JPH11326844A - メガネフレームにおける屈曲継手構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 メガネフレームのツルを折り畳み出来るよう
に連結する継手において、製作が簡単であって、しかも
ツルのガタ付きが生じない継手構造の提供。 【解決手段】 ヨロイ端にはコイルバネ７で構成した継
手部５を設け、またツル端にコイルバネ９にて構成した
継手部６を設けてヨロイ端の継手部５に螺合して連結
し、両コイルバネ７、９は僅かな締まり公差をもって螺
合し、ヨロイ端の継手部から線材を延ばしてツルが開い
た際の位置決めとなるストッパー８を形成している。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明はメガネフレームを構
成する部材が屈曲して取り付けされる継手構造に関する
ものである。

【０００２】

【従来の技術】メガネフレームにはツルが取り付けら
れ、該ツルは折り畳まれる。ツルが折り畳まれるよう
に、フロント部の両側にロウ付けされたヨロイには蝶番
等の継手が設けられているが、非常に小さな蝶番によっ
て長いツルを連結している為に、ネジの緩みや摺動面の
摩耗によりツルはガタ付き、時々ネジの増し締めをしな
くてはならない。

【０００３】又メガネにはフロント部の正面にサングラ
スを組み合わせて跳ね上げ式としたものがあり、この跳
ね上げ式フレームも蝶番にて連結されている。従って該
蝶番ネジが緩んだり、蝶番の摺動面が摩耗するならばガ
タ付きを生じて跳ね上げしたフレームがその状態を保つ
ことが出来なくて落下してしまう。一方、化粧する場合
に使用するメガネであって、片側のリムを跳ね上げ可能
なように取り付けしたメガネも知られているが、同じよ
うに蝶番の摩耗等によりリムにガタ付きを生じる。

【０００４】近年では、ツルを連結する継手として従来
から多用されている蝶番に代わって別の継手構造が使用
されるケースも多いが、基本的には該継手部の摩耗等に
基づくガタ付きを防止することは出来ない。

【０００５】

【本発明が解決しようとする課題】このようにツルを折
り畳み出来るように連結する継手、跳ね上げ式フレーム
を取り付けする継手には上記のごとき問題がある。本発
明が解決しようとする課題はこの問題点であり、折り畳
み操作又は跳ね上げ操作によって継手部の摺動面が多少
摩耗してもガタ付くことのない継手構造を提供する。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明の継手構造はコイ
ルバネを使用し、大小２個のコイルバネで継手部を構成
して対にして用いる。すなわち大きなコイルバネの中に
小さなコイルバネを螺合して組み合わせ、互いにガタ付
くことなく、しかも回動することが出来る程度の締まり
公差となっている。大きなコイル径のコイルバネに小さ
なコイル径のコイルバネを螺合する場合、僅かの締め付
け公差を設けることで大径のコイルバネはその径を拡大
し、小さなコイルバネはその径を縮小することが出来
る。コイルバネである為に、長さを伸縮出来るのみなら
ず、曲がったりその径が増減したりすることも出来る。

【０００７】ここで、大径のコイルバネはネジ穴に、小
径のコイルバネはネジに相当して互いに螺合し、この場
合に僅かな締まり公差をもって螺合することで大小コイ
ルバネはガタ付くことなく、しかも回動することが出来
る。そして摺動面が摩耗した場合であっても締まり公差
が僅かに緩むだけであって、間に隙間が発生することは
ない。そして本発明では両継手部をコイルバネで構成す
るだけでなく、片方の継手部をネジとすることが出来
る。すなわち、大きなネジ穴を有す継手部に小径のコイ
ルバネを螺合したり、逆に大径のコイルバネの継手部に
小径のネジを螺合して継手を構成することが出来る。

【０００８】

【発明の実施の形態】ところで、互いに螺合した両コイ
ルバネの一端をそれぞれのメガネフレーム部品に連結、
又はコイルバネ線をそのまま延長してメガネフレームの
部品として成形することが出来る。例えば、大径コイル
バネをフロント部にロウ付けしたヨロイ端に設け、ツル
端には小径のコイルバネを形成することで、これら大小
コイルバネを螺合するならば、ツルはコイルバネにて構
成した継手部を介して折り畳み可能に連結され得る。

