JPH11320769A - 透明性赤外線カットオフフィルム - Google Patents

透明性赤外線カットオフフィルム

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JPH11320769A
JPH11320769A JP10139037A JP13903798A JPH11320769A JP H11320769 A JPH11320769 A JP H11320769A JP 10139037 A JP10139037 A JP 10139037A JP 13903798 A JP13903798 A JP 13903798A JP H11320769 A JPH11320769 A JP H11320769A
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layer
film
infrared
infrared cutoff
infrared cut
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JP10139037A
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Takeshi Takizawa
剛 滝沢
Shinichi Takahashi
真一 高橋
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Tomoegawa Co Ltd
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Tomoegawa Paper Co Ltd
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    • G02OPTICS
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    • G02B5/20Filters
    • G02B5/208Filters for use with infrared or ultraviolet radiation, e.g. for separating visible light from infrared and/or ultraviolet radiation

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 赤外線カットオフ層をより薄膜化させて従来
よりも高い透明性ならびに密着性を得ることができると
ともに、赤外線カットオフ材料の使用量の低減に伴うコ
ストダウンが図られる透明性赤外線カットオフフィルム
を提供する。 【解決手段】 ベースフィルム1の表面に、ITO粉末
+樹脂の導電性塗料を塗布して赤外線カットオフ層2を
形成し、赤外線カットオフ層2の表面にハードコート層
3を形成し、ベースフィルム1の裏面に粘着層4を形成
する。赤外線カットオフ層3に用いる樹脂を光カチオン
重合開始剤を含有する紫外線硬化型樹脂とすることによ
り厚さが大幅に低減し、従来よりも透明性、密着性が向
上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、建物や自
動車等の窓ガラスに、主に太陽光の赤外線を遮蔽(カッ
トオフ)することを目的として貼られる透明性赤外線カ
ットオフフィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】可視領域の光に対して透明(透過性)で
あって、かつ赤外領域の光に対しては反射あるいは吸収
させる赤外線カットオフ機能を有する透明フィルムは、
主に、放射される太陽光の熱影響を抑制するために従来
より用いられている。例えば、建物や自動車等の窓ガラ
スに貼ることにより、窓ガラスを通して日射を直接受け
ても暑さが抑えられる。また、夏季では室温の上昇が抑
えられて冷房効率が向上し、冬季では室内の保温効率が
向上する。さらに、窓ガラスが割れた際に飛散が防止さ
れるといった付加的効果ももたらされる。このような透
明性赤外線カットオフフィルムは、一般に、PET(ポ
リエチレンテレフタレート)等の合成樹脂からなるベー
スフィルムの片面に、赤外線カットオフ層が積層され、
ベースフィルム側に表面の保護層としてハードコート層
が積層され、赤外線カットオフ層側に粘着層を介して紙
やフィルム等からなるセパレート材が貼着された層構成
となっており、セパレート材を粘着層から剥がし、粘着
層をガラス等に貼って用いるようになっている。
【0003】赤外線カットオフ層は、従来、各種赤外線
吸収剤(例えばイモニウム、アミニウム、アントラキノ
ン系の化合物)や赤外線反射剤(例えばZnO、SnO
2、フタロシアン系の顔料等)等の赤外線カットオフ剤
を塗布する等の方法でベースフィルム上に形成されてい
た。しかしながら、このような赤外線カットオフ剤で
は、例えば暗褐色や暗青色等に着色されてしまって可視
光線透過率が50%以下と透明性に劣ったり、1000
nmあるいは1500nm以上の長波長領域の赤外線し
か吸収しないか、または、ごく一部の波長領域の赤外線
