JPH11329465A - 燃料電池のセパレータ - Google Patents

燃料電池のセパレータ

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JPH11329465A
JPH11329465A JP10125572A JP12557298A JPH11329465A JP H11329465 A JPH11329465 A JP H11329465A JP 10125572 A JP10125572 A JP 10125572A JP 12557298 A JP12557298 A JP 12557298A JP H11329465 A JPH11329465 A JP H11329465A
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Japan
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gas passage
gas
separator
electrode
surface roughness
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JP10125572A
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English (en)
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Masanori Matsukawa
政憲 松川
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Aisin Takaoka Co Ltd
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Aisin Takaoka Co Ltd
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

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Abstract

(57)【要約】 【課題】発電、電圧のバラツキを低減てするのに有利な
燃料電池のセパレータを提供すること。 【解決手段】セパレータ5は、活物質を含むガスが流れ
る凹状のガス通路30を形成する。ガス通路30の底面
の表面粗さは、Rzで1μm以下である。ガス通路30
は例えば電解加工で形成できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガス通路を備えた
燃料電池のセパレータに関する。
【0002】
【従来の技術】燃料ガスを供給して発電を行う燃料電池
が提供されている。燃料電池は、一般に、活物質を含む
ガスを仕切るためのセパレータを、電池セルとともに積
層して構成されている。ところで産業界では、従来よ
り、金属板に刃具による機械加工を施して溝状のガス通
路を切削したセパレータ、金属板にプレス加工を施して
溝状のガス通路を曲げ成形したセパレータ、金属板にエ
ッチング加工を施して溝状のガス通路を掘ったセパレー
タが知られている。エッチング加工でガス通路を形成し
たセパレータは、特開平4−267062号公報に開示
されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】燃料電池の性能を一層
向上させるために、各電池セルごとの発電、電圧のバラ
ツキを低減させることが好ましい。このバラツキの要因
としては、各電極の触媒活性の不均一、接触電気抵抗の
不均一、温度分布の制御不足等が挙げられ、種々の改良
が進められているが、さらなる開発が要請されている。
【0004】本発明は上記した実情に鑑みなされたもの
であり、各電池セルごとの発電、電圧のバラツキを低減
させるのに有利な燃料電池のセパレータを提供すること
を課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記した課題
を達成すべく鋭意開発を進めた。そして、セパレータの
凹状のガス通路の表面粗さを極めて小さく、つまりRz
で1μm以下に規定すれば、ガス通路を流れる活物質を
含むガスの流れの円滑化、均一化に有利であり、各電池
セルごとの発電、電圧のバラツキを低減させるのに有利
であることを、本発明者は知見した。
【0006】特に、凹状のガス通路の深さが浅い場合
(例えば2mm以下、10mm以下)には、ガス通路の
底面の表面粗さがガス流れに大きな影響を与え、ガス通
路の底面の表面粗さをRzで1μm以下に規定すれば、
活物質を含むガスの流れの円滑化、均一化を一層を図り
得、各電池セルごとの発電、電圧のバラツキを低減させ
るのに有利であることを、本発明者は知見し、かかる知
見に基づいて本発明のセパレータを完成した。
【0007】ちなみに、刃具による機械加工を施して溝
状のガス通路を切削するセパレータでは、ガス通路の表
面粗さは大きい。プレス加工を施して溝状のガス通路を
曲げ成形するセパレータでは、プレスの曲げの際に圧縮
応力に基づく座屈や引張応力に基づく伸び変形の影響を
受けて、微小凹凸が生成され易い。エッチング加工を施
して溝状のガス通路を掘るセパレータでは、エッチピッ
トが生成しやすく、表面粗さを大きくする要因となる。
【0008】本発明のセパレータは、活物質を含むガス
が流れる凹状のガス通路を形成する燃料電池のセパレー
タであって、ガス通路の底面の表面粗さは、Rzで1μ
m以下であることを特徴とするものである。本発明のセ
パレータによれば、活物質を含むガスの流れの円滑化が
図られる。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明のセパレータによれば、凹
状のガス通路の底面の表面粗さはRzで1μm以下であ
る。この場合、ガス通路の底面を複数箇所測定したとき
の平均値とする。表面粗さ計による測定距離はあまり長
くないからである。本発明のセパレータの一態様によれ
ば、凹状のガス通路の底面の表面粗さは、Rzで0.8
μm以下、0.5μm以下にできる。更に、Rzで0.
