JPH11351047A - 内燃機関の制御方法 - Google Patents

内燃機関の制御方法

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JPH11351047A
JPH11351047A JP10163419A JP16341998A JPH11351047A JP H11351047 A JPH11351047 A JP H11351047A JP 10163419 A JP10163419 A JP 10163419A JP 16341998 A JP16341998 A JP 16341998A JP H11351047 A JPH11351047 A JP H11351047A
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JP
Japan
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air
internal combustion
fluctuation
ratio
combustion engine
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Application number
JP10163419A
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English (en)
Inventor
Takeshi Okabe
健 岡部
Keiichi Tsujimoto
圭一 辻本
Toru Nakazono
徹 中園
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Yanmar Co Ltd
Original Assignee
Yanmar Diesel Engine Co Ltd
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Publication date
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 排出されるNOX量を低減することができる
内燃機関の制御方法を提供することである。 【解決手段】 空燃比、点火時期、スワール比、EGR
率、バルブタイミング、及び冷却水温度のうちの少なく
とも1つを操作することにより燃焼変動を制御して排気
ガス中のNOX含有量を低減する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、排気ガス中のNO
X量を低減する内燃機関の制御方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、給気温度が高い又は絶対湿度が
低いと、排気ガス中のNOX量が増加する。逆に給気温
度が低い又は絶対湿度が高いと、熱効率が悪化する。出
荷時と異なる大気条件で内燃機関を使用する場合、出荷
時の設定値は必ずしも適正とは言えないが、従来はこの
出荷時の設定値を運転時の大気条件に適した設定に補正
することなく内燃機関を運転していた。
【0003】点火時期が進角側にずれている場合、ミキ
サ設定がリッチ側(過濃側)にずれている場合、圧縮比
が高圧縮比側にずれている場合、及びスワール比が大き
い方にずれる場合は、排気ガス中のNOX量が増加し、
点火時期が遅角側にずれている場合、ミキサ設定がリー
ン側(希薄側)にずれている場合、圧縮比が低圧縮比側
にずれている場合、及びスワール比が小さい方にずれる
場合は、熱効率が悪化する。
【0004】同じ型の内燃機関であっても、点火時期、
ミキサ設定、圧縮比及びスワール比にはばらつきがあ
り、また、大気条件により給気温度、給気湿度は変化す
るが、内燃機関の出荷時の大気条件と実際に使用される
時の大気条件は異なる場合の方が多い。従来は、これら
の諸設定を一切補正していなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、出荷時の大
気条件の違いや、製造のばらつき(点火時期、ミキサ設
定、圧縮比、スワール比及びEGR率)に係わらず、実
際の運転時に最適な設定を行い、排気ガス中のNOX
有量を低減する内燃機関の制御方法を提供することを目
的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、空燃
