JPH11319149A - マルチピ―スソリッドゴルフボ―ル - Google Patents

マルチピ―スソリッドゴルフボ―ル

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JPH11319149A
JPH11319149A JP11069928A JP6992899A JPH11319149A JP H11319149 A JPH11319149 A JP H11319149A JP 11069928 A JP11069928 A JP 11069928A JP 6992899 A JP6992899 A JP 6992899A JP H11319149 A JPH11319149 A JP H11319149A
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JP
Japan
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hardness
golf ball
intermediate layer
shore
cover
Prior art date
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Application number
JP11069928A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Higuchi
博士 樋口
Yasushi Ichikawa
八州史 市川
Hisashi Yamagishi
久 山岸
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Bridgestone Sports Co Ltd
Original Assignee
Bridgestone Sports Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 ソリッドコアと、中間層と、カバーとを
有するマルチピースソリッドゴルフボールにおいて、コ
アの表面硬度がショアD硬度で55未満であり、中間層
のショアD硬度(Hm)とコア表面のショアD硬度
(Hs)との比(Hm/Hs)が1.0より大きく1.4
未満であると共に、カバーのショアD硬度(Hc)と中
間層のショアD硬度(Hm)との比(Hc/Hm)が1.
0より大きく2.0未満であり、かつ上記中間層をポリ
ウレタン系樹脂を主材として形成したことを特徴とする
マルチピースソリッドゴルフボール。 【効果】 本発明のマルチピースソリッドゴルフボール
は、良好な飛距離特性、耐久性、ソフトなフィーリング
を有し、しかもゴルフボールとしてのスピン特性に優れ
たものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ソリッドコアと中
間層とカバーとを有するマルチピースソリッドゴルフボ
ールに関し、更に詳述すると、コア、中間層及びカバー
を含めたボール全体の硬度分布を適正化することによ
り、優れた飛び性能及び耐久性と良好な打感及びコント
ロール性を有し、オールラウンドな性能を有するマルチ
ピースソリッドゴルフボールに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来よ
り、種々の構造のゴルフボールが市場にでており、中で
もゴムを基材とするコアをアイオノマー樹脂等からなる
カバーで被覆したツーピースソリッドゴルフボールと、
ソリッド又はリキッドセンターに糸ゴムを巻回した糸巻
きコアをカバーで被覆した糸巻きゴルフボールとが市場
の大半を占めている。
【0003】上記ツーピースソリッドゴルフボールは、
優れた飛び性能及び耐久性を有することから、多くの一
般ゴルファーに使用されているが、打感が非常に硬く感
じられ、また打撃時の球離れの速さからコントロール性
能に劣るという欠点を有し、このためプロゴルファーや
上級者は、ツーピースソリッドゴルフボールよりも糸巻
きゴルフボールを使用する人が多い。一方、糸巻きゴル
フボールは、フィーリング、コントロール性に優れる反
面、飛距離、耐久性の点でツーピースソリッドゴルフボ
ールに劣るという欠点がある。
【0004】このように、ツーピースソリッドゴルフボ
ールと糸巻きゴルフボールとは、互いに相反する性能を
有しており、プレーヤーは自分の技倆や好みにより使用
するゴルフボールを選択しているのが現状である。
【0005】現在、ソリッドゴルフボールにおいて、糸
巻きゴルフボールに近いフィーリングを実現するため、
軟らかいタイプのツーピースソリッドゴルフボールが種
々提案されている。このような軟らかいタイプのツーピ
ースソリッドゴルフボールを得るためには、軟らかいコ
アを用いることになるが、コアを軟らかくすると、反撥