4μm以下、0.3μm以下、場合によっては0.2μ
m以下にすることもできる。
【0010】ガス通路の底面の表面粗さは、Raで0.
2μm以下にできる。Raで0.1μm以下にすること
もできる。Rmaxによれば、2μm以下、1μm以
下、0.8μm以下、0.6μm以下にできる。これら
はJIS規格に基づき、Raは中心線平均粗さを意味
し、Rmaxは最大高さを意味し、Rzは10点平均粗
さを意味する。
【0011】ガス通路の深さは燃料電池の種類に応じて
選択できる。例えば、ガス通路の深さの上限値は、0.
3mm,0.5mm.0.6mm,1mm,3mm,5
mm、1cm,5cmあるいは、それ以上でも、それ以
下でも良い。ガス通路の深さの下限値は、0.05m
m,0.1mm.0.2mm,0.5mm、1mm,3
mm,5mm、1cm、あるいは、それ以上でも、それ
以下でも良い。
【0012】上記したように極めて平滑な表面粗さを、
コスト低減が要請される工業的量産を前提として行うに
は、電解加工が代表的手法である。あるいは、ガス通路
を粗加工した後の電解研磨、あるいは、極微小研磨材を
併用した複合電解研磨を採用しても良い。本発明のセパ
レータによれば、ガス通路の溝幅は適宜選択でき、例え
ば0.1〜5mmにできるが、これに限定されるもので
はない。
【0013】本発明のセパレータの一態様では、ガス通
路の側面に沿って延設した仮想線は、セパレータの表面
に対して実質的に直立状態にできる。本発明のセパレー
タは、非プレス成形品である金属部材を主体として構成
できる。非プレス成形品とあれば、スプリングバックを
低減または回避でき、スプリングバックに基づく寸法変
化を抑え得る。
【0014】本発明のセパレータの一態様では、ガス通
路をもつ金属部材の外縁部などに、ゴムや樹脂などの弾
性被覆層を被覆してセパレータを形成できる。金属部材
は、一般的には板状であり、炭素鋼系、ステンレス鋼
系、アルミ系、チタン系、銅系などを採用できるが、こ
れらに限られるものではない。ステンレス鋼系は、オー
ステナイト系でも、フェライト系でも、マルテンサイト
系でも良い。
【0015】本発明のセパレータの一態様によれば、ガ
ス通路の底面の深さは、ガス通路の部位に応じて変化す
ることができる。例えば、底面がグラデーションを備え
たガス通路、深さが複数段のガス通路を採用することも
できる。
【0016】
【実施例】以下、本実施例のセパレータを、その製法と
ともに、図面を参照して説明する。まず図1を参照し
て、電解加工装置1について説明する。電解加工装置1
は、電解液10が貯留された加工槽11と、加工槽11
の底部に配置され設置面12aをもつベース12と、ベ
ース12に対して昇降可能な昇降ヘッド13と、昇降ヘ
ッド13を昇降させる駆動源14と、駆動源14を制御
する制御部15と、昇降ヘッド13に着脱可能に装備さ
れた加工電極16と、加工電源17(直流電源)と、電
流制御部18と、電解液10を噴出する噴出口19aを
もつ噴出部19とを備えている電解液10は硝酸ナトリ
ウム溶液(濃度:40重量%)である。ベース12は陽
極側に接続されている。加工電極16は陰極側に接続さ
れている。加工電極16には、ガス通路30のパターン
形状に実質的に対応するパターン形状をもつ電極突起2
0が形成されている。電極突起20の先端面20cに
は、耐食性を向上させるための導電メッキ被膜21(白
金系)が被覆されている。図2に模式的に示すように、
加工電極16の天井面16a、電極突起20の側面20
aにはマスキング被膜22(厚み:3〜10μm)が被
