JPH11318269A - 水生生物飼育用水槽及び水生生物飼育セット - Google Patents

水生生物飼育用水槽及び水生生物飼育セット

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JPH11318269A
JPH11318269A JP13621298A JP13621298A JPH11318269A JP H11318269 A JPH11318269 A JP H11318269A JP 13621298 A JP13621298 A JP 13621298A JP 13621298 A JP13621298 A JP 13621298A JP H11318269 A JPH11318269 A JP H11318269A
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water
plate
aquarium
water tank
breeding
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JP13621298A
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Hiroshi Yamada
洋 山田
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GUPPY KK
NIPPON DOUBUTSU YAKUHIN KK
Original Assignee
GUPPY KK
NIPPON DOUBUTSU YAKUHIN KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 クラゲその他の水生生物を飼育するための水
槽を備えた飼育セットにおいて、水槽壁面への吸着、或
いは、砂やフィルタなどへの吸い寄せにより、水生生物
が傷を負ったり、死亡したりするなどの危険性を無くす
ることのできる新規の水槽構造を提供する。 【解決手段】 水板21bの上には底面フィルタ24が
敷かれている。底面フィルタ24の表面上には、合成樹
脂からなる網状板25が覆い被せられている。この網状
板25は薄板に多数の小孔が全面的にほぼ均一に分散形
成されてなるものである。網状板25の裏面と底面フィ
ルタ24の表面との間には適宜の間隔が設けられていて
もよく、或いは、間隔が無く、両者がほとんど密着して
いてもよい。網状板25は、表面が小孔の縁部を含めて
滑らかに形成されており、しかも、表面摩擦の低い素材
が使用されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水生生物飼育用水槽及
び水生生物飼育セットに係り、特に、クラゲ類を飼育す
るための水槽構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の水生生物飼育用水槽或いは水生生
物飼育セットは、観賞魚、観賞用水草、蟹やエビなどの
各種水生生物を飼育するためには、水槽本体に対して、
水槽本体の内部、上部、外部などに設置する水浄化装
置、水槽内の温度を調節するための水温調節装置(ヒー
タなど)、水槽内の水に酸素を供給するエアポンプ、水
槽内部を照らす照明装置などを備えたものがある。一般
には観賞魚を飼育する場合が多いが、やや特殊な水生生
物として観賞用のクラゲがあり、このクラゲも上記と同
様の構成にて水槽内で飼育している。
【0003】ところで、近年、水槽でクラゲを観賞用に
飼育する場合が増えてきている。一般にクラゲは、水中
でそのかさを閉じたり開いたりする動作を常時繰り返す
ことにより、水を全身に当てるとともに餌を口に取り込
むようにしているが、自身が特定の方向に泳ごうとする
ことはほとんどなく、また、自らの意志で特定の方向に
泳ぐ力もほとんどない。一方、水槽には、水槽壁面のう
ちの一部である底面上に、かさ上げされた通水板を備え
た支持枠体を配置し、この支持枠体の上に砂、珊瑚砂、
発泡ウレタン製のフィルタなどを設置して、支持枠体に
