JPH11350608A - コンクリ―ト埋設物、コンクリ―ト製品およびその製造方法 - Google Patents

コンクリ―ト埋設物、コンクリ―ト製品およびその製造方法

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JPH11350608A
JPH11350608A JP12102999A JP12102999A JPH11350608A JP H11350608 A JPH11350608 A JP H11350608A JP 12102999 A JP12102999 A JP 12102999A JP 12102999 A JP12102999 A JP 12102999A JP H11350608 A JPH11350608 A JP H11350608A
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insert
mold
concrete
projection
formwork
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JP12102999A
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English (en)
Inventor
Etsuji Oike
悦二 大池
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OOIKE KK
Ooike Inc
Original Assignee
OOIKE KK
Ooike Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 厚みの異なるコンクリート製品に対しても、
これを貫通する孔を簡単に成形でき、このために用意し
ておく部品点数も少なくて済むコンクリート埋設物を提
供する。 【構成】 筒状の本体121と、この本体121の内面
122と接触しながら伸び縮みできる筒状のスライド部
123とを備えており、スライド部123の先端124
はフランジ状に広がって他の型枠45に当てることがで
きる。本体121の内部には、スライド部123が取付
側の面127の側に突出しないようにストッパー125
を設けてある。さらに、スリーブ内部へのコンクリート
の漏れ込みを防止するためと、後述する突起70の基礎
とするために取り付ける側にフランジ部126を設けて
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、コンクリートに埋設さ
れるコンクリート埋設物、そのコンクリート埋設物を有
するコンクリート製品およびその製造方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】近年、耐久性の型枠を用いて製造される
コンクリート2次製品では、多くの場所に雌ねじが内部
に形成された中空のインサートや、コンクリート製品を
貫通するスリーブなどを予め埋設される。特に、電線を
地中に埋設する際に用いられるハンドホールや、ガス、
水道などを併設できる共同溝においては、ケーブルラッ
クやパイプラックの設置を容易となるように、多量のイ
ンサートが工場などにおけるプレハブの段階で埋設され
る。
【0003】図38に、インサートを型枠の所定の位置
に装着するために従来から採用されている方法を例示し
てある。本図に示すように、従来の方法では、外型枠1
や内型枠3の反対側からインサートを型枠の所定の位置
に装着するための設定用のボルト5あるいは8を通し、
インサート6の内部に形成されている雌ねじを用いてイ
ンサート6を型枠1および3に設定している。
【0004】この方法では、型枠1および3のインサー
ト6の開口部が位置する場所、あるいは、その反対側
に、設定用のボルト5あるいは8を通せるようなインサ
ートの内径より大きな穴を開けておく。そして、インサ
ート6を設定する際は、型枠1あるいは3の裏面から設
定用のボルト5あるいは8を通し、型枠の表面にインサ
ート6を設定する。このため、型枠のサイズがごく小さ
なものを除き、インサート6を設定するために複数の作
業員が必要となる。また、1つ1つネジ止めするため作
業効率は低い。さらに、外型枠1と内型枠3との間にコ
ンクリートを注入し、コンクリート製品2が成形された
後に、型枠の裏面側から設定用のボルト5あるいは8を
取り外さないと脱型作業ができない。
【0005】特に、図38の状態で成形されたコンクリ
ート製品2の内型枠3から設定用のボルト5を取り外す
場合は、内型枠3の内部には作業員の手が入らないの
で、脱型時にコンクリート製品2を吊り上げたり、反転
させて作業員が内型枠3の内部に入る必要がある。コン
クリート2次製品を型枠と一緒にクレーンで反転させた
り、あるいはジャッキアップするためには、重量が2〜
3トン以上あるこれらのコンクリート2次製品を操作す
るためにジャック等の大型の設備投資が必要となる。ま
た、このような重量物をクレーンで持ち上げて内部に作
業員が入ったり、重量物を反転する作業は危険度の大き
な工程なので、監視等に人手もいり、機器の操作にも注
意が必要となって作業員の負荷の大きくなる。
【0006】これに対し、設定用ボルト8のように外型
枠1の側から内型枠3にインサートを固定するボルトを
用いる方法もある。これによって、内型枠3の中からボ
ルトを取り外す工程は避けられる。しかし、このボルト
8を用いてインサートを所定の位置に設定するには熟練
が必要となり、埋設位置の精度は悪い。また、ボルト8
を取り除いた後、モルタル詰めする必要があり、この
際、コンクリート製品に水の浸透する経路が発生し易
い。さらに、脱型を容易に行えるように若干テーパー状
となった内型枠を採用している場合は、インサートを設
置する位置に応じて複数種類の設定用ボルト8を用意す
る必要がある。
【0007】プラスチックや紙、鉄板などで成形した型
を用いてコンクリート製品を貫通するような孔を設ける
場合がある。コンクリート製品の厚みに対応した長さの
成形型枠を予め型枠に設定しておき、脱型後にこの成形
型枠を引き抜く方法が一般的であり、そのためには、引
き抜けるようにテーパー状の型を採用する。この型を引
き抜くタイミングの管理や、実際に引き抜く作業は慎重
に行われるので時間がかかる。これらの型も通常は上記
のスリーブと同様の方法によりボルトを用いて型枠に設
定されることが多い。
【0008】コンクリート製品を量産するための耐久性
の型枠にボルト用の孔を開けることは、型枠の寸法精度
を確保する点では好ましくない。型枠の寸法精度が確保
できなれければ、成形後のコンクリート製品の精度を保
持できず、また、脱型をスムーズに行えない。特に、内
型枠3のようにコンクリート製品の内面を滑らせるよう
にして脱型する型枠は高い精度で製作してあり、使用中
も歪みや凹凸の発生を防止することが重要である。ボル
トを通すために大きな孔を開けると、その作業の際に歪
みや凹凸が発生し易い。さらに、インサートの取付位置
を変更するときに型枠に開けた孔が大きいと、孔を塞ぐ
ために溶接などによって補修するが、この作業によって
も歪みや凹凸が発生する。従って、型枠を新設しないか
ぎり、インサートの埋設位置の変更には限度がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】共同溝や、ハンドホー
ルなどのコンクリート製のボックスでは、現場での作業
を少なくして省力化を図るために、ボックスの内側に大
量の埋設物を予め埋め込むようになっている。そこで、
これらの埋設物を客先の要望に沿った場所に簡単に設定
でき、さらに、脱型にも手間のかからないコンクリート
埋設物、コンクリート製品の製造方法、耐久性の型枠を
提供することが検討されている。
【0010】その1つは、設定用のボルトを用いずに作
業員1人でも簡単に型枠に設定でき、効率良くコンクリ
ート製品を製造できるコンクリート埋設物を提供するこ
とである。さらに、脱型作業もインサート等が埋設され
ていない製品と同様に行えるコンクリート埋設物を実現
することによって、効率良くコンクリート製品を製造可
能とすることである。すなわち、内型枠のように型枠を
滑らせるようにして脱型する場合や、型枠を旋回して取
り外すような場合でもコンクリート埋設物を何処にでも
簡単に設定でき、さらに、脱型も簡単なコンクリート埋
設物を提供することである。
【0011】これに対し、本体の一方の端に該本体と反
対向きに突き出た少なくとも1つの突起を有し、この突
起を前記型枠に予め開けられた設定孔に挿入することに
より前記型枠に設定することが提案されている。
【0012】すなわち、インサート、インサート保持具
あるいはスリーブ等の耐久性の型枠に設定され、その型
枠によって成形されたコンクリート製品と共に型枠から
脱型される本体を有するコンクリート埋設物であって、
本体から型枠の方向に突き出た少なくとも1つの突起を
有し、この突起を型枠に予め開けられた設定孔に挿入、
例えば、押し込み、嵌め込み、あるいはたたき込みなど
により本体が型枠に設定され、コンクリート製品を脱型
する際の力により突起の少なくとも1部が破壊または分
断可能であることを特徴するものが提案されている。
【0013】また、耐久性の型枠を用いてコンクリート
製品を製造する製造方法においては、このコンクリート
製品と共に型枠から脱型される本体を有するコンクリー
ト埋設物を、本体から型枠の方向に突き出た少なくとも
1つの突起を型枠に予め開けられた設定孔に挿入するこ
とにより設定し、コンクリート製品を脱型する際の力に
より突起の少なくとも1部が破壊または分断され、本体
がコンクリート製品と共に前記型枠から脱型されること
