JP2000063937A - 金型鋳造品の熱処理方法 - Google Patents

金型鋳造品の熱処理方法

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JP2000063937A
JP2000063937A JP10232160A JP23216098A JP2000063937A JP 2000063937 A JP2000063937 A JP 2000063937A JP 10232160 A JP10232160 A JP 10232160A JP 23216098 A JP23216098 A JP 23216098A JP 2000063937 A JP2000063937 A JP 2000063937A
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mold
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Nobuki Matsuo
伸樹 松尾
Toshiaki Onuma
俊明 大沼
Tomotaka Takahashi
知貴 高橋
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Honda Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 P0〜P2の間、すなわち離型後の鋳造
品を拘束して形状を矯正する。ここではワークは十分に
高温であり軟らかく、形状矯正は容易である。P2〜P
3の間は、拘束と非拘束とを交互に繰り返しつつ強制冷
却する。この拘束と非拘束とを交互に繰り返すことを、
間欠拘束ともいう。例えば拘束は2秒、非拘束は0.5
秒とし、P2〜P3の所要時間を10秒とすれば拘束と
非拘束とを4回繰り返す。拘束で変形を抑えるので曲り
を防止でき、非拘束で収縮を許容するため割れの発生を
未然に防ぐことができる。P3以降では、非拘束にす
る。 【効果】 焼入れ中は、拘束と非拘束とを交互に繰り返
し、拘束で変形を抑えるので曲りを防止でき、非拘束で
収縮を許容するため割れの発生を未然に防ぐことができ
る。従って、形状良好で割れのない鋳造品を製造するこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は金型鋳造品、特にカ
ムシャフトに好適な熱処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】カムシャフトなどのワークを金型鋳造法
で製造する技術には、例えば特公平5−45347号公
報「金型鋳造法および金型鋳造装置」がある。この鋳造
法は、注湯後、金型に接する鋳物の表層を急冷し、表層
が殻状の凝固層になったら離型するというものである。
又、カムシャフトを高周波加熱法等で焼入れ温度まで加
熱し、冷却剤に浸漬する若しくは冷却剤を噴射すること
で、焼入れすることは知られている。省エネルギーの点
から、上記公報の技術で製造した鋳造品を、直ちに冷却
剤で強制冷却することは望ましいことである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、ワークがカム
シャフトのように細長いものであれば、曲りやすい。そ
こで、ワークを適当な治具で拘束しながら、急冷する方
法が考えられる。しかしながら、細長いワークは急冷に
よって大きく収縮するため、治具で拘束するとこの収縮
を妨げることになり、ワークは割れる虞れがある。そこ
で、本発明の目的は、ワークの割れを防止しつつ、強制
冷却することのできる技術を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1は、鉄系部品のための溶湯を金型に注入し、
金型に接する鋳造品の表層が焼入れ可能な温度範囲で且
つ殻状の凝固層になったときに離型し、冷却剤を吹きつ
ける若しくは冷却剤に浸漬することで急冷する熱処理方
法において、離型後に鋳造品を拘束して形状を矯正し、
冷却剤を吹きつける若しくは冷却剤に浸漬するときか
ら、拘束と非拘束とを交互に繰り返しつつ強制冷却する
ことを特徴とする。
【0005】先ず、離型直後の保有熱を利用して、焼入
れを実施するものであり、焼入れのための加熱(ヒー
ト)を省略することができる。焼入炉まで運搬する工程
が不要となるので、工程数の削減が図れる。焼入れ開始
前に鋳造品の形状を矯正するので、形状の良好なワーク
を対象に焼入れを進めることができる。焼入れ中は、拘
束と非拘束とを交互に繰り返し、拘束で変形を抑えるの
で曲りを防止でき、非拘束で収縮を許容するため割れの
発生を未然に防ぐことができる。
【0006】請求項2は、拘束と非拘束との繰り返しは
マルテンサイト変態開始温度に到達するまでとし、それ
以降は非拘束にする。マルテンサイト変態開始温度は約
180℃であって、以降の熱変形は微小であるから、拘
束する必要はない。また、マルテンサイト変態開始温度
以下でオーステナイトがマルテンサイトに変態し、冶金
的な膨張が始まる。従って、非拘束にすることで、この
変態膨張を妨げないようにする。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を添付図に基
づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見る
ものとする。図1は本発明に係る鋳造品の全体図であ
り、金型鋳造品をカムシャフトを例に説明する。金型鋳
造品としてのカムシャフト1は、複数のジャーナル部2
a〜2eと、隣同士のジャーナル部、例えばジャーナル
部2a,2b間に形成した5個のカム部3a〜3dとか
らなり、ジャーナル部2b,2c間並びにジャーナル部
2c,2d間も同様であるところの、3気筒対応カムシ
ャフトである。
【0008】鋳造品の材料成分を次表で実施例として示
す。比較例は金属便覧(日本金属学会編、改訂第5版、
第596頁)に記載されている標準の化学組成である。
表中、Snはずす、Biはビスマスである。
【0009】
【表1】
【0010】球状黒鉛鋳鉄は、鋳鉄にMg(マグネシウ
ム)を添加することにより、黒鉛を球状化した鋳鉄であ
り、実施例では0.01〜0.03%のMgを含む。更
に比較例に比べて、実施例ではSi(珪素)成分を1.
