JPH11329739A - 有機el素子およびその製造方法 - Google Patents

有機el素子およびその製造方法

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JPH11329739A
JPH11329739A JP10127495A JP12749598A JPH11329739A JP H11329739 A JPH11329739 A JP H11329739A JP 10127495 A JP10127495 A JP 10127495A JP 12749598 A JP12749598 A JP 12749598A JP H11329739 A JPH11329739 A JP H11329739A
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JP
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organic
region
light emitting
cathode
recombination
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JP10127495A
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Hiroo Miyamoto
裕生 宮本
Hitoshi Ikeda
等 池田
Shinko Kamikawa
真弘 上川
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Oki Electric Industry Co Ltd
Original Assignee
Oki Electric Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 発光の飽和現象を回避することができ、高輝
度で、かつ高効率の発光が得られる。 【解決手段】 電荷(正孔25および電子27)が注入
され、かつ注入される電荷の再結合により励起子29を
発生させる電荷注入再結合領域11と、発光センタ23
を含み、励起子が発光センタまで拡散移動して発光セン
タへエネルギーを移動させることにより発光を生じさせ
る拡散発光領域13とを具えていて、拡散発光領域は電
荷注入再結合領域に接して設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、有機エレクトロ
ルミネッセンス(以下、単に有機ELという。)素子に
関するものであり、特に有機EL素子の有機発光層の材
料に関する。
【0002】
【従来の技術】有機材料に電界を印加することにより得
られる有機エレクトロルミネッセンスを利用した発光素
子(有機EL素子)は、文献1(文献1:「Organic el
ectroluminescent diodes 」C.W.Tang and S.A.VanSlyk
e,Appl.Phys.Lett.vol 51 No.12 pp913-915(1987) )に
おいて、Tangらが、低電圧で高輝度の発光が得られ
る発光素子を実現させて以来、研究開発が活発に行われ
ている。
【0003】文献1の有機EL素子は、陽極、有機正孔
輸送層、有機電子輸送性発光層および陰極を具えた2層
型のもので、陽極から注入された正孔と、陰極から注入
された電子とが再結合して、この再結合によって発生す
るエネルギーによって有機電子輸送性発光層中の有機化
合物が励起され、その化合物固有の発光が放出される。
文献1では、10V程度の直流電圧で、輝度1000c
d/m2 を越える面発光が得られている。
【0004】また、このような構造の有機EL素子を構
成する材料である、発光材料や電荷輸送材料に関する研
究が進められ、その結果、青色発光、緑色発光およびオ
レンジ発光等の有機EL素子において、100cd/m
2 の初期輝度で連続駆動させた場合に、輝度半減寿命が
数万時間となるような耐久性に優れた実用レベルの素子
が開発されている。
【0005】また、赤色発光の有機EL素子において
は、例えば、文献2に記載されているように、発光材料
として希土類ユーロピウム(Eu)錯体が用いられた素
子が提案されている(文献2:城戸他:Appl. Phys. Le
tt., vol.65, No.17, pp.2124-2126(1994) )。
【0006】Eu錯体が発光材料として用いられている
有機EL素子からは、Euイオンに起因する中心波長が
615nmである赤色発光が得られる。この発光のスペ
クトルの半値全幅は5nm程度であり、非常に狭い。一
方、同じ赤色発光の有機EL素子であって、一般的によ
く知られている色素系の発光材料が用いられた素子にお
ける発光スペクトルの半値全幅は50〜100nmと広
くなっている。スペクトルの半値全幅が狭いということ
は、色純度がよく、しかもレンズ系を通した場合、色収
差が少なくなることを示している。このため、このよう
な有機EL素子を、フラットパネルディスプレイ、光プ
リントヘッドおよび光通信用モジュールへ、発光素子と
して適用させることが期待されている。
【0007】また、上記文献2に記載されている有機E
L素子においては、キャリアの再結合によって生成さ
れ、従来発光には寄与しなかった三重項励起子のエネル
ギーを発光に利用することができる。従って、このよう
に希土類錯体を発光材料として用いれば、従来の素子よ
りも大幅に発光効率を向上させることができると考えら
れる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな有機EL素子の発光輝度を増大させるために素子へ
の注入電荷密度を大きくしたところ、発光効率が低下す
るという問題が生じる。
【0009】ここで、希土類錯体が用いられた有機EL
素子は発光寿命が数百μs〜数msである。この値は、
通常用いられている色素系の発光材料の発光寿命が数n
s〜数μsであることを考慮すると、長い発光寿命であ
ると言える。これは、希土類錯体の発光が、希土類イオ
