JPH11320780A - 多層フィルム及びそれを用いた粘着テープ - Google Patents

多層フィルム及びそれを用いた粘着テープ

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JPH11320780A
JPH11320780A JP10138307A JP13830798A JPH11320780A JP H11320780 A JPH11320780 A JP H11320780A JP 10138307 A JP10138307 A JP 10138307A JP 13830798 A JP13830798 A JP 13830798A JP H11320780 A JPH11320780 A JP H11320780A
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JP
Japan
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thermoplastic elastomer
polypropylene
based thermoplastic
film
polyolefin
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JP10138307A
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English (en)
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Tatsuhiko Usui
達彦 薄井
Takashi Sumiki
隆 隅木
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DIC Corp
Original Assignee
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エンボスロール等物理的な加工を施すことな
く、梨地状表面を有し、生産性に優れ、柔らかい風合
い、適度な腰・強度を有する粘着テープ用多層フィルム
基材、及び、該基材を用いた粘着テープを得る。 【解決手段】 ポリプロピレンを主成分とし、ポリオレ
フィン系熱可塑性エラストマーを含有する上層(A)
と、ポリプロピレンを主成分とし、ポリオレフィン系熱
可塑性エラストマー、スチレン系熱可塑性エラストマー
及び線状低密度ポリエチレンからなる群から選ばれる1
種以上の樹脂を含有する下層(C)の間に、ポリプロピ
レン、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー及びスチ
レン系熱可塑性エラストマーからなる群から選ばれる1
種以上の樹脂を主成分とする中間層(B)を設けたこと
を特徴とする多層フィルム及び該フィルムを用いた粘着
テープ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンボスロール等
物理的な加工を施すことなく、ポリプロピレンと特定の
ポリオレフィン系熱可塑性エラストマーのブレンドによ
り、少なくとも片側表面を梨地状に改質することを特徴
とした多層フィルムであり、特に紙オムツ等に用いられ
る粘着テープ用基材として用いられる、生産性、柔らか
い風合い、適度な腰及び強度を有する多層フィルム基材
及びそれを用いた粘着テープに関する。
【0002】
【従来の技術】使い捨てオムツに使用される粘着テープ
用の基材には、赤ん坊の肌に触れるため切り傷・かぶれ
を起こさない安全性と柔らかい風合い、装着時の容易さ
から適度な腰及び、テープ剥離時のテープ切れを防止す
るするための耐引裂性が要求される。また外観上の風合
いから、表面のてかりを抑えたマット調が好まれる。更
にテープ生産時には、フィルム基材の耐熱性とスリット
加工性も同時に要求される。
【0003】従来、柔らかい風合いを出すために特許公
報第2569035号では、ポリプロピレンとエチレン
系重合体を特定の配合でブレンドしたポリマーからな
り、限定された物性を有するフィルムを使用した粘着テ
ープが、柔軟で、可撓性で、順応性で、ヒートシール性
であると記載されている。しかしながら、このようなフ