【０００９】又、跳ね上げ式フレームに適用する場合で
あれば、大径コイルバネをフロント部の上端縁に設け、
小径コイルバネを跳ね上げ式フレーム側にそれぞれ設け
ると共に両コイルバネを互いに螺合し、跳ね上げ式フレ
ームをフロント部正面に取り付け出来る。勿論、この場
合の大小コイルバネのコイル径はツルの場合と同じよう
に僅かな締まり公差をもって螺合する。以下、本発明に
係る実施例を図面に基づいて詳細に説明する。

【００１０】

【実施例】図１は本発明の継手構造を使用したメガネフ
レームを表している。メガネフレームとしての基本形態
は従来と同じであり、両リム１、１がブリッジ２により
連結され、リム１、１の外側にはヨロイ３、３がロウ付
けされている。そして、このヨロイ３にはツル４が折り
畳み出来るように連結されているが、このツル４の継手
として本発明の継手構造が使用されている。

【００１１】図２、図３はこの継手部の詳細図であり、
図４はヨロイ３とツル４が分離した状態での継手部を表
している。すなわち、ヨロイ端にはコイルバネで構成し
た継手部５を有し、一方のツル端にもコイルバネで構成
した継手部６を有している。ヨロイ端の継手部５は大き
なコイル径のコイルバネ７を形成し、先端はコイルバネ
から外方向へ屈曲して延び、ストッパー８と成ってい
る。

【００１２】そしてツル端のコイルバネ９はコイル径が
小さく、図３に示すようにヨロイ側に形成したコイルバ
ネ７にはツル端のコイルバネ９が螺合して連結する。コ
イルバネ７を構成するコイル線はネジ山となり、コイル
線の間はネジの谷と成って一種のネジ穴を構成すること
になる。このネジ穴にコイルバネ９は螺合することが可
能であるが、多少締まり公差をもって螺合し、大径のコ
イルバネ７は広げられると共に小径のコイルバネ９は縮
められる。

【００１３】従って、ツル４はヨロイ３の継手部５に形
成したコイルバネ７に取り付けされて折り畳まなれる。
そして多少の締まり公差をもって螺合している為にツル
の折り畳み操作はガタ付くことなく、しかも摺動面が摩
耗しても締まり公差が緩むだけであり、両コイルバネ
７、９間に隙間は生じない。勿論、両コイルバネ７、９
の摺動面が摩耗しにくいように適当な表面処理を施すこ
とは自由である。

【００１４】図３はツル４が開いた場合であり、ツル４
はヨロイ３に設けたコイルバネ７から連続して延びて形
成されたストッパー８に当たって位置決めされ、それ以
上開くことはない。バネ材で形成しているヨロイ３は撓
み変形することが出来る為に、ストッパー７に当たって
位置決めされたツル４はある程度撓むことが出来、メガ
ネを着用した際に顔の両側にフィットすることが出来
る。それに、コイルバネ７から延びた線材の先端が曲げ
られてストッパー８と成っていることから、該線材を曲
げ成形する位置や向きを適度に変えることでツルの開き
度は自由に調整され得る。

【００１５】図５は本発明の他の実施例を表している。
すなわち、メガネのフロント部に跳ね上げ式フレームを
取り付けしたメガネであり、該跳ね上げ式フレーム１０
は継手１１、１１を介して取り付けされている。継手１
１の構造は前記実施例と同じであるが、コイル径の大き
な一方の継手部１２はフロントリム１の上部にロウ付け
され、小径コイルバネから成る他方の継手部１３は跳ね
上げ式フレーム１０にロウ付けされている。継手部１３
は他の継手部１２に螺合して組み合わされ、跳ね上げ式
フレーム１０は継手１１を介して揺動し、フロント部と
抱き合わされたり、跳ね上げたり自由にすることが出来
る。

【００１６】図６には上記継手１１を分離して継手部１
２と継手部１３が別れている場合を示している。継手部
１２のコイルバネ１２に継手部１３のコイルバネが螺合
して継手１１となるが、前記ツル４の継手と同じく僅か
の締まり公差をもって螺合し、その結果、跳ね上げ式フ
レーム１０はガタ付くことなく、しかも跳ね上げられた
フレーム１０が独りでに落下して閉じることはない。

