JPH11333457A - 電解水の製造方法 - Google Patents

電解水の製造方法

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JPH11333457A
JPH11333457A JP16293898A JP16293898A JPH11333457A JP H11333457 A JPH11333457 A JP H11333457A JP 16293898 A JP16293898 A JP 16293898A JP 16293898 A JP16293898 A JP 16293898A JP H11333457 A JPH11333457 A JP H11333457A
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water
anode
electrolytic
cathode
radicals
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JP16293898A
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Masashi Tanaka
正志 田中
Masaaki Kato
昌明 加藤
Yoshinori Nishiki
善則 錦
Naoya Hayamizu
直哉 速水
Naoaki Sakurai
直明 桜井
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Toshiba Corp
De Nora Permelec Ltd
Original Assignee
Permelec Electrode Ltd
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 従来の電解方法で生成する電解水より洗浄能
力の優れた電解水を簡単な方法で洗浄できる電解水の製
造方法を提供する。 【構成】 イオン交換膜2により2室又は3室に区画さ
れた水電解槽1に供給する陽極液を供給前に冷却ジャケ
ット16を通して冷却し、電解反応が0から20℃で進行す
るようにする。電解反応を低温で行うことにより、洗浄
能力の優れたラジカルの前駆体を生成する電解水中に多
く含有させることができるとともに、電極の消耗を抑制
して長期間安定した電解を継続することを可能にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、洗浄効果が優れたアノ
ード水(酸性水)及び/又はカソード水(アルカリ水)
の製造方法に関し、より詳細には半導体や液晶等の電子
機器の洗浄に使用する洗浄効果の優れたアノード水及び
/又はカソード水を製造するための方法に関する。
【0002】
【従来技術とその問題点】液晶や半導体ウエハー等の高
集積度の電子部品の製造や洗浄には、従来から該用途の
ために特別に調製された硫酸、フッ酸、過酸化水素、塩
酸等が使用されてきた。これらは今後も用途に応じて使
用されるが、それぞれに応じた化学プロセスで製造され
た製品を特別に精製して得られたものであり、製造過程
の触媒等から混入してくる金属成分の除去等を行なうた
めに操作が煩雑で結果的に高価な製品となっている。又
精製操作を丁寧に行なっても電子デバイスの高度化に伴
う許容不純物量の低下に対しては必ずしも十分に対応で
きるものではなく、新たな代替手法が要請されている。
【0003】その代替手法の1つとしてオゾン水の使用
があり、特に電気分解により製造した高濃度オゾン水
は、電子デバイスの洗浄用等として極めて有効であるこ
とが知られている。しかしオゾン水単独の使用のみでは
不十分なことがあり、オゾン水の有しない他の機能例え
ば酸化作用及び還元作用を有しかつ金属成分を全く含有
しない処理液の必要性が高まっている。該処理液とし
て、いわゆるアノード水あるいは超酸性水があり、該ア
ノード水は通常pHが2.7 以下で酸化還元電位(OR
P)が1.1 V以上であり、酸化力を有するため、有機物
分解を行ったり金属析出物を溶解して除去する等の効果
を有し、電子デバイスの洗浄用等として僅かではあるが
使用されている。このアノード水製造と同時に前記電解
槽の陰極室ではpHが10以上でORPが0V以下のカソ
ード水が副生する。水の電解という比較的簡単な操作で
