JPH11321837A - 透明エアゾール容器 - Google Patents

透明エアゾール容器

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JPH11321837A
JPH11321837A JP13891298A JP13891298A JPH11321837A JP H11321837 A JPH11321837 A JP H11321837A JP 13891298 A JP13891298 A JP 13891298A JP 13891298 A JP13891298 A JP 13891298A JP H11321837 A JPH11321837 A JP H11321837A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐熱圧性と透明性との組み合わせに優れたポ
リエチレンナフタレート系のエアゾール容器を提供する
にある。 【解決手段】 90モル%以上のエチレンナフタレート
単位を含有するポリエステルの二軸延伸ブロー成形で形
成され、一体に形成された首部、肩部、胴部、及び閉塞
底部を有し、胴部の肉厚が0.55乃至1.40mmで
あり、ヘーズ値が5%以下であることを特徴とする透明
エアゾール容器。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エチレンナフタレ
ート系ポリエステルから形成された透明エアゾール容器
に関するもので、より詳細には、エチレンテレフタレー
ト系ポリエステルの二軸延伸ブロー成形で形成され、耐
熱圧性、耐衝撃性及び透明性の組合わせに優れた透明エ
アゾール容器に関する。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性ポリエステルから成る延伸ブロ
ーボトルは、透明性、耐衝撃性、フレーバー保持性等に
優れており、各種飲料、調味料等の包装容器として広く
使用されている。また、ポリエチレン−2,6−ナフタ
レートは、ガスバリアー性に優れ、耐熱性、透明性、強
度にも優れた素材として、包装の分野においても着目さ
れている。
【0003】ポリエチレン−2,6−ナフタレートか
ら、中空容器を製造することについても既に提案があ
り、特開昭52−45466号公報には、極限粘度0.
4以上の芳香族ポリエステルを素材とする中空容器にお
いて、該素材はポリエチレン−2,6−ナフタレートで
あって、しかも該容器の胴部及び/または底部は、式 N=n・λ/d ただし、式中 n:偏光顕微鏡で観察される複屈折による干渉縞の数、 λ:nの測定に使用された光源の波長、 d:測定に供せられた試料の厚み、 で定義されるN値が0.01以上であることを特徴とす
る中空容器が記載されている。
【0004】また、特開平2−233341号公報に
は、ポリエチレンナフタレート樹脂からなり、ボトル胴
部の中央部周上の複数箇所におけるX線干渉強度分布曲
線において、少なくとも80%以上の確率でβ角度0゜
±20’及びβ角度90゜±20’の両方の範囲におい
て極大値が認めれることを特徴とするポリエチレンナフ
タレート樹脂製延伸ボトルが記載されている。
【0005】更に、特開平4−142275号公報に
は、容器本体と噴射装置を取り付けた栓体とからなるエ
アゾール容器において、少なくとも容器本体がポリエチ
レンナフタレート樹脂からなることを特徴とするエアゾ
ール容器が記載されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】熱可塑性プラスチック
から形成されたエアゾール容器は、軽量であり、また内
容物の充填量を確認できるなどの利点を有するが、未だ
耐熱性、耐圧性に問題があり、特に高温時での耐圧性が
不十分であるという問題がある。例えば、夏期におい
て、駐車している自動車の室内では温度が80℃に達す
る場合があり、このような高温下では、殆どのプラスチ
ックエアゾール容器は変形して、使用に耐えないことが
確認されている。
【0007】ポリエチレンナフタレートから成る容器
は、確かに耐熱性、耐圧性には優れているが、未だ耐熱
圧性と透明性との組み合わせに関して満足しうるものは
知られていない。即ち、ポリエチレンナフタレートは、
ボトルへの成形性に難点があり、二軸延伸ブロー成形に
際して、球晶化を生じて器壁が不透明となったり、或い
はボトルの器壁が蛍光を帯びてやや不透明になる傾向が
ある。勿論、ポリエチレンナフタレートから透明性に優
れたボトルを製造することも可能であるが、このような
透明性に優れたものでは、耐熱圧性あるいは落下強度が
一般に不十分であり、エアゾール容器として用いた場合
には、80℃のような高温で容易に変形したり、落下し
てわれたりする傾向がある。
【0008】従って、本発明の目的は、耐熱圧性と透明
性との組み合わせに優れたポリエチレンナフタレート系
のエアゾール容器を提供するにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、90モ
ル%以上のエチレンナフタレート単位を含有するポリエ
ステルの二軸延伸ブロー成形で形成され、一体に形成さ
れた首部、肩部、胴部、及び閉塞底部を有し、胴部の肉
厚が0.55乃至1.40mmであり、ヘーズ値が5%
以下であることを特徴とする透明エアゾール容器が提供
される。本発明の透明エアゾール容器では、二軸延伸ブ
ロー成形が、面積延伸倍率が2.0乃至7.5倍、特に
2.2乃至7.2倍で、且つ延伸温度(Y、℃)及び胴
部の厚み(X、mm)が下記式(1) を満足するように行われていることが、容器の耐熱圧
性、透明性、更には耐衝撃性に関して好ましい。また、
容器全体としての耐熱圧性を一層向上させるために、エ
アゾール容器の首部は肩部に対して環状厚肉接続部を介
して接続されていることが好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】[作用]本発明では、エアゾール