ィルムは柔軟性に優れる一方、粘着テープ製造時におい
てフィルムが熱だれして伸び易いために粘着塗工が困難
であったり、ロール状にスリット加工した後に巻きズレ
が発生し易かった。またオムツの製造工程においても、
テープにテンションをかけた時伸び易いため、テープ走
行性に劣りオムツに正確に貼付することができなかっ
た。更にこの粘着テープを使い捨てオムツのファスニン
グテープとして使用した場合、オムツ装着時において、
ファスニングテープをリリーステープの糊面保護面から
剥す際に、テープがカールするため手持ち感が悪く、オ
ムツの装着性が悪いという問題があった。
【0004】また実用新案登録公報第2541898号
では、上面をやや梨地状に加工することでソフト感や重
量感が増し、好適であると記載されている。しかし、加
工方法はエンボスロールまたはサンドブラスト等公知の
物理的な加工方法である。この方法では十分な梨地加工
を得るために、生産スピードの低下は避けられず、生産
性の点でコストダウンが難しい。更に、柔軟性、風合
い、引き裂き性の改良のため、ポリプロピレンとエチレ
ン系重合体のブレンド層、及びポリプロピレンまたはエ
チレン系重合体いずれかの単体層を積層した多層フィル
ムが開示されている。しかしながら、比較例1、2のご
とく、上層としてエチレン・酢酸ビニル共重合体の単体
層を、下層としてポリプロピレン/低密度ポリエチレン
=70/30のブレンド層を積層した場合、上層と下層
の層間接着力は不十分であり、フィルムをヒートシール
したり、粘着テープ加工後粘着力が強かったり乱暴に扱
った場合など容易に層間で剥離を生じ、フィルム及びテ
ープとして不都合である。
【0005】更にフィルムを紙オムツ用テープ又は粘着
テープ用の基材として使用する際、少なくとも片側表面
に粘着剤が塗工される。この時塗工面の耐溶剤性が劣る
とフィルムにカールやたるみが生じ、外観上及びテープ
のスリット加工やオムツの製造時に問題が生じる。特許
公報第2569035号又は実用新案登録公報第254
1898号では、柔軟性、風合いをだすために軟質成分
として、低密度ポリエチレン(LDPE)、超低密度ポ
リエチレン(VLDPE)、エチレン・酢酸ビニル共重
合体(EVA)、エチレン・アクリル酸共重合体(EA
A)等を配合している。前記エチレン系重合体の配合で
は、粘着剤を塗工した際カール、たるみを発生する場合
があり、更にEVAの配合では、フィルム生産時のリサ
イクル過程で熱劣化に起因するゲルが発生する場合があ
る。又、EAAの配合ではポリプロピレンとの相溶性が
悪く、配合又はリサイクル時にゲルを発生し易い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、エン
ボスロール等物理的な加工を施すことなく、少なくとも
片側表面を梨地状に改質することを特徴としたフィルム
を用い、生産性に優れ、柔らかい風合い、適度な腰・強
度を有する粘着テープ用多層フィルム基材、及び、該基
材を用いた粘着テープを得ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、かかる課題を
解決すべく鋭意研究した結果、ポリプロピレンに軟質成
分として特定のポリオレフィン系熱可塑性エラストマー
をブレンドすることで、表層を梨地状に改質し、更に多
層化により紙オムツ等の粘着テープに適した柔らかい風
合い、腰、耐引裂性、またテープ製造時の良好な加工適
性を実現し、本発明を完成するに至った。
【0008】すなわち、本発明の第一の構成は、ポリプ
ロピレンを主成分とし、ポリオレフィン系熱可塑性エラ
ストマーを含有する上層(A)と、ポリプロピレンを主
成分とし、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー、ス
チレン系熱可塑性エラストマー及び線状低密度ポリエチ
レンからなる群から選ばれる1種以上の樹脂を含有する
下層(C)の間に、ポリプロピレン、ポリオレフィン系
熱可塑性エラストマー及びスチレン系熱可塑性エラスト
マーからなる群から選ばれる1種以上の樹脂を主成分と
する中間層(B)を設けたことを特徴とする多層フィル
ムである。
【0009】又、本発明は、前記したポリオレフィン系
熱可塑性エラストマーが、ポリエチレン又はポリプロピ