性が低下して飛び性能が低下すると共に、耐久性も著し
く低下し、ツーピースソリッドゴルフボールの特徴であ
る優れた飛び性能及び耐久性が得られないばかりでな
く、実際の使用に耐え難くなってしまう場合もある。即
ち、従来のツーピースソリッドゴルフボールは、軟らか
さ、反撥性、スピン特性及び耐久性の4つの特性のう
ち、いずれの特性を重視するかで構造が決定され、いず
れかの性能を向上させようとすれば他の性能が低下して
しまうものである。
【0006】また、当然のことながらコントロール性は
ドライバー等のウッドやロングアイアンでのフルショッ
ト時にも必要とされ、ショートアイアン等でのアプロー
チショットでのコントロールショットにおけるスピン特
性を向上させる目的を重視しすぎる余り、軟らかいカバ
ーを用いると大変形領域であるドライバー等の打撃時に
もスピン量が増加しすぎてボールが吹け上りぎみ(上が
り過ぎ)となり、飛距離が低下してしまう。一方、スピ
ン量が少なくなり過ぎると、落ち際にボールがドロップ
し、早期に落下して同様に到達飛距離に不利に働くとい
う問題が生じてしまい、結局ドライバー打撃時にも適度
なスピン量が必要となる。
【0007】本発明は、上記事情に鑑みなされたもの
で、コア、中間層、及びカバーを含めたボール全体の硬
度分布を適正化することにより、良好な飛び性能及び耐
久性と良好な打感及びコントロール性とを同時に満足し
得るマルチピースソリッドゴルフボールを提供すること
を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】本
発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を行った
結果、1層以上のソリッドコアと中間層とカバーとの多
層構造からなるマルチピースソリッドゴルフボールにお
いて、コア表面硬度をショアD硬度で55未満にすると
共に、中間層硬度をコア表面硬度より高く、カバー硬度
を中間層硬度より高く構成すること、この場合中間層を
ポリウレタン系樹脂を主材として形成することにより、
最適の硬度分布を有し、優れた飛び性能及び耐久性と良
好なコントロール性とを併せ持ったオールラウンドな性
能を有するマルチピースソリッドゴルフボールが得られ
ることを知見した。
【0009】即ち、ソリッドコアと、中間層と、カバー
とを有するマルチピースソリッドゴルフボールにおい
て、コアの表面硬度がショアD硬度で55未満であり、
中間層のショアD硬度(Hm)とコア表面のショアD硬
度(Hs)との比(Hm/Hs)が1.0より大きく1.
4未満であると共に、カバーのショアD硬度(Hc)と
中間層のショアD硬度(Hm)との比(Hc/Hm)が
1.0より大きく2.0未満であり、かつ上記中間層を
ポリウレタン系樹脂を主材として形成したことにより、
軟らかく形成したコアをそれよりも硬い中間層、この中
間層よりも更に硬いカバーで順次被覆することによりボ
ール全体が最適な硬度分布となり、打撃時の変形過多に
よるエネルギーロスを最小限に抑え、良好な反撥性を有
し、飛距離、耐久性が良好で、特にドライバー等でのフ
ルショット時のスピン量が適正化され、飛距離が飛躍的
に増大すると共に、コントロール性、打感のいずれにも
優れたゴルフボールが得られること、更に慣性モーメン
トが大きくなるため、スピン持続力が増し、ドライバ
ー、アイアン、パッティングにおける直進性、コントロ
ール性が向上することを知見したものである。
【0010】従って、本発明は、ソリッドコアと、中間
層と、カバーとを有するマルチピースソリッドゴルフボ
ールにおいて、コアの表面硬度がショアD硬度で55未
満であり、中間層のショアD硬度(Hm)とコア表面の
ショアD硬度(Hs)との比(Hm/Hs)が1.0より
大きく1.4未満であると共に、カバーのショアD硬度
(Hc)と中間層のショアD硬度(Hm)との比(Hc
m)が1.0より大きく2.0未満であり、かつ上記
中間層をポリウレタン系樹脂を主材として形成したこと
を特徴とするマルチピースソリッドゴルフボールを提供
する。
【0011】以下、本発明につき更に詳しく説明する
と、本発明のマルチピースソリッドゴルフボールは、ソ
リッドコアと、該コアの表面より硬い中間層と、この中
間層より硬いカバーとからなるものである。
【0012】本発明においてソリッドコアはゴム組成物
から形成することができるが、ゴム組成物としては、特
に制限されず、通常ソリッドコアの形成に用いられる基
材ゴム、架橋剤、共架橋剤、不活性充填剤等を用いて形
成することができる。この場合、基材ゴムとしては従来
からソリッドゴルフボールに用いられている天然及び/
又は合成ゴムを使用することができるが、本発明におい
ては、シス構造を少なくとも40%以上有するシス−
1,4−ポリブタジエンが特に好ましい。この場合、所