容器を、90モル%以上のエチレンナフタレート単位を
含有するポリエステルの二軸延伸ブロー成形で形成す
る。上記量比でエチレンナフタレート単位を含むポリエ
ステルは、一般に融点(Tm)が250乃至270℃及
びガラス転移点(Tg)が110乃至120℃の範囲に
あって、耐熱性に優れていることが、上記材料を使用す
る理由の一つである。更に、上記エチレンナフタレート
系ポリエステルは引張弾性率が23000kg/cm2
以上と他のポリエステルに比して大きく、耐圧性に優れ
ていること、及び気体の透過性も他のポリエステルに比
して小さく、プロペラントの保存性に優れていること
も、上記材料を使用する第二の理由である。
【0011】エチレンナフタレート系ポリエステルも、
他のポリエステルと同様に二軸延伸により剛性や耐衝撃
性の向上がもたらされ、これが従来技術においてもボト
ル等の成形に二軸延伸ブロー成形を用いている理由であ
るが、エチレンナフタレート系ポリエステルでは、延伸
成形の際、球晶化により白化を生じるという特有の問題
がある。即ち、本発明者らの研究によると、エチレンナ
フタレート系ポリエステルでは、延伸そのものが引き金
となって、ポリエステル中に結晶核が生成し、この核に
より球晶化が進行して、透明性の低下を生じるものであ
り、この傾向は延伸倍率が高くなればなるほど顕著であ
る。
【0012】本発明のエアゾール容器は、エチレンナフ
タレート系ポリエステルの二軸延伸ブロー成形で形成さ
れるが、胴部の厚みを0.55乃至1.40mmの範囲
に規制し、且つヘーズ値を5%以下に抑制したことが顕
著な特徴である。
【0013】エチレンナフタレート系ポリエステル容器
における胴部の厚みは、透明性と耐熱圧性との両方に関
係し、一般に、厚みが厚くなるほど耐熱圧性が向上し、
逆に厚みが薄くなるほど透明性が向上し、両方の特性は
両立しがたい関係にある。従来のエチレンナフタレート
系ポリエステル容器の内、未延伸の射出成形容器では厚
みが1.5乃至3mmの範囲にあり(例えば、前述した
特開平4−142275号公報参照)、一方二軸延伸ブ
ロー成形容器では厚みが0.1乃至0.5mmの範囲に
ある(例えば、前述した特開平2−233341号公報
参照)が、前者の容器では透明性が劣り、後者の容器で
は耐熱圧性に劣るという問題がある。
【0014】本発明の容器では、エチレンナフタレート
系ポリエステルを二軸延伸ブロー成形するが、この延伸
による容器胴部の薄肉化の程度を0.6乃至1.4mm
の範囲にとどめることにより、ヘーズ値を5%以内に抑
制して透明性を向上させ、且つ耐熱圧性をも向上させる
ことに成功したものである。更に、この容器では、器壁
の延伸の程度が低く抑制されているとともに、延伸温度
を適性に選択するため、球晶化による白化の程度や蛍光
の発生の程度が著しく低いという利点もある。
【0015】本発明の透明エアゾール容器では、二軸延
伸ブロー成形が、周方向延伸倍率が2.0乃至4.0
倍、好適には面積延伸倍率が2.2乃至7.2倍で、且
つ延伸温度(Y、℃)及び胴部の厚み(X、mm)が下
記実験式(1) を満足するように行われていることが、容器の耐熱圧
性、透明性、更には耐衝撃性に関して好ましい。
【0016】添付図面の図1は、後述する実施例及び比
較例について、形成される胴部の厚み(X)を横軸、延
伸温度(Y)を横軸として、これらの値をプロットした
結果を示している。図1中の曲線Aは、下記式(1a) に対応する楕円曲線である。この楕円曲線よりも内側の
領域では、透明性及び耐熱圧性の両方に関して満足しう
るエアゾール容器が形成されているのに対して、外側の
領域では、透明性及び耐熱圧性の何れかに関して不満足
な容器しか得られないことを示している。
【0017】前記不等式(1)は、実験の結果から導か
れたものであるが、式(1)よりも上方の領域は高温で
の延伸領域であって、この領域では高延伸による分子配
向が有効に行われる反面、球晶化によるヘーズ値の低下
も生じるので好ましくなく、一方、式(1)よりも下方
の領域は低温での延伸領域であって、この領域では延伸
成形そのものが困難となったり、或いは成形が可能であ
っても容器の形状が不良になったりするので好ましくな
い。また、式(1)よりも左方の領域は薄肉化延伸領域
であって、この領域では耐熱圧性の低下を生じ、一方、
式(1)よりも右方の領域は厚肉化延伸領域であって、
この領域では透明性の低下を生じるので、何れも好まし
くない。
【0018】エアゾール容器において、熱圧変形による
影響を最も大きく受ける部分は、首部と肩部との接続部
であり、この部分に上に持ち上がるような変形を生じる
と、首部におけるバルブヘッドのカシメが外れて、内容
物の漏洩を生じるというトラブルを発生しやすい。本発
明によれば、これを防止するため、容器の首部を肩部に
対して環状厚肉接続部を介して接続するようにする。こ
れにより、前記接続部での肩部の持ち上がり変形が防止
され、高温時における内容物の漏洩を有効に防止するこ
とができる。
【0019】[エアゾール容器の構造]本発明のエアゾ
ール容器の一例を示す図2(側断面図)において、この
容器1は、エチレンナフタレート系ポリエステルの二軸
延伸ブロー成形で形成され、首部(口部)2、円錐台状
の肩部3、筒状の胴部4及び閉ざされた底部5から成っ
ている。この胴部4は、既に述べた厚みとヘーズ値とを
有するものでる。
【0020】首部2と肩部3との接続部には、環状厚肉
接続部6が形成され、その上には環状凹部7及び環状厚
肉口部8が形成されていて、それ自体公知のバルブヘッ
ド(図示せず)が環状厚肉口部8に被せられ、その外側
が環状凹部の型の部分にカシメ等により固定されるよう
になっている。また、底部5には、自立安定性を与える
ためのそれ自体公知の上向きのドーム構造やペタロイド
型谷−足構造が形成されていてもよく、また底部が丸底
であって、別個に形成された自立性付与部品が接着等に
より固定されていてもよい。
【0021】[エチレンナフタレート系ポリエステル]
