JPH1134314A - インクジェット記録ヘッド - Google Patents

インクジェット記録ヘッド

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Publication number
JPH1134314A
JPH1134314A JP20982197A JP20982197A JPH1134314A JP H1134314 A JPH1134314 A JP H1134314A JP 20982197 A JP20982197 A JP 20982197A JP 20982197 A JP20982197 A JP 20982197A JP H1134314 A JPH1134314 A JP H1134314A
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JP
Japan
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vibration
ink
recording head
jet recording
generating means
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Withdrawn
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JP20982197A
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English (en)
Inventor
Yoshiyuki Shiratsuki
好之 白附
Hiroaki Sato
博昭 佐藤
Koichi Haga
浩一 羽賀
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Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ノズルを用いず、発熱などを生じにくい低周
波低電圧駆動方式により、微小な液滴を吐出することが
でき、インク滴を吐出する周波数が高い高速印字が可能
なインクジェット記録ヘッドを提供すること。 【解決手段】 画素信号に対応して振動する振動発生手
段3と、振動発生手段3の振動に応じて振動する弾性部
材1と、振動発生手段3の振動を抑制する振動低減手段
30とを備え、弾性部材1の振動によりインク9の表面
にキャピラリ波を発生させ、インク9を飛翔させた後
に、振動低減手段30が振動発生手段3の振動を減衰さ
せることを特徴とするインクジェット記録ヘッドによ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被印字面にインク
ドロップなどの液滴を吐出して印字を行うインクジェッ
ト記録ヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】被印字面にインクドロップなどの液滴を
吐出して印字を行うインクジェット記録方式としてはノ
ズルを用いる方式が代表的である。ノズル式の記録方式
にはオンデマンド型と連続流型とがある。
【0003】オンデマンド型は記録情報に対応してノズ
ルから間欠的にインクを吐出させて印字を行う方式であ
る。オンデマンド型の代表的なものとしてピエゾ振動子
型とサーマル型とがある。ピエゾ振動子型はインク室に
付設した圧電素子にパルス電圧を印加して圧電素子を変
形させることにより、インク室内のインク液圧を変化さ
せ、ノズルからインクドロップを吐出させて記録紙上に
ドットを記録するものである。サーマル型はインク室内
に設けた加熱素子によりインクを加熱し、これにより発
生したバブルによりノズルからインクドロップを吐出さ
せて記録紙上にドットを記録するものである。
【0004】一方、連続流型はインクに圧力を加えてノ
ズルから連続的にインクを吐出させると同時にピエゾ振
動子などにより振動を加えて吐出インク柱を液滴化し、
液滴に対して選択的に帯電、偏向を行うことによって記
録を行うものである。
【0005】これらの各方式においてはインクのドロッ
プ径は主としてノズルの径によって決まる。そして、ノ
ズル径を小さくすると、ゴミ・チリやノズル部のインク
表面の乾燥によるノズル詰まりが発生したり、ノズル円
周部へのインク残滓の付着によるインク吐出方向の変化
が生じたりするなどの問題が発生する。
【0006】これに対して、ノズルを用いないで被印字