望により該ポリブタジエンに天然ゴム、ポリイソプレン
ゴム、スチレンブタジエンゴム等を適宜配合してもよ
い。また、架橋剤としてはジクミルパーオキサイドやジ
−t−ブチルパーオキサイド、1,1−ビス(t−ブチ
ルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン
のような有機過酸化物等が例示されるが、特に好ましく
はジクミルパーオキサイドと1,1−ビス(t−ブチル
パーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサンの
ブレンドを用い、160℃で20分間加硫する方法等を
採用することが好ましい。
【0013】また、共架橋剤としては特に制限されず、
不飽和脂肪酸の金属塩、特に、炭素原子数3〜8の不飽
和脂肪酸(例えばアクリル酸、メタクリル酸等)の亜鉛
塩やマグネシウム塩が例示されるが、アクリル酸亜塩が
特に好適である。なお、架橋剤の配合量は適宜設定さ
れ、通常は基材ゴム成分100重量部に対して7〜45
重量部程度とされる。更に、不活性充填剤としては酸化
亜鉛、硫酸バリウム、シリカ、炭酸カルシウム及び炭酸
亜鉛等が例示されるが、酸化亜鉛、硫酸バリウムが一般
的であり、その配合量はコアとカバーの比重、ボールの
重量規格等に左右され、特に制限されないが、通常は基
材ゴム100重量部に対して40重量部以下である。な
お、本発明においては上記架橋剤や酸化亜鉛、硫酸バリ
ウム等の充填剤の配合割合を適宜調整することにより、
コア全体の硬度及び重量を最適値に調整することができ
る。
【0014】上記成分を配合して得られるコア用組成物
は通常の混練機、例えばバンバリーミキサーやロール等
を用いて混練し、コア用金型で圧縮又は射出成形し、成
形体を上述した温度条件で加熱硬化して最適の硬度分布
を持つ本発明のソリッドコアを調製することがてきる。
【0015】本発明において、上記コアの表面硬度は、
ショアD硬度で55未満、好ましくは20〜53、更に
好ましくは25〜50に形成する。ショアD硬度が55
以上であると、打感が硬くなり、好ましない。なお、コ
アが軟らかすぎると、打撃時の変形が大きくなり、エネ
ルギーロスから飛距離、耐久性が低下するおそれがあ
る。
【0016】また、上記ソリッドコアの直径は32〜4
1mm、特に34〜39mmであることが好ましい。コ
ア全体の硬度、重量、比重等は、特に制限されず、本発
明の目的を達成し得る範囲で適宜調整することができる
が、通常はコア全体の硬度は100kg荷重負荷時の変
形量で2.3〜6.5mm、特に2.5〜5.5mm、
重量は25〜42g、特に27〜41gとすることがで
きる。更に、コアの比重は1.3未満であることが好ま
しく、より好ましくは1.0〜1.28、更に好ましく
は1.05〜1.25である。
【0017】なお、コアは、通常1層の単一構造に形成
されるが、必要に応じ2層以上の多層構造に形成するこ
ともできる。
【0018】次に、本発明ゴルフボールの中間層は、ポ
リウレタン系樹脂を主材として形成される。この場合、
ポリウレタン系樹脂としては、熱可塑性ポリウレタンエ
ラストマーが好適である。
【0019】ここで、熱可塑性ポリウレタンエラストマ
ーは、その分子構造が、高分子ポリオール化合物からな
るソフトセグメントと、ハードセグメントを構成する単
分子鎖延長剤と、ジイソシアネートとからなるものを用
いることができる。
【0020】高分子ポリオール化合物としては、特に制
限されず、ポリエステル系ポリオール、ポリオール系ポ
リオール、コポリエステル系ポリオール、ポリカーボネ
ート系ポリオール、ポリエーテル系ポリオールのいずれ
でもよく、ポリエステル系ポリオールとしては、ポリカ
プロラクトングリコール、ポリ(エチレン−1,4−ア
ジペート)グリコール、ポリ(ブチレン−1,4−アジ
ペート)グリコール等が挙げられる。コポリエステル系
ポリオールとしては、ポリ(ジエチレングリコールアジ
ペート)グリコール等が挙げられる。ポリカーボネート
系ポリオールとしては、(ヘキサンジオール−1,6−
カーボネート)グリコール等が挙げられる。ポリエーテ
ル系ポリオールとしては、ポリオキシテトラメチレング
リコール等が挙げられる。これらの数平均分子量は約6
00〜5000、好ましくは1000〜3000であ
る。
【0021】ジイソシアネートとしては、ヘキサメチレ
ンジイソシアネート(HDI)、トリレンジイソシアネ
ート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート
(MDI)、水素添加MDI(H12MDI)、更にはI
PDI、CHDIなどや、これらの誘導体等を用いるこ
とができる。
【0022】鎖延長剤としては、特に制限されず、通常
の多価アルコール類、アミン類が用いられ、具体的には
