JPH11323789A - 紙基材及びそれを使用した粘着シート - Google Patents

紙基材及びそれを使用した粘着シート

Info

Publication number
JPH11323789A
JPH11323789A JP10122145A JP12214598A JPH11323789A JP H11323789 A JPH11323789 A JP H11323789A JP 10122145 A JP10122145 A JP 10122145A JP 12214598 A JP12214598 A JP 12214598A JP H11323789 A JPH11323789 A JP H11323789A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
paper
layer
sensitive adhesive
pressure
adhesive sheet
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP10122145A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4149559B2 (ja
Inventor
Makoto Sakakibara
誠 榊原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
3M Co
Original Assignee
Minnesota Mining and Manufacturing Co
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Minnesota Mining and Manufacturing Co filed Critical Minnesota Mining and Manufacturing Co
Priority to JP12214598A priority Critical patent/JP4149559B2/ja
Priority to CNB99805660XA priority patent/CN1202310C/zh
Priority to KR1020007011971A priority patent/KR100582046B1/ko
Priority to DE19983171T priority patent/DE19983171B4/de
Priority to PCT/US1999/008416 priority patent/WO1999057372A1/en
Publication of JPH11323789A publication Critical patent/JPH11323789A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4149559B2 publication Critical patent/JP4149559B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • DTEXTILES; PAPER
    • D21PAPER-MAKING; PRODUCTION OF CELLULOSE
    • D21HPULP COMPOSITIONS; PREPARATION THEREOF NOT COVERED BY SUBCLASSES D21C OR D21D; IMPREGNATING OR COATING OF PAPER; TREATMENT OF FINISHED PAPER NOT COVERED BY CLASS B31 OR SUBCLASS D21G; PAPER NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • D21H27/00Special paper not otherwise provided for, e.g. made by multi-step processes
    • D21H27/30Multi-ply
    • D21H27/38Multi-ply at least one of the sheets having a fibrous composition differing from that of other sheets
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09JADHESIVES; NON-MECHANICAL ASPECTS OF ADHESIVE PROCESSES IN GENERAL; ADHESIVE PROCESSES NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE; USE OF MATERIALS AS ADHESIVES
    • C09J7/00Adhesives in the form of films or foils
    • C09J7/20Adhesives in the form of films or foils characterised by their carriers
    • C09J7/21Paper; Textile fabrics
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09JADHESIVES; NON-MECHANICAL ASPECTS OF ADHESIVE PROCESSES IN GENERAL; ADHESIVE PROCESSES NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE; USE OF MATERIALS AS ADHESIVES
    • C09J2203/00Applications of adhesives in processes or use of adhesives in the form of films or foils
    • C09J2203/31Applications of adhesives in processes or use of adhesives in the form of films or foils as a masking tape for painting
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09JADHESIVES; NON-MECHANICAL ASPECTS OF ADHESIVE PROCESSES IN GENERAL; ADHESIVE PROCESSES NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE; USE OF MATERIALS AS ADHESIVES
    • C09J2400/00Presence of inorganic and organic materials
    • C09J2400/20Presence of organic materials
    • C09J2400/28Presence of paper
    • C09J2400/283Presence of paper in the substrate
    • DTEXTILES; PAPER
    • D21PAPER-MAKING; PRODUCTION OF CELLULOSE
    • D21HPULP COMPOSITIONS; PREPARATION THEREOF NOT COVERED BY SUBCLASSES D21C OR D21D; IMPREGNATING OR COATING OF PAPER; TREATMENT OF FINISHED PAPER NOT COVERED BY CLASS B31 OR SUBCLASS D21G; PAPER NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • D21H15/00Pulp or paper, comprising fibres or web-forming material characterised by features other than their chemical constitution
    • D21H15/02Pulp or paper, comprising fibres or web-forming material characterised by features other than their chemical constitution characterised by configuration

