JPH11328762A - 光磁気記録媒体 - Google Patents

光磁気記録媒体

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JPH11328762A
JPH11328762A JP12612498A JP12612498A JPH11328762A JP H11328762 A JPH11328762 A JP H11328762A JP 12612498 A JP12612498 A JP 12612498A JP 12612498 A JP12612498 A JP 12612498A JP H11328762 A JPH11328762 A JP H11328762A
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magnetic
recording medium
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JP12612498A
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Hidekazu Fujii
英一 藤井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 超解像情報記録媒体の能力を充分に発揮さ
せ、非常に短い記録マークを安定して記録し、保存でき
る光磁気記録媒体を提供すること。 【解決手段】 記録マークの記録が可能な情報トラック
が互いに隣り合う構造を有する光磁気記録媒体におい
て、互いに隣り合う情報トラック間に、これらの磁気的
結合を切断する分離帯が設け、かつ情報トラックの幅を
記録マークの幅を超えない幅に設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光ビームを照射して
情報の記録再生を行う光磁気記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、情報記録媒体に光ビームを照射
し、その反射光を検出して情報の再生が行える光メモリ
としては、例えば、 位相ピットによって情報を記録したROM型のメモ
リ、 光ビームの照射によって記録膜に孔を開けて情報を記
録するライトワンス型の光メモリ、 光ビームの照射によって記録膜の結晶相を変化させて
記録を行なう相変化型光メモリ、 光ビームの照射と磁界の印加によって記録保持層の磁
化方向を変化させて記録を行なう光磁気メモリなど、種
々の光メモリが提案されている。
【0003】これらの光メモリにおける信号の再生分解
能は、再生光の波長と対物レンズの開口数(N.A.)
でほぼ決定され、検出限界のピット周期はほぼλ/(2
・N.A.)である。このような光メモリにおいても、
情報記録密度を高めるための試みがなされているが、再
生光の波長を短くしたり、対物レンズの開口数を大きく
することは容易ではないため、これら以外の手段、例え
ば、記録媒体自体の構造や再生方法を工夫して情報の記
録密度を上げる試みがなされている。
【0004】特に、光磁気記録媒体では情報の記録密度
を上げるための様々な試みが提案されている。例えば、
特開平3−93058号公報や特開平5−81717号
公報には、再生用光ビームの照射による温度上昇を利用
して再生用光ビームの一部分だけが信号の再生に寄与す
るように工夫し、再生光の波長と対物レンズの開口数で
決まる検出限界を越えて再生分解能を向上させる超解像
再生技術が開示されている。
【0005】また、特開平6−290496号公報に
は、再生用光ビームに差し掛かった磁壁を次々と移動さ
せこの磁壁の移動を検出することによって再生光の波長
と対物レンズの開口数で決まる検出限界を越えて再生分
解能を向上させる技術が開示されている。
【0006】さらに、特開平8−7350号公報には再
生時に磁区を拡大することにより再生光の波長と対物レ
ンズの開口数で決まる検出限界を越えて再生分解能を向
上させる技術が開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記の種々の試みによ
って信号の再生分解能の大幅な向上が達成されたが、情
報の記録密度を更に向上させる技術を提供するには、よ
り広い視点からの検討が必要となってくる。例えば、上
記の従来技術では、情報の記録形態自体に関しての考慮
はなされていなかった。すなわち、光磁気記録媒体への
情報の記録に関しては、記録用光ビームを照射しながら
記録情報によって変調された磁界を印加して情報の記録
を行う磁界変調記録方式を用いれば、波長と対物レンズ
の開口数で決まる検出限界よりもずっと短いマークを記
録することができるため、特別な工夫は必要なかった。
しかし、前述したような様々な工夫によって再生分解能
を向上させることが可能になったため、従来よりもはる
かに高密度な情報の記録を行うようになると、情報の記
録が安定に行えないとか、記録した情報が安定に保存で
きないといった問題が発生するようになった。このた
め、例えばマーク長が0.1μm以下といった非常に短
い記録マークを安定して記録し、保存できる光磁気記録
媒体が求められていた。
【0008】そこで本発明はこのような事情に鑑みてな
されたものであって、超解像情報記録媒体の能力を充分
に発揮させ、例えばマーク長が0.1μm以下といった
非常に短い記録マークを安定して記録し、保存できる光
磁気記録媒体を提供することをその目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成し得る