レンをハードセグメントとし、エチレン・プロピレンラ
バー又はエチレン・プロピレン・ジエンターポリマーを
ソフトセグメントとするポリオレフィン系熱可塑性エラ
ストマーである多層フィルムを含む。
【0010】本発明の第二の構成は、ポリプロピレンを
主成分とし、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマーを
含有する上層(A)と、ポリプロピレンを主成分とし、
ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー、スチレン系熱
可塑性エラストマー及び線状低密度ポリエチレンからな
る群から選ばれる1種以上の樹脂を含有する下層(C)
の間に、ポリプロピレン、ポリオレフィン系熱可塑性エ
ラストマー及びスチレン系熱可塑性エラストマーからな
る群から選ばれる1種以上の樹脂を主成分とする中間層
(B)を設けた多層フィルムの下層側に粘着剤層(D)
を有することを特徴とする粘着テープである。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、構成の各部分について詳述
する。上層(A)のポリプロピレンは、プロピレンの単
独重合体、エチレン・プロピレン共重合体のいずれでも
かまわないが、テープ使用時の腰、強度または粘着加工
時の加工適性が要求される場合はプロピレン単独重合体
が、風合い及び柔軟性が要求される場合はエチレン・プ
ロピレン共重合体が好ましい。エチレン・プロピレン共
重合体中のエチレン含有量は、腰、強度、加工適性の低
下を考慮すると1〜10重量%が好ましい。
【0012】又、ポリプロピレンにポリオレフィン系熱
可塑性エラストマーを配合することで、上層(A)の表
面層を梨地状に改質する。ポリオレフィン系熱可塑性エ
ラストマーとしては、ポリエチレン又はポリプロピレン
をハードセグメントとし、エチレン・プロピレンラバー
(EPR)又はエチレン・プロピレン・ジエンターポリ
マー(EPDM)のオレフィン系ゴムをソフトセグメン
トとした樹脂が使用できる。
【0013】ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー
は、単純ブレンドタイプ、動的架橋タイプ、インプラン
トタイプのいずれでも構わないが、ポリプロピレンとの
相溶性及びコストの点でポリプロピレンとエチレン・プ
ロピレンラバーのインプラント共重合タイプが好まし
い。また梨地効果を得るために、ポリオレフィン系熱可
塑性エラストマー中のEPRの含有量は40〜70%が
好ましい。上層(A)のポリプロピレンへの添加量は、
1〜50重量%が好ましい。1%未満では十分な梨地効
果が得られず、50%を越えると風合い、柔軟性、耐引
裂性に優れるが、腰の低下が大きくテープ生産時の加工
適性に劣る。融点としては140℃以上のものが好まし
いが、表面層に用いるためテープ製造時の耐熱性保持の
点で150℃以上のものがより好ましい。
【0014】中間層は、ポリプロピレン、ポリオレフィ
ン系熱可塑性エラストマー及びスチレン系熱可塑性エラ
ストマーのいずれかを単独層として用いても良いし、い
ずれか2種以上のブレンド層としても良い。また1層に
限定されるものではなく、複層用いても良い。
【0015】例えば、上層のマット感が強く求められる
場合、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマーのブレン
ド量が多くなり、風合いは増すがフィルムの腰が低下す
る。このとき中間層にポリプロピレン樹脂層を設けるこ
とで腰の低下を補い、テープ製造時の加工適性を保持す
ることができる。また中間層を複数設ける場合、1つの
中間層にポリオレフィン系熱可塑性エラストマー又はス
チレン系熱可塑性エラストマーを使用することで柔軟
性、風合い、耐引裂性の向上を図り、その他の中間層に
ポリプロピレン樹脂を使用することでテープ製造時に必
要な腰や耐熱性を両立することができる。更に、上層の
ポリオレフィン系熱可塑性エラストマーのブレンド量に
応じて、フィルム全体として必要な風合い、腰、耐引裂
性、加工適性等を有するように中間層をポリプロピレン
を主体とし、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー及