比、点火時期、スワール比、EGR率、バルブタイミン
グ、及び冷却水温度のうちの少なくとも1つを操作する
ことにより燃焼変動を制御して排気ガス中のNOX含有
量を低減することを特徴とする内燃機関の制御方法であ
る。
【0007】請求項2の発明は、空燃比、点火時期、ス
ワール比、EGR率、バルブタイミング、及び冷却水温
度のうちの少なくとも1つを操作することにより燃焼変
動を一時的に大きくし、その後、空燃比、点火時期、ス
ワール比、EGR率、バルブタイミング、及び冷却水温
度のうちの少なくとも1つを操作することにより燃焼変
動を制御して排気ガス中のNOX含有量を低減すること
を特徴とする内燃機関の制御方法である。
【0008】請求項3の発明は、機関回転数と負荷のう
ち少なくとも1つが変化する過渡時において、予め設定
した機関回転数の値で燃焼変動を算出する請求項1に記
載の内燃機関の制御方法である。
【0009】請求項4の発明は、機関回転数と負荷の少
なくとも1つが外乱により変動し、予め設定しかつ固定
した機関回転数の値及び負荷から逸脱した際に、燃焼変
動の算出を一時停止し、所定時間経過後に変動した機関
回転数及び負荷が予め設定した機関回転数及び負荷の値
に近づいてから燃焼変動の算出を再開する請求項1に記
載の内燃機関の制御方法である。
【0010】請求項5の発明は、アクチュエータの動作
異常時に、燃焼変動の制御を停止する手段を設けた請求
項1に記載の内燃機関の制御方法である。
【0011】請求項6の発明は、ベルトで駆動される被
駆動部材の動作異常時又はベルトスリップ発生時に、内
燃機関を停止する手段を設けた請求項1に記載の内燃機
関の制御方法である。
【0012】請求項7の発明は、複数の気筒を備えた内
燃機関において、前記各気筒ごとに空燃比、点火時期、
スワール比、EGR率及びバルブタイミングのうちの少
なくとも1つを操作することにより前記各気筒の燃焼変
動を個々に制御して排気ガス中のNOX含有量を低減す
ることを特徴とする内燃機関の制御方法である。
【0013】
【発明の実施の形態】燃焼の安定の度合を示す指標とし
て燃焼変動がある。図13に示すように、横軸にクラン
ク角度、縦軸に筒内圧力をとったグラフにおいて、ピス
トンが上昇して筒内圧力が上昇し、ピストンが上死点に
到る直前で点火プラグで点火し筒内の燃料ガスを爆発さ
せる。筒内圧力は膨張行程に入って変化していく。
【0014】各サイクル毎に図13のグラフを描き、描
いたグラフの形状の差異(変動)が小さいほど燃焼変動
が小さく燃焼は安定しており、逆にグラフの形状の差異
が大きいほど燃焼変動が大きく燃焼は不安定である。
【0015】ガス機関のような予混合燃焼の内燃機関の
場合、筒内圧力は各サイクル毎に変動する。空燃比が大
きくなり燃料が薄くなるにつれて、1サイクル毎の図1
3の筒内圧力のグラフのばらつきが大きくなり、最悪の
場合は失火する。従って、空燃比が大きくなると燃焼変
動も大きくなる。失火時は、図13のグラフにおいて爆
発による筒内圧力の上昇(符号A)はなく、圧縮による
筒内圧力のみ(符号B)となる。
【0016】本発明は、本件出願人が特願平10−00
2619号で開示したガスエンジンの燃焼制御方法によ
り燃焼変動を検出して、検出した値により以下の第1〜
第7実施例に示すようにして空燃比を制御し、排気ガス
中のNOX含有量の低減化を図っている。
【0017】(第1実施例)図1は、第1実施例で使用
する内燃機関(ガス機関)のシステム構成図を示してい
る。図1において、コントローラ11内には電源14、
点火装置(イグナイタ)15、警報装置12及び警報解
除装置13が設けてある。
【0018】点火装置15は、電源14で発生した電圧
を点火プラグ20へ送る。警報装置12は、内燃機関1
00から入力されたクランク信号及びカム回転信号から
異常を検知した場合に警報を発する。ユーザが警報に気
付き、警報解除装置13を操作すると警報は停止する。
【0019】内燃機関100において、途中にステップ
モータ式の燃料制御弁1を備えた燃料供給路22が、図
示しない燃料供給源とミキサ4を接続している。また、
途中にEGR率変更装置3、ミキサ4及びスロットル5
をこの順に備えた給気管23が、スワール可変バルブ2
を介して気筒21に接続されている。
【0020】ミキサ4は、燃料供給路22から供給され
る燃料ガスと、給気管23から供給される空気(大気)