本発明の容器は、90モル%以上のエチレンナフタレー
ト単位を含有するポリエステルから形成される。エチレ
ンナフタレート単位としては、エチレン−2,6−ナフ
タレートが好適であるが、それ以外のエチレンナフタレ
ート単位を含有していても差し支えない。ホモポリエチ
レン−2,6−ナフタレートが耐熱性の点で好適である
が、エチレン−2,6−ナフタレート単位以外のエステ
ル単位の少量を含む共重合ポリエステルも使用し得る。
エチレンナフタレート系ポリエステルは、ガラス転移点
(Tg)が110乃至120℃、融点(Tm)が250
乃至270℃にあることが好適である。
【0022】2,6−ナフタレンジカルボン酸以外の二
塩基酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル
酸等の芳香族ジカルボン酸;シクロヘキサンジカルボン
酸等の脂環族ジカルボン酸;コハク酸、アジピン酸、セ
バチン酸、ドデカンジオン酸等の脂肪族ジカルボン酸;
の1種又は2種以上の組合せが挙げられ、エチレングリ
コール以外のジオール成分としては、プロピレングリコ
ール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコー
ル、1,6−ヘキシレングリコール、シクロヘキサンジ
メタノール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付
加物等の1種又は2種以上が挙げられる。
【0023】これらのポリエステルは、単独でも或いは
その本質を損なわない範囲で小量のナイロン類、ポリカ
ーボネート、ポリアリレート、或いは変性オレフィン系
樹脂等の他の樹脂とのブレンド物の形でも使用し得る。
【0024】容器の成形に用いるエチレンナフタレート
系ポリエステルは、後に述べる方法で求めた固有粘度
(IV)が0.5以上、特に0.55乃至0.75の範
囲にあるものが、エアゾール容器に要求される諸性能の
点で好適である。また、ジエチレングリコール成分(D
EG)の含有量が2.5重量%以下、特に2.0乃至
0.5重量%のものが好適である。
【0025】容器形成用のポリエステルには、それ自体
公知の任意の配合剤を配合することができ、例えば、光
安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、着色剤等を配合で
きる。光安定剤としては、ヒンダードアミン系光安定剤
等が挙げられ、例えば、1,2,2,6,6−ペンタメ
チル−4−ピペリジルステアレート、2,2,6,6−
テトラメチル−4−ピペリジルベンゾエート、N−
(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ド
デシルコハク酸イミド、1−〔(3,5−ジ第三ブチル
−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシエチ
ル〕−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル
−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロピオネート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル
−4−ピペリジル)セバケート、テトラ(2,2,6,
6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブタンテトラカル
ボキシレート、テトラ(1,2,2,6,6−ペンタメ
チル−4−ピペリジル)ブタンテトラカルボキシレー
ト、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリ
ジル)・ジ(トリデシル)ブタンテトラカルボキシレー
ト、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピ
ペリジル)・ジ(トリデシル)ブタンテトラカルボキシ
レートなどがあげられる。ヒンダードアミンを配合する
と、エチレンナフタレート系ポリエステルの蛍光発色を
抑制する効果があり、エアゾール容器の透明性向上の点
で望ましい。ヒンダードアミンは、ポリエステル100
重量部当たり1乃至5重量部の量で配合するのが望まし
い。同様に、ポリマー鎖に紫外線吸収機能を有して三菱
化学(株)製、NOVAPEX R も有効である。また、フタロ
シアニンブルー、キノフタロンイエロー、群青、モノア
ゾイエロー、アントラキノン、コバルトブルー等の着色
剤も有効である。
【0026】酸化防止剤としては、分子量400以上の
酸化防止剤が好適であり、これに限定されるものではな
いが、高分子フェノール系酸化防止剤、例えば、テトラ
キス[メチレン−3(3’,5’−ジ−t−ブチル−
4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)メタン
(分子量1177.7)、1,1,3−トリス(2−メ
チル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタ
ン(分子量544.8)、1,3,5−トリメチルー
2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒ
ドロキシベンジル)ベンゼン(分子量775.2)、ビ
ス[3,3’−ビス−(4’−ヒドロキシ−3’−t−
ブチルフェニル)ブチリックアシッド]グリコールエス
テル(分子量794.4)、1,3,5−トリス(3’
5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシベンジル)−
s−トリアジン 2,4,6−(1H,3H,5H)ト
リオン(分子量783.0)、トリエチレングリコール
−ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒド
ロキシフェニル)プロピオネート](分子量586.
