバノノール誘導体(3)の製造
方法に関する。
【0004】
【従来の技術】養毛・育毛剤として有用な化合物である
上記一般式(3)で表わされる3−アルキルフラバノノ
ール誘導体の製造方法としては、例えば特開平8−15
7464号公報に記載の如く、次の反応式に従って反応
を行う方法が挙げられる。
【0005】
【化7】
【0006】〔式中、R1 、R2 及びR3 は前記と同じ
ものを示す〕
【0007】すなわち、o−ヒドロキシアシルベンゼン
類(5)にベンズアルデヒド類(4)を反応させて、3
−アルキルフラバノン類(2)を得、次いでこれを強塩
基性条件下、過酸化水素で酸化することにより、目的と
する3−アルキルフラバノノール誘導体(3)を得る方
法が開示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記製造方法
では、最終工程である3−アルキルフラバノン類(2)
の酸化において、反応系(強塩基性条件下)での安定性
に難のある過酸化水素を酸化剤として用いているため
に、これを3−アルキルフラバノン類(2)に対して大
過剰用いなければならない。また、高温で上記酸化反応
を行うと、過酸化水素が自己分解し、かつ生成物の3−
アルキルフラバノノール類(3)が過酸化水素により過
剰酸化反応を受けて分解するため、酸化を比較的低温で
行わなければならず、反応時間が長くなるという欠点を
有するとともに、低温では3−アルキルフラバノン類
(2)の溶媒への溶解度が低いために、反応溶媒を大量
に使用しなければならないという欠点も有していた。こ
のように、上記製造方法は工業的に実施するにあたり、
多くの問題点を抱えていた。
【0009】従って本発明の目的は、このような問題点
がなく、工業的に有利に3−アルキルフラバノノール誘
導体(3)を製造する方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】斯かる実情に鑑み本発明
者は鋭意研究を行った結果、上記3−アルキルフラバノ
ン誘導体(2)を、3−アルキル−3−クロロフラバノ
ン誘導体(1)に変換した後、3−アルキルフラバノノ
ール誘導体(3)に導けば、目的とする3−アルキルフ
ラバノノール誘導体(3)を工業的に有利に製造できる
ことを見出し、本発明を完成した。
【0011】本発明による3−アルキルフラバノノール
誘導体(3)の製造方法は、下記反応式で示される。
【0012】
【化8】
【0013】〔式中、R1 、R2 及びR3 は前記と同じ
ものを示す〕
【0014】すなわち、本発明は、上記3−アルキル−
3−クロロフラバノン誘導体(1)を加溶媒分解するこ
とを特徴とする3−アルキルフラバノノール誘導体
(3)の製造方法を提供するものである。
【0015】また、本発明は、上記3−アルキル−3−
クロロフラバノン誘導体(1)及びその製造方法を提供
するものである。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明において原料となる3−ア
ルキルフラバノン誘導体(2)、製造中間体である3−
アルキル−3−クロロフラバノン誘導体(1)及び目的
化合物である3−アルキルフラバノノール誘導体(3)
は、それぞれ一般式(2)、(1)及び(3)で表わさ
れるものであるが、式中、R1 、R2 及びR3 で示され
る炭素数1〜12のアルキル基としては、炭素数1〜1
2の直鎖又は分岐鎖のアルキル基、例えば、メチル基、
エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチ
ル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル
基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル
基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基等
が挙げられる。中でも、炭素数1〜5の直鎖又は分岐鎖
のアルキル基が好ましく、特にメチル基が好ましい。ま
たR2 及びR3 で示される基において炭素数1〜12の
アルコキシル基としては、炭素数1〜12の直鎖又は分
岐鎖のアルコキシル基、例えば、メトキシ基、エトキシ