面にインクドロップを吐出して印字を行う記録方式がい
くつか提案されている。
【0007】米国特許第4308547号明細書には凹
状にカーブした球面形状の圧電体シェルをインク中に配
置し、この圧電体シェルに電極を介して電圧を印加する
方式が示されている。この方式では圧電体シェルからイ
ンク中に放射された縦波がインク自由表面の一点に集め
られ、インク自由表面からインクドロップが吐出する。
【0008】また、特公平6−45233号公報にはガ
ラスなどの基板上に球面状の凹部を設けてこれを音響レ
ンズとし、基板の裏面に圧電体と、圧電対に電圧を印加
するための電極からなる振動子とを形成して、この振動
子をインク中に配置する方式が示されている。
【0009】さらに、特開平3−200199号公報に
は、凹状レンズの代わりにより安価、かつ、シャープに
焦点を合わせられる薄膜平板状の位相フレネルレンズを
基板上に設けることが示されている。
【0010】ノズルを用いない他の記録方式の例として
は、吐出力として静電力を用いるいわゆる静電吸引方式
がある。静電吸引方式の一例として、インクメニスカス
(インク***)を形成するために振動を用いるものが知
られている。
【0011】例えば、特開昭62−222853号公報
には記録針をインク表面から突出させて、記録針に対し
て軸方向に伝搬する超音波エネルギーを与える方式が示
されている。これによると超音波流動(acousti
c streaming)現象により、記録針に接する
インクは記録針の先端方向に移動して、記録針の先端に
凸状のインクメニスカスが形成される。その状態で記録
針と背面電極との間に静電界を印加してインクを引きち
ぎり、記録針と背面電極との間に配置された記録媒体上
にインクドロップを着弾させる。この方式によれば、記
録針の先端にインクメニスカスを形成するため、従来の
静電吸引方式に比べてより小さいインクドロップを形成
できる。
【0012】また、特開昭56−28867号公報に
も、針電極と背面電極との間に静電界を印加した状態で
針電極に画像信号を印加すると同時に、針電極を振動さ
せる静電吸引方式が示されている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】縦波をインク自由表面
に集束させて、インク自由表面からインクドロップを吐
出させる方式では、インクドロップ径は縦波の集束径に
ほぼ等しい。ここで、インクドロップ径または縦波の集
束径dは、振動子の駆動周波数をf、レンズのF値をF
とすると、略d=F/fとなる。なお、インク中を伝搬
する縦波の波長をλ、その伝搬速度をvとすると、これ
らと振動子の駆動周波数fとの間には、v=f・λの関
係がある。
【0014】例えば、インクドロップ径dが15μm程
度の非常に小さなインクドロップを吐出させたい場合
に、レンズのF値を1と仮定すると、縦波の伝搬速度v
=1500m/秒程度である従来の低粘度・水性インク
を用いれば、振動子の駆動に必要な駆動周波数fは約1
00MHzという非常に高い値になる。レンズのF値
は、種々の問題から上記の仮定した値よりも著しく小さ
くすることは実際上困難であるため、インクドロップ径
dを小さくしようとすると、一般的には極めて高い周波
数で振動子を駆動しなければならないことになる。
【0015】このように、縦波をインク自由表面に集束
させて、インク自由表面からインクドロップを吐出させ
る方式では100MHz前後の高い周波数で複数の振動
子を駆動しなければならないため、駆動手段が高価にな
るというコスト上の問題を生じる。また、吸収による発
熱でインク粘度が変化してドロップ径が変動したり、記
録素子内でインク自体の乾燥や固化を生じてインクを吐
出できなくなるという問題がある。
【0016】一方、静電吸引方式では湿度などによる記
録媒体の誘電体の厚みの変動や、記録媒体の表面の粗さ
のばらつきなどによって、形成されるドロップ径が変動
しやすいといった欠点がある。
【0017】本発明の目的は、ノズルを用いず、かつ、
発熱などを生じにくい低周波低電圧で駆動でき、微小な
インク滴を吐出することができるインクジェット記録ヘ
ッドを提供することにある。また、本発明の目的は、イ
ンク滴の吐出する周波数を高め、高速印字が可能なイン
クジェット記録ヘッドを提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、画
素信号に対応して振動する複数の振動発生手段と、振動