を特徴とするものが提案されている。そして、この製造
方法により、耐久性の型枠により製造されたコンクリー
ト製品であって、本発明のコンクリート埋設物の本体を
有するコンクリート製品を製造できる。
【0014】突起を用いてコンクリート埋設物を型枠に
取付できるようにしておけば、耐久性の型枠への装着は
簡単にでき、また、耐久性の型枠を傷つけることなく、
型枠の所定の位置に何度でも繰り返し新しいコンクリー
ト埋設物を装着できる。突起を用いることにより、コン
クリート埋設物を設定する際に型枠の裏面側から設定用
のボルトを通す必要はなく、型枠の表面からのみコンク
リート埋設物を挿入する作業をすれば良いので、作業員
1人でも簡単に設定作業を行える。このとき、1つ1つ
のコンクリート埋設物をネジ止めしなくて良いので、設
定作業は短時間ですみ、効率が良い。さらに、これらの
突起を脱型時に働く力によって切断、あるいは分断可能
とすることにより、脱型時に型枠を外す際に、事前にボ
ルトを抜くなどの作業は不要となり、コンクリート製品
を効率良く製造できる。
【0015】また、型枠に開けられるコンクリート埋設
物を設定するための孔の径を小さくし、型枠に発生する
歪みを防止し、埋設物の設定位置の変更も簡単にできる
ようにすることも可能である。そのためには、コンクリ
ート埋設物がインサート、インサート保持具あるいはス
リーブ等の少なくとも一方の端に開口を備えた略筒形の
本体を有し、この一方の端を型枠に面して設定されるも
ののときは、突起の中心を開口の外側に設けることがで
きる。このように開口の外側に突起の中心を配置するこ
とによって、開口の内径より径の小さな突起を採用で
き、これによって、型枠に用意する設定孔の径も小さく
できる。すなわち、開口の面する型枠の予定された領域
の外側に径の小さな設定孔を設けるだけで良い。設定孔
の径が小さければ、型枠に影響を与えずに設定孔を開け
られ、また、コンクリート埋設物の設定位置を変更した
場合でも設定孔を塞がなくて良い。コンクリートののろ
によって孔を自然に塞げるには、設定孔の外径は2〜8
mm程度が望ましく、3〜8mm程度がさらに望まし
い。設定孔の外径が10mm程度であっても、テープな
どによって簡易に塞げるので型枠への影響はない。
【0016】このような細い突起は、開口のある本体の
一方の端に、外周方向に広がったフランジ面を設けて、
そこから突き出させることができる。このフランジ面を
設けることによって、本体の壁厚が薄くとも型枠の接触
する面が増えるので、本体を安定して型枠に設定でき、
コンクリートののろの侵入も防止できる。コンクリート
ののろの侵入を防止するためには、フランジ部と型枠と
の間に薄い弾性体を挟み込むことも有効である。
【0017】突起の本数は一本に限らず、複数の突起を
設けることが可能であり、複数の突起を設けることによ
って、コンクリート埋設物の安定性が増し、それぞれの
突起にかかる負荷を低減できるのでさらに細い突起を採
用できる。
【0018】このような突起を有するコンクリート埋設
物は、ポリプロピレンなどの通常のプラスチックや塩
ビ、あるいは強化ポリエチレン等のいわゆるエンジニア
リングプラスチックなどプラスチック材料を含む樹脂を
用いて安価に成形できる。樹脂によって成形された突起
や、径の細い突起は、脱型時に分断し易いので好まし
い。
【0019】また、接続部分の断面積を突起の他の部分
の断面積と比べて小さくすることによって適当な力が加
わったときに突起を確実に切断させられる。例えば、接
続部分の近傍を突起の先端に向かって太くして接続部分
を先端より細くしたり、あるいは、接続部分に凹みを設
けたり、接続部分に切れ目を設けることができる。
【0020】脱型時に突起が切断されると、コンクリー
ト製品の表面には、突起の切断された跡が残るだけであ
り、この跡は、モルタル、塗料あるいはやすりなどによ
って仕上げられる。突起がそのまま型枠から抜けたり、
あるいは後述するように先端だけ分離されることもある
が、このような突起はカッター等によって切断できる。
【0021】型枠の所定の位置に本体を装着するための
突起としては、設定孔と嵌合する柱部分を備えているこ
と有効である。柱部分と設定孔との関係は、いわゆる止
まりばめ、あるいはしまりばめの状態であることが望ま
しい。また、設定孔への影響を考慮すると、柱部分とし
ては、型枠の素材より軟質の素材を用いることが望まし
い。耐久性の型枠として鉄板などの金属が採用されてい
ることが多いので、柱部分をプラスチックなどの樹脂に
よって成形することが好ましい。
【0022】また、突起が、設定孔に合わせて断面が略
弾性的に変形する柱部分を備えているものも有効であ
る。例えば、柱部分の半径方向に延びた複数のリブを具
備しているものや、三日月型、半月型、星型、多角形な
ど、設定孔の内周面に少なくとも2点で接触する形状を
採用できる。このような形状であれば、設定孔に挿入す
ると、断面が設定孔に合わせて変形し設定孔の内面を圧
迫するので、柱部分の弾性力や、設定孔との摩擦力によ
って強い付着力を得られる。また、柱部分は、設定孔か
ら取り出した時に完全に弾性的に形状が復帰する必要は
なく、塑性変形を伴う場合も含まれ、設定孔の形状に影
響を与えることなくコンクリート埋設物を型枠に設定す
る付着力を得られるものであれば良い。周期的に凹凸を
繰り返す断面形状や、長手方向に周期的に凹凸を繰り返
すような形状を備えた柱部分であっても良い。
【0023】突起が金属製であっても断面の形状によっ
て弾性的に変形する柱部分を実現できが、柱部分を樹脂
製であれば、素材自身によってある程度の弾性力を得ら
れるのでさらに好ましい。また、樹脂製の突起を採用す
ると、上記のような形状を安価に実現でき、分断された
跡によって型枠が損傷することもない。突起は中空であ
っても良く、この場合、脱型時に働く力によって突起に
歪みが生じ、接続部分が切断されにくくなることが考え
られるので、径は小さいほうが望ましい。
【0024】弾性的に変形する部分を備えた突起は、こ
の突起の断面と形状の異なる設定孔を耐久性の型枠に開
けておき、その設定孔に突起を挿入することによって高
い付着力を得られる。また、略弾性的な変形が可能な柱
部分を備えた突起が、型枠を貫通する長さを備えている
ことも有効である。突起をその先端が型枠を貫通するま
で押し込めば、型枠を貫通した部分が原型に復帰しよう
とするので、強い付着力を得られる。
【0025】また、型枠を貫通した後に広がる部分を備
えた突起も有効である。この部分が型枠の裏面に達する
まで押し込めば、貫通した部分が設定孔の裏面側を圧迫
し、また、貫通した部分が貫通後に型枠の裏面を押圧す
ることによって本体を型枠側に引っ張り、高い付着力を
得られる。このような部分としては、略矢尻型をしたも
のや、設定孔の裏面側を押し広げるように先端に向かっ
て太くなった部分を備えているものなどがある。また、
脱型時に、この貫通した部分が型枠と共に動いて突起を
切断したり、あるいは貫通した部分が脱型する際の力に
よって破壊されて残りの突起が本体と共に型枠から引き
抜かれるような場合も本発明に含まれる。
【0026】本体から分離して設定孔に残った突起は、
針金等で押せば設定孔から外れるので、手間はかからな
い。貫通した部分の広がるような突起では、切断されて
設定孔に残った突起自身が型枠の裏面側に進むので簡単
に取り外せる。また、リブなどの設定孔に挿入した時に
設定孔との間に隙間が生ずる形状の突起では、この隙間
を用いて切断型枠の設置孔に残った突起に回転を与えな
がら取り除ける。
【0027】複数の突起を備えている場合は、これらの
突起によって設定孔を介して型枠の一部を挟み込んで付
着力を得ても良い。例えば、設定孔の側面を相互に圧迫
できるような間隔に突起を配置したり、設定孔を貫通し
た部分を型枠の裏面に沿って延ばし、この部分と本体と
の間に型枠を挟み込むような状態にしても良い。
【0028】さらに、本発明に係る突起は、型枠に予め
開けてある設定孔に挿入できれば良いので、先端が針の
ように尖塔状に鋭角である必要はなく、滑らかに狭まっ
た先端であれば良い。このような先端を得るためには、
略半円状あるいは略半球状に加工することが望ましい。
突起が柱状のものであれば、先端の角を落とし、滑らか
な形状とすることが望ましい。先端を略半円状、略半球
状などの滑らかな形状とすることによって、作業中に作
業員自身や、作業用の衣類などへの損傷を防止でき、型
枠の損傷も防止できる。また先端が徐々に細くなる形状
にしておけば、設定孔に突起を導きやすくなる。
【0029】このようなコンクリート埋設物には、コン
クリート製品に埋設されたまま使用されるインサートな
どの埋設治具、インサートなどの埋設治具を型枠に設定
するために用いられるインサート保持具が含まれる。イ
ンサート保持具は、通常用いられている円柱状のインサ
ートを嵌め込めるように略円形の内面を持ったインサー
ト保持部の他に、市販の高ナットを用いて付着強度の高
いインサートを埋設できるように内面が略六角形をした
ものも含まれる。インサート保持部は、取付側と略円筒
状の導入口によって接続されており、この導入口に薄膜
状の閉塞部を設けておけば、コンクリートを注入する際
のコンクリートののろの侵入や、コンクリート製品を保
管したり輸送する際のゴミ、雨水の侵入を防止できる。
【0030】さらに、厚みの異なるコンクリート製品に
対しても、これを貫通する孔を簡単に成形できれば、こ
のために用意しておく部品点数も少なくて済む。そこ
で、本発明においては、そのようなコンクリート埋設
物、コンクリート製品およびその製造方法を提供するこ
とを目的としている。
【0031】
【課題を解決するための手段】このため、本発明に係る
コンクリート埋設物は、筒状の本体と、この本体に対し
スライド可能な筒状のスライド部とを有し、本体の一方