基、n−プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、n
−ブチルオキシ基、イソブチルオキシ基、sec−ブチ
ルオキシ基、t−ブチルオキシ基、ペンチルオキシ基、
ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ
基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、ウンデシルオキ
シ基、ドデシルオキシ基等が挙げられる。R2 及びR3
において、ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原
子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。ハロゲン原子
が置換したアルキル基としては、トリフルオロメチル基
等が挙げられ、アルコキシル基が置換したアルキル基と
しては、メトキシメチル基等が挙げられる。またアルコ
キシル基が置換したアルコキシル基としては、メトキシ
メトキシ基、2−エトキシエトキシ基、2−メトキシエ
トキシ基等が挙げられる。
【0017】3−アルキルフラバノン誘導体(2)、3
−アルキル−3−クロロフラバノン誘導体(1)及び3
−アルキルフラバノノール誘導体(3)としては、式
中、R 1 が炭素数1〜12のアルキル基、R2 が水素原
子、R3 が炭素数1〜12のアルキル基又は水素原子で
あるものが好ましく、R1 及びR3 がメチル基、R2
水素原子であるのが特に好ましい。
【0018】なお、本発明において原料となる3−アル
キルフラバノン誘導体(2)には、trans体とci
s体の立体異性体が存在し、また、trans体とci
s体のそれぞれについて光学異性体が存在するが、本発
明では、これらの異性体のいずれを用いてもよく、これ
らの混合物を用いてもよい。
【0019】本発明方法において、原料となる3−アル
キルフラバノン誘導体(2)の製造方法は特に限定され
ないが、例えば、前記したように、特開平8−1574
64号公報又はJ. Med. Chem.(ジャーナル オブ メ
ディシナル ケミストリー)33巻1948頁(199
0年)に記載の方法が挙げられる。すなわち、前記反応
式に従ってo−ヒドロキシアシルベンゼン類(5)とベ
ンズアルデヒド類(4)を有機酸とアミンの存在下で縮
合するか、無機塩基の存在下で縮合させる方法が挙げら
れる。
【0020】このようにして、得られた3−アルキルフ
ラバノン誘導体(2)は、晶析、蒸留等の通常の精製方
法により精製した後、又は、精製することなく本発明の
製造方法に用いることができる。
【0021】本発明の3−アルキル−3−クロロフラバ
ノン誘導体(1)の製造方法は、3−アルキルフラバノ
ン誘導体(2)に、次亜塩素酸塩を作用させることに特
徴がある。ここで用いる次亜塩素酸塩としては、次亜塩
素酸のアルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩が好まし
く、具体例としては、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素
酸カルシウム等が挙げられる。この中でも、特に次亜塩
素酸ナトリウムが好ましいものとして挙げられる。用い
る次亜塩素酸塩は、粉末又は水溶液のいずれの形態でも
使用可能であるが、次亜塩素酸ナトリウムを用いる場合
は、有効塩素濃度1〜30%程度の水溶液が好んで用い
られる。
【0022】次亜塩素酸塩の使用量は、特に制限はない
が、原料の3−アルキルフラバノン誘導体(2)に対し
て、好ましくは0.5〜10当量、更に好ましくは1〜
5当量である。
【0023】反応に用いる溶媒は、次亜塩素酸塩による
塩素化に悪影響を与えない溶媒であればいずれの溶媒も
使用できるが、メタノール、エタノール、n−プロパノ
ール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、イソ
ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、t−ブ
チルアルコール、エチレングリコール、1,3−ブチレ
ングリコール、ヘキシレングリコール等のアルコール系
