JPH11349687A - 粒子状含水ゲル状重合体および吸水性樹脂の製造方法 - Google Patents
粒子状含水ゲル状重合体および吸水性樹脂の製造方法Info
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- JPH11349687A JPH11349687A JP11100258A JP10025899A JPH11349687A JP H11349687 A JPH11349687 A JP H11349687A JP 11100258 A JP11100258 A JP 11100258A JP 10025899 A JP10025899 A JP 10025899A JP H11349687 A JPH11349687 A JP H11349687A
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Abstract
ゲル状重合体と、高品質の吸水性樹脂を効率よく製造す
る吸水性樹脂の製造方法とを提供する。 【解決手段】 本発明にかかる粒子状含水ゲル状重合体
は、水溶性エチレン性不飽和モノマーを重合した後、粉
砕し、好ましくは分級した後に得られるものであって、
その平均粒径が0.8〜5mmの範囲内であり、かつ、
粒径分布が対数標準偏差値σζで1.5以下となってい
る。これによって、従来よりも非常に良好な乾燥が可能
となり、この粒子状含水ゲル状重合体を乾燥することに
より、高品質な吸水性樹脂を効率よく製造することがで
きる。
Description
の材料として好適に用いられる粒子状含水ゲル状重合体
と、この粒子状含水ゲル状重合体を乾燥することによっ
て吸水速度や吸水倍率に優れた吸水性樹脂を効率よく製
造する方法とに関するものである。
重合することにより、吸水性重合体として、含水ゲル状
重合体(以下、単に含水ゲルとする)が得られることは
よく知られている。この含水ゲルは、半固体状で弾性に
富むゲル状物として得られるもので、これを乾燥して粉
末状態とすることにより吸水性樹脂、すなわち吸水剤と
して使用する。
粒子の凝集体として得られることが多い。このような含
水ゲルをそのまま乾燥すると乾燥効率が低下するため、
通常、一旦、ニーダーやミートチョッパーなどの粉砕機
を用いて所定の範囲内の大きさの粒子に粉砕し、その
後、乾燥するというプロセスを経る。
含水ゲルの粒子の粒径分布についてはあまり考慮され
ず、含水ゲルを単に細かく砕くことがなされているだけ
であった。そのため、得られる粒子状の含水ゲルは、様
々な大きさの粒子の混合物となり、その粒径分布は非常
に広くなる。このように、粒子状の含水ゲルの粒径分布
が広くなると含水ゲルの乾燥が均一に行われなくなる。
一定ではないと、乾燥工程では、小さい粒子は先に乾燥
されて、含水ゲルの乾燥物となるが、大きな粒子は、小
さい粒子ほどには迅速に乾燥されない。そのため、小さ
い粒子を基準として乾燥を行うと、大きな粒子が未乾燥
物として残存することになり、乾燥後の粉砕工程など
で、未乾燥物が粉砕機に付着して粉砕を妨げるなどの不
都合を招来することになる。また、未乾燥物が最終製品
である吸水性樹脂に混入すると、吸水性樹脂の物性を低
下させることになる。
燥を行うと、この大きな粒子が完全に乾燥するまでに非
常に長時間を要することになるとともに、この長時間の
乾燥の間に、小さい粒子が過乾燥してしまうという不都
合が生じる。それゆえ、吸水性樹脂の製造を効率的に行
うことができなくなる上に、過乾燥の粒子が最終製品で
ある吸水性樹脂に混入するため、やはり吸水性樹脂の物
性を低下させることになる。
ッパーで粉砕すると、その粉砕に伴って含水ゲルが練ら
れてしまう。そのため、得られる含水ゲルの一次粒子の
表面に、練りによる凹凸が生じて表面積が大きくなる。
このような表面の凹凸が一次粒子に生じると、該凹凸同
士が非常に絡み合い易くなるため、一次粒子同士が容易
に凝集してしまう。しかも絡み合った凹凸は互いにかみ
合うように接触しているため、凝集した一次粒子を解離
することは非常に困難となる。
を解離させるために、該凝集体に大きな外力を加える
と、一次粒子同士の解離とともに該一次粒子自身が外力
によって粉砕される頻度が非常に高くなる。その結果、
所望のサイズの一次粒子の他に、一次粒子の粉砕に伴う
微粉が大量に発生する。この微粉の発生は、上記一次粒
子からなる吸水性樹脂としての性能を低下させるという
問題点を招来する。また、微粉そのものは吸水性樹脂と
して用いることができないため、吸水性樹脂製造におけ
る歩留りを低下させることになるという問題点も招来す
る。
のであって、その目的は、粉砕後の一次粒子が凝集せ
ず、均一かつ迅速な乾燥が可能であり、特に、乾燥後、
高品質な吸水性樹脂となる粒子状含水ゲル状重合体と、
この粒子状含水ゲル状重合体を用いて高品質の吸水性樹
脂を効率よく製造する吸水性樹脂の製造方法とを提供す
ることにある。
チレン性不飽和モノマーを好ましくは架橋剤の存在下で
重合させた後、粉砕することにより得られる粒子状含水
ゲル重合体が、所定の範囲内の平均粒径を有し、かつ、
粒径分布が所定の対数標準偏差値を有していれば、極め
て良好な乾燥が可能であり、この粒子状含水ゲルを用い
れば、高品質の吸水性樹脂を効率よく製造することがで
きることを見いだし、本発明を完成するに至った。
角状であり、その表面が平滑な面となっていれば、該粒
子状含水ゲル同士の凝集を抑制することが可能であり、
その結果、高品質の吸水性樹脂をより効率的に製造する
ことができることを見出し、本発明を完成するに至っ
た。
含水ゲル状重合体は、上記の課題を解決するために、水
溶性エチレン性不飽和モノマーを重合した後に、少なく
とも粉砕することによって得られる粒子状含水ゲル状重
合体において、平均粒径が0.8〜5mmの範囲内であ
り、かつ、粒径分布が対数標準偏差値σζで1.5以下
となっていることを特徴としている。
ル状重合体の粒子の形状が全体的に非常に均一となるこ
とから、該含水ゲル状重合体を乾燥するに際して、一部
の粒子が先に乾燥したり、あるいは、乾燥しにくくなっ
たりすることがない。それゆえ、従来用いられている乾
燥法を用いても、含水ゲル状重合体を従来よりも均一に
乾燥させることができる。さらに、粒子の形状が均一で
あることから、乾燥時間を大きな粒子にあわせた長い時
間に設定する必要がなく、乾燥時間を短くすることもで
きる。このように、含水ゲル状重合体の粒径分布が揃っ
ているため、従来よりも極めて良好な乾燥が可能とな
る。
重合体は、上記の課題を解決するために、上記請求項1
記載の構成に加えて、さらに、固形分が20〜50%の
範囲内となっていることを特徴としている。
含水ゲル状重合体の含水率が乾燥に最適な範囲内となる
ので、粒子状含水ゲル状重合体の乾燥をより良好に行う
ことができる。
重合体は、上記の課題を解決するために、上記請求項1
または2記載の構成に加えて、さらに、安息角が38°
以下となっていることを特徴としている。
含水ゲル状重合体の粒子同士の間に引っ掛かりなどが生
じにくく、粒子全体の流動性が高まることになる。その
ため、粒子状含水ゲル状重合体は、角状で表面に凹凸が
なく、さらにほぼ透明で全体的に均一な大きさの粒子と
なっている。それゆえ、乾燥をさらに良好に行うことが
できる。
方法は、上記の課題を解決するために、平均粒径が0.