本発明の光磁気記録媒体は、記録マークの記録が可能な
情報トラックが互いに隣り合う構造を有する光磁気記録
媒体において、互いに隣り合う情報トラック間に、これ
らの磁気的結合を切断する分離帯が設けられており、か
つ情報トラックの幅が記録マークの幅を超えないことを
特徴とする。
【0010】本発明によれば、超解像再生可能な記録保
持層を備えた光磁気記録媒体においても、情報トラック
の幅を記録マークの幅以下とし、情報トラックの両側面
が非磁性層に接するようにした構造としたことで、情報
の記録密度を更に高めることが可能となる。
【0011】この本発明における効果は、以下の作用に
よって得られるものと考えられる。光磁気記録媒体の記
録保持層に部分的に磁化の向きを反転させることによっ
てマークを記録すると、記録保持層が垂直磁化膜からな
る場合は、従来の光磁気記録媒体では記録マークの周囲
に閉じた磁壁が形成された。しかし、磁壁が形成される
とそこには磁壁エネルギーが貯えられるため、磁壁には
その面積を小さくしてエネルギーの低い安定な状態にな
ろうとする力が働く。光磁気記録媒体では、この磁壁の
面積を小さくしようとする力に抗して、記録したマーク
を安定に保持するために、数キロエルステッド以上とい
った大きな保磁力を持った材料が記録保持層に使われて
いた。しかし、例えば記録保持層の材料としてTbFe
Coを用い、保磁力が20キロエルステッドと非常に大
きな値となるようにその組成を調整した記録保持層を用
いても、記録したマークを保持できるのはせいぜいマー
ク長0.1μmまでの大きさであって、0.1μm以下
のマーク長のマークを記録すると、記録されたマークは
部分的に消失したり、隣接するマークと接合して1つの
大きなマークに変形するといった問題が生じる場合があ
った。従って、従来構造の光磁気記録媒体では、マーク
長が0.1μm以下といった非常に短い記録マークを安
定して記録し、保存することは困難な場合が多かった。
【0012】これに対して、情報トラックの幅を記録マ
ークの幅以下とし、情報トラックの両側面が非磁性層に
接する構造を採用すると、記録マークの境界部分にでき
る磁壁にその面積を小さくしてエネルギーの低い安定な
状態になろうとする力が働いても、その力はマークの長
さを変化させる方向には働かない。このため、情報トラ
ックの幅を記録マークの幅以下とし、情報トラックの両
側面が非磁性層に接するようにすることによって、例え
ば0.1μm以下と非常に短い記録マークを記録してそ
れを安定に保持することができるようになる。
【0013】本発明の光磁気記録媒体の情報トラックに
は、垂直磁化膜より成る記録保持層と、垂直磁化膜より
なる再生層とを有し、光ビームの照射による昇温によっ
て記録保持層の磁化を再生層に転写することが可能な構
成が利用できる。
【0014】また、この情報トラックには、垂直磁化膜
より成る記録保持層と、記録保持層より高いキュリー温
度を有し、室温で面内磁化を示し、かつ光ビームの照射
により昇温すると垂直磁化を示す再生層とを有する構造
を用いることができる。
【0015】更に、この情報トラックには、基板上に第
1、第2及び第3の磁性層が室温において交換結合して
順次積層された構造を有し、第1の磁性層は、周囲温度
近傍の温度において第3の磁性層に比べて相対的に磁壁
抗磁力が小さく磁壁移動度が大きな磁性膜からなり、第
2の磁性層は、第1の磁性層および第3の磁性層よりも
キュリー温度の低い磁性膜からなる構造を用いることが
できる。
【0016】また、この情報トラックには、基板上に第
1、第2、第3の磁性層が順次積層された構造を有し、
第2の磁性層は室温以上に補償温度を有する磁性体から
なり、第2の磁性層は第3の磁性層よりもキュリー温度
の低い磁性膜からなる構造を用いることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して詳細に説明する。
【0018】図1は本発明の光磁気記録媒体の第1の例
を示した図である。この光磁気記録媒体は、例えば特開
平6−290496号公報に記載されるような、再生用
光ビームに差し掛かった磁壁を次々と移動させこの磁壁
の移動を検出することによって、再生光の波長と対物レ
ンズの開口数で決まる検出限界を越えて超解像再生が可
能となる光磁気記録媒体に適用した例である。
【0019】図1において、11は透明基板、12は磁
性膜の保護と媒体の光学的特性を調整するための光透過
層、13は情報を磁壁の移動によって検出するための移
動層、14は移動層と記録保持層の間の交換結合を制御
するためのスイッチング層、15は情報を保持しておく
記録保持層、16は磁性膜の保護のための保護層であ
る。
【0020】透明基板11としては、例えば、ポリカー
ボネート、ガラス等の透光性のものを用いることができ
る。光透過層12としては、例えばSi34、AlN、
SiO2、SiO、ZnS、MgF2などの透明誘電体層
が使用できる。基板11の表面に設ける情報トラック間
のピッチは、目的とする光磁気記録媒体の機能や特性に
応じて設定することができ、例えば0.5〜1.5μm
に設定することが好ましい。
【0021】保護層16としては、光透過層12と同様
の透明誘電体に加えてAl、AlTa、AlTi、Al
Cr、Pt、Auなどの耐蝕性に優れた金属層も使用で
きる。各磁性層は、例えばマグネトロンスパッタ装置に
よる連続スパッタリング、または連続蒸着等によって被
着形成できる。これらの磁性層は、真空を破ることなく
連続成膜されることで、互いに交換結合をしている。ま
た、この構成に、更にAl、AlTa、AlTi、Al