1,4−ブチレングリコール、1,2−エチレングリコ
ール、1,3−プロピレングリコール、1,6−ヘキシ
レングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジシク
ロヘキシルメタンジアミン(水添MDA)、イソホロン
ジアミン(IPDA)などが挙げられる。
【0023】本発明の中間層は、上記ポリウレタン系樹
脂(特に熱可塑性ポリウレタンエラストマー)を主材と
するが、必要に応じ、本発明の作用効果を更に発揮させ
るために、上記熱可塑性ポリウレタンエラストマーには
他の熱可塑性樹脂などを適宜配合することができ、例え
ばポリアミドエラストマー、ポリエステルエラストマ
ー、アイオノマー樹脂、スチレンブロックエラストマ
ー、水添ポリブタジエン、エチレン−酢酸ビニル共重合
体(EVA)、ポリカーボネート、ポリアクリレート、
ポリアミドなどを配合し得る。
【0024】本発明において、この中間層はショアD硬
度が20〜55、好ましくは22〜54、より好ましく
は27〜52に形成することが望ましく、これによりソ
フトなフィーリングを確保することができる。ショアD
硬度が20未満であると、ボールの反撥性或いは耐久性
が劣る場合が生じ、また、ショアD硬度が55を超える
と打撃フィーリングが悪くなると共に、反撥性にも劣る
場合が生じる。
【0025】この場合、中間層は、上記ソリッドコアの
表面硬度よりも硬く形成する。その程度は、ソリッドコ
アの表面硬度(ショアD硬度、Hs)と中間層の硬度
(ショアD硬度、Hm)において、1.0<Hm/Hs
1.4、好ましくは1.01<Hm/Hs<1.35、よ
り好ましくは1.01<Hm/Hs<1.2である。Hm
/Hsが1.4以上であると、硬度落差が大きく、打撃
時のエネルギーロスが大きくなって、十分な反撥性を得
ることができない上、耐久性も低下する。
【0026】また、上記中間層は、比重が1.08以
上、好ましくは1.15〜2.0、より好ましくは1.
2〜1.6、更に好ましくは1.23〜1.5に形成す
ることが望ましく、更に、この場合、この中間層の比重
は、ソリッドコアの比重よりも大きく形成することが望
ましい。好ましくは、ソリッドコアの比重より0.05
以上、特に0.08〜0.15大きく形成する。これに
より、ボールの慣性モーメントを大きく保ち、飛行途中
のボールスピンの減衰率を小さく抑えることができる。
従って、クラブによる打撃直後のスピン率がそれほど減
衰しないでボール落下時まで持続することになる。この
ため、ボールが地上に落下する直前でも、ボールが安定
して飛行できる。
【0027】上記した比重に中間層を形成するため、ポ
リウレタン系樹脂に無機質充填剤、特に比重3以上の充
填剤を配合することができる。このような無機質充填剤
としては、金属粉、金属酸化物、金属窒化物、金属炭化
物等が挙げられる。例えば、タングステン(黒、比重:
19.3)、タングステンカーバイト(黒褐色、比重:
15.8)、モリブデン(灰色、比重:10.2)、鉛
(灰色、比重:11.3)、酸化鉛(暗灰色、比重:
9.3)、ニッケル(銀灰色、比重:8.9)及び銅
(赤褐色、比重:8.9)又はこれらの混合物などが例
示される。上記高比重の充填剤を用いるのが好ましい
が、比較的比重の小さい硫酸バリウム、二酸化チタン、
又は亜鉛華を用いても良い。
【0028】上記中間層の厚さは適宜選定されるが、
0.2〜3mm、特に0.5〜2.5mmとすることが
好ましい。
【0029】本発明のゴルフボールは、上記中間層を被
覆してカバーを形成するが、このカバーは、ソリッドゴ
ルフボールのカバー材として通常使用されるアイオノマ
ー樹脂を主材として形成することができる。アイオノマ
ー樹脂として具体的にはハイラミン1605,同170
6(三井・デュポンポリケミカル社製)、サーリン81
20,同8320(デュポン社製)等を挙げることがで
き、2種以上のアイオノマー樹脂を組み合わせて用いる
こともできる。また、必要により、アイオノマー樹脂に
顔料、分散剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、紫外線安定
剤、可塑剤等の公知の添加剤を配合することもできる。
【0030】このカバーは、ショアD硬度で68以下、
特に45〜68、好ましくは50〜67、更に好ましく
は55〜65に形成されることが望ましい。カバー硬度
がショアD硬度で45未満であると、ボールの反撥性が
低下し、またスピンがかかりすぎるおそれがある。一
方、ショアD硬度が68を超えると、ボール耐久性が悪
くなり、またパッティング時のフィーリングが低下する
おそれがある。
【0031】ここで、本発明においては、カバーのショ
アD硬度(Hc)を上記中間層のショアD硬度(Hm)よ
り大きくする。具体的には、1.0<Hc/Hm<2.