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Paper (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Adhesive Tapes (AREA)
  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 二次層を支持するための紙基材に関し、特に
粘着シートの製造に有利に使用することのできる紙基材
を提供することを目的とする。 【解決手段】 第1の紙層及び第2の紙層の2層抄き合
わせ構造を有していて、前記第1の紙層及び第2の紙層
が、それぞれ、木材パルプ及び短繊維から、木材パルプ
に対する短繊維の混抄率を異にして製造されたものであ
るように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、紙基材に関し、さ
らに詳しく述べると、二次層を支持するための紙基材に
関する。ここで、「二次層」とは、紙基材によってその
上に支持されるべき層、換言すると、紙基材の上に追加
的にあるいは付随的に形成されるべき層、例えば粘着剤
層、塗料層、インク層などの各種の層あるいは膜を意味
している。本発明は、また、かかる紙基材の使用、特
に、本発明の紙基材を使用した粘着シートに関する。本
発明の粘着シートは、特にそれをマスキング材として使
用した場合、手切れ性を損なわずに所望の形状で引き裂
き、適正なマスキングを行うことができ、また、使用後
には、引き裂け、破断や剥離残りなどを伴わずに1回の
作業できれいに剥離することができる。なお、「手切れ
性」とは、以下において説明するように、紙基材を手で
引き裂く時に、所望とする引き裂き線にそって良好に引
き裂くことができ、よって、例えば、紙層における上層
及び下層の分離が生じて、上層のみが引き裂けて、下層
が少なくとも部分的に残ってしまうような不都合が発生
しないことを意味している。
【0002】
【従来の技術】従来、粘着シートとして多種多様な製品
が提案され、市販されている。同様に、かかる粘着シー
トにおいて粘着剤層を支持する基材としても、いろいろ
なタイプの基材が知られている。多くの基材のなかで、
粘着シートをある目的で被着体に貼着し、その目的の終
了とともに剥離するような場合には、一般に、叩解した
木材パルプと合成短繊維等とを混抄し、これに例えばブ
チルゴムのような合成ゴム類を均一に含浸固着させた多
孔性基材が用いられている。しかし、この種の多孔性基
材では、合成ゴム類の含浸量が少なすぎると、粘着シー
トの剥離時に、基材の強度が接着強度に抗しきれず、裂
けたり破断したりするという問題があり、反対に含浸量
が多すぎると、物理的強度の向上の結果として上記した
問題は解消することができるけれども、テープの浮きと
いう新たな問題が発生する。
【0003】日本特許第2589357号は、上記した
ような従来の粘着シート用多孔性基材の問題点を解消す
るために発明された多孔性基材に係り、第1の表面層側
と第2の表面層側で繊維状物質密度が異なり、第1の表
面層側が第2の表面層側よりも繊維状物質密度が高い繊
維状物質からなる多孔性薄葉材料にゴム及び/又は合成
樹脂類が含浸されており、且つ該含浸量は第1の表面層
側が第2の表面層側より多いものであることを特徴とし
ている。この多孔性基材を粘着シートに使用すると、第
1の表層側のゴム等の含浸量を第2の表層側のそれより
も多くしたので、物理的強度を向上させることができ、
しかも、第2の表層側の存在により剛性が抑制されてい
るので、粘着シート貼着時のシートの被着体に対する追
従性を向上させ、浮きなく貼り付けることができ、しか
も剥離時は破断したりすることなく剥がせるという効果
がある。
【0004】しかしながら、日本特許第2589357
号に記載の多孔性基材の場合、第1の表層側のゴム等の
含浸量を多くすることにより物理的強度を向上させ、シ
ートの裂けや破断を防止することができるけれども、強
度が向上した分だけ、手で容易に切断することができな
くなるという欠点、換言すると、手切れ性が悪いという
欠点を有している。、貼着作業性、取り扱い性などの面
から、粘着テープを容易に手で切断できるということ
は、非常に重要な課題である。
【0005】また、日本特許第2589357号に記載
の多孔性基材において、それを構成する多孔性薄葉材料
の第1の表面層側は第2の表面層側よりも繊維状物質密
度が高い繊維状物質(すなわち、クラフト紙、クレープ
紙、和紙など、好ましくは、叩解した木材パルプと合成
短繊維とを混抄した和紙)から形成されるけれども、こ
のような繊維状物質において、木材パルプと合成短繊維
との混抄率を変えようと試みた場合、いくつかの不都合
を避けることができない。例えば、多孔性基材の片面に
粘着剤層を付与して粘着シートとして使用した場合、も
しもその基材中の木材パルプに対する合成短繊維の混抄
率が小さいとすると、得られる基材が物理的強度に乏し
くなり、粘着シートを剥離する時、被着体に対する粘着
剤層の接着強度のほうが基材そのものの強度よりも大で
あるので、粘着シートにおいて裂けや破断が生じてしま
い、良好な剥離が行えないという問題が発生する。反対
に、合成短繊維の混抄率を大きくすると、引裂き強度も
向上するため、上記したような粘着シートにおける裂け
や破断の問題を解消することができるが、同時に粘着シ
ートを手で引き裂き、切断することが困難になり、よっ
て、貼付作業性の低下を意味する、先に説明した「手切
れ性」の低下の問題が新たに発生する。また、合成短繊
維の混抄率の増加は、得られる粘着シートの価格の高騰
も引き起こす。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
したような従来の技術の問題点を解決して、粘着シート
の基材として使用した時に、手切れ性を損なわずに引き
裂き、切断することができ、粘着シートの使用後にはシ
ートの裂けや破断などを伴わずにきれいに剥離すること
ができる、改良された基材を提供することにある。
【0007】本発明のさらにもう1つの目的は、特にマ
スキング材として有利に使用することのできる、改良さ
れた粘着シートを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、その1つの面