設けられた吸水口に水中ポンプなどを接続した底面式水
浄化装置を設置する場合がある。このような底面式水浄
化装置は、水槽内の空間を必要以上に占めることもな
く、水槽内の水取込部の面積を広く確保することができ
るので効率良く水を浄化することができるという利点が
ある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記底面式
水浄化装置においては、ろ材として底砂を用いる場合に
は局所的に水が強く吸い込まれる部位が発生し易く、ク
ラゲなどはこの部位に吸い寄せられてうごけなくなるこ
とが多い。また、人工的なろ材(底面フィルタ)を用い
る場合には水の吸い込みの強弱にそれほどばらつきはな
いが、底面フィルタに水を通している点は同様であるか
ら、泳力の弱いクラゲが底砂や底面フィルタの表面に吸
い付けられることがある。このような場合、クラゲは上
記のようにかさを閉じたり開いたりする動作を繰り返し
ながら、砂、珊瑚砂、底面フィルタなどに擦り付けられ
る結果、傷害により死亡したり、かさが磨耗によりなく
なってしまうなどという重大な事故が発生しやすい。
【0005】特に、サカサクラゲは、水槽内の水流など
によって水槽内壁に接近した場合、かさの内側を水槽内
壁に向けて閉じたり開いたりする動作を行うことによっ
て、水槽内壁に吸盤のような姿勢で貼り付いてしまい、
水槽内壁から離れられなくなってしまうことが多い。こ
のような状況で長時間が経過すると、餌を捕ることもで
きずに死亡してしまう場合がある。
【0006】上記の各問題点は、クラゲに限らず、種々
の観賞魚、水草などにおいても発生する可能性があり、
特に、底面式水浄化装置によって吸い付けられて砂や底
面フィルタによって傷を負う可能性は高い。そこで、本
発明は上記問題点を解決するものであり、その課題は、
上記のクラゲその他の水生生物を飼育するための水槽を
備えた飼育セットにおいて、水槽壁面への吸着、或い
は、砂やフィルタなどへの吸い寄せにより、水生生物が
傷を負ったり、死亡したりするなどの危険性を無くする
ことのできる新規の水槽構造を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明が講じた手段は、水生生物を収容する水槽本体
と、該水槽本体の壁板の少なくとも一部の内面に沿って
設置された、網目若しくは小孔を分散形成した網状板と
を備えていることを特徴とする水生生物飼育用水槽であ
る。この手段によれば、壁板の内面に沿って網状板が設
けられていることにより、水生生物が水槽本体の壁板の
内面に接触することがなくなるため、壁板、すなわち水
槽の側面や底面などの内面に吸着したり、密着したりす
ることによる水生生物の損傷を防止することができる。
【0008】請求項1において、前記網状体の内面は、
前記網目若しくは小孔の開口縁部を含めて滑らかに形成
されていることが好ましい。網状板の表面を滑らかに形
成することにより、水生生物が網状板に接触した際の傷
害を低減できる。
【0009】請求項1又は請求項2において、前記水槽
本体の壁板の少なくとも一部の内面に沿ってろ過層を形
成し、該ろ過層と前記壁板との間から水を吸引し、前記
水槽本体の内部へと水を戻すための水浄化手段を設ける
ことが効率的に水の浄化を行う上で好ましい。
【0010】請求項3において、前記ろ過層の表面上に
前記網状板を設置することが望ましい。ろ過層の上に網
状板を設置することによって、水生生物がろ過層表面に
吸着されてろ過層表面により擦られ、傷付くことを防止
できる。
【0011】また、水生生物を収容する水槽本体と、該
水槽本体の壁板の少なくとも一部の内面に沿ってろ過層
を形成し、該ろ過層と前記壁板との間から水を吸引して
前記水槽本体の内部へと戻す水浄化手段を設け、前記ろ
過層の表面上に網目若しくは小孔を分散形成した網状板
を設置したことを特徴とする水生生物飼育用水槽であ
る。
【0012】請求項1から請求項5までのいずれか1項
において、前記網状板の内面に沿った水流を発生する水
流発生手段を備えていることが好ましい。この水流によ
