JPH11348158A - 高剛性パネル - Google Patents

高剛性パネル

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JPH11348158A
JPH11348158A JP16361798A JP16361798A JPH11348158A JP H11348158 A JPH11348158 A JP H11348158A JP 16361798 A JP16361798 A JP 16361798A JP 16361798 A JP16361798 A JP 16361798A JP H11348158 A JPH11348158 A JP H11348158A
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panel
projections
joined
rigidity
panels
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JP16361798A
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English (en)
Inventor
Michiyasu Takahashi
通泰 高橋
Akito Sakota
章人 迫田
Yozo Hirose
洋三 広瀬
Masao Yamaguchi
正雄 山口
Toshiya Oniki
俊也 鬼木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Sumitomo Metal Steel Products Inc
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
Sumitomo Metal Steel Products Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】いずれの方向に対しても剛性に優れ、かつ軽量
で、構造物等の床面や壁面に使用されるのに好適な積層
パネルを提供できる。 【解決手段】多数の凸部を有するパネルが2枚以上重ね
合わされた積層パネルであって、そのパネルの端部を除
く中間部においては各パネルの凸部が組み合わされる他
のパネルの3個以上の凸部に接合され、かつ組み合わさ
れるパネルの全ての凸部が連続的に接合されていること
を特徴とする高剛性パネルである。上記1対のパネルの
組み合わせに際し、各パネルの凸部が他パネルの3個、
または4個の凸部に接合されるのが望ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建材、航空機およ
び車両等の構造物の床面、壁面、天井または屋根等に使
用される高剛性パネルに関し、さらに詳しくは多数の凸
部を有するパネルを重ね合わせて構成され、軽量で、か
ついずれの方向に対しても高い剛性を有する積層パネル
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から建材、航空機および車両等の構
造物のパネルに用いられる構造材には、ハニカム構造
(ハニカムコア)のものが広く利用されている。ハニカ
ム構造を構成する材料としては主に金属が使用されてお
り、それ自体の厚みは50μm から100μm 程度で極めて
薄いものである。通常、構造物に用いられるパネルに
は、その端部のみが支持された、両端支持の状態で荷重
が負荷される。このような場合に、ハニカム構造のパネ
ル構造材は、構造的にハニカム構造の上下両面に貼合さ
れた表面材は変形することなく、薄い金属であっても剛
性を示し、所定の形状を保持することができる。
【0003】このように、構造材に負荷される曲げ荷重
に対し大さな抵抗を発揮することができるので、ハニカ
ム構造のパネル構造材は、軽量でありながら高剛性とい
う優れた特性を発揮することができる。また、ハニカム
構造は、その構造自体が一体化された連続体を構成する
ので、せん断荷重に対しても大さな抵抗力を示すことが
できる。
【0004】しかしながら、このハニカム構造を有する
パネル構造材を製造するには、糊付け → 平版カ
ット → 積層 → プレス → 裁断と多くの
製造工程が必要になるとともに、各工程でのロスの積み
上げから、構造材料の無駄も大きなものになる。さら
に、生産性の面でも、例えば、ハニカム構造の部材とそ
の両面を覆うように設けられる表面材とを接着する際