の端を型枠に当て、スライド部の他方の端を他の型枠に
当ててコンクリート製品に埋設可能であることを特徴と
している。取付側と繋がってコンクリート製品を貫通す
る略筒状で、本体に対しスライド可能なスライド部を設
けておけば、厚みの異なるコンクリート製品に対して
も、これを貫通する孔を簡単に成形でき、このために用
意しておく部品点数も少なくて済む。
【0032】本体の一方の端および前記スライド部の他
方の端がフランジ状にすることによりコンクリートの漏
れこみを防止できる。
【0033】
【実施例】以下に図面を参照して、本発明の参考例およ
び実施例を説明する。
【0034】〔参考例1〕インサート保持具の概要 図1は、本発明に係るコンクリート製品に埋設するイン
サート保持具の例を示してある。図2にこのインサート
保持具の下面、および上面を示し、さらに、図3にイン
サート保持具の断面を示してある。本例のインサート保
持具10は、双方の端が開口となった筒形の本体11
と、この本体11の一方の端15に本体から外周側に広
がったフランジ部16とを有し、フランジ部16の中心
に開口14が位置している。本体11は、他方の端13
の開口からインサート6を嵌め込んで保持できるように
なっており、フランジ部16の形成された端15を型枠
に面して装着すると、インサート6を保持したままコン
クリート製品に埋設されるようになっている。本体11
の内部は、インサート6に合わせた中空であり、インサ
ート6の端部が端15に達しないように、本体11の内
部は開口14の内径が端13に比べて若干狭くなってい
る。本例のインサート保持具10はポリプロピレン、強
化ポリエチレン等のプラスチック、あるいは塩ビなどの
合成樹脂で形成されており、挿入された金属製のインサ
ートがコンクリート製品の表面に露出しない構造であ
る。このため、インサート保持具10は、インサートを
保持すると同時に、インサートの端が錆びないように、
あるいは錆た場合であってもコンクリート製品の表面に
露出しないような機能も備えている。また、合成樹脂に
よりインサート保持具を成形すると、後述する突起も含
めてインサート保持具を一体成形できるというメリット
もある。
【0035】フランジ部16は、型枠に対しインサート
6を垂直に設定する機能と、型枠の表面と接触すること
によりコンクリートののろがインサート6内部に侵入す
るのを防止する機能を備えている。従って、弾性のある
上記のような合成樹脂を用いて成形することが望まし
い。また、本例のインサート保持具10においては、フ
ランジ部16から3本の突起20が突き出ており、これ
らの突起20によって本体11が型枠の所定の位置に設
定される。なお、突起を型枠に挿入する際にかかる力
や、コンクリートが注入される際にかかる力を考慮して
フランジ部16と本体11とをリブなどにより補強して
も良い。また、フランジ部16は本例のように円盤状に
限らず、四角形などの他の形状であっても良い。
【0036】このフランジ部16の型枠に面した表面1
7からは、本体と反対側に3本の突起20が略垂直に突
き出ている。また、この表面17に粘着層30をその外
周に沿って形成してある。この粘着層30の表面は、保
護膜35を貼り付けて保護してあり、インサート保持具
10を型枠に設定する際に保護膜35を剥離し易いよう
にフランジ部16から外に広がった外片36を設けてあ
る。作業員は、インサート保持具10を型枠に取り付け
る前に、この外片36を持って保護膜35を取り外す。
離型剤などから保護するために手袋を着用していても、
容易に保護膜35を取り外せる。
【0037】フランジ部16から突き出たこれら3本の
突起20は、フランジ部16の周囲に沿って均等な間隔
で配置してある。すなわち、突起20は、その中心が開
口14の外側に位置し、開口14の中心からはずれた位
置にある。従って、開口14と突起20とが干渉するこ
とはなく、開口14を介してインサート6を使用する際
に突起20が邪魔になることはない。また、開口14よ
り小径の突起でも取り付けできる。このため、突起20
の形状は自由に選択でき、本例では、開口14より細く
伸びた略柱状の突起を採用してある。また、これらの突
起20はフランジ部16から突き出ているので、その形
状は本体11の壁厚に左右されない。このように、開口
14から中心を外して、フランジ部16から突起20を
突出させることによって、本体11を型枠に装着するの
に適した形状、大きさの突起20を選択できる。
【0038】図4に突起20の1つを拡大して示してあ
る。本例の突起20は、先端23が半球状となった柱状
の部分21と、この柱状の部分21に沿って表面17か
ら延びた4本の凸部22とから形成してある。柱状の部
分21は、上述したように開口14の周囲から突き出て
おり、4本の凸部22は、この棒状の部分21の周囲に
均等に配置してある。それぞれの凸部の高さは先端23
近傍で低くなり、滑らかに棒状の部分21の先端23へ
と繋がっている。本例では、このような形状をした突起
20をフランジ部16を含めた本体11と一体成形して
あるが、突起20を削り出したり、あるいは成形した後
にフランジ部16に接着剤などを用いて取り付けても良
い。
【0039】インサート保持具の設定 図5に、本例のインサート保持具10を用いてインサー
ト6を型枠40に取り付ける様子を示してある。また、
図6にインサート6を型枠に設定した状態を部分的に断
面を用いて示してある。本例の型枠40は、コンクリー
ト製品を量産可能な耐久性の型枠であって、所定の厚さ
の鉄板を用いて形成してある。本例の型枠40には、イ
ンサート6の開口、すなわち、インサート保持具10の
開口14が面する予定の領域42の周囲に、インサート
保持具10に設けられた突起20と同じ間隔で略同じ小
口径の設定孔41を予め開けてある。すなわち、本例の
耐久性の型枠40は、領域42の外側に中心を有する複
数の設定孔41を備えており、インサートの開口の位置
する領域42には孔を用意していない。そして、インサ
ート6をインサート保持具10に嵌め込んだのち、型枠
40の設定孔41にインサート保持具10の突起20を
嵌め込めばインサート6を型枠に設定できる。あるい
は、インサート保持具10を型枠に設定、すなわち、型
枠の所定の位置に装着したのち、インサート6をインサ
ート保持具10に嵌め込んでも良い。
【0040】型枠40にインサート保持具10を装着す
る際は、先ず、接着層30を保護している保護膜35を
外片36を用いて取り外す。外片36を用いれば、現場
で手袋をしたままインサート保持具10を型枠40に取
付けできる。次に、接着層30が型枠40の表面40a
に密着するまで、突起20を設定孔41に挿入すれば突
起20は設定孔41に嵌め込まれ、インサート保持具1
0は型枠40に設定できる。
【0041】突起20の先端23は、突起20を穴41
にスムーズに導くため半球状に細くなっている。本例の
耐久性の型枠40は、インサート保持具を取り付けるた
めに予め孔41を開けてあるので、先端23が鋭角に尖
っている必要はない。そこで、型枠40の損傷を防止
し、作業員の着用している手袋などを傷つけるないよう
にするため、半球状、あるいは半円状のものを採用して
いる。突起の先端23を半球状に細くしておけば、型枠
40に用意された設定孔41の位置が突起20の間隔と
完全に一致しない場合であっても、突起20が先端23
に導かれて変形するので、設定孔41へスムーズに挿入
できる。突起20の間隔と、孔41の間隔に多少の誤差
あるいは偏差があっても、突起20は孔41の側面に圧
迫されながら挿入されるだけであり、インサート保持具
を型枠に設定する際に特に支障はなく、孔41に圧迫さ
れることにより付着力が増大する場合もある。
【0042】本例の突起20は合成樹脂によって成形さ
れており、その断面21は凸部22も含めて設定孔41
の内径より若干大きくしてある。従って、突起21が設
定孔41に挿入されると、断面21は孔41に沿って変
形する。この変形がスムーズに行われるように、本例の
突起20は、先端23からフランジ面17に向かって若
干太くなっており、孔41に挿入した際に抵抗が徐々に
増加するため、インサート保持具を型枠40に挿入しや
すい。さらに、本例の突起20は型枠40を貫通する長
さなので、設定孔41を貫通した先端23は型枠40の
裏面側40bで若干膨らみ、型枠40との付着力が大き
くなる。
【0043】図7に突起20が型枠40の設定孔41に
挿入された様子を拡大して示してある。突起20を型枠
40に設定孔41に挿入すると、凸部22が柱状の部分
21に向かって凹み、その断面が潰れたようになる。柱
状の部分21も合成樹脂によって成形してあるので、断
面は若干変形する。このように突起20が変形すると、
その応力によって凸部22は穴41の内面に強く押しつ
けられるので、インサート保持具10は型枠40に強固
に装着される。型枠40の反対側に露出した突起20の
先端側の断面は、図7に示すように元の断面形状に徐々
に復帰しようとするので、その断面は孔41より広が
る。従って、この部分によって突起20を引き抜く方向
に力にも強固に対抗できる。軟質の樹脂を用いて突起を
形成すれば、このような変形は略弾性的に起こるし、硬
質の樹脂を用いて突起を形成した場合は、弾性変形と塑
性変形が共に発生する。硬質の樹脂を用いた場合は、突
起が設定孔に嵌め合う状態になるので、突起の外径は設
定孔に対し、いわゆる止まり嵌め、あるいは締まり嵌め
することが望ましい。いずれの場合であっても、突起2
0の側が変形することによって大きな付着力をえること
ができ、設定孔41の形状に損傷を与えないので、型枠
40の同じ位置に繰り返しインサートあるいはインサー
ト保持具を設定できる。
【0044】突起20は厚みが3.2〜4.5mmの通