って、水生成物が網状板の内面に接触しにくくなり、水
生生物の網状板への接触をより低減できる。また、請求
項3から請求項5までのいずれか1項において、前記水
浄化手段の水放出部は、前記網状板の内面に沿った水流
を発生するように構成されていることが望ましい。
【0013】さらに、請求項1から請求項7までのいず
れか1項に記載された水生生物飼育用水槽を構成するた
めに必要な部材を揃えた水生生物飼育セットである。本
発明の各手段は、水中に生息するあらゆる動植物に用い
ることができるものであるけれども、特に、接触により
傷付きやすい体躯を備えたもの、泳力が弱く或いは動け
ないものなどに効果的であり、具体的には各種のクラゲ
類を飼育する場合に適している。
【0014】なお、上記各手段のいずれかにおいて、上
記の網状板としては、網目若しくは小孔が前記水生生物
の体躯を通過させないように形成されていることが好ま
しい。また同様に、網状板としては、合成樹脂や金属に
より構成することができるが、特に、合成樹脂の一体成
形により形成されたものであることが製造上好ましい。
さらに同様に、網状板の材質としては、表面摩擦が低い
材料であることが好ましい。特に網状板を水槽本体の壁
板の内面に沿って設置する場合には、網状板を吸着盤な
どの保持手段により壁板に保持させることが好ましい。
また同様に、網状板がろ過層の表面に沿って設置されて
いる場合には、網状板の網目若しくは小孔は、ろ過層の
ろ過粗さよりも粗いことが好ましく、更に、これに加え
て水生生物の体躯を通過させない程度に細かく形成され
ていることが望ましい。
【0015】一方、本願明細書に含まれた他の手段とし
ては、水生生物を収容する水槽本体と、該水槽本体の壁
板のうちの一部の内面に沿って該内面との間に該内面に
沿った通水性を確保するための通水間隔を備えて設置さ
れるろ過層と、前記ろ過層と前記壁板の内面との間の水
を吸引し、水槽本体の内部へと戻すための水流形成手段
とを備えた水浄化装置において、前記ろ過層と前記壁板
の内面との間隔に仕切を形成し、前記水流形成手段によ
って水が吸引される流通領域と、水の吸引作用が前記仕
切に遮られる非流通領域とが構成されていることを特徴
とする。通常ろ過層には好気性バクテリアが繁殖する
が、非流通領域では水の循環流が通過しにくくなるた
め、嫌気性バクテリアが発生し、その結果、好気性バク
テリアによる分解作用に起因する生物学的ろ過に加え
て、嫌気性バクテリアによる分解作用に起因する水の浄
化作用を得ることができる。この場合、嫌気性バクテリ
アの繁殖を助けるために、上記非流通領域内に充填材を
収容することが好ましい。この充填材の収容された非流
通領域は、嫌気性バクテリア槽となる。充填物として
は、粗目のフィルタ、砂、小石、種々の粒子や樹脂成形
体、各種繊維素材をまとめたものなどを用いることがで
きる。また、前記ろ過層と前記内面との間に前記通水間
隔を確保するために、前記ろ過層と前記壁板の内面との
間隔を形成するための支持枠体を設置することが好まし
い。この支持枠体には、前記ろ過層を支持する通水板
と、該通水板を前記内面から離すための枠縁部と、水を
引き出すための吸水口とを設けることが好ましく、さら
に、前記枠縁部を前記仕切として構成することが望まし
い。また、前記支持枠体には、前記仕切として構成され
た枠縁部によって仕切られた前記流通領域の外側に設け
られた前記非流通領域にまで伸びる、前記ろ過層を支持
する延長通水板を設けることが望ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】次に、添付図面を参照して本発明
に係る水生生物飼育用水槽及び水生生物飼育セットの実
施形態について説明する。図1は本発明に係る第1実施
形態の水生生物飼育用水槽の構造を示す縦断面図であ
る。この水槽の水槽本体10はガラス、透明樹脂などの
透明素材からなる壁板が一体化され、全体として上部開
口を備えた箱状に構成されている。ここで壁板は、一つ
の底板11と、4つの側板12とからなる。底板11に
は合成樹脂製の枠台13が装着され、側板12の開口縁