において、二次層を支持するための紙基材であって、第
1の紙層及び第2の紙層の2層抄き合わせ構造を有して
いて、前記第1の紙層及び第2の紙層が、それぞれ、木
材パルプ及び短繊維から、木材パルプに対する短繊維の
混抄率を異にして製造されたものであることを特徴とす
る紙基材を提供する。
【0009】また、本発明は、そのもう1つの目的にお
いて、紙基材とその1つの表面に設けられた粘着剤層と
を含む粘着シートであって、前記紙基材が、第1の紙層
及び第2の紙層の2層抄き合わせ構造を有していて、前
記第1の紙層及び第2の紙層が、それぞれ、木材パルプ
及び短繊維から、木材パルプに対する短繊維の混抄率を
異にして製造されたものであり、そして前記粘着剤層
が、前記第1及び第2の紙層のうち前記木材パルプに対
する短繊維の混抄率が大きい第1の紙層の表面に設けら
れていることを特徴とする粘着シートを提供する。
【0010】本発明による粘着シートにおいて、好まし
くは、それを構成する紙基材は、さらに、その紙基材の
全体に含浸せしめられたゴム及び(又は)合成樹脂を含
有するとともに、前記第1の紙層とは反対側に位置する
第2の紙層の表面にトップコート層を有している。好ま
しいことに、かかる粘着シートは、特にマスキング材と
して有利に用いることができる。
【0011】本発明による紙基材では、上記したよう
に、第1の紙層と第2の紙層の間で、それぞれの紙層を
構成する木材パルプ及び短繊維の中の短繊維の混抄率に
差を設けたことに特徴がある。ここで、短繊維の「混抄
率」とは、木材パルプ及び短繊維から紙を抄く時の、す
なわち、叩解された木材パルプに水を加えて粥状にした
後、さらに短繊維を加えてパルプ液を作製し、さらにこ
のパルプ液を抄紙機で抄く時の、パルプ液中に含まれる
木材パルプに対する短繊維の混合割合を指している。ま
た、本発明では、紙基材を構成する第1及び第2の紙層
において、第1の紙層のほうが、いま1つの紙層である
第2の紙層よりも、短繊維の混抄率が大きいことにもう
1つの特徴がある。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明をその好ましい実施
の形態について説明する。本発明による紙基材は、先に
説明したように、特に二次層を支持するように設計され
ており、また、したがって、第1の紙層及び第2の紙層
の2層抄き合わせ構造を有していて、前記第1の紙層及
び第2の紙層が、それぞれ、木材パルプ及び短繊維か
ら、木材パルプに対する短繊維の混抄率を異にして製造
されたものであることを特徴としている。
【0013】第1及び第2の紙層のそれぞれにおいて第
1の混抄成分として用いられる木材パルプは、製紙の分
野で抄紙原料として一般的に用いられている木材パルプ
であることができ、通常、叩解した木材パルプである。
また、第2の混抄成分として用いられる短繊維は、同じ
く製紙の分野で抄紙原料として一般的に用いられている
短繊維であることができ、天然及び合成の各種の短繊維
を包含する。適当な短繊維の例は、以下に列挙するもの
に限定されるわけではないけれども、例えばポリビニル
アルコール繊維、例えば一般名「ビニロン」で呼ばれて
いるもの、ポリアミド繊維、例えばデュポン社から商標
名「ナイロン」として入手可能なポリアミド繊維、ポリ
エステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタ
ン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリ
ロニトリルなどの合成短繊維、例えばセルロースなどの
半合成短繊維、例えばレーヨンなどの再生短繊維、例え
ば靭皮、種子毛、葉脈、果実、獣毛、石綿(アスベス
ト)などの天然短繊維、例えばガラス、金属などの無機
短繊維、その他である。なかんずく、本発明の紙基材の
調製には、合成短繊維を第2の混抄成分として有利に使
用することができる。このような短繊維の長さは、通
常、約3〜20mmの範囲であるのが好ましい。
【0014】それぞれ木材パルプ及び短繊維から形成さ
れる第1及び第2の紙層において、木材パルプに対する
短繊維の混抄率は、通常、約50%以下であることが好
ましい。また、本発明の紙基材では、これらの2つの紙
層において、それぞれの混抄率は同一でない。両者の混
抄率の差は、特に限定されるものではなく、数%程度の
小さな差であってもよく、さもなければ約20〜30%
もしくはそれ以上の大きな差であってもよい。しかし、
両者の混抄率の差が50%を越えると、手切れ性が悪く
なることもあり得るので、通常、50%未満であるのが
好ましい。また、本発明の紙基材をマスキング目的の粘
着シートの製造に使用すると、得られた粘着シートを被
着体に適用した後の剥離時の切れ(「スリパリング」と
も呼ばれる)には、第1及び第2の紙層の間の混抄率の
差が大きく影響してくる。例えば、混抄率を大きく高め
たとしても、第1の層と第2の層とで混抄率が逆転して
しまうと、一般的にスリパリングの悪化が発生する。過
去には、紙を表裏関係なく一様に抄いて、紙全体の混抄
率を上昇させることで、スリパリングの防止を図ってき
た。
【0015】本発明では、第1及び第2の紙層において
このような混抄率の差を生ぜしめることは、好ましく
は、それぞれの紙層の調製段階で、最終的に所望とされ
る混抄率の差を認識して、木材パルプと短繊維の混合割
合を変更することによって行われる。本発明の紙基材を
特に粘着剤層の支持に使用するような場合、すなわち、
本発明の紙基材を使用して粘着シートを製造するような
場合には、以下において詳細に説明するように、第1及
び第2の紙層のうち短繊維の混抄率が大きいほうを第1
の紙層として、この第1の紙層の表面に粘着剤層を設け
ることが好ましい。
【0016】上記したような第1及び第2の紙層を抄き
合わせて2層抄き合わせ構造とすることは、通常、例え
ば厚紙の抄紙に用いられている装置、例えば多層抄きフ
ォーマーを使用した抄紙方法により、第1及び第2の紙
層を別々に抄紙した後、両者の界面が識別できない程度
に一体的に抄き合わせることにより、有利に実施するこ
とができる。また、このようにして本発明の紙基材を製
造するに当たって、第1及び第2の紙層の坪量(g/
m2)を、それらの坪量の比が95:5〜5:95となる
ように調整することが好ましい。このように坪量比を調
