JP3022944U

JP3022944U - 眼鏡フレーム用バネ丁番

Info

Publication number: JP3022944U
Application number: JP1995009925U
Authority: JP
Inventors: 昇福岡
Original assignee: 株式会社フクオカラシ
Priority date: 1995-09-21
Filing date: 1995-09-21
Publication date: 1996-04-02
Anticipated expiration: 2001-09-21

Abstract

(57)【要約】【課題】構造が頗る簡素で組み立てが容易であり、し
かもメカニックな意匠効果を呈する装飾性に優れたバネ
丁番を提供すること。【構成】眼鏡フロント枠Ｆの左右両端のエンドピース
Ｅの端部に、先端部にカム面1b・1cを形成した駒部品１
を設ける一方、耳掛テンプルＴの基端部には当該駒部品
１にヒンジ連結可能な相方駒部品２を設け、テンプルＴ
の所定位置に形成した凸部６と前記駒部品１との間に圧
縮状態に挟んだ状態で、且つ、進退動可能にコイルバネ
５をテンプルＴに被嵌するという手段を採用した。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、眼鏡フレーム用バネ丁番の改良、更に詳しくは、構造が頗る簡素で組み立てが容易であり、しかもメカニックな意匠効果を呈する装飾性に優れた眼鏡用バネ丁番に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

眼鏡用バネ丁番は、眼鏡フロント枠の両端のエンドピースと耳掛テンプルとをヒンジ連結する丁番部分にバネ機構を組み込むことにより、フロント枠に対して耳掛テンプルを、折り畳み状態に或いは普通に開いた状態にそれぞれ弾性的に保持し得るように構成したものであり、さらに必要に応じてテンプルを普通に開いた状態から更に外側へ弾性的に拡開（以下、外側拡開と呼ぶ）可能に構成したものである。

【０００３】このようにテンプルの弾性開閉が可能になったことで、眼鏡装着時において、テンプルが側頭部を適度に締めつけることになり確実な眼鏡装着が可能となり、更にまた、テンプルの外側拡開が可能になったことで、たとえテンプル部に外部から無理な力が加わっても、外力がバネ丁番に吸収されることになりフロント枠の変形を防止することが可能になった。

【０００４】ところが、従来のバネ丁番は、テンプルの弾性開閉を実現するバネ体その他の部品が丁番部品内部に内蔵されて組み立てられていたため、どうしてもバネ丁番機構が複雑化・微小化してしまい、その組み立て作業も神経を使う非常に手間のかかるものとなり、バネ丁番の製造コストを押し上げる結果となった。また、バネ体その他の部品が内蔵されていたため、これら部品を利用して眼鏡のデザイン性を高めるという一挙両得の発想も全くなく、精々バネ丁番のスリム化を図るのみであった。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は、従来のバネ丁番に上記の如き難点があったことに鑑みて為されたものであり、構造が頗る簡素で組み立てが容易であり、しかもメカニックな意匠効果を呈する装飾性に優れたバネ丁番を提供することを第１の技術的課題とする。

【０００６】また本考案は、上記第１の技術的課題に加えて、バネ弾性力を簡単に調節することのできるバネ丁番を提供することを第２の技術的課題とするものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

本考案は、上記第１の技術的課題を解決するために、眼鏡フロント枠Ｆの左右両端のエンドピースＥの端部に耳掛テンプルＴを折り畳み自在にヒンジ連結するバネ丁番であって、前記エンドピースＥの持出側の端部に設けられ、先端部にはカム面１ｂ・１ｃが形成された駒部品１と；前記テンプルＴの基端部に設けられ、前記駒部品１にヒンジ螺子３にてヒンジ連結される相方駒部品２と；このテンプルＴの所定位置に形成した凸部６と前記駒部品１との間に圧縮状態に挟まれた状態で、テンプルＴの基端側に進退可能に被嵌されたコイルバネ５と；を包含し、この圧縮状態のコイルバネ５による付勢力を駒部品１のカム面１ｂ・１ｃに作用せしめて、フロント枠Ｆに対しテンプルＴを所要の開閉位置で弾性的に保持可能に構成するという技術的手段を採用した。

【０００８】また、本考案は必要に応じて、圧縮状態のコイルバネ５と駒部品１との間に、テンプルＴに被嵌した状態で筒状のスライダー４を介装せしめるという技術的手段を採用した。

【０００９】また、本考案は必要に応じて、駒部品１の駒根元に当り面１ａを形成すると共に、相方駒部品２の駒先端に規制面２ａを形成し、この当り面１ａと規制面２ａとを衝合させることによってテンプルＴの外側拡開を所定角度内に規制するという技術的手段を採用した。