のみを吸収するものでしかなかった。そこで、このよう
な従来の赤外線カットオフ剤の欠点を改善するものとし
て、導電性粉末である錫含有酸化インジウム粉末(以下
ITO粉末と略記する)が開発された。このITO粉末
を、ベースフィルム上に、真空蒸着法やスパッタリング
法、あるいは樹脂に分散させて赤外線カットオフ層用塗
料としたものを塗工する方法等で薄膜形成することによ
り、800〜2500nm程度の赤外線を反射すること
ができ、かつ透明性を有する赤外線カットオフフィルム
の提供が可能となった。
【0004】ところで、上記ITO粉末を、真空蒸着法
やスパッタリング法によってベースフィルム上に形成す
るには、高真空や精度の高い雰囲気制御が可能な装置を
使用しなければならないことから、コストが高くなると
ともに量産性に劣る等の問題があった。そこで、このよ
うな欠点のない薄膜形成法として、前記塗工法がより好
適とされている。その塗工法により赤外線カットオフ層
を形成するにあたって用いられる樹脂は、高透明性を有
するものであって、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、
エポキシ系樹脂等の紫外線硬化型樹脂、もしくはメラミ
ン樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコン樹脂、シリコン変
成樹脂等の熱硬化型樹脂、さらには、アクリル系、ウレ
タン系、ポリエステル系の熱可塑性樹脂等の、一般的な
塗膜形成用の樹脂が適宜に選択され用いられている。そ
して、前述の層構成とするには、ベースフィルムの表面
にハードコート層を、また、裏面に赤外線カットオフ層
を塗工した第1のフィルムと、セパレート材の片面に粘
着層を塗工した第2のフィルムとをそれぞれ製造し、第
1のフィルムの赤外線カットオフ層を第2のフィルムの
粘着層に貼り合わせて両フィルムを互いにラミネートす
る方法が一般的である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】さて、透明性赤外線カ
ットオフフィルムにあっては、高い透明性はもちろんの
こと、ガラス等に貼った状態における高い耐久性、すな
わち硬さが求められる。ところが、上記の熱硬化樹脂、
熱可塑性樹脂等は薄膜では硬くならず、紫外線硬化型樹
脂を3μm程度確保しなければ十分に硬化せず、より薄
膜化させて透明性を高めようとするには限度があった。
また、上記ラミネート法によると、赤外線カットオフ層
の表面には、ITO粉末もしくは含有された顔料が表出
することにより微細な凹凸が生じており、この凹凸は、
貼り合わせられる粘着層に埋め込まれにくかった。この
ため、光が散乱して曇りの度合いが大きくなり、この点
においても高い透明性が得られにくかった。さらに、赤
外線カットオフ層が設けられたフィルムにハードコート
層を積層して表面の硬度を確保しても、上記樹脂では、
赤外線カットオフ層の硬さを高めるには限度があり、満
足できるものではなかった。また、ガラス等に貼った状
態では、経時において太陽光等による影響から各層間の
密着性が不十分となり、剥離を生じるという問題があっ
た。また、ITO粉末は比較的高価であるため、上記の
ように赤外線カットオフ層の樹脂が3μm程度の厚さで
あると、相応の量のITO粉末が必要となり、コストダ
ウンを図りにくいといった問題もあった。
【0006】したがって本発明は、赤外線カットオフ層
をより薄膜化させることにより従来よりも高い透明性と
コストダウンを図ることができるとともに、フィルム全
体の硬さの向上が図られるとともに良好な密着性ならび
に優れた耐久性を有する透明性赤外線カットオフフィル
ムを提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、ITO粉末
が混合・分散されて赤外線カットオフ層を形成する樹脂
を種々検討した結果、その樹脂として光カチオン重合開
始剤を含有する紫外線硬化型樹脂を用いることにより、
薄膜化、硬さの向上ならびに良好な密着性(耐剥離性)
が達成され得ることを見い出した。よって本発明の赤外
線カットオフフィルムは、ベースフィルムの表面に、樹
脂中にITO粉末が混合・分散された赤外線カットオフ
層が積層され、その赤外線カットオフ層を形成する樹脂
が、光カチオン重合開始剤を含有する紫外線硬化型樹脂
であることを特徴としている。
【0008】本発明の透明性赤外線カットオフフィルム
においては、ITO粉末を光カチオン重合開始剤を含有
する紫外線硬化型樹脂に混合・分散してこれを赤外線カ
ットオフ層用塗料とし、この塗料をベースフィルム上に
塗工することにより、赤外線カットオフ層が形成され
る。ベースフィルム上への塗工方法としては、ワイヤバ
ーコーティング法、ドクターブレードコーティング法、
グラビアコーティング法、ディップコーティング法等が
挙げられる。本発明の紫外線硬化型樹脂を用いた赤外線
カットオフ層用塗料は、0.5μm程度で硬化すること
が本発明者により確認され、したがって、赤外線カット
オフ層は従来より薄膜化が顕著となる。赤外線カットオ
フ層のより一層の薄膜化により、フィルム全体の曇りの