【００１７】図７は本発明の更に別の実施例であり、跳
ね上げ式リム１４を取り付けしたメガネを示している。
この跳ね上げ式リム１４は継手１５を介して揺動し、必
要に応じて跳ね上げることが出来る。継手５の構造は前
記実施例の場合と同じく大小２個のコイルバネを螺合し
て組み合わされている。図５に示した跳ね上げ式フレー
ムとは異なり、このように片方のリムを別々に跳ね上げ
することが出来る為に、化粧をする場合に便利である。
図７にはフロント部に片方の跳ね上げ式リム１４が取り
付けされている場合を示しているが、両側に取り付けし
てもよい。しかしこの跳ね上げ式リム１４はコイルバネ
を用いた継手構造である為に簡単に取り外し出来、その
リムを反対側に取り付けすることが可能である。

【００１８】以上述べたように、本発明の継手構造は大
小２個のコイルバネを互いに螺合し、この場合、僅かの
締まり公差をもって螺合したものであり、次のような効
果を得ることが出来る。

【００１９】

【発明の効果】本発明の継手構造はコイル径が異なる大
小２個のコイルバネを互いに螺合し、しかも僅かな締ま
り公差をもって螺合している為に、両コイルバネ間にガ
タ付きはなく、又摺動面が摩耗しても締まり公差が緩む
だけであり、両コイルバネ間に隙間が生じることはな
い。一方、コイルバネにて継手部を構成する為に製作は
容易であり、ツルの継手に使用する場合には、ツルの折
り畳み操作がガタ付くことはなく、又ツルが開いた状態
から多少外方向へ押し開くことが出来るバネ蝶番として
の機能を備える。

【図面の簡単な説明】

【図１】ツルの継手に本発明の継手構造を用いたメガネ
フレーム。

【図２】ツル継手の詳細図。

【図３】ツル継手の詳細斜視図。

【図４】ツル継手の分解図。

【図５】跳ね上げ式フレームを取り付けしたメガネ。

【図６】跳ね上げ式フレームの継手分解図。

【図７】跳ね上げ式リムを取り付けしたメガネ。

【符号の説明】

１ リム ２ ブリッジ ３ ヨロイ ４ ツル ５ 継手部 ６ 継手部 ７ コイルバネ ８ ストッパー ９ コイルバネ 10 跳ね上げ式フレーム 11 継手 12 継手部 13 継手部 14 跳ね上げ式リム 15 継手

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 メガネフレームの部品を屈曲出来るよう
   に連結する継手において、コイル径の異なる大小２個の
   コイルバネを使用し、大径のコイルバネの継手部に小径
   のコイルバネの継手部を螺合して組み合わせ、両コイル
   バネは僅かな締まり公差をもって螺合していることを特
   徴とするメガネフレームにおける屈曲継手構造。
2. 【請求項２】 メガネフレームのツルを折り畳み出来る
   ように連結する継手において、ヨロイ端にはコイルバネ
   で構成した継手部を設け、ツル端にコイルバネにて構成
   した継手部を設けて上記ヨロイ端の継手部に螺合して連
   結し、両コイルバネは僅かな締まり公差をもって螺合
   し、ヨロイ端の継手部から線材を延ばしてツルが開いた
   際の位置決めと成るストッパーを形成したことを特徴と
   するメガネフレームにおける屈曲継手構造。
3. 【請求項３】 メガネのフロント部正面に取り付けする
   跳ね上げ式フレームの継手において、フロント部上端に
   はコイルバネで構成した継手部を設け、跳ね上げ式フレ
   ームの縁にコイルバネにて構成した継手部を設けて上記
   フロント部の継手部に螺合して連結し、両コイルバネは
   僅かな締まり公差をもって螺合したことを特徴とするメ
   ガネフレームにおける屈曲継手構造。
4. 【請求項４】 メガネのフロント部正面に取り付けする
   跳ね上げ式リムの継手において、フロント部の側端には
   コイルバネで構成した継手部を設け、跳ね上げ式リムの
   側端にコイルバネにて構成した継手部を設けて上記フロ
   ント部側端の継手部に螺合して連結し、両コイルバネは
   僅かな締まり公差をもって螺合したことを特徴とするメ
   ガネフレームにおける屈曲継手構造。
5. 【請求項５】 互いに螺合する両継手部の片方をネジ又
   はネジ穴にて構成した請求項１、請求項２、請求項３、
   又は請求項４記載のメガネフレームにおける屈曲継手構
   造。