常使用される鉄板の型枠を貫通するには、その長さは6
〜10mm程度が望ましい。インサート6が小型で必要
な付着力が小さくて良い場合は、型枠と略同じ厚みでも
良い。また、インサート6が大きく、コンクリートの注
入時などに大きな負荷が加わり易い場合は突起20の径
を太くしたり、本数を増やすことが可能である。あるい
は、設定孔41に鞘管を追加することによって突起20
との付着面積を増やし、付着力を増しても良い。この場
合は、突起20は鞘管の長さを見込んだ長さとする必要
がある。このように、インサート保持具10は、突起2
0を設定孔41に挿入した際の付着力によって型枠に設
定しているので、型枠40の表面に油脂、離型剤などが
塗布されていてもインサートを安定して取り付けられ
る。
【0045】上述したように本例のインサート保持具1
0はインサート6を型枠40に取り付けるためにボルト
は不要であり、また、型枠の表面からの作業でよいの
で、作業員1人でも簡単に短時間で設定作業を終えられ
る。型枠には、ボス等の取付治具は不要であり、小口径
の設定孔41を用意しておけば良い。これらの設定孔4
1はできるかぎり小さい方が望ましい。設定孔41の径
がコンクリートののろで自然に詰まる大きさ、例えば直
径8mm程度以下が望ましい。また、突起20の製作お
よびその強度などを考慮すると、突起20の外径は2m
m程度以上、望ましくは3mm程度以上なので、設定孔
41の内径も、2mm程度以上が良く、3mm程度以上
が望ましい。なお、直径10mm程度であっても溶接を
用いずにテープなどによって簡易に塞げるので、この程
度までであれば、インサートの位置が変わっても型枠に
影響を与えずに済む。
【0046】このような小径の設定孔であれば、コンク
リートののろによって自然に孔が埋まるので、インサー
トの埋設位置が変更になった場合でも使用しない設定孔
を溶接によって塞がなくて良い。これに対し、従来のよ
うにボルトを用いてインサートを設定する場合は、イン
サートの内径と同じ程度の設定孔が必要なので、この孔
を塞ぐためには溶接作業が必要となり、孔を変更すると
型枠に歪みが発生する原因となる。寸法の狂った型枠で
は、脱型に問題が生じ、特に内型枠のようにコンクリー
ト製品の表面を滑らせるようにして脱型するタイプの型
枠は寸法精度が低下すると型枠が使用できない。従っ
て、インサートの埋設位置の変更には制限があり、客先
の要望に答えられない場合もある。しかしながら、本例
のインサート保持具を採用すれば、型枠への影響なくイ
ンサートの設定位置を変更できるので、客先の要求に応
じた種々の場所に無理なくインサートを埋設できる。
【0047】なお、突起20が孔41に嵌まり込んでイ
ンサート保持具を型枠に取り付けられれば良いので、突
起20を金属で形成しても勿論良い。しかし、上述した
ように、フランジ部16と一体成型可能で安価であるこ
と、また、素材自体にある程度の弾性を期待でき、さら
にインサート6の錆を防止できるなどの利点があるの
で、プラスチックなどの樹脂を用いて突起20を形成す
ることが望ましい。
【0048】図8に、インサート保持具10を装着した
型枠40にコンクリート2を打設した様子を示してあ
る。本例の突起20は凸部を設けてあり、突起20が設
定孔41を完全に塞いでいない。従って、コンクリート
製品を製造するためにコンクリートを型枠へ注入する
と、設定孔41へコンクリートののろが流れ込むことが
ある。コンクリートののろが設定孔41に侵入すると、
後述するように分断された突起20が設定孔41の内部
に固定されてしまい、取り外しが難しくなる。そこで、
本例のインサート保持具10はフランジ部16を設け、
このフランジ部16を型枠の表面40aへ密着させるこ
とによって、コンクリートののろの侵入を防止できるよ
うになっている。さらに、本例では、フランジ部16に
粘着層30を設けてあり、これによって型枠の表面40
aに微小な凹凸のある場合や、インサート保持具10の
設定に若干の傾きがある場合でもフランジ部16と型枠
の表面40aとの間に隙間を吸収している。従って、本
例のインサート保持具はフランジ部16と型枠40との
間の隙間を通って、設定孔41へのコンクリートののろ
が侵入することはない。同様に、コンクリートののろが
開口14へ侵入することも考えられるが、フランジ部1
6および層30によってのろの侵入は防止されている。
粘着層30は、粘着力がなくとも発泡性の素材などのよ
うに自由に変形し、フランジ部16と型枠40の表面4
0aとの隙間を満たすものであれば良い。粘着層30
は、両面テープのようなものであれば、隙間を埋める層
30と型枠40の表面およびフランジ部の面17との密
着性を高められる。
【0049】コンクリート製品の脱型 図9に、インサートの埋設されたコンクリート製品2を
内型枠40から脱型する際の様子を示してある。コンク
リート製品2を脱型するときは、先ず、外型枠45を取
り外し、次に、コンクリート製品2の側面をクレーンな
どで保持し内型枠40と共に持ち上げる。そして、型枠
40に振動を与えたり、あるいは型枠とコンクリート製
品との界面にエアーを注入することにより内型枠40を
下方に落下させる。型枠40の形状は、脱型を容易に行
うために側面に若干の傾きをつけてテーパー状としてい
るものが多い。
【0050】このような脱型を行う際に、コンクリート
製品2と型枠40との間にこれらを剥離させるのに十分
な力が働く。この力が突起20にも作用するので、突起
20はフランジ部16との接続部分27で自動的に切断
される。切断された突起20の先端は型枠40側に分断
された部分28として残り、コンクリート製品2に埋設
されたインサート保持具10にはその跡29が残る。
【0051】あるいは、図示していないが型枠を旋回し
て外すような場合は、その力が突起20に対し引き抜き
として作用し、型枠40の設定孔41から突起20が外
れる。いずれの場合も、突起20は脱型時の障害になら
ない。このように、本例のインサート保持具を用いてイ
ンサートを埋設すれば、従来必要であったインサートの
設定用のボルトを外す工程は不要であり、インサートあ
るいはインサート保持具等の埋設されていないコンクリ
ート製品と同じ工程で脱型作業を行える。
【0052】さらに、本例のインサート保持具を用いて
インサートを埋設した場合は、型枠にボスなどのコンク
リート製品の表面と干渉する治具は不要である。従っ
て、突起が切断されれば、コンクリート製品の表面と型
枠との間に障害となるものはなく、スムーズな脱型作業
が行える。また、型枠を旋回させて取り外す場合は、旋
回半径によってインサートの設定場所が制限されること
があるが、本例のインサート保持具であれば旋回半径の
小さな所でも問題なく脱型でき、コンクリート製品の表
面にこば欠けが発生することはない。
【0053】図10に、脱型した後のコンクリート製品
の表面を示してある。このように、脱型した後は、コン
クリート製品の表面には突起20の分断された跡29が
残るだけである。そして、この跡29は、開口14の周
囲にあるので、開口14を使用する際に問題とならな
い。突起20が分断されずに残っている場合は、カッタ
ー、鋏等によって容易に切断できる。コンクリート製品
2の表面には、粘着層30によってフランジ部16の輪
郭が明瞭に現れ、インサートの埋設された位置が明確に
判る。そして、フランジ部16には、突起20の跡29
があるだけであり、これらをモルタル、塗料などでカバ
ーすることは簡単である。
【0054】このように、本例のインサート保持具を用
いれば、内側に作業員の手の届かない内型枠にインサー
トを設定する場合でも、脱型時に突起は自ら分断され
る。従って、脱型時にインサートを固定したボルトを外
すために重いコンクリート製品と型枠を回転させたり、
ジャッキアップする作業は不要であり、インサートを埋
設していない製品と同様の方法、時間、手間で脱型作業
を行える。上記のような危険度の高い作業がいらないの
で、作業員の労力も大幅に軽減できる。
【0055】〔参考例2〕図11に本発明の異なる実施
例を示してある。本実施例も実施例1とほぼ同様のイン
サート保持具であり、共通する部分は同じ符号を付して
説明を省略する。本例のインサート保持具10は、フラ
ンジ部16と型枠の表面40aとの間にリング状にカッ
トされたポリウレタンフォームなどの発泡プラスチック
製で厚みが0.5〜2mm程度の弾力性のある薄膜の遮
蔽部材51を挿入してコンクリートののろの侵入を防止
している。フランジ部の表面17からは、3本の突起2
0が突き出ており、遮蔽部材51はこの外側を覆ってコ
ンクリートののろの侵入を阻止できるようになってい
る。フランジ部の表面17の略中央にはインサート6と
繋がる開口14が用意されており、この開口14は、ゴ
ミ等の侵入を防止するために閉塞部52で塞いである。
この閉塞部52は後述するように、インサートを用いる
際はラジオペンチなどで簡単に取り外せる。
【0056】本例の突起20は、中心軸24から半径方
向にそれぞれ伸びた4枚のリブ25によって形成されて
おり、全体の形状としては外径が略5mm程度で表面1
7から12mm程度突き出た突起となっている。それぞ
れの突起の中心軸24は、開口14の周囲に沿って3本
の突起20が等間隔となるように配置されており、さら
に開口14とリブ25も干渉しない配置となっている。
それぞれのリブ25は、表面17と連絡した接続部分2
7からリブの先端23に向かって略平行に延び、先端2
3の近傍で徐々に狭っている。さらに、突起20の先端
が鋭角にならないようにリブ25の先端23は丸みをお
びた形状に加工されている。接続部分27近傍において
はリブ25の幅は先端23に近いほうが広く、表面17
に近い部分が強度的に弱くなっている。接続部分27か
ら型枠40の略厚みに対応する長さの部分、例えば3.