度合いが、例えば、「JIS K7105」によるHA
ZE値が1.0以下と小さくなり、かつ高い透明性を得
ることができる。また、ITO粉末の使用量が自ずと低
減するので、コストダウンを図ることができる。さら
に、本発明の紫外線硬化型樹脂は、上記従来の樹脂より
も硬さが高いことも本発明者により確認され、よってフ
ィルム全体としての硬さが向上し、加えて、ベースフィ
ルムへの密着性にも優れ、十分な耐久性を有するフィル
ムとなる。
【0009】さて、本発明の透明性赤外線カットオフフ
ィルムは、上記のように、ベースフィルムの表面に、I
TO粉末+光カチオン重合開始剤を含有する紫外線硬化
型樹脂よりなる赤外線カットオフ層が積層されるもので
あるが、実用的な層構成の好ましい態様は、次の如くで
ある。すなわち、図1に示すように、ベースフィルム1
の表面に赤外線カットオフ層2を積層し、さらにこの赤
外線カットオフ層2の表面にハードコート層3を積層
し、一方、ベースフィルム1の裏面に粘着層4を積層
し、さらに粘着層4の裏面にセパレート材5を積層す
る。
【0010】この層構成とするには、ベースフィルム1
の表面に赤外線カットオフ層2とハードコート層3をこ
の順で塗工した第1のフィルム10と、セパレート材5
の表面に粘着層4を塗工した第2のフィルム20とをそ
れぞれ製造し、第1のフィルム10のベースフィルム1
を第2のフィルム20の粘着層4に貼り合わせて両フィ
ルム10、20を互いにラミネートする等の方法が挙げ
られる。そして、実際に使用する場合には、セパレート
材5を剥がして露出させた粘着層4をガラス等に貼る。
ここで、ベースフィルム1、ハードコート層3および粘
着層4は、いずれも高透明性の材料を用いることは自明
である。
【0011】このような層構成によれば、ハードコート
層は元より、赤外線カットオフ層も上記のように硬さが
高いことから、この2層による表層の硬さが向上し、耐
久性がさらに向上する。ここで、ハードコート層は、フ
ィルム表面の耐久性が向上することに加え、コスト的に
有利な点から、紫外線硬化型樹脂が好ましい。また、赤
外線カットオフ層は、ベースフィルムの表面に塗工さ
れ、かつ表面にハードコート層が塗工されてベースフィ
ルムとハードコート層とにサンドイッチされることによ
り、境界面の凹凸に起因する光の散乱が生じにくく、こ
の点においてもHAZE値の低減ならびに高い透明性が
達成される。
【0012】次に、上記構成よりなる本発明の透明性赤
外線カットオフフィルムの各層を構成する材料について
詳述する。A.ベースフィルム ベースフィルムとしては、公知の透明なフィルムを使用
することができる。その具体例としては、PET、TA
C(トリアセチルセルロース)、ポリアリレート、ポリ
エーテル、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエー
テルスルホン、セロファン、ポリエチレン、ポリプロピ
レン、ポリビニルアルコール等の各種樹脂フィルム等を
好適に使用することができる。
【0013】B.ITO粉末 本発明の赤外線カットオフ層に混合・分散されるITO
粉末は、透明性および分散性の観点から、その平均粒径
が、100nm以下のものが好適とされ、さらに50n
m以下、最も好ましくは25〜35nmが最適とされ
る。
【0014】ITO粉末は、一般周知の製法、すなわ
ち、Inと少量のSnの水溶塩を含む水溶液をアルカリ
と反応させてInとSnの水酸化物を共沈させ、この共
沈物を原料として得た後、この原料を、CO、NH3、
H2等の還元性雰囲気中で加熱焼成して酸化物に変換さ
せたものが用いられる。この場合のITO粉末は、原料
を還元性雰囲気中で加熱焼成しており、その成分モル比
としてはIn/Sn/O2 が100/5〜10/0.
5〜10、好ましくは100/5〜10/0.5〜2で
ある。このように還元処理されたITO粉末は、青色を
呈している。このようなITO粉末は、最短赤外線カッ
トオフ波長が800nmと、きわめて赤外線カットオフ
機能に優れている。
【0015】C.光カチオン重合開始剤を含有する紫外
線硬化型樹脂 ITO粉末が混合・分散される紫外線硬化型樹脂として
は、アクリル系化合物またはエポキシ系化合物のうちの
1種類以上を含有するモノマーに、光カチオン重合開始
剤を含有したものが好ましく用いられる。アクリル系化
合物を含有させることは、紫外線硬化型樹脂の粘度、架
橋密度、耐熱性、耐薬品性等の塗料および塗工膜の特性
をコントロールする上で好ましい。
【0016】エポキシ系化合物としては、テトラメチレ
ングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコ
ールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジ
グリシジルエーテル、ビスフェノールA−ジグリシジル
エーテル等のグリシジルエーテル、2−ヒドロキシ−3
−フェノキシプロピルアクリレート、ビスフェノールA
−ジエポキシ−アクリル酸付加物等のエポキシエステル
や、下記の化学式からなる脂環式エポキシ等のモノマー
およびオリゴマーが挙げられる。
【0017】
【化2】
【0018】アクリル系化合物としては、ラウリルアク