覆されている。マスキング被膜22は電気絶縁性を有す
るとともに、電解液10に対する耐久性を有する。従っ
て加工電極16では、電極突起20の先端面20cに集
中的に電流が流れる。
【0017】本実施例では、導電部材としてオーステナ
イト系のステンレス鋼(JIS−SUS304)で形成
した導電板3(厚み:1mm)を用いる。導電板3の表
面3sのうち、ガス通路30となる部位以外の部位に
は、マスキング被膜23を被覆している。なお、図3に
模式的に示す例のように、加工電極16の天井面16
a、電極突起20の側面20aにはマスキング被膜22
を被覆するものの、マスキング被膜を導電板3の表面3
sに被覆しない方式とすることもできる。
【0018】電解加工にあたっては、上記した導電板3
を、陽極側のベース12の設置面12aにセットする。
この場合には、ベース12に導電板3を密着させる。導
電板3は陽極となる。この状態では導電板3の全体は電
解液10に浸漬されている。そして、導電板3と加工電
極16とを対向させた状態で、加工電極16の高さ位置
を、0.2〜0.3mmのギャップを保つように、精密
制御しながら次第に下降させる。導電板3と加工電極1
6とは接近するものの、非接触とする。導電板3と加工
電極16との間に給電し、陽極側の導電板3のうちガス
通路30となる部分を溶出させて電解加工を行なう。電
解加工により、加工電極16の電極突起20に相応する
パターン形状をもつガス通路30(深さ:0.4mm)
が形成される。図2はガス通路30の形態を推察して模
式的に示す。ガス通路30は底面30eと側面30fと
をもつ。
【0019】本実施例では電解加工にあたり、電解液1
0の温度は約20℃であり、40A/cm2以上の電流
密度をもつパルス電流Iを流した。パルス電流Iは、山
部Im(20msec)と谷部Iv(5sec)とを備え
たパルス状の波形を呈する。パルス波形の山部Imのと
き、電流密度は約40A/cm2とした。谷部のとき、
電流が実質的に給電されていない。谷部Ivのときに、
噴出部19から電解液10を噴出し、これにより電解生
成物を除去する除去操作を行う。本実施例では、必要に
応じて、電解生成物を除去性を向上させるべく、導電板
3と加工電極16との隙間を大きくするように、加工電
極16を適宜上昇させることもできる。なお除去操作は
山部Imのときに行っても良い。
【0020】本実施例によれば、加工電極16の天井面
16a、電極突起20の側面20aにマスキング被膜2
2が被覆されているため、加工電極16の電極突起20
の先端面20cに電解電流が集中するため、ガス通路3
0が良好に形成される。故に、ガス通路30の加工精度
が確保される。しかも、導電板3の表面3sのうち、ガ
ス通路30となる部位以外の部位にもマスキング被膜2
3を被覆しているため、ガス通路30の加工精度は一層
確保される。電解加工を終えたら、加工槽11から導電
板3を離脱させ、洗浄液で洗浄する。
【0021】以上説明した本実施例によれば、ガス通路
30の底面30eが極めて平滑化されており、活物質を
含むガスの通過抵抗のバラツキを低減できる。殊に、ガ
ス通路30の深さが本実施例のようにかなり浅い場合
(0.4mm)であっても、ガス通路30の底面30e
が平滑化されれば、ガス通路30におけるガスの通過抵
抗のバラツキを低減できる。
【0022】この結果本実施例によれば、ガス通路30
におけるガス流れの円滑化、均一化を図り得、各電池セ
ルにおける発電、電圧のバラツキを低減するのに有利で
あり、燃料電池の性能の向上に有利である。しかも本実