ンの多重項電子状態間の電子遷移に基づいて起こること
に起因する。
【0010】また、素子へ注入される電荷のうちの一定
の割合の電荷が再結合して発光に至っているため、注入
電荷密度と発光輝度とは比例している。従って、注入電
荷密度を増大させると、発光性の励起分子1分子が関与
して生じる発光から、その分子が関与する次の発光に至
るまでの時間(発光時間間隔とする。)は短くなる。例
えば、有機EL素子の発光層の厚さを30nmとし、発
光層への希土類錯体のドープ量を10%とし、電荷の再
結合で発光性励起子が生じる割合を25%とし、この発
光性励起子がすべて発光に寄与する場合、注入電荷密度
が10mA/cm2 のときは、1分子当たりの発光時間
間隔はおよそ20msと計算される。また、注入電荷密
度を1A/cm2 とするときの発光時間間隔はおよそ
0.2msと計算される。よって、上述したように希土
類錯体が用いられた有機EL素子の発光寿命は数百μs
〜数msであるため、後者の注入電荷密度の場合には電
荷の再結合によって生じる発光性励起子のエネルギーが
発光センタである希土類イオンを励起しようとすると
き、未だ発光状態にあって、励起できる基底状態に戻っ
ていない希土類イオンが生じる。このため、注入電荷密
度を増大させ、発光寿命よりも発光時間間隔が短くなっ
てしまう場合には発光輝度が飽和してしまう。
【0011】また、従来、電荷の再結合、励起子の発生
および発光が行われる発光層において、この発光層の厚
さは数nm〜数十nmであるため収納できる発光センタ
の数が限られ、また、発光層内で発生する励起子の拡散
領域を十分とることができない。このため、ひとつの発
光センタあたりにエネルギーを移動させる励起子の数が
多くなってしまう。
【0012】従って、発光に関与することができない発
光性励起子の数が増え、その結果、発光効率を低下させ
てしまう。このような現象を、ここでは発光の飽和現象
と称する。
【0013】よって、発光の飽和現象を回避することが
でき、高輝度で、かつ高効率の発光が得られる有機EL
素子およびその製造方法の出現が望まれていた。
【0014】
【課題を解決するための手段】このため、この発明に係
る発明者等は鋭意研究の結果、希土類錯体の発光に関与
する三重項励起子の拡散移動距離が長いという性質に着
目し、この性質を利用して高輝度で、かつ高効率の発光
が得られるような有機EL素子の構造を見出してこの発
明に至った。
【0015】この発明の有機EL素子によれば、電荷が
注入され、かつ注入される電荷の再結合により励起子を
発生させる電荷注入再結合領域と、発光センタを含み、
励起子が発光センタまで拡散移動して、この発光センタ
へエネルギーを移動させることにより発光を生じさせる
拡散発光領域とを具えていて、この拡散発光領域は電荷
注入再結合領域に接していることを特徴とする。
【0016】これにより、励起子を発生させる領域と発
光を生じさせる領域とを分離することができる。このた
め、発光を生じさせる領域内に発光センタを適当な密度
で、かつ所望の数だけ存在させることができる。また、
三重項励起子の拡散移動距離を十分にとることができ
る。これにより、注入電荷密度を増大させても、ひとつ
の発光センタ当たりの励起子の数はそれほど変わらな
い。このため、注入電荷密度を増大させても、ひとつの
発光センタ当たりの発光時間間隔が発光寿命よりも短く
なるおそれはなくなる。よって、発光の飽和現象を回避
することができ、発光効率の向上と注入電荷密度の増大
に応じた高輝度発光を図ることができる。
【0017】また、好ましくは、電荷注入再結合領域
は、陽極、有機層および陰極を具えていて、拡散発光領
域は、ホスト材料および発光センタとしての希土類錯体
を含んで構成してあるのがよい。
【0018】この電荷注入再結合領域は、従来の有機E
L素子と同様の構造を有している。すなわち、この領域
には陽極、有機層および陰極が具えてある。この陽極か
ら正孔を、そして陰極から電子を、それぞれ有機層中に
注入して、有機層でこれら正孔および電子を再結合させ
て励起子を発生させる。有機層には少なくとも電荷を再
結合させて励起子を発生させる層(ここでは、再結合層
と称する。)を含んでいるのがよい。この再結合層は従
来の有機EL素子の発光層に相当する層であり、ここで
は、特に三重項励起子を発生させる層である。また、こ
の有機層は再結合層と正孔輸送層とを含んで構成されて
いてもよい。このとき、正孔輸送層は陽極と再結合層と
の間に設ける。これにより、再結合層への正孔の注入効
率を向上させることができる。また、有機層は再結合層
と電子輸送層とを含んで構成されていてもよい。このと
き、電子輸送層は陰極と再結合層との間に設ける。これ
により、再結合層への電子の注入効率を向上させること
ができる。また、有機層は、陽極側から正孔輸送層、再
結合層および電子輸送層がこの順に含まれるように構成
されていてもよい。これにより、再結合層への電荷の注
入効率を向上させることができる。また、さらに、再結
合層への電荷の注入効率を向上させるために、陽極と正
孔輸送層との間に正孔注入層を介在させてもよいし、同
様の目的で陰極と電子輸送層との間に電子注入層を介在
させてもよい。
【0019】また、拡散発光領域は、有機層で発生する
三重項励起子が拡散により移動してきて、この三重項励
起子に起因する発光を生じさせる領域である。このた
め、この領域にはホスト材料および希土類錯体が含まれ
ているのがよい。拡散発光領域内を拡散移動する三重項
励起子は、希土類錯体と衝突する。その際、三重項励起
子のエネルギーは希土類錯体へ移され、最終的には希土
類イオンから光が放出される。そして、この光がこの発
明の有機EL素子からの発光となる。
【0020】また、好ましくは、有機層を構成する材料
分子は、ホスト材料の三重項エネルギー準位以上の高さ
の三重項準位を有していて、かつホスト材料は、希土類
錯体の三重項エネルギー準位以上の高さの三重項準位を
有しているのがよい。
【0021】これにより、有機層中で発生した三重項励
起子のエネルギーを、ホスト材料の三重項エネルギー準
