JPH1134145A - ポリオレフィン系樹脂発泡シートの製造方法 - Google Patents

ポリオレフィン系樹脂発泡シートの製造方法

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JPH1134145A
JPH1134145A JP9203913A JP20391397A JPH1134145A JP H1134145 A JPH1134145 A JP H1134145A JP 9203913 A JP9203913 A JP 9203913A JP 20391397 A JP20391397 A JP 20391397A JP H1134145 A JPH1134145 A JP H1134145A
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temperature
die
sheet
temperature control
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JP9203913A
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Takeshi Ishikawa
健 石川
Akihiko Egashira
明彦 江頭
Sazuku Watanabe
授 渡邊
Takumi Matsuno
巧 松野
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NIPPON PORIKEMU KK
Original Assignee
NIPPON PORIKEMU KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 設備の設置性が良好で、独立気泡性に優れ、
軽量、高剛性なポリオレフィン系樹脂発泡シートの製造
方法を提供すること。 【解決手段】 発泡剤含有ポリオレフィン系樹脂をTダ
イよりシート状に押出して発泡シートを製造する際に、
Tダイ内ランド部にTダイ本体とは独立の温調機構を設
けることにより、該ランド部を通過する溶融樹脂をTダ
イ本体とは異なる温度で温調することを特徴とするポリ
オレフィン系樹脂発泡シートの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、設備の設置性が良好
で、独立気泡性に優れ、軽量、高剛性なポリオレフィン
系樹脂発泡シートの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリオレフィン系樹脂発泡シートは、耐
熱性や耐衝撃性が良好で、自動車内装の芯材、建材、文
具、食品容器などの用途に広く用いられている。
【0003】該発泡シートは押出機により溶融させたポ
リオレフィン系樹脂に各種発泡剤を加圧下で混練した
後、押出機先端に取り付けられたTダイより、大気圧下
に押出発泡することにより得られる。特に、発泡倍率
1.8倍以上の発泡シートを製造する場合、発泡倍率を
高めるために発泡剤を多目に用いるが、発泡剤より生じ
るガスの分圧が高く、そのガスを溶融樹脂中に保持させ
ることが困難となり、気泡の破裂(連続気泡)が生じや
すかった。そのために、樹脂の溶融張力を高くして、ガ
スの保持力を上げる様々な方法が提案されている。その
1つとしては、ロール、金属ベルト等の冷却手段を用い
て、ダイ出口以降の樹脂温度を下げる方法が挙げられ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ダイ出
口付近にロールを設置し発泡シートを製造する方法(例
えば、特開昭63−288731号公報参照)では、シ
ートがロールと接触する面積が小さいだけでなく、接触
する時間も短いために十分な冷却が得られず、シート内
部に連続気泡が生じやすいという問題があった。特にロ
ール2本に挟んで高速成形を行う場合、ロールのしなり