を混合し、混合気を生成する。EGR率変更装置3は、
ミキサ4へ送る排気ガス量を調整する。気筒21内で爆
発、膨張した燃焼ガスは、フライホイール6を回転させ
る。気筒21にはバルブタイミング可変装置8が設けて
ある。燃焼ガスは、排気熱交換器7の冷却水により冷却
される。気筒21内の燃焼ガスは、パイプ30を介して
EGR率変更装置3に供給される。
【0021】内燃機関100は、電磁ピックアップ9を
介してクランク回転信号をコントローラ11へ出力し、
また、電磁ピックアップ10を介してカム回転信号をコ
ントローラ11へ出力する。
【0022】図2は、内燃機関100(図1)の燃焼変
動及び排気ガス中のNOX含有量(以下、単にNOX量と
呼ぶ。)と空気過剰率(空燃比)との関係を示したグラ
フである。図2において実線の曲線は、大気温度が高い
場合、又は絶対湿度が低い場合、及びこれら両方の条件
を満たす場合のグラフである。また、破線の曲線は、大
気温度が低い場合、又は絶対湿度が高い場合、及びこれ
ら両方の条件を満たす場合のグラフである(後述する図
3においても同じ)。
【0023】図2から明らかなように、実線及び破線共
に空気過剰率(空燃比)を大きくするとNOX量は少な
くなり、逆に燃焼変動は大きく(不安定)なる。全ての
内燃機関にこの傾向が見られる。
【0024】また、図2からわかるように、給気する大
気温度が低く、又は絶対湿度が高い場合には燃焼変動が
大きくなり、かつNOX量は少なくなる。逆に大気温度
が高く、又は絶対湿度が低い場合には燃焼変動が小さ
く、かつNOX量は多くなる。
【0025】しかし、燃焼変動とNOX量の関係を示す
図3のグラフに示すように、燃焼変動に対するNOX
は、給気条件(温度、湿度)によらず、ほぼ一定である
ことがわかる。よって、燃焼変動を一定にするような空
燃比で内燃機関を運転すると、NOX量を一定に制御す
ることができる。
【0026】図4は、コントローラ11の性能に起因す
る点火時期のばらつきによる燃焼変動及びNOX量と空
気過剰率(空燃比)の関係を示している。図4において
実線は点火時期が早い場合を示し、また、破線は点火時
期が遅い場合を示している。
【0027】点火時期が遅い場合(破線)は点火時期が
早い場合(実線)と比較して燃焼変動は大きく、かつN
X量は少ない。また、点火時期の早い、遅いに関わら
ず、空気過剰率(空燃比)がリッチ(濃密)であれば燃
焼変動は小さく、かつNOX量は多く、逆に空気過剰率
(空燃比)がリーン(希薄)であれば燃焼変動は大き
く、かつNOX量は少ない。
【0028】図5は、点火時期が早い場合と遅い場合の
燃焼変動とNOX量の関係を示すグラフである。図5の
グラフは、燃焼変動は点火時期にほとんど関係なくNO
X量が減少すると大きくなり、逆にNOX量が増加すると
小さくなることを示している。また図5は、一定の燃焼
変動を維持して内燃機関を運転すれば、排出されるNO
X量は一定となることを示している。
【0029】同タイプの内燃機関であっても、製造誤差
により個々のミキサ設定には差が生じている。図6は、
燃焼変動及びNOX量と空気過剰率(空燃比)との関係
を示すグラフにおいて、ミキサ設定のばらつき範囲を破
線の直線で示している。燃焼変動、NOX量及び空燃比
は、それぞれ矢印で示す破線の範囲でばらついている。
しかし、燃焼変動を空燃比で操作すれば、NOX量を調
整することができるので、同タイプの個々の機関におけ
るNOX量を一定にすることができる。
【0030】図7は、圧縮比が高い場合(実線)と低い
場合(破線)の燃焼変動及びNOX量と空気過剰率(空
燃比)の関係を示すグラフである。図7に示すように、
圧縮比が低い場合は圧縮比が高い場合と比較して燃焼変
動は大きく、かつNOX量は少ない。
【0031】また、圧縮比の高低に関わらず、空気過剰
率(空燃比)がリッチ(濃密)になると燃焼変動は小さ
くなり、かつNOX量は増加する。逆に空気過剰率がリ
ーン(希薄)になると、燃焼変動は大きくなり、かつN
X量は減少する。
【0032】図8は、圧縮比が高い場合(実線)と低い
場合(破線)の燃焼変動とNOX量の関係を示すグラフ
である。図8からわかるように、燃焼変動に対するNO
X量は、圧縮比の高低によらずほぼ一定である。したが
って一定の燃焼変動を維持して内燃機関を運転すれば、
NOX量は一定となる。
【0033】(スワール回転数/エンジン回転数)で算
出されるスワール比が大きいと燃焼変動は小さく、かつ