部には合成樹脂製の縁枠14が装着されている。
【0017】水槽本体の内部には、底板11の内面上に
プラスチック製の支持枠体21が設置されている。支持
枠体21は、垂直方向に所定幅を備えた枠縁部21a
と、枠縁部21aによって底板11から僅かに離れるよ
うに配置され、通水性を得るために微細な通水孔を多数
備えた通水板21bと、通水板21bの隅部近傍に設け
られ、上方に伸びるように突出する吸水部21cとから
構成される。吸水部21cは水中ポンプ22に接続され
ている。水中ポンプ22は、通水板21bの下の底板1
1との間から水を吸い上げ、上部に接続された配水管2
3へ送り出すようになっている。
【0018】通水板21bの上には、発泡ウレタン製の
板状体からなる底面フィルタ24が敷かれている。底面
フィルタ24の表面上には、ポリエチレン、ポリスチレ
ンなどの合成樹脂からなる網状板25が覆い被せられて
いる。この網状板25は、合成樹脂製の薄板に多数の小
孔が全面的にほぼ均一に分散形成されてなるものであ
る。網状板25の裏面と底面フィルタ24の表面との間
には適宜の間隔が設けられていてもよく、或いは、間隔
が無く、両者がほとんど密着していてもよい。網状板2
5は、表面が小孔の縁部を含めて滑らかに形成されてお
り、しかも、表面摩擦の低い素材が使用されている。な
お、この網状板25を底面フィルタ24を保持する(浮
き上がらないように押さえる)ための保持部材として兼
用してもよい。
【0019】配水管23は、水中ポンプ22の上方から
水面上を図1の紙面方向背面側に向かって伸びた後、水
槽本体10の背面の側板12に沿って水平に伸びた上水
平部23aと、この上水平部23aに連通し、水槽本体
10の右隅部分でほぼ直角に屈曲して下方に垂直に降下
する垂直部23bと、垂直部23bの下端にて連通し、
水槽本体10の内側下部において水平に伸びる下水平部
23cとを備えている。上水平部23aには、その延長
方向に沿って複数の放水口が配列形成され、これらの放
水口から水槽本体10の背面側の側板12の内面に向け
て水が吹き付けられるようになっている。また、下水平
部23cにも、その延長方向に沿って複数の放水口が配
列されており、各放水口から上記網状板25の表面上に
沿って水流を放出するように構成されている。
【0020】上記水槽本体10の4つの側壁12の内面
のうち、左右一対の側面12に沿って、その内面に吸着
盤26によって取り付けられた網状板27を取り付け
る。この網状板27もまた、上記と同様に合成樹脂製の
板状体に多数の小孔を均一に分散形成したものとなって
いる。網状板25,27としては、金属製、合成樹脂製
のいずれでもよいが、少なくとも水槽本体10の内部で
飼育する水生生物の体躯の少なくとも一部を通過させな
い程度の小さな径の小孔が多数形成されている必要があ
る。この網状板27もまた、表面が小孔縁部を含めて滑
らかで、しかも表面摩擦の低い素材を用いている。網状
板25は、後述する効果を発揮するために底面フィルタ
24のろ過の目の粗さよりも粗い網と同様の作用を呈す
るように小孔が分散形成されていることが好ましい。
【0021】図2は、本実施形態の上記水槽における概
略構造を示す模式的な概略斜視図である。水槽本体10
内の水は底面フィルタ24を通過して支持枠体21の下
に吸い込まれ、ここから水中ポンプ22によって吸い上
げられる。水中ポンプによって吸い上げられた水は配水
管23内に流入し、まず、上水平部23aにおいて放水
口から背面側の側板12の内面に吹き付けられ、ここで
水に空気が溶かし込まれて水槽本体10内の水に合流す
る。次に、垂直部23bを通過した水は下水平部23c
に到達し、その放水口から網状板25の表面に沿ってほ
ぼ水平に放出される。これらの放水状態は、図2におい
て実線の矢印で示されている。
【0022】上記第1実施形態の水槽によってクラゲを
飼育する場合、クラゲは自力で主導的に動くことはない
が、図2に示す下水平部23cから放出される水流によ
って水槽内に下方から上方へ向かう循環流が発生するた