リレート、エトキシジエチレングリコールアクリレー
ト、メトキシトリエチレングリコールアクリレート、フ
ェノキシエチルアクリレート、テトラヒドロフルフリル
アクリレート、イソボルニルアクリレート、2−ヒドロ
キシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアク
リレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシアクリレー
ト等の単官能アクリレート、ネオペンチルグリコールジ
アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレー
ト、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタ
エリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトー
ルジアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアク
リレート等の多官能アクリレート、トリメチロールプロ
パンアクリル酸安息香酸エステル、トリメチルプロパン
安息香酸エステル等のアクリル酸誘導体、2−エチルヘ
キシルメタクリレート、n−ステアリルメタクリレー
ト、シクロヘキシルメタクリレート、テトラヒドロフル
フリルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタアク
リレート、2−ヒドロキシブチルメタアクリレート等の
単官能メタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメ
タクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレ
ート、グリセリンジメタクリレート等の多官能メタクリ
レート等のメタクリル酸誘導体、グリセリンジメタクリ
レートヘキサメチレンジイソシアネート、ペンタエリス
リトールトリアクリレートヘキサメチレンジイソシアネ
ート等のウレタンアクリレート等のモノマーおよびオリ
ゴマーが挙げられる他、下記の化学式からなる化合物を
少なくとも1種類以上含有するものが用いられる。
【0019】
【化3】
【0020】光カチオン重合開始剤としては、下記の化
学式からなる化合物を挙げることができる。なお、これ
ら化合物は各単体で用いてもよく、複数混合で使用して
もよい。
【0021】
【化4】
【0022】光カチオン重合開始剤の配合量は、主剤に
対し、0.1〜10重量%の範囲が望ましい。この配合
量の根拠は、0.1重量%より少なくても、また10重
量%より多くても、紫外線硬化が不十分だからである。
また、紫外線硬化型樹脂の透明性は高いほどよく、「J
IS C6714」による光線透過率が80%以上、好
ましくは90%以上確保されているとよい。
【0023】赤外線カットオフ層用塗料を構成するIT
O粉末と光カチオン重合開始剤を含有する紫外線硬化型
樹脂との配合比は、ITO粉末/樹脂が、重量比で90
/10〜60/40、好ましくは85/15〜65/3
5、さらに好ましくは80/20〜70/30の場合に
1μm程度の薄層でも良好な赤外線カットオフ性能が得
られ、高い透明性を有し、かつ曇りの少ないフィルムを
得ることができる。ITO粉末の混合比が90重量%超
の場合には、ITO粉末によって着色されたり曇りの度
合いが高くなったりするとともに金属光沢が増し、赤外
線カットオフ層の剥離や凝集破壊を招き、さらにベース
フィルムとの密着性に劣る。また、ITO粉末の混合比
が60重量%未満の場合には、目的とする赤外線カット
オフが達成されず、ITO粉末の粒子と樹脂との屈折率
の差によりHAZE値が高くなり不適当である。
【0024】D.顔料 本発明では、赤外線カットオフ層に、ZnO、SnO
2、TiO2等の顔料を混入することができる。すなわ
ち、これら顔料をITO粉末とともに本発明の紫外線硬
化型樹脂に混合させて赤外線カットオフ層を形成する。
顔料はITO粉末とともに赤外線カットオフ機能を果た
し、その赤外線カットオフ波長領域は1200〜250
0nmである。したがって、ITO粉末と組み合わせる
ことにより近赤外領域と呼ばれる800〜2500nm
の赤外線波長のカットオフ性能を低下させることなく、
本発明の紫外線硬化型樹脂へのITO粉末の配合比を上
記範囲内において低目に設定することができ、その結
果、高価なITO粉末の使用量が低減してさらなるコス
トダウンを図ることができる。さらに、これらの顔料は
平均粒径が100nm以下であることが、金属光沢の抑
制や良好な電磁波透過性を達成するためにも必要であ
る。
【0025】E.ハードコート層 ハードコート層を形成するハードコート剤としては、放
射線、熱のいずれかもしくはそれらの組み合わせにより
硬化する樹脂を用いることができる。放射線硬化型樹脂
としては、アクリロイル基、メタアクリロイル基、アク
リロロイルオキシ基、メタアクリロイルオキシ基等重合
性不飽和結合を有するモノマー、オリゴマー、プレポリ
マーを適宜混合した組成物が用いられる。モノマーの例