Cr、Cu、Auなどからなる金属層を記録保持層と保
護層の間に付加して、熱的な特性を調整してもよい。ま
た、高分子樹脂からなる保護コートを付与してもよい。
あるいは、成膜後の基板を貼り合わせてもよい。
【0022】この媒体において、各磁性層13〜15
は、種々の磁性材料によって構成することができる。こ
の磁性材料としては、例えば、Pr、Nd、Sm、G
d、Tb、Dy、Hoなどの希土類金属元素の一種類あ
るいは二種類以上の10〜40at%と;Fe、Co、
Niなどの鉄族元素の一種類あるいは二種類以上の90
〜60at%とからなる希土類−鉄族非晶質合金を挙げ
ることができる。また、耐食性向上などのために、これ
にCr、Mn、Cu、Ti、Al、Si、Pt、Inな
どの元素を少量添加してもよい。
【0023】各磁性層を重希土類−鉄族非晶質合金によ
り構成する場合、その飽和磁化は、希土類元素と鉄族元
素との組成比により制御することが可能である。また、
キュリー温度も、組成比により制御することが可能であ
るが、飽和磁化と独立に制御するためには、鉄族元素と
して、Feの一部をCoで置き換えた材料を用い、置換
量を制御する方法がより好ましく利用できる。即ち、F
eの1at%をCoで置換することにより、6℃程度の
キュリー温度上昇が見込めるので、この関係を用いて所
望のキュリー温度となるようにCoの添加量を調整す
る。また、Cr、Tiなどの非磁性元素を微量添加する
ことにより、逆にキュリー温度を低下させることも可能
である。あるいはまた、二種類以上の希土類元素を用い
てそれらの組成比を調整することでもキュリー温度を制
御できる。
【0024】この他に、ガーネット、白金族−鉄族周期
構造膜、もしくは白金族−鉄族合金などの材料も使用可
能である。移動層13の材料としては、例えば、GdC
o、GdFeCo、GdFe、NdGdFeCoなどの
垂直磁気異方性の小さな希土類−鉄族非晶質合金や、P
t/Co、Pd/Coなどの白金族−鉄族周期構造膜
や、ガーネット等のバブルメモリ用材料が望ましい。
【0025】スイッチング層14の材料には、例えばT
bFe、DyFe、TbDyFe、TbFeCo、Dy
FeCo、TbDyFeCo等のキュリー温度の低いも
のを用いることが望ましい。
【0026】記録保持層15の材料としては、例えば、
TbFeCo、DyFeCo、TbDyFeCoといっ
た希土類−鉄族非晶質合金で、垂直磁気異方性及び保磁
力が大きく、微小なピットが記録でき、かつ形成された
記録ピットが安定に保持できるものが望ましい。
【0027】図3は本発明の光磁気記録媒体の第2の例
を示した図である。この光磁気記録媒体は、例えば特開
平3−93058号公報に記載されるような、再生時の
レーザ光照射によりある温度以上となった領域でのみあ
らかじめ記録保持層に記録された信号が再生層に転写さ
れ、この温度以下の領域では再生層が等価的なマスクと
等価な働きをし、超解像再生が可能となる光磁気記録媒
体に適用した例である。この光磁気記録媒体は、図3に
示すように所定のトラックピッチでトラッキングガイド
用のグルーブが形成されたポリカーボネイト製の透明基
板30上に光透過層31、第1の再生層32、第2の再
生層33、中間層34、記録保持層35、保護層36を
順次積層した構造を有する。
【0028】各磁性層32〜35は、図1を用いて説明
した第1の例において説明した磁性層用材料を用いて形
成することができる。例えば、第1の再生層32はキュ
リー温度が高く、カー回転角が大きく、保磁力が小さい
垂直磁化膜で、例えばGdFeCo(膜厚300Å)で
形成することができる。また、第2の再生層33は垂直
磁気異方性が大きく、キュリー温度が低く、室温での保
磁力が数キロエルステッドであることが好ましいので、
TbFe(膜厚200Å)で形成することができる。ま
た、中間層34は第2の再生層と記録保持層のあいだの
交換結合力を調整するための層で、GdFeCo(膜厚
100Å)で形成することができる。記録保持層35は
垂直磁気異方性が大きく、キュリー温度と保磁力が第2
の再生層のキュリー温度と保磁力よりも大きいことが必
要なため、TbFeCo(膜厚300Å)で形成し、キ
ュリー温度は230℃、保磁力は15キロエルステッド
以上にすることができる。
【0029】また、光透過層31および保護層36も第
1の例において説明した材料を用いて形成することがで
きる。
【0030】図5は、本発明の光磁気記録媒体の第3の
例を示した図である。この例は、例えば特開平5−81
717号公報に記載されるような、再生時のレーザ光照
射によりある温度以上となった領域でのみ再生層の磁化
が面内磁化から垂直磁化に移行し、垂直磁化に移行した
部分でのみあらかじめ記録保持層に記録された信号が再
生層に転写され、前記温度以下の領域では面内磁化の再
生層が等価的なマスクと等価な働きをし、超解像再生が
可能となる光磁気記録媒体に適用したものである。この
第3の例は、所定のトラックピッチでトラッキングガイ
ド用のグルーブが形成されたポリカーボネイト製の透明
基板51上に光透過層52、再生層53、記録保持層5
4、保護層55を順次積層して形成した構造を有する。
【0031】この例における磁性層も図1に示した第1
の例における材料を用いて形成することができる。例え
ば、再生層53はキュリー温度が高く、室温とキュリー
温度の間に補償温度を有し、室温で面内磁化を示す一
方、光ビームの照射により所定温度以上に温度が上昇す
ると垂直直に移行する磁化膜で、例えばGdFeCo
(膜厚500Å)で形成することができる。また、再生
層53の補償温度は、100℃程度、またキュリー温度