8〜5mmの範囲内であり、かつ、粒径分布が対数標準
偏差値σζで1.5以下となっている粉砕された粒子状
含水ゲル状重合体を乾燥することを特徴としている。
樹脂となる粒子状含水ゲル状重合体の粒径分布が揃って
いるため、乾燥を均一かつ迅速に行うことができる。そ
のため、吸水性樹脂の製造を効率化することができる。
また、過乾燥や未乾燥となる粒子が発生しにくい。その
ため、未乾燥物の発生などに伴う乾燥後の工程で生ずる
不都合を回避することができるとともに、得られる吸水
性樹脂の物性の低下を回避して、高品質の吸水性樹脂を
得ることができる。
重合体は、上記の課題を解決するために、水溶性エチレ
ン性不飽和モノマーを重合した後に、少なくとも粉砕す
ることによって得られる粒子状含水ゲル状重合体におい
て、平均粒径が0.5〜5mmの範囲内であり、かつ、
粒径分布が対数標準偏差値σζで1.5以下となってい
ることを特徴としている。
ゲル状重合体は、上記の課題を解決するために、上記請
求項5記載の構成に加えて、主要な周面が平滑面からな
る略直方体形状を有していることを特徴としている。
ば、粒子状含水ゲル状重合体の形状が全体的に均質であ
るため粒子同士が凝集しにくくなる。そのため、乾燥が
非常に良好に行われるとともに、乾燥工程などにおい
て、粒子同士が凝集して凝集体を構成することが抑制さ
れ、また、凝集体が形成されても、該凝集体に弱い外力
を加えるのみで容易に一次粒子に解離することができ
る。
体を用いて吸水性樹脂を製造すれば、吸水性樹脂として
用いることのできない含水ゲル状重合体の微粉の発生が
抑制される。その結果、高品質の吸水性樹脂を高い歩留
りで得ることができるとともに、微粉の除去や回収など
の負担を軽減し、吸水性樹脂の製造効率を向上させるこ
とができる。
明すれば、以下の通りである。なお、本発明はこれに限
定されるものではない。
は、エチレン性不飽和単量体を、好ましくは微量の架橋
剤の存在下で水溶液重合して含水ゲル状重合体または含
水ゲル状架橋重合体を得、この含水ゲル状重合体または
含水ゲル状架橋重合体を粉砕し、好ましくは分級した後
に得られるものである。この粒子状含水ゲル状重合体は
その平均粒径が、0.5〜5mmの範囲内、または0.
8〜5mmの範囲内となっており、かつ、粒子の粒径分
布が対数標準偏差値σζで1.5以下となっている。
法は、上記粒子状含水ゲル重合体を製造し、この粒子状
含水ゲル状重合体を乾燥させる方法である。
架橋重合体は、以下、まとめて単に含水ゲルと記載す
る。またこれら含水ゲルは特に記載のない限り、全て塊
状または凝集体の含水ゲルを示す。一方、本発明にかか
る含水ゲルは粒子状となっているが、これを、以下、粒
子状含水ゲルと記載し、上記塊状または凝集体の含水ゲ
ルと区別する。
レン性不飽和単量体は、水溶性を有する単量体であり、
具体的には、たとえば、(メタ)アクリル酸、β−アク
リロイルオキシプロピオン酸、マレイン酸、無水マレイ
ン酸、フマル酸、クロトン酸、イタコン酸、ケイ皮酸、
2−(メタ)アクリロイルエタンスルホン酸、2−(メ
タ)アクリロイルプロパンスルホン酸、2−(メタ)ア
クリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、ビニル
スルホン酸、スチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、
ビニルホスホン酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエ
チルリン酸、(メタ)アクリロキシアルカンスルホン酸
などの酸基含有単量体、およびこれらのアルカリ金属塩
やアルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、アルキルアミ
ン塩;N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレ
ート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリ
レート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アク
リルアミドなどのジアルキルアミノアルキル(メタ)ア
クリレート類およびこれら四級化物(たとえば、アルキ
ルハイドライドとの反応物、ジアルキル硫酸との反応物
など);ジアルキルアミノヒドロキシアルキル(メタ)
アクリレート類およびこれら四級化物;N−アルキルビ
ニルピリジニウムハライド;ヒドロキシメチル(メタ)
アクリレート、2−ヒドロキシエチルメタアクリレー
ト、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートなど
のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート;アクリル
アミド、メタアクリルアミド、N−エチル(メタ)アク
リルアミド、N−n−プロピル(メタ)アクリルアミ
ド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N
−ジメチル(メタ)アクリルアミド;メトキシポリエチ
レングリコール(メタ)アクリレートなどのアルコキシ
ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエ
チレングリコールモノ(メタ)アクリレート;ビニルピ
リジン、N−ビニルピリジン、N−ビニルピロリドン、
N−アクリロイルピペリジン;N−ビニルアセトアミ
ド;などが挙げられる。これらエチレン性不飽和単量体
は、一種類のみを用いてもよく、また、二種類以上を適
宜混合してもよい。
ち、アクリル酸塩系単量体を主成分として含む単量体を
用いると、得られる含水ゲルの吸水性能や安全性がより
一層向上するので好ましい。ここで、アクリル酸塩系単
量体とは、アクリル酸、および/またはアクリル酸の水
溶性塩類を示す。
率が30モル%〜100モル%の範囲内、好ましくは5
0モル%〜99モル%の範囲内であるアクリル酸のアル
カリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、ヒ
ドロキシアンモニウム塩、アミン塩、アルキルアミン塩
を示す。上記例示の水溶性塩類のうち、ナトリウム塩お
よびカリウム塩が特に好ましい。
いてもよく、また、二種類以上を併用してもよい。な
お、吸水性樹脂の平均分子量(重合度)は、特に限定さ
れるものではない。
て含む単量体組成物を、架橋剤の存在下で重合させるこ
とによって上記の含水ゲルを得ることができる。さら
に、上記単量体組成物は、得られる含水ゲルの親水性を
阻害しない程度に、上記エチレン性不飽和単量体と共重
合可能な他の単量体(共重合性モノマー)を含んでいて
もよい。
には、たとえば、メチル(メタ)アクリレート、エチル
(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレートな
どの(メタ)アクリル酸エステル類;酢酸ビニル、プロ
ピオン酸ビニルなどの疏水性単量体;などが挙げられ
る。これら共重合性モノマーは、単独で用いてもよく、
また、二種類以上を適宜混合して用いてもよい。
いられる架橋剤としては、たとえば、分子内にビニル基
を複数有する化合物;分子内にカルボキシル基やスルホ
ン酸基と反応することのできる官能基を複数含有する化
合物;などが挙げられる。これら架橋剤は、単独で用い
てもよく、また、二種類以上を併用してもよい。
しては、具体的には、たとえば、N,N−メチレンビス
(メタ)アクリルアミド、(ポリ)エチレングリコール
ジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコー
ルジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパント
リ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ
(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリ
レート、グリセリンアクリレートメタクリレート、エチ
レンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メ
タ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メ
タ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メ
タ)アクリレート、N,N−ジアリルアクリルアミド、
トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレー
ト、トリアリルホスフェート、トリアリルアミン、ジア
リルオキシ酢酸、ビス(N−ビニルカルボン酸アミ
ド)、テトラアリロキシエタンなどが挙げられる。
反応することのできる官能基を複数有する化合物として
は、(ポリ)エチレングリコール、ジエチレングリコー
ル、プロピレングリコール、トリエチレングリコール、
テトラエチレングリコール、1,3−プロパンジオー
ル、ジプロピレングリコール、2,2,4−トリメチル
−1,3−ペンタンジオール、ポリプロピレングリコー
ル、(ポリ)グリセリン、2−ブテン−1,4−ジオー
ル、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオー
ル、1,6−ヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサ
ンジメタノール、1,2−シクロヘキサノール、トリメ
チロールプロパン、ジエタノールアミン、トリエタノー
ルアミン、ポリオキシプロピレン、オキシエチレンオキ
シプロピレンブロック共重合体、ペンタエリスリトー
ル、ソルビトールなどの多価アルコール化合物;(ポ
リ)エチレングリコールジグリシジルエーテル、(ポ
リ)グリセロールポリグリシジルエーテル、ジグリセロ
ールポリグリシジルエーテル、(ポリ)プロピレングリ
コールジグリシジルエーテル、グリシドールなどのエポ
キシ化合物;エチレンジアミン、ジエチレントリアミ
ン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミ
ン、ペンタエチレンヘキサミン、ポリアミドポリアミ
ン、ポリエチレンイミンなどの多価アミン化合物、並び
に、それら多価アミンとハロエポキシ化合物との縮合
物;2,4−トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレ
ンジイソシアネートなどの多価イソシアネート化合物;
1,2−エチレンビスオキサゾリンなどの多価オキサゾ
リン化合物;γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシ
ラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシランなどのシ
ランカップリング剤;1,3−ジオキソラン−2−オ
ン、4−メチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、
4,5−ジメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、
4,4−ジメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、
4−エチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、4−ヒ
ドロキシメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、
1,3−ジオキサン−2−オン、4−メチル−1,3−
ジオキサン−2−オン、4,6−ジメチル−1,3−ジ
オキサン−2−オン、1,3−ジオキソパン−2−オン
などのアルキレンカーボネート化合物;エピクロロヒド
リンなどのハロエポキシ化合物;亜鉛、カルシウム、マ
グネシウム、アルミニウム、鉄、ジルコニウムなどの水
酸化物あるいは塩化物などが挙げられる。
されるものではないが、上記単量体成分に対して、0.