発生手段の振動に応じて振動する例えば片持ち梁構造の
弾性部材と、振動発生手段の振動を抑制する振動低減手
段とを備え、弾性部材の振動によりインクの表面にキャ
ピラリ波を発生させ、インクを飛翔させた後に、振動低
減手段が振動発生手段の振動を減衰させることを特徴と
するインクジェット記録ヘッドによって達成される。振
動低減手段は振動発生手段と共用してもよいし、別の手
段であってもかまわない。前者の場合には振動低減手段
で発生する振動は振動発生手段で発生する振動とは異な
る振動である。また、後者の場合は、振動発生手段に制
振のための部材を接触させる機構や、振動発生手段と電
気的に並列に接続される機構が振動低減手段となる。
【0019】本発明のインクジェット記録装置において
は、まず振動発生手段を画像信号に応じて励振する。こ
の振動発生手段の振動によって、片持ち梁構造の弾性部
材に曲げ振動が生じる。それによって、片持ち梁構造の
弾性部材の自由端(先端部分)が相当程度変位するよう
な大きな振動エネルギーを生じる。特に、弾性部材の共
振周波数に応じて振動発生手段を励振することで、より
大きな変位を生じることができる。このような大きな曲
げ振動によって、弾性部材の先端部分のインクの薄い部
分にキャピラリ波が生成され、その波頭からインク滴が
ちぎれることによりインク滴の吐出が起こる。振動発生
手段の励振はこの時点で停止させるが、振動発生手段に
は残振動が発生する。振動発生手段の振動が止まらない
と、次のインク滴の飛翔を開始することができないの
で、振動発生手段の残振動を素速く低減させることが重
要である。これを実現すべく、振動低減手段を設けて振
動発生手段の残振動を素速く減衰させる。その後、振動
発生手段を次のインク滴を飛翔させるために再び励振さ
せ、以降、同様なサイクルを繰り返す。このように、振
動発生手段は画像信号に応じて間欠的に励振することに
なる。
【0020】振動低減手段は、振動発生手段と構成部材
を共用してもよいし別機構として設けてもよい。振動発
生手段と部材を共用する場合は、弾性部材の薄液層部分
からインク滴が吐出した後に、振動駆動手段により振動
発生手段に付与されるインク滴を吐出するための振動と
は異なる振動、例えば逆位相で同周波数の振動を発生さ
せて振動発生手段の振動を素速く減衰させる。
【0021】振動低減手段を別に設ける場合は、弾性部
材の薄液層部分からインク滴が吐出した後で、インク滴
を吐出するための弾性部材とは異なる第2の弾性部材を
振動発生手段に対して接触させることによって振動発生
手段の振動を素速く減衰させることができる。また、振
動駆動手段に対して、振動発生手段と電気的に並列に抵
抗負荷を接続させることによって、振動発生手段の振動
を素速く減衰させることもできる。このように振動発生
手段の残振動を素速く減衰させることよって、短い時間
で次のインク滴の飛翔を開始することができるので高速
印字が可能となる。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明の第1の実施の形態による
インクジェット記録ヘッドについて図1乃至図5を用い
て説明する。
【0023】図1は本実施の形態によるインクジェット
記録ヘッドの基本的構成を示した側面図である。弾性部
材1としては、エレクトロフォーミングによって形成さ
れたおよそ7μm厚のニッケルを用いた。弾性部材1は
およそ100μm厚のセラミック基板2a、2bとの間
に挟まれるように接着され、その先端の少なくとも一部
がインク9中に埋没するように構成される。振動発生部
3はジルコン酸チタン酸鉛(PZT)からなる圧電セラ
ミック薄膜4と、これに電圧を印加するための電極5
a、5bからなり、弾性部材1と対応する位置に、セラ
ミック基板2a、2bのインク9側の面と反対側の面に
接着される。PZTからなる圧電セラミック薄膜4は分
極処理が施されており、電極5a、5b間に電圧が印加
されたとき、セラミック基板2a、2bの面に対して垂
直な方向に振動する。なお、電極5a、5bは0.05
μmの厚さのクロムと、1μmの厚さの金の2層からな
る。インク室6はセラミック材料で作成されたインク室
壁7a、7bおよび天板8により形成される。インク9
はインク供給路10を通して、図示しないインクタンク
からインク室6に供給される。このとき、インク9によ
って弾性部材1の先端部分までが濡れるようにする。イ
ンク滴吐出口11はインク室壁7aと天板8により形成
される。
【0024】図2は本実施の形態によるインクジェット