整された紙基材は、第1の紙層において、高められた物
理的強度、例えば引裂き強度、破断強度、層間強度等、
を奏することができる。
【0017】本発明による紙基材は、いろいろな追加の
層を支持した製品を製造するために有利に使用すること
ができ、特に粘着シートの製造に有利に使用することが
できる。粘着シートは、通常、本発明の紙基材とその1
つの表面に設けられた粘着剤層とを含む構成を有するこ
とができ、好ましくは、第1及び第2の紙層のうち短繊
維の混抄率が大きい第1の紙層の表面に粘着剤層が設け
られる。かかる粘着シートにおける紙基材の厚さやその
上の粘着剤層の厚さ、粘着剤の種類などは、いずれもこ
の技術分野において一般的に知られているものをそのま
ま、あるいは最終用途に応じて選択あるいは変更して適
用することができる。また、本発明の粘着シートは、必
要に応じて、粘着剤層と同じ側あるいは粘着剤層とは反
対側に別の層を有していてもよく、適当な層としては、
例えば離型層などを挙げることができる。
【0018】本発明の粘着シートは、特に塗装作業等で
マスキング材として有利に使用することができる。ま
た、かかる使途のため、紙基材がさらに、その紙基材の
全体に含浸せしめられた水分散系含浸剤、好ましくはゴ
ム又は合成樹脂あるいはその組み合わせを主成分として
含有する水分散系含浸剤を含有するとともに、第1の紙
層とは反対側に位置する第2の紙層の表面にトップコー
ト層を有していることが有利である。
【0019】本発明の粘着シートの製造において水分散
系含浸剤として有利に使用することのできるゴムは、例
えば、天然ゴム、合成イソプレンゴム、ブチルゴム、ス
チレンブタジェンゴム、アクリルゴムなどであり、ま
た、同じく有利に使用することのできる合成樹脂は、例
えば、アクリル樹脂などである。これらの含浸剤は、そ
の好ましい含浸量を固形分基準で説明すると、通常、1
〜30g/m2の範囲、より好ましくは5〜20g/m2
範囲である。紙基材中の含浸剤の含有量が1g/m2を下
回ると、繊維の結束が乏しくなり、マスキング用粘着シ
ートの基材として利用できなくなる。また、紙基材が第
1及び第2の紙層間で割れて残ってしまい、再剥離がで
きなくなることもある。反対に、含浸剤の含有量が30
g/m2を上回ると、基材の剛性が強くなりすぎるので、
引裂き強度が低下して短繊維添加の効果がなくなってし
まう、すなわち、紙を主体とした樹脂フィルムになって
しまう。なお、かかる含浸剤の紙基材に対する適用は、
いろいろな手法に従って行うことかでき、好ましくは、
コーティング法、サイズプレス法、浸漬法などを挙げる
ことができる。
【0020】第2の紙層の表面に適用されるべきトップ
コート層は、いろいろなトップコート剤から形成するこ
とができる。好ましいトップコート剤は、例えば、ポリ
酢酸ビニル系エマルジョン、ポリアクリル系エマルジョ
ンなどである。成膜のため、各種のコーティング法を有
利に使用することができる。上記のようにして第1及び
第2の紙層を抄き合わせ、さらにゴム及び(又は)合成
樹脂を含浸して製造した紙基材を使用してマスキング目
的の粘着シートを製造することは、いろいろな手順に従
って行うことができるというものの、好ましくは、紙基
材の第2の紙層の表面に上記したようなトップコート剤
をコーティングしてトップコート層を形成し、その層の
上にさらに、シリコーン系樹脂、長鎖アルキルエステル
樹脂などの弱粘着性材料の層を背面処理剤として設ける
ことにより、行うことができる。次いで、紙基材の表面
のうち、第1の紙層の表面(第2の紙層に接していない
面)に対して、上記したように、天然ゴム系、アクリル
ゴム系などの常用の粘着剤を施して粘着剤層を形成する
ことができる。
【0021】
【実施例】引き続いて、本発明をその実施例を参照して
さらに説明する。実施例1 紙基材の調製:叩解した木材パルプに対して20重量%
(全量基準)の量のポリビニルアルコール(ビニロン)
短繊維(長さ:約3〜20mm、クラレ社製)を混合して
粥状のパルプ液を調製し、さらにこのパルプ液を抄紙機
で坪量20g/m2となるように抄いて第1の紙層を調製
した。さらに、ビニロン短繊維を混抄しないという相違
点を除いて上記と同様な手法を繰り返した。坪量20g
/m2の第2の紙層が得られた。次いで、第1及び第2の
紙層を、多層抄きフォーマーを使用した抄紙方法によ
り、2つの紙層の界面が識別できない程度に一体的に抄
き合わせて、和紙様の風合いを有する総坪量40g/m2
の紙基材を調製した。
【0022】得られた紙基材の全体に含浸剤としてのア
クリル樹脂エマルジョンを固形分の含浸量が5g/m2
なるような条件下で浸漬法により含浸した。このように
して得られたアクリル樹脂含浸紙基材の手切れ性を評価
するため、JIS P8116に規定される手順に従っ
て紙基材の縦方向及び横方向の引裂き強度を測定した。
下記の第1表に記載のような測定結果が得られた。 粘着テープの調製:上記した工程で調製したアクリル樹
脂含浸紙基材の第1の紙層(ビニロン短繊維を混抄)の
表面にアクリル系感圧性粘着剤、マスキング用アクリル
接着剤(商品名、MT TACK5268ER、三井化
学社製)を塗布して膜厚30μmの粘着剤層を形成し
た。さらに、ビニロン短繊維を混抄しなかった第2の紙
層の表面にポリ酢酸ビニルエマルジョン、スミカフレッ
クス(登録商標、住友化学社製)を被覆量3g/m2で塗
工して乾燥し、その上にさらに長鎖アルキルアクリル樹
脂(易剥離処理剤として)を被覆量0.05g/m2で塗
工して再び乾燥した。紙基材の片面に粘着剤層を有する
粘着テープが得られた。
【0023】得られた粘着テープの耐裂け性を評価する
ため、JIS Z2307に規定される手順に従って5
枚のアルミパネル(幅30mm×長さ100mm)を用意
し、それぞれのアルミパネルに幅15mmに細断した粘着
テープを貼り付け、さらにその粘着テープの上を荷重2
kgのローラーを300mm/分で1往復させた。ローラー
の圧着により粘着テープをアルミパネルに完全に密着さ
せた後、室温で16時間にわたって放置した。所定の放
置時間が完了した後、アルミパネルから粘着テープを、
180°の剥離方向で、手で素早く引き剥がし、5枚の
アルミパネルに圧着した粘着テープののうち何枚の粘着
テープにおいて裂けが発生したかを目視により確認し