8)、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3、5
−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオ
ネート(分子量638.9)等を用いることができる。
中でも特に、テトラキス[メチレン−3(3’,5’−
ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオ
ネート)メタンが好適である。分子量400以上の酸化
防止剤の他の例として、トコフェロール系酸化防止剤、
例えばα−型、β−型、γ−型、δ−型等のトコフェロ
ールを挙げることができる。α−トコフェロールが特に
好適である。これらの酸化防止剤を配合すると、エアゾ
ール容器の成形時或いはその後の経時よるポリエステル
の物性低下を抑制できるので、好ましい。酸化防止剤
は、前記ポリエステル100重量部当たり0.01乃至
1.5重量部の量で用いる。
【0027】[エアゾール容器及びその製造]本発明の
透明エアゾール容器では、容器胴部の厚みが0.55乃
至1.40mm、特に好適には0.6乃至1.30mm
であり、容器の目付は一般に0.10乃至0.35g/
dl、特に0.13乃至0.30g/dlの範囲が適当
である。また、首部と肩部との間の環状厚肉接続部にお
ける厚みは、一般に1.5乃至6.0mm、特に2.0
乃至5.0mmの範囲で、しかも接続部近傍の肩部の厚
みの1.1乃至2.0倍、特に1.2乃至1.8倍の厚
みを有することが、熱圧変形を防止する上で好適であ
る。同様な見地から、環状厚肉接続部における高さは、
一般に1.5乃至5.0mm、特に1.7乃至4.5m
mの範囲であることが好ましい。
【0028】胴部4のASTMD−1003によるヘイ
ズ(Haze)は、5%以下、特に4%以下に抑制され
ていて、ポリエステルのラメラ化やポリエチレンナフタ
レートに特有の蛍光化もなく、透明性及び外観特性に優
れている。
【0029】本発明のエアゾール容器は、エチレンナフ
タレート系ポリエステルから形成されたプリフォーム
を、前記式(1)が満足される延伸温度で、面積延伸倍
率が2.0乃至7.5倍、特に2.2乃至7.2倍とな
るように、二軸延伸ブロー成形することにより製造され
る。
【0030】延伸ブロー成形に使用する有底プリフォー
ムは、それ自体公知の任意の手法、例えば射出成形法、
パイプ押出成形法等で製造される。前者の方法では、溶
融ポリエステルを射出し、最終容器に対応する口頸部を
備えた有底プリフォームを非晶質の状態で製造する。
【0031】射出成形に際して、前記ポリエステルを冷
却された射出型中に溶融射出する。射出機としては、射
出プランジャーまたはスクリューを備えたそれ自体公知
のものが使用され、ノズル、スプルー、ゲートを通して
前記ポリエステルを射出型中に射出する。これにより、
ポリエステルは射出型キャビティ内に流入し、固化され
て延伸ブロー成形用の非晶質状態のプリフォームとな
る。射出型としては、容器の首形状に対応するキャビテ
ィを有するものが使用されるが、ワンゲート型或いはマ
ルチゲート型の射出型を用いるのがよい。射出温度は2
70乃至320℃、圧力は30乃至100kg/cm2
程度が好ましい。
【0032】プリフォームからの延伸ブロー成形には、
一旦過冷却状態のプリフォームを製造し、このプリフォ
ームを延伸温度に加熱して延伸成形を行う方法(コール
ドパリソン法)や、成形されるプリフォームに与えられ
た熱、即ち余熱を利用して、予備成形に続いて延伸成形
を行う方法(ホットパリソン法)等が採用される。前者
の方法が好適である。
【0033】延伸のための加熱温度は、胴部の厚みの薄
肉化の程度にも関連して、前記式(1)を満足する範囲
にあることが重要である。この事実は、添付図面の図1
及び後述する実施例及び比較例を参照することにより、
明らかとなる。
【0034】ボトル等への二軸延伸ブロー成形に際し、
延伸温度にあるプリフォーム乃至パリソンをブロー成形
金型内で軸方向に引っ張り延伸すると共に、流体吹き込
みにより周方向に膨張延伸する。延伸倍率は、面積延伸
倍率(容器外表面積/プリフォーム外表面積基準)を
2.0乃至7.5倍、特に2.2乃至7.2倍とすべき
であり、比較的低い温度での延伸を可能にするために、
周方向の延伸速度を300%/sec以上、特に350
乃至600%/secとするのがよい。尚、高圧気体の
吹き込みによるブローに先立って、圧力の低い流体によ
ってプリブローを行う場合には、このプリブローによる
延伸後のものを基準として、延伸速度を定めるものとす
る。
【0035】高速延伸を可能にするために、用いる加圧
流体の圧力は可及的に高いことが好ましく、最終容器の
容量やプリフォームの厚みによっても相違するが、一般
に用いる気体の初期圧力は、20kg/cm2 以上、特
に25乃至45kg/cm2の範囲内にあることが好ま
しい。プリフォーム内に印加される圧力は成形の途中で