としては、スチレン、アクリル酸メチル、メチルメタク
リレート、メトキシポリエチレンメタクリレート、シク
ロヘキシルメタクリレート、フェノキシエチルメタクリ
レート、エチレングリコールジメタクリレート、ジペン
タエリスリトールヘキサアクリレート、トリメチロール
プロパントリメタクリレート等が挙げられる。オリゴマ
ー、プレポリマーとしては、ポリエステルアクリレー
ト、ポリウレタンアクリレート、エポキシアクリレー
ト、ポリエーテルアクリレート、アルキットアクリレー
ト、メラミンアクリレート、シリコンアクリレート等の
アクリレート、不飽和ポリエステル、エポキシ系化合物
等が挙げられる。これらは、単独もしくは複数混合して
使用してもよい。モノマーは硬化膜の可撓性が要求され
る場合は少な目にし、さらに架橋密度を低くするために
は、1官能、2官能のアクリレート系モノマーを使用す
ることが好ましく、逆に、硬化膜に耐熱性、耐摩耗性、
耐溶剤性等過酷な耐久性を要求される場合は、モノマー
の量を増やし、3官能以上のアクリレート系モノマーを
使用することが好ましい。
【0026】上記のような放射線硬化型樹脂を硬化させ
るには、例えば紫外線、電子線、X線などの放射線を照
射すればよいが、必要に応じて適宜重合開始剤を添加す
ることができる。なお、紫外線により硬化させる場合
は、光重合開始剤を添加する必要がある。光重合開始剤
としては、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ
−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベン
ジルジメチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシル
−フェニルケトン、2−メチル−2−モルホリノ(4−
チオメチルフェニル)プロパン−1−オン等のアセトフ
ェノン類、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチ
ルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾ
インイソブチルエーテル等のベンゾインエーテル類、ベ
ンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−フ
ェニルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4′−メチル
−ジフェニルサルファイド、4−ベンゾイル−N,N−
ジメチル−N−[2−(1−オキソ−2−プロペニルオ
キシ)エチル]ベンゼンメタナミニウムプロミド、(4
−ベンゾイルベンジル)トリメチルアンモニウムクロリ
ド等のベンゾフェノン類、2,4ジエチルチオキサント
ン、1−クロロ−4−ジクロロチオキサントン等のチオ
キサントン類、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフ
ェニルベンゾイルオキサイド等を挙げることができる。
これらは、単独もしくは複数混合して使用することがで
きる。また、促進剤(増感剤)として、N,N−ジメチ
ルパラトルイジン、4,4′−ジエチルアミノベンゼン
フェノン等アミン系化合物を混合し、使用することもで
きる。
【0027】さらに、ハードコート剤として用いる樹脂
としては、特に、硬さや透明密着性に優れる点で、紫外
線硬化型のエポキシ系化合物を用いた方がよい。具体的
なエポキシ系化合物としては、テトラメチレングリコー
ルジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリ
シジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジル
エーテル、ビスフェノールA−ジグリシジルエーテル等
のグリシジルエーテル、2−ヒドロキシ−3−フェノキ
シプロピルアクリレート、ビスフェノールA−ジエポキ
シ−アクリル酸付加物等のエポキシエステル等が挙げら
れる。また、重合開始剤としては光カチオン重合開始剤
を用いることができ、前記赤外線カットオフ層に使用さ
れるものと同様のものが例示される。その配合量は、主
剤に対し、0.1〜10重量%の範囲が望ましい。この
配合量は、0.1重量%より少なくても、また10重量
%より多くても、紫外線硬化は不十分である。
【0028】F.粘着層 粘着層を形成する粘着剤は、例えばアクリル系粘着剤が
用いられ、これに硬化剤として、例えば金属キレート
系、イソシアネート系、エポキシ系の架橋剤が必要に応
じて1種あるいは2種以上混合されて用いられる。この
ような粘着剤は、粘着層としての粘着力(JIS Z0
237による)が100〜2000g/25mmの範囲
になるよう配合されると実用上好ましい。また、粘着層
の厚さは、乾燥後で15〜25μm程度が好ましい。ま
た、粘着層には、紫外線吸収剤を適宜添加することによ
り、紫外線カットオフ効果も合わせて得ることができ
る。その紫外線吸収剤としては、p−t−ブチルフェニ
ルサリシレート、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾ
フェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェ
ノン、2,2′−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフ
ェノン、2′−(2′−ヒドロキシ−5−メチルフェニ
ル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−
3′−t−ブチル−5′−メチルフェニル)−5−クロ
ロベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−
3′,5′−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾ
ール等が好適に用いられる。
【0029】G.その他の材料 ・赤外線カットオフ層用塗料に添加される溶剤 赤外線カットオフ層用塗料は、上記のITO粉末および
紫外線硬化型樹脂からなるが、これに溶剤として、ベン
ゼン、トルエン、アセトン、メチルエチルケトン、イソ
ホロン、シクロヘキサノン等の有機溶剤を、1種もしく
は2種以上適宜に添加することができる。 ・赤外線カットオフ層用塗料に添加される界面活性剤 ITO粉末の分散性を向上させる目的で、赤外線カット
オフ層用塗料に微量の界面活性剤(例えばノニオン系)
を添加することができる。
【0030】本発明の赤外線カットオフフィルムにおい
ては、赤外線カットオフ層がベースフィルム上に、また
はハードコート層が赤外線カットオフ層に塗工され易
く、かつ高い密着性を有するようにするために、赤外線
カットオフ層は濡れ性が高ければ高いほどよく、具体的
には、「JIS K6768による濡れ指数による規
定」の数値が50以下が確保されていればよく、46以
下であればより好ましく、40以下であればさらに好ま
しい。かかる濡れ指数は、各層の材料および組成を適宜
選択して調整することができる。
【0031】なお、本発明は赤外線カットオフを主目的
とするフィルムではあるが、上記の粘着層の場合と同様
にその他の各層の少なくとも一層に、前述のような紫外
線吸収剤を適宜添加することにより、紫外線カットオフ
効果も合わせて得ることができる。
【0032】
【発明の実施の形態】次に、本発明を実施例によってさ
らに詳細に説明する。なお、「部」は「重量部」を意味
するものとする。 [実施例1] −赤外線カットオフ層用塗料の配合− ・ITO粉末 65部 一次粒子径:約30nm 成分モル比:In/Sn/O2=100/5/0.9 ・紫外線硬化型樹脂(モノマー) アクリル系化合物(ジペンタエリスリトールポリアクリレート) 8部 エポキシ系化合物 8部 (商品名:セキサイト2021、ダイセル化学社製) ・紫外線硬化型樹脂(光カチオン重合開始剤) 1部 下記の化学式からなる化合物
【0033】
【化5】 ・溶剤:メチルエチルケトン 18部 以上の材料を、ペイントシェーカーによりアクリルビー
ズを用いて10時間混合・分散させて赤外線カットオフ
層用塗料を調整した。
【0034】次に、ベースフィルムとして厚さ50μm
の高透明性PETフィルム(ICI社製:メリメックス
#707)を用い、このPETフィルムの表面に、アク
リルビーズを除去した上記塗料をアプリケータで塗布
し、100℃で乾燥後、120Wで紫外線照射して硬化
させ、厚さ1μmの赤外線カットオフ層を形成した。次
に、赤外線カットオフ層の表面に、ハードコート剤とし
てエポキシ系−アクリル系混合タイプの紫外線硬化型樹
脂(旭電化工業社製:KR−566)をアプリケータで
塗布後、120Wで紫外線照射して硬化させ、厚さ2μ
mのハードコート層を形成した。また、ベースフィルム
の裏面に、アクリル系粘着剤(一方社油脂工業社製、商
品名:AS−6000)100部、硬化剤(ポリイソシ
アネート)1部、溶剤(トルエン/酢酸エチル/ブタノ
ール=5/4/1の割合)20部を混合させた粘着剤を
アプリケータで塗布し、厚さ20μmの粘着層を形成し
た。以上により、実施例1の赤外線カットオフフィルム
を得た。このフィルムの層構成は、図1と同様である。
【0035】 [実施例2] −赤外線カットオフ層用塗料の配合− ・ITO粉末 65部 一次粒子径:約30nm 成分モル比:In/Sn/O2=100/5/0.9 ・紫外線硬化型樹脂(モノマー) アクリル系化合物(トリペンタエリスリトールポリアクリレート) 8部 エポキシ系化合物 8部 (商品名:サイラキュアUVR−6110、ユニオンカーバイト社製) ・紫外線硬化型樹脂(光カチオン重合開始剤) 1部 (商品名:サイラキュアUVI−6990、ユニオンカーバイト社製) ・溶剤:メチルイソブチルケトン 18部 以上の材料を赤外線カットオフ層用塗料とし、実施例1
と同様の製法によって実施例2の赤外線カットオフフィ
ルムを得た。
【0036】 [実施例3] −赤外線カットオフ層用塗料の配合− ・ITO粉末 65部 一次粒子径:約30nm 成分モル比:In/Sn/O2=100/5/0.9 ・紫外線硬化型樹脂(モノマー) アクリル系化合物(テトラペンタエリスリトールポリアクリレート) 8部 エポキシ系化合物 8部 (商品名:エピコート828、油化シェルエポキシ社製) ・紫外線硬化型樹脂(光カチオン重合開始剤) 1部 (商品名:サイラキュアUVI−6990、ユニオンカーバイト社製) ・溶剤:シクロヘキサノン 18部 以上の材料を赤外線カットオフ層用塗料とし、実施例1