に、裁断した構造部材を所定の形状、寸法に固定させた
ままの状態で接着を行うという煩雑な作業を必要とする
ため、能率が制限され、生産性が著しく低下するという
問題もある。
【0005】上記のハニカム構造のパネル構造材の製造
面での問題を解決するために、特開平6-316015号公報
では、構造物等の壁面用パネルとして十分な強度を持つ
とともに、軽量で、かつ生産性に優れた金属パネルが提
案されている。すなわち、提案の金属パネルは、多数の
凸部が形成された構造材とその両表面に接着された表面
材からなる構造であり、その中間層には凸部によって構
成されるセル状部分とこれと連続した空間部分とが設け
られている。
【0006】この金属パネルは中間層に多数のセル状部
分を有しているので、ハニカム構造のパネル構造体と同
様に、荷重が負荷された場合に荷重を分散させることが
でき、外部からの荷重に対して高い強度を発揮すること
ができる。また、パネルの製造において、素材がアルミ
ニウム等の薄手の金属材料で、これに絞り加工または張
り出し加工等により多数の凸部を成形し、その両表面に
表面材を接着するという簡単な工程を採用することがで
きるので、高い生産性が実現できるとされている。
【0007】しかしながら、提案された金属パネルでは
曲げ変形に対する剛性が考慮されておらず、構造材とし
て剛性が不十分であるという問題がある。前述の通り、
金属パネルの中間層は、多数のセル状部分とこれと連続
した空間部分とからなる構造である。このため、パネル
が全長にわたって均一に支持された状態で荷重が負荷さ
れた場合には、中間層のセル状部分で荷重が分散され、
金属パネルは変形することなく、優れた強度を示すこと
ができる。ところが、パネルの端部のみが支持された、
両端支持の状態で荷重が負荷され場合には、荷重によっ
てパネルにせん断荷重が加わることになるので、凸部が
形成されていない空間部分における表面材の変形が著し
くなり、パネル全体として容易に曲げ変形を発生する。
したがって、両端支持の状態で荷重負荷が想定されるパ
ネル構造材には、先に提案された金属パネルを適用する
ことができない。
【0008】このような問題に対応するため、本発明者
らは、新たに外部からの荷重に対する剛性に優れ、構造
物等の床面、壁面用として最適な高剛性パネルを開発し
た。そのパネルは、凸部を多数設けたパネルを2枚以上
重ね合わされた積層パネルの構造であって、各パネルの
凸部が他パネルの一以上の凸部と接合するようになって
いる(特開平9−141769号公報参照)。このような積層
パネルの構造を採用して、パネルに設けられた凸部同士
を接合させることによって、外部からの荷重による変形
に対して高い抵抗性を発揮することができる。このた
め、新たに開発された積層パネルでは、パネル構造材全
体として高い剛性を有することができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】前述の通り、従来提案
の金属パネルでは、パネル構造材として満足できる剛性
を確保できなかった。これに対応するため、本発明者ら
は、積層パネル構造を前提とする高剛性パネルを先に開
発した。この高剛性パネルでは、パネル積層に際して各
パネルの凸部は他のパネルの一つ以上の凸部と接合する
ようにしているので、荷重に対する剛性に優れ、パネル
構造材が両端支持の状態で荷重が負荷された場合であっ
ても、曲げ変形やせん断変形を抑制することができる。
ところが、外部からの荷重の負荷状況によって、剛性に
方向性を生ずる場合がある。すなわち、パネル構造材と
してある程度の剛性を発揮することができるが、特定の
方向から負荷される荷重に対して、剛性が低下する場合
がある。
【0010】本発明者らのその後の検討によって、先に
開発された高剛性パネルであっても、設けられる凸部の
配置や凸部の接合状態をさらに改善することによって、
方向性のない剛性を確保することができることが明らか
になった。言い換えると、荷重の負荷状況に拘わらず、
荷重による曲げ変形やせん断変形の発生を一層抑制し
て、パネル構造材全体としてのいずれの方向に対して
も、剛性を著しく向上させることができる。
【0011】本発明は、建材、航空機および車両等の構
造物のパネルに用いられる構造材に対して要求される性
能のうち、従来の金属パネルや積層パネルで達成するこ
とができなかった、いずれの方向に対しても高い剛性を
有するパネル構造材を提供することを目的としてなされ
たものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、パネル構