製造される酸化性又は還元性を有するいわゆる電解水
(前者を酸性水又はアノード水、後者をカソード水又は
アルカリ水という)を、高純度の酸やアルカリ、又は過
酸化水素等の試薬の代わりに使用すると、該試薬と同等
の洗浄効果が得られかつ格段の経費節減を達成できるこ
とが報告されている。
【0004】通常の電解水例えばアノード水は、陽極液
原料として希薄な塩酸を供給し電解することで容易に得
られる。又純水を供給するだけでもオゾンなどが発生す
る場合には高いORPを有する水を得られる。原料の塩
化物イオンを陰極室に供給し膜を介して陽極室に送り、
より経済的に目的の電解水を得ることができることも報
告されている。アノードとカソード水の生成効率は供給
水の種類、電極触媒の種類、電流密度などの運転条件に
より異なる。又効果的なアノードやカソード水は、洗浄
効果を増大させるラジカルを高濃度で含むことが好まし
い。半導体洗浄では、電解セルで発生し混入する不純物
を極力低減させる必要があり、電極に起因する重金属不
純物が発生しないことが要求される。これらの不純物発
生を抑制できる好ましい電極触媒として酸化イリジウム
系触媒があるが、該触媒はラジカルを安定的に発生させ
る塩素ガスやオゾンガスに対する耐性が十分でないた
め、洗浄効果上昇への寄与は大きくない。安定した状態
でラジカルが発生できれば、洗浄効果がに優れた電解水
が得られることになるが、このラジカルの生成効率は触
媒だけでなく、供給水の種類や電流密度などの他の電解
条件にも左右される。
【0005】一般に水の電解では電子を失う陽極側では
水を原料として酸素が発生する(式)。塩酸を添加す
るのは遊離塩素や次亜塩素酸の生成を促進するためであ
る(式)。又触媒の選択によってはオゾンも発生す
る(式)。 2H2 O→O2 +4H+ +4e 2Cl- →Cl2 +2e Cl2 +H2 O→HClO+H+ +Cl- 3H2 O→O3 + +6H+ +6e 式の陽極反応で生成する水素イオンは、一部が陰極で
水素に還元されるものの、残りは陽極中に残り酸性を示
す。又高いORPは遊離塩素や次亜塩素酸のORPに由
来する。平衡論的には酸素発生と塩素発生では前者が優
先するが、多くの電極では後者も進行し、触媒の選択に
より塩素の放電を酸素に先んじて進行させることは容易
である。塩化物イオンの酸化反応の電流効率は濃度やp
Hに依存する。
【0006】前述のオゾンは一般的に不安定で、水との
反応によって活性なOHラジカルやOラジカルを生成す
ることが知られている。しかしオゾンは清浄な純水中で
はかなり安定であり半減期が数時間にも達することが報
告されている。これはオゾン分解によるラジカル生成に
はある程度の不純物、紫外線などの刺激と触媒が必要で
あることを示唆している。従ってラジカルを発生させる
ためには触媒を微量溶解させるか、セルの配管内にオゾ
ンの分解を促進する物質を固定して電解水と接触させる
ようにする。但し処理対象の汚染物質との接触でオゾン
や活性塩素が分解し、ラジカルが生成する場合はその必
要はない。電極反応の素過程では吸着したイオンや水分
子の放電中間種が生成する。即ち電極表面にはラジカル
に相当する化学種が生成している。これらが溶液分子と
反応しラジカル種を生成していることも考えられる。塩
化物イオンが存在する場合のラジカル生成の反応過程と
しては以下が推測される。式中の括弧は電極表面の化学
種であることを示し、・はラジカルであることを示す。 Cl- →(Cl)+e (Cl)+H2 O→ClOH- +H+ ClOH- →Cl- +・OH
【0007】更に水の酸化からも以下の反応過程による
ラジカル発生が予想される。 H2 O→(OH)+H+ +e (OH)+Cl- →ClOH- ClOH- →Cl- +・OH 還元能力を有するカソード水は本来水素ガスに由来して
いる。陽イオン交換膜を有するセルの陰極では、陽極側
から移動した水素イオンからあるいは陰極水から水素を
発生させる。電極や電解の条件によっては水素ラジカル
が発生することもある。又酸素を原料として電解により
直接的に又は間接的に発生させることが可能な過酸化水
素はオゾンと同様にラジカルを発生させる原料となり、
洗浄に有効である。このように電解により製造される電
解水は、ラジカル等の活性の高い化学種を多く含むほど
洗浄能力が高く、従来から特に高純度を要求される電子
デバイスの洗浄用を中心にして広く利用され、高い洗浄