め、この循環流に沿って上下に移動する。このとき、底
面フィルタ24の厚さやフィルタの目の大小によって吸
い込みの程度の強弱が発生するため、局所的に吸い込み
力が強い場所でクラゲが底面フィルタ24の表面に吸い
付けられる可能性がある。しかし、本実施形態では底面
フィルタ24の表面上を網状板25が覆っているため、
底面フィルタ24における水の吸い込みの局部的に強い
部分が網状板25によって緩和され分散されるため、当
該部分の吸い込み力が低下するのでクラゲが吸い付けら
れにくくなるとともに、網状板25の表面が滑らかかつ
低摩擦に形成されていることによりクラゲの損傷が低減
される。
【0023】上記側板12に沿って取り付けられた網状
板27は、特に、サカサクラゲが側板12に吸着されて
しまうことを防止するために設けられている。網状板2
7が側板12の内側に配置されていることによって、サ
カサクラゲが側板12にかさを向けても、網状板27に
遮られて側板12には直接吸着してしまうことがないた
め、吸着したまま離れられなくなる事態を未然に防止で
きる。特に、網状板27と側板12の内面との間に間隙
が存在するように網状板27を設置することによって、
クラゲと側板12との間に常に隙間が存在するため、吸
着力そのものが発生しないようにすることができる。
【0024】特に、本実施形態では、網状板25の表面
に沿って下水平部23cから放出される水流が存在する
ため、この水流によっても、底面フィルタ24から局部
的に吸い込まれる吸い込み力を緩和、分散させることが
できるとともに、吸い込み力を全体的に低減し、クラゲ
が網状板25に接近しにくい状況に構成されている。な
お、図2に示すように、垂直部23bにも放水口を設け
て図示右側の網状板27の表面に沿った水流(図示点
線)を発生させてもよく、さらに下水平部23cの先に
立ち上げ部23d(図示点線)を増設し、この立ち上げ
部23dに設けた放水口から図示左側の網状板27の表
面に沿った水流(図示点線)を発生させてもよい。この
場合にはクラゲが側板12自体に近づくことも抑制する
ことができる。
【0025】上水平部23aの放水口から放出される水
は、上記実施形態では背面側の側板12の内面に吹き付
けられているが、放水口から水面上に直接に水が吹き付
けられるようにしてもよい。いずれにしても、放水口か
ら放出される水は空気中を通過するので空気、特に酸素
を巻き込んで水槽内に供給する。ただし、特に、タコク
ラゲやミズクラゲなどを飼育する場合には、水槽内に気
泡が発生する際にクラゲのかさの内部に気泡が入り込む
と、かさに孔が開いてしまう恐れがあるため、上記実施
形態のように水を水面上において側板の内面に吹き付け
ることにより、側板の内面から水のみが水中に流入する
ようにして気泡を発生させないことが肝要である。
【0026】上記の網状板25,27としては、合成樹
脂でなく、金属板に小孔を形成したものであってもよ
く、また、ナイロン、金属線などの繊維状、紐状、ワイ
ヤ状の素材を織り上げた網体そのものであってもよい。
図4には、網状板25の詳細な部分形状を示す。図4
(a)に示すように、網状板25には長円若しくは楕円
状の小孔25aが多数配列されており、小孔25aの形
成密度或いは開口率(網状板25の表面積に対する小孔
25aの開口面積の比率)は、底面フィルタ24の吸い
込み力のばらつきを緩和、分散させる程度を考慮して決
定される。図4(b)に示すように、小孔25aの表面
側の開口縁部25bは滑らかな曲面状に形成されてお
り、クラゲなどの水生生物が開口縁部25bに接触して
も傷害を受けないように配慮される。網状板25と底面
フィルタ24との間隔dは、底面フィルタ24の吸い込
み力のばらつきを緩和、分散させる程度に応じて決定さ
れる。間隔dはなるべく小さい方が水槽空間を減少させ
ず、また、網状板25の設置も容易にできることから好
ましいが、例えば、底面フィルタ24の吸い込み力のば
らつきが大きい場合に、これを充分に緩和、分散させる
には、網状板25の開口率を大幅に小さくする必要があ
る。このようにすると、水中ポンプ22の動作抵抗が大