位を介して発光センタである希土類錯体の三重項準位へ
と効率よく移動させることができる。
【0022】また、好ましくは、電荷注入再結合領域
は、三重項励起子が拡散する範囲よりも狭い領域である
のがよい。
【0023】これにより、発生する三重項励起子は、拡
散発光領域まで拡散する前に電荷注入再結合領域内で基
底状態に戻ってしまうおそれはなく、電荷注入再結合領
域から、この領域と接して設けられている拡散発光領域
へと拡散移動することができる。三重項励起子の拡散移
動距離を考慮すると、電荷注入再結合領域のどの位置か
らも、拡散発光領域へ1μm以下の距離で三重項励起子
が到達できるような構造であるのが好ましい。
【0024】また、好ましくは、拡散発光領域は、三重
項励起子が拡散する範囲よりも広い領域であるのがよ
い。
【0025】これにより、拡散発光領域内に発光センタ
を、適当な密度でかつ所望の数だけ具えることができ
る。また、三重項励起子の拡散領域を十分に確保するこ
とができる。よって、ひとつの発光センタ当たりの発光
時間間隔が、発光寿命よりも短くなるおそれはなくな
り、発光の飽和現象を回避することができる。なお、三
重項励起子の10μm程度という拡散移動距離を考慮す
ると、この拡散発光領域は、電荷注入再結合領域と接し
ている部分から数μm以上離れた領域にわたって設けら
れているのがよい。
【0026】また、この発明の有機EL素子において、
好ましくは、陽極上に有機層および陰極をこの順に具
え、陰極上および陽極上面の全面を覆うように拡散発光
領域が設けられているのがよい。
【0027】このような構造の有機EL素子によれば、
まず、陽極と陰極との間に直流電圧を印加すると、陰極
および陽極で挟まれた有機層で励起子が発生し、有機層
と接している拡散発光領域へ励起子が拡散していく。こ
の励起子のうち三重項励起子は、拡散発光領域内を拡散
移動して発光センタへ到達し、エネルギーを移動させ
る。そして発光センタから発光が生じる。よって、有機
層を励起子を発生させる層とし、拡散移動距離の長い三
重項励起子の特性を利用して、発光は、従来の発光層よ
りも広い領域として形成できる拡散発光領域に三重項励
起子を移動させることによって行うことができる。した
がって、このような構造の有機EL素子への注入電荷密
度を増大させると、発光効率が良く、高輝度の発光が得
られる。
【0028】また、好ましくは、陰極には孔部が形成さ
れていて、この孔部を介して有機層と拡散発光領域とが
接しているのがよい。
【0029】電荷注入再結合領域は、三重項励起子が拡
散移動する範囲よりも狭い領域にする必要がある。ここ
で、電荷注入再結合領域は、陽極、有機層および陰極で
以て構成されている。このため、少なくとも陰極に孔部
が形成されていれば、孔部の周囲の電荷注入再結合領域
で発生する三重項励起子を、孔部を介して拡散発光領域
へと拡散移動させることができる。陰極に複数の孔部が
形成されていれば、実質的に電荷注入再結合領域を拡散
移動範囲よりも狭い領域とすることができる。すなわ
ち、電荷注入再結合領域のどの位置からも拡散発光領域
へ短い距離で三重項励起子を到達させることができる。
また、孔部が形成されていても、残存する陰極は切断さ
れているのではなく、電気的に接続されているため、電
荷注入再結合領域への電荷注入は容易である。
【0030】また、陽極、有機層および陰極を含む電荷
注入再結合領域と、この電荷注入再結合領域に接してい
る拡散発光領域とを具えた有機EL素子を製造するにあ
たり、陽極、有機層および陰極をこの順に積層した後、
少なくとも陰極を部分的に除去して、残存する陰極部分
と、この陰極部分の下に位置する有機層部分および陽極
部分とで以て電荷注入再結合領域を形成する工程と、前
記除去によって露出する部分および電荷注入再結合領域
上に拡散発光層を形成する工程とを含んでいるのがよ
い。
【0031】また、少なくとも陰極に対して部分的に行
われる除去は、物理的方法を用いて行われるのが好まし
い。
【0032】物理的な方法として、例えばスパッタ法を
用いて行われるのがよい。陽極上に有機層および陰極を
形成した後、例えば真空蒸着法を用いて陰極上にSiO
2 膜を0.1nmの厚さに形成する。これにより、多数
の孔部形状を有する網目のようなSiO2 膜が形成され
る。そして、このSiO2 膜をスパッタマスクとして用
いてスパッタリングを行うことによって、SiO2 膜の
孔から露出している陰極の部分は除去される。スパッタ
リングによって形成される孔部の深さは、浅くても有機
層の表面に達する深さ、好ましくは有機層の断面が露出
する深さにするのが好ましい。
【0033】物理的な方法として、機械的な方法を用い
てもよい。例えば、サンドブラスト法を用いるのがよ
い。また、例えば、エポキシ樹脂等を含む接着剤に浸し
た繊維体を陰極表面に付着させ、この繊維体を剥離する
ことによって、陰極若しくは陰極および有機層を部分的
に除去してもよい。
【0034】
【発明の実施の形態】以下、この発明の発光用材料を用
いた有機EL素子の実施の形態について、図を参照して
説明する。なお、各図は発明を理解できる程度に各構成
成分の形状、大きさ、配置関係を概略的に示してあるに
過ぎず、したがってこの発明を図示例に限定するもので
はない。
【0035】図1は、この発明の実施の形態の説明に供
する有機EL素子の概略的な構成イメージを示す図であ
る。
【0036】この発明の有機EL素子は、電荷注入再結
合領域11と、この電荷注入再結合領域11に接してい
る拡散発光領域13とを具えている。そして電荷注入再
結合領域11は陽極15および陰極19の両方が上下と
も接している有機層17の領域である。また、拡散発光
領域13はホスト材料21および発光センタ23である
希土類錯体を含んで構成してある。
【0037】この有機EL素子の発光する原理につき説
明する。
【0038】まず、陽極15と陰極19との間に直流電
圧を印加すると、陽極15から正孔25、および陰極1
9から電子27がそれぞれ有機層17に注入される。有
機層17ではこれらの電荷(正孔25および電子27)