一様であっても、また初期に高い圧力が印加されるもの
であってもよい。加圧用流体としては、未加熱の空気或
いは不活性気体でも、或いは加熱された空気或いは不活
性気体でも使用し得る。
【0036】[用途]本発明のエアゾール容器は、種々
の内容物及びプロペラントを充填する軽量且つ小型のエ
アゾール容器として有用である。なお、本発明にかかる
エアゾール容器に充填することのできる内容物として
は、従来公知のものを採用できる。該内容物としては、
例えば人体用品、家庭用品、工業用品があり、人体用品
には頭髪用品、化粧品、消臭、制汗剤、その他の人体用
品があり、家庭用品には殺虫剤、コーティング剤、クリ
ーナ、食品、その他の家庭用品があり、工業用品には自
動車用品、その他の工業用品がある。上記頭髪用品とし
てはヘアセットスプレー、ヘアドレッサーコンデイショ
ナー、ヘアシャンプー、リンス、酸性染毛剤、酸化型2
剤タイプ永久染毛剤、カラースプレー、脱色剤、パーマ
剤、育毛剤等がある。化粧品としてはシエービングクリ
ーム、アフターシェーブローション、香水、オーデコロ
ン、洗顔料、日焼け止め、ファンデーション、脱毛、脱
色剤、浴用剤、歯磨き剤などがある。消臭・制汗剤とし
ては消臭剤、制汗剤、ボデイシャンプー等がある。その
他の人体用品としては筋肉消炎剤、皮膚疾患剤、水虫
薬、その他の医薬品、害虫忌避剤、冷却剤、清拭剤、口
喉剤等がある。殺虫剤としては空間殺虫剤、ゴキブリ殺
虫剤、園芸用殺虫剤、殺ダニ剤、不快害虫剤等がある。
コーティング剤としては家庭用塗料、自動車用塗料、ア
ンダーコーティング剤等がある。クリーナとしては家庭
用ガラスクリーナ、レンズクリーナ、絨毯クリーナ、浴
用クリーナ、床・家具艶だしクリーナ、靴・皮革クリー
ナ、ワックス艶だし剤等がある。その他の家庭用品とし
ては室内消臭剤、トイレ用消臭剤、防水剤、洗濯糊、除
草剤、衣類用防虫剤、防炎剤等がある。自動車用品とし
ては、防曇剤、解氷剤、エンジン始動液、パンク修理
液、エンジンクリーナ等がある。その他の工業用品とし
ては潤滑防錆剤、接着剤、金属深傷剤、離型剤等があ
る。
【0037】上記内容物の形状としては液状、流動体
状、半流動体状、発泡体状、気体状の他、これら形状の
ものに粉体状や粒状の固体を少し混ぜたもの等、適宜選
択して採用することができる。
【0038】該素材にあっては従来内容物として採用さ
れる公知のものを採用でき、例えば上記ヘアスプレーで
あれば変性アルコール、噴射剤としてのLPG(液化石
油ガス)を主成分とし、アクリル樹脂アルカノールアミ
ン液、ポリオキシエチレンオイルエーテル、香料等を添
加したものがあり、上記ヘアトリートメントであれば変
性アルコール、噴射剤としてのLPGを主成分とし、流
動パラフィン、プロピレングリコール、メチルフエニル
ポリシロキサン、香料を添加したものがある。
【0039】また、他の内容物としては、アルコール、
合成樹脂、噴射剤(LPG(液化石油ガス、DME(ジ
メチルエーテル)、N2 、CO2 等の単体又はこれらの
混合物)、セルロース、アンモニウム、水、香料、染
料、界面活性剤、顔料等を適宜選択して追加することが
できる。
【0040】
【実施例】次に本発明を次の例で更に説明する。実施例
中の評価は次の通り行った。
【0041】[評価方法] ○固有粘度 重量比1:1のフェノール・1,1,2,2−テトラク
ロロエタン混合溶媒20mlに容器胴中央部の切片を試
料として200mg加え、170℃の温度下、20分間
攪拌することで溶解した。その後、30℃恒温槽を用い
ウベローデ型粘度計にて溶液粘度を測定後、固有粘度に
換算した。用いた換算式を以下に示した。 ηrel =T/To (相対粘度) ここで、To;溶媒の落下時間(sec) T ;溶液の落下時間(sec) ηsp=ηrel −1 (比粘度) ここで、k’;ハギンスの恒数(=0.33) C ;溶液濃度[g/100ml](=1.00)
【0042】○透明性(ヘイズ) 容器胴中央部側面の切り出し切片を試料とし、スガ試験
機株式会社製S&MColour Computer Model / SMl4 を
用いてへイズ値を測定した。容器の透明性については以
下のようにして判別した。 透明(ヘイズ5以下) :○ やや白化(ヘイズ6〜9) :△ 白化(ヘイズ10以上) :×
【0043】○耐熱、耐圧試験 ・水圧試験 容器に80℃の水を充填した後、水圧付加機に接続す
る。その状態のまま80℃に設定された恒温水槽中に容
器を浸水させ20分間放置する。その後、胴部の径を測
定しこれを初期胴径とする。容器内に15kg/cm2
を付加し、20分間放置した後、胴径を再度測定し胴部
の膨張率を求めた。変形の見極めとしては、胴部が5%
以上膨張すると、目視においても変形が明らかになるこ
とから、5%以上膨張すると変形と判別した。 E=[(l−lo)/lo]×100 [膨張率