2mmほど接続部分27から先端23に離れた部分25
aの幅を広くしてある。突起20を型枠40に挿入する
とこの部分25aが広がって型枠40の裏面を押圧し、
インサートを型枠に設定する付着力が得られる。さら
に、本例の突起20は厚さの異なる型枠、例えば厚さ
4.5mmの型枠に対応する部分25bも広げてあり、
これらの部分25aおよび25bの間は一端狭めてあ
る。
【0057】図12に、本例のインサート保持具10を
用いてインサート6を型枠40に設定した状態を示して
ある。本例のインサート保持具10の突起20はリブ2
5が十文字に組み合わされ、設定孔41の内径に合わせ
て略弾性的に変形できる形状である。従って、突起20
は比較的簡単に、例えば、作業員が手で押したり、ハン
マーで軽く叩くだけで設定孔41に挿入できる。また、
本例の突起20の先端23は丸く細してあるので、設定
孔41に突起20が導かれ自ら嵌まりこむ。突起20
は、設定孔41に挿入されると、型枠40の厚みに対応
する箇所24aが、設定孔41を通過した所で広がって
型枠40の裏側40bを押圧する。このため、突起20
によってインサート保持具10は型枠40に十分強固に
設定される。従って、型枠40にコンクリートを流し込
んでもインサート6はインサート保持具10に保持され
所定の位置からずれることはない。
【0058】突起20を用いてインサート保持具10を
設定すれば、フランジ面17が型枠の表面40aへ当た
り、コンクリートののろの侵入は防がれる。さらに、実
施例1で説明したような幾つかの原因によって型枠の表
面40aとの間には微小な隙間43が発生することがあ
るので、本例においては、リング状の遮蔽部材51を念
のために挿入してある。本例の遮蔽部材51は弾性のあ
る発泡プラスチック製で、型枠の表面40aやフランジ
面17の微小な凹凸も吸収でき、シール性は高い。ま
た、遮蔽部材51は隙間の有無、あるいは高さによって
変形するので、部分的に発生した微小な隙間も遮蔽でき
る。一方、リング形の遮蔽部材51は薄い膜状の部材な
ので、遮蔽部材51をフランジ面17と型枠40との間
に挟んでおいても、インサート保持具10の付着力を減
じることはない。また、フランジ面17が型枠の表面4
0aと略隙間なく当たる場合には、本例の遮蔽部材51
は殆ど厚みの影響がない状態まで圧縮されるので、遮蔽
部材51を挿入することによって逆に隙間が発生するこ
とはない。また、リング状の遮蔽部材51を型枠40に
設定するときは、突起20の周囲に引っ掛けるだけで良
く、フランジ面17の外周縁へ精度良く配置する手間は
不要である。
【0059】図13に本例のインサート保持具10を用
いてインサートの埋設されたコンクリート製品2を脱型
する様子を示してある。インサート6の設定された型枠
が内型枠である場合、脱型時に働く力が突起20にかか
るので、接続部分27がコンクリート製品2と型枠40
との間に働く剪断力によって自動的に切断される。従っ
て、本例のインサート保持具10を用いればインサート
の埋設されたコンクリート製品を製造する場合も、埋設
物のないコンクリート製品と同様に脱型できる。切断さ
れて設定孔41に残った突起20は、針金のようなもの
で押したり、新しいインサート保持具の突起を設定孔に
挿入すれば簡単に外れるので、清掃などの手間もかから
ない。本例のインサート保持具10は、遮蔽部材51に
よって設定孔41へコンクリートののろが侵入すること
はなく、突起20を簡単に取り外せる。次のコンクリー
ト製品に埋設するインサートを設定するためにインサー
ト保持具を装着するときに、その突起20によって設定
孔41に切れて残った突起20を押し出すことも可能で
ある。本例の突起20のように接続部分27が若干先端
に向かって広がっていると、設定孔41から切れた突起
20を押し出すのが簡単である。
【0060】なお、外型枠に設置した場合も同様であ
り、本例のインサート保持具10を用いたインサートを
埋設しておけば、型枠を旋回する際の障害になったり、
コンクリート製品にこば欠けを起こす原因にならない。
従って、型枠の旋回半径が小さな箇所であっても確実に
インサートを設定できる。
【0061】図14に、コンクリート製品2に埋設され
たインサート6を使用するときの様子を示してある。イ
ンサート6を現場で使用する時は、コンクリート製品2
の表面に現れたインサート保持具10の閉塞部52を取
り外す。閉塞部52とインサート保持具のフランジ面1
7との境界は非常に薄く形成されており、閉塞部52は
その中央に設けられた1筋の梁によってインサート保持
具10と繋がっている。従って、ラジオペンチ59など
の先の細い治具を閉塞部52とフランジ面17との境界
に押し込み、閉塞部52の梁を挟さめば閉塞部52を簡
単に取り外せる。閉塞部52を取り外すとインサート6
と繋がった開口14が現れ、これを通ってインサート6
を使用できる。本例のように遮蔽部材51を用いてフラ
ンジ面17の上にコンクリートののろが回るのを防止し
ておけば、インサート保持具10がコンクリート製品2
の表面に明瞭に現れ、閉塞部52がコンクリートののろ
に埋まるのも防止できる。
【0062】本例のインサート保持具10を設定する型
枠40は、実施例1と同様のものが使用できる。すなわ
ち、型枠40は、突起20を差し込める小径の設定孔4
1を有し、これらの設定孔は開口14の位置する予定の
場所の外側に設けられている。本例の突起20の外径
は、略5mm程度なので、設定孔41の内径も略5mm
程度となる。突起20を設定孔41に差し込むことによ
ってインサート6を型枠40に保持する付着力を得るた
めには、突起20の外径と、設定孔41の内径は、突起
20が設定孔41に嵌め合わせ、特に、とまりばめ、あ
るいはしまりばめの状態となるように選定することが望
ましい。
【0063】耐久性の型枠40を用いる上で、設定孔4
1が歪んだり、その内径が変化しないように、突起20
の方を変形させる必要がある。本例の突起20は、突起
20が略弾性的に変形できるように4つのリブ22が十
字状に組み合わさっており、また、素材としても弾性力
を期待できるプラスチック材料を用いてある。従って、
耐久性の型枠40に損傷を与えることはないので、設定
孔41を繰り返し使用できる。
【0064】また、突起を略弾性的に変形する形状は、
本例に限定されるものではない。突起の形状は、弾性的
に変形するもの、あるいは多少の塑性変形を伴って設定
孔の形状に沿って変形するものが採用できる。例えば、
略三日月型、多角形、星型など設定孔の内面に2点以上
で接触するような形状がある。また、突起の長手方向や
周方向に周期的に凹凸を繰り返すような形状を備えた突
起や、中空の筒形の突起であっても略弾性的な変形を期
待できる。さらに、プラスチック材料などの弾性的な素
材を用いた突起であれば、設定孔に略密着し隙間のない
柱状の突起であっても良い。また、型枠に開けてある設
定孔の形状も、本例のような円形に限らず、突起の形状
に対応して、多角形の断面をした孔や、孔の広さの変わ
る孔などを採用できる。
【0065】さらに、突起20が設定孔41に合わせて
略弾性的に変形すれば、上記のような効果を得られるの
で、アルミニウムなどの型枠として用いられている金属
より柔らかい金属を用いても良い。しかし、本体11と
一体成型可能で安価であること、また、素材自体にある
程度の弾性を期待でき、型枠に傷を付けたり、型枠に用
意してある穴の形状に影響を与えないことなどの点か
ら、プラスチック材料などの合成樹脂を用いて突起20
を形成することが望ましい。
【0066】〔参考例3〕図15ないし図18に、本発
明に係るインサート保持具10の異なる実施例を示して
ある。図15および図16に示したように、本例のイン
サート保持具10は、筒形の本体11の外周部12に雄
ねじが切ってある。また、インサート6の開口側80は
インサート6の中空部7より広げてあり、この開口の内
面に雌ねじ82を切ってあり、インサート保持具10の
本体11をねじ込めるようになっている。従って、本例
のインサート保持具10をインサート6に取り付けた場
合は、本体11の型枠に面した側15から開口14を通
ってインサート6を使用できる。このため、開口14の
内径は、インサート6の内径より大きくしてあり、吊り
棒等をインサート保持具10を通って取り付けられるよ
うになっている。
【0067】図17に示すように、本例のインサート保
持具10のフランジ部16の表面17から上記の実施例
と同様に3本の突起20が突出しており、この突起20
を用いてインサート6を型枠40に設定できるようにな
っている。本例の突起20は、棒状の部分21の周囲
に、先端23に向けて狭くなった4枚のリブ25を備え
ており、突起20を設定孔41に挿入すると、リブ25
が変形し、インサート6を型枠に設定する付着力が得ら
れる。また、本例においては、フランジ16の表面17
を広くとって、この表面17を型枠の表面40aに直に
密着させることによってコンクリートののろの侵入を防
止している。
【0068】インサート側へ開口14を通ってコンクリ
ートののろが侵入するのを防止するために、インサート
保持具10の内側に、開口14を塞ぐように薄膜の閉塞
部53を設けてある。この閉塞部53によってコンクリ
ートののろやごみ、雨水の侵入を防止でき、インサート
6を使用するときは、図18に示すように、吊り棒58
を挿入すれば閉塞部53を破壊できる。
【0069】本例のインサート保持具10も設定用の突
起20を備えているので、上述した実施例と同様に突起
を設定孔へ挿入するだけで型枠へ設定でき、インサート
を取り付ける作業を省力化できる。また、脱型作業も同
様に簡単であり、インサートの有無に関わらずコンクリ
ート製品を同じ工程で脱型できる。また、フランジ部1
6から突起20を突き出してあるので、本例のようにイ
ンサートに挿入できるような薄い肉厚の本体を備えたイ