が再結合して励起子29が発生する。この発明では、発
生する励起子29のうち三重項励起子のエネルギーを発
光に用いる。三重項励起子29は有機層17からこの有
機層17と接している拡散発光領域13へ拡散移動して
いく。三重項励起子29は拡散発光領域13内の発光セ
ンタ23と衝突する。このとき、三重項励起子29は発
光センタ23である希土類錯体にエネルギーを移動させ
る。希土類錯体23中でこのエネルギーは希土類イオン
の放出エネルギー準位にまで移動され、希土類イオンか
ら発光が生じる。この発光がこの発明の有機EL素子か
ら得られる発光となる(図1)。
【0039】よって、励起子を発生させる領域(電荷注
入再結合領域11)と発光を生じさせる領域(拡散発光
領域13)とを分離することができる。これにより、発
光を生じさせる領域である拡散発光領域13内に発光セ
ンタ23を適当な密度で、かつ所望の数だけ存在させる
ことができる。また、三重項励起子29の移動距離を十
分にとることができる。これにより、この素子への注入
電荷密度を増大させても、一つの発光センタ当たりに衝
突する励起子の数はそれほど変わらない。よって、注入
電荷密度を増大させても、一つの発光センタあたりの発
光時間間隔が発光寿命よりも短くなるおそれはなくな
る。したがって発光の飽和現象を回避することができ、
発光効率の向上と注入電荷密度の増大に応じた高輝度発
光を図ることができる。
【0040】なお、有機層を構成する材料分子は、拡散
発光領域のホスト材料の三重項準位以上の高さの三重項
準位を有するものとする。そして、ホスト材料は希土類
錯体の三重項準位以上の三重項準位を有するものとす
る。このため、有機層で発生する三重項励起子はエネル
ギー準位の低い拡散発光領域へ拡散移動していく。さら
に三重項励起子は拡散発光領域内のよりエネルギー準位
の低い希土類錯体と衝突する。これによりエネルギーを
希土類錯体へ効率よく移すことができる。
【0041】また、電荷注入再結合領域は、三重項励起
子が拡散する範囲よりも狭い領域とする。そして拡散発
光領域は三重項励起子が拡散する範囲よりも広い領域と
する。これにより、発生する三重項励起子は、拡散発光
領域まで拡散する前に電荷注入再結合領域内で基底状態
に戻ってしまうおそれはなく、電荷注入再結合領域か
ら、この領域と接して設けられている拡散発光領域へと
拡散移動することができる。また、拡散発光領域内に発
光センタを、適当な密度でかつ所望の数だけ具えること
ができ、三重項励起子の拡散領域を十分に確保すること
ができる。よって、ひとつの発光センタ当たりの発光時
間間隔が、発光寿命よりも短くなるおそれはなくなり、
発光の飽和現象を回避することができる。
【0042】また、有機層は電子と正孔を再結合させる
再結合層を含んで構成してあるのがよい。再結合層への
電荷の注入効率を向上させるために、有機層は、再結合
層と正孔層輸送層とを含んで構成されていてもよいし、
再結合層と電子輸送層とを含んで構成されていてもよ
い。また、陽極側から正孔輸送層、再結合層および電子
輸送層がこの順に含まれるように構成されていてもよ
い。また、さらに、再結合層への電荷の注入効率を向上
させるために、陽極と正孔輸送層との間に正孔注入層を
介在させてもよいし、同様の目的で陰極と電子輸送層と
の間に電子注入層を介在させてもよい。
【0043】また、陽極は通常、基板上に設ける。この
基板は、典型的には透明基板で構成する。例えばガラス
基板で構成することができる。
【0044】陽極には、EL発光を透過し、かつ仕事関
数の大きな(概ね4.0eV以上)金属や電気伝導材料
が用いられる。一般には、酸化インジウムスズ(IT
O)が用いられる。
【0045】また、陰極には、例えば、マグネシウム、
またはマグネシウムと銀との合金、またはアルミニウム
とリチウムとの合金が用いられる。
【0046】再結合層は、従来から発光層の材料として
用いられているオキサジアゾール誘導体(PBD)等が
用いられる。
【0047】これら、陽極および陰極のそれぞれの層の
厚さは設計に応じた好適な値とする。
【0048】また、陽極と再結合層との間に設ける正孔
輸送層19は、例えば、N,N’−ジフェニル−N,
N’−(3−メチルフェニル)−1,1’−ビフェニル
−4,4’−ジアミン(以下、TPD)や、N,N’−
ジフェニル−N,N’−(1−ナフチル)−1,1’−
ビフェニル−4,4’−ジアミン(以下、NPD)等の
ジアミン誘導体や、トリフェニルアミン系、トリフェニ
ルメタン系、ピラゾリン系、ヒドラゾン系、若しくはア
モルファスシリコン系の材料などの有機材料若しくは無
機材料で構成される。
【0049】また、陰極と再結合層との間に設ける電子
輸送層には、例えば、トリス(8−ヒドロキシキノリノ
ール)アルミニウム(以下、Alqと称する。)等のキ
ノリノール錯体やポルフィリン系錯体等の金属錯体や、
オキサジアゾール誘導体、シクロペンタジエン誘導体、
ペリレン誘導体等を用いることができる。
【0050】
【実施例】次に、実施例により、この発明の有機EL素
子について、さらに具体的に説明する。ただし、以下の
説明中の薬品等の使用量、処理温度、処理時間等の数値
的条件、使用薬品等は、この発明の範囲内の一例に過ぎ
ない。
【0051】<第1の実施例>第1の実施例では、図2
に示すような構造の有機EL素子を用いて、三重項励起
子が電荷注入再結合領域から拡散発光領域へ拡散移動し
て発光が生じることを確認する。
【0052】図2は、第1の実施例の有機EL素子の構
成を示す概略的な図で、断面の切り口で示してある。
【0053】この例では、有機EL素子を次のようにし
て作製する。
【0054】まず、ガラス基板31に、ITOを電子ビ
ーム蒸着法を用いて200nmの厚さに成膜する。この
ITO膜のシート抵抗は10Ω/□(スクエア)であっ
た。次に、周知のホトリソグラフィおよびそれに続くエ
ッチング処理を行って、ITO膜を2mm幅のストライ
プ形状に加工して陽極15を形成する。その後、この陽
極15を形成したガラス基板31を、アセトンおよび2