(%)] ここで、l ;水圧付加後の胴径(mm) lo;初期胴径(mm) 膨張率5%未満 :○ 膨張率5%以上 :× ・実充填試験 容器内に水系内容液とLPG(液化石油ガス)を充填し
(25℃、内圧5kg/cm2 )、80℃の高温槽中に
3時間放置し、容器形状を目視により確認し、以下のよ
うに判別した。 変形がみられない :○ 変形 :×
【0044】○胴部蛍光判定法 視覚により次の様に判別した。 透明 :○ やや蛍光有り:△ 蛍光有り :×
【0045】[実施例1]帝人(株)製エチレンテレフ
タレート7モル%−エチレンナフタレート93モル%共
重合体TN8770を射出ブロー成形機(日精ASB
50−H)を用い280℃で射出成形して、内径11m
m、外径19mm、重量24g、肉厚4.0mmで、首
部にバルブをカシメることが可能な形状を持つプリフォ
ームを成形し、プリフォーム温度を150℃にコントロ
ールした後、エアゾール容器成形用金型を用い、縦軸方
向1.1倍、周方向2.6倍の二軸延伸ブローを行な
い、内径38mm、外径40mm、胴部肉厚1.0m
m、首部と肩部との接合部に環状厚肉形状を持つ自立型
エアゾール容器を作成した。固有粘度は0.71であっ
た。胴部の透明性、耐熱・耐圧試験の結果を表1に示
す。
【0046】[実施例2]帝人(株)製エチレンテレフ
タレート7モル%−エチレンナフタレート93モル%共
重合体TN8770を射出ブロー成形機(日精ASB
50−H)を用い280℃で射出成形して、内径11m
m、外径20mm、重量27g、肉厚4.5mmで、首
部にバルブをカシメることが可能な形状を持つプリフォ
ームを成形し、プリフォ一ム温度を150℃にコントロ
ールした後、エアゾール容器成形用金型を用い、縦軸方
向1.1倍、周方向2.5倍の二軸延伸ブローを行な
い、内径37.2mm、外径40mm、胴部肉厚1.4
mm、首部と肩部との接合部に環状厚肉形状を持つ自立
型エアゾール容器を作成した。固有粘度は0.71であ
った。胴部の透明性、耐熱・耐圧試験の結果を表1に示
す。
【0047】[実施例3]帝人(株)製エチレンテレフ
タレート7モル%−エチレンナフタレート93モル%共
重合体TN8770を射出ブロー成形機(日精ASB
50−H)を用い280℃で射出成形して、内径11m
m、外径18mm、重量20g、肉厚3.5mmで、首
部にバルブをカシメることが可能な形状を持つプリフォ
ームを成形し、プリフォーム温度を150℃にコントロ
ールした後、エアゾール容器成形用金型を用い、縦軸方
向1.1倍、周方向2.8倍の二軸延伸ブローを行な
い、内径38.8mm、外径40mm、胴部肉厚0.6
mm、首部と肩部との接合部に環状厚肉形状を持つ自立
型エアゾール容器を作成した。固有粘度は0.71であ
った。胴部の透明性、耐熱・耐圧試験の結果を表1に示
す。
【0048】[実施例4]上記実施例で使用した共重合
体樹脂に帝人(株)製ポリエチレンテレフタレートTR
8580Hを10重量%ブレンドし、実施例1と同様の
方法で容器を成形した。胴部の透明性、耐熱・耐圧試験
の結果を表1に示す。
【0049】[実施例5]帝人(株)製エチレンナフタ
レートTN8070を射出ブロー成形機(日精ASB
50−H)を用い280℃で射出成形して、内径11m
m、外径19mm、重量24g、肉厚4.0mmで、首
部にバルブをカシメることが可能な形状を持つプリフォ
ームを成形し、プリフォーム温度を155℃にコントロ
ールした後、エアゾール容器成形用金型を用い、縦軸方
向1.1倍、周方向2.6倍の二軸延伸ブローを行な
い、内径38mm、外径40mm、胴部肉厚1.0m
m、首部と肩部との接合部に環状厚肉形状を持つ、実施
例1と同形状の自立型エアゾール容器を作成した。固有
粘度は0.71であった。胴部の透明性、耐熱・耐圧試
験の結果を表1に示す。
【0050】[実施例6]帝人(株)製エチレンテレフ
タレート7モル%−エチレンナフタレート93モル%共
重合体TN8770を(株)新潟鉄工所製射出成形機N
N75JSにて、内径14mm、外径25mm、重量3
4g、肉厚5.5mmで首部にバルブをカシメることが
可能な形状を持つプリフォームを成形した。そのプリフ
ォームを赤外線ヒーターにて152℃に再加熱し、延伸
ロッドで軸方向に延伸しながら、縦軸方向1.5倍、周
方向2.7倍の二軸延伸ブローを行ない、内径48.3
mm、外径50.0mm、胴部肉厚0.85mm、首部
と肩部との接合部に環状厚肉形状を有した。自立型エア
ゾール容器を作成した。固有粘度は0.70であった。
胴部の透明性、耐熱・耐圧試験の結果を表1に示す。
【0051】[実施例7]帝人(株)製ポリエチレンナ
フタレートTN8065を用い、実施例6と同様に自立
型エアゾール容器を作成した。ただし、プリフォームの
再加熱温度は156℃であった。固有粘度は0.65で
あった。胴部の透明性、耐熱・耐圧試験の結果を表1に
示す。
【0052】[実施例8]胴部の蛍光対策として、上記
実施例で使用した樹脂にCiba Specialty Chemicals K.