ンサート保持具にも十分な径の突起20を備えつけられ
る。また、型枠40には、インサートの開口の位置する
予定の領域の周囲に小径の設定孔41を設けておけば良
いので、インサートの設定位置の変更も自由であり、顧
客からの要請にもフレキシブルに対応できる。
【0070】〔参考例4〕図19に本発明に係るインサ
ートの例を示してある。本実施例では、インサート60
を強化ポリエチレン等のプラスチックにより成形し、こ
のインサートの開口65のある側に突起を設けてある。
インサート60は、略円筒状のインサート本体61を備
え、型枠に面した端65から伸びた中空の内部に雌ねじ
67を形成してある。インサート本体61の他方の端6
3は壁となっており、外側に広がった鍔64を備えてい
る。開口側65には、インサート本体61から外側に広
がった円盤状のフランジ部66が形成されており、フラ
ンジ部66と鍔64は2本のリブ68で接続されてい
る。
【0071】フランジ部66の表面62から開口65の
両側に細い円筒状の2本の突起20が伸びており、この
突起20を型枠に用意された孔に嵌め込めば、上記の実
施例と同様にインサート60を型枠に設定できるように
なっている。さらに、本例の突起20も上記の実施例と
同様に脱型時に働く力によって切断されるようになって
おり、簡単に、また、確実に脱型作業を行える。
【0072】フランジ部の表面62には、粘着テープ3
0を貼りつけてあり、この粘着テープ30は、突起20
の周囲と、開口65の周囲を除き、面62の外周縁まで
略全体を覆っている。また、粘着テープ30の表面を保
護するために、保護膜35でカバーしてある。この保護
膜35は剥離し易いように突起20を中心に、あるいは
突起20を挟んで2分割してあり、その各々にフランジ
部66から外側に広がった外片36を形成してある。
【0073】図20に、本例の突起20を拡大して示し
てある。本例の突起20は、内部が中空の円筒形であ
り、その先端23は角が落としてある。従って、突起2
0の先端は設定孔に差込み易く、また、先端によって、
作業員や、作業着を傷つけないようになっている。さら
に、本例の突起20とフランジの表面67との接続部分
27には、その断面が小さくなるように周方向に凹み2
6を設けてあり、脱型時に切断力が働くと、この凹み2
6から突起20が切断される。
【0074】本例のインサート60も、突起20は開口
65の側に形成されたフランジ部66の表面から突き出
ており、これらの突起20はインサートの開口65の周
囲に配置してある。従って、これらの突起20が開口6
5を使用する際の障害とはならず、突起20の径や数量
は自由に設定できる。このため、本例においても型枠に
設ける孔を小さくできるように小径の突起20を2本設
けて必要な付着力を得るようにしている。なお、突起2
0は1本でももちろん良いが、突起20の径を小さく
し、複数の箇所で型枠に取り付けることによってインサ
ートの姿勢を安定させられるので、複数の突起を設ける
ことが望ましい。
【0075】図21に本例のインサート60を型枠40
に設定する様子を示してある。図示したように、本例で
用いている型枠40は、2つの設定孔41がインサート
の開口14の位置する場所の両側に設けてある。設定孔
41の内径は、突起20が嵌まり込む大きさであり、中
空の突起20を孔41に押し込むと多少の変形を起こし
ながらこれらの設定孔41に嵌まり、インサート60を
型枠に装着できる。
【0076】作業員は、インサート60を型枠に取り付
ける前に、外片36を持って保護膜35を取り外し、型
枠40に予め用意してある設定孔41へ突起20をそれ
ぞれ嵌め込む。これによってインサート60が型枠40
に設定される。このとき、型枠の表面40aへ粘着テー
プ30の表面が当たると粘着テープ30が型枠の表面4
0aに付着し、コンクリートののろの侵入は阻止され
る。このため、フランジの表面62と型枠の表面40a
との間に隙間は発生せず、隙間を通って開口65や設定
孔41へコンクリートののろが侵入することはない。
【0077】図22に、本例のインサート60の埋設さ
れたコンクリート製品2を脱型する様子を示してある。
円筒形の突起20は、脱型時に発生する力が接続部分2
5に加わると凹み26の部分から切断されるので、本例
のインサート60も上記の実施例と同様に埋設物のない
コンクリート製品と同様に簡単に脱型作業を行える。円
筒形の突起を用いた場合、径が大きくなると切断時に円
形の断面が歪んだり、円周方向に潰れたする可能性があ
るので、これによってフランジ部66が引っ張られ、ス
ムーズに切断されないことも考えられる。プラスチック
製のインサートなどでは、突起がスムーズに切断されな
いと本体61にも捩じれなどが発生し、インサートの内
部のねじの形状に影響がでる。本例では、突起の外径を
10mm程度以下、望ましくは、3〜8mm程度に収め
ることが可能であり、それぞれの接続部分の断面積も凹
み26によって小さくできる。従って、綺麗な切断面が
安定して得られるので、脱型時の障害となったり、イン
サート本体が変形する恐れはない。なお、円筒形の他
に、中空部のない円柱状の突起を採用することも可能で
あり、突起の径を小さくすることによって、突起の歪み
や潰れによる本体61への影響を防止できる。
【0078】図23に、上記と異なる形状の突起を備え
たインサート60を示してある。さらに、図24に突起
20を拡大し、図25に突起20を型枠の設定孔41に
挿入した状態を示してある。本例のインサート60は、
上述したインサートを略同じ構成であるので共通する部
分は同じ符号を付して説明を省略する。本例の突起20
は略三日月型の断面を備えており、この三日月型の突起
の幅L0は、最大の所で型枠40に用意された設定孔4
1の内径より若干広くなっている。また、突起20の先
端23は、突起20を設定孔41にスムーズに導くた
め、徐々に三日月状の断面から半月状の断面となり、さ
らに、先端に行くに従って半球状に細くなっている。三
日月状の断面のまま半円状に細くなっていてももちろん
良い。
【0079】このような断面を備えた突起20は型枠4
0の設定孔41に沿って弾性的に変形するので、上述し
た突起によっても上記インサートと同様に本例のインサ
ート60を型枠41に設定できる。脱型時する際も、型
枠とコンクリート製品との間に発生する力によって突起
20が分断されるので、インサートを埋設していないコ
ンクリート製品と同様に簡単に脱型できる。
【0080】図26に、上記と異なる形状の突起を備え
たインサート60を示している。さらに、図27に突起
20を拡大し、図28に脱型する様子を示してある。本
例のインサート60も、上述したインサートを略同じ構
成であり、共通する部分は同じ符号を付して説明を省略
する。本例のインサート60は、本体に設けたリブの代
わりインサート本体61の外面が鍔64からフランジ部
66に向かって広がったテーパー状となっており、鍔6
4には、供回りを防止するため凹み69を用意してあ
る。また、フランジ66の外周端に沿って粘着層30を
用意してあり、その内側にフランジ66の表面67から
2つの突起20が突き出ている。
【0081】図27に示すように本例の突起20は、先
端23が略円錐状に膨らんだ略茸型をしており、接続部
分27の側は実施例1で示した突起と同様に柱部分21
の周囲に凸部22を形成してある。従って、突起20を
型枠の設定孔41に挿入すると、先端23は裏面側40
bに飛びだし、接続部分27が設定孔41に嵌まり込ん
でインサート60を型枠に設定する付着力が得られる。
【0082】図28に示すように、型枠からインサート
60の埋設されたコンクリート製品を脱型する際は、型
枠40の裏面側40bに突き出て広がった先端23によ
って突起20が型枠40と共に引っ張られる。一方、突
起の接続部分27はコンクリート2と共に動くので、、
脱型時に働く力が突起20の接続部分27に集中し、こ
の部分で突起が切断される。従って、本例の突起を備え
たインサートを用いても上記の実施例と同様に簡単に脱
型作業を行える。なお、突起をさらに切断し易くするた
めに、接続部分27に切れ込み等を用意しておいても良
い。
【0083】〔参考例5〕図29に、本発明の異なる実
施例に係るインサート保持具10を示してある。本例の
インサート保持具10は、ディスク状のフランジ部16
を備え、その型枠と対面する表面17から3本の突起7
0が突出している。また、表面17と同様に裏面19か
らも3本の突起79が突出している。さらに、表面17
の外周には、実施例1と同様に粘着層30を設けてあ
る。これらの突起70および79はいずれもフランジ部
16に開いた開口14の外側に配置されており、開口1
4と干渉しないようになっている。
【0084】裏面19に設けられた突起79は、コンパ
ネ用のインサート保持具90に本例のインサート保持具
10を設定するためのものである。本例のコンパネ用の
インサート保持具90は六角の高ナット9を一端93か
ら挿入し支持可能な筒体91と、この筒体91の他方の
端95に形成されたフランジ部96を有しており、フラ
ンジ部96には3つの穴99を設けてある。これらの穴
99に本例のインサート保持具10の突起79を挿入す
れば、コンパネ用のインサート保持具90と本例のイン
サート保持具10を組み立てて上記の実施例において説
明したものと略同じ構成のインサート保持具を構成でき
る。
【0085】なお、本例においては、円筒形のインサー
トに変わり、六角のナット9と、このナット9の一方の
端に挿入されたU字型の鉄筋9aを用いて埋設金物を構
成してある。また、突起79と突起70とが同じタイプ
の突起であるが、形状の異なる突起を組み合わせてもも
ちろん良い。
【0086】図30に、六角ナットのインサート9、イ
ンサート保持具90および本例のインサート保持具10
を組み合わせた状態を一部断面を用いて示してある。本
