JP2004099914A - ペルオキソ二硫酸塩の製造方法 - Google Patents

ペルオキソ二硫酸塩の製造方法 Download PDF

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岸 剛陸
Hozumi Tanaka
田中 穂積
Yoshinori Nishiki
錦 善則
Masao Sekimoto
関本 正生
Shuhei Wakita
脇田 修平
Tsuneto Furuta
古田 常人
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Abstract

【課題】従来から行われている硫酸イオンや硫酸水素イオンからのペルオキソ二硫酸塩を電解による製造用として構造がシンプルな無隔膜電解槽を使用すると、生成物であるペルオキソ二硫酸塩が陰極還元で分解されて電流効率が低下する。
【解決手段】無隔膜電解槽1中で、硫酸イオン及び/又は硫酸水素イオンを含有する電解液7を電解してペルオキソ二硫酸塩を製造する際に、前記電解液中に6価クロムイオンを溶解させると、生成するペルオキソ二硫酸塩の還元分解がこの6価のクロムイオンにより抑制され、高電流効率が実現する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、酸化剤等として有用なペルオキソ二硫酸塩を電気化学的手法により効率良く製造するための方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
電解法はクリーンな電気エネルギーを利用して、反応試薬を用いずに化学反応を行うことができる化学合成手段のひとつであり、電流密度により反応速度を制御でき、また電位を規制することで生成物を選択できる特徴を有している。
この電解法を使用して、ペルオキソ二硫酸アンモニウムやペルオキソ二硫酸のアルカリ金属塩を、相応する硫酸塩又は硫酸酸性塩を含有する水溶液の陽極酸化により製造することは公知である。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−293484号公報
【特許文献2】
特開2001−3187号公報
【特許文献3】
特開平11−27881号公報
【特許文献4】
特表平11−511204号公報
【特許文献5】
特開2002−4073号公報
【特許文献6】
特開2001−192874号公報(段落
【0018】)
【0004】
特許文献1には、30〜44重量%の硫酸アンモニウム水溶液を、多孔性アルミナ隔膜板をセパレータとする電解槽の陽極室に供給し、白金箔から成る陽極で酸化してペルオキソ二硫酸アンモニウムを製造することが記載されている。陽極液には電流効率を上昇させる効果のあるチオシアン酸塩、シアン化物、シアン酸塩、フッ化物等の分極剤が添加される。この方法は電流効率が高いという特徴はあるものの、セパレータを使用するため、電解槽の構造が複雑になり、しかも硬い多孔性アルミナ隔膜板を使用するため電解槽構造が箱型のものに限定され、電解槽のメンテナンスが行いにくいという問題点もあった。更に陽極と陰極の距離(極間距離)が10mm以上あり、隔膜や電解液による電気抵抗損が大きく、その結果、電解電圧が高く、電力原単位が良くないという欠点があった。
【0005】
特許文献2には、15〜32重量%の硫酸ナトリウムと5〜22重量%の硫酸アンモニウムの混合水溶液を多孔性アルミナ隔膜板をセパレータとする電解槽の陽極室に供給し、白金から成る陽極で酸化し、陽極液を水酸化ナトリウム等と反応させた後、晶析槽でペルオキソ二硫酸ナトリウムの結晶を析出させることが記載されている。陽極液には、チオシアン酸塩、シアン化物、シアン酸塩、フッ化物等添加される。この方法も特許文献1の場合と同様の問題点を有する。
【0006】
特許文献3には、30〜44重量%の硫酸アンモニウム水溶液を、多孔性アルミナ隔膜板をセパレータとする電解槽の陽極室に供給し、白金箔から成る陽極で酸化し、陽極液を水酸化カリウムと反応させペルオキソ二硫酸カリウムを製造する方法が記載されている。この方法も特許文献1の場合と同様の問題点を有する。