びスチレン系熱可塑性エラストマーから選ばれる1種以
上のブレンド層としてもよい。
【0016】中間層のポリプロピレン及びポリオレフィ
ン系熱可塑性エラストマーは、前記と同様なものを使用
すればよいが、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー
としては柔軟性、風合い、耐引裂性の向上等軟質効を効
率的に得るために105℃〜145℃の低融点タイプが
好ましい。スチレン系熱可塑性エラストマーとしては特
に限定されるものではないが、ポリオレフィン系樹脂と
の相溶性が良好で成形時の耐熱安定性や環境に対する安
定性に優れる、水添スチレン系熱可塑性エラストマーが
好ましい。例えば、スチレン・ブタジエンブロック共重
合体を水素添加したものや、スチレン・ブタジエンラン
ダム共重合体を水素添加したものが好適に使用できる。
【0017】本発明のフィルムを、紙オムツ用テープま
たは粘着テープの基材として使用する際、粘着剤の塗工
面には耐溶剤性が要求さる。このとき粘着剤の塗工面に
当たる層(下層)をポリプロピレンを主成分とし、ポリ
オレフィン系熱可塑性エラストマー、スチレン系熱可塑
性エラストマー及び線上低密度ポリエチレンからなる群
から選ばれる少なくとも1種以上の樹脂を含有すること
で、柔軟性、風合いを保ちながら耐溶剤性の低下を抑え
ることができる。
【0018】下層の主成分であるポリプロピレンは、表
面層及び中間層と同様なものを使用すればよい。配合さ
れるポリオレフィン系熱可塑性エラストマーは、表面層
及び中間層と同様なものが使用できるが、耐溶剤性に優
れるポリプロピレンをハードセグメントとしたタイプが
好ましい。また表面層と同様に主成分であるポリプロピ
レンとの相溶性及びコストの点で、ポリプロピレンとE
PRのインプラント共重合タイプ、及びテープ製造時の
耐熱性保持の点で融点140℃以上のものがより好まし
い。
【0019】スチレン系熱可塑性エラストマーとして
は、中間層と同様なものが使用できる。また線状低密度
ポリエチレンは、特に限定されるものではないが、良好
な耐溶剤性と軟質成分としての効果から、密度0.90
0〜0.925g/cm3、融点85℃以上、メルトフ
ローレート3〜8g/10minの線状低密度ポリエチ
レンが好ましい。 ポリオレフィン系熱可塑性エラスト
マー、スチレン系熱可塑性エラストマー及び線状低密度
ポリエチレンの添加量としては、特に限定されるもので
はなく、上層及び中間層の軟質成分の添加量に応じて、
フィルム全体の風合い、腰のバランスから適宜決定され
ればよい。ただし、1%以下では耐溶剤性には優れるが
軟質効果が低く、50%以上では耐溶剤性及び腰の低下
が大きくなる。ただし、スチレン系熱可塑性エラストマ
ーを配合する場合、添加量の増加にしたがい表面のベタ
ツキが増加するため1〜40重量%がより好ましく、線
状低密度ポリエチレンを配合する場合、中間層との十分
な層間接着力を保持するために1〜30重量%がより好
ましい。
【0020】本発明のフィルムのモジュラスは、特に限
定されるものではないが、縦方向と横方向の割線モジュ
ラスが3500〜6000kg/cm2(より好ましく
は3600〜5000kg/cm2)が好ましく、弾性
モジュラスが4000〜7500kg/cm2(より好
ましくは4500〜5500kg/cm2)が好まし
い。割線モジュラスが3500kg/cm2未満、また
は弾性モジュラスが4000kg/cm2未満の場合、
テープ生産性、スリット加工性、オムツ生産性が悪化す
る。また割線モジュラスが6000kg/cm2を越
え、または弾性モジュラスが7500kg/cm2を越
える場合、テープの柔らかい風合いが阻害される。
【0021】本発明のフィルムの総厚みは、特に限定さ
れるものではないが、30〜200μmが好ましい。各
層の厚みとしては、梨地状に改質する表面層(上層)は
総厚みに対して5〜40%が、耐溶剤性を要求される下
層は総厚みに対して5〜50%が好ましい。中間層は、
上層及び下層の決定後適宜決定されればよい。
【0022】また本発明のフィルムの製造方法として
は、プラスチックフィルムの複合化技術として公知の方
法をとればよいが、Tダイ共押出法がより好ましい。
【0023】本発明のフィルムは、少なくとも片面に感
圧接着剤層を設けてなる粘着テープや、少なくとも片面
