JPH11350030A - 金型鋳造品の熱処理方法 - Google Patents

金型鋳造品の熱処理方法

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JPH11350030A
JPH11350030A JP16119098A JP16119098A JPH11350030A JP H11350030 A JPH11350030 A JP H11350030A JP 16119098 A JP16119098 A JP 16119098A JP 16119098 A JP16119098 A JP 16119098A JP H11350030 A JPH11350030 A JP H11350030A
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Japan
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casting
tempering
temperature
mold
coolant
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JP16119098A
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English (en)
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Nobuki Matsuo
伸樹 松尾
Toshiaki Onuma
俊明 大沼
Tomotaka Takahashi
知貴 高橋
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Honda Motor Co Ltd
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Honda Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 カム部がMs点以下になったところのP
3点で、強制冷却を停止する。すると高温である内部並
びにジャーナル部から熱(残熱)がカム部に伝わり、カ
ム部は低温焼戻温度以上に昇温する。これで、カム部は
焼鈍されることとなる。 【効果】 自己焼戻させることで、従来の焼戻加熱を割
愛することができ、省エネルギー化を図ることができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は金型鋳造品、特にカ
ムシャフトに好適な熱処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】カムシャフトなどのワークを金型鋳造法
で製造する技術には、例えば特公平5−45347号公
報「金型鋳造法および金型鋳造装置」がある。この鋳造
法は、注湯後、金型に接する鋳物の表層を急冷し、表層
が殻状の凝固層になったら離型するというものである。
従来の金型鋳造では、金型内で鋳造品を内部まで冷却す
るため、冷却過程で金型による拘束力が働き、鋳物に割
れが発生することがある。これに対して、上記公報の方
法では、内部が未凝固状態で離型するため、鋳物割れを
防止することができる。併せて、内部が未凝固状態で離
型するため、サイクルタイムを従来よりも短縮すること
ができ、生産性を高めることができるという、効果も期
待できる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記技術によれば、効
率良く、形状の良好なワークを鋳造することができる
が、得られた鋳造品に耐摩耗性やタフネスを付加するた
めには、次工程で熱処理(焼入れ、焼戻し)を施す必要
がある。すなわち、鋳造前の溶解のための第1ヒート、
焼入れのための第2ヒート、焼戻しのための第3ヒート
の都合3回の加熱が必要となり、その分だけ多量の熱エ
ネルギーが必要となるとともに、工程数も多くなる。そ
こで、本発明の目的は、金型鋳造において、省エネルギ
ーと工程数の削減とを図ることにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1は、鉄系部品のための溶湯を金型に注入する
工程と、金型に接する鋳造品の表層が焼入れ可能な温度
範囲で且つ殻状の凝固層になったときに離型する工程
と、外した鋳造品に冷却剤を吹きつける若しくは冷却剤
に浸漬することで実施する焼入工程と、鋳造品の表面が
Ms点以下になり内部が十分に高温の状態で前記冷却を
止めて残熱で低温焼戻しを実行する自己焼戻工程と、か
らなる金型鋳造品の熱処理方法である。
【0005】第1に、離型直後の保有熱を利用して、焼
入れを実施するものであり、焼入れのための加熱(ヒー
ト)を省略することができる。焼入炉まで運搬する工程
が不要となるので、工程数の削減が図れる。第2に、内
部の残熱を利用して、低温焼戻しを実施するものであ
り、焼戻しのための加熱(ヒート)を省略することがで
きる。焼戻炉まで運搬する工程が不要となるので、工程
数の削減が図れる。即ち、従来は3ヒート必要であった
ものが、本発明によれば1ヒートですませることがで
き、大幅な省エネルギー化が達成できる。
【0006】請求項2は、鉄系部品のための溶湯を金型
に注入する工程と、金型に接する鋳造品の表層が焼入れ
可能な温度範囲で且つ殻状の凝固層になったときに離型
する工程と、外した鋳造品の硬度を必要とする部分に局
部的に冷却剤を吹きつけることで実施する部分焼入工程
と、鋳造品の表面がMs点以下になり冷却剤を吹きつけ
ない部分並びに内部が十分に高温の状態で前記冷却を止
めて、冷却剤を吹きつけない部分並びに内部の残熱で焼
入れ部分の低温焼戻しを実行する自己焼戻工程と、から
なる金型鋳造品の熱処理方法である。
【0007】請求項1と同様に、省エネルギー並びに工
程数の削減が図れるとともに、鋳造品に焼入れ部分と非
焼入れ部分とを形成することができ、焼入れ部分では耐
摩耗性及びタフネス、非焼入れ部分では柔軟性を付与す
ることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を添付図に基
づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見る
ものとする。図1は本発明に係る鋳造品の全体図であ
り、金型鋳造品をカムシャフトを例に説明する。金型鋳
造品としてのカムシャフト1は、複数のジャーナル部2
a〜2eと、隣同士のジャーナル部、例えばジャーナル
部2a,2b間に形成した5個のカム部3a〜3dとか
らなり、ジャーナル部2b,2c間並びにジャーナル部
2c,2d間も同様であるところの、3気筒対応カムシ
ャフトである。
【0009】鋳造品の材料成分を次表で実施例として示
す。比較例は金属便覧(日本金属学会編、改訂第5版、
第596頁)に記載されている標準の化学組成である。
表中、Snはずす、Biはビスマスである。
【0010】
【表1】
【0011】球状黒鉛鋳鉄は、鋳鉄にMg(マグネシウ
ム)を添加することにより、黒鉛を球状化した鋳鉄であ
り、実施例では0.01〜0.03%のMgを含む。更
に比較例に比べて、実施例ではSi(珪素)成分を1.