【0007】
特許文献4には、少なくとも飽和量の75%の硫酸ナトリウムを含む水溶液をカチオン交換膜をセパレータとする陽極室に供給し、平滑な白金から成る陽極で酸化し、陽極液を水酸化ナトリウムと反応させペルオキソ二硫酸ナトリウムを製造する方法が記載されている。この方法はカチオン交換膜を使用するので、箱型よりシンプルないわゆるフィルタープレス型電解槽を使用できる特徴はあるが、電解液が酸化性を有するため、パーフルオロタイプの高価なカチオン交換膜を使用する必要があり、経済的でない。更に隔膜や電解液による電解抵抗損が大きく、電解も高く、電力原単位が良くないという欠点があった。
【0008】
特許文献5には、イオン交換膜をセパレータとする陽極室で、硫酸アンモニウム、硫酸ナトリウム及び硫酸カリウム、あるいは相応する硫酸水素塩を含有する水性電解質を、導電性を有するダイヤモンド陽極で酸化しペルオキソ二硫酸塩を製造する方法が記載されている。
この方法は、ダイヤモンドを使用することにより、チオシアン酸塩等の分極剤を使用しなくて良いという特徴があるが、イオン交換膜を使用するので、前述した問題点を有する。更にこの特許文献5にはガス拡散陰極を使用することでセパレータを省略できるという記載があるが、ガス拡散陰極を使用する実施例の記載がなく、ガス拡散陰極を使用する際に懸念されるペルオキソ二硫酸塩の還元による損失やそれを防ぐ方法の提示がない。更にガス拡散陰極を使用する場合、貴金属等の高価な触媒が必要になり経済的でない。又ガス拡散陰極を使用する際にはガス室が必要になり、電解槽構造が複雑になるという問題もある。
【0009】
特許文献6には、硫酸イオンを含む水溶液を、導電性ダイヤモンド陽極を有する電解槽で電解して過硫酸溶解水を得る方法が記載されている。この方法では、使用する電解槽は無隔膜電解槽でも2室型隔膜電解槽でも良いが、前者の場合は陽極で一旦生成した過硫酸イオンが陰極に接触して硫酸イオンに還元される可能性があるため、後者の隔膜型電解槽を使用することが望ましい、と記載され、無隔膜電解槽を使用する場合の欠点の克服手段には言及されていない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
このように従来のペルオキソ二硫酸塩の製造方法は、セパレータ(隔膜)を使用して行い、生成するペルオキソ二硫酸の還元による原料である硫酸塩や硫酸水素塩への分解を防止するか、あるいは無隔膜電解でペルオキソ二硫酸塩を製造して、電解槽の構造の簡略化による利益を享受する一方、ある程度の生成物の分解を甘受するかに大別されている。
本発明は、従来技術のこれらの欠点を解消し、無隔膜電解を使用するにもかかわらず高電流効率でペルオキソ二硫酸塩を製造できる方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、陰極及び導電性ダイヤモンドを担持した陽極を有する無隔膜電解槽中で、硫酸イオン及び/又は硫酸水素イオンを含有する電解液を電解してペルオキソ二硫酸塩を製造する方法において、前記電解液中に6価クロムイオンを存在させることを特徴とするペルオキソ二硫酸の製造方法である。
【0012】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、無隔膜電解槽を使用して硫酸イオンや硫酸水素イオンの電解酸化によりペルオキソ二硫酸塩を製造する従来法では不可避であった生成する前記ペルオキソ二硫酸塩の還元的分解を実質的に防止できることを主眼とする方法である。なお本発明におけるペルオキソ二硫酸塩とは、遊離のペルオキソ二硫酸(H)又はそのイオン及びその塩を含み、これらは、重合開始剤、酸化剤、漂白剤、写真処理剤、マンガンやクロム等の試薬用酸化剤、分析試薬、半導体洗浄等に幅広く使用されている。
【0013】
本発明では、前記還元的分解を防止するために、無隔膜電解槽の電解液中に6価のクロムイオンを添加する。6価のクロムイオンとはクロムの酸化数が+6のクロム酸イオンを意味し、クロム酸イオン及び二クロム酸イオンが含まれる。電解液に添加する6価のクロムイオン源としては、三酸化クロム、クロム酸塩、二クロム酸塩等がある。