等によりロール間隔を一定に保つことが困難なため、均
一な冷却が得られないばかりでなく、発泡シートをつぶ
したり、シートの外観を損ねる問題があった。
【0005】また、金属ベルトに挟んで冷却し発泡シー
トを製造する方法(例えば特開昭47−22969号公
報参照)では、金属ベルトの耐久性からベルトを駆動す
るロールの径を大きくしなくてはならず、設備が大掛か
りとなり、ダイ出口付近にベルトを設置することが難し
いため、シートの冷却が遅れ、連続気泡が生じやすいと
いう問題があった。
【0006】上記の連続気泡が生じやすい現象は、比較
的発泡倍率の高い、特には1.8倍以上の発泡シートを
得ようとする場合に顕著であり、押出直後の発泡倍率を
維持できないため、所望の発泡倍率まで上げるのが難し
く、かつ得られたシートの剛性が著しく低下するという
問題があった。
【0007】本発明は、このような事情のもとで、設備
の設置性が良好で、独立気泡性に優れ、軽量、高剛性な
ポリオレフィン系樹脂発泡シートの製造方法を提供する
ことを目的としてなされたものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の問
題点を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、発泡剤と溶融
混練されたポリオレフィン系樹脂を、押出発泡する手前
のTダイ内ランド部で、Tダイとは異なる温度で温調
し、ダイ出口以前の樹脂温度を下げ、シート状に押出す
ことにより本発明を完成させるに到った。
【0009】即ち、本発明の第1は、発泡剤含有ポリオ
レフィン系樹脂をTダイよりシート状に押出して発泡シ
ートを製造する際に、Tダイ内ランド部にTダイ本体と
は独立の温調機構を設けることにより、該ランド部を通
過する溶融樹脂をTダイ本体とは異なる温度で温調する
ことを特徴とするポリオレフィン系樹脂発泡シートの製
造方法である。
【0010】また、本発明の第2は、発泡剤含有ポリオ
レフィン系樹脂および発泡剤不含有ポリオレフィン系樹
脂を、それぞれが別層を形成するように、Tダイよりシ
ート状に共押出して積層発泡シートを製造する際に、T
ダイ内ランド部にTダイ本体とは独立の温調機構を設け
ることにより、該ランド部を通過する溶融樹脂をTダイ
本体とは異なる温度で温調することを特徴とするポリオ
レフィン系樹脂発泡シートの製造方法である。
【0011】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を、
添付の図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の
ポリオレフィン系樹脂発泡シートの製造方法に使用され
る装置の一例の概略図である。図中、1は、Tダイ、1
aおよび1bは、Tダイ内ランド部に設けられた温調
管、2は、冷却ロール、3は、発泡シートを示す。
【0012】本発明においては、発泡剤含有ポリオレフ
ィン系樹脂を、常法に従い、押出機(図示せず)中で溶
融混練後、押出機の先端に設置されたTダイ(1)より
シート状に押出される。しかして、Tダイ(1)には、
温調機構(図示せず。)が設けられ、押し出される溶融
樹脂を適切な温度に調整・管理している。そのような温
調機構としては、例えば、外套やプレートヒーターのよ
うな外部温調機構および温調管やカートリッジヒーター
のような内部温調機構が用いられる。また、Tダイ本体
の温調機構に設定される温度は、発泡剤含有ポリオレフ
ィン樹脂の種類・組成によっても相違するが、その温調
機から供給される温調された温調媒体の温度で、通常、
170〜200℃、好ましくは180〜190℃であ
り、高すぎると発泡層のセルが合一し、ガス抜けが生じ
るので好ましくない。また、低すぎると樹脂詰まりが生
じ、押出成形が困難となるので好ましくない。
【0013】本発明において重要な点は、Tダイ(1)