きくなりすぎたり、水浄化の効果が薄れてしまうなどの
問題があるときには、間隔dを大きくすることによっ
て、網状板25の開口率をあまり小さくすることなく、
吸い込み力を緩和、分散させることが可能になる。
【0027】次に、図3を参照して本発明に係る第2実
施形態について説明する。この実施形態においては、上
記第1実施形態とほぼ同様の部分には同一符号を付し、
その説明は省略する。本実施形態では、水槽本体10の
底板11の内面よりも底面式水浄化装置の浄化面積が小
さくなるように構成された支持枠体28を設置してい
る。支持枠体28には、枠縁部28aと、通水板28b
と、吸水部28cとからなる実効的な水浄化部分が底板
11の内面積よりも小さく形成され、これ以外の部分に
延長通水板28dが設けられている。延長通水板28d
と吸水部28cとの間には枠縁部28aが仕切になるこ
とによって水平方向に遮られ、水平方向の水の流通がな
くなるように構成されている。延長通水板28dの下部
の底板11上には、底面フィルタ24よりもさらに粗い
目の発泡ウレタンからなる充填材29が収容される。こ
の充填材29の代わりに、ナイロン繊維やろ過材に用い
る繊維などの各種繊維、砂、砂利、小石などを用いるこ
とも可能である。
【0028】この実施形態においては、水槽本体10内
において、底面フィルタ24を通って支持枠体28の通
水板28bの下に吸い込まれた水が水中ポンプ22によ
って配水管23に押し出され、再び、水槽本体10内に
戻るという経路を循環することにより水が浄化される。
このとき、底面フィルタ24の下には延長通水板28d
を介して充填材29が配置されているが、この充填材2
9を収容する空間は枠縁部28aによって循環経路に対
して遮られているために水が流通しにくくなっており、
その結果、充填材29に含まれる水は淀む。通常、底面
フィルタ24には循環水流が流通性良く流れることによ
って好気性バクテリアが繁殖し、水中の有機物などの分
解作用(生物学的ろ過)を起こすが、この好気性バクテ
リアの分解作用だけでは窒素化合物などを分解除去する
ことができない。上記充填材29が収容された部分は水
の流通量がきわめて少なくなることによって当初は好気
性バクテリアが存在しても次第に酸素不足となり、やが
て好気性バクテリアは死滅して嫌気性バクテリアが繁殖
し始めるため、この部分は嫌気性バクテリア槽となる。
嫌気性バクテリア槽は窒素化合物など、好気性バクテリ
アが分解できない化合物を分解して無害化することがで
きるが、この嫌気性バクテリア槽は完全に水槽内と分離
されているわけではなく、種々の水流や拡散作用によっ
て水槽や浄水経路との間で僅かに水の流通、交換が行わ
れているので、徐々に水槽内の窒素化合物などを分解す
ることができ、水槽内の水質環境を維持、保全する働き
を果たす。
【0029】なお、上記各実施形態において、水中ポン
プ22は底面式水浄化装置の水循環手段の駆動源を構成
しているが、この駆動源としては、水を一旦水槽外に引
き出して駆動する外部ポンプでもよく、或いは、エアポ
ンプからのエアを、立設させたパイプ或いは上下に伸び
る限定空間の下部に導入して、気泡が上昇することによ
るエアリフト効果によって水流を発生させてもよい。ま
た、上記各実施形態における底面フィルタとしては、上
記の発泡ウレタンの代わりに、他の素材、例えば紙繊維
その他の素材を用いたフィルタ(ろ材)を用いてもよ
く、さらには、砂、小石、珊瑚砂、セラミックス粒など
を用いてもよい。
【0030】上記各実施形態を用いてクラゲを飼育する
場合には、水槽内にブラインシュリンプなどを放し、餌
として与えることが多い。この場合、小さなブラインシ
ュリンプなどの餌が底面フィルタ24に捕捉されてしま
うと、底面フィルタ24内にて腐敗し、水質を悪化させ
る。このため、底面フィルタ24としてはこれらの餌が
通過し易いように比較的粗い目のものを用いることが必
要となるが、このようにすると、上述の局部的な吸い込
み力の強い部分がより発生しやすくなるため、上述のよ