NOX量は多くなり、逆にスワール比が小さいと燃焼変
動は大きく、かつNOX量は少なくなる。また、冷却水
温度が高いと燃焼変動は小さく、かつNOX量は多くな
り、逆に冷却水温度が低いと燃焼変動が大きく、かつN
X量は多くなる。しかし、燃焼変動を一定に維持する
とNOX量は一定となる。
【0034】以上より、給気条件(温度、湿度)の変
動、点火時期の早遅、圧縮比の高低、スワール比の大小
及び冷却水温度の高低によらず、燃焼変動を一定に維持
して内燃機関を運転すると、NOX量を一定にすること
ができるので、排気ガス中のNOX含有量が少なくなる
ように空燃比、点火時期、圧縮比、スワール比及び冷却
水温度を操作して燃焼変動を制御する。
【0035】図10は、内燃機関の所定の運転範囲を示
す縦軸に筒内平均有効圧、横軸に機関回転数をとったグ
ラフである。ガスエンジンヒートポンプ機関のNOX
を評価するときにテストするモード点が12点ある。こ
の12点でNOX量を測定し、負荷要因を掛け、テスト
する機関のNOX量を評価する。燃焼変動制御は、この
点在モード点を囲んだ範囲で行う制御である。
【0036】図9は、空気過剰率(空燃比)、機関回転
数及び筒内の平均有効圧の関係を示す燃料制御弁マップ
を示している。この燃料制御弁マップは、ISOの標準
大気状態の下に、設計値の圧縮比とスワール比を有する
ベース機関で実験した結果に基づいて作成したものであ
る。
【0037】予め、コントローラ11(図1)のシステ
ムに図9の燃料制御弁マップを入力しておく。この燃料
制御弁マップにより、燃焼変動が一定となるように、空
燃比を設定する。
【0038】(第2実施例)燃焼変動を一定に保って内
燃機関を運転すると、NOX量は変化しない。しかし、
空燃比、点火時期、スワール比、EGR率、バルブタイ
ミング及び冷却水温度の5つは、燃焼変動を変化させる
要因であり、これらのうちの1つでも操作すると、燃焼
変動を所定値に変化させることができる。
【0039】図2に示すように、混合気の燃料濃度が濃
く、空燃比が小さい部分では、空燃比の変化量に対する
燃焼変動の変化量が少ない場合がある。この場合、空燃
比を変化させても燃焼変動はあまり変化しない。従っ
て、この場合では空燃比を変化させることによる燃焼変
動の制御は困難である。この場合は、意図的に一旦空燃
比を大きくして(リーンにして)燃焼変動を大きくし、
その後、スワール比等でNOX量を少なくするように燃
焼変動を制御する。
【0040】このように燃焼変動の変化量が小さく燃焼
変動の変化量が検出できない場合は、燃焼変動の変化量
の検出を容易にするために例えば空燃比を操作して一時
的に燃焼変動を大きくし、燃焼変動を確実に検出してか
ら、さらにスワール比やEGR率等を操作してNOX
を低く抑える所定の燃焼変動になるように燃焼変動を制
御する。図2から、燃焼変動のグラフの勾配が大きい部
分では、NOX量は通常運転時よりも少ないことがわか
る。従って燃焼変動の検出中は、通常時よりもNOX
は少ない。この燃焼変動の検出作業は数十秒程度で完了
する。
【0041】(第3実施例)燃焼変動は、機関の回転数
から算出するため、機関回転数及び負荷が変化する過渡
時は燃焼変動の制御が不能である。従って、燃焼変動の
計算時は、実際の機関回転数、負荷に関わらず、これら
を予め設定した所定値であると見なし、この所定値によ
り燃焼変動を算出する。ここで負荷は、コンプレッサや
プロペラ等の被駆動物を使用した場合に発生する。
【0042】内燃機関100によって燃焼変動を検出
(計算)しやすい機関回転数は各々決まっており、過渡
時(機関回転数が変化する時)における燃焼変動の検出
に使用する各内燃機関の最適回転数を、事前にデータを
とってシステムにセットしておき、これを所定値とす
る。
【0043】また、内燃機関100を始動した後、設定
した負荷になるまで燃焼変動制御は待機状態にしてお
き、負荷が、例えば4/4〜2/4負荷に至った段階
で、CPU(図示せず。)が燃焼変動の制御開始命令を
出す。
【0044】(第4実施例)ユーザがエアコンやヒータ
等をON又はOFFにした場合等の外乱により負荷が急
激に増加しても、制御する際の回転数、負荷の値を補正
せずに、一時制御を停止し、所定時間経過後に実際の機
関回転数及び負荷が予め設定した機関回転数及び負荷の
値に近づいた時、予め設定した機関回転数及び負荷の値
を使用して燃焼変動制御を行う。