内ランド部に、すなわち、マニホールドとダイ出口の間
(ダイリップを含む)に形成される平行壁面部に、前記
Tダイ本体の温調機構とは独立の温調機構を設け、該ラ
ンド部を通過する溶融樹脂の温度を、Tダイ本体とは異
なる温度に温調することにある。特に、溶融樹脂がTダ
イ出口から押し出される前に、成形に支障が生じない範
囲内で可能な限り冷却して、Tダイ出口以前のランド部
における溶融樹脂の温度を下げておくことにある。これ
によって、独立気泡性の優れた発泡シートを得ることが
可能となる。また、ここに設けられる温調機構として
は、通常、図示の温調管(1a)、(1b)に、本体と
は独立した温調機により温調された温調媒体を供給する
タイプのものが用いられる。従って、以下この種の温調
管タイプのものを中心に説明するが、これのみに限定さ
れるものではなく、前記Tダイ本体その他金型の温調に
慣用のものであれば、同様に使用可能であることは言う
までもない。
【0014】温調管(1a)、(1b)中を流れる温調
媒体は、特に限定されるものではなく、通常、Tダイそ
の他金型温調に用いられるオイルが、例として挙げられ
る。このランド部内に設けられた温調管における、温調
媒体の温度は、押出量、シート厚み、発泡倍率等により
一概には決まらないが、マニホールドに近い前段(1
a)においては、その温調機から供給される温調媒体の
温度は100〜160℃が好ましく、ダイ出口に近い後
段(1b)においては、供給される温調媒体の温度は1
60〜200℃が好ましい。上記前段(1a)の供給媒
体温度を、100℃以下にすると樹脂が詰まりやすくな
り製造に支障をきたすことがあり、160℃以上にする
と独立気泡性の優れた発泡シートが得られないことがあ
る。上記後段(1b)の供給媒体温度は、160℃以下
では樹脂が詰まりやすくなり製造に支障をきたすことが
あり、200℃以上にすると独立気泡性の優れた発泡シ
ートが得られないことがある。この温調機から供給され
る温調媒体の温度を、前段(1a)において後段(1
b)より低く設定するときは、樹脂の詰まりや、発泡シ
ートの外観悪化を防ぐことができるので、好ましい。
【0015】また、温調機構を構成する、温調管(1
a)、(1b)は、その形状、大きさ、向きも特に限定
されないが、直径5〜20mm程度の円筒管を、Tダイ
(1)の幅方向に所定の長さにわたって、刻設ないし埋
設するのが好ましい。また、これらの温調管の設置位置
は、Tダイ(1)内ランド部の溶融樹脂通路の両側に、
ランド壁面またはダイリップ壁面(温調管をダイリップ
に設置した場合。以下同じ)から5〜10mm程度離間
し、互いに5〜20mm程度離間した所望の位置に設け
るのが好ましい。なお、これらの離間距離は、円筒管と
円筒管との間、または円筒管とランド壁面若しくはダイ
リップ壁面との間で、互いに最も接近した部分の距離で
ある。
【0016】しかして、このランド部に設けられる温調
機構は、図示のように、また既に説明したように、前段
(1a)と後段(1b)の2段階に分けるのが一般的で
あるが、両段階の少なくとも一方、例えば前段(1a)
の冷却をさらに細分して3段階以上とすることもできる
し、また、両段階の一方、例えば後段(1b)を省略し
て、Tダイ本体で代用し1段階とすることもできる。例
えば、Tダイ本体が外部温調機構による場合、これは極
めて容易である。さらに、上記複数段階は、これに供給
される温調媒体の温度を、互いに同じ温度に設定しても
よいし、異なる温度に設定してもよい。特に、生産速度
を速く、独立気泡の優れた発泡シートを得たい場合に
は、樹脂押出量増大に伴う樹脂/流路壁面間の摩擦を低
減するために、ダイ出口近傍では出来る限り温度を上げ
る、具体的には、後段(1b)は前段(1a)よりも高
い温度に設定するのが有効である。
【0017】このようにして、Tダイ(1)からシート
状に押出された溶融樹脂は、図示の場合、その後冷却ロ
ール(2)間を通して本冷却させて、発泡シート(3)