は300℃以上とすることができる。記録保持層54は
垂直磁気異方性が大きく、微小な磁区を安定に保持する
ことが必要なため、DyFeCo(膜厚200Å)で形
成し、キュリー温度は230℃、保磁力は15キロエル
ステッド以上にすることができる。更に、光透過層52
および保護層55も第1の例で挙げた材料を同様に用い
ることができる。
【0032】図6は本発明の光磁気記録媒体の第4の例
を示した図である。この例は、例えば特開平8−735
0号公報に記載されるような、再生時のレーザ光照射と
磁界の印加によってあらかじめ記録保持層に記録された
信号を再生層に転写し、拡大して、超解像再生が可能と
なる光磁気記録媒体に適用したものである。
【0033】この例の光磁気記録媒体は、所定のトラッ
クピッチでトラッキングガイド用のグルーブが形成され
たポリカーボネイト製の透明基板61上に光透過層6
2、再生層63、中間層64、記録保持層65、保護層
66を順次積層して形成した構造を有する。
【0034】各磁性層63〜65も図1を用いて説明し
た第1の例において説明した磁性層用材料を用いて形成
することができる。第1磁性層(再生層)63はキュリ
ー温度が高く、保磁力が小さく、外部磁界の印加によっ
て容易に磁区を拡大縮小できる垂直磁化膜で、例えばG
dTbFeCo(膜厚400Å)で形成することができ
る。再生層63の補償温度は室温以下、キュリー温度は
300℃以上とすることができる。第2磁性層(中間
層)64はキュリー温度が低く、補償温度が室温以上で
再生時の光スポット中心の温度よりも低いことが望まし
いため、キュリー温度120℃、補償温度70℃のGd
FeCo(膜厚200Å)で形成することができる。第
3磁性層(記録保持層)65は垂直磁気異方性が大き
く、微小な磁区を安定に保持することが必要なため、T
bFeCo(膜厚400Å)で形成し、キュリー温度は
240℃、保磁力は15キロエルステッド以上にするこ
とができる。また、光透過層62および保護層66は第
1の例で説明した材料を用いて形成することができる。
【0035】図8は本発明の光磁気記録媒体の第5の例
を示した図である。この例は、第1の例1と同じく特開
平6−290496号公報に記載されるような、再生用
光ビームに差し掛かった磁壁を次々と移動させこの磁壁
の移動を検出することによって前記の波長と対物レンズ
の開口数で決まる検出限界を越えて超解像再生が可能と
なる光磁気記録媒体に適用した例である。
【0036】この光磁気記録媒体は、図8に示すよう
に、基板81上に設けたランド(図では凸側)と、グル
ーブ(図では凹側)のそれぞれの部分に光透過層82か
ら保護層86までの構造を有する情報トラック88を形
成し、各情報トラック間に分離帯として機能する空間を
配置した構造を有する。各磁性層、光透過層及び保護層
は第1の例で説明した材料を用いて形成することができ
る。
【0037】なお、ランドとグルーブとの高低差は、情
報トラックの構造や大きさなどに応じて設定することが
でき、例えば120〜200nmとすることが好まし
い。
【0038】以上説明した各構造の光磁気記録媒体は、
目的とする機能が得られるように材料を選択して、公知
の方法を用いて製造することができる。
【0039】
【実施例】実施例1 図1の構成を有する光磁気記録媒体(光磁気ディスク)
を、以下の方法を用いて作成した。まず、直流マグネト
ロンスパッタリング装置に、BドープしたSi、及びG
d、Dy、Tb、Fe、Coの各ターゲットを取り付
け、トラックピッチ1.1μmでトラッキングガイド用
のグルーブが形成されたディスク状のポリカーボネイト
基板を基板ホルダーに固定した後、1×10ー5Pa以下
の高真空になるまでチャンバー内をクライオポンプで真
空排気した。真空排気をしたままArガスとN2ガスを
0.3Paとなるまでチャンバー内に導入し、基板を回
転させながら、光透過層としてSiN層を1000Å成
膜した。引き続き、真空排気をしたままArガスを0.
3Paとなるまでチャンバー内に導入し、基板を回転さ
せながら、移動層としてGdCo層を300Å、スイッ
チング層としてDyFe層を100Å、記録保持層とし
てTbFeCo層を400Å順次成膜した。最後に、光
透過層の成膜時と同様の条件で、保護層としてSiN層
を800Å成膜した。各磁性層は、Gd、Dy、Tb、
Fe、Coの各ターゲットに直流パワーを印加して成膜
した。各磁性層の組成は、全て補償組成近傍になるよう
に調整し、キュリー温度は、第1の磁性層(移動層)が
250℃、第2の磁性層(スイッチング層)が150
℃、第3の磁性層(記録保持層)が290℃程度となる
ように設定した。
【0040】図2に示すような記録再生装置を用いてこ
の光磁気ディスク21のグルーブ上に高パワーのレーザ
ー光を集光して照射し、400℃以上に加熱してグルー
ブ部分のみにアニール処理を行い、グルーブ部に積層さ
れた磁性層を非磁性層19に変質させて分離帯17を形
成した。非磁性層19によって、隣接する情報トラック
の記録保持層15は分離帯17の部分でほぼ磁気的に分
離されている。なお実際には分離帯の磁性層がアニール
処理によって完全に非磁性層にならなくても、飽和磁化
が十分に小さくなれば分離帯での結合は無視できる。再
び図2に示すような記録再生装置を用いてこの光磁気デ
ィスクを光ヘッドから見て反時計周りに回転させなが
ら、情報トラック18上に記録光ビームと変調磁界を印
加して、磁界変調記録方法によって情報トラック18の
幅いっぱいに反転磁区を形成した。光磁気ディスクの移
動線速度は1.5m/s、変調磁界は周期1.0μsで
パルス幅50nsとし、1.5μm間隔でマーク長0.