【0045】(第5実施例)燃料制御弁1の動作命令が
出ているにも関わらず、燃焼変動の値が変化していない
場合は、空燃比は変化しておらず、燃料制御弁1が動作
していないと判定することができる。
【0046】これはステップモータ式の燃料制御弁1
が、何らかの事情で動作しなくなったことに起因してお
り、この場合は燃焼変動の制御は行わず、かつ警報装置
12(図1)により燃料制御弁1の故障を知らせる警報
を発する。
【0047】(第6実施例)被駆動物であるコンプレッ
サ(図示せず)と内燃機関100は、ベルト(図示せ
ず)で連結されている。機関回転数は図示しないCPU
が監視している。燃焼変動の制御中は、機関回転数を予
め設定した所定値に固定している。その場合に機関回転
数の上昇率が所定値以上の場合は、ベルトスリップが生
じていると判断する。ベルトスリップが生じるとシステ
ムの能力を十分に発揮することができないので内燃機関
100を停止し、かつ異常を示す警報を警報装置12
(図1)により発する。
【0048】(第7実施例)多気筒式の内燃機関におい
ては、点火時期、スワール比、空燃比、EGR率及びバ
ルブタイミングは気筒毎に制御可能である。各気筒は、
それぞれこれらのうち少なくとも1つで燃焼変動を制御
することができるが、各気筒を点火時期で燃焼変動制御
するのが好ましい。
【0049】図11(a)は、縦軸に燃焼変動をとり、横
軸にX(X=空気過剰率(空燃比)、点火時期、EGR
率)をとったグラフを示しており、図11(b)は縦軸
に燃焼変動をとり、横軸にY(Y=スワール比、冷却水
温度、圧縮比)をとったグラフを示している。図11
(c)は、縦軸にNOx量をとり、横軸に燃焼変動をと
ったグラフを示している。
【0050】図11(a)及び(b)からわかるよう
に、空気過剰率が上昇し、点火時期が遅くなり、EGR
率が大きくなり、また、スワール比が小さくなり、冷却
水温度が低くなると、燃焼変動は上昇する。燃焼変動が
大きくなると、NOx量は下がる。
【0051】図12は、第1〜第7実施例において燃焼
変動制御を行う際の手順を示す流れ図を示している。こ
の流れ図に従い、適正なNOX量となるように燃焼変動
制御を行い、また、異常時には警報を発する等の処置を
施す。
【0052】燃焼変動制御は、船舶用機関及び自動車用
のガソリン機関に適用することができる。
【0053】
【発明の効果】システムが図9に示す燃料制御弁マップ
を持っていても、種々の変動要因(空燃比や点火時期の
ばらつき等)により排気ガス中のNOX含有量が各機関
によって異なるが、請求項1の発明を適用すると、この
燃料制御弁マップを空燃比、点火時期、スワール比、E
GR率、バルブタイミング及び冷却水温度で補正するこ
とにより、排気ガス中のNOX含有量を低く抑えるよう
に燃焼変動を一定値に制御することができる。
【0054】従来の工場出荷時の排気ガス中のNOX
有量の調整だけでは、とても適正な調整はできなかった
が、請求項1の発明を適用すると、燃費と排出されるN
X量の両者を常に最適の状態に保ち、内燃機関を操業
することができる。
【0055】請求項2の発明を適用すると、燃焼変動の
変化量が小さい場合でも、一旦燃焼変動の変化量を大き
くして燃焼変動の検出を容易にした後に燃焼変動を適正
な変化量となるように空燃比等を制御するので、確実に
排気ガス中のNOX含有量を適正に調整することができ
る。
【0056】請求項3の発明を適用すると、機関回転数
と負荷のうちの少なくとも1つが変動しても、予め設定
した機関回転数及び負荷の値を使用して燃焼変動を検出
することができる。
【0057】請求項4の発明を適用すると、予め設定し
た機関回転数及び負荷に、実際の機関回転数及び負荷が
近づいてから燃焼変動を検出するので、小さい誤差で排
気ガス中のNOX含有量を調整することができる。
【0058】請求項5の発明を適用すると、燃料制御弁
等のアクチュエータに異常が発生した際に燃焼変動の検
出を停止し、誤差の大きい燃焼変動値を検出することを
防止し、かつアクチュエータが故障している旨の警報を
発するので、保守を迅速に行うことができる。
【0059】請求項6の発明を適用すると、ベルトで駆
動される被駆動物(燃料制御弁等)の動作異常時又はベ
ルトスリップ発生時に、内燃機関の運転を停止するよう
にしたので、事故(内燃機関と燃料制御弁を連結するベ
ルトが焼き切れる等)の発生を事前に防止することがで
きる。