施例によれば、機械的研磨手法では生成し易い加工変質
層や残留応力層や加工硬化層が底面30eで生成するこ
とを抑え得る。更に表面ピットによる粒界腐食なども抑
えられ、ガス通路30における耐食性も向上する。
【0023】この結果本実施例によれば、ガス通路30
のガス流れの円滑化、均一化に一層有利であり、各電池
セルにおける発電、電圧のバラツキを一層低減でき、燃
料電池の性能の向上に有利である。本発明者による試験
によれば、ガス通路30の底面30eの表面粗さRzは
1μm以下と極めて小さかった。本発明者による試験に
よれば、加工電極16の表面粗さRzに対して、ガス通
路30の底面30eの表面粗さRzは1桁減少すること
が確認された。
【0024】表面粗さについて更に説明を加える。即
ち、導電板3に電解加工でガス通路30を形成した場合
について、ガス通路30の底面30eの表面粗さを測定
する試験を行った。この試験では、加工電極16の表面
粗さはRzで3.2μmであり、導電板3はオーステナ
イト系のステンレス鋼とし、ガス通路30の目標深さは
現状品に対応するべく0.4mmとした。試験結果を図
4に示す。図4の縦軸は表面粗さを示し、横軸は距離を
示す。図4に示すように、表面粗さを示す特性線は、平
坦で平滑なものであった。表面粗さとしては、極めて小
さく、Ra=0.0861μm、Rmax=0.5320
μm、Rz=0.3000μmであった。このように電
解加工で形成したガス通路30の底面30eは極めて平
滑であり、その表面粗さは極めて小さく、しかも加工電
極16の表面粗さよりの1/10程度であった。
【0025】比較例として、同種の導電板を用い、同様
の深さをもつガス通路をエッチング加工で形成した。比
較例についても、同様に、表面粗さを測定する試験を行
った。試験結果を図5に示す。図5の縦軸は表面粗さを
示し、横軸は距離を示す。図5に示すように、表面粗さ
特性を示す特性線は凹凸が大きかった。表面粗さとして
は、電解加工に比較してかなり大きく、Ra=0.48
65μm、Rmax=3.8160μm、Rz=2.84
40μmであった。
【0026】上記した試験結果に基づけば、電解加工に
よるRaとエッチングによるRaとの比率は、0.08
61μm/0.4865μm≒0.18(約18%)で
あった。電解加工によるRmaxとエッチングによるR
maxとの比率は、0.5320μm/3.81610
μm≒0.14(約14%)であった。電解加工による
RzとエッチングによるRzとの比率は、0.3000
μm/2.8440μm≒0.11(約11%)であっ
た。上記した試験に基づけば、電解加工による表面粗さ
は、エッチングによる表面粗さに比較して10〜20%
となり、極めて小さくなることがわかった。
【0027】加えて本実施例によれば、前述したよう
に、導電板3に形成したガス通路30の表面粗さを小さ
くできるばかりか、ガス通路30の深さのバラツキを抑
えるのにも有利である。本発明者による試験によれば、
ガス通路30の目標深さ寸法が0.4mmの場合、プラ
スマイナス0.005mm、つまり1.25%という高
い精度で、ガス通路30の深さのバラツキ低減が可能で
あった。そのため、多数個の電池セルが積層される燃料
電池であっても、各電池セルにおいて、活物質を含むガ
ス流れのバラツキを低減できる。よって各電池セルにお
ける発電、電圧のバラツキを低減でき、燃料電池の性能
の向上に一層有利である。
【0028】更に本実施例によれば、ガス通路30の溝
幅寸法も高精度にできる。例えばガス通路30の目標溝
幅が1.2mmのとき、1.2mmプラスマイナス0.