−プロパノールを用いて洗浄および乾燥させて、有機膜
形成用の真空蒸着装置内へ移動させる。
【0055】次に、陽極15上に有機層17を形成す
る。この例では、有機層17を正孔輸送層33と再結合
層35と電子輸送層37とで構成する。
【0056】まず、陽極15上に正孔輸送層33を形成
する。
【0057】この例では、正孔輸送層33の材料として
N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフ
ェニル)1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン
(以下、TPDと称する。)を用いる。真空蒸着装置内
のるつぼへ、TPDを入れて、るつぼを抵抗線加熱す
る。この例では蒸着速度が0.3nm/秒になるように
るつぼの温度を制御する。陽極15を含む基板31上に
所望の有機層17の形状に対応するコンタクトマスクを
設けて、るつぼと基板31との間にあるシャッタを開け
て基板31上にTPDを蒸着させる。水晶振動子式膜厚
計の表示で40nmの厚さの正孔輸送層33が形成され
る。
【0058】次に、正孔輸送層33上に再結合層35を
形成する。
【0059】この例では、再結合層35の材料として、
オキサジアゾール誘導体(以下、PBDと称する。)を
用いる。上述の正孔輸送層33と同様にコンタクトマス
クを用いて真空蒸着法によって30nmの厚さの再結合
層35を正孔輸送層33上に形成する。
【0060】続いて、再結合層35上に電子輸送層37
を形成する。
【0061】この例では、電子輸送層37の材料とし
て、トリス(8−ヒドロキシキノリノール)アルミニウ
ム(Alqと称する。)を用いる。上述の正孔輸送層3
3および再結合層35と同様に、コンタクトマスクを用
いて真空蒸着法によって、0.2nm/秒の蒸着速度で
20nmの厚さの電子輸送層37を再結合層35上に形
成する。
【0062】この後、陽極15および有機層17が形成
された基板31を金属膜蒸着用の真空蒸着装置に移し
て、有機層17上に陰極19を形成する。
【0063】この例では、陰極19の材料としてマグネ
シウムと銀との合金(Mg:Ag=10:1)を用い
る。コンタクトマスクを用いて真空蒸着法によって10
0nmの厚さの陰極19を電子輸送層37上に形成す
る。この陰極19を上から見たときの平面形状は、電子
輸送層37とほとんど同じ形状となるようにする。ただ
し、電子輸送層37以外の部分と陰極19とが接触しな
いように、陰極19の平面形状は電子輸送層37よりも
大きくなることはないようにする。電子輸送層37の縁
37aと、対応する陰極19の縁19aとはできるだけ
近づくように形成し、この例では電子輸送層の縁37a
と陰極の縁19aとの距離が2μm以下になるようにコ
ンタクトマスクの位置を調整して形成する。
【0064】その後、陽極15、有機層17および陰極
19が形成された基板31を有機膜蒸着用の真空蒸着装
置に移して、陰極19上を含む基板31の上側全面に拡
散発光領域13を形成する。
【0065】この例では、拡散発光領域13はホスト材
料と発光センタとなる希土類錯体とで構成されている。
ここでは、希土類錯体を下記(1)式に示すユーロピウ
ム(Eu)錯体(以下、Eu(DBM)3 Phenと称
する。)とし、ホスト材料を下記(2)式で示すガドリ
ニウム(Gd)錯体(以下、Gd(DBM)3 Phen
と称する。)とする。このGd(DBM)3 Phenは
Eu(DBM)3 Phenと同等の三重項準位を有して
いて、非発光性の材料である。
【0066】
【化1】
【0067】Eu(DBM)3 PhenとGd(DB
M)3 Phenとを真空蒸着装置内の別々のるつぼに入
れて、るつぼを抵抗線加熱する。ここでは、Eu(DB
M)3PhenとGd(DBM)3 Phenとの蒸着速
度の比が1:10になるように、それぞれのるつぼの温
度を制御する。上記蒸着速度の比が1:10(Eu(D
BM)3 Phen:Gd(DBM)3 Phen)で一定
になったことを確認して、基板31とるつぼとの間にあ
るシャッタを開けて、基板31の上側に拡散発光領域1
3の材料を蒸着する。水晶振動子式膜厚計の表示で10
μmの厚さのEu(DBM)3 PhenとGd(DB
M)3 Phenとの共蒸着膜である拡散発光領域13が
形成される。この拡散発光領域13内においては、Gd
(DBM)3PhenにEu(DBM)3 Phenが約
10%均一に分散している。これにより、第1の実施例
の有機EL素子が得られる(図2))。
【0068】この素子に対して、陽極15がプラスおよ
び陰極19がマイナスとなるように直流電圧を印加した
ところ、青緑色発光および赤色発光の2色の発光が見ら
れた。青緑色発光は、両電極(陽極15および陰極1
9)で挟まれている領域、すなわち電荷注入再結合領域
11で生じていて、赤色発光は、電荷注入再結合領域1
1の周囲、すなわち有機層17の縁から拡散発光領域1
3に広がるように生じている。発光は有機層17の縁か
ら離れるに従って弱い発光となっているが、この縁から
数μm離れた領域にわたって生じている。赤色発光が生
じている拡散発光領域13は電界のかかっていない領域
である。よって、電気的に中性な励起子が有機層17か
ら拡散発光領域13のあらゆる方向へ広がるため電荷注
入再結合領域11を取り囲むような発光が得られるので
ある。
【0069】また、青緑色発光はオキサジアゾールの励
起一重項から基底状態への遷移に基づく発光である。そ
して、赤色発光は、電荷の再結合によって生じる三重項
励起子が拡散発光領域13に拡散移動して、Eu(DB
M)3 Phenと衝突し、そのエネルギーがEu(DB
M)3 Phenのβ−ジケトンを有する配位子の三重項
準位へと伝播されて、Euイオンの特有の赤色発光とし
て得られたということが推測される。
【0070】これにより、三重項励起子が電荷注入再結
合領域11から拡散発光領域13へ拡散移動して発光が
生じるということが確認された。
【0071】<第2の実施例>電荷注入再結合領域と拡
散発光領域とを具えたこの発明の有機EL素子におい