5〜2.0倍にしたことを特徴とする。Siを増やした
ことにより、非焼入れ部分の硬度が小さくなり、ドリ
ル、旋盤による機械加工が容易となるからである。
【0012】図2は本発明に係る熱処理設備レイアウト
図であり、設備10は、金型鋳造機11と、切断機12
と、矯正機構付き焼入れ機20と、焼戻し炉14からな
り、金型鋳造機11において、鉄系部品のための溶湯を
金型に注入する工程と、金型に接する鋳造品の表層が焼
入れ可能な温度範囲で且つ殻状の凝固層になったときに
離型する工程とを実行する。矯正機構付き焼入れ機20
は次図で詳細な構造を説明するが、金型から外した鋳造
品に全面的若しくは部分的に冷却剤を吹きつける若しく
は冷却剤に浸漬することで全面若しくは局部焼入れを行
うとともに、その後、低温焼戻し(自己焼戻し)処理を
行う設備である。
【0013】図3は本発明に係る矯正機構付き焼入れ機
の原理図であり、矯正機構付き焼入れ機20は、フレー
ム21と、冷却剤を噴射するスプレーノズル22・・・(・
・・は複数個を示す。以下同様。)と、スプレーノズル2
2・・・を支えるヘッダ23・・・と、これらのヘッダ23・・
・を支える支柱24と、この支柱24を支える台車25
と、噴射後の冷却剤を集める集水パン26と、冷却剤を
加圧してフレキシブルホース27を介して支柱24へ送
るポンプ28と、支柱24へエアを送るコンプレッサ2
9と、矯正機構30とからなる。すなわち、支柱24は
冷却剤及びエアの導管を兼ねる部材である。
【0014】矯正機構30は、カムシャフト1のジャー
ナル部を受けさせるべくフレーム21に立てた受け台3
1・・・と、これらの受け台31・・・の上方に対向配置した
拘束爪32・・・と、これらの拘束爪32・・・を支える昇降
フレーム33と、この昇降フレーム33を昇降させる油
圧シリンダ34と、前記受け台31・・・並びに拘束爪3
2・・・へエアを供給するエアホース36,37とからな
る。
【0015】17は置き台、18はローダ、19はアン
ローダであり、切断機を出たカムシャフト1を置き台1
7に仮置きし、このカムシャフト1をローダ18で焼入
れ機20へ移載し、焼入れ後、台車25にてスプレーノ
ズル22・・・などを想像線で示す位置へ待避させ、アン
ローダ19で焼入れ機20からカムシャフト1を取り出
す。
【0016】図4は図3の4部拡大図であり、受け台3
1に冷却剤通路41を開け、この冷却剤通路41の出口
にポーラスブロック42と称する多孔性メタル又は多孔
性セラミックスを嵌め、このポーラスブロック42をカ
ムシャフト1のジャーナル部2bに接触させるようにし
たものである。ポーラスブロック42は、多孔質体であ
るから冷却剤(エア、又はエアと水混合ミストが好適)
を適度に分散させ、マイルドな流れの冷却剤をジャーナ
ル部2bに当てる作用をなす。43・・・はサイドマスク
であり、冷却剤がカム部3a,3e側へ流れ出ないよう
にする遮蔽板である。サイドマスク43,43が無けれ
ば、冷却剤がカム部3a,3eに当り、それらを冷却す
ることになり、カム部3a,3eは焼入れ可能な温度よ
り低温になることがある。この不都合をサイドマスク4
3,43で防止する。サイドマスク43はリンク44で
移動させることができる。
【0017】同様に拘束爪32にも、冷却剤通路41、
ポーラスブロック42、サイドマスク43,43、リン
ク44,44を備える。
【0018】図5は図4の5−5線断面図であり、ポー
ラスプロック42の上面又は下面を湾曲面45とし、こ
の湾曲面45をジャーナル部2bに密に当てたことを示
す。なお、冷却剤通路41は図の様に複数の分配路41
a・・・に分岐して平均的にポーラスプラグ42に臨ませ
るようにした。冷却剤通路41の分岐とポーラスプラグ
42の分散作用とで、冷却剤が適度に分散し、ジャーナ
ル部2bをより均一に冷却することができるからであ
る。ただし、冷却剤がエアなどの気体である場合は、自
己分散性が高いので、ポーラスプラグ42を省略して、
冷却剤通路41を分配路41a・・・に分岐するだけでも
よい。