うな本発明の構成は特に効果的である。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように、壁板の内面に沿っ
て網状板が設けられていることにより、水生生物が水槽
本体の壁板の内面に接触することがなくなるため、壁
板、すなわち水槽の側面や底面などの内面に吸着した
り、密着したりすることによる水生生物の損傷を防止す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る水生生物飼育用水槽の第1実施形
態の構造を示す縦断面図である。
【図2】第1実施形態の概略構造を模式的に示す概略斜
視図である。
【図3】本発明に係る水生生物飼育用水槽の第2実施形
態の構造を示す縦断面図である。
【図4】各実施形態に用いる網状板の拡大斜視図(a)
及び拡大断面図(b)である。
【符号の説明】
10 水槽本体 11 底板 12 側板 21,28 支持枠体 22 水中ポンプ 23 配水管 24 底面フィルタ 25,27 網状板 25a 小孔 26 吸着盤 29 充填材

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水生生物を収容する水槽本体と、該水槽
    本体の壁板の少なくとも一部の内面に沿って設置され
    た、網目若しくは小孔を分散形成した網状板とを備えて
    いることを特徴とする水生生物飼育用水槽。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記網状体の内面
    は、前記網目若しくは小孔の開口縁部を含めて滑らかに
    形成されていることを特徴とする水生生物飼育用水槽。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2において、前記水
    槽本体の壁板の少なくとも一部の内面に沿ってろ過層を
    形成し、該ろ過層と前記壁板との間から水を吸引し、前
    記水槽本体の内部へと水を戻すための水浄化手段を設け
    たことを特徴とする水生生物飼育用水槽。
  4. 【請求項4】 請求項3において、前記ろ過層の表面上
    に前記網状板を設置したことを特徴とする水生生物飼育
    用水槽。
  5. 【請求項5】 水生生物を収容する水槽本体と、該水槽
    本体の壁板の少なくとも一部の内面に沿ってろ過層を形
    成し、該ろ過層と前記壁板との間から水を吸引して前記
    水槽本体の内部へと戻す水浄化手段を設け、前記ろ過層
    の表面上に網目若しくは小孔を分散形成した網状板を設
    置したことを特徴とする水生生物飼育用水槽。
  6. 【請求項6】 請求項1から請求項5までのいずれか1
    項において、前記網状板の内面に沿った水流を発生する
    水流発生手段を備えていることを特徴とする水生生物飼
    育用水槽。
  7. 【請求項7】 請求項3から請求項5までのいずれか1
    項において、前記水浄化手段の水放出部は、前記網状板
    の内面に沿った水流を発生するように構成されているこ
    とを特徴とする水生生物飼育用水槽。
  8. 【請求項8】 請求項1から請求項7までのいずれか1
    項に記載された水生生物飼育用水槽を構成するために必
    要な部材を揃えた水生生物飼育セット。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7610878B2 (en) 2005-09-14 2009-11-03 Stime Jr James Boyd Aquarium for jellyfish
WO2010010960A1 (ja) * 2008-07-19 2010-01-28 株式会社スプリング 観賞魚を上面から鮮明に見ることを目的とした水槽
CN112136752A (zh) * 2020-10-28 2020-12-29 广西壮族自治区水产技术推广站 一种章鱼室内养殖池及使用方法

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