添加する6価のクロムイオンの濃度は、0.1〜10g/Lが望ましく、0.1g/L未満では還元的分解を抑制する効果が減少する傾向があり、10g/Lを超えて添加しても濃度に見合う効果が得られない。
【0014】
電解液中に6価のクロムイオンを存在させることにより特別なセパレータを使用しなくても生成するペルオキソ二硫酸塩の原料への分解をほぼ完全に防止でき、あるいは少なくとも前記分解を最小限に抑制できる。
本発明方法におけるペルオキソ二硫酸塩の原料である硫酸イオンや硫酸水素イオンは、目的とするペルオキソ二硫酸塩の種類の応じて選択する。例えばペルオキソ二硫酸アンモニウムを製造する場合には、硫酸アンモニウム、硫酸水素アンモニウム、及び両者の混合物のいずれかの水溶液を原料とする。ペルオキソ二硫酸塩の結晶を分離した後の母液に、硫酸塩、硫酸水素塩又はこれらの混合物を添加した溶液も本発明方法の原料として使用できる。
【0015】
通常の水電解を行うと、次の式に示す陽極反応により酸素、オゾン又は過酸化水素が生成する。平衡論的には酸素発生が優先するが、活性化過電圧の存在によりオゾンや過酸化水素の生成も可能になる。
【0016】
2HO → O + 4H + 4e   E =1.23V  ▲1▼
3HO → O + 6H + 6e   E =1.51V  ▲2▼
2HO → H + 2H + 2e  E =1.78V  ▲3▼
【0017】
陽極液中に硫酸イオンや硫酸水素イオンが存在すると、下式に示すようにペルオキソ二硫酸塩の生成も可能になる。
【0018】
2SO 2− → S 2− + 2e              E=2.01V ▲4▼
2HSO  → S 2− +  2H +  2e   E=2.12V ▲5▼
【0019】
通常の陽極を使用して電解を行うと理論電解電圧の低い陽極反応、特に酸素発生反応が優先して起こり、ペルオキソ二硫酸塩は実質的に生じない。
しかしながらダイヤモンド電極は極端に電位窓が広く、かつ酸素発生反応に対する過電圧が高くかつ目的の酸化反応が電位的に進行し得る範囲にあるため、硫酸イオンを含有する水溶液電解を行うと、高い電流効率でペルオキソ二硫酸塩生成が起こり、酸素発生は僅かに起こるに過ぎない。例えば白金やロジウムの酸素発生過電圧が数百mVであるのに対し、ダイヤモンドでは約1.4 Vである。
【0020】
なおペルオキソ二硫酸塩生成の選択率をより上昇させるために、従来のようにフッ化ナトリウムやチオシアン酸アンモニウムを電解液中に添加しても良い。更に電極上への硫酸イオン等の吸着率を高めるために、ナトリウム、アンモニウム、カリウム、セシウム及びルビジウム等のアニオンを添加しても良い。
【0021】
本発明で使用する導電性ダイヤモンド陽極は、電極基体上に炭素源となる有機化合物の還元析出物であるダイヤモンドを担持して製造される。基体の材質及び形状は材質が導電性であれば特に限定されず、導電性シリコン、炭化珪素、チタン、ニオブ、モリブデン等から成る板状、棒状、メッシュ状あるいは例えばビビリ繊維焼結体である多孔性板等が使用できる。該基体へのダイヤモンドの担持法も特に限定されず、公知の任意のものを使用できる。代表的な導電性ダイヤモンド製造方法としては、熱フィラメントCVD(化学蒸着)法、マイクロ波プラズマCVD法、プラズマアークジェット法及び物理蒸着(PVD)法等がある。この他に超高圧で製造される合成ダイヤモンド粉末を樹脂等の結着剤を用いて基体に担持したダイヤモンド電極も使用可能であり、特に電極表面にフッ素樹脂等の疎水性成分が存在すると処理対象の硫酸イオンや硫酸水素イオンを捕捉しやすくなり反応効率が向上する。
【0022】
前記熱フィラメントCVD法は例えば次のようにして実施する。炭素源であるアルコール等の有機化合物を、ダイヤモンドを担持させる電極基体を設置した水素ガス等の還元雰囲気に保持し、炭素ラジカルが生成する温度である1800〜2400℃に昇温する。その後該還元雰囲気の温度を600〜950℃のダイヤモンドが析出しやすい温度まで降温させる。この際の水素ガスに対する有機化合物のガス濃度は好ましくは約0.1〜10容量%、供給速度は反応容器のサイズにもよるが通常は0.01〜10リットル/分、圧力は約2000〜100000Paである。