を得る。この冷却ロール(2)による冷却は、常法に従
い、図示のように縦に配置された3本ロール構成をと
り、溶融シートは、隣接する2本の間を通る際には、ロ
ールによって挟圧され、ロール表面に接触しながら引き
取られる際には、熱を奪われて所定の形状の発泡シート
に整えられる。しかして、本発明においては、常法の冷
却ロールに対する冷却負荷が軽減されることはあって
も、さらに、付加的な小径ロールの使用が必要とされる
ことはない。
【0018】本発明で使用するポリオレフィン系樹脂と
しては、低密度、中密度、高密度ポリエチレン、線状低
密度ポリエチレン、ポリプロピレン、及びエチレン又は
プロピレンと他のα−オレフィンとの共重合体、あるい
はエチレンと、酢酸ビニル、アクリル酸、アクリル酸エ
ステル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、ビニル
アルコール等との共重合体等が挙げられ、これらを単
独、又は2種以上混合して用いる。また、必要に応じ
て、各種充填剤、酸化防止剤、耐候剤、遮光剤、熱老化
防止剤、帯電防止剤、結晶核剤、可塑剤、難燃剤、着色
剤等、及び脂肪酸金属塩、脂肪酸アミド等のスリップ
剤、メヤニ防止剤等を適量配合してもかまわない。
【0019】また、本発明で使用する発泡剤としては、
加熱により分解してガスを発生する化学発泡剤では、ア
ゾジカルボンアミド、アゾビスイソブチロニトリル、ジ
アゾアミノベンゼン、N,N′−ジニトロソベンタメチ
レンテトラミン、N,N′−ジメチル−N,N′−ジニ
トロテレフタルアミド、ベンゼンスルホニルヒドラジ
ド、p−トルエンスルホニルヒドラジド、p,p′−オ
キシビスベンゼンスルホニルヒドラジド、ベンゼンスル
ホニルカルバジド、炭酸水素ナトリウム等の炭酸塩、ク
エン酸ナトリウム等の有機酸塩等が、また、加熱と圧力
制御によりガス化する物理発泡剤では、プロパン、ブタ
ン、ペンタン、ジクロロジフルオロメタン、ジクロロモ
ノフルオロメタン、トリクロロモノフルオロメタン、メ
タノール、エタノール、水等が挙げられ、これらを単
独、又は2種以上混合して用いる。なお、これらの発泡
剤と通常使用される発泡助剤、発泡核剤、架橋剤等を併
用してもよい。前記ポリオレフィン系樹脂及び前記発泡
剤の混練方法は、特に限定されるものではなく、例えば
押出機で、適宜混練された発泡剤含有ポリオレフィン系
樹脂が、本発明のポリオレフィン系樹脂発泡シートの製
造方法に使用される。
【0020】次に、本発明の別の実施態様においては、
上記発泡剤含有ポリオレフィン系樹脂のほかに、発泡剤
不含有ポリオレフィン系樹脂を併用し、それぞれが別層
を形成するように、Tダイよりシート状に共押出して、
積層発泡シートを製造する。
【0021】この実施態様においても、既に説明した発
泡剤含有ポリオレフィン系樹脂単独の場合と同様、Tダ
イ内ランド部にTダイ本体とは独立の温調機構を設ける
ことにより、該ランド部を通過する溶融樹脂積層体をT
ダイとは異なる温度で温調することが、独立気泡性の優
れた発泡シートを得るために必要である。従って、この
態様においても、使用される温調機、温調媒体、温調位
置等については、前記と全く同様なので説明を省略す
る。
【0022】この実施態様において、発泡剤含有ポリオ
レフィン系樹脂と併用する、発泡剤不含有ポリオレフィ
ン系樹脂は、前記の発泡剤含有ポリオレフィン系樹脂に
使用するものの中から選ばれ、同一の樹脂であっても異
なっていてもよく、特に充填剤を配合したものが好まし
い。
【0023】本発明において、充填剤は、発泡シートの
剛性、耐熱性向上や、焼却する際の燃焼カロリー抑制に
効果があるだけでなく、Tダイから押出発泡して発泡シ
ートを製造する際の発泡時の体積膨張に起因して生じ
る、ひだ状の縦すじ(いわゆるコルゲート)を防止する
ことから、シート平滑性や厚みにばらつきの少ない製品
を得る効用も有する。充填剤の使用量は、前記ポリオレ
フィン系樹脂100重量部に対して5〜400重量部、