例のインサート保持具10の突起70は、断面で示して
あるように、先端73から略円錐状に広がった上半部7
2と、この上半部72より細い円柱状の下半部75とを
備えている。本例の突起の上半部72は、いわゆる峰矢
型をしており、上半部72の広がった裾野の部分74
は、上半部72と下半部75とを接続する部分76より
後退した位置にある。また、下半部75の長さは、型枠
40の厚みより若干長い程度に設定してあり、フランジ
部16と繋がる部分に切れ込み78を設けてある。
【0087】図31に、上記のように組み立てたインサ
ートおよびインサート保持具を型枠に設置し、脱型する
様子を示してある。図31(a)に示すように、この突
起70を型枠40の設定孔41に挿入すると、上半部7
2は孔41に沿って変形し、孔41を貫通すると広が
る。上半部72の裾野の部分74は、型枠40のインサ
ート保持具10と反対側の裏面40bを押圧し、インサ
ート保持具10を引っ張る。これによりインサート保持
具10を型枠40に装着でき、インサートを型枠40に
設定できる。また、突起70が型枠40に取り付けられ
るのと同様の状態で、突起79によりコンパネ用のイン
サート保持具90と本例のインサート保持具10とは接
続されている。
【0088】図31(b)に、本例のインサート保持具
を用いてインサートを埋設したコンクリート製品を脱型
する様子を示してある。本例の突起70においては、脱
型する際の力が突起70の下半部75、特に、切れ込み
77にかかるので、ここから突起70は切断される。こ
のため、脱型した後は、突起の跡29が残るだけであ
る。なお、切れ込みを設ける変わりに、上半部72の強
度を弱くしても良く、これによってその裾野の部分など
が破壊され、突起70がインサート保持具10に付いて
状態で脱型することも可能である。突起70がコンクリ
ート製品側に残った場合は、脱型後、突起70をカッタ
ーなどにより切断すれば良い。
【0089】図32に、上記と異なる形状を持つ突起7
0の例を示してある。図32(a)および(b)に示し
た突起70は、上半部72が先端73から徐々に太くな
り、一方、下半部75は徐々に細くなっている。図32
(a)の突起70は、インサート保持具10から先端7
3に向かって突出した支柱101と、先端73でこの支
柱101と連絡し、上記のような上半部から下半部にか
けての側面を持つ部材102とから構成してあり、支柱
101と部材102との間に隙間を設けてある。また図
32(b)の突起は、インサート保持具10側および先
端73の両方で繋がった部材103により上記のような
形状を構成してあり、それぞれの部材103の間に隙間
を設けてある。このような形状は弾性があるので、突起
を構成する素材としては成型性に優れた硬質のプラスチ
ック、例えばABS樹脂、PPO等を用いて簡単に設定
孔41に挿入できる突起を形成できる。素材自身の弾性
がさらに高いもの、例えば軟質PVCなどを用いる場合
は、図32(a)あるいは(b)のような隙間を設けな
くても良い。
【0090】図33に、図32(b)に示した突起70
を型枠の設定孔41に挿入し、脱型するようすを示して
ある。突起70を孔41に挿入すると、その上半部52
は孔41に従ってつぼまり、孔41を貫通すると図33
(a)に示すように広がる。これに続いて、上半部72
から下半部75に繋がる部分77も広がる。突起70が
広がると、上半部72から下半部75にかけた部分77
が、孔41の裏面40b側の端を押圧する。このためイ
ンサート保持具10は型枠40へ引っ張られ、このイン
サート保持具10を介してインサートを型枠40に設定
できる。脱型時は、そのときにかかる力によって、突起
70が切断されたり、あるいは、型枠から引き抜かれる
ので、インサートを埋設していないコンクリート2次製
品と同様の工程で脱型を行える。突起70を脱型時に切
断し易くするためには、下半部75に切れ込みを設ける
他に、本例の下半部75のようにフランジ側16に向か
って細くなるような形状としても良い。
【0091】図34に示した突起110は、その断面が
略三日月型であり先端103に向かって若干細くなって
いる。突起110の上半部112と下半部115との間
に、上半部112から下半部115に後退した切れ目1
17が設けてある。従って、上半部112の形状は略同
じ矢尻型でなる。このような突起110を用いて、イン
サート保持具を型枠に設定すると、下半部115は弾性
変形可能な形状なので型枠の孔と強固に繋がる。一方、
上半部112はその裾野114の部分で型枠を押圧する
ので、インサート保持具を型枠側に引っ張る。このよう
な形状であれば、設定孔に挿入された際の嵌め合いによ
る力と、型枠の裏面を押圧することによる付着力の双方
を活かすことが可能となる。
【0092】図35に示したインサート保持具10は、
ディスク状のフランジ部16の略中央から1本の突起7
0が突出したものである。そして、コンパネ用のインサ
ート保持具のフランジ部96に用意された穴99へ、本
例のインサート保持具10を各々差し込めば、実施例1
等で説明したのと略同じインサート保持具を組み立てら
れる。従って、本例のようなインサート保持具を利用し
て、従来のコンパネ用のインサート保持具90を用いて
インサートを耐久性の型枠40に簡単に設定できる。本
例のフランジ部16の大きさは、上述した実施例に係る
インサート保持具と異なり、コンパネ用のインサート保
持具90の穴99より若干大きなものであれば良い。本
例のインサート保持具のフランジ部は、円盤状に限らず
4角形などの形状も採用可能である。なお、本例のイン
サート保持具10のフランジ部16は、型枠40の表面
に接触しないので、型枠の表面に微小な凹凸などがある
場合は、リング状の遮蔽部材51をコンパネ用のインサ
ート保持具60のフランジ部96の外縁に挿入しておく
ことが望ましい。
【0093】〔実施例1〕図36および図37に、本発
明の実施例に係る長さ調節のできるスリーブ120を埋
設する様子を示してある。本例のスリーブ120は筒状
の本体121と、この本体121の内面122と接触し
ながら伸び縮みできる筒状のスライド部123とを備え
ており、スライド部123の先端124はフランジ状に
広がって他の型枠45に当てることができる。本体12
1の内部には、スライド部123が取付側の面127の
側に突出しないようにストッパー125を設けてある。
さらに、スリーブ内部へのコンクリートの漏れ込みを防
止するためと、後述する突起70の基礎とするために取
り付ける側にフランジ部126を設けてある。
【0094】本例のスリーブ120は、2本の突起70
をスリーブの開口129の外側に用意してある。従っ
て、スリーブの開口129と突起70とが干渉すること
はないので、開口129の径とは関係なく細い突起を採
用できる。それぞれ突起70は、細長い支柱105と、
その先端で内側に延びた鉤状の部分106を備えてお
り、鉤状の部分106は相互に対峙した状態に成形され
ている。また、支柱105同士の距離L2は、設定孔4
1の中心の間隔L1よりも狭くなっている。このため、
本例のスリーブ120の突起50を型枠の設定孔41に
挿入すると、支柱105の内側を向いた面が、設定孔4
1に当たり、この部分で型枠を挟み込んで付着力を得ら
れる。さらに、型枠を貫通した鉤状の部分106が、裏
面に沿って反対方向、本例では向かい合った方向にのび
ているので、突起70の先が型枠の裏面40bに引っ掛
かり、この部分106と本体との間に型枠を挟み込んだ
状態となる。このように、本例のスリーブ120では、
突起70と型枠40との関わるこれらの力によってスリ
ーブを設定するために十分な付着力を得られる。なお、
支柱同士の距離L2と設定孔41の間隔L1との関係
は、本例と逆でも良く、鉤状の部分が外側を向いて延び
ていても勿論良い。また、開口の周囲に沿って3本以上
の突起を設ける場合は、突起のピッチサークル径と、設
定孔のピッチサークル径を変えて付着力を得ても良い。
【0095】図37にこのようなスリーブを埋設したコ
ンクリート製品を脱型する様子を示してある。本例のス
リーブは突起を型枠に用意した孔に差し込んであるだけ
なので、脱型するときに働く力によって突起が折れ、ス
リーブを型枠から分離する作業は不要である。このた
め、スリーブを埋設していないコンクリート製品と同じ
脱型ですみ、適当な位置に孔の開いたコンクリート製品
を簡単に成形できる。従来は、コンクリートから引き出
し易いように円錐状に加工されたロッドを型枠にねじ止
めし、コンクリートが完全に固まりきらないうちにロッ
ドを引き抜いて貫通する孔を形成していたが、本例のよ
うなスリーブを用いれば大幅に工数を削減できる。ま
た、スライド部によってスリーブの長さを簡単に調整で
きるので、壁厚の異なるコンクリート製品に対しても数
少ない種類のスリーブを用意しておけば良い。
【0096】なお、本実施例に示したスリーブに限らな
いが、本発明に係るコンクリート埋設物に設ける突起の
本数は2本、あるいは3本に限定されるものではなく、
4本以上であってももちろん良い。また、それぞれの例
においてインサート保持具、インサートあるいはスリー
ブといったコンクリート埋設物と共に本発明に係る突起
を例示してあるが、それらの突起は共に示したコンクリ
ート埋設物にその採用が限定されるものではなく、上記
の実施例および本発明の特許請求の範囲に含まれるコン
クリート製品のいずれにも採用できることはもちろんで
ある。
【0097】さらに、耐久性の型枠に設ける設定孔は、
複数の突起を同時に挿入できるような大きさでも良い
が、設定孔の径を小さくする点からそれぞれの突起に対
応した設定孔とすることが有効である。径が細く付着力
の高い突起を採用し、型枠に用意する設定孔を小さくす
ることにより、コンクリート埋設物の装着位置が変更に
なったときに、設定孔を溶接などで塞がなくても良く、