【0019】図6は図4の6−6線断面図であり、サイ
ドマスク43には冷却剤排出通路46,46を設けるこ
とを示す。
【0020】冷却剤排出通路46が無ければ、図5のポ
ーラスブロック42を通じてジャーナル部2bに吹き付
けた冷却剤は行き場を求めて図6のカム部3aに向うこ
とになり、カム部3aの温度が下がるという不都合が発
生する。そこで、冷却剤を冷却剤排出通路46・・・にて
上又は下へ排出すれば、その心配は無くなる。従って、
冷却剤排出通路46・・・を設けることはより好ましい。
しかし、サイドマスク43は冷却剤排出通路46,46
の有無に関係なく、冷却剤の遮断効果は大きいので、冷
却剤排出通路46,46を設けるか否かは自由である。
【0021】図7はスプレーノズルの配置図であり、カ
ム部3a〜3eを満遍なく冷却するために、1周当り9
0°ピッチで4個配置したスプレーノズル22・・・で、
冷却剤をカム部3a〜3eに吹き付けている様子を示
す。なお、このスプレーノズル22は、エア・アトマイ
ジング式ミストノズルであり、水等の液体冷却剤を空気
で霧(ミスト)化する形式のもので、液体と空気の割合
を替えることにより、冷却速度を変更することができ
る。具体的には液体を多くすれば冷却速度は大きくな
り、空気を多くすれば冷却速度が小さくなる。
【0022】以上の構成からなる矯正機構付き焼入れ機
を中心とした本発明技術の作用を次に説明する。図8は
本発明に係る金型鋳造品の熱処理フロー図である。ST
××はステップ番号を示す。 ST01:金型を型組みする。 ST02:前記表で説明した実施例相当の材料成分の溶
湯を金型へ注入する。 ST03:湯は金型に接触した表層が最初に金型で冷却
されることになり、1150〜1200℃で凝固が始ま
り、内部は未強固層のままであるが、表層は殻状の凝固
層となる。凝固層の厚さは時間とともに増加(成長)す
るので、凝固層が破れない程度まで成長させる。この時
間を管理する。 ST04:所定時間が経過したら金型を分割して、鋳造
品を取出す。 ST05:迅速に、湯道、鋳ばりなどを切除する。 ST06:鋳造品に矯正・予備冷却を施す。このST0
6を以下に詳しく説明する。
【0023】図9(a),(b)は本発明の予備冷却要
領図であり、先ず(a)に示すとおり、ジャーナル部2
a,2bを受け台31,31に載せ、矯正爪32,32
で強く抑えることで、離型歪を矯正する。そして、冷却
剤通路41・・・を介してエアをジャーナル部2a,2b
に向って矢印のごとく流して、ジャーナル部2a,2b
を強制冷却する。サイドマスク43・・・の遮断作用でエ
アが脇へ漏れる心配はない。このときにはスプレーノズ
ル22・・・からの噴射は行わない。(b)に示すとお
り、ポーラスブロック42で適度に分散されたエアでジ
ャーナル部2aをソフトに冷却する。図示せぬ他のジャ
ーナル部2b〜2dも同様である。
【0024】図10は本発明に係るカムシャフトの冷却
曲線図であり、横軸は時間、縦軸は温度、実線グラフは
ジャーナル部表面温度、破線グラフはカム部表面温度を
示す。縦軸上のA1は変態点であり、Si成分が3.3
7〜4.34%であれば、780〜800℃となる。ま
た、Msはマルテンサイトスタート点であり、約180
℃である。P0点で予備冷却を開始し、次にエアで強制
冷却することでジャーナル部がA1点を下回ったP1点に
達したら予備冷却を終了する。一方、カム部は自然冷却
のためP2点では僅かに温度低下するもののA1よりは十
分に高温の領域にある。
【0025】図8に戻って、ST07で矯正・焼入れを
施す。ここでの矯正は、離型歪を矯正すると共に、急冷
により発生する変形を抑えるものである。焼入れ作用を
図面で具体的に説明する。
【0026】図11は本発明の矯正・焼入れ要領図であ
り、カムシャフト1を受け台31,31及び矯正爪3
2,32で拘束し、バルブ47・・・を閉じることによ
り、受け台31,31及び矯正爪32,32へのエアの
供給を停止し、代りにスプレーノズル22・・・からミス
ト状の冷却剤をカム部3a〜3eへ噴射して、急冷す