【0060】請求項7の発明を適用すると、各気筒ごと
に最適な燃焼変動制御を行い、排気ガス中のNOX含有
量を適正に調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 内燃機関のシステム構成図である。
【図2】 内燃機関の燃焼変動及びNOX量と空燃比と
の関係を示したグラフである。
【図3】 内燃機関の燃焼変動とNOX量の関係を示す
グラフである。
【図4】 コントローラの性能に起因する点火時期のば
らつきによる燃焼変動及びNOX量と空燃比の関係を示
すグラフである。
【図5】 点火時期が早い場合と遅い場合の燃焼変動と
NOX量の関係を示すグラフである。
【図6】 ミキサ設定のばらつき範囲を示した燃焼変動
及びNOX量と空燃比の関係を示すグラフである。
【図7】 圧縮比が高い場合と低い場合の燃焼変動及び
NOX量と空燃比の関係を示すグラフである。
【図8】 圧縮比が高い場合と低い場合の燃焼変動とN
X量の関係を示すグラフである。
【図9】 空燃比、機関回転数及び筒内の平均有効圧の
関係を示す燃料制御弁マップを示すグラフである。
【図10】 内燃機関の所定の運転範囲を示す縦軸に筒
内平均有効圧、横軸に機関回転数をとったグラフであ
る。
【図11】 (a)、(b)は燃焼変動と燃焼変動の各
変動要因との関係を示すグラフであり、(c)はNOX
量と燃焼変動の関係を示すグラフである。
【図12】 本発明の燃焼変動制御を行う際の手順を示
す流れ図である。
【図13】 気筒内の圧力とクランク角度の関係を示す
グラフである。
【符号の説明】
1 燃料制御弁(アクチュエータ) 2 スワール可変バルブ 3 EGR率変更装置 8 バルブタイミング可変装置 21 気筒 100 内燃機関
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI F02D 41/04 305 F02D 41/04 305B 45/00 312 45/00 312T

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 空燃比、点火時期、スワール比、EGR
    率、バルブタイミング、及び冷却水温度のうちの少なく
    とも1つを操作することにより燃焼変動を制御して排気
    ガス中のNOX含有量を低減することを特徴とする内燃
    機関の制御方法。
  2. 【請求項2】 空燃比、点火時期、スワール比、EGR
    率、バルブタイミング、及び冷却水温度のうちの少なく
    とも1つを操作することにより燃焼変動を一時的に大き
    くし、その後、空燃比、点火時期、スワール比、EGR
    率、バルブタイミング、及び冷却水温度のうちの少なく
    とも1つを操作することにより燃焼変動を制御して排気
    ガス中のNOX含有量を低減することを特徴とする内燃
    機関の制御方法。
  3. 【請求項3】 機関回転数と負荷のうち少なくとも1つ
    が変化する過渡時において、予め設定した機関回転数の
    値で燃焼変動を算出する請求項1に記載の内燃機関の制
    御方法。
  4. 【請求項4】 機関回転数と負荷の少なくとも1つが外
    乱により変動し、予め設定しかつ固定した機関回転数の
    値及び負荷から逸脱した際に、燃焼変動の算出を一時停
    止し、所定時間経過後に変動した機関回転数及び負荷が
    予め設定した機関回転数及び負荷の値に近づいてから燃
    焼変動の算出を再開する請求項1に記載の内燃機関の制
    御方法。
  5. 【請求項5】 アクチュエータの動作異常時に、燃焼変
    動の制御を停止する手段を設けた請求項1に記載の内燃
    機関の制御方法。
  6. 【請求項6】 ベルトで駆動される被駆動部材の動作異
    常時又はベルトスリップ発生時に、内燃機関を停止する
    手段を設けた請求項1に記載の内燃機関の制御方法。
  7. 【請求項7】 複数の気筒を備えた内燃機関において、
    前記各気筒ごとに空燃比、点火時期、スワール比、EG
    R率及びバルブタイミングのうちの少なくとも1つを操
    作することにより前記各気筒の燃焼変動を個々に制御し
    て排気ガス中のNOX含有量を低減することを特徴とす
    る内燃機関の制御方法。
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