溶媒;トルエン、キシレン、ベンゼン、ヘキサン、シク
ロヘキサン等の炭化水素系溶媒;クロロホルム、ジクロ
ロメタン、1,2−ジクロロエタン等の塩素系溶媒;テ
トラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエーテル、
1,2−ジメトキシエタン等のエーテル系溶媒;アセト
ン、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、酢酸エチ
ル、水及びこれらの混合溶媒が好ましいものとして挙げ
られる。これらのうち、メタノール、エタノール、n−
プロパノール、イソプロピルアルコール、n−ブタノー
ル、イソブチルアルコール、sec−ブチルアルコー
ル、t−ブチルアルコール等の低級アルコール系溶媒及
びこれらの低級アルコール系溶媒と水との混合溶媒が、
特に好ましいものとして挙げられる。
【0024】溶媒の使用量は、特に制限はないが、原料
の3−アルキルフラバノン誘導体(2)に対して、好ま
しくは1〜20重量倍、更に好ましくは2〜10重量倍
用いる。
【0025】本発明の3−アルキル−3−クロロフラバ
ノン誘導体(1)の製造方法では、反応系に反応を促進
する目的で、塩基を添加してもよい。ここで用いる塩基
としては、3−アルキルフラバノン誘導体(2)の3位
の水素を引き抜くことができる塩基であれば特に限定さ
れず、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸
化リチウム等のアルカリ金属水酸化物;水酸化バリウ
ム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム等のアルカ
リ土類金属水酸化物;ナトリウムメトキシド、ナトリウ
ムエトキシド、カリウムt−ブトキシド等の金属アルコ
キシド及びこれらの混合物を反応に用いることができ
る。これらの中でも、水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム等のアルカリ金属水酸化物が特に好ましい。
【0026】塩基の使用量としては、特に制限はない
が、3−アルキルフラバノン誘導体(2)に対して、
0.01〜20当量程度用いるのが好ましい。
【0027】反応温度は、特に制限はないが、好ましく
は0〜100℃程度、更に好ましくは10〜60℃程度
である。
【0028】上記酸化反応終了後の後処理方法は、通常
の次亜塩素酸塩を用いた反応の後処理方法に準じて行
う。すなわち、残存する次亜塩素酸塩を水洗等の方法で
除去したのち、必要に応じて、晶析、クロマトグラフィ
ー等の適当な精製を行うことにより、3−アルキル−3
−クロロフラバノン誘導体(1)を得ることができる。
【0029】本発明の3−アルキルフラバノノール誘導
体(3)の製造方法は、3−アルキル−3−クロロフラ
バノン誘導体(1)の塩素原子を、水等の溶媒により加
溶媒分解してヒドロキシル基に置き換え、3−アルキル
フラバノノール誘導体(3)を製造することに特徴があ
る。
【0030】加溶媒分解反応の反応条件は特に限定はな
く、例えば、実験化学講座14−I、451〜453頁
(丸善株式会社、1977年)に記載されているよう
な、一般的に塩素化物を加溶媒分解してアルコール類を
得るのに使用する方法を用いることができる。具体的な
方法としては、例えば、3−アルキル−3−クロロフラ
バノン誘導体(1)に塩基を作用させることで3−アル
キルフラバノノール誘導体(3)を製造することができ
る。
【0031】この方法の場合、塩基としては特に限定は
ないが、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リ
チウム等のアルカリ金属水酸化物;水酸化バリウム、水
酸化カルシウム、水酸化マグネシウム等のアルカリ土類
金属水酸化物;ナトリウムメトキシド、ナトリウムエト
キシド、カリウムt−ブトキシド等の金属アルコキシ
ド;水酸化テトラブチルアンモニウム、水酸化ベンジル
トリメチルアンモニウム、水酸化ベンジルトリブチルア
ンモニウム等の水酸化テトラアルキルアンモニウム;水
素化ナトリウム、水素化カリウム、水素化カルシウム等
の金属化物;ナトリウム、カリウム、リチウム等のアル
カリ金属等及びこれらの混合物を反応に用いることがで