K.製TINUVIN234 紫外線吸収剤を3.2wt%添加し
た。三菱化学(株)製NOVAPEX u−110紫外線吸収剤
を30倍希釈して添加した。また東洋インキ(株)製 P
EM7285BLUE、PEM7284BLUE、PEM2172YELL0Wを40倍に希釈
して着色した。胴部蛍光判定の結果を表2に示す。
【0053】[比較例1]実施例1の容器においてプリ
フォーム温度を170℃にコントロールする以外は、同
様の成形を行った。胴部の透明性、耐熱・耐圧試験結果
を表1に示す。
【0054】[比較例2]実施例1の容器においてプリ
フォーム温度を130℃にコントロールする以外は、同
様の成形を行った。胴部の透明性、耐熱・耐圧試験結果
を表1に示す。
【0055】[比較例3]帝人(株)製エチレンテレフ
タレート7モル%−エチレンナフタレート93モル%共
重合体TN8770を射出ブロー成形機(日精ASB
50−H)を用い280℃で射出成形して、内径11m
m、外径17.8mm、重量19g、肉厚3.4mm
で、首部にバルブをカシメることが可能な形状を持つプ
リフォームを成形し、プリフォーム温度を150℃にコ
ントロールした後、エアゾール容器成形用金型を用い、
縦軸方向1.1倍、周方向2.9倍の二軸延伸ブローを
行ない、内径39mm、外径40mm、胴部肉厚0.5
mm、首部と肩部との接合部に環状厚肉形状を持つ自立
型エアゾール容器を作成した。胴部の透明性、耐熱・耐
圧試験結果を表1に示す。
【0056】[比較例4]帝人(株)製エチレンテレフ
タレート7モル%−エチレンナフタレート93モル%共
重合体TN8770を射出ブロー成形機(日精ASB
50−H)を用い280℃で射出成形して、内径11m
m、外径20.2mm、重量28g、肉厚4.6mm
で、首部にバルブをカシメることが可能な形状を持つプ
リフォ一ムを成形し、プリフォ一ム温度を150℃にコ
ントロールした後、エアゾール容器成形用金型を用い、
縦軸方向1.1倍、周方向2.5倍の二軸延伸ブローを
行ない、内径37mm、外径40mm、胴部肉厚1.5
mm、首部と肩部との接合部に環状厚肉形状を持つ自立
型エアゾール容器を作成した。固有粘度は0.71であ
った。胴部の透明性、耐熱・耐圧試験結果を表1に示
す。
【0057】[比較例5]実施例1においてエアゾール
容器成形金型を縦軸方向1.1倍、周方向1.8倍の形
状とする以外は同様の条件で、内径27mm、外径30
mm、胴部肉厚1.5mmの自立型エアゾール容器を作
成した。胴部の透明性、耐熱・耐圧試験結果を表1に示
す。
【0058】[比較例6]実施例6においてエアゾール
容器成形金型を縦軸方向2.5倍、周方向3.1倍の形
状とする以外は同様の条件で、内径44.6mm、外径
45mm、胴部肉厚0.4mmの自立型エアゾール容器
を作成した。胴部の透明性、耐熱・耐圧試験結果を表1
に示す。
【0059】
【表1】
【0060】
【表2】 蛍光判定結果 蛍光対策無し × TINUVIN234 3.2wt%添加 △ NOVAPEX u-110 30倍希釈 ○ PEM7285BLUE 40倍希釈 ○ PEM7284BLUE 40倍希釈 ○ PEM2172YELL0W 40倍希釈 ○
【0061】
【発明の効果】本発明の容器では、エチレンナフタレー
ト系ポリエステルを二軸延伸ブロー成形するが、この延
伸による容器胴部の薄肉化の程度を0.6乃至1.4m
mの範囲にとどめることにより、ヘーズ値を5%以内に
抑制して透明性を向上させ、且つ耐熱圧性をも向上させ
ることができる。更に、この容器では、器壁の延伸の程
度が低く抑制されているため、球晶化による白化の程度
や蛍光の発生の程度が著しく低いという利点もある。更
に、首部と肩部との接続部に環状厚肉接続部を形成した
ので、この接続部の変形が防止され、バルブヘッドカシ
メ部からの漏洩をも有効に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】後述する実施例及び比較例について、形成され
る胴部の厚み(X)を横軸、延伸温度(Y)を横軸とし
て、これらの値をプロットした結果を示すグラフであ
る。
【図2】本発明の延伸ブローによるエアゾール容器の一
例を示す側面図である。
【記号の説明】
1 エアゾール容器 2 首部(口部) 3 円錐台状の肩部 4 筒状の胴部 5 閉ざされた底部 6 環状厚肉接続部
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成10年7月28日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正内容】
【0014】本発明の容器では、エチレンナフタレート
系ポリエステルを二軸延伸ブロー成形するが、この延伸
による容器胴部の薄肉化の程度を0.55乃至1.40
mmの範囲にとどめることにより、ヘーズ値を5%以内
に抑制して透明性を向上させ、且つ耐熱圧性をも向上さ
せることに成功したものである。更に、この容器では、