た。下記の第1表に記載のような耐裂け性に関する結果
(0/5、すなわち、粘着テープの裂けは全く発生せ
ず)が得られた。実施例2 前記実施例1に記載の手法を繰り返した。本例では、混
抄率の変化の手切れ性及び耐裂け性に及ぼす影響を評価
するため、下記の第1表に記載するように、第1の紙層
におけるビニロン短繊維の混抄率を20重量%から30
重量%に増加した。第1及び第2の紙層を、多層抄きフ
ォーマーを使用した抄紙方法により、2つの紙層の界面
が識別できない程度に一体的に抄き合わせて、和紙様の
風合いを有する総坪量40g/m2の紙基材を調製した。
引き続く処理により、前記実施例1において得られたも
のと同様なアクリル樹脂含浸紙基材及び粘着テープが得
られた。
【0024】得られたアクリル樹脂含浸紙基材の手切れ
性及び粘着テープの耐裂け性をそれぞれ前記実施例1に
記載の手法に従って評価したところ、下記の第1表に記
載の結果が得られた。実施例3 前記実施例1に記載の手法を繰り返した。本例では、混
抄率の変化の手切れ性及び耐裂け性に及ぼす影響を評価
するため、下記の第1表に記載するように、第1の紙層
におけるビニロン短繊維の混抄率を20重量%のまま維
持し、しかし、第2の紙層において、ビニロン短繊維の
混抄率を0重量%としていたものを、前記実施例1に記
載の手法に従ってビニロン短繊維を混抄し、混抄率を1
0重量%とした。第1及び第2の紙層を、多層抄きフォ
ーマーを使用した抄紙方法により、2つの紙層の界面が
識別できない程度に一体的に抄き合わせて、和紙様の風
合いを有する総坪量40g/m2の紙基材を調製した。引
き続く処理により、前記実施例1において得られたもの
と同様なアクリル樹脂含浸紙基材及び粘着テープが得ら
れた。
【0025】得られたアクリル樹脂含浸紙基材の手切れ
性及び粘着テープの耐裂け性をそれぞれ前記実施例1に
記載の手法に従って評価したところ、下記の第1表に記
載の結果が得られた。実施例4 前記実施例1に記載の手法を繰り返した。本例では、混
抄率の変化の手切れ性及び耐裂け性に及ぼす影響を評価
するため、下記の第1表に記載するように、第1の紙層
におけるビニロン短繊維の混抄率を20重量%から30
重量%に増加し、かつ、第2の紙層において、ビニロン
短繊維の混抄率を0重量%としていたものを、前記実施
例1に記載の手法に従ってビニロン短繊維を混抄し、混
抄率を10重量%とした。第1及び第2の紙層を、多層
抄きフォーマーを使用した抄紙方法により、2つの紙層
の界面が識別できない程度に一体的に抄き合わせて、和
紙様の風合いを有する総坪量40g/m2の紙基材を調製
した。引き続く処理により、前記実施例1において得ら
れたものと同様なアクリル樹脂含浸紙基材及び粘着テー
プが得られた。
【0026】得られたアクリル樹脂含浸紙基材の手切れ
性及び粘着テープの耐裂け性をそれぞれ前記実施例1に
記載の手法に従って評価したところ、下記の第1表に記
載の結果が得られた。比較例1−1 前記実施例1に記載の手法を繰り返した。しかし、本例
では、比較のため、2層抄き合わせ構造を有している紙
基材に代えて、1枚抄きの紙基材を調製した。すなわ
ち、叩解した木材パルプに対して20重量%のビニロン
(クラレ社製)を混合して粥状のパルプ液を調製し、さ
らにこのパルプ液を抄紙機で坪量20g/m2となるよう
に抄いた。和紙様の風合いを有する総坪量40g/m2
1枚抄き紙基材が得られた。この紙基材を使用して、前
記実施例1と同様にしてアクリル樹脂含浸紙基材及び粘
着テープを調製した。
【0027】得られたアクリル樹脂含浸紙基材の手切れ
性及び粘着テープの耐裂け性をそれぞれ前記実施例1に
記載の手法に従って評価したところ、下記の第1表に記
載の結果が得られた。比較例1−2 前記比較例1−1に記載の手法を繰り返した。本例で
は、混抄率の変化の手切れ性及び耐裂け性に及ぼす影響
を評価するため、下記の第1表に記載するように、紙基
材におけるビニロン短繊維の混抄率を20重量%から3
0重量%に増加した。和紙様の風合いを有する総坪量4
0g/m2の1枚抄き紙基材が得られた。引き続く処理に
より、前記比較例1−1において得られたものと同様な
アクリル樹脂含浸紙基材及び粘着テープが得られた。
【0028】得られたアクリル樹脂含浸紙基材の手切れ
性及び粘着テープの耐裂け性をそれぞれ前記実施例1に
記載の手法に従って評価したところ、下記の第1表に記
載の結果が得られた。比較例2−1 前記実施例1に記載の手法を繰り返した。しかし、本例
では、比較のため、2層抄き合わせ構造を有している紙
基材において、ビニロン短繊維の混抄率を、第1の紙層
に比較して第2の紙層のほうが大であるように変更し
た。すなわち、叩解した木材パルプから粥状のパルプ液
を調製し、さらにこのパルプ液を抄紙機で坪量20g/
m2となるように抄いて、ビニロン短繊維を混抄していな
い第1の紙層を調製した。さらに、叩解した木材パルプ
に対して20重量%(全量基準)の量のポリビニルアル
コール(ビニロン)短繊維(長さ:約3〜20mm、クラ
レ社製)を混合して粥状のパルプ液を調製し、さらにこ
のパルプ液を抄紙機で坪量20g/m2となるように抄い
て第2の紙層を調製した。次いで、第1及び第2の紙層
を、多層抄きフォーマーを使用した抄紙方法により、2
つの紙層の界面が識別できない程度に一体的に抄き合わ
せて、和紙様の風合いを有する総坪量40g/m2の紙基
材を調製した。
【0029】次いで、得られた紙基材の全体に含浸剤と
してのアクリル樹脂エマルジョンを固形分の含浸量が5
g/m2となるような条件下で浸漬法により含浸した。こ
のようにして得られたアクリル樹脂含浸紙基材の手切れ
性を前記実施例1に記載の手法に従って評価したとこ
ろ、下記の第1表に記載の結果が得られた。上記した工
程で調製したアクリル樹脂含浸紙基材のうちビニロン短
繊維を混抄しなかった第1の紙層の表面にアクリル系感
圧性粘着剤を塗布して膜厚30μmの粘着剤層を形成し
た。さらに、アクリル樹脂含浸紙基材の第2の紙層(ビ
ニロン短繊維を混抄)の表面に第2の紙層の表面にポリ
酢酸ビニルエマルジョンを被覆量3g/m2で塗工して乾
燥し、その上にさらに長鎖アルキルアクリル樹脂を被覆
量0.05g/m2で塗工して再び乾燥した。紙基材の片
面に粘着剤層を有する粘着テープが得られた。得られた
粘着テープの耐裂け性を前記実施例1に記載の手法に従