記録ヘッドの基本的構成を示した正面図である。理解を
容易にするため、図1で説明したインク室壁7a、7b
は図示を省略している。
【0025】弾性部材1はインク滴が吐出するピッチに
対応して、尖った先鋭形状に形成されている。それぞれ
の弾性部材1にはそれぞれ対応する振動発生部3が形成
される。弾性部材1の間には、天板8とセラミック基板
2a、2bとを接続する隔壁12が配置されている。ま
た、振動発生部3の間は、いずれかの振動発生部で発生
する振動が他の振動発生部上の弾性部材を励振させてし
まうことがないように、アルミ板からなる支持基板13
に固定されている。
【0026】セラミック基板2a、2b、インク室壁7
a、7b、天板8、隔壁12は、全て同一のセラミック
材料で作製することが望ましく、一体形成による方法、
または、個別に形成してから接着する方法のいずれかで
作製することができる。セラミック基板の代わりにプラ
スチック基板を用いてもよい。弾性部材1はセラミック
基板と接着する部分で共通に繋がった一体ものとして形
成することができる。振動発生部3は一体のPZT板に
対して、各弾性部材1に対応する位置に電極4a、4b
を形成することで容易に作製できる。このように作製さ
れた振動発生部3をセラミック基板2に接着する。そし
て、最後に支持基板13に接着することで図1および図
2に示すようなインクジェット記録ヘッドを作製するこ
とができる。
【0027】弾性部材1の材料としては各種金属材料ま
たはその合金で形成してもよい。また、弾性部材1は金
属材料ではなくポリイミドのような樹脂材料を用いても
よい。さらに、弾性部材1はSiO2、Al23などの
各種無機材料で形成してもよい。
【0028】圧電セラミック薄膜はPZT以外に、チタ
ン酸バリウムBaTiO3や、ニオブ酸鉛PbNb
26、ニオブ酸リチウムLiNbO3、タンタル酸リチ
ウムLiTaO3などの多結晶体や単結晶体、またはZ
nOやAlNなどの圧電薄膜材料を用いてもよい。
【0029】次に、本実施の形態によるインクジェット
記録ヘッドの動作について図3を用いて説明する。図3
は振動発生部3で振動を発生させた時の弾性部材1の様
子を示した側面図である。振動発生部3はセラミック基
板2a、2bの剛性、圧電セラミック薄膜5の厚さ、圧
電特性から決まる共振周波数foを有する。外部駆動機
構14から振動発生部3に対して、foまたはその整数
倍の周波数fの交番電圧を印加して振動発生部3を励振
する。なお、この駆動周波数はいかなる値でもよいが、
共振周波数foまたはその整数倍の周波数fで駆動する
と効率よく振動させられる。
【0030】このようにして振動発生部3で発生した振
動は、セラミック基板2a、2bに接続された弾性部材
1を振動させ、その結果、弾性部材1は図3に示すよう
な曲げ振動をする。弾性部材1も弾性部材の剛性・大き
さ、インクとの接し方などから決まる固有の共振周波数
feを有する。固有の共振周波数feまたはこの整数倍
の値が、振動発生部3を励振する駆動周波数と一致する
ように、弾性部材の剛性、大きさ、インクとの接し方な
どを決めることによって、弾性部材1を効率よく曲げ振
動させることができる。本発明を適用するためのインク
ジェット記録ヘッドにおいては、図2を参照して、弾性
部材1の寸法は幅a=300μm、インク室内の高さb
=260μmとした。また弾性部材1は、弾性部材1の
片持ち梁構造の自由端の先端部近傍における曲げ振動の
振動方向に対して垂直な面の幅W(図2参照)が、ほぼ
2λの長さとなる領域を有している。但し、λは以下の
式1で与えられる。 λ={8πσ/(ρfe2)}1/3×104(μm) ・・・式1 ここで、σは、インク表面張力(mN/m) ρは、インク密度(g/cm3) feは、励振周波数(Hz) である。こうすることにより、幅Wにおいて2山のキャ
ピラリ波を生成でき、その後1山のインク***部が形成
されて次の瞬間これが分離してさらに正確に1インク滴
を飛翔させることができるようになる。
【0031】図4に外部駆動機構14から振動発生部4
に対して印加した交番電圧波形を示す。本実施の形態に
おいては、192kHz、40Vp−p(最高最低振
幅)のサイン波状の交番電圧を52μ秒の間だけ、バー
スト波として振動発生部に印加して励振した。従って、
192kHzのサイン波状の交番電圧を10バースト数
分印加したことになる。図4に示す波形はサイン波状で
あるが、矩形波や三角波でも駆動することができる。