器壁の延伸の程度が低く抑制されているとともに、延伸
温度を適性に選択するため、球晶化による白化の程度や
蛍光の発生の程度が著しく低いという利点もある。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0025
【補正方法】変更
【補正内容】
【0025】容器形成用のポリエステルには、それ自体
公知の任意の配合剤を配合することができ、例えば、光
安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、着色剤等を配合で
きる。光安定剤としては、ヒンダードアミン系光安定剤
等が挙げられ、例えば、1,2,2,6,6−ペンタメ
チル−4−ピペリジルステアレート、2,2,6,6−
テトラメチル−4−ピペリジルベンゾエート、N−
(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ド
デシルコハク酸イミド、1−〔(3,5−ジ第三ブチル
−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシエチ
ル〕−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル
−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロピオネート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル
−4−ピペリジル)セバケート、テトラ(2,2,6,
6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブタンテトラカル
ボキシレート、テトラ(1,2,2,6,6−ペンタメ
チル−4−ピペリジル)ブタンテトラカルボキシレー
ト、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリ
ジル)・ジ(トリデシル)ブタンテトラカルボキシレー
ト、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピ
ペリジル)・ジ(トリデシル)ブタンテトラカルボキシ
レートなどがあげられる。ヒンダードアミンを配合する
と、エチレンナフタレート系ポリエステルの蛍光発色を
抑制する効果があり、エアゾール容器の透明性向上の点
で望ましい。ヒンダードアミンは、ポリエステル100
重量部当たり1乃至5重量部の量で配合するのが望まし
い。同様に、ポリマー鎖に紫外線吸収機能を有した三菱
化学(株)製、NOVAPEXも有効である。また、フタロ
シアニンブルー、キノフタロンイエロー、群青、モノア
ゾイエロー、アントラキノン、コバルトブルー等の着色
剤も有効である。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0061
【補正方法】変更
【補正内容】
【0061】
【発明の効果】本発明の容器では、エチレンナフタレー
ト系ポリエステルを二軸延伸ブロー成形するが、この延
伸による容器胴部の薄肉化の程度を0.55乃至1.4
mmの範囲にとどめることにより、ヘーズ値を5%以
内に抑制して透明性を向上させ、且つ耐熱圧性をも向上
させることができる。更に、この容器では、器壁の延伸
の程度が低く抑制されているため、球晶化による白化の
程度や蛍光の発生の程度が著しく低いという利点もあ
る。更に、首部と肩部との接続部に環状厚肉接続部を形
成したので、この接続部の変形が防止され、バルブヘッ
ドカシメ部からの漏洩をも有効に防止できる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 90モル%以上のエチレンナフタレート
    単位を含有するポリエステルの二軸延伸ブロー成形で形
    成され、一体に形成された首部、肩部、胴部、及び閉塞
    底部を有し、胴部の肉厚が0.55乃至1.40mmで
    あり、ヘーズ値が5%以下であることを特徴とする透明
    エアゾール容器。
  2. 【請求項2】 二軸延伸ブロー成形が、面積延伸倍率が
    2.0乃至7.5倍で、且つ延伸温度(Y、℃)及び胴
    部の厚み(X、mm)が下記式(1) を満足するように行われる請求項1に記載の透明エアゾ
    ール容器。
  3. 【請求項3】 前記首部は前記肩部に対して環状厚肉接
    続部を介して接続されていることを特徴とする請求項1
    または2に記載の透明エアゾール容器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010044298A1 (ja) * 2008-10-16 2010-04-22 株式会社初田製作所 消火器、消火剤貯蔵容器、及び消火剤貯蔵容器のプリフォーム

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