075μmの記録マークを形成した。記録パワーは3.
5mW、記録磁界の強度は±200エルステッドに設定
した。
【0041】次に、この光磁気ディスクを光ヘッドから
見て反時計周りの方向に回転させながら、光ピックアッ
プ22から再生用光ビームを照射して、先程記録した記
録マークを再生し、記録マークの欠落率を調べた。光磁
気ディスクの移動線速度は1.5m/s、再生パワーを
1.7mWとして再生を行い、再生信号をデジタルオシ
ロスコープに取り込んで記録マークの欠落を数えたとこ
ろ、1000個分のマークのうち欠落していたのは1個
で、欠落率は0.1%であった。
【0042】比較例1 グルーブ部分のアニール処理を行わない以外は実施例1
と同様の光磁気ディスクを作成し、この光磁気ディスク
を光ヘッドから見て反時計周りに回転させながら、情報
トラック18上に記録光ビームと変調磁界を印加して、
磁界変調記録方法によって情報トラック18の幅いっぱ
いに反転磁区を形成した。光磁気ディスクの移動線速度
は1.5m/s、変調磁界は周期1.0μsでパルス幅
50nsとし、1.5μm間隔でマーク長0.075μ
mの記録マークを形成した。記録パワーは3.5mW、
記録磁界の強度は±200エルステッドに設定した。次
に、実施例1と同様にこの光磁気ディスクを光ヘッドか
ら見て反時計周りの方向に回転させながら再生用光ビー
ムを照射して、先程記録した記録マークを再生し、記録
マークの欠落率を調べた。光磁気ディスクの移動線速度
は1.5m/s、再生パワーを1.7mWとして再生を
行った。再生信号の振幅は実施例1よりも小さくなった
が、記録マークの欠落率を調べることは可能であった。
再生信号をデジタルオシロスコープに取り込んで記録マ
ークの欠落を数えたところ、1000個分のマークのう
ち欠落していたのは120個で、欠落率は12%と実施
例1よりも大きかった。
【0043】実施例2 図3に示す構造の光磁気ディスクを、トラックピッチ
1.1μmでトラッキングガイド用のグルーブが形成さ
れたポリカーボネイト製の透明基板30上に光透過層3
1、第1の再生層32、第2の再生層33、中間層3
4、記録保持層35、保護層36を公知の成膜方法を利
用して順次積層して形成した。
【0044】第1の再生層32はキュリー温度が高く3
00℃以上で、カー回転角が大きく、保磁力が約2キロ
エルステッドと小さい垂直磁化膜で、GdFeCo(膜
厚300Å)で形成した。第2の再生層33は垂直磁気
異方性が大きく、キュリー温度が低く、室温での保磁力
が数キロエルステッドであることが好ましいので、キュ
リー温度が120℃、室温での保磁力が約1.5キロエ
ルステッドであるTbFe(膜厚200Å)で形成し
た。中間層34は第2の再生層と記録保持層のあいだの
交換結合力を調整するための層で、GdFeCo(膜厚
100Å)で形成した。記録保持層35は垂直磁気異方
性が大きく、キュリー温度と保磁力が前記第2の再生層
のキュリー温度と保磁力よりも大きいことが必要なた
め、TbFeCo(膜厚300Å)で形成し、キュリー
温度は230℃、保磁力は15キロエルステッド以上に
した。また、光透過層31および保護層36は窒化珪素
で形成した。
【0045】この光磁気ディスクのグルーブ上に図4に
示した記録再生装置を用いて高パワーのレーザー光を集
光して照射し、400℃以上に加熱してグルーブ部分の
みにアニール処理を行い、グルーブ部に積層された磁性
層を非磁性層29に変質させて分離帯27を形成した。
【0046】この光磁気ディスクを光ヘッドから見て反
時計周りに回転させながら、図4に示した記録再生装置
を用いて情報トラック38上に記録光ビームと変調磁界
を印加して、磁界変調記録方法によっで情報トラック3
8の幅いっぱいに反転磁区を形成した。光磁気ディスク
の移動線速度は2.0m/s、変調磁界は周期1.0μ
sでパルス幅50nsとし、2.0μm間隔でマーク長
0.1μmの記録マークを形成した。記録パワーは4.