て、より発光効率を向上させるためには、電荷注入再結
合領域のどの位置からも拡散発光領域へ1μm以下の距
離で三重項励起子が到達できるような構造である必要が
ある。また、拡散発光領域は、電荷注入再結合領域から
数μm以上離れた領域にまでわたるような大きさに形成
する必要がある。これは、電荷注入再結合領域で発生す
る三重項励起子が、10μm程度拡散移動するためであ
る。
【0072】そこで、第2の実施例として、図3および
図4を参照して、上述したような構造の電荷注入再結合
領域および拡散発光領域を有する有機EL素子の製造方
法の一例につき説明する。
【0073】図3は、この実施例の有機EL素子の概略
的な製造工程図であり、断面の切り口で示してある。図
4は、この実施例の有機EL素子の陰極を上から見た平
面図である。
【0074】ここでは、第1の実施例と相違する点につ
き説明し、第1の実施例と同様の点についてはその詳細
な説明を省略する。
【0075】第2の実施例の有機EL素子は以下のよう
にして作成される。
【0076】まず、電荷注入再結合領域11を形成す
る。電荷注入再結合領域11は陽極15、有機層17お
よび陰極19を具えている。
【0077】ここでは、第1の実施例と同様にして、ガ
ラス基板31上にITOからなる陽極15を形成する。
【0078】次に陽極15上へ有機層17を形成する。
この例では、有機層17を正孔輸送層33、再結合層3
5および電子輸送層37で以て構成する。
【0079】真空蒸着法を用いて、陽極15を含むガラ
ス基板31上の全面にわたり、正孔輸送層33として、
TPDを40nmの厚さに形成する。このとき、真空蒸
着装置内のるつぼにTPDを入れて、るつぼを抵抗線加
熱する。TPDの蒸着速度が0.3nm/秒となるよう
にるつぼの温度を制御して蒸着させる。続いて、正孔輸
送層33上に再結合層35を形成する。再結合層35
は、PBDとEu(DBM)3 Phenとの共蒸着層と
する。ここでは、Eu(DBM)3 PhenとPBDと
の蒸着速度の比が1:3になるようにして正孔輸送層3
3上に真空蒸着させて20nmの厚さの再結合層35が
形成される。次に、再結合層35上に電子輸送層37を
形成する。この例では、電子輸送層37の材料としてA
lqを用いる。真空蒸着法を用いて、0.2nm/秒の
蒸着速度で20nmの厚さの電子輸送層37を再結合層
35上に形成する。
【0080】この後、陽極15および有機層17が形成
された基板31を金属膜蒸着用の真空蒸着装置に移し
て、有機層17上に陰極19を形成する。
【0081】この例では、陰極19の材料としてマグネ
シウムを用いる。真空蒸着法によって100nmの厚さ
の陰極19を電子輸送層37上に形成する。
【0082】この陰極19の上面に真空蒸着法でSiO
2 膜41を0.1nmの厚さに形成する。この膜厚は水
晶振動子式膜厚計で測定しているが、この膜厚計で測定
される0.1nmの厚さのSiO2 膜41は多数の孔4
1aが形成された網目状の膜となっている。そしてこの
孔41aからは陰極19が露出している(図3
(A))。
【0083】次に、陽極15、有機層17、陰極19お
よびSiO2 膜41が形成された基板31をマグネトロ
ンスパッタ装置内に入れて、アルゴンイオンによってス
パッタリングを行う。スパッタ条件は、ガス圧を5ミリ
Torrとし、スパッタパワーを100Wとする。この
スパッタリングを行うと、陰極19上に設けられたSi
2 膜41はマスクとして働き、SiO2 膜の孔41a
から露出している陰極19がエッチングされていく。エ
ッチングの深さは、陰極19を貫通する孔部43が形成
され、この孔部43から有機層17が露出するぐらいの
深さであればよい。好ましくは、陰極19の下の有機層
17まで除去されて再結合層35の断面35aが孔部4
3から露出する程度の深さにエッチングされるのがよ
い。この例では、孔部43から陽極15が露出する程度
にまで深くしてある(図3(B))。
【0084】ここで、図4を参照する。図4に、スパッ
タリングを行った後の陰極の状態を示す。除去された部
分19xの平面的な幅の平均値はおよそ10μmであ
り、残存した部分19yの平面的な幅の平均値はおよそ
0.5μmであった。
【0085】また、陰極はスパッタリングによって切断
されてはならない。残存した部分19yは網目状の構造
を有していて、電気的につながっている(図4)。
【0086】その後、陽極15、有機層17および陰極
19が形成された基板31を有機膜蒸着用の真空蒸着装
置に移して、陰極19上および孔部43の中を含む基板
31の上側全面に拡散発光領域13を形成する。
【0087】この例では、第1の実施例と同様に、拡散
発光領域13をEu(DBM)3 PhenとGd(DB
M)3 Phenとの共蒸着膜で構成する。真空蒸着法に
より、Eu(DBM)3 PhenとGd(DBM)3
henとの蒸着速度の比を1:10にして、この共蒸着
膜13を10μmの厚さに形成する(図3(C))。
【0088】これにより第2の実施例の有機EL素子が
得られる。この素子全体を上から見た平面の大きさは2
mm×2mmとする。
【0089】この素子に対して、陽極15がプラスおよ
び陰極19yがマイナスとなるように直流電圧を印加し
たところ、印加電圧が6Vのときに発光が始まり、20
Vの電圧を印加したときに最高輝度が得られた。また、
発光は素子の全面から波長615nmにピークを有する
赤色の発光であった。
【0090】この発明の有機EL素子において、電荷注
入再結合領域11は陰極19yと有機層17と陽極15
とを具えている。すなわち、陰極19yと陽極15との
間に電圧を印加して電界が生じる領域である。第2の実
施例の有機EL素子の電荷注入再結合領域11は、網目
形状に残存している陰極19yとこの陰極19yの下に
位置する有機層17および陽極15となる。残存してい
る陰極の部分19yの幅は上述したように0.5μm程
度と非常に狭い。このため、三重項励起子は、電荷注入
再結合領域11のどの位置からも、1μm以下の距離を
移動するだけで拡散発光領域13へ到達することができ
る。