005mmにできる。更にまた本実施例によれば、図2
に模式的に示すように、ガス通路30の側面30fに沿
って延設した仮想線PWは、導電板30の表面3sに対
して実質的に直立形態とされている。そのため、ガス通
路30の通路断面積を確保しつつ、導電板30のうち表
面3sによる導電面積SAを確保するのに有利である。
【0029】上記した側面30fの直立形態は、加工電
極16の天井面16a、電極突起20の側面20aに、
電気絶縁性をもつマスキング被膜22が被覆されている
こと、導電板3のうちガス通路30となる部位以外の部
位に、電気絶縁性をもつマスキング被膜23が被覆され
ていること、等に基づいて達成できる。ところで、プレ
ス成形でガス通路30を成形する場合には、プレス型の
摩耗が生じるため、摩耗に起因するガス通路30の深さ
のバラツキの問題がある。しかし本実施例によれば、高
い機械的負荷が加工電極16には作用せず、加工電極1
6の消耗を抑え得るため、加工電極16の電極突起20
を長期にわたり使用できる。例えば半永久的に使用でき
る。この意味においても、ガス通路30の深さのバラツ
キを抑えるのに有利である。
【0030】機械加工でガス通路30を切削する場合に
は、複雑なパターン形状をもつガス通路30をまとめて
形成できず、複雑なパターン形状をもつガス通路30を
少しずつ形成するため、加工時間が長くなる。しかし電
解加工を施す本実施例によれば、複雑なパターン形状を
もつガス通路30であっても、ガス通路30のパターン
形状に対応する電極突起20をもつ加工電極16によ
り、ガス通路30の全体をまとめて形成できるため、ガ
ス通路30を加工する時間の短縮に有利であり、生産性
の向上に貢献できる。電解加工では、加工速度は電流値
に影響を受けるため、電流値を大きくすれば、ガス通路
30の形成時間の短縮に一層有利である。本発明者によ
る試験によれば、200mm×200mmの平板形状の
導電板3に、0.4mmの深さをもつガス通路30を形
成するにあたり、上記したパルス電流を給電したとき、
1枚当たりの所要時間は数分と短時間であった。
【0031】加えて本実施例によれば、ガス通路30の
深さがガス通路30の位置に応じて異なる場合であって
も、例えば、ガス通路30が複数の深さをもつ場合であ
っても、あるいは、ガス通路30が傾斜であるグラデー
ションをもつ場合であっても、少ない電解加工操作で、
通常は1回の電解加工操作で、複雑なパターン形状をも
つガス通路30を形成できるため、生産性の向上を図り
得る。
【0032】(適用例)上記した導電板3から形成した
セパレータの平面図を図6に示す。このセパレータ5
は、上記した導電板3に、シール突起50rをもつ弾性
層としてのゴム層50を被覆して構成されている。セパ
レータ5では、厚み方向に貫通する燃料ガス入口51、
燃料ガス出口52が対角位置で形成されている。更に、
厚み方向に貫通する空気入口53、空気出口54が対角
位置で形成されている。更に、厚み方向に貫通する冷却
媒体通路55、冷却媒体通路56が対角位置で形成され
ている。燃料ガス入口51から導入された燃料ガスは、
基本的には、ガス通路30において矢印K1,K2,K
3,K4,K5の方向に沿って燃料ガス出口52に向か
って流れるようにされている。
【0033】図7は図6のW7−W7矢視を示す。図8
は組みつけたときにおけるW8−W8矢視を示す。図8
に示すように、プロトン透過性をもつ高分子材料を基材
とする固体電解質膜60に正極61及び負極62を挟装
することにより電池セル6が構成されている。そして電
池セル6の両側にセパレータ5が積層されている。正極
61に対面する正極室61cが形成され、負極62に対
面する負極室62cが形成されている。負極室62cに
は負極活物質を含むガス(水素含有ガス)が流れる。正
極室61cには正極活物質を含むガス(空気)が流れ
る。このような多数個の電池セル6とセパレータ5とが
積層されて燃料電池が構成される。
【0034】燃料ガス入口51に直接つながる入口側の