0mW、記録磁界の強度は±250エルステッドに設定
した。次に、この光磁気ディスクを光ヘッドから見て反
時計周りの方向に回転させて、初期化磁界印加装置44
によって2キロエルステッドの初期化磁界を印加しなが
ら光ピックアップ42から再生用光ビームを照射して先
程記録した記録マークを再生し、記録マークの欠落率を
調べた。光磁気ディスクの移動線速度は2.0m/s、
再生パワーを2.1mWとして再生を行い、再生信号を
デジタルオシロスコープに取り込んで記録マークの欠落
を数えたところ、5000個分のマークのうち欠落して
いたのは1個で、欠落率は0.02%であった。
【0047】比較例2 グルーブ部分のアニール処理を行わない以外は実施例2
と同様の光磁気ディスクを作成し、この光磁気ディスク
を光ヘッドから見て反時計周りに回転させながら、情報
トラック38上に記録光ビームと変調磁界を印加して、
磁界変調記録方法によって情報トラック38の幅いっぱ
いに反転磁区を形成した。光磁気ディスクの移動線速度
は2.0m/s、変調磁界は周期1.0μsでパルス幅
50nsとし、実施例2と同様に2.0μm間隔でマー
ク長0.1μmの記録マークを形成した。記録パワーは
4.0mW、記録磁界の強度は±250エルステッドに
設定した。
【0048】次に、実施例2と同様にこの光磁気ディス
クを光ヘッドから見て反時計周りの方向に回転させて初
期化磁界印加装置44によって2キロエルステッドの初
期化磁界を印加しながら再生用光ビームを照射して、先
程記録した記録マークを再生し、記録マークの欠落率を
調べた。光磁気ディスクの移動線速度は2.0m/s、
再生パワーを2.1mWとして再生を行った。再生信号
の振幅は実施例1よりも少し大きくなったが、再生信号
をデジタルオシロスコープに取り込んで記録マークの欠
落を数えたところ、1000個分のマークのうち欠落し
ていたのは60個で、欠落率は6%と実施例1よりも大
きかった。
【0049】実施例3 図5に示す構造の光磁気ディスクを、トラックピッチ
1.1μmでトラッキングガイド用のグルーブが形成さ
れたポリカーボネイト製の透明基板51上に光透過層5
2、再生層53、記録保持層54、保護層55を公知の
成膜方法で順次積層して形成した。再生層53はキュリ
ー温度が高く、室温とキュリー温度の間に補償温度を有
し、室温で面内磁化を示す一方、光ビームの照射により
所定温度以上に温度が上昇すると垂直に移行する磁化膜
で、GdFeCo(膜厚500Å)で形成した。再生層
53の補償温度は100℃、キュリー温度は300℃以
上、垂直磁化への移行温度は120℃とした。記録保持
層54は垂直磁気異方性が大きく、微小な磁区を安定に
保持することが必要なため、DyFeCo(膜厚200
Å)で形成し、キュリー温度は230℃、保磁力は15
キロエルステッド以上にした。また、光透過層52およ
び保護層55は窒化珪素で形成した。
【0050】この光磁気ディスクのグルーブ上に図2に
示した記録再生装置を用いて高パワーのレーザー光を集
光して照射し、400℃以上に加熱してグルーブ部分の
みにアニール処理を行い、グルーブ部に積層された磁性
層を非磁性層59に変質させて分離帯57を形成した。
【0051】この光磁気ディスクを光ヘッドから見て反
時計周りに回転させながら、図2に示した記録再生装置
を用いて情報トラック58上に記録光ビームと変調磁界
を印加して、磁界変調記録方法によって情報トラック5
8の幅いっぱいに反転磁区を形成した。光磁気ディスク
の移動線速度は2.0m/s、変調磁界は周期1.0μ
sでパルス幅40nsとし、2.0μm間隔でマーク長
0.08μmの記録マークを形成した。記録パワーは
4.0mW、記録磁界の強度は±200エルステッドに
設定した。
【0052】次に、この光磁気ディスクを光ヘッドから
見て反時計周りの方向に回転させてながら光ピックアッ
プ22から再生用光ビームを照射して先程記録した記録
マークを再生し、記録マークの欠落率を調た。光磁気デ
ィスクの移動線速度は2.0m/s、再生パワーを2.
2mWとして再生を行い、再生信号をデジタルオシロス
コープに取り込んで記録マークの欠落を数えたところ、
1000個分のマークのうち欠落していたのは8個で、
欠落率は0.8%であった。
【0053】比較例3 グルーブ部分のアニール処理を行わない以外は実施例3
と同様の光磁気ディスクを作成し、この光磁気ディスク
を光ヘッドから見て反時計周りに回転させながら、情報
トラック58上に記録光ビームと変調磁界を印加して、
磁界変調記録方法によって情報トラック58の幅いっぱ
いに反転磁区を形成した。光磁気ディスクの移動線速度
は2.0m/s、変調磁界は周期1.0μsでパルス幅
40nsとし、実施例3と同様に2.0μm間隔でマー
ク長0.08μmの記録マークを形成した。記録パワー
は4.0mW、記録磁界の強度は±200エルステッド
に設定した。
【0054】次に、実施例3と同様にこの光磁気ディス
クを光ヘッドから見て反時計周りの方向に回転させなが
ら再生用光ビームを照射して先程記録した記録マークを
再生し、記録マークの欠落率を調べた。光磁気ディスク
の移動線速度は2.0m/s、再生パワーを2.2mW
として再生を行った。再生信号をデジタルオシロスコー
プに取り込んで記録マークの欠落を数えたところ、10
00個分のマークのうち欠落していたのは200個で、
欠落率は20%と実施例1よりも大きかった。
【0055】実施例4 図6に示す構造の光磁気ディスクを、トラックピッチ
1.1μmでトラッキングガイド用のグルーブが形成さ
れたポリカーボネイト製の透明基板61上に光透過層6
2、再生層63、中間層64、記録保持層65、保護層
66を公知の成膜方法で順次積層して形成した。