0001モル%〜10モル%の範囲内であることが好ま
しく、0.001モル%〜1モル%の範囲内であること
がより好ましい。
する方法としては、水溶液重合や、バットやベルト上で
の静置重合、あるいはニーダー中での重合が挙げられ
る。この中でも、ベルト上での静置重合が好ましい。ま
た、上記のエチレン性不飽和単量体を水溶液重合させる
際には、連続式重合、または回分重合の何れかの方式を
採用してもよく、また、常圧、減圧、加圧の何れの圧力
下で実施してもよい。なお、重合反応は、窒素、ヘリウ
ム、アルゴン、二酸化炭素などの不活性ガスの気流下で
行うことが好ましい。
とえば、重合開始剤、あるいは放射線や電子線、紫外
線、電磁線などの活性化エネルギー線などを用いること
ができる。上記重合開始剤としては、具体的には、たと
えば、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸
カリウム、過酸化水素などの無機化合物;t−ブチルハ
イドロパーオキサイド、過酸化ベンゾイル、クメンハイ
ドロパーオキサイドなどの有機過酸化物;2,2’−ア
ゾビス(N,N’−メチレンイソブチルアミジン)また
はその塩、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオン
アミジン)またはその塩、2,2’−アゾビス(2−ア
ミジノプロパン)またはその塩、4,4’−アゾビス−
4−シアノ吉草酸などのアゾ化合物;などのラジカル重
合開始剤が挙げられる。
く、また、二種類以上を併用してもよい。また、重合開
始剤として過酸化物を用いる場合には、たとえば、亜硫
酸塩、重亜硫酸塩、L−アスコルビン酸などの還元剤を
併用して酸化還元(レドックス)重合を行ってもよい。
て得られる含水ゲルは、内部に気泡を含有していると、
得られる吸水性樹脂の吸水性能を向上させることができ
るので特に好ましい。内部に気泡を含有する含水ゲル
は、上記単量体成分を、気泡を含有するように架橋剤の
存在下で重合させることによって容易に得ることができ
る。このような重合方法としては、アゾ系開始剤の存在
下での重合方法;発泡剤として炭酸塩(特開平5−23
7378号公報、特開平7−185331号公報)を用
いての重合方法;ペンタンやトリフルオロエタン等の水
に不溶な発泡剤をモノマー中に分散させての重合方法
(米国特許第5328935号公報、米国特許第533
8766号公報);固体微粒子状発泡剤を用いての重合
法(国際公開WO96/17884号公報);界面活性
剤の存在下に、不活性気体を分散させながら重合する方
法;など、従来公知の種々の方法を採用することができ
る。
せる際には、溶媒として水を用いることが好ましい。つ
まり、上記単量体成分および架橋剤を水溶液とすること
が好ましい。これは、得られる吸水性樹脂の吸水性能を
向上させるとともに、発泡剤による発泡を効率的に行う
ためである。
中の単量体成分の濃度は、20重量%〜60重量%の範
囲内がより好ましい。単量体成分の濃度が20重量%未
満の場合には、得られる吸水性樹脂の水可溶性成分量が
増加するおそれがあるとともに、発泡剤による発泡が不
十分となり、吸水速度を向上させることができなくなる
おそれがある。一方、単量体成分の濃度が60重量%を
越える場合には、反応温度並びに発泡剤による発泡を制
御することが困難となるおそれがある。
水に可溶な有機溶媒とを併用することもできる。該有機
溶媒としては、具体的には、たとえば、メチルアルコー
ル、エチルアルコール、アセトン、ジメチルスルホキシ
ド、エチレングリコールモノメチルエーテル、グリセリ
ン、(ポリ)エチレングリコール、(ポリ)プロピレン
グリコール、アルキレンカーボネートなどが挙げられ
る。これら有機溶媒は、単独で用いてもよく、また、二
種類以上を併用してもよい。
該単量体水溶液に分散あるいは溶解するものを使用する
ことができる。該発泡剤としては、具体的には、たとえ
ば、n−ペンタン、2−メチルプロパン、2,2−ジメ
チルプロパン、ヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、置換さ
れたベンゼン、クロロメタン、クロロフルオロメタン、
1,1,2−トリクロロトリフルオロメタン、メタノー
ル、エタノール、イソプロパノール、アセトン、アゾジ
カルボンアミド、アゾビスイソブチロニトリルなどの上
記単量体水溶液に分散あるいは溶解する揮発性の有機化
合物;重炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム、重炭酸ア
ンモニウム、塩基性炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム
などの炭酸塩;亜硝酸アンモニウム;ドライアイス;ア
ミノ基含有アゾ化合物のアクリル酸塩などが挙げられ
る。上記発泡剤は、単独で用いてもよく、二種類以上を
併用してもよい。
および発泡剤の組み合わせなどに応じて適宜設定すれば
よく、特に限定されるものではない。しかしながら、単
量体100重量部に対して0.001重量部〜10重量
部の範囲内であることがより好ましい。発泡剤の使用量
が上記の範囲から外れると、得られる吸水性樹脂の吸水
性能が不十分となるおそれがある。
体となっている含水ゲルの含水率は、一般に10重量%
〜90重量%の範囲であり、好ましくは20重量%〜8
0重量%の範囲である。含水率が10重量%未満では、
含水ゲルの粉砕が困難となったり、気泡を含有する含水
ゲルの場合、気泡が潰れてしまうことがある。また、含
水率が90重量%よりも高くなると、粉砕後に粒子状と
した際の乾燥に時間を要しすぎることになる。
ルを得るために粉砕するが、この粉砕方法としては、竪
型切断機(カッティングミルまたはロートプレック
ス)、ニーダー、ギロチンカッター、スライサー、ロー
ルカッター、シュレッダー、ハサミなどの各種の粉砕手
段を用いることができる。この粉砕手段としては特に限
定されるものではないが、本発明にかかる粒子状含水ゲ
ルをより効率的に得るためには、竪型切断機を用いるこ
とが特に好ましい。
は界面活性剤の存在下で、固定刃と回転刃との剪断によ
って粉砕するものである。そのため、この竪型切断機を
用いて粉砕を実施すれば、含水ゲルに与える機械的外力
を少なくすることができ、かつ、表面に凹凸が少なく角
状かつ透明な粒子状含水ゲルを得ることができる。な
お、後述するが、粉砕と同時に粉砕生成物である粒子状
含水ゲルを分級することがより好ましい。
少なくとも備える粉砕部を有している。そして、上記投
入口から含水ゲルを粉砕部へ少しずつ連続的に投入し、
連続的に粉砕する。そして、粉砕されて得られる粉砕生
成物は排出口から排出される。なお、粉砕生成物の排出
は、ブロワーなどにより吸引しながらなされるとより効
率的である。
いて具体的に説明する。図1(a)・(b)に示すよう
に、粉砕部2は筒状のケーシング11を有しており、こ
のケーシング11内、すなわち粉砕部2内には、ケーシ
ング11の外壁に周方向に沿って固定された固定刃13
…が1〜4本(図1(a)・(b)では3本)設けられ
ている。また、ケーシング11の中央部には、モーター
で回転駆動する回転軸16が設けられている。さらに、
図1(b)に示すように、粉砕部2には、滞留域17が
設けられていてもよい。
して平行に設けられている。この回転軸16の周りに
は、複数の回転刃12…(通常、2〜5本、図1(a)
・(b)では3本)が互いに等間隔で、回転軸16の径
方向の外向きに設けられている。上記の固定刃13…
は、回転軸16の軸方向に延びるように設けられてい
る。そして、上記回転刃12と固定刃13とは、互いに
その対向面が一定の間隔を有して実質的に平行となって
いる。
固定刃13との間隙は、0.1mm以上3mm以下であ
ることが好ましく、0.5mm以上2mm以下であるこ
とがより好ましい。上記間隙が0.1mmよりも狭くな
ると、粒子状含水ゲルに余計な機械的外力が加えられ、
該粒子状含水ゲルが練られてしまうおそれがある。ま
た、回転刃12が回転中に、固定刃13と接触するおそ
れもある。
隙によって、粒子状含水ゲルの大きさが決定されるの
で、上記間隙が3mmよりも広くなると、粒子状含水ゲ
ルが大きめに粉砕されることになり、塊状または凝集体
の含水ゲルが粉砕されにくくなる。
上50m/秒以下の範囲内であることが好ましく、1m
/秒以上20m/秒以下の範囲内であることがより好ま
しい。上記周速が0.1m/秒よりも遅くなると、含水
ゲルの単位時間当たりの粉砕量(処理量)が極端に低下
するため好ましくない。一方、上記周速が50m/秒以
上よりも速くなると、スクリーン14から排出される前
に、粒子状含水ゲル同士が互いに再付着して凝集が起こ
り、円滑な排出がなされなくなる。そのため、製造効率
を低下させることになり好ましくない。
界面活性剤を添加することが好ましい。この界面活性剤
は、含水ゲルの表面に存在することが必要である。この
ように含水ゲルの表面に界面活性剤が存在することで、
該含水ゲルの表面に対して表面処理を施すことができ
る。表面処理がなされた含水ゲルは、界面活性剤の潤滑
効果により、上記各刃から必要以上の機械的外力を受け
ることなく、円滑に粉砕される。