【0032】図5は曲げ振動している弾性部材1の先端
部の側面の拡大図を示す。弾性部材1が図3に示すよう
な曲げ振動をしているとき、弾性部材1の先端部は、破
線矢印で示すように左右に大きく振動する。先端部の振
動方向に垂直な面に対してインク9の表面までの距離t
(以下、インク液厚みという)を数μm〜数百μmにす
ると、インク表面にキャピラリ波が発生する。インク9
は例えば、粘度2mPa・sの黒色水性インクである。
インク液厚みtは弾性部材1の先端部の形状、インク高
さ、先端部のインクに対する濡れ性などを制御すること
で変えることができる。
【0033】弾性部材1の先端部の振幅を十分大きくす
ることによって、キャピラリ波の波頭はちぎれ、インク
滴15となって飛翔する。インク滴15の直径は典型的
にはおよそ20μmである。振動発生部に印加する交番
電圧の電圧値Vやバースト波の数は、使用するインクの
粘度、インク液厚み等、いくつかの条件によって決ま
る。これらの条件が適正な値からずれると、複数のイン
ク滴が吐出したり、インク滴が吐出しないなどの不具合
が発生する。
【0034】インク滴15の飛翔する方向は先端部の振
動する方向とほぼ等しい。図5では先端部に対して一方
向のみ(右方向)に飛翔させるため、飛翔させない側
(左側)のインク液厚みを厚くするようにしてキャピラ
リ波の発生を抑制した。インク液厚みを片側だけ厚くす
る方法としては、図1に示すインク室壁7bのインクの
濡れ性を制御してもよいし、インクの高さを決めるよう
な部材を配置してもよい。インク滴15を一方向のみに
飛翔させるための他の方法として、飛翔させない方向の
弾性部材の先端部にインクが全く供給されない構成にす
ることもできる。キャピラリ波が発生する領域を制限す
るため、弾性部材の先端部21の形状は図2に示すよう
な先鋭状とし、一か所のキャピラリ波のみからインク滴
が吐出するような構成とした。
【0035】図4に示すように、交番電圧の印加はイン
ク滴が吐出した後に停止させる。そして、所定の時間が
経過した後、再び交番電圧を印加して次のインク滴を吐
出させる。インク滴を吐出する時間間隔Tを短くするこ
とで高速印字が可能となる。交番電圧の印加をやめて
も、弾性部材1の振動はすぐには止まらないで、数μ秒
〜数十μ秒の間振動を続ける。これは、振動発生部3そ
のものにも、同様な残振動があるためである。残振動が
収まらないうちに、次のインク滴吐出のための交番電圧
を印加すると、インク滴の大きさがばらついたり、複数
のインク滴が吐出したり、インク滴が吐出しないなどの
不具合が発生する。そこで、残振動が自然に減衰し、一
度初期状態に復帰するまで、次のインク滴吐出のための
交番電圧の印加を待つ必要がある。しかし、この場合、
インク滴を吐出できる周波数はせいぜい10kHz程度
である。
【0036】この残振動を抑制するための本実施の形態
によるインクジェット記録ヘッドの振動低減機構を図6
を用いて説明する。本実施の形態における振動低減機構
は、192kHz,40Vp−p(最高最低振幅)のサ
イン波状の交番電圧を52μ秒の間だけバースト波とし
て振動発生部に印加してインク滴を吐出させた後に、同
一の振動発生部に対して、この交番電圧とは逆位相の交
番電圧を21μ秒の間、続けて印加するものである。逆
位相の交番電圧の付与により、振動発生部の圧電セラミ
ック薄膜は強制的にそれまでと半周期ずれて振動させら
れるため、急速に残振動が低減する。これにより、イン
ク滴を吐出する周波数が15kHz程度に向上した。1
92kHzとは違った周波数のパルスを続けて印加する
ことでも、残振動の低減効果は見られるが、周波数によ
ってはうなりなどの現象が起きることがある。本実施の
形態における振動低減機構によれば、バースト波として
振動発生部に印加してインク滴を吐出させた後に、同一
の振動発生部に対して、この交番電圧とは周波数、位
相、振幅等において異なる交番電圧を付与することがで
き、振動発生部の残振動を速やかに低減させることがで
きるようになる。
【0037】本発明の第2の実施の形態によるインクジ
ェット記録ヘッドを図7を用いて説明する。本実施の形
態でのインクジェット記録ヘッドの基本的な構成及び動
作は、図1乃至図5を用いて説明した第1の実施の形態
のインクジェット記録ヘッドと同様であるので説明を省
略し、図7を用いて本実施の形態における残振動を抑制
するための振動低減機構を説明する。PZTからなる分
極方向の違う材料16および17を二枚重ね合わせて、