造材の剛性について種々検討した結果、その剛性の低下
は、従来の金属パネルにあっては凸部が形成されていな
い空間部分において、また積層パネルにあっては凸部と
凸部の間の未成形部分において、荷重によるせん断変形
に起因することを明らかにした。すなわち、通常、パネ
ルに設けられる凸部ではせん断力に対して強い抵抗を示
すのに比べ、凸部と凸部の間の未成形部分では、せん断
力に対する抵抗は著しく低下する。
【0013】例えば、後述する図4に示すように、パネ
ルの積層に際し、上下のパネルの凸部の接合に不連続な
部分があると、両端支持の状態で荷重が負荷される場合
に、その部位に対応する凸部と凸部の間の未成形部分や
表面材にせん断変形が発生することがある。このような
場合には、パネル全体として高い剛性を確保することが
できない。したがって、積層パネルにあっては、組み合
わされるパネルの全ての凸部が連続的に接合されている
ことが必要になる。
【0014】積層パネルが全ての方向に対して高い剛性
を発揮するには、パネルの全ての凸部が連続的に接合さ
れている場合であっても、さらにパネルの凸部が組み合
わされる他のパネルの3個以上の凸部に接合するように
しなければならない。例えば、後述する図6(a)、(b)に
示すように、他のパネルの1個、または2個の凸部と接
合する凸部が存在する場合には、特定方向への変型が生
じ易くなり、剛性に方向性を生じる場合がある。このよ
うな特定方向への変型を抑制するには、各パネルの凸部
が組み合わされる他のパネルの3個以上の凸部に接合さ
せる必要がある。このように凸部の接合を構成すること
によって、パネルの全ての方向に発生する変形を抑制で
き、優れた剛性を確保することができる。
【0015】本発明のパネルは上述の知見に基づいて完
成されたものであり、下記の高剛性パネルを要旨として
いる。
【0016】すなわち、多数の凸部を有するパネルが2
枚以上重ね合わされた積層パネルであって、そのパネル
の端部を除く中間部においては各パネルの凸部が組み合
わされる他のパネルの3個以上の凸部に接合され、かつ
組み合わされるパネルの全ての凸部が連続的に接合され
ていることを特徴とする高剛性パネルである(図1、図
2および図3参照)。
【0017】そして、上記の高剛性パネルは、1対のパ
ネルの積層に際して、各パネルの凸部が他パネルの3
個、または4個の凸部に接合されるのが望ましい。
【0018】本発明でいう「積層パネル」とは、多数の
凸部を有するパネルをそれぞれの凸部同士で接合して組
み合わせた積層構造のパネルを意味する。また、「全て
の凸部が連続的に接合」とは、パネルの中間部の全域に
おいて凸部の接合が断続することなく連続している状態
をいい、後述する図4に示すように、パネル構造体の全
幅にわたり不連続になる部分が発生しない状態をいう。
【0019】
【発明の実施の形態】前述の通り、本発明の高剛性パネ
ルの第1の特徴は、パネルの全ての凸部が連続的に接合
されていることである。パネルに設けられる凸部の配置
が不均一であり、凸部同士の接合が不連続になると、凸
部と凸部の間の未成形部分や表面材にせん断変形が発生
し易くなり、パネル構造材の剛性が低下する要因になる
からである。
【0020】次ぎに、第2の特徴は、パネル積層のため
に凸部同士が中心をずらして接合される際に、パネルの
凸部が組み合わされる他のパネルの3個以上の凸部に接
合される配置としたことである。パネルの凸部が他のパ
ネルの3個未満の凸部、すなわち、2個、または1個の
みの凸部と接合される場合には、凸部同士の接合は不確
実となり、荷重の負荷状況によってパネル構造材の剛性
が特定方向に低下するという、剛性に方向性が生じるこ
とになるからである。
【0021】図1は、本発明の高剛性パネルの構成例を
示す一部切り欠き斜視図である。本発明の高剛性パネル
1は、多数の凸部2を有するパネル3が2枚以上重ね合
わされた積層構造のパネル(積層パネル)であつて、積
層に際して2枚のパネル3をそれぞれの凸部2同士が中
心をずらして接合しパネル積層体5を構成する。このパ
ネル積層体5の片側若しくは両側に表面材(図示せず)
が貼合される。
【0022】この場合に、上述の通り、各パネルの凸部
2が組み合わされる他パネルの3個以上の凸部2に接合
され、しかも全ての凸部2が連続的に接合されている。
このような構成を採用することによって、パネル支持が
両端支持の状態で荷重が負荷された場合であっても、パ
ネル3や表面材に発生する変形が抑制されて、パネル構
造材全体として高い剛性を示すことができる。