回転刃12と固定刃13とによる剪断を受ける時点で
は、すでに、該含水ゲルの表面上に存在している必要が
ある。それゆえ、上記界面活性剤は、含水ゲルを粗砕す
る際や、含水ゲルの粗砕後に添加されることが好まし
い。あるいは、粗砕された含水ゲルを粉砕する際に、界
面活性剤を同時に添加してもよい。
オン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性
界面活性剤、あるいは両性界面活性剤などを用いること
ができる。
性剤としては、具体的には、混合脂肪酸ナトリウム石け
ん、半硬化牛脂脂肪酸ナトリウム石けん、ステアリン酸
ナトリウム石けん、オレイン酸カリウム石けん、ヒマシ
油カリウム石けんなどの脂肪酸塩;ラウリル硫酸ナトリ
ウム、高級アルコール硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸ト
リエタノールアミンなどのアルキル硫酸エステル塩;ド
デシルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどのアルキルベ
ンゼンスルホン酸塩;アルキルナフタレンスルホン酸ナ
トリウムなどのアルキルナフタレンスルホン酸塩;ジア
ルキルスルホコハク酸ナトリウムなどのアルキルスルホ
コハク酸塩;アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸
ナトリウムなどのアルキルジフェニルエーテルジスルホ
ン酸塩;アルキルリン酸カリウムなどのアルキルリン酸
塩;ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウ
ム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウ
ム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸トリエタ
ノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエ
ーテル硫酸ナトリウムなどのポリオキシエチレンアルキ
ル(またはアルキルアリル)硫酸エステル塩;特殊反応
型アニオン界面活性剤;特殊カルボン酸型界面活性剤;
β−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のナトリウ
ム塩、特殊芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物のナトリ
ウム塩などのナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物;
特殊ポリカルボン酸型高分子界面活性剤;ポリオキシエ
チレンアルキルリン酸エステル;などが挙げられる。
体的には、ポリエチレングリコール、ポリプロピレング
リコール、ポリエチレングリコール−ポリプロピレング
リコールブロック共重合体などのポリオレフィンオキサ
イド;ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキ
シエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステア
リルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、
ポリオキシエチレン高級アルコールエーテルなどのポリ
オキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン
ノニルフェニルエーテルなどのポリオキシエチレンアル
キルアリールエーテル;ポリオキシエチレン誘導体;ソ
ルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテー
ト、ソルビタンモノステアレート、ソルビタントリステ
アレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタントリ
オレエート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタン
ジステアレートなどのソルビタン脂肪酸エステル;ポリ
オキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシ
エチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチ
レンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレン
ソルビタントリステアレート、ポリオキシエチレンソル
ビタンモノオレエート、ポリオキシエチレンソルビタン
トリオレエートなどのポリオキシエチレンソルビタン脂
肪酸エステル;テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソ
ルビットなどのポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸
エステル;グリセロールモノステアレート、グリセロー
ルモノオレエート、自己乳化型グリセロールモノステア
レートなどのグリセリン脂肪酸エステル;ポリエチレン
グリコールモノラウレート、ポリエチレングリコールモ
ノステアレート、ポリエチレングリコールジステアレー
ト、ポリエチレングリコールモノオレエートなどのポリ
オキシエチレン脂肪酸エステル;ポリオキシエチレンア
ルキルアミン;ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油;アル
キルアルカノールアミド;などが挙げられる。
界面活性剤としては、具体的には、ココナットアミンア
セテート、ステアリルアミンアセテートなどのアルキル
アミン塩;ラウリルトリメチルアンモニウムクロライ
ド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、セ
チルトリメチルアンモニウムクロライド、ジステアリル
ジメチルアンモニウムクロライド、アルキルベンジルジ
メチルアンモニウムクロライドなどの第四級アンモニウ
ム塩;ラウリルベタイン、ステアリルベタイン、ラウリ
ルカルボキシメチルヒドロキシエチルイミダゾリニウム
ベタインなどのアルキルベタイン;ラウリルジメチルア
ミンオキサイドなどのアミンオキサイド;などが挙げら
れる。
素系界面活性剤やシロキサン系界面活性剤を用いること
も可能である。
は、ポリプロピレングリコールまたはポリエチレングリ
コール−ポリプロピレングリコールブロック共重合体で
ある。これら界面活性剤は、含水ゲルに添加する際の添
加量が少量で済む。また、これら界面活性剤は、添加後
に、含水ゲルの表面に対して表面処理を施した状態で
も、該含水ゲルの物性(たとえば、加圧下吸水倍率な
ど)を阻害することがない。さらに、これら界面活性剤
は使用上の安全性が高いため好ましい。
0重量部に対し、0.001〜10重量部の範囲内であ
り、0.01〜5重量部の範囲内が好ましく、0.1〜
2重量部の範囲内がより好ましい。上記添加量が0.0
01重量部よりも少ないと、粉砕して得られる粒子状含
水ゲルが再凝集してしまう。一方、上記添加量が10重
量部よりも多いと、添加に見合う効果が得られないばか
りか、最終製品の吸水性樹脂の物性を低下させるおそれ
がある。
との剪断において、さらに上記界面活性剤が添加される
と、その潤滑効果のためにより一層円滑な粉砕が可能と
なる。そのため、角状かつ透明な形状を有し、その大き
さも均一となっている本発明にかかる粒子状含水ゲルを
効率よく得ることができる。
って粉砕された粒子状含水ゲルは、上記スクリーン14
によって、所定の大きさの粒子となるように分級される
ことが特に好ましい。このスクリーン14は、図1
(b)に示すように、回転刃12の外周側に円弧状に設
けられているものであり、さらに、図1(a)に示すよ
うに、外周側全面に円状に設けられていることが特に好
ましい。このように、スクリーン14が回転刃12の外
周側に円弧状、特に全面に円状に設けられていると、粉
砕された粒子状含水ゲルが、回転刃12により過剰な剪
断や機械的外力を加えられることがなく、すぐに分級さ
れ、スクリーン14外の排出口3から竪型切断機外へ排
出されることになるため、良好な粉砕が可能となる。
れるものではないが、たとえば、50個/100cm2
以上800個/100cm2 以下の範囲内で複数の孔が
形成されているものであることが好ましい。また、スク
リーン14における開孔率は、30%以上60%未満で
あることが好ましい。
記の範囲から外れると、粒子状含水ゲルの分級が効果的
に行われなくなるおそれがあるため好ましくない。な
お、開孔率とは、スクリーン14の全体の面積と、該ス
クリーン14に形成された複数の孔の合計面積との割合
を百分率で示したものである。また、スクリーン14に
形成されている孔の形状も特に限定されるものではな
く、円形であっても四角形や六角形などの角形形状であ
ってもよい。
コーティングされていることが好ましい。これによっ
て、粘着性の高い塊状または凝集体の含水ゲルや粒子状
含水ゲルがスクリーン14に付着することを抑制するこ