好ましくは10〜100重量部である。5重量部未満で
あると、発泡シート全体としての剛性、耐熱性の向上は
少なく、逆に400重量部を越えると押出成型が困難に
なる。この充填剤としては、無機粉体系では、シリカ、
タルク、マイカ、クレー等の天然系;炭酸カルシウム、
炭酸マグネシウム等の炭酸塩;水酸化アルミニウム、水
酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等の水酸化物;珪
酸ナトリウム、珪酸カルシウム等の珪酸塩;酸化チタ
ン、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、アルミナ、
ゼオライト等の酸化物;リン酸アルミニウム、硫酸バリ
ウム等の塩類;カーボンブラック、グラファイト等の炭
素類が、また、有機粉体系では、フェノール樹脂粉、エ
ボナイト粉等が、さらに、繊維系では、各種ガラス、パ
ルプ、アスベスト、ポリエチレンテレフタレート、ポリ
テトラフルオロエチレン、ポリアミド等が挙げられ、こ
れらの各種充填剤は単独、又は2種以上混合して用いて
もよい。
【0024】ポリオレフィン系樹脂発泡シート全体の剛
性、耐熱性等を効果的に高めるには、発泡層の両面に非
発泡層を積層したシート構成とするのが好ましい。さら
に必要に応じて、該両面の非発泡層の一方又は両方の外
側に、スキン層を積層した構成とすることもできる。そ
のようなスキン層としては、必要とされる品質(例え
ば、光沢、表面加飾、防汚、熱シール性等)に合わせ
て、適宜、樹脂及び配合成分を選択することができる。
もちろん、前記発泡層と同一のポリオレフィン系樹脂よ
りなる非発泡層が、スキン層として積層されてもよい。
【0025】上記非発泡層との積層方法は、Tダイより
押出される前に、前記発泡剤不含有ポリオレフィン系樹
脂を溶融状態で積層する方法であれば、どの様な方法で
もよい。一般的には、発泡層を形成する発泡剤含有ポリ
オレフィン系樹脂と、非発泡層を形成する発泡剤不含有
ポリオレフィン系樹脂とを、それぞれの押出機で溶融混
練した後に、Tダイ内で積層するマルチマニホールド方
式や、Tダイに流入させる前に積層するフィードブロッ
ク方式(コンバイニングアダプター方式)等から、適切
なものが選ばれる。なお、両樹脂の積層体に、さらにス
キン層を積層する場合は、ドライラミ、ウェットラミ、
押出ラミ、共押出、プレス等の通常適応される積層方法
によればよい。
【0026】以下に実施例をもって本発明をより詳細に
説明する。
【実施例】
実施例1 プロピレン−エチレンブロック共重合体(日本ポリケム
株式会社製、商品名ノバッテクポリプロ EC7、メル
トインデックス 1.5g/10分)100重量部に、
発泡剤としてクエン酸モノナトリウムと炭酸水素ナトリ
ウムの1:1の混合物1.5重量部を配合した、発泡剤
含有ポリオレフィン系樹脂(これから得られる層を、表
中において発泡層と表示する)を、口径65mmφの押
出機で溶融混練し、これを巾750mmのTダイよりシ
ート状に押出した。
【0027】その際、図1に示すように、Tダイ(1)
本体の温調機構(外部温調機構。図示せず)において温
調機から供給される温調媒体の温度を190℃に、ま
た、Tダイ内ランド部に設けた別の温調機構、すなわち
平行に設けた前段(1a)2段階および後段(1b)1
段階、併せて3段階の温調管に、それぞれの温調機から
供給される温調媒体の温度を、マニホールドに近い側か
ら、それぞれ120℃、140℃、180℃に管理し
た。また、Tダイより押出された発泡シート(3)は、
ダイ出口より350mmの位置に縦方向に配設した、3
本の、直径300mmの金属ポリシングロール(2)の
冷却面と、図示のように挟圧・接触させ、室温まで冷却
し、単層発泡シートを得た。
【0028】実施例2 Tダイ内ランド部の温調管は前段(1a)2段階を1段
階とし、また前段(1a)および後段(1b)に温調機