0、好ましくは1.01<Hc/Hm<1.9、より好ま
しくは1.01<Hc/Hm<1.5とする。Hc/Hm
2.0以上であると、パッティング時のフィーリングが
硬くなり、また耐久性も低下する。Hc≦Hmであると、
スピンがかかりすぎ、また反撥性も低下し、飛距離特性
も低下する。
【0032】カバーの厚さは0.5〜3.2mmであ
り、好ましくは1.0〜2.5mm、更に好ましくは
1.2〜2.2mmとする。カバー厚さが0.5mm未
満ではボール耐久性に劣り、反撥性も低下する場合があ
り、一方、カバー厚さが3.2mmを超えると、打感が
低下する。
【0033】また、カバーの比重は0.9以上1.2未
満、特に0.92〜1.18とすることが好ましい。
【0034】なお、上記カバーは、1層の単独層とし
て、又は2層以上の多層構造に形成することができる。
【0035】本発明において、中間層とカバーとを合計
した厚さは2mm以上、特に2.5〜5.5mmである
ことが好ましい。この厚さが2mm未満では打撃耐久性
が低下する場合がある。
【0036】また、本発明において、上記カバーと中間
層との間に接着層を介在させることができ、これによっ
て反撥性、耐久性などを更に向上させることができる。
この場合、接着層としては、両層を強固に接合させるも
のであればよいが、特にはエポキシ樹脂系接着剤、ウレ
タン樹脂系接着剤、ビニル樹脂系接着剤、ゴム系接着剤
などを用いることができる。
【0037】なお、接着剤を中間層に塗布する前に常法
に従って中間層表面を粗面化することができる。また、
接着剤層の厚さは適宜選定されるが、通常5〜300μ
m、特に10〜100μmとされる。
【0038】本発明において、中間層は上述したように
ポリウレタン系熱可塑性エラストマーを主材とした組成
物で形成することで、ソリッドコア上に圧縮成形又は射
出成形することによって形成することができる。
【0039】一方、カバー材料としては、上述したよう
にアイオノマー樹脂を主材として形成することができ
る。この場合、カバーを中間層に被覆する方法は特に制
限されず、通常は予め半球殻状に成形した2枚のカバー
で中間層を包み、加熱加圧成形するか、カバー用組成物
を射出成形して中間層を包み込んでもよい。
【0040】本発明において、ゴルフボールはその全体
の慣性モーメントが81g・cm2以上、特に82〜8
5g・cm2であることが好ましく、慣性モーメントが
81g・cm2より小さいと、飛行途中のボールスピン
の減衰率が大きくなり、良好な飛行特性が得られない場
合がある。なお、慣性モーメントは、下記方法で求める
ことができる。慣性モーメント 下記式より計算した。即ち、慣性モーメントは、各層の
径(厚さ)及び比重から求めた計算値であり、ボールを
球形と見なすことにより下記式により求めることができ
る。この場合、計算上ボールを球形にしているが、実際
にはディンプルが存在するため、カバー層の比重は実際
のカバー樹脂よりも小さくなる。ここではそれをカバー
仮想比重と呼び、これを用いて慣性モーメントMを計算
する。 M=(π/5880000)×{(r1−r2)×D1
5+(r2−r3)×D25+r3×D35} M:慣性モーメント(g・cm2) r1:コア比重 D1:コア直径 r2:中間層比重 D2:中間層直径(コアに中間層を形成した後の球体の
直径) r3:カバー層仮想比重 D3:カバー層直径(ボール直径) *各直径の単位はmm
【0041】このようにして得られたゴルフボールは、
上記カバーにディンプルを形成するが、その幾何学的配
列としては、8面体、20面体などで、ディンプルの模
様としては、スクウェアー型、ヘキサゴン型、ペンタゴ
ン型、トライアングル型などのいかなるものを採用して
も差し支えない。
【0042】なお、本発明のゴルフボールは、以上の構
成を有するが、その直径、重さはゴルフ規則に従い、直
径42.67mm以上、重量45.93g以下に形成す
ることができる。
【0043】
【発明の効果】本発明のマルチピースソリッドゴルフボ
ールは、良好な飛距離特性、耐久性、ソフトなフィーリ
ングを有し、しかもゴルフボールとしてのスピン特性に
優れたものである。
【0044】