とができる。そのため、スクリーン14の目詰まりの発
生が回避され、より効率的な粉砕が可能となる。
は、該回転刃12とスクリーン14とが接触しない程度
のみの間隙であることが好ましい。具体的には、0.1
mm以上5mm以下の範囲内であることが好ましく、
0.5mm以上3mm以下の範囲内がより好ましい。上
記間隙が0.1mmよりも狭くなると、粒子状含水ゲル
に余計な機械的外力が加えられ、該粒子状含水ゲルが練
り潰されるおそれがある。また、回転刃12が回転中
に、スクリーン14と接触するおそれもある。一方、上
記間隙が5mmよりも広くなると、粒子状含水ゲルがス
クリーン14の外部へ排出されにくくなり、処理効率が
低下する。
よる粉砕方法で得られた粒子状含水ゲルは、その粒子の
平均粒径(大きさ)の分布が従来よりも非常にシャープ
となる。すなわち、粒子状含水ゲルの粒子の大きさは、
非常に均一なものとなっている。また、後述するが、粒
子の形状はその表面が平滑な角状形状で透明となってお
り、さらに安息角が38°以下となっている。このよう
な構成を有する粒子状含水ゲルは均一な乾燥が可能であ
り、良好な性質を有する吸水性樹脂を得ることができ
る。
する。まず、後述する微粉の発生をある程度考慮した場
合では、粒子状含水ゲルの平均粒径は、0.8mm以上
5mm以下の範囲内となっており、好ましくは、1mm
以上4mm以下の範囲内であり、より好ましくは、1m
m以上3mm以下の範囲内である。
ことができる。まず、得られた粒子状含水ゲルを、たと
えばふるいにより分級し、分級したふるい上の重量を秤
量する。次に、縦軸を積算ふるい上%とし、横軸をふる
いのふるい目の開きとした対数確率紙を用い、この対数
確率紙に対して、所定の式に従い、固形分α重量%相当
の粒子状含水ゲルの粒径分布をプロットする。そして、
このプロット上における積算ふるい上%が50重量%に
相当する粒径を平均粒径とする。
際に用いられる所定の式は、用いる粒子状含水ゲルのサ
ンプルの重量をw0 、分級後の粒子状含水ゲルの重量を
w、分級に用いられたふるいのふるい目の開きをr、お
よび固形分α重量%相当のふるい目の開きをR(α)と
すると次式(1)のようになる。
値σζによって評価する。このσζは、上記プロットに
おいて、積算ふるい上%がR=84.1%における粒径
(X1 とする)およびR=15.9%の粒径(X2 とす
る)を算出し、これらX1 およびX2 から、次式(2)
により、算出する。
しく、1.0以下であることがより好ましく、0.8以
下であることがさらに好ましい。対数標準偏差値がこの
範囲内であれば、粒子状含水ゲルの粒径分布が非常にシ
ャープであることになり、全体的に均質な粒子が得られ
ていることを示す。
0%の範囲内であることが好ましく、25%〜40%の
範囲内であることがより好ましい。粒子状含水ゲルの固
形分が上記の範囲から外れると、良好な乾燥ができなく
なり好ましくない。
明する。竪型切断機による粉砕で得られた粒子状含水ゲ
ルの形状は角状であり、またその表面は凹凸が極めて少
ない平滑な面となっている。換言すれば、本発明にかか
る粒子状含水ゲルの形状は、その主要な周面が平滑面か
らなる略平行六面体形状、略直方体形状などの略多面体
形状となっている。そのため、該粒子状含水ゲルに光を
照射すると、表面の凹凸により光が散乱されないため
に、粒子はほぼ透明に観察される。
ョッパーで含水ゲルを粉砕すると、その粉砕に伴って含
水ゲルが練られてしまう。そのため、得られる含水ゲル
の一次粒子(粒子状含水ゲル)の表面に、練りによる凹
凸が生じて表面積が大きくなる。このような一次粒子に
光を照射すると、凹凸のために光が散乱する。それゆ
え、従来の粒子状含水ゲルは白濁した状態で観察され
る。
多く白濁していれば、粒子同士の間に引っ掛かりなどが
生じ易くなり粒子全体の流動性が低下する。つまり、該
凹凸同士が非常に絡み合い易くなるため、一次粒子同士
が容易に凝集し、しかも絡み合った凹凸が互いにかみ合
うように接触するため、凝集した一次粒子を解離するこ
とは非常に困難となる。さらに、この凝集の発生によ
り、乾燥も良好に行うことができなくなる。
を解離させるために、該凝集体に大きな外力を加える
と、一次粒子同士の解離とともに該一次粒子自身が外力
によって粉砕される頻度が高くなる。その結果、所望の
サイズの一次粒子の他に、一次粒子の粉砕に伴う微粉が
大量に発生する。この微粉の発生は、上記吸水性樹脂の
性能を低下させる上に、吸水性樹脂製造における歩留り
を低下させることになる。
に、竪型切断機により、塊状または凝集体の含水ゲルが
練られることなく、はさみで切断したように鋭利に切断
されて粉砕される。そのため、得られる粒子状含水ゲル
の表面は、多少の凹凸や曲面はあってもほぼ滑らかな平
面状、すなわち平滑面となっている。
間で引っ掛かりが生じにくく、乾燥後に一次粒子同士が
凝集しにくい。また、凝集しても軽い外力を加えるのみ
で容易に解離する。それゆえ、一次粒子を解離させるに
当たって、微粉の発生量を極めて少なくすることができ
る。
ルを用いれば、吸水性樹脂の製造過程において、微粉の
発生量が少なくすることができるため、微粉を取り除い
たり回収したりする負担を大幅に軽減することができ
る。また、一次粒子全体が均質であるため、乾燥をより
一層良好に行うことができる。その結果、吸水性樹脂の
製造効率をさらに一層向上させることができる。
含水ゲルの粒径が150μm未満のもの、より望ましく
は200μm未満のものを微粉とする。粒径が150μ
m未満の粒子状含水ゲルは、少なくとも吸水性樹脂とし
て用いることができない。また、粒径が150〜200
μmの範囲内にある粒子状含水ゲルは吸水性樹脂として
用いることは可能ではあるが、この範囲の粒子状含水ゲ
ルが存在することで、粒子状含水ゲルの粒径分布が広く
なるため好ましくない。
ルにおいては、乾燥後の粒径の下限が150μmである
ことが好ましく、200μmであることがより好まし
い。一方、乾燥後の粒径の上限は、紙おむつやナプキン
などの衛生材料に用いる場合には、850μmであるこ
とがより好ましい。すなわち、本発明にかかる粒子状含
水ゲルの乾燥後における粒径は、150μm以上850
μm以下の範囲内であることが好ましく、200μm以
上850μm以下の範囲内であることが特に好ましい。
る粉砕で粒子状含水ゲルを得ることが特に好ましいが、
このとき、粒子状含水ゲルの粒径は、上述した0.8m
m以上5mm以下の範囲よりもさらに広い、0.5mm
以上5mm以下の範囲内であってもよい。特に、乾燥後
に上記範囲内の粒径を有する吸水性樹脂を得るために
は、粒子状含水ゲルの粒径は、好ましくは0.5mm以
上3mm以下、より好ましくは0.5mm以上1mm以
下の範囲内である。
状含水ゲルを得た場合には、上述したように、粒子状含
水ゲルの凝集体を解砕する際に、該粒子状含水ゲルの一
次粒子自身が外力によって粉砕されて微粉が発生する。
そのため、一次粒子そのものの粒径も小さくなる傾向に
ある。これに対して、竪型切断機を用いて粒子状含水ゲ
ルを得た場合には、上述したように、凝集した粒子状含
水ゲルを解砕する際でも一次粒子自身はほとんど粉砕さ
れず単に解離するだけである。そのため、一次粒子の粒
径はほとんど変化しない。その結果、微粉の少ないシャ
ープな粒径分布の吸水性樹脂が得られる。
を150μm以上850μm以下の範囲内とする場合、
微粉が発生する場合には粒径が小さくなることを見越し
て少し大きめの範囲(0.8〜5mm)を設定するが、
粉砕を竪型切断機により実施すれば、微粉の発生を考慮
する必要がないために、未乾燥の粒子状含水ゲルの粒径
は上記0.8mm以上5mm以下の範囲よりもさらに小
さくすることができる。したがって、本発明にかかる粒
子状含水ゲルの平均粒径は、0.5mm以上5mm以下
の範囲内であればよい。
部架橋剤の存在下に水溶性エチレン性不飽和モノマーを
重合して得られる含水ゲルであり、その固形分は25〜
50%、好ましくは30〜45%となっている。上記含
水ゲルは架橋構造を有しているため、竪型粉砕機で粉砕
すると練られることなく粉砕され、図5に示すように、
表面に平滑な面20を複数有する略多面体形状の粒子状
含水ゲル21が得られる。
60倍の範囲内、より好ましくは30〜50倍の範囲内
である。吸水倍率が20倍よりも小さいと乾燥後の吸水
倍率が低く、紙おむつなどの衛生材料に用いる場合好ま
しくない。吸水倍率が60倍よりも大きいと含水ゲルが
柔らかくなるため、粉砕時に含水ゲルが練られてしま
い、表面に平滑な面を有する多面体状の含水ゲルが得ら
れないおそれがある。なお、含水ゲルの吸水倍率(固形
分換算)は、ティーバッグに入れた含水ゲルを生理食塩
水中に24時間浸漬した後、遠心分離機により1300
rpmで3分間液切りした後測定したものである。
面が平滑であり、かつ、その粒径分布がシャープである
ことを間接的に示す指標として、本実施の形態では、安
息角を用いている。この安息角について説明すると、図
2に示すように、粉砕により得られた粒子状含水ゲル2
1を、フッ素樹脂含浸フィルム22を貼った長さ15c
m、幅6cmの板23の上に均一に敷き広げる。次に、
この板23の一端を徐々に持ち上げ、粒子状含水ゲル2