から供給される温調媒体の温度を、それぞれ140℃、
170℃とした以外は、実施例1と同様にして単層発泡
シートを得た。
【0029】実施例3 温調機から供給される温調媒体の温度を、前段(1
a)、後段(1b)ともに140℃とした以外は、実施
例2と同様にして単層発泡シートを得た。
【0030】実施例4 充填剤含有ポリオレフィン系樹脂(これから得られる層
を、表中において非発泡層1として表示する)として、
プロピレン−エチレンブロック共重合体(日本ポリケム
株式会社製、商品名 ノバテックポリプロ EC9、メ
ルトインデックス 0.5g/10分)60重量部に、
充填剤としてタルク40重量部を配合したものと、実施
例1と同じ発泡剤含有ポリオレフィン系樹脂を、それぞ
れ口径90mmφ、及び65mmφの押出機で溶融混練
し、ついでこれらの混練したものをフィードブロック方
式によってTダイ直前で後者を中間層とする3層に積層
し、更に、ホモポリプロピレン(日本ポリケム株式会社
製、商品名 ノバテックポリプロ FY6C、メルトイ
ンデックス 2.4g/10分)(これから得られる層
を表中において非発泡層2と表示する)を口径40mm
φの押出機で押出し、フィードブロックで、上記の3層
積層物の両表面にスキン層を配した3種5層に積層した
後、巾750mmのTダイよりシート状に押出した。冷
却は、Tダイ内ランド部の温調管(1a)、(1b)に
温調機から供給される温調媒体の温度を130℃、18
0℃とした以外は実施例2と同様にして行い、積層発泡
シートを得た。
【0031】実施例5 発泡剤含有ポリオレフィン系樹脂の樹脂をホモポリプロ
ピレン(日本ポリケム株式会社製、商品名 ノバッテク
ポリプロ EA9、メルトインデックス 0.5g/1
0分)、発泡剤をアゾジカルボンアミド2.5重量部と
し、Tダイ内ランド部温調管(1a)に温調機から供給
される温調媒体の温度を100℃とした以外は、実施例
4と同様にして積層発泡シートを得た。
【0032】比較例1 Tダイ内ランド部温調管を使用せずに実施した以外は、
実施例1と同様にして単層発泡シートを得た。なお、シ
ートの発泡層の断面写真において、発泡セルの合一が確
認されることから、本比較例では、発泡剤分解ガスのガ
ス抜けが生じていることが判明した。
【0033】比較例2 Tダイ本体において温調機から供給される温調媒体の温
度を160℃とし、Tダイ内ランド部温調管を使用せず
に実施した以外は、実施例1と同様にして単層発泡シー
トを成形しようとしたが、Tダイ内で樹脂詰まりが起こ
り、シートは得られなかった。
【0034】比較例3 Tダイ内ランド部温調管を使用せずに実施した以外は、
実施例5と同様にして積層発泡シートを得た。なお、シ
ートの発泡層の断面写真において、発泡セルの合一が確
認されることから、本比較例では、発泡剤分解ガスのガ
ス抜けが生じていることが判明した。
【0035】比較例4 Tダイ内ランド部温調管を使用せず、かつ、Tダイ直後
で、径50mmの小径ロール(図示せず)による20℃
での冷却を実施した以外は、実施例4と同様にして積層
発泡シートを得た。なお、シートの表面に、ロールの転
写ムラ(シート全幅で鏡面が均一に出ないこと)が確認
されることから、本比較例では、シートとロールのタッ
チムラが生じていることが判明した。
【0036】以上の実施例1〜5、比較例1〜4で得ら
れたシートについて、発泡倍率、気泡状態およびシート
外観を、以下の手順に従って測定ないし評価した。ま
た、それらの結果は、表1に示す通りである。
【0037】発泡倍率: 発泡剤含有ポリオレフィン樹
脂を構成する材料のうち、発泡剤を除いた全材料を配合
したときの密度を、シートの発泡層の見かけ密度で除し
た数値で表した。
【0038】気泡状態: ミクロトームを用いて、シー
トを、流れ方向と直角方向に10〜20μm程度にスラ
イスし、その断面を光学顕微鏡で写真撮影して、シート
の発泡層における気泡の状態を観察、以下の基準で3段