【0023】このとき、具体的な接合個数として、各パ
ネルの凸部は組み合わされる他のパネルの3個、または
4個の凸部に接合されるのが望ましい。後述するパネル
の製造において、凸部の加工が容易であり、加工精度を
確保し易いからである。
【0024】図2は、1対(AおよびB)のパネルの組
み合わせに際し、各パネルの凸部が他パネルの3個の凸
部と接合する状態を説明する図である。同図(a)は凸部
の接合状態を示し、(b)はAのパネルに施された凸部の
配置を、(c)はBのパネルに施された凸部の配置をそれ
ぞれ示している。図2(a)に示すように、各パネル3の
凸部2は組み合わされる他パネル3の3個の凸部2と均
一、かつ連続して接合されているので、パネルの支持状
態および荷重の負荷状態に拘わらず、パネル3に変形が
生じることがない。
【0025】この場合に、上記の条件を満足する凸部
は、パネルの端部を除く中間部に設けられ凸部が対象と
される。具体的には、同図(b)、(c)に示すように、対象
とされる凸部は、パネルの端部に設けられる凸部2bでは
なく、中間部に設けられる凸部2aである。剛性を高める
にはパネル当たり対象凸部が多い程望ましいが、パネル
の機構面から端部に設けられる凸部2bをも上記の条件を
満足させるのは困難であり、端部を除く中間部に設けら
れ凸部2aのみを対象とした。
【0026】図3は、1対(AおよびB)のパネルの組
み合わせに際し、各パネルの凸部が他パネルの4個の凸
部と接合する状態を説明する図であり、同図(a)〜(c)の
詳細は、図2の場合と同様である。図3(a)に示すよう
に、凸部が他のパネルの4個の凸部と接合する場合であ
っても、各パネルの全ての凸部が均一、かつ連続して接
合されているので、パネル構造材全体としての剛性が一
層増大する。このとき、規定の条件を満足する凸部は、
同図(b)、(c)に示すように、パネルの端部に設けられる
凸部2bではなく、中間部に設けられる凸部2aである。
【0027】本発明の高剛性パネルの第1の特徴を具備
しない事例、すなわち、積層パネルであってパネルに設
けられる凸部の配置が不均一であり、凸部同士の接合が
不連続になる事例を説明する。
【0028】図4は、積層パネルにおいて凸部が不連続
となる接合の事例を示す図であり、パネル3の全幅にわ
たり凸部の接合が不連続になる部分が存在している。同
図に示すような不連続部は、幅方向の凸部の列を1単位
として凸部を成形する際に、何らかの理由で1列の成形
ができなかった場合や、凸部を成形した端材同士を組み
合わせる場合に発生することがある。積層パネルの凸部
の接合に不連続部が発生すると、外部からパネルに負荷
される荷重に起因して、凸部接合の不連続部に該当する
パネルや表面材にせん断変形が発生し易くなる。
【0029】図5は、不連続な凸部接合が存在する積層
パネルに両端支持の状態で分布荷重pを負荷した場合の
変形状況を説明する図である。図5(a)では、積層パネ
ルは凸部2を接合させたパネル積層体の両面に表面材4
が施され、両端支持の状態で分布荷重pが負荷された状
況を、前記図4に示すX−X軸を基準に示している。互
いに凸部が接合する部分は変形に対して高い抵抗性を示
すが、不連続部にあっては、他の部分に比較して抵抗性
が低くなる。そのため、図5(b)に示すように、不連続
部に該当するパネルおよび表面材4に変形が発生し、パ
ネル構造材としての剛性は確保できなくなる。
【0030】さらに、本発明の高剛性パネルの第2の特
徴は、特定の凸部が接合する他の凸部は、少なくとも3
個以上にすることである。例えば、本発明のパネル積層
体を構成する個々のパネルがAおよびBの2枚からなる
場合、Aのパネルの凸部がBのパネルの3個以上の凸部
と接合しており、一方、Bのパネル側からみてもBのパ
ネルの凸部がAのパネルの3個以上の凸部と接合してい
る必要がある。Aのパネルの一つの凸部が接合するBの
パネルの凸部が3個以上になることによって、いずれの
方向から荷重が負荷された場合であっても、凸部の接合
に方向性が生ずることなく、常に高い剛性を発揮する接
合が可能になる。それと同時に、AおよびBのパネルが
重ね合わされたパネル積層体に加えられる荷重が分散す
るので、変形に対する抵抗が大きくなり、パネル構造材
全体としての剛性を一層高めることができる。次ぎに、
本発明の第2の特徴を具備しない事例について説明す
る。
【0031】図6は、積層パネルの特定の凸部が接合す
る他の凸部と3個未満で接合している場合を示してい
る。図6(a)は特定の凸部2cを除く正常の凸部が他パネ