に剥離処理を設けた剥離テープの基材としても好ましく
用いられる。更に限定するものではないが、使い捨てオ
ムツ用の粘着テープや剥離テープにおいて、ファスニン
グテープ、リリーステープ(糊面保護用)等としても好
ましく使用される。
【0024】本発明に使用される粘着剤は、特に限定さ
れるものではないが、通常ブロックコポリマーや天然又
は合成ゴムに、粘着付与樹脂を配合したゴム系のもの
や、アクリル酸エステル共重合体等が使用される。好ま
しくは、ジブロック量が30〜80%であるSISブロ
ックコポリマー40〜70重量%と、全粘着付与樹脂が
60〜30重量%である粘着剤において、全粘着付与樹
脂量の50重量%以上がC5系石油樹脂である粘着剤が
用いられる。
【0025】本発明のフィルムには、必要に応じて上層
面或いは下層面にコロナ処理またはオゾン処理等を施
し、粘着剤のアンカリング適性、剥離剤処理適性の向上
を図っても良い。また処理度を損なわない程度に熱安定
剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤及び着色剤等
を適宜添加して機能性を高めても良い。これらの添加剤
としては、ポリオレフィン用に公知のものを使用すれば
良い。
【0026】
【実施例】〔実施例(フィルム)1〜5の調製〕 プロピレン単独重合体(HOPP、MFR=9.0g/
10min、密度=0.90g/cm3)、エチレン・
プロピレン共重合体(COPP、MFR=8.0g/1
0min、密度=0.90g/cm3)、ポリオレフィ
ン系熱可塑性エラストマー(TPO)[A](ポリプロ
ピレン・EPR・インプラント共重合体、EPR成分5
0%、MFR=3.0、融点=162℃、密度=0.9
0g/cm3)、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマ
ー(TPO)[B](ポリプロピレン・EPR・インプ
ラント共重合体、MFR=7.0g/10min、融点
=142℃、密度=0.90g/cm3)、線状低密度
ポリエチレン(LLDPE−1、MFR=3.5g/1
0min、密度=0.902g/cm3)又は、(LL
DPE−2、密度=O.920g/cm3)、スチレン
・エチレン・ブチレン・スチレンブロック共重合体(S
EBS、MFR=8.0g/10min、密度=0.9
9g/cm3、スチレン/ゴム比=13/87)、及び
ポリプロピレン/二酸化チタン(PP/TiO2 、MF
R=7.0g/10min、二酸化チタン濃度50%)
の各樹脂を表1の実施例1〜5に示される構成で多層フ
ィルムを作製した。
【0027】上層から下層に至る各層は、各重合体をド
ライブレンドした後、押出温度250℃で押出Tダイか
ら粗面度7μmを有する水冷金属冷却ロール上へ押出
す。冷却ロール温度は実施例1では30℃、実施例2、
3、5では35℃、実施例4では40℃である。又、冷
却ロール接触時間はいずれも4.6秒である。冷却され
たフィルムの表面は、直ちに通常のコロナ放電手法によ
って処理され巻き取られる。得られたフィルムは、物理
的性質を平衡に達せしめるために、熟成室(35℃)で
少なくとも48時間熟成させられる。熟成後フィルムの
性質を、表4に示す。
【0028】
【表1】
【0029】〔比較例(フィルム)1〜3の調製〕プロ
ピレン単独重合体(HOPP、MFR=9.0g/10
min、密度=0.90g/cm3)、エチレン・プロ
ピレン共重合体(COPP、MFR=8.0g/10m
in、密度=0.90g/cm3)、低密度ポリエチレ
ン(LDPE、MFR=5.0g/10min、密度=
0.922g/cm3)、及びエチレン・酢酸ビニル共
重合体(EVA、MFR=2.4g/10min、酢酸
ビニル含量 25%、密度=0.949g/cm3)の
各樹脂を表2の比較例1〜3に示される構成で多層フィ
ルムを作製した。
【0030】上層は各々単独で、下層は各重合体をドラ
イブレンドした後、比較例1、3は押出温度250℃
で、比較例2は240℃でそれぞれ押出Tダイから粗面
度7μmを有する水冷金属冷却ロール上へ押出した。冷
却ロール温度はいずれも40℃、冷却ロール接触時間は
いずれも4.6秒である。冷却されたフィルムの表面
は、直ちに通常のコロナ放電手法によって処理され巻き