1全体が流れ落ち始める高さHを測定する。そして、測
定した高さHから次式(3)に基づき安息角θを算出す
る。
1が滑らかに流動することになる。粒子状含水ゲル21
が滑らかに流動するということは、該粒子状含水ゲル2
1の粒子表面に凹凸が少なく、凹凸に由来する粒子状含
水ゲル21同士、または粒子状含水ゲル21と板23と
の間の摩擦力が小さいことを示す。
子状含水ゲルの粒子の大きさが均一であれば、粒子全体
の流動性が向上する。粒子の大きさが不均一であると、
たとえば、小さい粒子が大きな粒子同士の間隙に入り込
むなどして、粒子全体の流動性を妨げることになる。し
かしながら、粒子の大きさが均一であれば、このような
現象は発生しない。それゆえ、この安息角が小さいほ
ど、粒子状含水ゲルの表面が平滑であり、かつ、粒径分
布がシャープであることを示すことになる。
息角は、38°以下であることが好ましく、36°以下
であることがより好ましい。安息角が38°以下であれ
ば、粒子状含水ゲルが全体的に平滑な面を有する略多面
体形状(図5参照)を有していると判断することができ
る。すなわち、安息角が38°以下であれば、粒子状含
水ゲルの表面が平滑であり、かつ、粒径分布がシャープ
であると判断することができる。
たように、粒子状含水ゲルの粒径分布が揃っており、ま
た、その粒子表面に凹凸が少なく透明な粒子となってい
るので、乾燥が非常に均一に行われる。そのため、小さ
い粒子が過乾燥したり、大きな粒子が未乾燥のままで残
存したりするようなことがなく、従来よりも非常に良好
な乾燥が可能となる。その結果、高品質の吸水性樹脂を
得ることができる。また、乾燥時間をこれまでよりも短
時間化できるので、吸水性樹脂の製造効率を向上させる
こともできる。
法は、上述した粒子状含水ゲルを用いる方法であり、そ
の製造過程は、図3に示すように、粒子状含水ゲルを乾
燥、、粉砕、および分級する各工程を少なくとも有する
ものである。
得られる本発明にかかる粒子状含水ゲルは、まず、ステ
ップ1(以下、ステップをSと略す)の乾燥工程により
乾燥する。このときの乾燥方法については特に限定され
るものではなく、たとえば、バンド乾燥機、攪拌乾燥
機、流動層乾燥機などを用いるような従来からの乾燥方
法を好適に用いることができる。
は、S2の粉砕工程により所定の範囲内の大きさとなる
ように粉砕される。このときの粉砕方法についても限定
されるものではなく、ロールミルなどを用いた従来から
の粉砕方法を好適に用いることができる。
分級工程で分級されるが、この分級方法についても特に
限定されるものではなく、たとえば、ふるいを用いたふ
るい分けなどが好適に用いられる。そしてS1〜S3ま
での各工程が終了した後に、吸水性樹脂が得られる。
の形状が均質であり、粒径分布もシャープであるため、
S1の乾燥工程において、全体的に均一な乾燥を行うこ
とができる。そのため、従来のように未乾燥物が発生し
たり、小さな粒子が過乾燥したりするようなことがな
い。
子が粉砕機に付着して、粉砕を妨げるような不都合を生
じさせることがない。そのため、吸水性樹脂の製造をよ
り効率化することができる。また、S3の分級工程終了
後、得られる吸水性樹脂に未乾燥物や過乾燥物が混入し
ないため、該吸水性樹脂を高品質なものとすることがで
きる。
うに乾燥を迅速に行うことができるため、吸水性樹脂の
製造を効率化することができる。また、もともとの粒子
状含水ゲルの粉砕、分級を適宜設定することで、単にS
1で乾燥しただけで所望の吸水性樹脂を得ることができ
る。すなわち、上記S2およびS3の各工程を省略する
ことも可能であるため、より吸水性樹脂の製造を効率化
することができる。
S1の乾燥工程で乾燥されて水分が失われるに伴い、該
粒子状含水ゲルの一次粒子同士が凝集し、しかも一次粒
子同士が解離しにくくなる。これに対して、本発明にか
かる粒子状含水ゲルは、上述したように凝集しくい。そ
の結果、上記S2およびS3の各工程を省略することは
十分可能である。
ゲルでも、S1の乾燥工程にて多少は凝集するおそれが
ある。ただし、該粒子状含水ゲルは凝集しても容易に解
離するので、粉砕工程によって粉砕しなくても、軽い外
力を加えるのみで一次粒子に戻すことができる。そこ
で、図4に示すように、本発明にかかる吸水性樹脂の製
造方法では、上記粉砕工程の代わりに、凝集した粒子状
含水ゲルを元の一次粒子に戻すための解砕工程を実施す
ることが非常に好ましい。
について説明する。まず、図3に示す吸水性樹脂の製造
方法と同様に、図4に示すように、S11として乾燥工
程を実施する。その後、乾燥工程で得られる粒子状含水
ゲルの凝集体を、S12の解砕工程により解砕して一次
粒子に解離する。なお、粒子状含水ゲルの凝集体に外力
を加えることによって該凝集体をほぐし、解離させて一
次粒子に戻すことを、「解砕」と表現する。
は、上述したロールミルによる粉砕方法などを用いるこ
とも可能ではある。しかしながら、上記凝集体は大きな
外力を加えなくても容易に解砕することができる上に、
大きな外力を加えると微粉が発生するおそれがあるの
で、小さな外力を加える方法であることが好ましい。
ば、緩やかに回転可能な攪拌羽根を備える一軸混合機を
用いて解砕する方法などが挙げられる。この攪拌羽根を
備える一軸混合機としては、従来から用いられているも
のを好適に用いることができるが、攪拌羽根の回転数を
十分低い値にまで落とすことができるものであることが
非常に好ましい。これは、回転数が大き過ぎると一次粒
子自身が解砕されて微粉が発生するおそれがあるためで
ある。ただし、回転羽根の具体的な回転数は各装置によ
って異なるため、特に限定されるものではない。
実施して、乾燥・解砕工程としてもよい。この場合、乾
燥方法としては、攪拌乾燥機や流動層乾燥機を用いる方
法が挙げられる。このように解砕工程と乾燥工程とを同
時に実施すれば、吸水性樹脂の製造方法をより簡素化で
きるので好ましい。
の分級工程で分級される。ここで、S12の解砕工程で
は、粒子状含水ゲルの凝集体が容易かつ確実に一次粒子
に解離するとともに、解離した一次粒子がより均一な形
状を有している。そのため、解砕工程により得られた解
砕物は、所定範囲内の粒径を有する粒子がほとんどで、
所定範囲よりも大きい粒子や小さい粒子(すなわち微
粉)の量を非常に少なくすることができる。そのため、
本発明にかかる吸水性樹脂の製造方法では、この分級工
程は適宜省略することが可能となっている。
以上の粒径を有する粒子がある程度得られた場合には、
さらに、S14として、この粒子を粉砕する粉砕工程を
追加してもよい。この粉砕工程後得られた粒子に対して
は再び分級工程が実施される(すなわちS13にもど
る)。そして、S11〜S13(またはS11〜S1
4)までの各工程が終了した後に、吸水性樹脂が得られ
る。
することにより、吸水性樹脂の使用目的に応じた粒径の
吸水性樹脂が容易に得られる。所望する粒径よりも大き
い粒子や凝集物は粉砕される。この粉砕に際して、目的
とする粒径の吸水性樹脂は分級などにより分離すること
ができるので、粉砕機で粉砕される吸水性樹脂の量を少
なくすることができる。その結果、微粉の発生量を少な
くすることができるとともに、粉砕機の付加も低減する
ことができる。
製造方法は、本発明にかかる粒子状含水ゲルを用いてい
る。そのため、吸水性樹脂の製造を従来よりも効率化で
きるとともに、高品質な吸水性樹脂を得ることができ
る。
り得られた吸水性樹脂は、優れた吸水性能によって、例
えば、紙オムツや生理用ナプキン、失禁パッド、創傷保
護材、創傷治癒材等の衛生材料(体液吸収物品);ペッ
ト用の尿等の吸収物品;建材や土壌用保水材、止水材、
パッキング材、ゲル水嚢等の土木建築用資材;ドリップ
吸収材や鮮度保持材、保冷材等の食品用物品;油水分離
材、結露防止材、凝固材等の各種産業用物品;植物や土
壌等の保水材等の農園芸用物品等、種々の用途に好適に
用いられるものとなっている。
の実施例および比較例に基づき、さらに具体的に説明す
るが、本発明はこれらの実施例および比較例により限定
されるものではない。
息角は、前記実施の形態中で説明した方法と同様に行っ
た。また、吸水性樹脂(または含水ゲル)の吸水倍率、
粒子状含水ゲルの粒径分布、および粒径分布の対数標準
偏差値の測定は、以下のようにして測定した。 (吸水性樹脂の吸水倍率)吸水性樹脂(あるいは乾燥さ
せた含水ゲル)約2.0gを正確に秤量し、5cm四方
の不織布のティーバッグの中に入れ、ヒートシールによ
り封入した。このティーバッグを、人工尿中に室温で浸
漬した。1時間後にティーバッグを引き上げ、遠心分離
機を用いて1300rpmで3分間液切りを行った後、
上記ティーバッグの重量W1 (g)を測定した。別途、
同様の走査を、ティーバッグに吸水性樹脂を封入しない
で行い、そのときのティーバッグの重量W0 (g)をブ
ランクとして求めた。吸水倍率は次式に基づいて算出し
た。
合量は、表1に示す。
分布の対数標準偏差値の測定)まず、固形分α重量%の
サンプル30gを20重量%NaCl水溶液1000g
に投入し、スターラーチップを300rpmで回転させ
ることによって120分間攪拌した。この攪拌の終了
後、六種類のふるい(ふるい目の開きが、それぞれ9.