【００１０】更にまた、本考案は、上記第２の技術的課題を解決するために、コイルバネ５を支えるべき凸部６が、テンプルＴの所定位置に形成された雄ねじ63に螺合すべき雌ねじ62を具備した筒形状のストッパー61で構成されており、このストッパー 61を回動させることによりストッパー61の位置を変化させてコイルバネ５の弾性力を調節可能にするという技術的手段を採用した。

【００１１】

【考案の実施の形態】

以下、本考案を添付図面に示す実施例に基づき詳しく説明する。なお、図１は本実施形態のバネ丁番を適用した眼鏡フレームを示す概略平面図、図２は本実施形態のバネ丁番を示す概略斜視図、図３は同バネ丁番を分解した状態を示す拡大斜視図、図４は同バネ丁番においてテンプルＴを使用状態に開いた様子を示す拡大平面図、図５は同バネ丁番においてテンプルＴを最も外側拡開させた様子を示す拡大平面図である。

【００１２】図１中、符号Ｆで指示するものは、一対のリムＲ・ＲがブリッジＢにより左右対称に連結されて成る眼鏡フロント枠であり、このフロント枠Ｆの左右両端には各々エンドピースＥ・Ｅがロウ付け接合されている。また、図中の符号Ｎで指示するものは一対のリムＲ・Ｒの対向内側部分にロウ付け接合された鼻当パッドであり、符号Ｔで指示するものは耳掛テンプルである。

【００１３】本実施形態のバネ丁番は、このエンドピースＥの端部にテンプルＴを弾性回動可能にヒンジ連結するものである。即ち、図２及び図３に示すように、エンドピースＥの持出側の端部には、先端にカム面１ｃ・１ｂを形成した二枚駒式の駒部品１が設けられている一方、テンプルＴの基端部には一枚駒式の相方駒部品２が設けられており、これら駒部品１と相方駒部品２とがヒンジ螺子３によってヒンジ連結されている。

【００１４】そして、テンプル開閉を弾性的に行なわせるために、このヒンジ連結機構部にストッパー61、コイルバネ５、およびスライダー４が付設されている。つまり、テンプルＴの基端側には円筒状のスライダー４とコイルバネ５とが各々進退可能に被嵌されており、このテンプルＴの所定位置に形成した雄ねじ63部分に、内周に雌ねじ62を有する円筒状のストッパー61が螺着されているのである。

【００１５】このテンプルＴ基端部に螺着したストッパー61によりコイルバネ５の一端を支えるようにしながらコイルバネ５を圧縮させ、この圧縮状態のコイルバネ５の弾性付勢力を利用することによって、前記スライダー４をして前記駒部品１のカム面１ｂ・１ｃへ付勢状態で接触せしめているのである。

【００１６】この構成によって、スライダー４と駒部品１のカム面１ｂ・１ｃとが協働してテンプルＴの弾性的な開閉動が可能になる。つまり、圧縮状態のコイルバネ５によりスライダー４は常に駒部品１方向へ付勢されることになるので、ヒンジ連結部の回動に伴い駒部品１先端面上を摺動移動するスライダー４が、カム面１ｂに当接すれば、其処でスライダー４が弾性的に安定してテンプルＴがフロント枠Ｆに対して折り畳み状態に保持されることになり、一方、このスライダー４がカム面１ｃに当接すれば、テンプルＴがフロント枠Ｆに対して普通に開いた状態（図４参照）に保持されることになるのである。

【００１７】そして、テンプルＴを普通に開いた状態から更に外側へ拡開（外側拡開）させた場合には（図５参照）、駒部品１の角部によりスライダー４がコイルバネ５の弾性に抗してストッパー61側へ押されることになるので、この外側拡開させるための外力を除けば、コイルバネ５の弾性によりスライダー４が直ちにカム面１ｃと当接し合う安定状態に戻り、テンプルＴが普通に開いた状態に弾性復帰するのである。

【００１８】なお、本実施形態のバネ丁番にあっては、二枚駒式に形成した駒部品１の駒根元部分に当り面１ａを形成している一方、一枚駒式に形成した相方駒部品２の駒先端には規制面２ａを形成している。本実施形態のバネ丁番は、この当り面１ａと規制面２ａとが互いに衝合することによって、テンプルの外側拡開が所定角度（本実施形態では約１５°）以内に制限されるように構成しているのである。

【００１９】また、本実施形態では、上述した如くコイルバネ５のテンプル側端部を、テンプル基端部に螺着したストッパー61で支えるようにしているので、このストッパー61を回動させれば、ストッパー61の位置を適宜に調整することができる。したがって、このストッパー61によりコイルバネ５の圧縮状態を調整することが可能となり、テンプル開閉の弾性力等を状況に応じて手軽に調整し得るのである。