【0056】再生層63はキュリー温度が高く、保磁力
が小さく、外部磁界の印加によって容易に磁区を拡大縮
小できる垂直磁化膜で、GdTbFeCo(膜厚400
Å)で形成した。再生層63の補償温度は室温以下、キ
ュリー温度は300℃以上とした。中間層64はキュリ
ー温度が低く、補償温度が室温以上で再生時の光スポッ
ト中心の温度よりも低いことが望ましいため、キュリー
温度120℃、補償温度70℃のGdFeCo(膜厚2
00Å)で形成した。記録保持層65は垂直磁気異方性
が大きく、微小な磁区を安定に保持することが必要なた
め、TbFeCo(膜厚400Å)で形成し、キュリー
温度は240℃、保磁力は15キロエルステッド以上に
した。また、光透過層62および保護層66は窒化珪素
で形成した。
【0057】この光磁気ディスクのグルーブ上に図7に
示した記録再生装置を用いて高パワーのレーザー光を集
光して照射し、400℃以上に加熱してグルーブ部分の
みにアニール処理を行い、グルーブ部に積層された磁性
層を非磁性層69に変質させて分離帯67を形成した。
【0058】この光磁気ディスクを光ヘッドから見て反
時計周りに回転させながら、図7に示した記録再生装置
を用いて情報トラック68上に記録光ビームと変調磁界
を印加して、磁界変調記録方法によって情報トラック6
8の幅いっぱいに反転磁区を形成した。光磁気ディスク
の移動線速度は1.0m/s、変調磁界は周期2.0μ
sでパルス幅100nsとし、2.0μm間隔でマーク
長0.1μmの記録マークを形成した。記録パワーは
3.1mW、記録磁界の強度は±300エルステッドに
設定した。
【0059】次に、この光磁気ディスクを光ヘッドから
見て反時計周りの方向に回転させて、初期化磁界印加装
置74によって2キロエルステッドの初期化磁界を印加
し、光ピックアップ72から再生用光ビームを照射し、
同時に記録再生磁界印加装置73で1MHzの交番磁界
を印加して先程記録した記録マークを再生し、記録マー
クの欠落率を調べた。光磁気ディスクの移動線速度は
1.0m/s、再生パワーを1.3mWとして再生を行
い、再生信号をデジタルオシロスコープに取り込んで記
録マークの欠落を数えたところ、1000個分のマーク
のうち欠落していたのは3個で、欠落率は0.3%であ
った。
【0060】比較例4 グルーブ部分のアニール処理を行わない以外は実施例4
と同様の光磁気ディスクを作成し、この光磁気ディスク
を光ヘッドから見て反時計周りに回転させながら、情報
トラック68上に記録光ビームと変調磁界を印加して、
磁界変調記録方法によって情報トラック68の幅いっぱ
いに反転磁区を形成した。光磁気ディスクの移動線速度
は1.0m/s、変調磁界は周期2.0μsでパルス幅
100nsとし、実施例4と同様に2.0μm間隔でマ
ーク長0.1μmの記録マークを形成した。記録パワー
は3.1mW、記録磁界の強度は±300エルステッド
に設定した。
【0061】次に、実施例4と同様にこの光磁気ディス
クを光ヘッドから見て反時計周りの方向に回転させて初
期化磁界印加装置74によって2キロエルステッドの初
期化磁界を印加し、光ピックアップ72から再生用光ビ
ームを照射し、同時に記録再生磁界印加装置73で1M
Hzの交番磁界を印加して先程記録した記録マークを再
生し、記録マークの欠落率を調べた。光磁気ディスクの
移動線速度は1.0m/s、再生パワーを1.3mWと
して再生を行い、再生信号をデジタルオシロスコープに
取り込んで記録マークの欠落を数えたところ、1000
個分のマークのうち欠落していたのは80個で、欠落率
は8%と実施例4よりも大きかった。
【0062】実施例5 図8に示す構造の光磁気ディスクを、ランド(図では凸
側)が0.7μm幅でグルーブ(図では凹側)が0.5
μm幅でトラックピッチ1.2μmの矩形のトラッキン
グガイド用溝が形成されたガラス2P製の基板を使用し
て作製した。なお、溝の深さ(ランドとグルーブとの高
低差)は200nmとした。この透明基板81上に磁性
膜の保護と光磁気ディスクの光学的特性を調整するため
の光透過層82、情報を磁壁の移動によって検出するた
めの移動層83、移動層と記録保持層の間の交換結合を
制御するためのスイッチング層84、情報を保持してお
く記録保持層85、磁性膜の保護のための保護層86を
順次積層して形成した。
【0063】各層の材料、組成および膜厚は実施例1と
同じにした。図8に示すように、矩形の溝を持った基板
81にマグネトロンスパッタリング装置を用いて成膜を
行うと、成膜時の膜のつきまわりによって図8に示すよ
うな形状に膜が成膜される。本実施例では溝の深さを2
00nmと通常よりも深くしたので、図8に示すように
溝の側面に磁性膜の付着していない分離帯87が形成さ
れる。この光磁気ディスクを図2に示すような記録再生
装置を用いて光ヘッドから見て反時計周りに回転させな
がら、情報トラック88上に記録光ビームと変調磁界を
印加して、磁界変調記録方法によって情報トラック88
の幅いっぱいに反転磁区を形成した。光磁気ディスクの
移動線速度は1.5m/s、変調磁界は周期1.0μs
でパルス幅50nsとし、1.5μm間隔でマーク長
0.075μmの記録マークを形成した。記録パワーは
3.5mW、記録磁界の強度は±200エルステッドに
設定した。
【0064】次に、この光磁気ディスクを光ヘッドから
見て反時計周りの方向に回転させながら、光ピックアッ
プ22から再生用光ビームを照射して、先程記録した記
録マークを再生し、記録マークの欠落率を調べた。光磁
気ディスクの移動線速度は1.5m/s、再生パワーを
1.7mWとして再生を行い、再生信号をデジタルオシ
ロスコープに取り込んで記録マークの欠落を数えたとこ
ろ、1000個分のマークのうち欠落していたのは1個