階評価した。 ○:独立気泡 △:若干連続気泡が存在 ×:大半が連続気泡
【0039】シート外観: シートの表面層の外観を観
察して、以下の基準で3段階評価した。 ◎:平滑 ○:ほぼ平滑 ×:凸凹
【0040】
【表1】
【0041】表1の結果から明らかなように、本発明に
よれば、通常の冷却による押出発泡法に比し、発泡層の
発泡倍率が向上し、その発泡状態、シート外観も良好な
シートが得られている。(実施例1〜3と比較例1、実
施例4と比較例4または実施例5と比較例3を対比)
【0042】
【発明の効果】本発明によれば、Tダイ内ランド部に設
けたTダイ本体とは独立の温調機構によって、押出発泡
する前に、ダイ本体とは異なる温度で冷却を行うことに
より、独立の温調機構を有しない従来技術に比し、独立
気泡性の優れた、シート外観の良好な発泡シートを、高
い発泡倍率で得ることができる。
【0043】また、本発明によれば、冷却ロールによる
本冷却の前に、Tダイ内部で冷却を行うことにより、冷
却ロールのみで行う従来技術に比して、冷却ロール間隙
の微調整が不要となり、操作が容易になるだけでなく、
冷却のための温調機構の設置性に困難はない。
【図面の簡単な説明】
【図1】ポリオレフィン系樹脂発泡シートの製造方法に
使用される装置の一例の概略図。
【符号の説明】
1 Tダイ 1a、1b Tダイ内ランド部に設けられた温調管 2 冷却ロール 3 発泡シート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松野 巧 三重県四日市市東邦町1番地 日本ポリケ ム株式会社四日市技術センター内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】発泡剤含有ポリオレフィン系樹脂をTダイ
    よりシート状に押出して発泡シートを製造する際に、T
    ダイ内ランド部にTダイ本体とは独立の温調機構を設け
    ることにより、該ランド部を通過する溶融樹脂をTダイ
    本体とは異なる温度で温調することを特徴とするポリオ
    レフィン系樹脂発泡シートの製造方法。
  2. 【請求項2】発泡剤含有ポリオレフィン系樹脂および発
    泡剤不含有ポリオレフィン系樹脂を、それぞれが別層を
    形成するように、Tダイよりシート状に共押出して積層
    発泡シートを製造する際に、Tダイ内ランド部にTダイ
    本体とは独立の温調機構を設けることにより、該ランド
    部を通過する溶融樹脂をTダイ本体とは異なる温度で温
    調することを特徴とするポリオレフィン系樹脂発泡シー
    トの製造方法。
  3. 【請求項3】上記温調機構は、Tダイ内ランド部の溶融
    樹脂通路の両側に、Tダイの幅方向に所定の長さにわた
    って、刻設ないし埋設された温調管およびこれに温調さ
    れた温調媒体を供給する、Tダイ本体とは独立した温調
    機を有することを特徴とする請求項1または2に記載の
    ポリオレフィン系樹脂発泡シートの製造方法。
  4. 【請求項4】上記温調機構は、Tダイ内ランド部におい
    て、前段および後段の少なくとも2段階に温調可能であ
    ることを特徴とする請求項3に記載のポリオレフィン系
    樹脂発泡シートの製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001074198A (ja) * 1999-09-02 2001-03-23 Sumitomo Light Metal Ind Ltd 発泡層被覆銅材質管及びその製造方法
WO2007096472A1 (en) * 2006-02-24 2007-08-30 Conenor Oy Method and apparatus for producing plastic film

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