ルの3個の凸部と接合する状態を示している。この場合
に、特定の凸部2cは他の2個の凸部と接合しているだけ
であり、不確実な接合であるため、荷重の負荷状況によ
ってA−A線に沿って変型を生じやすくなる。また、図
6(b)は特定の凸部2cを除く正常の凸部が他パネルの4
個の凸部と接合する状態を示しており、特定の凸部2cは
他の2個の凸部と接合しているだけであるため、荷重の
負荷状況によってせん断変形を生じる場合がある。
【0032】図7は、本発明のパネルに設けられる凸部
の形状を例示する斜視図であるが、凸部2の形状は特に
限定はない。通常、従来の金属パネルで慣用されている
ように、碗を伏せた形状をなし、その上端部が、他の凸
部あるいは表面材との接合性を高めるため水平をなすも
のが好適である(図7(a)参照)。
【0033】凸部の大ささや、形状については、パネル
構造材の使用箇所、目的等に応じて適宜定められたもの
であればよい。また、凸部の先端部分の一部に成形加工
を容易にするための開口部6が設けられていても(図7
(b)参照)、構造物等の床面用または壁面用のパネルと
しての強度、あるいは剛性が損なわれることはない。
【0034】本発明の高剛性パネルの素材については、
特に限定はない。鋼板、各種のメッキを施したメッキ鋼
板、プレコート鋼板や、アルミニウム等の金属材料であ
つてもよいし、各種の樹脂を用いたものであっても良
い。
【0035】本発明の高剛性パネルを製造するには、素
材として金属を用いる場合、通常、100から2000μmの薄
肉の材料を用いて、絞り加工、プしス加工等の加工方法
でパネルの所定部位に凸部を形成してのち、これらの凸
部同士の中心をずらすように接合して、2枚のパネルを
重ね合わせてパネル積層体とする。
【0036】凸部同士の接合は、ウレタン樹脂またはエ
ポキシ樹脂等による接着接合でも、スポット溶接等の溶
接接合でも良い。接着接合、または接着接合および溶接
接合の組み合せ接合の場合には、接着剤が制振作用を有
するため、溶接のみで接合した場合に比べて、制振性や
衝撃音吸収性に優れるという特徴が望める。また、組み
合わされたパネル積層体の上下面に表面材を設ける場合
には、接着接合、ビス留め等の貼合方法によって行われ
る。
【0037】本発明の高剛性パネルの加工は、比較的簡
単な工程の繰り返しであって、しかも長尺に巻さ取つた
材料から連続的に加工することが可能であることから、
生産性にも優れている。パネルの素材として樹脂を用い
る場合には、金属を用いる場合に比べて軽量化が可能で
あり、また、成形加工が容易なことから、生産性にも優
れている。
【0038】
【実施例】パネルに加工される凸部の配置を換えて、図
1に示す本発明の高剛性パネル1を作製した。
【0039】(実施例1)パネル3は冷延鋼綱板(厚
さ:600μm)を素材に用い、プレス加工によって前記の
図7(a)に示した形状の凸部2(底面の直経:250mm、高
さ:45mm)を加工した。このときの凸部の接合が前記図
2(a)になるように加工し、その後パネル3を2枚積層
してパネル積層体5を形成し、パネル積層体の上面に表
面材(パーティクルボード)を貼り付けて高剛性パネル
1を作製した。このとき凸部2の接合はスポット溶接に
よって行い、上下面への表面材の貼付はビス留めによつ
て行つた。このパネル積層体5では、端部を除く中間部
では、上下パネルの凸部が他のパネルの3個の凸部に接
合されており、かつ総ての凸部が連続的に接合されるよ
うにした。
【0040】(実施例2)実施例1と同様に、冷延鋼綱
板を素材として用い、プしス加工によって凸部2を加工
して、凸部の接合が前記図3(a)になるようにし、その
後パネル3を2枚積層してパネル積層体を形成して、次
いで表面材4を貼り付けて高剛性パネル1を作製した。
このパネル積層体では、端部を除く中間部では、上下パ
ネルの凸部が他のパネルの4個以上の凸部に接合されて
おり、かつ総ての凸部が連続的に接合されるようにし
た。
【0041】(比較例1)実施例1と同じ条件で凸部を
加工したが、組み合わされるパネルの凸部の配置はいず
れも前記図2(b)の配置として、各パネルの凸部が他の
パネルの凸部とそれぞれの凸部の中心がー致するような
状態にし、1対1で接合するようにした。
【0042】(比較例2)実施例1と同じ凸部配置で加
工されたパネルを使用したが、1のパネルは1列のみ凸
部加工を行わず、凸部の接合が前記図4になるように積
層パネルを作製した。このため、パネルの全幅にわたり
凸部の接合が不連続になる部分がある。