きる。これらの中でも、水酸化ナトリウム、水酸化カリ
ウム等のアルカリ金属水酸化物が好ましい。塩基の使用
量は特に制限はないが、3−アルキル−3−クロロフラ
バノン誘導体(1)に対して0.5〜20当量が好まし
く、特に1〜5当量が好ましい。
【0032】また、反応溶媒としては、反応に悪影響を
及ぼさない限り、いずれの溶媒も使用できるが、メタノ
ール、エタノール、n−プロパノール、イソプロピルア
ルコール、n−ブタノール、イソブチルアルコール、s
ec−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール、エチ
レングリコール、1,3−ブチレングリコール、ヘキシ
レングリコール等のアルコール系溶媒;トルエン、キシ
レン、ベンゼン、ヘキサン、シクロヘキサン等の炭化水
素系溶媒;テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチル
エーテル、1,2−ジメトキシエタン等のエーテル系溶
媒;アセトン、アセトニトリル、ジメチルホルムアミ
ド、水及びこれらの混合溶媒が用いられる。これらのう
ち、加溶媒分解反応促進の点からt−ブチルアルコール
等の第3級アルコール系溶媒と水の混合溶媒、テトラヒ
ドロフラン、ジオキサン、ジエチルエーテル、1,2−
ジメトキシエタン等のエーテル系溶媒と水の混合溶媒及
び水が特に好ましい。溶媒の使用量は、特に制限はない
が、3−アルキル−3−クロロフラバノン誘導体(1)
に対して0.5〜20重量倍程度が好ましい。
【0033】本反応には、反応を促進するために第4級
アンモニウム塩、カルボン酸、カルボン酸塩等を添加し
てもよい。第4級アンモニウム塩としては、例えば、臭
化テトラブチルアンモニウム、塩化テトラブチルアンモ
ニウム、硫酸水素テトラブチルアンモニウム、水酸化テ
トラブチルアンモニウム、水酸化テトラメチルアンモニ
ウム、塩化ベンジルトリメチルアンモニウム、水酸化ベ
ンジルトリメチルアンモニウム等が挙げられる。カルボ
ン酸としては、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、オ
クタン酸、デカン酸、ドデカン酸、テトラデカン酸、ヘ
キサデカン酸、オクタデカン酸、2−エチルヘキサン酸
等が挙げられる。カルボン酸塩としては、上記カルボン
酸のナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩又はマグ
ネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属塩が挙げら
れる。添加剤の使用量は、特に制限はないが、3−アル
キル−3−クロロフラバノン誘導体(1)に対して0.
1〜1000mol%程度が好ましい。
【0034】反応温度は、特に制限はないが、好ましく
は0〜180℃程度、より好ましくは50〜120℃程
度である。
【0035】上記反応終了後、必要に応じて晶析、クロ
マト等の適当な精製を行うことにより、3−アルキルフ
ラバノノール誘導体(3)を得ることができる。
【0036】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説
明するが本発明は、これらに限定されるものではない。
【0037】参考例 トランス−3,4′−ジメチル
フラバノンの製造 窒素雰囲気下、10Lフラスコに2′−ヒドロキシプロ
ピオフェノン1682g(11.2mol)、4−メチル
ベンズアルデヒド1413g(11.76mol)、イソ
プロピルアルコール3364g、ピペリジン954g
(11.2mol)を仕込み、ここに酢酸673g(1
1.2mol)を約10分間かけて滴下した。滴下終了
後、更に80〜90℃で24時間攪拌した。次に、得ら
れた反応混合物を70〜75℃まで冷却してトランス−
3,4′−ジメチルフラバノンの種晶0.25gを添加
し、30〜40℃まで冷却してイオン交換水1400g
を加え、更に0〜10℃まで冷却した。析出してきた結
晶をろ取し、得られた結晶を50%イソプロピルアルコ
ール水溶液及び水で洗浄し、減圧乾燥することにより、
トランス−3,4′−ジメチルフラバノン2506g
(収率88.7%)を得た。
【0038】実施例1 トランス−3−クロロ−3,