5〜2.0倍にしたことを特徴とする。Siを増やした
ことにより、非焼入れ部分の硬度が小さくなり、ドリ
ル、旋盤による機械加工が容易となるからである。
【0011】図2は本発明に係る熱処理設備レイアウト
図であり、設備10は、金型鋳造機11と、切断機12
と、矯正機構付き焼入れ機20と、焼戻し炉14からな
り、金型鋳造機11において、鉄系部品のための溶湯を
金型に注入する工程と、金型に接する鋳造品の表層が焼
入れ可能な温度範囲で且つ殻状の凝固層になったときに
離型する工程とを実行する。矯正機構付き焼入れ機20
は次図で詳細な構造を説明するが、金型から外した鋳造
品に全面的若しくは部分的に冷却剤を吹きつける若しく
は冷却剤に浸漬することで全面若しくは局部焼入れを行
う設備である。その後、焼戻し炉14で焼戻し処理して
鋳造品の靱性等を高める。
【0012】図3は本発明に係る矯正機構付き焼入れ機
の原理図であり、矯正機構付き焼入れ機20は、フレー
ム21と、冷却剤を噴射するスプレーノズル22・・・(・
・・は複数個を示す。以下同様。)と、スプレーノズル2
2・・・を支えるヘッダ23・・・と、これらのヘッダ23・・
・を支える支柱24と、この支柱24を支える台車25
と、噴射後の冷却剤を集める集水パン26と、冷却剤を
加圧してフレキシブルホース27を介して支柱24へ送
るポンプ28と、支柱24へエアを送るコンプレッサ2
9と、矯正機構30とからなる。すなわち、支柱24は
冷却剤及びエアの導管を兼ねる部材である。
【0013】矯正機構30は、カムシャフト1のジャー
ナル部を受けさせるべくフレーム21に立てた受け台3
1・・・と、これらの受け台31・・・の上方に対向配置した
拘束爪32・・・と、これらの拘束爪32・・・を支える昇降
フレーム33と、この昇降フレーム33を昇降させる油
圧シリンダ34と、前記受け台31・・・並びに拘束爪3
2・・・へエアを供給するエアホース36,37とからな
る。
【0014】17は置き台、18はローダ、19はアン
ローダであり、切断機を出たカムシャフト1を置き台1
7に仮置きし、このカムシャフト1をローダ18で焼入
れ機20へ移載し、焼入れ後、台車25にてスプレーノ
ズル22・・・などを想像線で示す位置へ待避させ、アン
ローダ19で焼入れ機20からカムシャフト1を取り出
す。
【0015】図4は図3の4部拡大図であり、受け台3
1に冷却剤通路41を開け、この冷却剤通路41の出口
にポーラスブロック42と称する多孔性メタル又は多孔
性セラミックスを嵌め、このポーラスブロック42をカ
ムシャフト1のジャーナル部2bに接触させるようにし
たものである。ポーラスブロック42は、多孔質体であ
るから冷却剤(エア、又はエアと水混合ミストが好適)
を適度に分散させ、マイルドな流れの冷却剤をジャーナ
ル部2bに当てる作用をなす。43・・・はサイドマスク
であり、冷却剤がカム部3a,3e側へ流れ出ないよう
にする遮蔽板である。サイドマスク43,43が無けれ
ば、冷却剤がカム部3a,3eに当り、それらを冷却す
ることになり、カム部3a,3eは焼入れ可能な温度よ
り低温になることがある。この不都合をサイドマスク4
3,43で防止する。サイドマスク43はリンク44で
移動させることができる。
【0016】同様に拘束爪32にも、冷却剤通路41、
ポーラスブロック42、サイドマスク43,43、リン
ク44,44を備える。
【0017】図5は図4の5−5線断面図であり、ポー
ラスプロック42の上面又は下面を湾曲面45とし、こ
の湾曲面45をジャーナル部2bに密に当てたことを示
す。なお、冷却剤通路41は図の様に複数の分配路41
a・・・に分岐して平均的にポーラスプラグ42に臨ませ
るようにした。冷却剤通路41の分岐とポーラスプラグ