【0023】
この他にマイクロ波プラズマCVD法もダイヤモンド合成に適した方法であり、マイクロ波により生成した水素プラズマを非ダイヤモンド成分のエッチングに用いる。マイクロ波によるプラズマではイオンは殆ど振動せず、電子のみを振動させた状態で擬似高温を達成し、化学反応を促進させる効果を奏する。プラズマの出力は1〜5kWで、出力が大きいほど活性種を多く発生させることができ、ダイヤモンドの成長速度が増加する。プラズマを用いる利点は、大表面積の基体を用いて高速度でダイヤモンドを成膜できることである。10cm程度の面積の基体に、1kWで約0.1μm/h、5kWで数μm/hの速度で成膜できる。チャンバ内の圧力は約4000〜15000 Pa程度に減圧され、水素及び炭素源の混合ガスを約10〜100 ml/分の流量で導入することが望ましい。
【0024】
本発明方法で使用するダイヤモンド電極のダイヤモンド粒子の粒径は約0.01〜100μmであり、この粒径の粒子を担持して好ましくは0.1 〜100μm、更に好ましくは1〜10μmの膜厚のダイヤモンド層を形成する。この膜厚は基体への電解液の浸入を防ぐために適切な厚さである。
【0025】
このダイヤモンドに導電性を付与するために、原子価の異なる元素を微量添加する。硼素や燐が好ましい添加元素であり、これらの元素のダイヤモンド中への添加量は好ましくは1〜100000ppm 、更に好ましくは100 〜10000 ppm である。この添加元素の原料として毒性の少ない酸化硼素や五酸化二リンなどが使用できる。
【0026】
本発明で使用する陰極は電解液に対する耐性があれば特に制限はなく、鉛、ニッケル、ニッケル合金、チタン、ジルコニウム、黒鉛、白金等が使用できる。又陰極の形状も制限がなく、板状、棒状、メッシュ状あるいは、例えばビビリ繊維燒結体である多孔性板等が使用できる。
【0027】
本発明方法における電解槽への通電方法として、公知の単極式及び複極式の双方を使用できる。又電解槽の型式も特に制限がなく、箱式、フィルタープレス式、円筒状等の種々の型式が使用できる。陽極と陰極は極力近づけて電解液に起因する電気抵抗を減少させることが望ましい。好ましい極間距離は、電極の平坦精度、電解槽の生産量、電解性能、電解槽型式等に依存して最適値が変化するが、通常は0.5〜10mmとする。
【0028】
電解槽材料としては、電解液に対する耐久性、安定性の観点から、ガラスライニング材料、カーボン、耐食性の優れたチタン、ステンレス及びPTFE樹脂などが好ましく使用できる。
電解条件は、温度が5〜40℃程度、電流密度が0.01〜10A/dm程度であることが好ましい。
【0029】
【発明の実施の形態】
次に添付図面に基づいて本発明方法に使用できる電解槽の一実施形態を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0030】
図1は、本発明方法のペルオキソ二硫酸塩製造用に使用可能な無隔膜電解槽の概略断面図である。
上面が開口する円筒形の電解槽本体1内には、板状の陽極集電体2の下端部の一方面にドーパントが添加されたダイヤモンド粒子から成形された陽極3、及び板状の陰極集電体4の下端部の一方面に白金金属から成る陰極5がそれぞれ互いに離間して吊支され、両集電体2及び4の基端同士は電解槽本体1外の電源6を介して接続されている。
【0031】
該電解槽本体1内部には少なくとも陽極3及び陰極5が浸漬するように電解液7が満たされ、かつ電解槽本体1の底面上には磁力により回転する攪拌子8が置かれている。
このような構成から成る電解槽本体1を使用してペルオキソ二硫酸塩溶液を得るためには、硫酸、硫酸イオン又は硫酸水素イオン等を含有する水溶液、例えば飽和硫酸−硫酸アンモニウム混合溶液を作製し、更にこの混合溶液中に、例えばクロム酸ナトリウムを溶解させて、6価のクロムイオンを添加する。この混合溶液を電解液とし、攪拌子8を回転させながら両極間に通電すると、陽極3表面での硫酸酸化によりペルオキソ二硫酸塩が生成して電解液7に溶解する。通電停止後、電解槽本体1から電解液を取り出してペルオキソ二硫酸塩溶液とする。