って評価したところ、下記の第1表に記載の結果が得ら
れた。比較例2−2 前記比較例2−1に記載の手法を繰り返した。本例で
は、混抄率の変化の手切れ性及び耐裂け性に及ぼす影響
を評価するため、下記の第1表に記載するように、第2
の紙層におけるビニロン短繊維の混抄率を20重量%か
ら30重量%に増加した。第1及び第2の紙層を、多層
抄きフォーマーを使用した抄紙方法により、2つの紙層
の界面が識別できない程度に一体的に抄き合わせて、和
紙様の風合いを有する総坪量40g/m2の紙基材を調製
した。引き続く処理により、前記比較例2−1において
得られたものと同様なアクリル樹脂含浸紙基材及び粘着
テープが得られた。
【0030】得られたアクリル樹脂含浸紙基材の手切れ
性及び粘着テープの耐裂け性をそれぞれ前記実施例1に
記載の手法に従って評価したところ、下記の第1表に記
載の結果が得られた。比較例2−3 前記比較例2−1に記載の手法を繰り返した。本例で
は、混抄率の変化の手切れ性及び耐裂け性に及ぼす影響
を評価するため、下記の第1表に記載するように、第2
の紙層におけるビニロン短繊維の混抄率を20重量%の
まま維持し、しかし、第1の紙層において、ビニロン短
繊維の混抄率を0重量%としていたものを、前記比較例
2−1に記載の手法に従ってビニロン短繊維を混抄し、
混抄率を10重量%とした。第1及び第2の紙層を、多
層抄きフォーマーを使用した抄紙方法により、2つの紙
層の界面が識別できない程度に一体的に抄き合わせて、
和紙様の風合いを有する総坪量40g/m2の紙基材を調
製した。引き続く処理により、前記比較例2−1におい
て得られたものと同様なアクリル樹脂含浸紙基材及び粘
着テープが得られた。
【0031】得られたアクリル樹脂含浸紙基材の手切れ
性及び粘着テープの耐裂け性をそれぞれ前記実施例1に
記載の手法に従って評価したところ、下記の第1表に記
載の結果が得られた。比較例2−4 前記比較例2−1に記載の手法を繰り返した。本例で
は、混抄率の変化の手切れ性及び耐裂け性に及ぼす影響
を評価するため、下記の第1表に記載するように、第2
の紙層におけるビニロン短繊維の混抄率を20重量%か
ら30重量%に増加し、かつ、第1の紙層において、ビ
ニロン短繊維の混抄率を0重量%としていたものを、前
記比較例2−1に記載の手法に従ってビニロン短繊維を
混抄し、混抄率を10重量%とした。第1及び第2の紙
層を、多層抄きフォーマーを使用した抄紙方法により、
2つの紙層の界面が識別できない程度に一体的に抄き合
わせて、和紙様の風合いを有する総坪量40g/m2の紙
基材を調製した。引き続く処理により、前記比較例2−
1において得られたものと同様なアクリル樹脂含浸紙基
材及び粘着テープが得られた。
【0032】得られたアクリル樹脂含浸紙基材の手切れ
性及び粘着テープの耐裂け性をそれぞれ前記実施例1に
記載の手法に従って評価したところ、下記の第1表に記
載の結果が得られた。比較例2−5 前記比較例2−1に記載の手法を繰り返した。本例で
は、混抄率の変化の手切れ性及び耐裂け性に及ぼす影響
を評価するため、下記の第1表に記載するように、第2
の紙層におけるビニロン短繊維の混抄率を20重量%か
ら30重量%に増加し、かつ、第1の紙層において、ビ
ニロン短繊維の混抄率を0重量%としていたものを、前
記比較例2−1に記載の手法に従ってビニロン短繊維を
混抄し、混抄率を20重量%とした。第1及び第2の紙
層を、多層抄きフォーマーを使用した抄紙方法により、
2つの紙層の界面が識別できない程度に一体的に抄き合
わせて、和紙様の風合いを有する総坪量40g/m2の紙
基材を調製した。引き続く処理により、前記比較例2−
1において得られたものと同様なアクリル樹脂含浸紙基
材及び粘着テープが得られた。
【0033】得られたアクリル樹脂含浸紙基材の手切れ
性及び粘着テープの耐裂け性をそれぞれ前記実施例1に
記載の手法に従って評価したところ、下記の第1表に記
載の結果が得られた。
【0034】
【表1】
【0035】上記した第1表に記載の結果から理解され
るように、実施例にみられるように耐裂け性が良好で、
手切れ性の評価とした横引裂強度が好適なアクリル樹脂
含浸紙基材及び粘着テープが得られるが、比較例1のよ
うに1枚抄きであると耐裂け性は良好であるが、横引裂
強度が高過ぎて手切れ性が悪くなる。また、比較例2の
ように、第1の紙層と第2の紙層を逆転させた場合は手
切れ性は良好であるが耐裂け性が悪くなる。なお、比較
例2−5のように耐裂け性が良好であるが横引裂強度が
高過ぎて手切れ性が悪いものとなる。実施例5 本例では、粘着テープの製造において、得られるテープ
の強度等に対して水分散系含浸剤の含浸量が以下に影響
するかを評価した。なお、本例では、評価試験の便宜
上、2層抄き合わせ構造の紙基材に代えて1枚抄きの紙
基材を使用した。すなわち、叩解した木材パルプに対し
て10重量%のビニロン(クラレ社製)を混合して粥状
のパルプ液を調製し、さらにこのパルプ液を抄紙機で坪
量30g/m2となるように抄いた。和紙様の風合いを有
する総坪量40g/m2の1枚抄き紙基材が得られた。
【0036】引き続いて、得られた紙基材の全体に、含
浸剤としてのスチレンブタジェンゴムを固形分の含浸量
が下記の第2表に記載するように0.5、1、5、1
5、30及び45g/m2となるような条件下で、浸漬法
により含浸した。このようにして得られたゴム含浸紙基
材の縦方向の引張強度、伸び、そして横方向及び縦方向
の引裂強度を前記実施例1に記載の手法に準じて測定し
た。下記の第2表に記載のような測定結果が得られた。
【0037】さらに続けて、前記実施例1に記載の耐裂
け性の評価に準じてスリパリングテストを行い、粘着テ
ープをアルミパネルから剥離した時のテープの切れの有
無を「良好」及び「不良」の2段階で評価した。下記の
第2表に記載のような評価結果が得られた。
【0038】
【表2】
【0039】上記した第2表に記載の結果から理解され
るように、含浸量が0.5g/m2では繊維同士の結束
が不十分であるために、粘着テープが基材の層間で破壊
してしまいきれいに剥がすことはできない。また、含浸
量が45g/m2 では引裂強度が極端に低下してしま
い、粘着テープの切れが生じてしまいきれいに剥がすこ
とはできない。含浸量が1〜30g/m2 では繊維結束
も十分であり、かつ引裂強度が極端に低下せず、粘着テ