能力の電解水の製造技術の確率が模索されている。
【0008】
【発明の目的】本発明は、洗浄効果の優れた電解水、特
に電子産業における液晶や半導体の洗浄に効果的なアノ
ード水やカソード水、つまり特にラジカル濃度が高く、
高ORPのアノード水又は低ORPのカソード水を安定
的にかつ高効率が得ることのできる電解水製造方法を提
供することを目的とする。
【0009】
【問題点を解決するための手段】本発明は、イオン交換
膜により2室又は3室に区画された水電解槽に通電して
電解水を得る方法において、電解反応を0から20℃で行
うことを特徴とする電解水の製造方法である。
【0007】以下本発明を詳細に説明する。本発明の特
徴は、電解反応の電解液の液温を低く維持することによ
り、生成する電解水の洗浄機能増大に寄与するラジカル
や他の活性で洗浄能力の優れた化学種の発生効率を上昇
させて、洗浄効果を最大にする点にある。この理由は明
確ではないが次のように推測できる。前述した洗浄能力
向上に寄与するラジカル等の活性な化学種は比較的寿命
が短く、その前駆体であるオゾンや遊離塩素等から前記
化学種が一旦生成すると比較的短時間だけ高い洗浄能力
を有し、その後はラジカルが消滅して洗浄能力は大きく
低下する。又生成する前記化学種の濃度は前記前駆体の
濃度に比例する。
【0008】従って水電解によりオゾンや遊離塩素等の
前駆体を含有する電解水を製造する場合、実際の使用時
における洗浄能力を高めるためには単に前記前駆体の濃
度を高めるだけでなく該前駆体が分解せず、実際の洗浄
時にのみ分解して洗浄能力が発揮されることが望まし
い。製造される電解水の温度が高いと生成する前記前駆
体の分解が進行し、更にヘンリーの法則により生成する
前駆体の溶解度が低くなり、大気中に飛散して電解水中
の前記前駆体濃度が低下することになる。又前駆体の種
類によっては低温の方が平衡論的に生成しやすくなる場
合もある。低温で電解を行うとセル電圧の上昇という欠
点は生ずるものの、洗浄能力の優れた電解水を提供でき
るという利点が生まれる。更に電解を低温で行うと電極
物質の溶出が抑制されて電極寿命が延び、かつ生成する
電解水中への不純物の混入を防止できるという効果も生
ずる。
【0009】本発明者らは電解水製造における電解反応
の好ましい温度つまり前述したような洗浄能力の高い化
学種を生成させる前駆体が生ずる電解液の液温を幅広く
検討し本発明に到達したものである。従来の電解水製造
は冷却せずに行われ、従って電解反応の温度は25〜50℃
程度であった。本発明者らの検討によるとこれらの温度
での電解により生成する電解水中にはラジカルが殆ど検
出されず、従って洗浄能力も不十分である。一方本発明
のように電解反応を0〜20℃で行うと生成する電解水中
にラジカルの発生が観察され、更に電極物質の溶出も従
来の電解反応の場合により少なく電極寿命の長期化が期
待できる。本発明の電解反応における0〜20℃は電解液
の温度であり、電解反応の間に電解槽自体を冷却した
り、電解槽に供給される供給される電解液を冷却して電
解反応中の電解液の温度が0〜20℃に維持されるように
する。電解反応を20℃を越える温度で行うと反応自体が
従来の電解反応に近く又は同一となりラジカルが殆どあ
るいは全く存在しなくなり、電極物質の溶出も顕著とな
る。更に得られるアノード水のORPが低くなる。なお
反応温度の下限は水の凝固点である0℃とする。
【0010】本発明方法はイオン交換膜により2室又は
3室に区画された電解槽を使用して行い、他の要件に関
しては特に限定されない。前記イオン交換膜は耐食性の
良好なパーフルオロカーボン系イオン交換膜であること
が好ましく(例えばデュポン社のNAFION、旭硝子株式会
社のFLEMION 、旭化成株式会社のACIPLEX)、該イオン交
換膜は従来の中性隔膜と異なり、液透過性がほぼ零であ
るため陽極液と陰極液が混合することが殆どなく、従っ
て生成した陽極液(アノード水)と陰極液(カソード
水)の一部混合に起因する効率低下を回避でき、かつ高
電流密度下での運転が可能になり、短時間で所望量の洗
浄水を得ることができる。本発明では陽極側で酸化性の
高い次亜塩素酸イオン(ClO- )が生成することが多く、
前記イオン交換膜は前記イオンに対する耐性が極めて高
く安定した運転ができる。
【0011】前記イオン交換膜は1枚で使用しても良い
が、対極で生成するイオンやガスの混入を防止する目的