5mm、2.0mm、0.85mm、0.6mm、0.
3mm、0.075mmのもの)にサンプルを投入し、
さらに6000gの20重量%NaCl水溶液を投入し
て分級した。分級されたふるい上のサンプルを十分に水
切りした後に秤量した。
量をwとし、ふるい目の開きをrとし、サンプル重量w
1 =30gとして、前記実施の形態で説明した式(1)
に基づいて、粒子状含水ゲルの粒径分布を対数確率紙に
プロットした。プロットの積算ふるい上%Rが50重量
%に相当する粒子径を粒子状含水ゲルの平均粒子径とし
た。なお、式(1)を次に示す。
%(これをX1 とする)と積算ふるい上%R=15.9
%(これをX2 とする)との粒径を求め、前記実施の形
態で説明した式(2)により対数標準偏差値σζを求め
た。なお、式(2)を次に示す。
ポリエチレングリコールジアクリレート(平均エチレン
オキサイドユニット数8)を0.04モル%(対アクリ
ル酸ナトリウム)含むモノマー水溶液を調製した。この
ときのアクリル酸ナトリウムの濃度は35重量%であっ
た。このモノマー水溶液に窒素を吹き込み、水溶液中の
溶存酸素濃度を0.1ppm以下とした。
式会社製;商品番号V−50)0.02g/モル(対ア
クリル酸ナトリウムモノマー)、L−アスコルビン酸
0.002g/モル(対アクリル酸ナトリウムモノマ
ー)、過酸化水素0.001g/モル(対アクリル酸ナ
トリウムモノマー)を順番に添加し、重合を行った。重
合開始温度は22℃であり、10分後温度は80℃に達
した。
り25mm角に粗砕した。この粗砕した含水ゲルに、分
子量約3,000のポリエチレングリコール−ポリプロ
ピレングリコールブロック共重合体を0.5重量%(対
固形分)添加し、孔径3mm、開口率34%、孔数48
0個/100cm2 のスクリーンを有する竪型切断機に
て粉砕した。
ゲル(1)を得た。この粒子状含水ゲル(1)の平均粒
径は950μmであった。また、R=15.9%のとき
の粒径は400μmであり、R=84.1%のときの粒
径は1510μmであったため、σζ=0.66となっ
た。また、この粒子状含水ゲル(1)の安息角を二回測
定したところ、36.2°および34.8°となった。
さらに、この粒子状含水ゲル(1)の吸水倍率は38倍
であった。
60分間乾燥したところ、未乾燥物は得られなかった。
さらに、この粒子状含水ゲル(1)を粉砕しても、粉砕
機にはゴム状の未乾燥物の付着は全くなかった。上記粉
砕・乾燥後に得られた吸水性樹脂(1)の吸水倍率は6
5倍であり、可溶分は12%であった。
3mmのスクリーンに代えて、孔径6mm、開口率51
%、孔数180個/100cm2 のスクリーンを用いた
以外は実施例1と同様にして、本発明にかかる粒子状含
水ゲル(2)を得た。
600μmであった。また、R=15.9%のときの粒
径は800μmであり、R=84.1%のときの粒径は
2400μmであったため、σζ=0.55となった。
また、この粒子状含水ゲル(2)の安息角を二回測定し
たところ、35.1°および33.4°となった。
60分間乾燥したところ、未乾燥物は得られなかった。
さらに、この粒子状含水ゲル(2)を粉砕していても、
粉砕機にはゴム状の未乾燥物の付着は全くなかった。上
記粉砕・乾燥後に得られた吸水性樹脂(2)の吸水倍率
は65倍であり、可溶分は12%であった。
ゲルを双椀型ニーダーで粉砕することによって、比較粒
子状含水ゲル(1)を得た。この比較粒子状含水ゲル
(1)の平均粒径は1.8mmであった。また、R=1
5.9%のときの粒径は320μmであり、R=84.
1%のときの粒径は8000μmであったため、σζ=
1.6となった。さらに、10mm以上の粒径を有する
粒子は2%存在した。加えて、この比較粒子状含水ゲル
(1)の安息角を二回測定したところ、40.0°およ
び41.0°となった。
℃で60分間乾燥したところ、未乾燥物が発生した。さ
らに、この比較粒子状含水ゲル(1)を粉砕すると、粉
砕機内部にゴム状の含水ゲルが付着して、粉砕の妨げと
なった。また、上記粉砕・乾燥後に比較吸水性樹脂
(1)を得た。この比較吸水性樹脂(1)の吸水倍率は
65倍であり、可溶分は13%であった。
ゲルをミートチョッパー(ダイス径9.5mm)により
粉砕することによって、比較粒子状含水ゲル(2)を得
た。この比較粒子状含水ゲル(2)の平均粒径は1.8
mmであった。また、R=15.9%のときの粒径は4
00μmであり、R=84.1%のときの粒径は500
0μmであったため、σζ=1.26であった。さら
に、この比較粒子状含水ゲル(2)の安息角を二回測定
したところ、40.5°および38.7°となった。
℃で60分間乾燥したところ、未乾燥物が発生した。さ
らに、この比較粒子状含水ゲル(2)を粉砕すると、粉
砕機内部にゴム状の含水ゲルが付着して、粉砕の妨げと
なった。また、上記粉砕・乾燥後に比較吸水性樹脂
(2)を得た。この比較吸水性樹脂(2)の吸水倍率は
65倍であり、可溶分は15%であった。
よび4では、得られた吸水性樹脂の粒径分布を示す指標
として、以下に示すRosin-Rammlar プロットにより得ら
れる均等数nを用いた。
るい上積算%Rと粒子径Dpとを以下の式(3)にした
がってグラフにプロットした。このプロットの傾きを最
少二乗法により求め均等数nを算出した。
ポリエチレングリコールジアクリレート(平均エチレン
オキサイドユニット数8)を0.1モル%(対アクリル
酸ナトリウム)含むモノマー水溶液を調製した。このと
きのアクリル酸ナトリウムの濃度は39重量%であっ
た。このモノマー水溶液に窒素を吹き込み、水溶液中の
溶存酸素濃度を0.5ppm以下とした。
ル(対アクリル酸ナトリウムモノマー)およびL−アス
コルビン酸0.0005g/モル(対アクリル酸ナトリ
ウムモノマー)を順番に添加し、重合を行った。重合開
始温度は18℃であり、12分後温度は90℃に達し
た。
り30mm角に粗砕した。この粗砕した含水ゲルに、分
子量約3,000のポリエチレングリコール−ポリプロ
ピレングリコールブロック共重合体を1重量%(対固形
分)添加し、実施例1と同様にして竪型切断機により粉
砕した。そして得られた粉砕物を、孔径1.5mm、開
口率23%、孔数1300個/100cm2 のスクリー
ンを有する竪型切断機にてさらに粉砕した。
ゲル(3)を得た。この粒子状含水ゲル(3)の平均粒
径は710μmであった。また、σζ=0.45となっ
た。さらに、固形分換算した平均粒径は520μmであ
った。また、粒子状含水ゲル(3)の吸水倍率は25倍
であった。この粒子状含水ゲル(3)を、170℃で4
0分間、熱風乾燥機により乾燥したところ、未乾燥物は
得られなかった。さらに、乾燥後に得られた凝集物をレ
ディゲミキサー中で攪拌し、凝集物を一次粒子に解砕し
た。
0μmおよび212μmのふるいにより分級した。この
ときの850μmのふるいをパスした212μmのふる
い上分(850/212μmとする)を本発明にかかる
吸水性樹脂(3)として得た。この850/212μm
ふるい上分の割合は79重量%であり、212μmのふ
るいをパスした解砕物(すなわち微粉)の割合は0.4
重量%であった。平均粒子径は700μmであった。粒
径分布のシャープさを示すRosin-Rammlar プロットの均
等数nは4.4であった。また、吸水性樹脂(3)の吸
水倍率は42倍であり、可溶分は4%であった。
た角状の含水ゲルに、ポリエチレングリコール−ポリプ
ロピレングリコールブロック共重合体を1重量%(対固