4′−ジメチルフラバノンの製造 2Lフラスコに、トランス−3,4′−ジメチルフラバ
ノン101g(0.4mol)、イソプロピルアルコール
600g及び有効塩素濃度5%の次亜塩素酸ナトリウム
水溶液486g(0.68mol)を仕込み、20〜30
℃で2時間攪拌した。反応終了後、水を添加し、析出し
ている固体をろ取し、シリカゲルカラムクロマトグラフ
ィーにより精製することにより、トランス−3−クロロ
−3,4′−ジメチルフラバノン104g(収率91
%)を得た。
【0039】NMR(CDCl3, δppm):1.62(s,3H), 2.39(s,
3H), 5.49(s,1H),7.00〜7.63(m,7H), 8.01(dd,J=1.7,
7.9Hz,1H). IR(KBr, cm-1):2980, 2928, 1700, 1608, 1464, 1294,
1230, 1008, 762. MS(EI,70eV):286(M+), 166([M-120]+). 融点(℃):101.5〜103.5
【0040】実施例2 3−クロロ−3,4′−ジメ
チルフラバノンの製造 200mLフラスコに、トランス−3,4′−ジメチルフ
ラバノン10g(40mmol)、イソプロピルアルコール
60g、水酸化ナトリウム9.6g(240mmol)及び
有効塩素濃度5%の次亜塩素酸ナトリウム水溶液81g
(11.4mol)を仕込み、40℃で30分攪拌した。
反応終了後、水を添加し、析出している固体をろ取し、
シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製するこ
とにより、トランス−3−クロロ−3,4′−ジメチル
フラバノン10.6g(収率92%)を得た。
【0041】実施例3 3−クロロ−3,4′−ジメ
チルフラバノンの製造 200mLフラスコに、トランス−3,4′−ジメチルフ
ラバノン10g(40mmol)、エタノール80g及び有
効塩素濃度5%の次亜塩素酸ナトリウム水溶液81g
(11.4mol)を仕込み、30〜40℃で2時間攪拌
した。反応終了後、水を添加し、析出している固体をろ
取し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製
することにより、トランス−3−クロロ−3,4′−ジ
メチルフラバノン10.0g(収率87%)を得た。
【0042】実施例4 3,4′−ジメチル−3−ヒ
ドロキシフラバノンの製造 100mLオートクレーブに、トランス−3−クロロ−
3,4′−ジメチルフラバノン8.6g(30mmol)、
t−ブチルアルコール26g、水酸化ナトリウム3.6
g(90mmol)及び水11gを仕込み、100℃で16
時間加熱・攪拌した。反応終了後、反応混合物をトルエ
ンで抽出し、溶媒留去後、残渣をシリカゲルカラムクロ
マトグラフィーにより精製することにより、3,4′−
ジメチル−3−ヒドロキシフラバノン5.8g(トラン
ス:シス=79:21、収率72%)を得た。
【0043】実施例5 3,4′−ジメチル−3−ヒ
ドロキシフラバノンの製造 100mLオートクレーブに、トランス−3−クロロ−
3,4′−ジメチルフラバノン8.6g(30mmol)、
水酸化ナトリウム3.6g(90mmol)、臭化テトラブ
チルアンモニウム0.48g(1.5mmol)及び水26
gを仕込み、100℃で6時間加熱・攪拌した。反応終
了後、反応混合物をトルエンで抽出し、溶媒留去後、残
渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製す
ることにより、3,4′−ジメチル−3−ヒドロキシフ
ラバノン7.1g(トランス:シス=80:20、収率
88%)を得た。
【0044】実施例6 3,4′−ジメチル−3−ヒ
ドロキシフラバノンの製造 100mLフラスコに、トランス−3−クロロ−3,4′
−ジメチルフラバノン8.6g(30mmol)、t−ブチ
ルアルコール26g、水酸化ナトリウム3.6g(90
mmol)及び水11gを仕込み、85℃で24時間加熱・
攪拌した。反応終了後、反応混合物をトルエンで抽出
し、溶媒留去後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラ
フィーにより精製することにより、3,4′−ジメチル