で、イオン交換膜の少なくとも1枚に貴金属層を形成
し、該貴金属層が前記電極と接触しないように配置する
ことが好ましい。この場合には前記貴金属層で膜を透過
した水素と酸素が再結合し水となって対極への影響をな
くし、又は前記貴金属層が物理的な遮蔽板となって電解
液の混合が防止される。完全に対極の影響を無くすため
には、複数枚のイオン交換膜の間に中間室を設けて3室
構造とすることも可能であるが、より簡便な方法として
少なくとも1枚の水素原子透過性水素吸蔵合金あるいは
金属箔を挟んで電解セルを構成することもできる。前記
箔の材料としては、Pd、Pd−Au、Pd−Ag等がある。この
場合箔はバイポーラ電極板として機能する。即ち透過し
てくるプロトンを原子状態の水素と電子に分離し、両者
を反対面に導いた後はそれらの再結合でプロトンに再生
され、結果として電気が流れるが、このとき箔はプロト
ン以外の物質に対して優れた遮蔽効果を発揮する。
【0012】1枚のイオン交換膜を使用し該イオン交換
膜を樹脂繊維支持体で構成し、又は複数のイオン交換膜
の1枚を樹脂繊維支持体で構成し、又は2枚以上のイオ
ン交換膜の間に1枚の樹脂繊維支持体を挟んで隔膜を構
成することができ、この場合にはイオン交換膜及び電極
の電流分布が不均一化し、低い電流密度でもラジカル発
生率が安定的に増加する効果が生ずる。繊維の厚さは0.
01から5mm、繊維の太さは0.001 〜1mm、空隙率は20〜
95%であることが好ましい。その材料は化学的に安定な
絶縁材料、例えばポリプロピレンやポリエチレン等の炭
化水素系樹脂、PVDF、PTFE、FEP等のフッ素
樹脂、セラミックス焼結繊維構造体等であることが好ま
しい。
【0013】使用する陽極は生成するアノード水の純度
を維持するために、酸化に対して安定な貴金属、チタ
ン、タンタルなどの金属、カーボン、炭化珪素などの導
電性セラミックス等を基材として用い、この基材表面に
触媒として、白金、ルテニウム、イリジウム等の貴金属
や導電性セラミックス又はダイアモンドを担持して作製
することが好ましい。触媒量としては基材表面に1〜50
μmの触媒層が形成される程度が良く、又触媒としては
導電性ダイアモンドが水の電解反応に対する活性が乏し
く過電圧が高いためラジカルを発生しやすく、その使用
が好ましい。使用する陰極は生成するカソード水の純度
を維持するために、還元に対して安定な貴金属、チタ
ン、ジルコニウム、タンタルなどの金属、カーボン、炭
化珪素などの導電性セラミックス等を基材として用い、
この基材表面に触媒として、白金、ルテニウム、イリジ
ウム等の貴金属や導電性セラミックス又はダイアモンド
を担持して作製することが好ましい。触媒量としては基
材表面に1〜50μmの触媒層が形成される程度が良く、
又触媒としては導電性ダイアモンドが水の電解反応に対
する活性が乏しく過電圧が高いためラジカルを発生しや
すく、その使用が好ましい。なお2室法電解槽のイオン
交換膜を固体電解質としその両側に、又は3室法電解槽
の2枚のイオン交換膜の1枚の陽極側及び他のイオン交
換膜の陰極側に気液透過性の陽極物質と陰極物質を密着
させた構造としても良い。又板状の陽極及び陰極をイオ
ン交換膜の両面に密着させたゼロギャップ型電解槽とし
ても良い。
【0014】前記陽極及び陰極の形状は特に限定されな
いが、反応を円滑に進行させるために40〜80%の開口率
を有する板状の部材の使用が好ましく、又セルの各部材
には石英やPTFE樹脂等から成る安定な皮膜を表面に
形成しても良い。アノード水製造の目的では、上述した
電解槽の陽極室に純水及び/又は塩酸を供給し、陽極及
び陰極間に通電する。純水のみを供給すると前記陽イオ
ン交換膜が電解質として機能し水電解による酸素発生
(オゾンを含むことがある)が生じ、該酸素が陽極液中
に溶解してアノード水が生成する。又塩酸を陽極室に供
給すると、塩素イオンが塩素ガスに更に次亜塩素イオン
に電解酸化されて、低pHで酸化力の強いアノード水が
生ずる。
【0015】一方カソード水製造の目的では、上述した
電解槽の陰極室に純水及び/又は水酸化アンモニウムを
供給し、陽極及び陰極間に通電する。純水のみを供給す
ると前記陽イオン交換膜が電解質として機能し水電解に
よる水酸イオンが発生し、カソード水が生成する。又水
酸化アンモニウムを陰極室に供給すると、水酸イオンが
濃度が高くなり、更に強いカソード水が生成する。なお