【0032】
次に本発明に係るペルオキソ二硫酸塩の製造に関する実施例及び比較例を記載するが、これらは本発明を限定するものではない。
【0033】
[実施例1〜12]
総面積3cmで厚さ3mmのシリコン基板に、エチルアルコールを炭素源とする熱フィラメントCVD法により、10μm厚でB/C濃度が10000ppmのダイヤモンド層を形成して陽極とし、かつニッケル板を陰極とした。
これらの陽極及び陰極を使用して、図1に示した無隔膜電解槽を組立て、この無隔膜電解槽に、硫酸アンモニウム、ペルオキソ二硫酸アンモニウム(含まない例もある)及び6価のクロムイオンを含む電解液(張りこみ液)を供給し、電解温度を20±2℃に維持しながら電解を行った。6価のクロムイオン源としてクロム酸アンモニウムを使用した。電解は、極間距離、電流密度、張りこみ液組成を変えて、計12回(実施例1〜12)行った。各実施例における電解条件を表1に纏めた。
【0034】
2時間電解後の平均電圧及び平均電流効率を算出した結果を表1に示す。前記電流効率は、通電停止後に電解液を電解槽から取り出し、電解液中に含有されているペルオキソ二硫酸イオン濃度を過マンガン酸カリウムを用いた逆滴定法で定量し、液量と濃度から算出した(電解開始時の張りこみ液に含まれるペルオキソ二硫酸アンモニウムは差し引いて電流効率を算出した)。
【0035】
【表1】
Figure 2004099914
【0036】
[比較例1〜6]
6価のクロムイオンを添加しなかったこと以外は、順に実施例1〜3及び7〜9と同じ条件でペルオキソ二硫酸塩の製造を行った(比較例1〜6)。各比較例における電解条件を表2に纏めた。
各実施例と同様にして算出した2時間電解後の平均電圧及び平均電流効率を表2に示す。
【0037】
【表2】
Figure 2004099914
【0038】
各実施例と各比較例を比較すると、電解開始時の張りこみ液に6価のクロムイオンを添加した実施例の電解では電流効率が63〜85%で、生成したペルオキソ二硫酸アンモニウムの還元的分解が最小限に抑えられたことが判る。又比較例では電解開始時にペルオキソ二硫酸アンモニウムを添加した例では電流効率がマイナスの値を示し、電解で生成したペルオキソ二硫酸アンモニウムに加えて当初から存在するペルオキソ二硫酸アンモニウムも還元分解されたことが判る。
【0039】
【発明の効果】
本発明は、陰極及び導電性ダイヤモンドを担持した陽極を有する無隔膜電解槽中で、硫酸イオン及び/又は硫酸水素イオンを含有する電解液を電解してペルオキソ二硫酸を製造する方法において、前記電解液中に6価クロムイオンを存在させることを特徴とするペルオキソ二硫酸の製造方法である。
本発明方法によると、無隔膜電解で通常問題になる生成物の分解が実質的に回避され、無隔膜電解による長所、例えばシンプルで安価な電解槽を使用でき、更に極間距離を縮められることが実現するため、電解電圧が低くなり、従来より少ない電力原単位でペルオキソ二硫酸塩を製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法のペルオキソ二硫酸塩製造用に使用可能な無隔膜電解槽の概略断面図。
【符号の説明】
1  電解槽本体
3  陽極
5  陰極
7  電解液

Claims (2)

  1. 陰極及び導電性ダイヤモンドを担持した陽極を有する無隔膜電解槽中で、硫酸イオン及び/又は硫酸水素イオンを含有する電解液を電解してペルオキソ二硫酸塩を製造する方法において、前記電解液中に6価クロムイオンを存在させることを特徴とするペルオキソ二硫酸の製造方法。
  2. 硫酸イオン及び/又は硫酸水素イオンを含む塩が、硫酸アンモニウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸水素アンモニウム、硫酸水素ナトリウム及び硫酸水素カリウムから成る群から選択される1種以上である請求項1に記載のペルオキソ二硫酸塩の製造方法。
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