ープは切れが生ぜずきれいに剥がすことができる。実施例6 前記実施例1に記載の手法を繰り返した。本例では、平
均混抄率(第1の紙層の混抄率と第2の紙層の混抄率の
平均)の手切れ性及び耐裂け性に及ぼす影響を評価する
ため、下記の第3表に記載するように、第1の紙層にお
けるビニロン短繊維の混抄率を20重量%から10重量
%に減少し、平均混抄率を5重量%としてた。第1及び
第2の紙層を、多層抄きフォーマーを使用した抄紙方法
により、2つの紙層の界面が識別できない程度に一体的
に抄き合わせて、和紙様の風合いを有する総坪量40g
/m2の紙基材を調製した。引き続く処理により、前記実
施例1において得られたものと同様なアクリル樹脂含浸
紙基材及び粘着テープが得られた。
【0040】得られたアクリル樹脂含浸紙基材の手切れ
性及び粘着テープの耐裂け性をそれぞれ前記実施例1に
記載の手法に従って評価したところ、下記の第3表に記
載の結果が得られた。なお、下記の第3表には、参考の
ため、前記実施例1の結果も併記する。比較例1−3 前記比較例1−1に記載の手法を繰り返した。本例で
は、平均混抄率(第1の紙層の混抄率と第2の紙層の混
抄率の平均)の手切れ性及び耐裂け性に及ぼす影響を評
価するため、下記の第3表に記載するように、第1の紙
層におけるビニロン短繊維の混抄率を20重量%から5
重量%に減少した。和紙様の風合いを有する総坪量40
g/m2の1枚抄き紙基材が得られた。引き続く処理によ
り、前記比較例1−1において得られたものと同様なア
クリル樹脂含浸紙基材及び粘着テープが得られた。
【0041】得られたアクリル樹脂含浸紙基材の手切れ
性及び粘着テープの耐裂け性をそれぞれ前記実施例1に
記載の手法に従って評価したところ、下記の第3表に記
載の結果が得られた。比較例1−4 前記比較例1−1に記載の手法を繰り返した。本例で
は、平均混抄率(第1の紙層の混抄率と第2の紙層の混
抄率の平均)の手切れ性及び耐裂け性に及ぼす影響を評
価するため、下記の第3表に記載するように、第1の紙
層におけるビニロン短繊維の混抄率を20重量%から1
0重量%に減少した。和紙様の風合いを有する総坪量4
0g/m2の1枚抄き紙基材が得られた。引き続く処理に
より、前記比較例1−1において得られたものと同様な
アクリル樹脂含浸紙基材及び粘着テープが得られた。
【0042】得られたアクリル樹脂含浸紙基材の手切れ
性及び粘着テープの耐裂け性をそれぞれ前記実施例1に
記載の手法に従って評価したところ、下記の第3表に記
載の結果が得られた。
【0043】
【表3】
【0044】上記した第3表に記載の結果から理解され
るように、実施例にみられるように耐裂け性が良好で手
切れ性の評価とした横引裂強度が良好な含浸紙基材及び
粘着テープが得られるが、比較例のように紙全体のビニ
ロン混抄率が実施例と同じであっても、1枚抄きである
と耐切れ性が悪くなる。
【0045】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明によれ
ば、特に粘着シートの基材として使用した時に、被着体
に対して浮きを伴わずに貼り付けることができ、マスキ
ング領域に合わせて切断する時には手切れ性を損なわず
に引き裂き、切断することができ、その結果、良好な線
出し効果及びマスキング効果を達成することができ、ま
た、粘着シートの使用後にはシートの裂けや破断などを
伴わずにきれいに簡単に剥離することができる、改良さ
れた紙基材が提供される。また、本発明によれば、した
がって、マスキングを目的とする粘着テープの製造に有
利に適用することのできる紙基材及び粘着シートが提供
される。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 二次層を支持するための紙基材であっ
    て、第1の紙層及び第2の紙層の2層抄き合わせ構造を
    有していて、前記第1の紙層及び第2の紙層が、それぞ
    れ、木材パルプ及び短繊維から、木材パルプに対する短
    繊維の混抄率を異にして製造されたものであることを特
    徴とする紙基材。
  2. 【請求項2】 紙基材とその1つの表面に設けられた粘
    着剤層とを含む粘着シートであって、 前記紙基材が、第1の紙層及び第2の紙層の2層抄き合
    わせ構造を有していて、前記第1の紙層及び第2の紙層
    が、それぞれ、木材パルプ及び短繊維から、木材パルプ
    に対する短繊維の混抄率を異にして製造されたものであ
    り、そして前記粘着剤層が、前記第1及び第2の紙層の
    うち前記短繊維の混抄率が大きい第1の紙層の表面に設
    けられていることを特徴とする粘着シート。
  3. 【請求項3】 前記紙基材が、さらに、その紙基材の全
    体に含浸せしめられたゴム及び(又は)合成樹脂を含有
    するとともに、前記第1の紙層とは反対側に位置する第
    2の紙層の表面にトップコート層を有していることを特
    徴とする請求項2に記載の粘着シート。
  4. 【請求項4】 マスキング材として用いられることを特
    徴とする請求項3に記載の粘着シート。
JP12214598A 1998-05-01 1998-05-01 粘着シート Expired - Lifetime JP4149559B2 (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP12214598A JP4149559B2 (ja) 1998-05-01 1998-05-01 粘着シート
CNB99805660XA CN1202310C (zh) 1998-05-01 1999-04-16 纸背衬和使用该背衬的粘合片
KR1020007011971A KR100582046B1 (ko) 1998-05-01 1999-04-16 종이 백킹 및 이를 사용한 접착 시이트
DE19983171T DE19983171B4 (de) 1998-05-01 1999-04-16 Papierträger und diesen verwendende Klebefolie
PCT/US1999/008416 WO1999057372A1 (en) 1998-05-01 1999-04-16 Paper backing and adhesive sheet using the same