取られる。得られたフィルムは、物理的性質を平衡に達
せしめるために、熟成室(35℃)で少なくとも48時
間熟成させられる。熟成後フィルムの性質を、表5に示
す。
【0031】
【表2】
【0032】〔比較例(フィルム)4〜7の調製〕プロ
ピレン単独重合体(HOPP、MFR=9.0g/10
min、密度=0.90g/cm3)、エチレン・プロ
ピレン共重合体(COPP、MFR=8.0g/10m
in、密度=0.90g/cm3)、エチレン・アクリ
ル酸共重合体(EAA、MFR=7.0g/10mi
n、アクリル酸含量11%、密度=0.940g/cm
3)、及びエチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA、M
FR=2.4g/10min、酢酸ビニル含量25%、
密度=0.949g/cm3)の各樹脂を表3の比較例
4〜7に示される量で使用して単体フィルムを作製し
た。
【0033】上層に示された各重合体をドライブレンド
した後、比較例4、5は押出温度250℃で、比較例6
は240℃、比較例7は260℃でそれぞれ、押出Tダ
イから粗面度7μmを有する水冷金属冷却ロール上へ押
出した。冷却ロール温度はいずれも40℃、冷却ロール
接触時間はいずれも4.6秒である。冷却されたフィル
ムの表面は、直ちに通常のコロナ放電手法によって処理
され巻き取られる。得られたフィルムは、物理的性質を
平衡に達せしめるために、熟成室(35℃)で少なくと
も48時間熟成させられる。熟成後フィルムの性質を、
表6に示す。
【0034】
【表3】
【0035】〔評価方法〕各評価項目について、以下に
評価方法を示すが、評価用のフィルムは全て、成膜後物
理的性質を平衡に達せしめるために、熟成室(35℃)
で少なくとも48時間熟成させられる。さらに測定に先
立って物理的性質を平衡に達せしめるために室温(23
℃)で少なくとも2週間経過させるものを用いた。
【0036】(1)割線モジュラス及び弾性モジュラ
ス:25.3mm×150mm(標線間隔25.4m
m)のフィルム片を引張試験機に取り付ける。それから
降伏点に達するまで254mm/分の速度で引き離す。
本発明のフィルム特性の表現には割線モジュラスと弾性
モジュラスが使用される。割線モジュラスはASTM
D882セクション11.8の方法によって算出され
る。荷重−伸び曲線の初期直線部に対して接線を引く。
5%歪みにおける引張応力は荷重を試験片の平均断面積
によって割ることによって算出される。弾性モジュラス
は、ASTM D882セクション11.7の方法によ
って算出される。荷重−伸び曲線の初期直線部に接線を
引き、この接線上の任意の点を選び、引張応力を対応歪
みで割ることによって算出される。
【0037】(2)耐溶剤性:フィルムの粘着剤塗工面
(下層)全体にトルエンを十分に塗布、すぐさま80℃
の乾燥機中で3分間乾燥する。乾燥後フィルムを取り出
した際のシワ、タルミ等の状態を目視評価する。 ほぼ
変化のないフィルムを(○)、やや”たるみ”の発生が
あるフィルムを(△)、”たるみ”、”よれ”の発生が
顕著なフィルムを(×)と表現した。
【0038】(3)引裂強度:フィルムを60mm幅
(CD方向)×60mm長さ(MD方向)に切断し、幅
方向(CD方向)中央から長さ方向(MD方向)に平行
に30mmの切り込みを入れる。切り込みを入れた試験
片を引張試験機に取付け、完全に引き裂けるまで500
mm/minの速度で引き離す。このときのピーク強度
を引裂強度とした。
【0039】(4)層間強度:フィルムを80mm×8
0mmに2枚切断し、2枚のMD方向が合うように且つ
上層面どうしが合うように重ねる。2枚重ねたフィルム
の一端を幅10mmのヒートシーラーで、MD方向と垂
直に温度155℃でヒートシールする。得られたサンプ
ルを15mm幅に切断し、引張試験機に取り付ける。そ
れからフィルムが完全に離れるまで速度300mm/m
inで引き離す。このとき各層相互の密着が充分でな
く、層間で剥離を生じた場合、その時点からフィルムが
完全に離れるまでの平均値を層間強度とした。フィルム
の分離(切断)まで、層相互の密着が良好で、層間に剥
離を生じない場合は「切断」と付記し、ピーク値を層感
強度として示した。
【0040】(5)カール:紙オムツに装着され、使用