いわゆるバイモルフ型のアクチュエータ30を作る。ア
クチュエータ30は電圧を印加しない時は振動発生部3
に接触せず、かつ、電圧印加手段18により電圧を印加
したときはアクチュエータ30に発生するたわみにより
振動発生部3に接触するような位置に配置する。かかる
構成をとれば、インク滴を吐出させた後に電圧印加手段
18により電圧を印加すれば、アクチュエータ30がた
わんで振動発生部3に接触するので、振動発生部3の残
振動を抑制することができる。本実施の形態により、イ
ンク滴を吐出する周波数は18kHz程度に改善でき
た。アクチュエータ30はPZTと金属などの他の弾性
体を張り合わせた構成でも実現できる。
【0038】次に、本発明の第3の実施の形態によるイ
ンクジェット記録ヘッドを図8を用いて説明する。本実
施の形態においても、インクジェット記録ヘッドの基本
的な構成及び動作は、第1の実施の形態のインクジェッ
ト記録ヘッドと同様であるので説明を省略する。図8を
用いて本実施の形態における残振動を抑制するための振
動低減機構を説明する。直列に接続された抵抗負荷19
およびスイッチ20と振動発生部3とを、外部駆動手段
14に対して並列に接続する。この例では、抵抗負荷1
9として50Ωの抵抗を用いた。インク滴を吐出させた
後にスイッチ20を閉じると、振動発生部3の残振動を
急速に低減させることができる。本実施の形態によれ
ば、インク滴を吐出する周波数は13kHz程度に改善
できる。外部駆動手段14から見ると、振動発生部3に
用いられる圧電セラミック薄膜4は、容量性の負荷であ
るから、外部駆動手段の電圧をオフにしても圧電セラミ
ック薄膜4中には残留電荷が存在する。残振動の原因は
この残留電荷であると考えられるから、抵抗負荷19を
並列に接続し、必要に応じてスイッチ20を閉じること
で、残留電荷を速やかに放電し残振動を抑制することが
できる。スイッチ20は必要的ではない。スイッチ20
を介さないで抵抗負荷19を振動発生部3と並列に接続
する場合は、抵抗負荷の抵抗値を外部駆動手段の内部イ
ンピーダンスとほぼ合わせることで、振動発生部3に対
して最大の電力を供給することができる。
【0039】次に、上記第1乃至第3の実施の形態で説
明したインクジェット記録ヘッドを設置した記録機構の
主要部であるアレイヘッドの一実施例を図9に示す。図
9は、本実施例のアレイヘッドの斜視図である。図9に
おいて、アレイヘッド22は図中上下方向に4段に重ね
られたインクジェット記録ヘッド部31a〜31dと、
インクジェット記録ヘッド部31a〜31dの背面に取
り付けられたインク供給部21a〜21dとを有してい
る。インクジェット記録ヘッド部31a〜31dの間、
およびインク供給部21a〜21dの間には、上述の支
持基板13が設けられている。これらインクジェット記
録ヘッド部31a〜31dのそれぞれには、インク供給
部21a〜21dのそれぞれに一色ずつ格納された黒、
イエロー、マゼンタ、シアンのインクが供給され、上述
の本実施の形態で説明した動作に基づいて所定のインク
滴吐出口11から所定の色のインクを吐出する。
【0040】図10はいずれかの実施の形態のインクジ
ェット記録ヘッドを設置した記録機構の一実施例を示
す。本実施例の記録機構には、図9で示したアレイヘッ
ド22がキャリッジ23に固定され、インクカートリッ
ジ24と接続される。インクカートリッジ24はその内
部に黒、イエロー、マゼンタ、シアンの4色のインクを
保持したものである。キャリッジ23はガイド25に案
内されて往復移動する。印字紙26はローラ27のまわ
りに巻き付けられ、ローラ27の回転とキャリッジ23
の動きによって、印字紙26の全面にわたって画像が印
刷される。
【0041】
【発明の効果】本発明によれば、ノズルを用いずに、微
小なインク滴を吐出することができるから、ノズル詰ま
りなどの問題を生じることなく、画像の高解像度化の要
求を満たすことができる。本発明はキャピラリ波を利用
するので低周波による駆動ができ、かつ、圧電材料を用
いるため低電力で駆動することができる。従って、本発
明はエネルギー効率がよく、本発明に使用可能なインク
の物性範囲も広い。さらに、インク滴を吐出してから、
次のインク滴の吐出が可能になるまでの時間が短縮され
るので、インク滴の吐出周波数を高くでき、高速印字が
可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態によるインクジェッ