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP12214598A JP4149559B2 (ja) 1998-05-01 1998-05-01 粘着シート

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH11323789A true JPH11323789A (ja) 1999-11-26
JP4149559B2 JP4149559B2 (ja) 2008-09-10

Family

ID=14828730

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP12214598A Expired - Lifetime JP4149559B2 (ja) 1998-05-01 1998-05-01 粘着シート

Country Status (5)

Country Link
JP (1) JP4149559B2 (ja)
KR (1) KR100582046B1 (ja)
CN (1) CN1202310C (ja)
DE (1) DE19983171B4 (ja)
WO (1) WO1999057372A1 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006130459A (ja) * 2004-11-09 2006-05-25 Nagoya Oil Chem Co Ltd マスキング材
KR100751283B1 (ko) 2006-10-31 2007-08-27 고중신 무늬목 시트의 배접지
WO2008149583A1 (ja) * 2007-06-07 2008-12-11 Kuraray Co., Ltd. 樹脂含浸平面紙及びそれからなる粘着テープ
JP2009040921A (ja) * 2007-08-09 2009-02-26 Kamoi Kakoshi Kk 耐溶剤浸透性に優れたマスキングテープ及びマスカー
JP2011226051A (ja) * 2010-04-21 2011-11-10 Neenah Gessner Gmbh 環境に配慮した粘着テープ紙及びそれから作られた粘着テープ
JP2012516382A (ja) * 2009-01-30 2012-07-19 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー 再生紙を含むテープ

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2589357B2 (ja) * 1988-12-02 1997-03-12 日東電工株式会社 多孔性基材及び接着テープ
EP0402513A1 (de) * 1989-06-16 1990-12-19 Kämmerer Gmbh Verfahren zur Herstellung synthesefaserhaltiger hochverdichteter Papiere mit einem Raumgewicht gleich oder grösser 0,84 kg/dm3
US5204173A (en) * 1990-11-29 1993-04-20 Dvsg Holding Gmbh Paperboard product and process

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006130459A (ja) * 2004-11-09 2006-05-25 Nagoya Oil Chem Co Ltd マスキング材
KR100751283B1 (ko) 2006-10-31 2007-08-27 고중신 무늬목 시트의 배접지
WO2008149583A1 (ja) * 2007-06-07 2008-12-11 Kuraray Co., Ltd. 樹脂含浸平面紙及びそれからなる粘着テープ
JP4456662B2 (ja) * 2007-06-07 2010-04-28 株式会社クラレ 樹脂含浸平面紙及びそれからなる粘着テープ
JPWO2008149583A1 (ja) * 2007-06-07 2010-08-19 株式会社クラレ 樹脂含浸平面紙及びそれからなる粘着テープ
US7985473B2 (en) 2007-06-07 2011-07-26 Kuraray Co., Ltd. Resinous-substance-impregnated planar paper and adhesive tape using the same
JP2009040921A (ja) * 2007-08-09 2009-02-26 Kamoi Kakoshi Kk 耐溶剤浸透性に優れたマスキングテープ及びマスカー
JP2012516382A (ja) * 2009-01-30 2012-07-19 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー 再生紙を含むテープ
JP2011226051A (ja) * 2010-04-21 2011-11-10 Neenah Gessner Gmbh 環境に配慮した粘着テープ紙及びそれから作られた粘着テープ

Also Published As

Publication number Publication date
CN1202310C (zh) 2005-05-18
DE19983171T1 (de) 2001-06-13
CN1299427A (zh) 2001-06-13
DE19983171B4 (de) 2010-07-29
KR20010043089A (ko) 2001-05-25
KR100582046B1 (ko) 2006-05-23
WO1999057372A1 (en) 1999-11-11
JP4149559B2 (ja) 2008-09-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5702555A (en) Method of releasably securing the end of a roll of material
US5901919A (en) Adhesive tape and method of using it
WO2002094563A1 (en) Laminates including cellulosic materials and processes for making and using the same
JP3031623B2 (ja) 開封ストリツプ
DE69900817T2 (de) Verbindungsstreifen, verbindungsverfahren und einheit, die diesen verbindungs-streifen beinhaltet
JP2002338922A (ja) 接着テープ
JP2001192630A (ja) 粘着テープ
JPH11323789A (ja) 紙基材及びそれを使用した粘着シート
JP2009270114A (ja) 固定補助体の使用
CA2950447C (en) Film laminated, water activated paper tape and methods of making same
JP4779366B2 (ja) 壁紙
WO2005001201A1 (en) Coated base paper and a method for manufacturing coated base paper
JP2589357B2 (ja) 多孔性基材及び接着テープ
JP4389640B2 (ja) 壁紙
JP4627523B2 (ja) 多孔性基材を用いたマスキングテープ
JP2003003400A (ja) 高剥離壁紙用裏打ち紙
JP4779367B2 (ja) 壁紙
JP2007001589A (ja) チップ型電子部品収納台紙
JP3848439B2 (ja) 多孔性基材及びこれを使用した紙粘着テープ
JPH09255923A (ja) 粘着テープ
EP4293159A1 (en) Fiber-based transparent tape, method for producing it and uses thereof
JP2002096950A (ja) 固定ラベル
JP3852484B2 (ja) 多孔性薄葉紙材およびそれを用いた粘着テープ
JP2003020459A (ja) 両面粘着テ−プ
JP4205562B2 (ja) 壁紙およびその施工方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050419

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070612

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070619

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20070918

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20070921

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20071218

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080205

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080428

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080527

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080626

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110704

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110704

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120704

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120704

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130704

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term