る。冷却開始時点におけるカム部表面の温度は、A1
(780〜800℃)以上である。スプレーノズル22
へは例えば、2〜4kgf/cm2の圧縮空気と、4〜
5kgf/cm2で180〜400(リットル/時間)
の水とを供給して、冷却開始時点で120℃/秒の冷却
速度を得るようにした。
【0027】図10に戻って、カム部はA1(780〜
800℃)より上のP2点から、急激に冷却され、Ms
(約180℃)点を通過し、その時からオーステナイト
がマルテンサイトに変化する。これでカム部に焼きが入
り始める。なお、内部はカム部に比べて冷却が遅れるた
め高温である。
【0028】また、ジャーナル部はA1より下のP1から
冷却が始まるため、焼きが入ることはない。Ms点を通
過しなければなおのことである。すなわち、本発明の特
徴の一つは焼きを入れたくないジャーナル部を、予備冷
却工程で強制的にA1点以下にして、焼入れを防止した
ことを特徴とする。この処理により、仮にジャーナル部
がMs点以下になっても焼きが入る心配はない。
【0029】図8に戻って、ST08にて自己焼戻し処
理を行う。具体的には図10において、カム部がMs点
以下になったところのP3点で、前記冷却を停止する。
すると高温である内部並びにジャーナル部から熱(残
熱)がカム部に伝わり、カム部は低温焼戻温度以上に昇
温する。これで、カム部は焼鈍されることとなる。この
様にワーク自身の残熱を利用して焼戻しすることを自己
焼戻しという。
【0030】図12は本発明で得た焼入れ硬度グラフで
あり、横軸は噴射時間、縦軸はHRC(ロックウエル硬
度−Cスケール)を示し、本発明では目標硬度が52で
あり、上記スプレーノズルの配置及び仕様において噴射
時間を15秒以上にすれば、目標硬度が得られることが
確認できた。そこで、5秒の余裕を見込んだ20秒の時
点で噴射を停止し、残熱による自己焼戻しを実行する。
この噴射停止時間はワークの形状、寸法、冷却剤の噴射
量などを考慮し、適宜、変更すべきものであって20秒
に限るものではない。
【0031】尚、本発明方法で処理可能な金型鋳造品
は、カムシャフト、ロッカアーム、ナックルアームなど
の自動車部品又は同等の鉄系部品である。また、図2の
切断機12の配置位置を変更し、図5のST05(切断
工程)を別のステップに移すことは自由である。
【0032】請求項1では、焼入れ工程で浸漬若しくは
冷却剤を全体的に吹き付けることにより、全面焼入れす
る。従って、ワークはカムシャフトに限らず、鉄系部品
であればよい。請求項2では、ワークに焼入れ部分と非
焼入れ部分とを形成できるので、カム部に焼きを入れ、
ジャーナル部は非焼き入れするごとくにカムシャフト若
しくは同等品に好適である。そして、請求項1,2とも
に予備冷却や焼入れ時矯正は必ずしも必要ではない。
【0033】
【発明の効果】本発明は上記構成により次の効果を発揮
する。請求項1によれば、第1に離型直後の保有熱を利
用して、焼入れを実施するものであり、焼入れのための
加熱を省略することができる。焼入炉まで運搬する工程
が不要となるので、工程数の削減が図れる。第2に、内
部の残熱を利用して、低温焼戻しを実施するものであ
り、焼戻しのための加熱を省略することができる。焼戻
炉まで運搬する工程が不要となるので、工程数の削減が
図れる。即ち、従来は3ヒート(溶解加熱、焼入加熱、
焼戻加熱)必要であったものが、本発明によれば1ヒー
ト(溶解加熱)ですませることができ、大幅な省エネル
ギー化が達成できる。
【0034】請求項2は、請求項1と同様に、省エネル
ギー並びに工程数の削減が図れるとともに、鋳造品に焼
入れ部分と非焼入れ部分とを形成することができ、焼入
れ部分では耐摩耗性及びタフネス、非焼入れ部分では柔
軟性を付与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る鋳造品の全体図
【図2】本発明に係る熱処理設備レイアウト図
【図3】本発明に係る矯正機構付き焼入れ機の原理図
【図4】図3の4部拡大図