コンクリート埋設物の設定位置の変更に対し柔軟に対応
できる。さらに、設定孔を開ける際も型枠に歪みが起き
る心配はなく、型枠にかかる費用を抑制できる。
【0098】以上に説明したように、本発明のインサー
ト、インサート保持具あるいはスリーブといったコンク
リート埋設物は、本体から突き出た突起を耐久性の型枠
に用意された設定孔に挿入するだけで型枠に設定でき
る。従って、これらのコンクリート埋設物を型枠に設定
する際に、他の治具、例えば、設定用のボルトなどは不
要であり、これらの治具を用いて型枠に着脱する手間は
一切いらない。従って、作業員1人でも簡単に、短時間
でコンクリート埋設物を型枠の所定の位置に設定でき
る。
【0099】また、脱型する際も、脱型時に型枠とコン
クリート製品との間に作用する力によって突起が自ら切
断されるので、埋設物のないコンクリート製品と同じ工
程で脱型作業を行える。このため、手の届かない内型枠
に埋設物を設定する際は、本発明に係るコンクリート埋
設物は特に有効である。従って、本発明に係るコンクリ
ート埋設物においては、従来のように脱型する際にコン
クリート製品と型枠を一緒に持ち上げて反転させたり、
ジャッキアップした下からインサートを固定したボルト
と外すような危険を伴う作業は不要となり、作業員の労
力を軽減でき、同時に、大型のコンクリート製品をプレ
ハブする際の製造工程を簡略化して短納期で製造コスト
の安いコンクリート製品を提供できる。外型枠のように
旋回して取り外すような型枠にコンクリート埋設物を設
定する場合でも、脱型時にかかる力によって本発明に係
るコンクリート埋設物はコンクリート製品に影響を与え
ずに型枠から外れる、スムーズな脱型作業を行えるの
で、旋回半径の小さな場所にも安心して使用できる。
【0100】このような本発明に係るコンクリート埋設
物は、突起も含め、プラスチック材料などの樹脂材料に
よって安価に成形できる。そして、上述したようにコン
クリート埋設物の装着作業および脱型作業における手間
を省き、コンクリート製品の製造期間を短縮できるの
で、工場等でプレハブするコンクリート製品の製造コス
トを低減のに有効である。また、本発明のコンクリート
埋設物を採用すれば、埋設位置の変更等の顧客の要求に
も柔軟な対応が可能となり、工場プレハブにて対応可能
なコンクリート製品の範囲を広げられる。
【0101】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明に係るコ
ンクリート埋設物は、筒状の本体と、この本体に対しス
ライド可能な筒状のスライド部とを有し、本体の一方の
端を型枠に当て、スライド部の他方の端を他の型枠に当
ててコンクリート製品に埋設可能であることを特徴とし
ており、厚みの異なるコンクリート製品に対しても、こ
れを貫通する孔を簡単に成形でき、このために用意して
おく部品点数も少なくて済む。
【図面の簡単な説明】
【図1】参考例1に係るインサート保持具の概要を示す
斜視図である。
【図2】図1に示すインサート保持具の底面を示す底面
図(a)および上から見た様子を示す平面図(b)であ
る。
【図3】図1に示すインサート保持具の構造を示す断面
図である。
【図4】図1に示すインサート保持具の突起の構造を示
す拡大斜視図である。
【図5】図1に示すインサート保持具を用いてインサー
トを設定する様子を示す組立図である。
【図6】インサートを型枠に取り付けた状態を一部断面
を用いて示す説明図である。
【図7】設定孔に挿入された突起の状態を例示する拡大
図である。
【図8】インサートを埋設したコンクリート製品を成形
した状態を示す断面図である。
【図9】図8に示したコンクリート製品を脱型する様子
を示す断面図である。
【図10】脱型したコンクリート製品の表面に露出した
インサート保持具の状態を示す平面図である。
【図11】参考例2に係るインサート保持具を用いてイ
ンサートを型枠に設定する様子を示す組立図である。
【図12】図11に示すインサート保持具を用いてイン
サートを型枠へ設定した状態を示す側面図である。
【図13】インサートの埋設されたコンクリート製品を
脱型した状態を示す説明図である。
【図14】コンクリート製品に埋設されたインサートを
使用する様子を示す説明図である。
【図15】参考例3に係るインサート保持具を用いてイ
ンサートを型枠に設定する様子を示す断面図である。
【図16】参考例3に係るインサート保持具の概要を示
す斜視図である。
【図17】図16に示すインサート保持具を用いてイン
サートの埋設されたコンクリート製品を成形する様子を
示す断面図である。
【図18】図17に示すインサート保持具を用いて埋設
されたインサートを使用する様子を示す断面図である。
【図19】参考例4に係るインサートの概要を示す斜視
図である。
【図20】図20に示したインサートの突起を拡大して
示す斜視図である。
【図21】図20に示したインサートを型枠に設定する
様子を示す説明図である。
【図22】図20に示したインサートの埋設されたコン
クリート製品を脱型する様子を示す説明図である。
【図23】参考例4に係る異なる例のインサートを示す
斜視図である。
【図24】図23に示すインサートの突起を拡大して示
す斜視図である。
【図25】図24に示した突起の断面図である。
【図26】参考例4の異なる例のインサートを示す斜視
図である。
【図27】図26に示したインサートの突起を拡大して
示す側面図(a)および断面図(b)である。
【図28】図26に示したインサートを埋設したコンク
リート製品を脱型する様子を示す説明図である。
【図29】参考例5に係るインサート保持具を用いてイ
ンサートを設定する様子を示す組立図である。
【図30】図29に示すインサート保持具を型枠に設定
する様子を示す断面図である。
【図31】図29に示すインサート保持具を用いて型枠
に設定した様子を示す拡大図(a)および脱型した状態
を示す拡大図(b)である。
【図32】参考例5に係る異なる突起の例を示す拡大図
である。
【図33】図32(b)に示す突起を用いてインサート
保持具を型枠に取り付けた様子を示す拡大図(a)およ
び脱型した状態を示す拡大図(b)である。
【図34】参考例5に係る異なる突起の例を示す拡大図
である。
【図35】参考例5に係る異なるインサート保持具を用
いて、従来のインサート保持具を型枠に設定する様子を
示す説明図である。
【図36】本発明の実施例に係るスリーブを内型枠およ
び外型枠に設定した状態を示す断面図である。
【図37】図36に示すスリーブの埋設されたコンクリ
ート製品を脱型する様子を示す説明図である。
【図38】従来のインサートを型枠に固定する方法を示
す図である。
【符号の説明】
1、3・・型枠 2・・コンクリート製品 5、8・・設定用のボルト 6・・インサート 10・・インサート保持具 11・・本体 14・・開口 15・・装着する側 16・・フランジ部 17・・フランジ部の表面 20、70・・突起 21・・突起の柱状の部分 22・・突起の凸部 23・・先端 24・・中心軸 25・・リブ 26・・凹み 27・・突起の接続部分 29・・突起の分断された跡 40・・型枠 40a・・型枠の表面 40b・・型枠の裏面 41・・設定孔 42・・コンクリート埋設物の開口の面する箇所 45・・外型枠 60・・インサート 66・・インサートのフランジ部 72・・突起の上半部 75・・突起の下半部 120・・スリーブ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 特願平5−343703 (32)優先日 平5(1993)12月15日 (33)優先権主張国 日本(JP)

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 筒状の本体と、この本体に対しスライド
    可能な筒状のスライド部とを有し、前記本体の一方の端
    を型枠に当て、前記スライド部の他方の端を他の型枠に
    当て、コンクリート製品に埋設可能なコンクリート埋設
    物。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記本体および前記
    スライド部により貫通した孔が形成されることを特徴と
    するコンクリート埋設物。
  3. 【請求項3】 請求項1において、前記本体の一方の端
    および前記スライド部の他方の端がフランジ状になって
    いることを特徴とするコンクリート埋設物。
  4. 【請求項4】 請求項1において、前記本体の一方の端
    に該本体と反対向きに突き出た少なくとも1つの突起を
    有し、この突起を前記型枠に予め開けられた設定孔に挿
    入することにより前記型枠に設定できることを特徴とす
    るコンクリート埋設物。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれかに記載のコ
    ンクリート埋設物が埋設されていることを特徴とするコ
    ンクリート製品。
  6. 【請求項6】 型枠を用いてコンクリート製品を製造す
    る製造方法であって、 筒状の本体に対しスライド可能な筒状のスライド部とを
    有するコンクリート埋設物を、前記本体の一方の端を型
    枠に当て、前記スライド部の他方の端を他の型枠に当て
    て埋設することを特徴とするコンクリート製品の製造方
    法。
  7. 【請求項7】 請求項6において、前記本体および前記
    スライド部により貫通した孔が形成されることを特徴と
    するコンクリート製品の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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