【0091】よって、三重項励起子が電荷注入再結合領
域11内で緩和してしまい、基底状態に戻ってしまうお
それはない。従って、拡散発光領域13へ移動する三重
項励起子の数が増え、その結果発光センタと衝突する三
重項励起子が増えるために発光効率を向上させることが
できる。
【0092】また、拡散発光領域13は素子の全面にわ
たって形成されていて、10μmと十分な厚さを有して
いる。このため、発光センタである希土類錯体を所望の
数だけこの領域13内に含ませることができる。また、
十分な大きさを有する領域13であるため、発光センタ
が高密度に含有されることもなく、拡散移動してくる三
重項励起子の拡散領域も十分にとることができる。この
ため、高輝度発光を図るために素子への注入電荷密度を
増大させても、発光センタ1分子あたりの発光時間間隔
は従来よりも長くすることができる。よって、この発光
時間間隔が発光寿命より短くなることはなくなるため発
光効率を向上させることができる。
【0093】また、素子の全面が赤色発光しているの
は、電荷注入再結合領域11を構成する成分にEu(D
BM)3 Phenが含まれているために、このEu錯体
も発光センタとなって電荷注入再結合領域11からもE
uイオンからの発光が生じたためである。
【0094】また、図4に示されているような陰極19
yの構造を形成するには、スパッタ法に限らず、レーザ
ーを膜状の陰極表面に照射して、そのエネルギーで陰極
を部分的に除去するレーザーアブレーション法を用いて
もよい。
【0095】<第3の実施例>第3の実施例として、図
5を参照して、第2の実施例で説明したような、電荷注
入再結合領域のどの位置からも拡散発光領域へ1μm以
下の距離で三重項励起子が到達できるような電荷注入再
結合領域および、発光センタを所望の数だけ含有でき、
かつ三重項励起子の拡散領域を十分確保できる拡散発光
領域を有する有機EL素子の製造方法であって、第2の
実施例とは異なる方法につき説明する。
【0096】図5は、第3の実施例の有機EL素子の製
造方法の説明に供する図であり、断面の切り口を概略的
に示してある。
【0097】以下、第2の実施例と相違する点につき説
明し、同様の点についてはその詳細な説明を省略する。
【0098】第3の実施例の有機EL素子は以下のよう
にして作製される。
【0099】まず、第2の実施例と同様にしてガラス基
板31上に陽極15を形成した後、真空蒸着法を用いて
有機層17を形成する。この例の有機層17は第2の実
施例と同様に正孔輸送層33、再結合層35および電子
輸送層37を含んでいる。陽極15上に正孔輸送層33
としてTPDを40nmの厚さに形成し、その後正孔輸
送層33上にPBDとEu(DBM)3 Phenとの共
蒸着膜の層を20nmの厚さに形成する。この層を再結
合層35とする。続いて、再結合層35上に電子輸送層
37としてAlqを20nmの厚さに形成する。次に、
第2の実施例と同様にして、真空蒸着法を用いてマグネ
シウム膜を電子輸送層37上へ100nmの厚さに蒸着
させる。
【0100】その後、この実施例では、エポキシ系の樹
脂からなる接着樹脂を染み込ませた繊維体51を用意す
る。この例では、エポキシ系樹脂として、例えば、アラ
ルダイトAR−R30(商品名:昭和高分子社製)を用
いる。また、繊維体として、例えばベンコット(商品
名:旭化成工業社製)を用いる。
【0101】そして、このアラルダイトAR−R30を
染み込ませた繊維体(ベンコット)51を、上記マグネ
シウム膜の上面に軽く接触させ、数秒後に、繊維体51
を引き剥がす(図5)。
【0102】これにより、マグネシウム膜および有機層
17が部分的に除去されてマグネシウム膜の表面には孔
部53が多数形成される。そして、残存するマグネシウ
ム膜49yが陰極となり、この陰極49yと、陰極49
yの下に位置する有機層17および陽極15によって、
この実施例の電荷注入再結合領域11が構成される。
【0103】この後、第2の実施例と同様にして、陰極
49y上および孔部53の中を含む基板31の上側全面
に拡散発光領域13を形成する。真空蒸着法を用いてE
u(DBM)3 PhenとGd(DBM)3 Phenと
の共蒸着膜13を10μmの厚さに形成する。
【0104】これにより、第3の実施例の有機EL素子
が得られる。この素子全体を上から見た平面の大きさは
2mm×2mmである。
【0105】この素子に対して直流電圧を印加したとこ
ろ、素子の全面から赤色発光が得られる。
【0106】上述したように、接着樹脂を染み込ませた
繊維体51をマグネシウム膜に接触させて引き剥がすこ
とによって、多数の孔部53を有する網目状の陰極49
yが形成される。このとき、繊維体51中の繊維がより
密にマグネシウム膜と接触していれば、繊維体51を剥
離した後に残存するマグネシウム膜の部分49yの幅を
狭くすることができる。これにより、三重項励起子は、
電荷注入再結合領域11のどの位置からも、短い距離を
移動するだけで拡散発光領域13へ到達することができ
る。
【0107】従って、第2の実施例と同様の効果が得ら
れる。
【0108】また、陽極上に有機層および膜状の陰極を
形成した後、この構造体をサンドブラスト装置内に入れ
て、サンドブラストを行うことによっても、多数の孔部
を有する網目状の陰極を形成することができる。
【0109】
【発明の効果】上述した説明からも明らかなように、こ
の発明の有機EL素子は、電荷注入再結合領域と、この
電荷注入再結合領域に接している拡散発光領域とを具え
ている。
【0110】これにより、電荷注入再結合領域は、電荷
が注入されて、電荷の再結合が起こり、三重項励起子が
発生する領域となる。また、拡散発光領域は、電荷注入
再結合領域から拡散移動してくる三重項励起子が発光セ
ンタにエネルギーを移動させて発光が生じる領域とな
る。このように励起子を発生させる領域と発光を生じさ
せる領域とを分離することができる。このため、発光を
生じさせる領域内に発光センタを適当な密度で、かつ所
望の数だけ存在させることができる。また、三重項励起
子の拡散移動距離を十分にとることができる。これによ