【0043】(比較例3)実施例1と同じ凸部配置で加
工されたパネルを使用したが、図2(c)に示す凸部配置
のうち部分的に凸部加工を行わず、凸部の接合が前記図
6(a)になるように積層パネルを作製した。このため、
パネル凸部の接合には他の3個の凸部と接合する場合お
よび他の2個の凸部と接合する場合とが混在することに
なる。
【0044】(変形量の比較)実施例1、2および比較
例1〜3で作製されたパネルを、それぞれ幅1m、長さ
2mの形状とし、短辺の2辺を支持した両端支持の状態
で、400kgの分布荷重を負荷し、その時の、中央部の変
位を測定し、その結果を表1に示す。比較例1〜3の測
定結果は方向性を有することから、表1には最大変位量
を示している。この結果から、本発明の実施例では、比
較例に比へて変位が著しく小さく、パネル構造材全体と
して、方向性を生ずることなく高い剛性を示すことが確
認できた。
【0045】
【表1】
【0046】
【発明の効果】本発明の高剛性パネルによれば、積層パ
ネルであって、いずれの方向に対しても優れた強度およ
び剛性を発揮するとともに、軽量であり、建材、航空機
および車両等の構造物のパネルに用いられる構造材とし
て好適なものとなる。しかも、生産性が高いので安価に
提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の高剛性パネルの構成例を示す一部切り
欠き斜視図である。
【図2】1対(AおよびB)のパネルの組み合わせに際
し、各パネルの凸部が他パネルの3個の凸部と接合する
状態を説明する図である。
【図3】1対(AおよびB)のパネルの組み合わせに際
し、各パネルの凸部が他パネルの4個の凸部と接合する
状態を説明する図である。
【図4】積層パネルにおいて凸部が不連続となる接合の
事例を示す図である。
【図5】不連続な凸部接合が存在する積層パネルに両端
支持の状態で分布荷重pを負荷した場合の変形状況を説
明する図である。
【図6】積層パネルの特定の凸部が接合する他の凸部と
3個未満で接合している事例を示す図である。
【図7】本発明のパネルに設けられる凸部の形状を例示
する斜視図である。
【符号の説明】
1:高剛性パネル、 2:凸部 3:パネル、 4:表面材 5:パネル積層体、 6:開口部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 広瀬 洋三 大阪府大阪市中央区北浜4丁目5番33号住 友金属工業株式会社内 (72)発明者 山口 正雄 大阪府大阪市西区江戸堀2丁目1番1号住 友金属建材株式会社内 (72)発明者 鬼木 俊也 大阪府大阪市西区江戸堀2丁目1番1号住 友金属建材株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】多数の凸部を有するパネルが2枚以上重ね
    合わされた積層パネルであって、そのパネルの端部を除
    く中間部においては各パネルの凸部が組み合わされる他
    のパネルの3個以上の凸部に接合され、かつ組み合わさ
    れるパネルの全ての凸部が連続的に接合されていること
    を特徴とする高剛性パネル。
  2. 【請求項2】各パネルの端部を除く中間部の凸部が組み
    合わされる他のパネルの3個、または4個の凸部に接合
    されることを特徴とする請求項1記載の高剛性パネル。
JP16361798A 1998-06-11 1998-06-11 高剛性パネル Pending JPH11348158A (ja)

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Application Number Priority Date Filing Date Title
JP16361798A JPH11348158A (ja) 1998-06-11 1998-06-11 高剛性パネル

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JP16361798A JPH11348158A (ja) 1998-06-11 1998-06-11 高剛性パネル

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105082635A (zh) * 2015-08-26 2015-11-25 杭州电子科技大学 一种多周期吸能结构

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