【図5】図4の5−5線断面図
【図6】図4の6−6線断面図
【図7】スプレーノズルの配置図
【図8】本発明に係る金型鋳造品の熱処理フロー図
【図9】本発明の予備冷却要領図
【図10】本発明に係るカムシャフトの冷却曲線図
【図11】本発明の矯正・焼入れ要領図
【図12】本発明で得た焼入れ硬度グラフ
【符号の説明】
1…金型鋳造品(カムシャフト)、2a〜2e…ジャー
ナル部、3a〜3e…カム部、10…設備、11…金型
鋳造機、20…矯正機構付き焼入れ機、22…スプレー
ノズル、30…矯正機構、31…受け台、32…拘束
爪、41…冷却剤通路、42…ポーラスブロック、43
…サイドマスク。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成10年6月30日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0023
【補正方法】変更
【補正内容】
【0023】図9(a),(b)は本発明の予備冷却要
領図であり、先ず(a)に示すとおり、ジャーナル部2
a,2bを受け台31,31に載せ、拘束爪32,32
で強く抑えることで、離型歪を矯正する。そして、冷却
剤通路41・・・を介してエアをジャーナル部2a,2b
に向って矢印のごとく流して、ジャーナル部2a,2b
を強制冷却する。サイドマスク43・・・の遮断作用でエ
アが脇へ漏れる心配はない。このときにはスプレーノズ
ル22・・・からの噴射は行わない。(b)に示すとお
り、ポーラスブロック42で適度に分散されたエアでジ
ャーナル部2aをソフトに冷却する。図示せぬ他のジャ
ーナル部2b〜2dも同様である。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】変更
【補正内容】
【0026】図11は本発明の矯正・焼入れ要領図であ
り、カムシャフト1を受け台31,31及び拘束爪3
2,32で拘束し、バルブ47・・・を閉じることによ
り、受け台31,31及び拘束爪32,32へのエアの
供給を停止し、代りにスプレーノズル22・・・からミス
ト状の冷却剤をカム部3a〜3eへ噴射して、急冷す
る。冷却開始時点におけるカム部表面の温度は、A1
(780〜800℃)以上である。スプレーノズル22
へは例えば、2〜4kgf/cm2の圧縮空気と、4〜
5kgf/cm2で180〜400(リットル/時間)
の水とを供給して、冷却開始時点で120℃/秒の冷却
速度を得るようにした。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C21D 9/30 C21D 9/30 A

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉄系部品のための溶湯を金型に注入する
    工程と、金型に接する鋳造品の表層が焼入れ可能な温度
    範囲で且つ殻状の凝固層になったときに離型する工程
    と、外した鋳造品に冷却剤を吹きつける若しくは冷却剤
    に浸漬することで実施する焼入工程と、鋳造品の表面が
    Ms点以下になり内部が十分に高温の状態で前記冷却を
    止めて残熱で低温焼戻しを実行する自己焼戻工程と、か
    らなる金型鋳造品の熱処理方法。
  2. 【請求項2】 鉄系部品のための溶湯を金型に注入する
    工程と、金型に接する鋳造品の表層が焼入れ可能な温度
    範囲で且つ殻状の凝固層になったときに離型する工程
    と、外した鋳造品の硬度を必要とする部分に局部的に冷
    却剤を吹きつけることで実施する部分焼入工程と、鋳造
    品の表面がMs点以下になり冷却剤を吹きつけない部分
    並びに内部が十分に高温の状態で前記冷却を止めて、冷
    却剤を吹きつけない部分並びに内部の残熱で焼入れ部分
    の低温焼戻しを実行する自己焼戻工程と、からなる金型
    鋳造品の熱処理方法。
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