【００２０】本考案の具体例である実施形態は概ね上記のように構成されているが、本考案は上記実施例に限定されるものではなく『実用新案登録請求の範囲』の記載内で種々の変更が可能である。例えば、上記実施形態においては、エンドピース側の駒部品１を二枚駒式に構成しているが、これに限定されるものではなくテンプル側の相方駒部品２の方を二枚駒式に構成するようにしても良い。

【００２１】また、上記実施形態では、コイルバネ５のテンプル側の端部を、テンプル基端部に螺着した位置調節可能なストッパー61で支えるようにしているが、勿論これに限定されるものではない。このストッパーは圧縮状態のコイルバネ５の一端を支持することができれば足りるのであり、単にロッド部の所定位置に凸部を設けてコイルバネ５を支えるようにしても良い。このとき、ねじ部を形成することなくリング形状の部品をロッド部の所定位置にロウ付け接合して凸部を形成するようにすれば、更に組み立ての容易化を図ることが可能になる。

【００２２】

【考案の効果】

以上、実施形態をもって説明したとおり、本考案に係るバネ丁番にあっては、テンプルの弾性的開閉動作を実現するためのバネ部品等を、丁番内部に内蔵するのではなく、テンプルの基端側を軸芯として利用しその外側に被嵌して配設するようにしているので、従来品の如く各構成部品を極限まで微小化することも必要でなく、組み立て作業が格段に容易になりバネ丁番を安価に提供することが可能になる。また、このロッド部に被嵌するバネ体等自体を、眼鏡フレーム全体の装飾性・デザイン性向上に寄与させることも可能なので、例えば着色したバネ体等を用いるなどすれば、メカニックな意匠効果を呈するファッショナブルで斬新なバネ丁番を備えた眼鏡フレームを提供することが可能になる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本実施形態のバネ丁番を適用した眼鏡フレーム
を示す概略平面図である。

【図２】本実施形態のバネ丁番を示す概略斜視図であ
る。

【図３】同バネ丁番を分解した状態を示す拡大斜視図で
ある。

【図４】同バネ丁番においてテンプルＴを使用状態に開
いた様子を示す拡大平面図である。

【図５】同バネ丁番においてテンプルＴを最も外側拡開
させた様子を示す拡大平面図である。

【符号の説明】

１駒部品１ａ当り面１ｂカム面１ｃカム面２相方駒部品２ａ規制面３ヒンジ螺子４スライダー５コイルバネ６凸部 61 ストッパー 62 雌ねじ 63 雄ねじＥエンドピースＦフロント枠Ｔテンプル

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】眼鏡フロント枠Ｆの左右両端のエンドピ
ースＥの端部に耳掛テンプルＴを折り畳み自在にヒンジ
連結するバネ丁番であって、前記エンドピースＥの持出側の端部に設けられ、先端部
にはカム面１ｂ・１ｃが形成された駒部品１と；前記テ
ンプルＴの基端部に設けられ、前記駒部品１にヒンジ螺
子３にてヒンジ連結される相方駒部品２と；このテンプ
ルＴの所定位置に形成した凸部６と前記駒部品１との間
に圧縮状態に挟まれた状態で、テンプルＴの基端側に進
退可能に被嵌されたコイルバネ５と；を包含し、この圧
縮状態のコイルバネ５による付勢力を駒部品１のカム面
１ｂ・１ｃに作用せしめて、フロント枠Ｆに対しテンプ
ルＴを所要の開閉位置で弾性的に保持可能に構成したこ
とを特徴とする眼鏡フレーム用バネ丁番。
【請求項２】圧縮状態のコイルバネ５と駒部品１との
間に、テンプルＴに被嵌した状態で筒状のスライダー４
を介装せしめたことを特徴とする請求項１記載の眼鏡フ
レーム用バネ丁番。
【請求項３】駒部品１の駒根元に当り面１ａを形成す
ると共に、相方駒部品２の駒先端に規制面２ａを形成
し、この当り面１ａと規制面２ａとを衝合させることに
よってテンプルＴの外側拡開を所定角度内に規制するよ
うにしたことを特徴とする請求項１又は請求項２記載の
眼鏡フレーム用バネ丁番。
【請求項４】コイルバネ５を支えるべき凸部６が、テ
ンプルＴの所定位置に形成された雄ねじ63に螺合すべき
雌ねじ62を具備した筒形状のストッパー61で構成されて
おり、このストッパー61を回動させることによりストッ
パー61の位置を変化させてコイルバネ５の弾性力を調節
可能にしたことを特徴とする請求項１〜請求項３の何れ
か一つに記載の眼鏡フレーム用バネ丁番。