このようにして製造されたアノード水又はカソード水中
には僅少量のカチオン又はアニオンが混入している場合
があり、本発明方法では得られたアノード水又はカソー
ド水を電解槽外に設置したカチオン又はアニオン樹脂充
填塔に導きかつ該充填塔を通してカチオン性又はアニオ
ン性の不純物除去を行ない、更に純度の高いアノード水
又はカソード水を得ることもできる。又本発明は陰極室
に酸素を供給して過酸化水素水を合成しながら、陽極室
でアノード水を製造する電解にも適用できる。
【0016】図1は本発明方法に使用できる電解槽を例
示する概略縦断面図である。電解槽本体1は、パーフル
オロカーボン系陽イオン交換膜2の周囲を挟持する額縁
状の陽極室ガスケット3及び陰極室ガスケット4、及び
各ガスケット3、4の前記陽イオン交換膜2とは反対面
に設置された電解液流通機能を有しかつ少なくとも内側
の電解液と接触する部分をフッ素樹脂製とした陽極室壁
板5及び陰極室壁板6により構成されている。前記陽イ
オン交換膜2の陽極面には、白金族金属又はそれらの酸
化物の粉末から成る多孔性陽極7が密着状態で設けら
れ、前記陽イオン交換膜2の陰極面には、白金やカーボ
ンから成る多孔体シート状陰極8が密着状態で設けられ
ている。前記陽極7及び陰極8には、それぞれ陽極集電
体9及び陰極集電体10が接続され、該集電体を通して通
電が行なわれる。
【0017】前記陽極室壁板5の内部には陽極液流通路
11が形成され、陽極液入口12から供給される塩酸等を溶
解した陽極液が陽極室開口部13から陽極室に進入して陽
極7と接触して次亜塩素酸等の酸化力の強い高酸化還元
電位の化合物に酸化され、アノード水として陽極液出口
14から取り出される。前記陽極液入口12より先端側の延
長パイプ15の周囲には冷却ジャケット16が設置され、冷
媒入口17から液体窒素やエチレングリコール等の冷媒を
導入して前記延長パイプ15内の陽極液を所望温度に冷却
してから前記陽極室へ供給するようにしている。一方前
記陰極室壁板6の内部には陰極液流通路18が形成され、
陰極液入口19から必要に応じて供給される超純水が陰極
室開口部20から陰極室に進入しイオンを含む陽極からの
移行水とともに陰極8と接触して還元され、カソード水
として陰極液出口21から取り出される。図示した電解槽
を使用する洗浄水製造では、陽極室へ供給さる前の陽極
液が延長パイプ15内で冷媒により冷却されるため、陽極
室での電解反応を0〜20℃の低温で行うことができ、洗
浄能力向上に必要なラジカルの前駆体を多く含むアノー
ド水が提供され、更に電極物質溶出が防止されるため、
長期間安定した電解反応を継続できる。
【0018】
【実施例】次に本発明に係わる電解水製造方法による電
解水製造の実施例を記載するが、該実施例は本発明を限
定するものではない。
【0019】
【実施例1】陽イオン交換膜としてナフィオン117 (デ
ュポン社製)3枚を重ね中央の1枚には白金被覆を無電
解めっきにより形成した膜を使用した。該陽イオン交換
膜の陽極室側には、電極面積10cm2 で熱分解により生成
させた酸化イリジウム触媒を被覆したチタン製メッシュ
を陽極として密着させ、陰極室側には白金触媒を被覆し
たカーボンシートを陰極として密着させ、陰極集電体と
して銀繊維の焼結板(厚さ2mm)を接続した。これらの
部材をボルト及びナットで締着し2室型電解槽を構成し
た。この電解槽の陽極室側に塩酸によりpHを2.5 とし
た超純水(18Mオームcm)を10cc/分で供給しながら1
Aの電流を流し、このときのセル温度が20℃以下になる
ように供給水タンク、セル及び配管を冷却した。生成し
た出口のアノード水にDMPO(ラジカル安定化剤)を
10mM添加し、ESR装置によりラジカルの検出を行っ
たところ、OHラジカルに相当するピークが検出され
た。陽極ガスには、オゾンが500ppm、又陽極液には溶解
している塩素100ppmが確認された。出口のORPは1100
mVであり、重金属の総濃度は50ppt であった。
【0020】
【実施例2】実施例1の電解系でセル温度を変化させた
際の電解性能つまり温度が10、20、30又は40℃であると
きの、電圧、生成オゾン濃度、ラジカルの有無、ORP
及び重金属不純物量を表1に纏めた。表1から温度を低
くするとセル電圧は上昇するが、特に10又は20℃では生
成するラジカル量及びオゾン濃度が増加したことが判
る。
【0021】