−3−ヒドロキシフラバノン5.3g(トランス:シス
=75:25、収率66%)を得た。
【0045】
【発明の効果】本発明によれば、養毛・育毛剤として有
用な化合物である3−アルキルフラバノノール誘導体
(3)を工業的に有利に製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤倉 芳明 栃木県芳賀郡市貝町赤羽2606 花王株式会 社研究所内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の一般式(1) 【化1】 〔式中、R1 は炭素数1〜12のアルキル基を示し、R
    2 及びR3 は、ハロゲン原子若しくは炭素数1〜12の
    アルコキシル基が置換していてもよい炭素数1〜12の
    アルキル基、炭素数1〜12のアルコキシル基が置換し
    ていてもよい炭素数1〜12のアルコキシル基、水素原
    子、水酸基、シアノ基又はハロゲン原子を示す。〕で表
    わされる3−アルキル−3−クロロフラバノン誘導体。
  2. 【請求項2】 R1 が炭素数1〜12のアルキル基、R
    2 が水素原子、R3が炭素数1〜12のアルキル基又は
    水素原子である請求項1記載の3−アルキル−3−クロ
    ロフラバノン誘導体。
  3. 【請求項3】 R1 及びR3 がメチル基、R2 が水素原
    子である請求項1記載の3−アルキル−3−クロロフラ
    バノン誘導体。
  4. 【請求項4】 次の一般式(2) 【化2】 〔式中、R1 は炭素数1〜12のアルキル基を示し、R
    2 及びR3 は、ハロゲン原子若しくは炭素数1〜12の
    アルコキシル基が置換していてもよい炭素数1〜12の
    アルキル基、炭素数1〜12のアルコキシル基が置換し
    ていてもよい炭素数1〜12のアルコキシル基、水素原
    子、水酸基、シアノ基又はハロゲン原子を示す。〕で表
    わされる3−アルキルフラバノン誘導体に次亜塩素酸塩
    を作用させることを特徴とする次の一般式(1) 【化3】 〔式中、R1 、R2 及びR3 は前記と同じものを示す〕
    で表わされる3−アルキル−3−クロロフラバノン誘導
    体の製造方法。
  5. 【請求項5】 R1 が炭素数1〜12のアルキル基、R
    2 が水素原子、R3が炭素数1〜12のアルキル基又は
    水素原子である請求項4記載の3−アルキル−3−クロ
    ロフラバノン誘導体の製造方法。
  6. 【請求項6】 R1 及びR3 がメチル基、R2 が水素原
    子である請求項4記載の3−アルキル−3−クロロフラ
    バノン誘導体の製造方法。
  7. 【請求項7】 次亜塩素酸塩が次亜塩素酸ナトリウムで
    ある請求項4〜6のいずれか1項記載の3−アルキル−
    3−クロロフラバノン誘導体の製造方法。
  8. 【請求項8】 次の一般式(1) 【化4】 〔式中、R1 は炭素数1〜12のアルキル基を示し、R
    2 及びR3 は、ハロゲン原子若しくは炭素数1〜12の
    アルコキシル基が置換していてもよい炭素数1〜12の
    アルキル基、炭素数1〜12のアルコキシル基が置換し
    ていてもよい炭素数1〜12のアルコキシル基、水素原
    子、水酸基、シアノ基又はハロゲン原子を示す。〕で表
    わされる3−アルキル−3−クロロフラバノン誘導体を
    加溶媒分解することを特徴とする次の一般式(3) 【化5】 〔式中、R1 、R2 及びR3 は前記と同じものを示す〕
    で表わされる3−アルキルフラバノノール誘導体の製造
    方法。
  9. 【請求項9】 R1 が炭素数1〜12のアルキル基、R
    2 が水素原子、R3が炭素数1〜12のアルキル基又は
    水素原子である請求項8記載の3−アルキルフラバノノ
    ール誘導体の製造方法。
  10. 【請求項10】 R1 及びR3 がメチル基、R2 が水素
    原子である請求項8記載の3−アルキルフラバノノール
    誘導体の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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