時にリリーステープから引き剥がした際の、テープ剥が
しクセ(カール)の程度を目視により評価した。
【0041】(6)テープ生産性:フィルムに粘着剤を
塗布、乾燥してロール状に巻き取る粘着テープ生産工程
において、フィルムのシワや伸び発生の状態を評価し
た。
【0042】(7)オムツ生産性:紙オムツ製造機のテ
ープ貼り付けユニットにおいて、テープ巻き出しから、
オムツ本体に装着されるまでのテープの搬送状態を目視
評価した。
【0043】(8)テープの風合い:テープを60mm
幅×25mm長さに切断し、切断面の感触を官能評価し
た。良好なフィルムを(○)とし、柔らかく”腰”が無
いフィルムを(軟)、硬いフィルムを(硬)と表現し
た。
【0044】(9)表面粗さ 株式会社東京精密製の表面粗さ計を使用し、中心線平均
粗さ(Ra)を評価した。カットオフ値0.8mm、測
定長さ3mmとした。又、測定面の外観を目視評価し、
「てかり」が無く、マット調で外観上の風合いが良好な
フィルムを(○)とし、「若干てかり」があるフィルム
を(△)、「てかりが大きい」フィルムを(×)と表現
した。実施例1〜5については上層側の表面を測定し
た。比較例1〜3は先行文献に対応し事後処理として物
理的にエンボスをかけるべき面である下層側を測定し
た。比較例4〜7は単層フィルムであるので、より凹凸
の目立つ側である冷却ロールに接する面を測定した。
【0045】
【表4】
【0046】
【表5】
【0047】
【表6】
【0048】
【発明の効果】本発明のフィルムは、特定のポリオレフ
ィン系熱可塑性エラストマーを含有することで表面を梨
地状に改質するため、エンボスロール等の物理的加工方
法に比べ生産性の高いマット調フィルムが得られる。ま
た、本発明のフィルムを使い捨てオムツ及び粘着テープ
の基材フィルムとして使用した場合、柔らかい風合いと
オムツ、テープ等の使用時に使いやすい適当な腰、強
度、引裂強度を有し、且つテープ生産時の加工適性及び
オムツ生産時の走行性に優れる粘着テープが得られる。
さらに使い捨てオムツでは、オムツ装着時にテープをリ
リーステープ(糊面保護用)から剥がす際に、カールが
なくしっかりした手持ち感を与える。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリプロピレンを主成分とし、ポリオレ
    フィン系熱可塑性エラストマーを含有する上層(A)
    と、ポリプロピレンを主成分とし、ポリオレフィン系熱
    可塑性エラストマー、スチレン系熱可塑性エラストマー
    及び線状低密度ポリエチレンからなる群から選ばれる1
    種以上の樹脂を含有する下層(C)の間に、ポリプロピ
    レン、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー及びスチ
    レン系熱可塑性エラストマーからなる群から選ばれる1
    種以上の樹脂を主成分とする中間層(B)を設けたこと
    を特徴とする多層フィルム。
  2. 【請求項2】 前記したポリオレフィン系熱可塑性エラ
    ストマーが、ポリエチレン又はポリプロピレンをハード
    セグメントとし、エチレン・プロピレンラバー又はエチ
    レン・プロピレン・ジエンターポリマーをソフトセグメ
    ントとするポリオレフィン系熱可塑性エラストマーであ
    る請求項1に記載の多層フィルム。
  3. 【請求項3】 ポリプロピレンを主成分とし、ポリオレ
    フィン系熱可塑性エラストマーを含有する上層(A)
    と、ポリプロピレンを主成分とし、ポリオレフィン系熱
    可塑性エラストマー、スチレン系熱可塑性エラストマー
    及び線状低密度ポリエチレンからなる群から選ばれる1
    種以上の樹脂を含有する下層(C)の間に、ポリプロピ
    レン、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー及びスチ
    レン系熱可塑性エラストマーからなる群から選ばれる1
    種以上の樹脂を主成分とする中間層(B)を設けた多層
    フィルムの下層(C)側に粘着剤層(D)を有すること
    を特徴とする粘着テープ。
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