【表1】
【0022】
【実施例3】陽極側に塩酸を添加しなかったこと以外
は、実施例1と同様にして2室型電解槽を構成し、電解
を行った。生成した出口のアノード水にDMPOを10m
M添加し、ESR装置によりラジカルの検出を行ったと
ころ、OHラジカルに相当するピークが検出された。陽
極ガスには、オゾンが500ppm検出され、出口のORPは
1100mVであり、重金属の総濃度は5ppt であった。
【0023】
【実施例4】実施例3の電解系でセル温度を変化させた
際の電解性能を表2に纏めた。表2から温度を低くする
とセル電圧は上昇するが、特に10又は20℃では生成する
ラジカル量及びオゾン濃度が増加したことが判る。
【0024】
【表2】
【0025】
【発明の効果】本発明は、イオン交換膜により2室又は
3室に区画された水電解槽に通電して電解水を得る方法
において、電解反応を0から20℃で行うことを特徴とす
る電解水の製造方法である。本発明方法では、電解水製
造の際の電解反応を0〜20℃の比較的低温で行うため、
洗浄能力の優れたラジカル発生の前駆体となるオゾンや
遊離塩素が製造された電解水中に分解されずに残り、実
際の洗浄の際に分解させて寿命の短いラジカルを効率良
くかつ必要な量だけ発生させることを可能にする。従っ
て本発明方法によると、従来より洗浄能力の優れた電解
水(アノード水及びカソード水)を製造できる。又本発
明方法では、電解を低温で行うため、電極物質の溶出を
少なくすることができ、生成する電解水中の不純物濃度
を低下できるとともに、電極及び電解槽の長寿命化を達
成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法に使用できる電解槽を例示する概略
縦断面図。
【符号の説明】
1・・・電解槽本体 2・・・陽イオン交換膜2 3・
・・陽極室ガスケット 4・・・陰極室ガスケット 5・・・陽極室壁板 6・
・・陰極室壁板 7・・・陽極 8・・・陰極 9・・
・陽極集電体 10・・・陰極集電体 11・・・陽極液流
通路 12・・・陽極液入口 13・・・陽極室開口部 14
・・・陽極液出口 15・・・延長パイプ 16・・・冷却
ジャケット 17・・・冷媒入口 18・・・陰極液流通路
19・・・陰極液入口 20・・・陰極室開口部 21・・
・陰極液出口
フロントページの続き (72)発明者 錦 善則 神奈川県藤沢市藤沢1丁目1番の23の304 (72)発明者 速水 直哉 神奈川県横浜市磯子区新磯子町33 株式会 社東芝生産技術研究所内 (72)発明者 桜井 直明 神奈川県横浜市磯子区新磯子町33 株式会 社東芝生産技術研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 イオン交換膜により2室又は3室に区画
    された水電解槽に通電して電解水を得る方法において、
    電解反応を0から20℃で行うことを特徴とする電解水の
    製造方法。
JP16293898A 1998-05-26 1998-05-26 電解水の製造方法 Pending JPH11333457A (ja)

Priority Applications (1)

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JP16293898A JPH11333457A (ja) 1998-05-26 1998-05-26 電解水の製造方法

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JP16293898A JPH11333457A (ja) 1998-05-26 1998-05-26 電解水の製造方法

Publications (1)

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JPH11333457A true JPH11333457A (ja) 1999-12-07

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR20160126010A (ko) * 2014-02-25 2016-11-01 콘디아스 게엠베하 액체를 전기화학적으로 처리하기 위한 전극 장치

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