42の分散作用とで、冷却剤が適度に分散し、ジャーナ
ル部2bをより均一に冷却することができるからであ
る。ただし、冷却剤がエアなどの気体である場合は、自
己分散性が高いので、ポーラスプラグ42を省略して、
冷却剤通路41を分配路41a・・・に分岐するだけでも
よい。
【0018】図6は図4の6−6線断面図であり、サイ
ドマスク43には冷却剤排出通路46,46を設けるこ
とを示す。
【0019】冷却剤排出通路46が無ければ、図5のポ
ーラスブロック42を通じてジャーナル部2bに吹き付
けた冷却剤は行き場を求めて図6のカム部3aに向うこ
とになり、カム部3aの温度が下がるという不都合が発
生する。そこで、冷却剤を冷却剤排出通路46・・・にて
上又は下へ排出すれば、その心配は無くなる。従って、
冷却剤排出通路46・・・を設けることはより好ましい。
しかし、サイドマスク43は冷却剤排出通路46,46
の有無に関係なく、冷却剤の遮断効果は大きいので、冷
却剤排出通路46,46を設けるか否かは自由である。
【0020】図7はスプレーノズルの配置図であり、カ
ム部3a〜3eを満遍なく冷却するために、1周当り9
0°ピッチで4個配置したスプレーノズル22・・・で、
冷却剤をカム部3a〜3eに吹き付けている様子を示
す。なお、このスプレーノズル22は、エア・アトマイ
ジング式ミストノズルであり、水等の液体冷却剤を空気
で霧(ミスト)化する形式のもので、液体と空気の割合
を替えることにより、冷却速度を変更することができ
る。具体的には液体を多くすれば冷却速度は大きくな
り、空気を多くすれば冷却速度が小さくなる。
【0021】以上の構成からなる矯正機構付き焼入れ機
を中心とした本発明技術の作用を次に説明する。図8は
本発明に係る金型鋳造品の熱処理フロー図である。ST
××はステップ番号を示す。 ST01:金型を型組みする。 ST02:前記表で説明した実施例相当の材料成分の溶
湯を金型へ注入する。 ST03:湯は金型に接触した表層が最初に金型で冷却
されることになり、1150〜1200℃で凝固が始ま
り、内部は未強固層のままであるが、表層は殻状の凝固
層となる。凝固層の厚さは時間とともに増加(成長)す
るので、凝固層が破れない程度まで成長させる。この時
間を管理する。 ST04:所定時間が経過したら金型を分割して、鋳造
品を取出す。 ST05:迅速に、湯道、鋳ばりなどを切除する。 ST06:鋳造品に矯正・予備冷却を施す。このST0
6を以下に詳しく説明する。
【0022】図9(a),(b)は本発明の予備冷却要
領図であり、先ず(a)に示すとおり、ジャーナル部2
a,2bを受け台31,31に載せ、拘束爪32,32
で強く抑えることで、離型歪を矯正する。そして、冷却
剤通路41・・・を介してエアをジャーナル部2a,2b
に向って矢印のごとく流して、ジャーナル部2a,2b
を強制冷却する。サイドマスク43・・・の遮断作用でエ
アが脇へ漏れる心配はない。このときにはスプレーノズ
ル22・・・からの噴射は行わない。(b)に示すとお
り、ポーラスブロック42で適度に分散されたエアでジ
ャーナル部2aをソフトに冷却する。図示せぬ他のジャ
ーナル部2b〜2dも同様である。
【0023】図10は本発明に係るカムシャフトの冷却
曲線図であり、横軸は時間、縦軸は温度、実線グラフは
ジャーナル部表面温度、破線グラフはカム部表面温度を
示す。縦軸上のA1は変態点であり、Si成分が3.3
7〜4.34%であれば、780〜800℃となる。ま
た、Msはマルテンサイトスタート点であり、約180
℃である。P0点で予備冷却を開始し、次にエアで強制
冷却することでジャーナル部がA1点を下回ったP1点に
達したら予備冷却を終了する。一方、カム部は自然冷却