形分)添加し、孔径1.2mm、開口率35%のダイス
を有するミートチョッパーにて粉砕して、比較粒子状含
水ゲル(3)を得た。この比較粒子状含水ゲル(3)を
170℃、40分間、熱風乾燥機で乾燥した。乾燥後の
凝集物を実施例3と同様にしてレディゲミキサー中で攪
拌し、凝集物を解砕した。
級し、850/212μmふるい上分を比較吸水性樹脂
(3)として得た。この850/212μmふるい上分
の割合は59重量%であり、212μmパスした解砕物
(すなわち微粉)の割合は32重量%であった。平均粒
子径は1300μmであった。粒径分布のシャープさを
示すRosin-Rammlar プロットの均等数nは2.0であっ
た。比較吸水性樹脂(3)の吸水倍率は42倍であり、
可溶分は5%であった。
た角状の含水ゲルに、ポリエチレングリコール−ポリプ
ロピレングリコールブロック共重合体を1%添加し、ニ
ーダー中で20分間攪拌し、粉砕して、比較粒子状含水
ゲル(4)を得た。その後、実施例3と同様にして解砕
物を得た。
級し、850/212μmふるい上分を比較吸水性樹脂
(4)として得た。この850/212μmふるい上分
の割合は38重量%であり、212μmパスした解砕物
(すなわち微粉)の割合は1重量%であった。平均粒子
径は1300μmであった。粒径分布のシャープさを示
すRosin-Rammlar プロットの均等数nは2.1であっ
た。比較吸水性樹脂(4)の吸水倍率は41倍であり、
可溶分は5%であった。
かかる粒子状含水ゲル(1)・(2)は、比較粒子状含
水ゲル(1)・(2)に比べて、粒径分布がシャープ
で、均一な粒径を有するものとなることがわかる。
(3)、ミートチョッパーで得られた比較粒子状含水ゲ
ル(3)、およびニーダーで得られた比較粒子状含水ゲ
ル(4)を比較した場合、本発明にかかる粒子状含水ゲ
ル(3)は平均粒径がシャープでかつ均等数も大きく、
より均一な平均粒径を有するものとなっていることがわ
かる。
と、図6(a)に示すように、本発明にかかる粒子状含
水ゲル(3)は、透明でその主要な周面が平滑面となっ
ている略多面体形状(図5参照)であるのに対し、図6
(b)・(c)に示すように、他の比較粒子状含水ゲル
(3)・(4)は、何れも表面が練られて凹凸が生じ、
白濁していることがわかる。なお、図6(b)が比較粒
子状含水ゲル(4)であり、図6(c)が比較粒子状含
水ゲル(3)である。
明にかかる粒子状含水ゲル(3)は、各粒子の形状がほ
ぼ統一されて略直方体形状となっているのに対し、他の
比較粒子状含水ゲル(3)・(4)は、何れも、各粒子
の形状が不定形となっていることがわかる。なお、図6
(d)は、図6(a)〜(c)と同縮尺の定規の目盛り
であり、1目盛りが1mmを示す。
られた吸水性樹脂(3)では、微粉はほとんど発生しな
かったが、ミートチョッパーで得られた比較吸水性樹脂
(3)の製造過程では、かなりの微粉が発生した。な
お、ニーダーで得られた比較吸水性樹脂(4)の製造過
程では微粉の発生量は少なかったが、粒径分布が吸水性
樹脂(3)ほどにはシャープではなく、平均粒径が均一
とはならなかった。
状重合体は、粒径分布がシャープであり、角状で粒子表
面に凹凸のない透明な粒子となっているため、良好な乾
燥が可能である。また、この粒子状含水ゲル状重合体を
用いて吸水性樹脂を製造すると、乾燥を良好に行うこと
ができる上に、未乾燥物が発生しないため、乾燥後の粉
砕工程などで未乾燥物により生じるさまざまな不都合の
発生を回避することができる。その結果、効率よく高品
質の吸水性樹脂を製造することができる。
状重合体は、以上のように、水溶性エチレン性不飽和モ
ノマーを重合した後に、少なくとも粉砕することによっ
て得られる粒子状含水ゲル状重合体において、平均粒径
が0.8〜5mmの範囲内であり、かつ、粒径分布が対
数標準偏差値σζで1.5以下となっている構成であ
る。
重合体は、以上のように、上記請求項1記載の構成に加
えて、さらに、固形分が20〜50%の範囲内となって
いる構成である。
重合体は、以上のように、上記請求項1または2記載の
構成に加えて、さらに、安息角が38°以下となってい
る構成である。
含水ゲル状重合体と比較して、極めて良好な乾燥が可能
となっているという効果を奏する。
方法は、以上のように、平均粒径が0.8〜5mmの範
囲内であり、かつ、粒径分布が対数標準偏差値σζで
1.5以下となっている粉砕された粒子状含水ゲル状重
合体を乾燥する方法である。
的に行われる上に、過乾燥や未乾燥の発生も抑制され
る。そのため、未乾燥物などによって発生する乾燥後の
工程における不都合を回避するとともに、高品質の吸水
性樹脂を得ることができるという効果を奏する。
重合体は、以上のように、水溶性エチレン性不飽和モノ
マーを重合した後に、少なくとも粉砕することによって
得られる粒子状含水ゲル状重合体において、平均粒径が
0.5〜5mmの範囲内であり、かつ、粒径分布が対数
標準偏差値σζで1.5以下となっている構成である。
重合体は、以上のように、上記請求項5記載の構成に加
えて、主要な周面が平滑面からなる略直方体形状を有し
ている構成である。
能であり、かつ、吸水性樹脂として用いることのできな
い含水ゲル状重合体の微粉の発生が抑制されるので、高
品質の吸水性樹脂を高い歩留りで得ることができるとと
もに、微粉の除去や回収などの負担を軽減し、吸水性樹
脂の製造効率を向上させることができるという効果を奏
する。
状含水ゲル状重合体を製造する際に用いられる竪型切断
機における粉砕部の内部構造を示す断面図であり、
(b)は、図1(a)に示す竪型切断機における粉砕部
の内部構造の他の例を示す断面図である。
角を測定する測定系を示す説明図である。
造方法の一例を示す工程図である。
す工程図である。
式図である。
かる粒子状含水ゲルおよび従来の粒子状含水ゲルの形状
を光学顕微鏡により観察した状態を示す図面代用写真で
あり、(d)は、(a)〜(c)と同縮尺で光学顕微鏡
により観察した定規の目盛りを示す図面代用写真であ
る。
Claims (6)
- 【請求項1】水溶性エチレン性不飽和モノマーを重合し
た後に、少なくとも粉砕することによって得られる粒子
状含水ゲル状重合体において、 平均粒径が0.8〜5mmの範囲内であり、かつ、粒径
分布が対数標準偏差値σζで1.5以下となっているこ
とを特徴とする粒子状含水ゲル状重合体。 - 【請求項2】さらに、固形分が20〜50%の範囲内と
なっていることを特徴とする請求項1記載の粒子状含水
ゲル状重合体。 - 【請求項3】さらに、安息角が38°以下となっている
ことを特徴とする請求項1または2記載の粒子状含水ゲ
ル状重合体。 - 【請求項4】平均粒径が0.8〜5mmの範囲内であ
り、かつ、粒径分布が対数標準偏差値σζで1.5以下
となっている粉砕された粒子状含水ゲル状重合体を乾燥
することを特徴とする吸水性樹脂の製造方法。 - 【請求項5】水溶性エチレン性不飽和モノマーを重合し
た後に、少なくとも粉砕することによって得られる粒子
状含水ゲル状重合体において、 平均粒径が0.5〜5mmの範囲内であり、かつ、粒径
分布が対数標準偏差値σζで1.5以下となっているこ
とを特徴とする粒子状含水ゲル状重合体。 - 【請求項6】主要な周面が平滑面からなる多面体形状を
有していることを特徴とする請求項5記載の粒子状含水
ゲル状重合体。
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