ガス通路30wの深さは、他のガス通路30よりも深く
されている。また燃料ガス出口52に直接つながる出口
側のガス通路30xは深さは、他のガス通路30よりも
深くされている。そのため図9に示すように、電解加工
を行なう加工電極16のうち、入口側のガス通路30
w,30xを形成するための電極突起20rの突出量H
2を、他の電極突起20の突出量H1よりも大きくして
いる。これにより2段掘り込みが可能となる。
【0035】本適用例では、ガス通路30の深さとして
は、図10に示す態様としても良いし、あるいは、図1
1に示す態様としても良いし、あるいは、図12に示す
態様としても良いし、あるいは、図13に示す態様とし
ても良い。図10〜図13では特性線S1,S2,S
3,S4はガス通路30の深さを示し、特性線M1,M
2,M3,M4は加工電極16の電極突起20の突出量
を意味する。
【0036】図10に示す態様では、特性線S1に示す
ように、ガス通路30の位置が変わっても、ガス通路3
0の底面の深さは同一である。この場合には、特性線M
1に示すように、ガス通路30の位置が変わっても、加
工電極16の電極突起20の突出量は同一である。図1
1に示す態様では、特性線S1に示すように、ガス通路
30の底面30eにグラデーションが形成されている。
この態様では、燃料ガス入口51から燃料ガス出口52
に向かうにつれてつまり矢印K1,K2,K3,K4,
K5の方向に沿って、換言すれば、ガス流れの上流側か
ら下流側にかけて、ガス通路30の底面30eの深さが
次第に浅くなるようグラデーションが形成されている。
すなわち、図11の特性線S2から理解できるように、
位置a1,a2,a3→位置b1,b2,b3→位置c1
2,c3→位置d1,d2,d3→位置e1,e2,e3→位
置f1,f2,f3の順に、ガス通路30の底面30eの
深さが浅くなる。
【0037】この場合には、加工電極16の電極突起2
0の突出量にグラデーションが形成されている。すなわ
ち、図11の特性線M2から理解できるように、位置a
1,a2,a3→位置b1,b2,b3→位置c1,c2,c3
→位置d1,d2,d3→位置e1,e2,e3→位置f1
2,f3の順に、加工電極16の電極突起20の突出量
が小さくなる。
【0038】図12に示す態様では、特性線S3に示す
ように、ガス通路30の底面30eにグラデーションが
形成されている。この態様では、燃料ガス入口51から
燃料ガス出口52に向かうにつれてつまり矢印K1,K
2,K3,K4,K5の方向に沿って、換言すれば、ガ
ス流れの上流側から下流側にかけて、ガス通路30の底
面30eの深さが次第に深くなるようグラデーションが
形成されている。すなわち、図12の特性線S3から理
解できるように、位置a1,a2,a3→位置b1,b2
3→位置c1,c2,c3→位置d1,d2,d3→位置
1,e2,e3→位置f1,f2,f3の順に、ガス通路3
0の底面30eの深さが深くなる。
【0039】この場合には、加工電極16の電極突起2
0の突出量にグラデーションが形成されている。すなわ
ち、図12の特性線M3から理解できるように、位置a
1,a2,a3→位置b1,b2,b3→位置c1,c2,c3
→位置d1,d2,d3→位置e1,e2,e3→位置f1
2,f3の順に、加工電極16の電極突起20の突出量
が大きくなる。
【0040】図13に示す態様では、特性線S4に示す
ように、ガス通路30において部分的に浅い部分を形成
している。この場合には、特性線M4に示すように、ガ
ス通路30の浅い部位に対応する加工電極16の電極突
起20の突出量を、他の突出量よりも小さくする。エッ
チング加工と異なり、電解加工によれば、加工電極16
の電極突起20の突出量をガス通路30の位置に応じて
変化させれば、上記したようにガス通路30の深さを種
々の態様で容易に変更できる。
【0041】ところで、活物質を含むガスがガス通路3
0を流れるにつれて、上流側よりも下流側の方が、活物
質が消費されているため、活物質の濃度が低下する傾向
があると考えられる。この点、図11に示すように下流