のためP2点では僅かに温度低下するもののA1よりは十
分に高温の領域にある。
【0024】図8に戻って、ST07で矯正・焼入れを
施す。ここでの矯正は、離型歪を矯正すると共に、急冷
により発生する変形を抑えるものである。焼入れ作用を
図面で具体的に説明する。
【0025】図11は本発明の矯正・焼入れ要領図であ
り、カムシャフト1を受け台31,31及び拘束爪3
2,32で拘束し、バルブ47・・・を閉じることによ
り、受け台31,31及び拘束爪32,32へのエアの
供給を停止し、代りにスプレーノズル22・・・からミス
ト状の冷却剤をカム部3a〜3eへ噴射して、急冷す
る。冷却開始時点におけるカム部表面の温度は、A1
(780〜800℃)以上である。スプレーノズル22
へは例えば、2〜4kgf/cm2の圧縮空気と、4〜
5kgf/cm2で180〜400(リットル/時間)
の水とを供給して、冷却開始時点で120℃/秒の冷却
速度を得るようにした。
【0026】図12は本発明の拘束、間欠拘束及び非拘
束要領図であり、横軸は時間、縦軸は温度、曲線はカム
部の温度を示す。曲線上のP2は強制冷却開始点、P3
はマルテンサイト変態開始温度(Ms点)との交点であ
る。本発明では、P0〜P2の間、すなわち離型後の鋳
造品を拘束して形状を矯正する。ここではワークは十分
に高温であり軟らかく、形状矯正は容易である。
【0027】P2〜P3の間は、拘束と非拘束とを交互
に繰り返しつつ強制冷却する。この拘束と非拘束とを交
互に繰り返すことを、間欠拘束ともいう。例えば拘束は
2秒、非拘束は0.5秒とし、P2〜P3の所要時間を
10秒とすれば拘束と非拘束とを4回繰り返す。拘束で
変形を抑えるので曲りを防止でき、非拘束で収縮を許容
するため割れの発生を未然に防ぐことができる。
【0028】P3以降では、非拘束にする。マルテンサ
イト変態開始温度は約180℃であって、以降の熱変形
は微小であるから、拘束する必要はない。また、マルテ
ンサイト変態開始温度以下でオーステナイトがマルテン
サイトに変態し、冶金的な膨張が始まる。従って、非拘
束にすることで、この変態膨張を妨げないようにする。
これで、割れのない良質な鋳造品を得ることができる。
【0029】図10に戻って、カム部はA1(780〜
800℃)より上のP2点から、急激に冷却され、Ms
(約180℃)点を通過し、その時からオーステナイト
がマルテンサイトに変化する。これでカム部に焼きが入
り始める。一方、ジャーナル部はA1より下のP1から冷
却が始まるため、焼きが入ることはない。Ms点を通過
しなければなおのことである。すなわち、本発明の特徴
の一つは焼きを入れたくないジャーナル部を、予備冷却
工程で強制的にA1点以下にして、焼入れを防止したこ
とを特徴とする。この処理により、仮にジャーナル部が
Ms点以下になっても焼きが入る心配はない。
【0030】図8に戻って、ST08にて焼戻し処理を
行えばよい。焼戻しは焼入れに付随する熱処理であり、
靱性を高めるために適宜実施すればよいものである。
【0031】図13は本発明で得た焼入れ硬度グラフで
あり、横軸は噴射時間、縦軸はHRC(ロックウエル硬
度−Cスケール)を示し、本発明では目標硬度が52で
あり、上記スプレーノズルの配置及び仕様において噴射
時間を15秒以上にすれば、目標硬度が得られることが
確認できた。
【0032】尚、本発明方法で処理可能な金型鋳造品
は、カムシャフト、ロッカアーム、ナックルアームなど
の自動車部品又は同等の鉄系部品である。また、図2の
切断機12の配置位置を変更し、図5のST05(切断
工程)を別のステップに移すことは自由である。
【0033】
【発明の効果】本発明は上記構成により次の効果を発揮
する。請求項1によれば、離型直後の保有熱を利用し