と同様の製法によって実施例3の赤外線カットオフフィ
ルムを得た。
【0037】 [実施例4] −赤外線カットオフ層用塗料の配合− ・ITO粉末 58部 一次粒子径:約30nm 成分モル比:In/Sn/O2=100/5/0.9 ・紫外線硬化型樹脂(モノマー) アクリル系化合物(ジペンタエリスリトールポリアクリレート) 6部 アクリル系化合物(トリペンタエリスリトールポリアクリレート) 6部 エポキシ系化合物 11部 (商品名:エピコート828、油化シェルエポキシ社製) ・紫外線硬化型樹脂(光カチオン重合開始剤) 1部 (商品名:BBI−102、みどり化学社製) ・溶剤:メチルエチルケトン 18部 以上の材料を赤外線カットオフ層用塗料とし、実施例1
と同様の製法によって実施例4の赤外線カットオフフィ
ルムを得た。
【0038】 [実施例5] −赤外線カットオフ層用塗料の配合− ・ITO粉末 65部 一次粒子径:約30nm 成分モル比:In/Sn/O2=100/5/0.9 ・紫外線硬化型樹脂(モノマー) アクリル系化合物(1,6ヘキサンジオールジメタクリレート) 4部 アクリル系化合物(トリペンタエリスリトールポリアクリレート) 4部 エポキシ系化合物 8部 (商品名:エピコート828、油化シェルエポキシ社製) ・紫外線硬化型樹脂(光カチオン重合開始剤) 1部 (商品名:MP−103、みどり化学社製) ・溶剤:メチルエチルケトン 18部 以上の材料を赤外線カットオフ層用塗料とし、実施例1
と同様の製法によって実施例5の赤外線カットオフフィ
ルムを得た。
【0039】[実施例6]実施例3と同じ赤外線カット
オフ層用塗料を用い、図2に示す層構成の赤外線カット
オフフィルムを製造して実施例6とした。図2に示す赤
外線カットオフフィルムは、ベースフィルム1の表面に
ハードコート層3が積層され、ベースフィルム1の裏面
に赤外線カットオフ層2および粘着層4がこの順に積層
された層構成となっている。用いたベースフィルム、ハ
ードコート層の材料および粘着層の材料、ならびに塗布
方法は、実施例1と同様とした。
【0040】[実施例7]…厚さが薄い例 赤外線カットオフ層の厚さを0.6μmとした以外は実
施例3と同様にして実施例7の赤外線カットオフフィル
ムを得た。
【0041】 [実施例8] −赤外線カットオフ層用塗料の配合− ・ITO粉末 65部 一次粒子径:約30nm 成分モル比:In/Sn/O2=100/5/0.9 ・紫外線硬化型樹脂(モノマー) アクリル系化合物(1,6ヘキサンジオールジメタクリレート) 16部 ・紫外線硬化型樹脂(光カチオン重合開始剤) 1部 (商品名:MP−103、みどり化学社製) ・溶剤:メチルエチルケトン 18部 以上の材料を赤外線カットオフ層用塗料とし、実施例1
と同様の製法によって実施例8の赤外線カットオフフィ
ルムを得た。
【0042】[実施例9]…厚さが厚い例 赤外線カットオフ層の厚さを4μmとした以外は実施例
3と同様にして実施例9の赤外線カットオフフィルムを
得た。 [実施例10]…厚さが厚い例 赤外線カットオフ層の厚さを4μmとした以外は実施例
8と同様にして実施例10の赤外線カットオフフィルム
を得た。
【0043】 [比較例1]…本発明の光カチオン重合開始剤を含まない例 −赤外線カットオフ層用塗料の配合− ・ITO粉末 65部 一次粒子径:約30nm 成分モル比:In/Sn/O2=100/5/0.9 ・紫外線硬化型樹脂(モノマー) アクリル系化合物(テトラペンタエリスリトールポリアクリレート) 8部 エポキシ系化合物 8部 (商品名:エピコート828、油化シェルエポキシ社製) ・紫外線硬化型樹脂(ラジカル重合開始剤) 1部 (商品名:イルガキュア184、チバガイギー社製) ・溶剤:シクロヘキサノン 18部 以上の材料を赤外線カットオフ層用塗料とし、実施例1
と同様の製法によって比較例1の赤外線カットオフフィ
ルムを得た。
【0044】[比較例2]…本発明の光カチオン重合開
始剤を含まず、かつ厚さが厚い例 赤外線カットオフ層の厚さを3μmとした以外は比較例
1と同様にして比較例2の赤外線カットオフフィルムを
得た。
【0045】 [比較例3]…本発明の光カチオン重合開始剤を含まない例 −赤外線カットオフ層用塗料の配合− ・ITO粉末 65部 一次粒子径:約30nm 成分モル比:In/Sn/O2=100/5/0.9 ・熱可塑性樹脂(2エチルヘキシルアセテート) 16部 ・溶剤:トルエン 19部 以上の材料を赤外線カットオフ層用塗料とし、実施例1
と同様の製法によって比較例3の赤外線カットオフフィ
ルムを得た。
【0046】上記実施例1〜10および比較例1〜3の
赤外線カットオフフィルムにつき、次の試験を行った。
その結果を、表1に示す。 赤外線カットオフ層の厚さ 電子顕微鏡による断面写真に基づき、赤外線カットオフ
層の厚さを測定した。 光透過率(透明性) 分光光度計(島津製作所社製、UV−3100)を用
い、波長550nm、1000nmおよび1500nm