【実施例】以下、実施例と比較例を示し、本発明を具体
的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるも
のではない。
【0045】[実施例、比較例]表1に示す組成のソリ
ッドコア上に表2に示す組成の中間層を射出成形により
被覆形成し、更に表3に示す組成のカバーを射出成形に
より被覆形成して、表4に示す性状のスリーピースソリ
ッドゴルフボールを製造した。
【0046】得られたゴルフボールの飛距離、スピン
量、フィーリング、耐ささくれ性、連続耐久性について
下記方法で測定した。耐ささくれ性 スイングロボットにより、サンドウェッジ(#SW,ヘ
ッドスピード38m/sec)でボールを任意に二箇所
打撃し、これを目視評価した。 ○:良好 △:普通 ×:劣る連続耐久性 フライホイール打撃M/Cを用い、ヘッドスピード38
m/secで繰り返し打撃して、ボールが破壊するまで
の打撃回数の多少により評価した。 ○:良好 △:普通 ×:悪い飛距離 スイングロボットを用い、ドライバー(#W1,ヘッド
スピード45m/sec)で打撃し、キャリー、トータ
ルそれぞれの飛距離を測定した。スピン量 #W1及び#9アイアン(#I9,ヘッドスピード36
m/sec)について、インパクト直後のボールの挙動
を写真撮影し、写真解像により算出した。フィーリング #W1及び#I9について、プロゴルファー3名により
実打したときの感触を下記基準により評価した。 ○:軟らかい △:やや硬い ×:硬い
【0047】
【表1】 *1 日本合成ゴム社製 BR01
【0048】
【表2】 *2 大日本インキ化学工業社製 熱可塑性ポリウレタ
ンエラストマーパンデックスT1190 *3 大日本インキ化学工業社製 熱可塑性ポリウレタ
ンエラストマーパンデックスT7298 *4 東レ・デュポン社製 ハイトレル4047 *5 東レ社製 PEBAX3533 *6 三井・デュポンポリケミカル社製 アイオノマー
樹脂ハイミラン1706 *7 デュポン社製 アイオノマー樹脂サーリン812
【0049】
【表3】 *6 同上 *7 同上 *8 三井・デュポンポリケミカル社製 アイオノマー
樹脂ハイミラン1605
【0050】
【表4】 *9 コア+中間層

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ソリッドコアと、中間層と、カバーとを
    有するマルチピースソリッドゴルフボールにおいて、コ
    アの表面硬度がショアD硬度で55未満であり、中間層
    のショアD硬度(Hm)とコア表面のショアD硬度
    (Hs)との比(H m/Hs)が1.0より大きく1.4
    未満であると共に、カバーのショアD硬度(Hc)と中
    間層のショアD硬度(Hm)との比(Hc/Hm)が1.
    0より大きく2.0未満であり、かつ上記中間層をポリ
    ウレタン系樹脂を主材として形成したことを特徴とする
    マルチピースソリッドゴルフボール。
  2. 【請求項2】 中間層の厚さが0.2〜3mm、比重が
    1.08以上である請求項1記載のゴルフボール。
  3. 【請求項3】 カバーが、アイオノマー樹脂を主材とし
    てなり、硬度がショアD硬度で68以下である請求項1
    又は2記載のゴルフボール。
  4. 【請求項4】 カバーの厚さが0.5〜3.2mm、比
    重が0.9以上1.2未満である請求項1乃至3のいず
    れか1項記載のゴルフボール。
  5. 【請求項5】 ソリッドコアがシス−1,4−ポリブタ
    ジエンを主成分とするゴム組成物から形成され、コアの
    直径が32〜41mmである請求項1乃至4のいずれか
    1項記載のゴルフボール。
  6. 【請求項6】 中間層とカバーとを合わせた全体の厚さ
    が2mm以上である請求項1乃至5のいずれか1項記載
    のゴルフボール。
  7. 【請求項7】 カバーと中間層との間に接着層を設けた
    請求項1乃至6のいずれか1項記載のゴルフボール。
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