り、注入電荷密度を増大させても、ひとつの発光センタ
当たりの励起子の数はそれほど変わらない。このため、
注入電荷密度を増大させても、ひとつの発光センタあた
りの発光時間間隔が発光寿命よりも短くなるおそれはな
くなる。よって、発光の飽和現象を回避することがで
き、発光効率の向上と注入電荷密度の増大に応じた高輝
度発光を図ることができる。
【0111】また、陽極、有機層および陰極を含む電荷
注入再結合領域と、この電荷注入再結合領域に接してい
る拡散発光領域とを具えた有機EL素子を製造するにあ
たり、陽極、有機層および陰極をこの順に積層した後、
少なくとも陰極を部分的に除去して、残存する陰極部分
と、この陰極部分の下に位置する有機層部分および陽極
部分とで以て電荷注入再結合領域を形成する工程と、前
記除去によって露出する部分および電荷注入再結合領域
上に拡散発光層を形成する工程とを含んでいるのがよ
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態の説明に供する、有機E
L素子の概略的な構成イメージ図である。
【図2】第1の実施例の説明に供する、有機EL素子の
概略的な構成図である。
【図3】(A)〜(C)は、第2の実施例の説明に供す
る、有機EL素子の概略的な製造工程図である。
【図4】第2の実施例の説明に供する、有機EL素子の
陰極の、上から見た平面図である。
【図5】第3の実施例の有機EL素子の製造方法の説明
に供する図である。
【符号の説明】
11:電荷注入再結合領域 13:拡散発光領域(共蒸着膜) 15:陽極 17:有機層 19:陰極 19a:陰極の縁 19x:除去された部分 19y:残存する部分(陰極) 21:ホスト材料 23:発光センタ(希土類錯体) 25:正孔 27:電子 29:励起子(三重項励起子) 31:基板(ガラス基板) 33:正孔輸送層 35:再結合層 35a:再結合層の断面 37:電子輸送層 37a:電子輸送層の縁 41:SiO2 膜 41a:孔 43,53:孔部 49y:残存するマグネシウム膜(陰極) 51:繊維体

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電荷が注入され、かつ注入される電荷の
    再結合により励起子を発生させる電荷注入再結合領域
    と、 発光センタを含み、前記励起子が前記発光センタまで拡
    散移動して、該発光センタへエネルギーを移動させるこ
    とにより発光を生じさせる拡散発光領域とを具えてい
    て、 前記拡散発光領域は前記電荷注入再結合領域に接して設
    けられていることを特徴とする有機EL素子。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の有機EL素子におい
    て、 前記電荷注入再結合領域は、陽極、有機層および陰極を
    具えていて、 前記拡散発光領域は、ホスト材料および前記発光センタ
    としての希土類錯体を含んで構成してあることを特徴と
    する有機EL素子。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の有機EL素子におい
    て、 前記有機層を構成する材料分子は、前記ホスト材料の三
    重項エネルギー準位以上の高さの三重項準位を有してい
    て、かつ前記ホスト材料は、前記希土類錯体の三重項エ
    ネルギー準位以上の高さの三重項準位を有していること
    を特徴とする有機EL素子。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の有機EL素子におい
    て、 前記電荷注入再結合領域は、三重項励起子が拡散する範
    囲よりも狭い領域であることを特徴とする有機EL素
    子。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の有機EL素子におい
    て、 前記拡散発光領域は、三重項励起子が拡散する範囲より
    も広い領域であることを特徴とする有機EL素子。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか一項に記載の有
    機EL素子において、陽極上に有機層および陰極をこの
    順に具え、 前記陰極上および前記陽極上面の全面を覆うように前記
    拡散発光領域が設けられていることを特徴とする有機E
    L素子。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の有機EL素子におい
    て、 少なくとも、前記陰極には孔部が形成されていて、該孔
    部を介して前記有機層と前記拡散発光領域とが接してい
    ることを特徴とする有機EL素子。
  8. 【請求項8】 陽極、有機層および陰極を含む電荷注入
    再結合領域と、該電荷注入再結合領域に接している拡散
    発光領域とを具えた有機EL素子を製造するにあたり、 前記陽極、有機層および陰極をこの順に積層する工程
    と、 その後、少なくとも前記陰極を部分的に除去して、残存
    する陰極部分と、当該陰極部分の下に位置する、有機層
    部分および陽極部分とで以て、前記電荷注入再結合領域
    を形成する工程と、 前記除去によって露出する部分および前記電荷注入再結
    合領域上に前記拡散発光領域を形成する工程とを含むこ
    とを特徴とする有機EL素子の製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載の有機EL素子の製造方
    法において、 前記除去は、物理的方法を用いて行われることを特徴と
    する有機EL素子の製造方法。
JP10127495A 1998-05-11 1998-05-11 有機el素子およびその製造方法 Pending JPH11329739A (ja)

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