て、焼入れを実施するものであり、焼入れのための加熱
(ヒート)を省略することができる。焼入炉まで運搬す
る工程が不要となるので、工程数の削減が図れる。そし
て、焼入れ開始前に鋳造品の形状を矯正するので、形状
の良好なワークを対象に焼入れを進めることができる。
さらには、焼入れ中は、拘束と非拘束とを交互に繰り返
し、拘束で変形を抑えるので曲りを防止でき、非拘束で
収縮を許容するため割れの発生を未然に防ぐことができ
る。従って、請求項1によれば、形状良好で割れのない
鋳造品を製造することができる。
【0034】請求項2は、拘束と非拘束との繰り返しは
マルテンサイト変態開始温度に到達するまでとし、それ
以降は非拘束にしたことを特徴とし、マルテンサイト変
態開始温度は約180℃であって、以降の熱変形は微小
であるから、拘束する必要はない。さらには、マルテン
サイト変態開始温度以下でオーステナイトがマルテンサ
イトに変態し、冶金的な膨張が始まる。従って、非拘束
にすることで、この変態膨張を妨げないようにする。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る鋳造品の全体図
【図2】本発明に係る熱処理設備レイアウト図
【図3】本発明に係る矯正機構付き焼入れ機の原理図
【図4】図3の4部拡大図
【図5】図4の5−5線断面図
【図6】図4の6−6線断面図
【図7】スプレーノズルの配置図
【図8】本発明に係る金型鋳造品の熱処理フロー図
【図9】本発明の予備冷却要領図
【図10】本発明に係るカムシャフトの冷却曲線図
【図11】本発明の矯正・焼入れ要領図
【図12】本発明の拘束、間欠拘束及び非拘束要領図
【図13】本発明で得た焼入れ硬度グラフ
【符号の説明】
1…金型鋳造品(カムシャフト)、2a〜2e…ジャー
ナル部、3a〜3e…カム部、10…設備、11…金型
鋳造機、20…矯正機構付き焼入れ機、22…スプレー
ノズル、30…矯正機構、31…受け台、32…拘束
爪、41…冷却剤通路、42…ポーラスブロック、43
…サイドマスク。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高橋 知貴 埼玉県狭山市新狭山1丁目10番地1 ホン ダエンジニアリング株式会社内 Fターム(参考) 4K042 AA17 BA10 BA13 CA05 CA08 CA17 DA01 DA02 DD02 DE02 DE07 DF01

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉄系部品のための溶湯を金型に注入し、
    金型に接する鋳造品の表層が焼入れ可能な温度範囲で且
    つ殻状の凝固層になったときに離型し、冷却剤を吹きつ
    ける若しくは冷却剤に浸漬することで急冷する熱処理方
    法において、前記離型後に鋳造品を拘束して形状を矯正
    し、冷却剤を吹きつける若しくは冷却剤に浸漬するとき
    から、拘束と非拘束とを交互に繰り返しつつ強制冷却す
    ることを特徴とした金型鋳造品の熱処理方法。
  2. 【請求項2】 前記拘束と非拘束との繰り返しはマルテ
    ンサイト変態開始温度に到達するまでとし、それ以降は
    非拘束にすることを特徴とした請求項1記載の金型鋳造
    品の熱処理方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007088825A1 (ja) * 2006-02-01 2007-08-09 Honda Motor Co., Ltd. 高周波焼入れ方法
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