に向かうにつれてガス通路30が浅くなるグラデーショ
ンを形成すれば、ガス通路30を流れるガスにおける活
物質の濃度の低下に対応する効果を期待できる。またガ
ス通路30に生成物が生じることがある。例えば、ガス
通路30が空気を流す通路である場合には、ガス通路3
0に生成水が生じることがあり、そのため下流側の通路
ボリュームを大きくすることがある。この点、図12に
示すように下流に向かうにつれてガス通路30が深くな
るグラデーションを形成すれば、ガス通路30の幅を変
更することなく、下流側の通路ボリュームを大きくでき
る。
【0042】更に図13に示す態様では、ガス通路30
の通路断面積の減少に伴なう流速変化を期待できるた
め、ガス通路30からの生成物の排出を期待できる。
【0043】
【発明の効果】本発明のセパレータによれば、凹状のガ
ス通路の底面の表面粗さが極めて小さい値に規定されて
いる。そのため、ガス通路を流れる活物質を含むガスの
流れの円滑化、均一化に有利である。特に、凹状のガス
通路の深さが浅くて、ガス通過抵抗が表面粗さの影響を
受け易いときであっても、ガス通路におけるガス流れの
円滑化、均一化に有利である。
【0044】そのため本発明のセパレータによれば、各
電池セルにおける発電、電圧のバラツキを低減するのに
有利となり、燃料電池の性能向上に貢献できる。更にガ
ス通路が平滑であるため、ガス通路における耐食性の向
上も期待できる。この意味においても、ガスの流れの円
滑化、均一化に有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】セパレータとなる導電板にガス通路を形成して
いる状態を模式的に示す構成図である。
【図2】ガス通路の付近の拡大図である。
【図3】他のガス通路の付近の拡大図である。
【図4】ガス通路の底面の表面粗さを示すグラフであ
る。
【図5】比較例であるガス通路の底面の表面粗さを示す
グラフである。
【図6】適用例にかかり、セパレータの平面図である。
【図7】図6のW7−W7線に沿った矢視図である。
【図8】図6のW8−W8線に沿った矢視図である。
【図9】図6のガス通路付近を形成する状態を模式的に
示す要部断面図である。
【図10】ガス通路の深さ及び電極突起の突出量の態様
を示すグラフである。
【図11】ガス通路の深さ及び電極突起の突出量の他の
態様を示すグラフである。
【図12】ガス通路の深さ及び電極突起の突出量の他の
態様を示すグラフである。
【図13】ガス通路の深さ及び電極突起の突出量の他の
態様を示すグラフである。
【符号の説明】
図中、3は導電板、30はガス通路、30eはガス通路
の底面、30fはガス通路の側面、5はセパレータを示
す。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】活物質を含むガスが流れる凹状のガス通路
    を形成する燃料電池のセパレータであって、 前記ガス通路の底面の表面粗さは、Rzで1μm以下で
    あることを特徴とする燃料電池のセパレータ。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記ガス通路の底面の
    表面粗さは、Rzで0.5μm以下であることを特徴と
    する燃料電池のセパレータ。
  3. 【請求項3】請求項1または2において、前記ガス通路
    の底面の表面粗さは、Raで0.2μm以下であること
    を特徴とする燃料電池のセパレータ。
  4. 【請求項4】請求項1〜3のいずれかにおいて、前記ガ
    ス通路の側面に沿って延設した仮想線は、セパレータの
    表面に対して実質的に直立状態とされていることを特徴
    とする燃料電池のセパレータ。
JP10125572A 1998-05-08 1998-05-08 燃料電池のセパレータ Pending JPH11329465A (ja)

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