ト記録ヘッドの側面図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態によるインクジェッ
ト記録ヘッドの正面図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態によるインクジェッ
ト記録ヘッドの振動発生部により弾性部材を振動させた
ときの様子を示した側面図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態によるインクジェッ
ト記録ヘッドの振動発生部に対して外部駆動機構から印
加された交番電圧波形を示す図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態によるインクジェッ
ト記録ヘッドの弾性部材が曲げ振動しているときの側面
の拡大図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態によるインクジェッ
ト記録ヘッドの振動低減機構を説明する図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態によるインクジェッ
ト記録ヘッドの振動低減機構を説明する図である。
【図8】本発明の第3の実施の形態によるインクジェッ
ト記録ヘッドの振動低減機構を説明する図である。
【図9】本発明の第1乃至第3の実施の形態によるイン
クジェット記録ヘッドを設置した記録機構のアレイヘッ
ドの一実施例を示す図である。
【図10】本発明の第1乃至第3の実施の形態によるイ
ンクジェット記録ヘッドを設置した記録機構の一実施例
を示す図である。
【符号の説明】
1 弾性部材 2 基板 3 振動発生部 4 圧電セラミック薄膜 5 電極 6 インク室 7 インク室壁 8 天板 9 インク 10 インク供給路 11 インク滴吐出口 12 隔壁 13 支持基板 14 外部駆動機構 15 インク滴 18 電圧印加手段 19 抵抗負荷 20 スイッチ 21 インク供給部 22 アレイヘッド 23 キャリッジ 24 インクカートリッジ 25 ガイド 26 印字紙 27 ローラ 30 アクチュエータ 31 アレイヘッド

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】画素信号に対応して振動する振動発生手段
    と、 前記振動発生手段の振動に応じて振動する弾性部材と、 前記振動発生手段の振動を抑制する振動低減手段とを備
    え、 前記弾性部材の振動によりインクの表面にキャピラリ波
    を発生させ、前記インクを飛翔させた後に、前記振動低
    減手段が前記振動発生手段の振動を減衰させることを特
    徴とするインクジェット記録ヘッド。
  2. 【請求項2】請求項1記載のインクジェット記録ヘッド
    において、 前記振動低減手段は、前記振動発生手段による振動とは
    逆位相の振動を発生させることを特徴とするインクジェ
    ット記録ヘッド。
  3. 【請求項3】請求項1記載のインクジェット記録ヘッド
    において、 前記振動低減手段は、振動抑制時に前記振動発生手段に
    接触して振動を抑制させる制振部材を有していることを
    特徴とするインクジェット記録ヘッド。
  4. 【請求項4】請求項1記載のインクジェット記録ヘッド
    において、 前記振動発生手段は、交流電圧が印加されて振動する圧
    電素子と、前記圧電素子に前記交流電圧を印加する駆動
    部とを有し、 前記振動低減手段は、前記交流電圧の印加の終了ととも
    に、前記圧電素子に残留する残留電荷を放電させる放電
    機構を有していることを特徴とするインクジェット記録
    ヘッド。
JP20982197A 1997-07-19 1997-07-19 インクジェット記録ヘッド Withdrawn JPH1134314A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100337824C (zh) * 2003-12-24 2007-09-19 富士施乐株式会社 喷墨记录头及喷墨记录装置

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100337824C (zh) * 2003-12-24 2007-09-19 富士施乐株式会社 喷墨记录头及喷墨记录装置

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