で、欠落率は0.1%であり実施例1と同じであった。
【0065】
【発明の効果】本発明によれば、超解像情報記録媒体の
能力を充分に発揮させ、非常に短い記録マークを安定し
て記録し、保存できる光磁気記録媒体を提供することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光磁気記録媒体の一例の構造を示す断
面図である。
【図2】光磁気記録媒体での記録、再生を行う装置の概
略図である。
【図3】本発明の光磁気記録媒体の一例の構造を示す断
面図である。
【図4】光磁気記録媒体での記録、再生を行う装置の概
略図である。
【図5】本発明の光磁気記録媒体の一例の構造を示す断
面図である。
【図6】本発明の光磁気記録媒体の一例の構造を示す断
面図である。
【図7】光磁気記録媒体での記録、再生を行う装置の概
略図である。
【図8】本発明の光磁気記録媒体の一例の構造を示す断
面図である。
【符号の説明】 11、30、51、61、81 基板 12、31、52、62、82 光透過層 13、83 移動層 14、84 スイッチング層 15、35、54、85 記録保持層 16、36、55、66、86 保護層 17、37、57、67、87 分離帯 18、38、58、68、88 情報トラック 19、39、59、69 非磁性層 21、41、71 光磁気記録媒体(ディスク) 22、42、72 光ピックアップ 23、43 記録磁界印加装置 24、45、75 ディスク回転機構 32 第1の再生層 33 第2の再生層 34 中間層 44、74 初期化磁界印加装置 53 再生層 63 第1磁性層 64 第2磁性層 65 第3磁性層 73 記録再生磁界印加装置

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 記録マークの記録が可能な情報トラック
    が互いに隣り合う構造を有する光磁気記録媒体におい
    て、 互いに隣り合う情報トラック間に、これらの磁気的結合
    を切断する分離帯が設けられており、かつ情報トラック
    の幅が記録マークの幅を超えないことを特徴とする光磁
    気記録媒体。
  2. 【請求項2】 垂直磁化膜より成る記録保持層と、垂直
    磁化膜よりなる再生層とを有し、光ビームの照射による
    昇温によって記録保持層の磁化を再生層に転写すること
    が可能である請求項1に記載の光磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】 垂直磁化膜より成る記録保持層と、記録
    保持層より高いキュリー温度を有し、室温で面内磁化を
    示し、かつ光ビームの照射により昇温すると垂直磁化を
    示す再生層とを有する請求項1に記載の光磁気記録媒
    体。
  4. 【請求項4】 基板上に第1、第2及び第3の磁性層が
    室温において交換結合して順次積層された構造を有し、
    第1の磁性層は、周囲温度近傍の温度において第3の磁
    性層に比べて相対的に磁壁抗磁力が小さく磁壁移動度が
    大きな磁性膜からなり、第2の磁性層は、第1の磁性層
    および第3の磁性層よりもキュリー温度の低い磁性膜か
    らなる請求項1に記載の光磁気記録媒体。
  5. 【請求項5】 基板上に第1、第2、第3の磁性層が順
    次積層された構造を有し、第2の磁性層は室温以上に補
    償温度を有する磁性体からなり、第2の磁性層は第3の
    磁性層よりもキュリー温度の低い磁性膜からなる請求項
    1に記載の光磁気記録媒体。
JP12612498A 1998-05-08 1998-05-08 光磁気記録媒体 Pending JPH11328762A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6343052B1 (en) 1999-04-15 2002-01-29 Canon Kabushiki Kaisha Magneto-optical medium having film with rounded upper corner and thickness decreasing to the side end on lands
KR20020069789A (ko) * 2001-02-28 2002-09-05 캐논 가부시끼가이샤 자구벽변위형 자기광학매체 및 그 제조방법
WO2004038717A1 (ja) * 2002-10-28 2004-05-06 Fujitsu Limited 光磁気記録媒体およびその形成方法
CN1297960C (zh) * 2003-12-15 2007-01-31 先锋株式会社 记录介质、记录和再现方法以及记录和再现装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6343052B1 (en) 1999-04-15 2002-01-29 Canon Kabushiki Kaisha Magneto-optical medium having film with rounded upper corner and thickness decreasing to the side end on lands
KR20020069789A (ko) * 2001-02-28 2002-09-05 캐논 가부시끼가이샤 자구벽변위형 자기광학매체 및 그 제조방법
WO2004038717A1 (ja) * 2002-10-28 2004-05-06 Fujitsu Limited 光磁気記録媒体およびその形成方法
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