のときのフィルムの光透過率を測定した。 HAZE値(透明性) HAZEメーター(NIPPON DENSHOKU社
製、NDH2000)を用い、HAZE値を測定した。 密着性−碁盤目試験 「JIS K5400」に規定される碁盤目試験を、常
温(室内)下におけるフィルムと、40℃に保持した温
水に200時間浸漬した後に取り出した状態のフィルム
に対して行い、フィルムの密着性を判定した。碁盤目試
験の評価点数において10を◎(密着性に優れる)、8
を○(十分な密着性を有する)、6を△(実用上やや問
題がある)、4〜0を×(実用上問題がある)と評価し
た。 密着性−目視 ベースフィルム、赤外線カットオフ層およびハードコー
ト層が十分に密着しているか否かを目視で判断した。十
分密着している場合は○、密着していない場合は×と評
価した。 密着性−劣化程度 紫外線ロングライフ・フェードメーター(FAL−AU
型)を用い、フィルム製造後200時間経ったときの赤
外線カットオフ層またはハードコート層の密着の劣化程
度を調べた。十分密着している場合は○、密着していな
い場合は×と評価した。 外観の経時変化 フィルムを製造してから一ヶ月経過した後の赤外線カッ
トオフ層またはハードコート層の外観を観察した。透明
性が保たれて外観に変化がない場合は○、変色等があっ
た場合にはその内容を記した。 フィルムの硬さ−鉛筆引っかき値 フィルムの表面の硬さとして、「JIS K5400」
に規定される鉛筆引っかき値を試験機法によって求め
た。
【0047】
【表1】
【0048】表1によれば、本発明に基づく各実施例の
赤外線カットオフフィルムは、HAZE値が低く、かつ
高い透明性および密着性を有し、さらに硬さも十分であ
ることが確かめられた。特に、実施例1〜6は密着性と
硬さに優れきわめて実用的である。一方、光カチオン重
合開始剤を含有せず、通常のラジカル重合開始剤を含む
紫外線硬化型樹脂を赤外線カットオフ層に用いた比較例
1、2および熱可塑性樹脂を赤外線カットオフ層に用い
た比較例3にあっては、透明性および密着性が不十分で
あった。特に赤外線カットオフ層の厚さが1μmとされ
た比較例1、3は硬さに劣り、本発明の効果が明らかと
なった。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
赤外線カットオフ層を形成する樹脂として光カチオン重
合開始剤を含有する紫外線硬化型樹脂を用いることか
ら、より一層の薄膜化が達成され、かつ従来よりも高い
透明性ならびに密着性を得ることができるとともに、赤
外線カットオフ材料の使用量の低減に伴うコストダウン
を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態に係る透明性赤外線カッ
トオフフィルムの層構成の一例を示す概念図である。
【図2】 本発明の一実施形態に係る透明性赤外線カッ
トオフフィルムの層構成の他の例を示す概念図である。
【符号の説明】
1…ベースフィルム、2…赤外線カットオフ層、3…ハ
ードコート層、4…粘着層、5…セパレート材。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // C09D 4/02 C09D 4/02

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも、ベースフィルムと、このベ
    ースフィルムの表面に積層される赤外線カットオフ層と
    を有し、 前記赤外線カットオフ層は、錫含有酸化インジウム粉末
    および樹脂を含有し、さらにその樹脂は、光カチオン重
    合開始剤を含有する紫外線硬化型樹脂であることを特徴
    とする透明性赤外線カットオフフィルム。
  2. 【請求項2】 前記錫含有酸化インジウム粉末の成分モ
    ル比が、インジウム100に対して酸素が0.5〜10
    であることを特徴とする請求項1に記載の透明性赤外線
    カットオフフィルム。
  3. 【請求項3】 前記紫外線硬化型樹脂は、アクリル系化
    合物またはエポキシ系化合物のうちの1種類以上を含有
    するモノマーに、光カチオン重合開始剤を含有すること
    を特徴とする請求項1または2に記載の透明性赤外線カ
    ットオフフィルム。
  4. 【請求項4】 前記アクリル系化合物は、下記の化学式
    からなる化合物を少なくとも1種類以上含有することを
    特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の透明性赤外
    線カットオフフィルム。 【化1】
  5. 【請求項5】 前記赤外線カットオフ層の表面に、ハー
    ドコート層が積層されていることを特徴とする請求項1
    〜4のいずれかに記載の透明性赤外線カットオフフィル
    ム。
  6. 【請求項6】 前記ハードコート層は、紫外線硬化型樹
    脂を含有する樹脂で形成されていることを特徴とする請
    求項1〜5のいずれかに記載の透明性赤外線カットオフ
    フィルム。
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